JP2003059493A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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Abstract
提供する。 【解決手段】 円筒型リチウムイオン二次電池20は、
マンガン酸リチウムを含有する正極合剤層をアルミニウ
ム箔17上に形成した正極Pと、非晶質炭素を含有する
負極合剤層を電解銅箔上に形成した負極Nと、セパレー
タSとを捲回した捲回群6を備えている。アルミニウム
箔17の離型剤層面Bの表面粗さをプレス面Aの表面粗
さより大きく、かつ、プレス面A、離型剤層面Bの表面
粗さを1μm〜3μmとし、離型剤層面Bを捲回群6の
外面にして捲回した。離型剤層面Bと正極合剤層との接
触面積を増加させて密着強度を確保する。
Description
に係り、特に、リチウム複合酸化物を含有した正極合剤
層を正極集電体上に形成した正極と、充放電によりリチ
ウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負
極と、前記リチウムイオンの通過を許容するセパレータ
とを捲回した捲回群を備えるリチウム二次電池に関す
る。
であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノート
パソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に使用さ
れている。この電池の内部構造は通常以下に示されるよ
うな捲回式にされる。電極は正負極共に活物質が金属箔
に塗着された帯状であり、セパレータを挟んで正負極が
直接接触しないように断面が渦巻き状に捲回され、捲回
群を形成してる。そして、電池容器となる円筒状の缶に
捲回群が収容され、電解液注液後、封口されている。
は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高さが
65mmとなっており、小形民生用リチウム二次電池と
して広く普及している。18650型のリチウム二次電
池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコバ
ルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量
は、約1.3Ah〜1.7Ah、出力は約10W程度で
ある。
対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみ
にした電気自動車(EV)と、内燃機関エンジンと電池
との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動車
(HEV)の開発が加速され、一部実用化の段階にきて
いる。
力、高エネルギーが得られる特性が要求され、この要求
にマッチした電池としてリチウム二次電池が注目されて
いる。高出力、高エネルギーな電池を得るために、電極
ディメンジョンの工夫がなされている。
池として多くの用途に用いられており、組電池の高エネ
ルギー密度化への要求が年々厳しくなっている。組電池
を高エネルギー密度化する技術の一つとして、単電池を
円筒型から扁平円筒型又は角型にして、個々の単電池間
に生ずる空間を小さくする試みが活発に検討されてい
る。
電源等に用いられるような大型のリチウム二次電池は、
大電流で充電、放電が繰り返され、かつ高出力、高エネ
ルギーを確保するために、正極、負極の対向面積を大き
くしたり、電極の合剤層のかさ密度を大きくして導電ネ
ットワークを強固にして抵抗を小さくする必要があるた
め、電極は長く、捲回回数も多い。大電流で充放電を繰
り返すと正極集電体上に形成された正極合剤層は、膨張
・収縮を繰り返すため、正極集電体と正極合剤層との密
着強度が不十分であると、正極集電体と正極合剤層との
界面で剥離が生じ、電池容量にバラツキが生じ、早期寿
命に至る。特に過放電状態に至ったときには、正極合剤
層の膨張が増大するため、正極集電体と正極合剤層との
界面で剥離のみならず、正極集電体が破断して電池の安
全性を低下させることもある。
た捲回群を作製するとき、セパレータへのしわの混入や
電極の位置ずれを防止するために、捲回方向と逆方向に
一定の力で電極及びセパレータを引っ張りながら捲回し
ている。この際、電極の外周面側は延伸されやすく、歪
みが生ずる。特に、扁平型の捲回群では、捲回半径の小
さい部分で大きな歪みを生ずる。歪みは、最も密着強度
の弱い部分、例えば正極集電体と正極合剤層との界面又
は正極合剤層間で剥離を生ずることで小さくなるが、電
池特性は低下する。電極内で部分的に剥離を生ずると電
極反応が不均一となって早期寿命に至るのみでなく、電
流の集中により発熱して電池の安全性を損ねる。
ラツキの小さい長寿命な電池を提供することを課題とす
る。
に、本発明は、リチウム複合酸化物を含有した正極合剤
層を正極集電体上に形成した正極と、充放電によりリチ
ウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負
