JP2018076590A - 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 - Google Patents

電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池電極集電体用アルミニウム合金箔の提供。【解決手段】Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金箔であり、上記アルミニウム合金箔は、両面において、粗度Raの平均値が0.3μm以下であり、又、上記両面のうち一方の表面における粗度Raの平均値は、他方の表面における粗度Raの平均値より大きく、そして、上記アルミニウム合金箔の引張強さは、200〜300MPaであり、100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちのいずれの熱処理を行った場合にも、上記アルミニウム合金箔の引張強さは、160MPa以上である、電池電極集電体用アルミニウム合金箔。【選択図】図1

Description

本発明は、電極集電体用アルミニウム合金箔、その製造方法、それを用いた電極集電体および電極構造体に関する。
携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子機器の電源にエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が用いられている。リチウムイオン二次電池は、正極材、セパレータおよび負極材で構成される。正極材には電気伝導性に優れ、二次電池の電気効率に影響せず、発熱が少ないという特徴からアルミニウム合金箔が使用されている。正極材は、アルミニウム合金箔の両面にリチウム含有金属酸化物、たとえばLiCoOを主成分とする活物質を含むペーストを塗布して乾燥をさせることにより活物質層を形成し、プレス機にてこの活物質層に圧縮加工を施す(以下、この工程をプレス加工と呼ぶ。)ことにより得ることができる。このようにして製造された正極材には更にセパレータ、負極材が積層され、捲回したものが、ケースに収納される。リチウムイオン二次電池用のアルミニウム合金箔は、活物質ペースト塗布時の張力による切れの発生や、捲回時に屈曲部で破断するなどの問題があるため、高い引張強度が要求されている。
近年、リチウムイオン二次電池の正極材に使用されるアルミニウム合金箔には、薄肉化も要求されている。リチウムイオン二次電池は高容量化や小型化が進んでおり、正極材に使用されるアルミニウム合金箔をより薄くして、体積あたりの電池の容量を増大させることが検討されている。アルミニウム合金箔を薄肉化する際は、仕上げ圧延において、重合圧延することで、より薄肉化することができるが、重合圧延時の圧下率が高くなると、重合面の粗度が粗くなり、局所的に薄くなる箇所が生じ、応力をかけた場合に切れや亀裂が発生し易くなるという問題がある。以上より、リチウムイオン二次電池の正極材に使用されるアルミニウム合金箔には、電池の高容量化のための薄肉化、活物質ペースト塗布工程での切れ防止のために素板強度の確保、そしてプレス工程でのしわ防止のために乾燥工程後強度の確保が要求されており、圧延性を損なわない条件での適正化が求められている。
例えば、特許文献1には、引張強度が220〜270MPaのアルミニウム合金箔が提案されている。特許文献2には、引張強度が220MPa以上のアルミニウム合金箔が提案されている。これら提案はいずれも活物質層を乾燥させるために熱処理が行われる。
特開2011−219865号公報 特開2012−21205号公報
しかしながら、これら提案はいずれも熱処理により箔が影響を受けるため、電極に使用する際に引張強度が低下し、強度の上で問題が生じることがある。
特許文献1と特許文献2については、共に加熱後の箔強度に関する記載はない。したがって、特許文献1と特許文献2に開示されたアルミニウム合金箔によってこの強度低下の問題の解決ができるかどうかは不明である。
また、活物質ペースト塗布後の乾燥工程では、高温で加熱処理され、その後、活物質密度を増大させるためにプレス工程が実施されるが、近年更なる活物質密度の増加が図られており、より高圧条件でプレスが実施されているが、熱処理を施した後のアルミニウム合金箔の強度は低下するため、乾燥工程後の引張強さに対しても高いことが要求されている。
乾燥工程後に強度が低下すると、プレス加工時に中伸びが発生し易くなり、捲回時に捲きしわが発生し、活物質とアルミニウム合金箔との密着性の低下や、スリット時の破断が起こり易くなるという電池製造上致命的な問題が起こる。特に、活物質とアルミニウム合金箔表面の密着性が低下すると、充放電の繰り返しの使用中に剥離が進行し、電池の容量が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、薄肉化が可能であり、かつ高品質な電極構造体を安定して製造することができる電極集電体用アルミニウム合金箔を提供することを目的とする。