極と、前記リチウムイオンの通過を許容するセパレータ
とを捲回した捲回群を備えるリチウム二次電池におい
て、前記正極集電体は、表裏面の表面粗さが異なってお
り、該表面粗さの大きい面が前記捲回群の外面となるよ
うに捲回されていることを特徴とする。
極集電体を用いて、表面粗さの大きい面が捲回群の外面
になるように捲回したため、正極集電体の外面と正極合
剤層との接触面積を増加させて密着強度を確保できるの
で、正極集電体からの正極合剤層の剥離を抑制でき、電
池容量のバラツキの小さい長寿命の電池とすることがで
きる。
(Rz)を1乃至3μm、表面の粗さの小さい面に対す
る表面の粗さの大きい面の表面粗さの比を1.05以上
とすることが好ましく、正極集電体は、アルミニウム又
はアルミニウム合金であることが更に好ましい。
EV用の円筒型リチウムイオン二次電池に適用した実施
の形態について説明する。 (正極集電体)正極集電体には、最も多く採用されてい
るA1085のアルミニウム箔、又は電池の高出力化、
高エネルギー化が進むにつれて、近年使用量が増大して
いるA3003のアルミニウム合金箔を用いた。
のA1085のマスタコイル(スカイアルミニウム
(株)製)を冷間圧延機で数回繰り返し圧延して、厚さ
約0.1mmまで製箔した。次に、製箔したアルミニウ
ム箔の一方の表面に離型剤を塗布し離型剤層を形成し
た。更に、離型剤層表面に製箔したアルミニウム箔を重
ねて巻き取った。この巻き取ったものを、更に高い精度
で圧力制御が可能な冷間圧延機で数回繰り返し圧延し
て、全体の厚さが約40μmになるまで製箔した。その
後、離型剤層でアルミニウム箔を剥離、洗浄、乾燥させ
て厚さ約20μmのアルミニウム箔を2枚得た。
面A(表面粗さの小さい面;図1参照)と、表面粗さの
大きい離型剤層面B(表面粗さの大きい面)とで、それ
ぞれ表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)が異なるようにし
た。また、表面粗さを1μm〜3μmとして、プレス面
Aの表面粗さに対する離型剤層面Bの表面粗さの比Rを
1.05以上とした。また、アルミニウム合金箔を用い
る場合も同様に作製した。
てのマンガン酸リチウム(LiMn2O4)粉末と、導
電材として鱗片状黒鉛(平均粒径:20μm)と、アセ
チレンブラックと、結着剤としてポリフッ化ビニリデン
とを所定混合割合RP(重量%)で混合し正極合剤と
し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPと略称する。)を添加、混練してスラリを得
た。このスラリを、所定表面粗さで上記作製したアルミ
ニウム箔又はアルミニウム合金箔(正極集電体)の両面
に塗布し、乾燥させて、表面温度120゜Cに設定した
ロールプレス機を用いてプレスして正極合剤層を形成し
た。その後、裁断して幅300mm、所定長さ、正極合
剤層(活物質塗布部)の厚さ(集電体の厚さは含まな
い。)が260μmの正極を得た。このとき正極の長手
方向の一側に幅50mmの未塗布部を残し未塗布部に切
り欠きを入れた。切り欠き残部はリード片とした。隣り
合うリード片は、20mm間隔で設けた。またリード片
の幅は10mmとした。正極合剤層のかさ密度は2.6
5g/cm3とした。
素である呉羽化学工業株式会社製カーボトロンP粉末9
2重量部に、結着剤としてポリフッ化ビニリデン8重量
部を添加し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリ
ドンを添加、混練してスラリを得た。このスラリを厚さ
10μmの負極集電体の電解銅箔の両面に塗布し、乾燥
させて、表面温度120゜Cに設定したロールプレス機
を用いて線圧3.9×105N/m、ベント圧3.0×
106Paでプレスして負極合剤層を形成し、裁断して
幅305mm、所定長さ、かさ密度1.00g/c
m3、負極合剤層(活物質塗布部)の厚さ60μm(集
電体の厚さは含まない。)の負極を得た。このとき負極
の長手方向の一側に幅50mmの未塗布部を残した。そ
の後、未塗布部に正極と同様に切り欠きを入れた。切り
欠き残部はリード片とした。隣り合うリード片は、20
mm間隔で設けた。またリード片の幅は10mmとし
た。
セパレータを介して対向する単位面積あたりで、正極の
充電終止電位4.5V(Li/Li+基準)までの充電
可能容量と負極の終止電圧0V(Li/Li+基準)ま
での充電可能容量とが同じになるようにした。ちなみ
に、正極活物質ではマンガン酸リチウムの単位活物質重
量あたりの充電可能容量は105mAh/gであり、負
極活物質の充電可能容量は450mAh/gであった。
が直接接触しないように厚さ40μmのポリエチレン製
セパレータを介して捲回して捲回群6を作製した。この
とき、図1に示すように、アルミニウム箔17の離型剤
層面Bが捲回群6の外面になるようにした。また、正極
及び負極のリード片9が、それぞれ捲回群6の互いに反
対側の両端面に位置するようにした。正極、負極及びセ
パレータの長さを調整し、捲回群6の外径を65±0.