本発明者はこの点について更に検討を進めた結果、合金組成及び表面状態を制御することにより、アルミニウム合金箔の薄肉化が可能で、活物質ペースト塗布工程の切れを防止できる素板強度を有し、さらに活物質ペーストの乾燥工程を想定した熱処理後の引張強さが得られる組成を適正化することに成功し、プレス工程時のしわが回避できる優れた電極集電体用アルミニウム合金箔が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金箔が提供される。上記アルミニウム合金箔は、両面において、粗度Raの平均値が0.3μm以下である。
また、上記両面のうち一方の表面における粗度Raの平均値は、他方の表面における粗度Raの平均値より大きい。
そして、上記アルミニウム合金箔の引張強さは、200MPa以上300MPa以下であり、100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちのいずれの熱処理を行った場合にも、上記アルミニウム合金箔の引張強さは、160MPa以上である。
この構成によれば、アルミニウム合金箔の組成、表面粗度Raの平均値および強度の適正化をした上で、さらに熱処理を行った場合にも強度が維持できるようにしているため、アルミニウム合金箔を薄肉化しても電極集電体に用いる上で充分な強度を得ることができる。そのため、この構成のアルミニウム合金箔を用いれば、活物質ペースト塗布時の張力による切れの発生の問題が低減される上、プレス加工時もアルミニウム合金箔が変形しにくく、しわ不良やスリット時の破断を抑制することができる。その結果、この構成によれば、薄肉化が可能であり、かつ高品質な電極構造体を安定して製造することができる電極集電体用アルミニウム合金箔を提供することができる。
また、本発明によれば、上記アルミニウム合金箔を備えた電極集電体と活物質層と、を備える、電極構造体が提供される。この構成によれば、上記のアルミニウム合金箔を用いるため、小型化された高品質な電極構造体を安定して製造することができる。
また、本発明によれば、電極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法が提供される。上記製造方法は、Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成るアルミニウム鋳塊を570℃以上620℃以下で1〜20時間保持する均質化処理工程と、上記均質化処理後に実施する開始温度が500℃以上、終了温度が280℃以上350℃以下である熱間圧延工程と、上記熱間圧延終了後に実施する冷間圧延工程と、を含む。そして、上記冷間圧延工程において、圧下率10%以上50%以下で重合圧延する仕上げ圧延工程を含む。そして、上記製造方法では、上記冷間圧延の前あるいは途中において中間焼鈍を実施しない。
この方法によれば、アルミニウム合金箔の組成、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延の条件を適切に設定し、さらに冷間圧延で中間焼鈍を行わないこととしているため、得られるアルミニウム合金箔の表面粗度Raの平均値および強度が適正化され、さらにアルミニウム合金箔の熱処理を行った場合にも強度が維持できるようになる。そのため、この方法で得られるアルミニウム合金箔は、薄肉化しても電極集電体に用いる上で充分な強度を得ることができる。
本発明によれば、薄肉化が可能であり、かつ高品質な電極構造体を安定して製造することができる電極集電体用アルミニウム合金箔を提供することができる。
実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔の構成を示した断面図である。 実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔を用いた電極構造体の構成を示した断面図である。 実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔の製造の際に重合圧延を行うことによってアルミニウム合金箔の両面にマット面およびブライト面が生じる様子を説明するための概念図である。 従来の電極集電体用アルミニウム合金箔を用いて電極構造体を製造するために活物質ペーストの塗工した場合にアルミニウム合金箔に切れやしわが生じる場合のメカニズムを説明するための概念図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、例示であって、本発明の範囲は、以下の実施形態で示すものに限定されない。
<電極集電体用アルミニウム合金箔>