1mmとした。また、正極と負極とを捲回したときに、
捲回最内周では捲回方向に正極が負極からはみ出すこと
がなく、また、最外周でも捲回方向に正極が負極からは
み出すことがないように、負極の長さは正極の長さより
も18cm長くした。捲回方向に垂直の方向においても
正極合剤層が負極合剤層からはみ出すことがないよう
に、負極合剤層の幅を、正極合剤層の幅よりも5mm長
くした。
させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線上にある極柱
(正極外部端子1)周囲から一体に張り出している鍔部
7周面付近に集合、接触させた後、リード片9と鍔部7
周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部7周面に接続
し固定した。また、負極外部端子1’と負極から導出さ
れているリード片9との接続操作も、正極外部端子1と
正極から導出されているリード片9との接続操作と同様
に行った。
1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁
被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆
8には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタア
クリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用い
た。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に
亘って何重にも巻いて絶縁被覆8とした。捲回群6の最
大径部が絶縁被覆8存在部となるように巻き数を調整
し、該最大径をステンレス製の電池容器5の内径よりも
僅かに小さくして、捲回群6を電池容器5内に挿入す
る。電池容器5の外径は67mm、内径は66mmであ
る。
と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25
mmの第2のセラミックワッシャ3’を、先端が正極外
部端子1を構成する極柱、先端が負極外部端子1’を構
成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。また、アルミナ製で
厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状の第
1のセラミックワッシャ3を電池蓋4に載置し、正極外
部端子1、負極外部端子1’をそれぞれ第1のセラミッ
クワッシャ3に通した。その後、電池蓋4周端面を電池
容器5開口部に嵌合し、双方の接触部全域をレーザ溶接
した。このとき、正極外部端子1、負極外部端子1’
は、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して電池蓋4
外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシ
ャ3、金属製ナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ1
4を、この順に正極外部端子1、負極外部端子1’にそ
れぞれ嵌め込んだ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇
に応じて開裂する開裂弁10が設けられている。開裂弁
10の開裂圧は、1.3×106〜1.8×106Pa
とした。
外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッ
シャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ
14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付
けにより固定した。このときの締め付けトルク値は7N
・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワ
ッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4裏
面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)製Oリン
グ16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気か
ら遮断される。
有機電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後注液
口15を封止することにより円筒型リチウムイオン二次
電池20を完成させた。
ジメチルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比
1:1:1の混合溶液中へ6フッ化リン酸リチウム(L
iPF6)を1モル/リットル溶解したものを用いた。
なお、円筒型リチウムイオン電池20には、電池容器5
の内圧の上昇に応じて電流を遮断する電流遮断機構は設
けられていない。
実施例の円筒型リチウムイオン二次電池20について説
明する。比較のために作製した比較例の電池についても
併記する。
1では、正極合剤の混合割合RPを80:8:2:10
(重量%)とし、正極集電体に厚さ20μm、圧延時に
プレスロールに接触するプレス面Aの表面粗さ(以下、
Rzaという。)が2.0μm、圧延時に離型剤層に接
触する離型剤層面Bの表面粗さ(以下、Rzbとい
う。)が2.1μmのアルミニウム箔を用いた。表面粗
さの大きい離型剤層面Bが捲回群の外面になるように捲
回した捲回群を使用して電池を作製した。なお、アルミ
ニウム箔17の表面粗さの測定は、JIS C 651
1 10項に準拠して行った。
例2及び実施例3では、正極集電体にRza=2.0μ
m、Rzbがそれぞれ2.5μm、3.0μmのアルミ
ニウム箔を用いた以外は実施例1と同様に電池を作製し
た。
例1〜比較例5では、正極集電体にRza及びRzbが
同じで、それぞれ0.8μm、1.0μm、2.0μ
m、3.0μm、3.5μmのアルミニウム箔を用いた
以外は実施例1と同様に電池を作製した。
では、正極集電体にRza=2.0μm、Rzb=3.