図1は、実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔の構成を示した断面図である。本実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100は、リチウムイオン二次電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品に使用される電極集電体102に適したアルミニウム合金箔100である。この電極集電体用アルミニウム合金箔100は、特にリチウムイオン二次電池の正極又は負極の電極構造体104に好適に使用されるアルミニウム合金箔100である。
図2は、実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100を用いた電極構造体104の構成を示した断面図である。本実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100の組成は、Fe:0.10〜0.60%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなる。
そして、このアルミニウム合金箔100の両面(一方の表面106および他方の表面108)の粗度Raの平均値は0.3μm以下である。また、これらの両面のうち一方の表面106における粗度Raの平均値は、他方の表面108における粗度Raの平均値より大きい。さらに、上記アルミニウム合金箔100の引張強さは、200MPa以上300MPa以下である。加えて、上記アルミニウム合金箔100は、100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さを、160MPa以上維持している。
本実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100は、このようにアルミニウム合金箔100の組成、一方の表面106および他方の表面108の表面粗度Raの平均値および強度を適正化した上で、さらにまた熱処理を行った場合にも強度が維持できるようにすることによって、電極集電体102に用いるのに充分な強度を得ながらアルミニウム合金箔100を薄肉化することができる。
そのため、このアルミニウム合金箔100を用いれば、活物質ペースト110の塗布時の張力によるアルミニウム合金箔100の切れの発生の問題が低減される上、プレス加工時もアルミニウム合金箔100が変形しにくく、アルミニウム合金箔100のしわ不良やスリット時の破断を抑制することができる。その結果、この構成によれば、アルミニウム合金箔100の薄肉化が可能であり、かつ高品質な電極構造体104を安定して製造することができる電極集電体用アルミニウム合金箔100を提供することができる。
<アルミニウム合金箔>
本実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100の組成は、Fe:0.10〜0.60%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなる。
本実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100の厚みは、特に限定しないが、5〜15μmとすることが好ましい。この厚みが5μm未満の場合、活物質ペースト110の塗布時に切れや亀裂が発生し易くなる。この厚みが15μmを超えると、同一体積に占める電極集電体102の体積及び重量が増加し、活物質の体積及び重量が減少する。従って、例えばリチウムイオン二次電池の場合、電池容量の低下をまねくので好ましくない。
本実施形態において、上記アルミニウム合金箔100は、Feを0.10〜0.60%含有する。Feは、添加することで、強度を向上させる。Fe添加量が0.10%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Fe添加量が0.60%を超えると、強度が増大しすぎて、圧延性を低下させる。より好ましいFe添加量は、0.25〜0.55%である。このFeの含有量は、例えば、0.10、0.11、0.25、0.30、0.40、0.49、0.50、0.59、0.60%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
本実施形態において、上記アルミニウム合金箔100は、Siを0.01〜0.50%含有する。Siは、添加することで、強度を向上させる。Si添加量が0.01%未満では、強度向上に寄与しない。また、通常使用するAl地金には不純物としてSiが含まれており、0.01%未満に調整するためには、高純度のAl地金を使用することになるため、経済的に実現が困難である。一方、Si添加量が0.50%を超えると、強度が増大しすぎて、圧延性を低下させる。より好ましいSi添加量は、0.05〜0.30%である。このSiの含有量は、例えば、0.01、0.02、0.05、0.08、0.10、0.25、0.30、0.40、0.45、0.49、0.50%であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。
本実施形態において、上記アルミニウム合金箔100は、Cuを0.01〜0.20%含有する。Cuは、添加することで、強度を向上させる。Cu添加量が0.01%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Cu添加量が0.20%を超えると加工硬化性が高くなるために、箔圧延時での切れが発生し易くなる。より好ましいCuの添加量は0.02〜0.16%である。このCuの含有量は、例えば、0.01、0.02、0.05、0.08、0.10、0.15、0.19、0.20%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
その他、上記アルミニウム合金箔100には、Cr、Ni、Zn、Mg、Ti、B、V、Zr等の不可避的不純物が含まれる。これら不可避的不純物は、個々に0.02%以下、総量としては0.15%以下であることが好ましい。
図3は、実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100の製造の際に重合圧延を行うことによってアルミニウム合金箔100の両面にマット面(一方の表面106)およびブライト面(他方の表面108)が生じる様子を説明するための概念図である。なお、この重合圧延については後ほど詳しく説明する。また、図4は、従来の電極集電体用アルミニウム合金箔200を用いて電極構造体204を製造するために活物質ペースト210を塗工した場合にアルミニウム合金箔200に切れやしわが生じる場合のメカニズムを説明するための概念図である。
本実施形態においては、アルミニウム合金箔100は、両面(一方の表面106および他方の表面108)において粗度Raの平均値が0.3μm以下である。この両面における粗度Raの平均値は、例えば、0.01、0.05、0.10、0.11、0.15、0.19、0.20、0.25、0.29、0.30μm以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの値の間の範囲内であってもよい。図4で示したように、上記アルミニウム合金箔200の両面における粗度Raの平均値が0.3μmを超えると活物質ペースト210の塗工時に加わる張力が局所的に応力集中し、切れや亀裂が発生し易くなるため、好ましくない。
本実施形態においては、上記アルミニウム合金箔100は、上述したように、両面の粗度が制御されることが推奨される。本実施形態の電極集電体用アルミニウム合金箔100は、図3の重合圧延を示す概略図で示されるように、2枚の重合圧延前のアルミニウム合金箔140を、重ね(A)、同時に圧延(B)した後、分離して製造する(図示せず)ことができる。この重合圧延で製造されたアルミニウム合金箔は、一方の表面に重合時にアルミニウム合金箔同士が重なった重合面(マット面)が形成され、他方の表面には当該重合面より粗度が低い所謂ブライト面が形成されるが、表面の粗度がそれぞれ異なるように形成されている。本実施形態において重合圧延で厚みの薄い電極集電体用アルミニウム合金箔100を製造する場合は、両面の粗度のバランスを適正化するために粗度Raの平均値が0.3μm以下に制御されており、上記両面のうち一方の表面における粗度Raの平均値は、他方の表面における粗度Raの平均値より大きいが、本実施形態においては、重合面の粗度Raの平均値を、より小さくすることが好ましい。そうすることで、アルミニウム箔表面における局所的な薄い箇所がなくなり、応力がかかった場合の切れ、亀裂の発生を抑制することができる。このようなアルミニウム箔表面における粗度の調整は、熱間圧延の終了温度を適宜調整し組織を再結晶させたり、重合圧延時の圧下率を制御することによって調整することができ、公知の方法で調整できる。
なお、重合圧延前のアルミニウム合金箔140を供給するための供給ロール150、および2枚の重合圧延前のアルミニウム合金箔140を重合圧延するための圧延ロール170、および重合圧延したアルミニウム合金箔を巻き取るための巻き取りロール180は、公知のロール形状であってもよく、本実施形態において特に制限されるものではない。
Fe、Si、Cuのみが主に添加されているアルミニウム合金では、鋳塊の均質化処理と熱間圧延時の温度条件を最適化し、微量に添加された各元素を多く固溶させることで、転位の移動が抑制されて、より高強度を確保することができる。さらに、固溶量が増加することで、加工硬化性も上がるために、冷間圧延時による強度増加量も大きくなり、アルミニウム合金箔100の強度を増加させることができる。
最終圧延後のアルミニウム合金箔100の素板引張強さは200MPa以上300MPa以下とする。この最終圧延後のアルミニウム合金箔100の素板引張強さは、例えば、200、201、210、220、230、240、250、260、270、280、290、299、300MPaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