5μmのアルミニウム箔を用いた以外は実施例1と同様
に電池を作製した。
では、正極集電体にRza=2.5μm、Rzb=2.
0μmのアルミニウム箔を用い、表面粗さの小さい離型
剤層面Bを捲回群の外面になるようにして捲回した捲回
群を使用した以外は実施例1と同様に電池を作製した。
では、正極集電体にRza=3.0μm、Rzb=2.
0μmのアルミニウム箔を用い、表面粗さの小さい離型
剤層面Bを捲回群の外面になるようにして捲回した捲回
群を使用した以外は実施例1と同様に電池を作製した。
た実施例及び比較例の電池について、下記要領にて電池
の寿命を判定するサイクル寿命試験を行った。
室温で充電した後放電し、放電容量を測定した。充電条
件は、4.2V定電圧、制限電流80A、3.5時間と
した。放電条件は、20A定電流、終止電圧2.5Vと
した。その後、作製した電池を50゜Cに設定した恒温
槽内で、上記同様の充放電を繰り返し、初期容量の70
%に至った時点を寿命と判断した。下表2にサイクル寿
命試験の試験結果を示す。
(Rz)が1μm未満又は3μmを超えた比較例1、比
較例5及び比較例6の電池では、正極集電体と正極合剤
層との密着強度が低下し、正極集電体と正極合剤層との
界面で剥離が生じ、捲回組立時に正負極端部から正負極
合剤が剥離、落下して貫通短絡が発生する。表2に示す
ように、サイクル寿命試験でも、表面粗さ(Rz)が1
μm〜3μmの正極集電体を用いた電池に比べて、サイ
クル数が200サイクル以下と早期に寿命に至ってい
る。寿命後の電池を解体しても、正極合剤層が正極集電
体界面で剥離していることが観察された。従って、正極
集電体の表面粗さ(Rz)を1μm〜3μmとすること
で、良好なサイクル寿命特性の電池を実現することがで
きる。
(Rz)の大きい面が捲回群の内面になるように捲回し
た比較例7及び比較例8の電池は、捲回群の巻き締まり
により、正極合剤層が部分的に正極集電体から剥離して
おり、その結果電池容量及びサイクル寿命特性が低下し
た。
z)の大きい面が捲回群の外面になるように捲回した実
施例1〜実施例3の電池は、良好なサイクル寿命特性を
示し、特に表面粗さ(Rz)が1μm〜3μm、Rza
に対するRzbの比Rが1.05以上の場合、450サ
イクル以上のサイクル寿命特性を示し、良好である。ま
た、450サイクル経過後の電池を解体しても、正極合
剤層と正極集電体との剥離は全く見られなかった。従っ
て、正極集電体の表面粗さ(Rz)の大きい面が捲回群
の外面になるように捲回し、表面粗さ(Rz)が1μm
〜3μm、Rzaに対するRzbの比Rを1.05以上
とすることで、良好なサイクル寿命特性の電池を実現す
ることができる。
小さい長寿命な電池とすることができ、特に電気自動車
の電源等に用いられる大型のリチウム二次電池に適した
電池である。
に、2枚のアルミニウム箔を重ねて圧延した例を示した
が、1枚のまま圧延を繰り返してもよい。圧延方向の厚
さのバラツキを小さくできると共に箔の歪みも小さくで
きるので、2枚以上箔を重ねて製箔するのが効果的であ
る。特に、アルミニウム箔の薄膜化やアルミニウム合金
を材質とする場合は、製箔時の圧延回数が増大し、圧延
方向の厚さのバラツキが大きくなると共にアルミニウム
箔やアルミニウム合金箔の歪みも大きくなるので、より
有効である。
さを変更することで、表面粗さの異なるアルミニウム箔
又はアルミニウム合金を得てもよい。更に、表裏面の表
面粗さの同じアルミニウム箔又はアルミニウム合金を予
め製箔し、一面のみを薬品処理したり、研磨などして表
面粗さを変えてもよい。
z)が表裏面で異なるアルミニウム箔又はアルミニウム
合金を用いた例を示したが、算術平均粗さRaの大きい
面が捲回群の外面になるように捲回した電池でも同様の
効果が確認されている。
Bの表面粗さが、プレス面Aの表面粗さより大きいアル
ミニウム箔の例を示したが、離型剤層面Bの表面粗さが
プレス面Aの表面粗さより小さくても、プレス面Aが捲
回群の外面になるように捲回すればよい。
源等に用いられる大型の二次電池について例示したが、
電池の用途や大きさ及び電池容量に限定されるものでな
いことはいうまでもない。また、有底筒状容器(缶)に
電池上蓋がカシメによって封口されている構造の円筒型
リチウムイオン電池にも本発明の適用が可能である。し
かしながら、電気自動車には比較的高容量、高出力の電
池が要求されるので、本発明を適用した上記実施形態の
電池の搭載が特に好ましい。
備えない円筒型リチウムイオン二次電池について例示し
たが、本発明は電流遮断機構を備えた電池に適用するよ
うにしてもよい。このようにすれば、車両衝突事故等の
異常時に電気系の電流遮断機構が作動しなくても機械系
の開裂弁10が作動するので、車載電池のより高い安全
性が確保される。
基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレー
トからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いたが、こ
れに限定されるものではなく、例えば、基材がポリプロ
ピレンやポリエチレン等のポリオレフィンで、その片面
又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレー
ト等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープや、粘着
剤を塗布しないポリオレフィンやポリイミドからなるテ
ープ等を好適に使用することができる。
オン電池用の正極にマンガン酸リチウム、負極に非晶質