アルミニウム合金箔100の引張強さが200MPa未満では強度が不足し、活物質ペースト110の塗布時に加わる張力によって、切れや亀裂が発生し易くなる。また、中伸びなどの不具合も引き起こし、生産性に悪影響を及ぼすため、好ましくない。一方、アルミニウム合金箔100の引張強さが300MPaを超えると強度が増大しすぎて、重合面粗度Raが大きくなり、応力をかけた場合に切れや亀裂が発生し易くなることがある。
なお、本明細書において、「最終圧延後」とは、アルミニウム合金箔100の最終の圧延の後のことであって、具体的にはアルミニウム合金箔100に活物質ペースト110等を塗布・乾燥させるための熱処理を施す前の状態を意味する。従って、例えば「箔圧延」が最終的に行われた場合には当該「箔圧延」が最終圧延に該当する。
本実施形態の正極板(電極構造体104)の製造工程は、公知の方法を採用することができ、上記アルミニウム合金箔100に活物質ペースト110を塗布した後に乾燥工程を行うことができる。この乾燥工程では通常100〜200℃程度の温度の熱処理が行われる。この熱処理により、従来のアルミニウム合金箔100は軟化して機械的特性が変化する場合があるため、熱処理後のアルミニウム合金箔100の機械的特性が重要となる。
特に活物質ペースト110を塗布して乾燥させる100〜200℃の熱処理時には、外部からの熱エネルギーにより、転位が活性化されて移動し易くなり、回復過程で強度が低下する。熱処理時の回復過程での強度低下を防ぐには、アルミニウム合金中の固溶元素や析出物によって、転位の移動を抑制することが有効である。特に、Fe、Si、Cuのみが主に添加されているアルミニウム合金では、固溶Feによる効果が大きい。つまり、鋳塊の均質化処理温度を高温化させることで、微量に添加されたFeを多く固溶させ、熱間圧延時にはこれらの固溶したFeをできるだけ析出させずに、高い固溶量を維持することで、熱処理後の強度低下を抑制することができる。
本実施形態の電極集電体用アルミニウム合金箔100は、100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さが160MPa以上である。この引張強さは、例えば、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350MPa以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。上記熱処理後の引張強さが160MPa未満では、電極構造体104の製造工程における乾燥工程後のプレス加工時に中伸びが発生し易くなるため、捲回時に捲きしわが発生し、活物質の剥離やスリット時の破断が起こり易くなるため、好ましくない。
本実施形態の電極集電体用アルミニウム合金箔100の導電率は、電極用集電体102のために使用可能であれば、特に制限されるものではないが、例えば、57%IACS以上が好ましい。より好ましくは、58%IACS以上である。導電率は、溶質元素の固溶状態を調整し、所望の値にすることができる。本実施形態の電極集電体をリチウムイオン二次電池に用いる場合、導電率が低すぎると、放電レートが5Cを超えるような高い電流値で使用する際に、電池容量が低下するため、好ましくない。
<アルミニウム合金箔の製造方法>
本実施形態の電極集電体用アルミニウム合金箔100は、一例として、以下の方法で製造することができる。
まず、Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成る組成を有するアルミニウム合金を半連続鋳造法や連続鋳造法により溶解鋳造して鋳塊を得る。次に、得られたアルミニウム合金鋳塊に対して、570〜620℃で1〜20時間の均質化処理を行う。この均質化処理温度は、例えば、570、580、590、600、610、620℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、均質化処理時間は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20時間であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
この均質化処理温度が570℃未満あるいは1時間未満の保持時間では、Si、Fe等の元素が十分に固溶せず、固溶量が不足し、強度が低下するので好ましくない。この均質化処理温度が620℃を超えると局部的に鋳塊が溶融したり、鋳造時に混入した極僅かの水素ガスが表面に出て材料表面に膨れが生じ易くなったりするため好ましくない。また、均質化処理時間が20時間を超えると生産性やコストの観点から好ましくない。均質化処理温度は、溶質元素を多く固溶させて、強度を確保する観点から、より好ましくは590℃以上、620℃以下である。
上記均質化処理を行った後、熱間圧延、冷間圧延を実施する。
熱間圧延は、均質化処理終了後に500℃以上で開始する。この熱間圧延の開始温度は、例えば、500、510、520、530、550、590、600℃以上であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。熱間圧延の開始温度が500℃未満では、Si、Fe等の元素の析出量が多くなり、強度を向上させるための固溶量確保が困難となる。特に固溶したFe量は、高強度を維持するために大きな影響を与える。Feは、350℃以上500℃未満の温度域で、AlFe、Al−Fe−Si系の金属間化合物として析出し易いために、この温度域の所要時間をできるだけ短くすることが必要である。特に、熱間圧延を開始する準備において、350℃以上500℃未満の温度域の所要時間は、20分以内が好ましい。
熱間圧延の終了温度は、280℃以上、350℃以下である。好ましくは、熱間圧延終了温度は300℃以上、340℃以下である。この熱間圧延の終了温度は、例えば、280、290、300、310、320、330、340、350℃以下であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、熱間圧延時の終了温度は、ライン速度を変化させて、加工発熱や冷却条件を調整することによって、決定することができる。
熱間圧延の終了温度が280℃未満では、再結晶しにくくなり、最終圧延上り(最終圧延後)の表面粗度が悪化し、強度が低下するので好ましくない。350℃を超えると、冷却中に、Fe系化合物が析出し易くなり、Feの固溶量が低下するために、最終圧延後のアルミニウム合金箔の強度が低下するので好ましくない。
熱間圧延の温度を上記のように調整することによって、熱間圧延時にアルミニウム合金板をできるだけ再結晶させることで、より最終圧延上りの表面粗度を軽減し、強度の低下を防止する事が可能となる。
冷間圧延は、熱間圧延終了後に実施する。また、冷間圧延時における最終圧延として、仕上げ圧延を実施する。冷間圧延の条件は、公知のものを採用することができる。
熱間圧延終了後の冷間圧延時には、冷間圧延の前あるいは途中において、中間焼鈍を実施しない。中間焼鈍を実施すると、熱間圧延及び冷間圧延によって蓄積された歪みが開放される。さらに、均質化処理及び熱間圧延時に固溶させたFeが特に析出してしまい、Feの固溶量が低下するために、金属組織が変わることで、最終圧延後のアルミニウム合金箔の強度が低下する。従って、中間焼鈍を実施すると、冷間圧延を行っても、強度の高い電極集電体用アルミニウム合金箔を得ることはできない。
なお、一般的には、中間焼鈍を実施すると展延性が向上するので、仕上げ圧延において、切れが発生しにくくなる。これに対して、本実施形態においては、中間焼鈍を実施しなくても、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延などの条件を適切に設定しているため、冷間圧延時における仕上げ圧延において、切れが発生しない。
仕上げ圧延は、重合圧延が用いられる。重合圧延とは、アルミニウム合金箔を2枚重ねて圧延することである。重合圧延されたアルミニウム合金箔は、ワークロールに接する側が光沢(ブライト面)を持ち、重合面では不規則なうねりを持ったマット面となる(図3参照)。
一般にアルミニウム合金箔を薄肉化する際には、入り側の箔厚が薄くなるほど、薄肉化が困難となる。これに対して、本実施形態においては、重合圧延を行う際に、アルミニウム合金箔をあらかじめ重合することで、圧延時の入り側の箔厚を増加できるので、より薄いアルミニウム合金箔を安定的に得ることが可能となる。また、生産性の向上にも寄与できる。
該重合圧延時における圧下率は、特に限定しないが、10%以上50%以下であることが好ましい。より好ましい重合圧延圧下率は、15%以上40%以下である。重合圧延時における圧下率は、例えば、10、11、15、20、21、25、30、35、39、40、45、49、50%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。重合圧延時の圧下率は、ライン速度、圧延荷重、重合油そして圧延ロール粗度を調整することによって、決定することができる。重合圧延時の圧下率が10%未満では、生産性やコストの観点から好ましくない。圧延率が50%を超えると重合面粗度が悪化して、強度が低下する場合があるので、好ましくない。
<電極集電体>
繰り返しになるが、図1は、実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔の構成を示した断面図である。本実施形態における電極集電体102は、公知の方法で製造でき、本実施形態における電極集電体用アルミニウム合金箔100を備えていれば、特に限定はしない。また、電気抵抗値の低減と活物質の密着性向上を目的として、本実施形態における電極集電体用アルミニウム合金箔100の上に、導電材を含むバインダー樹脂であるカーボンコート(不図示)を有する電極集電体102であっても良い。本実施形態における電極集電体102は、本実施形態におけるアルミニウム合金箔100を備えているので、電極構造体104の製造時における活物質ペースト110の塗布工程や乾燥工程やプレス工程においても電極集電体102の強度が確保されているため、しわや切れの発生を防止できる。