炭素、電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボ
ネートとジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混
合液中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶
解したものを用いたが、本発明の電池の製造方法には特
に制限はなく、また、負極活物質、非水電解液も通常用
いられているいずれのものも使用可能である。電気自動
車用途向け高容量、高出力の電池で、かつ安全性を確実
に確保するためには、正極活物質としてリチウム・コバ
ルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物を用い
るよりも、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸
リチウムを用いることがより望ましい。また、導電補助
材としてアセチレンブラックを例示したが、他の導電補
助材を使用するようにしてもよく、また、導電補助材を
使用しなくてもよい。
デンを結着剤として使用したが、リチウムイオン電池用
極板活物質結着剤としては、テフロン(登録商標)、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化
ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各
種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン
等の重合体及びこれらの混合体等を用いることができ
る。しかしながら、上述したようにフッ素樹脂を用いる
ことが好ましい。
チウム二次電池用正極活物質としては、リチウムを挿入
・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムを挿
入したリチウムマンガン複酸化物が好ましく、スピネル
構造を有したマンガン酸リチウムや、結晶中のマンガン
やリチウムの一部をそれら以外の元素で置換又はドープ
した材料を使用するようにしてもよい。
ムイオン電池用負極活物質には、例えば、天然黒鉛や、
人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等がある
が、これらを使用するようにしてもよく、その粒子形状
においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に本発
明が制限されるものではない。
塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液を使
用してもよく、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限され
るものではない。例えば、電解質としては、LiClO
4、LiAsF6、LiPF 6、LiBF4、LiB
(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li
等やこれらの混合物を用いることができる。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジ
オキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルス
ルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこ
れら2種類以上の混合溶媒を用いることができ、更に、
混合配合比についても限定されるものではない。
について例示したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、上述した特許請求の範囲において種々の態様
を採ることができる。
表裏面の表面粗さの異なる正極集電体を用いて、表面粗
さの大きい面が捲回群の外面になるように捲回したた
め、正極集電体の外面と正極合剤層との接触面積を増加
させて密着強度を確保できるので、正極集電体からの正
極合剤層の剥離を抑制でき、電池容量のバラツキの小さ
い長寿命の電池とすることができる、という効果を得る
ことができる。
イオン二次電池の断面図である。
池)
Claims (3)
- 【請求項1】 リチウム複合酸化物を含有した正極合剤
層を正極集電体上に形成した正極と、充放電によりリチ
ウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負
極と、前記リチウムイオンの通過を許容するセパレータ
とを捲回した捲回群を備えるリチウム二次電池におい
て、前記正極集電体は、表裏面の表面粗さが異なってお
り、該表面粗さの大きい面が前記捲回群の外面となるよ
うに捲回されていることを特徴とするリチウム二次電
池。 - 【請求項2】 前記正極集電体は、表面粗さ(Rz)が
1μm乃至3μmであり、表面粗さの小さい面に対する
前記表面粗さの大きい面の表面粗さの比が1.05以上
であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次
電池。 - 【請求項3】 前記正極集電体は、アルミニウム又はア
ルミニウム合金であることを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載のリチウム二次電池。
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