<電極構造体>
繰り返しになるが、図2は、実施形態に係る電極集電体用アルミニウム合金箔100を用いた電極構造体104の構成を示した断面図である。本実施形態における電極構造体104は、公知の方法で製造でき、本実施形態における電極集電体102を備えていれば、特に限定はしない。例えば、正極構造体としてはアルミニウム合金箔100を用いた本実施形態の集電体102の上に活物質層を形成する。活物質としてLiCoO、LiMnO、LiNiO等を用い、導電材としてアセチレンブラック等のカーボンブラックを用い、これらをバインダであるPVDFや水分散型PTFEに分散したペーストを塗工、乾燥させることにより、本実施形態の正極構造体104を得ることができる。本実施形態における電極構造体104は、本実施形態における電極集電体102を備えているので、例えば、リチウムイオン二次電池の正極材として用いた場合、電池を高容量化することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本実施例は一例に過ぎず、本発明に限定されるものではない。
表1に示す組成の合金No.1−14のアルミニウム合金を半連続鋳造法により溶解鋳造し、厚さ500mmの鋳塊を作製した。次に、この鋳塊を面削後、表1に示す条件で均質化処理を行い、均質化処理後には熱間圧延を行い、板厚を3.0mmとした。さらに、中間焼鈍を実施せずに、冷間圧延を連続で行い、箔厚12μm(合金No.1−12)、箔厚15μm(合金No.13)または箔厚5μm(合金No.14)のアルミニウム合金箔を得た。
合金No.15−24、26、27の比較例についても、上記実施例と同様の製造工程にて製造した。ただし、合金No.25においては、熱間圧延後に、冷間圧延により板厚1.6mmとした後、中間焼鈍として表1に記載の温度でバッチ焼鈍を行い、さらに冷間圧延を行い、箔厚12μm(合金No.15−26)または箔厚4μm(合金No.27)のアルミニウム合金箔を得た。
そして、各アルミニウム合金箔でリチウムイオン二次電池の正極材(電極集電体)を製造した。LiCoOを主体とする活物質に、バインダーとなるPVDFを加えて活物質ペーストとした。活物質ペーストを、幅30mmとした上記アルミニウム合金箔の両面に塗布し、100℃で24時間、150℃で3時間、または200℃で15分の3条件によって熱処理を行い乾燥した後、ローラープレス機により圧縮加工を施し、活物質の密度を増加させた。
製造した各々のアルミニウム合金箔について、重合面粗度、引張強さ、導電率、冷間圧延時の切れ発生の有無、100℃で24時間の熱処理後の引張強さ、150℃で3時間の熱処理後の引張強さ、200℃で15分の熱処理後の引張強さを測定して評価した。結果を表2に示す。さらに、各正極材材料について、活物質塗布工程における切れ発生の有無、活物質プレス工程におけるしわ発生の有無を評価した。結果を表3に示す。
<粗度>
アルミニウム合金箔の重合面の粗度Raは、JISB0601-2001 に準拠して測定されたものであり、具体的には、アルミニウム合金箔の重合面およびブライト面の長さ方向の表面粗度Ra は、アルミニウム合金箔の重合面において、長さ方向に任意の5点の表面粗度Raを測定し、その平均値を求めた。重合面粗度Raの平均値は、0.3μm以下を合格とし、0.3μm超過を不合格とした。
<引張強さ>
圧延方向に切り出したアルミニウム合金箔の引張強さを、島津製作所製インストロン型引っ張り試験機AG−10kNXを使用して測定した。測定条件は、試験片サイズを10mm×100mm、チャック間距離50mm、クロスヘッド速度10mm/分とした。引張強さは、200MPa以上300MPa以下を合格とし、200MPa未満や300MPaを超えるものを不合格とした。
また、正極材製造における乾燥工程として、100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後のアルミニウム合金箔についても、圧延方向に切り出し、上記と同じく引張強さを測定した。100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の引張強さは、160MPa以上を合格とし、160MPa未満を不合格とした。
<導電率>
導電率は、四端子法にて電気比抵抗値を測定し、導電率に換算して求めた。57%IACS以上を良好とした。
<圧延性>
5μmの厚さまで連続的に破断なく製造できたものを合格(○)とし、圧延中に破断または圧延できなかったものを不合格(×)とした。
<活物質塗布工程における切れ発生の有無>
活物質塗布工程において塗布した正極材に、切れが発生したか否かを目視で観察した。切れが発生しなかった場合を合格とし、発生した場合を不合格とした。
<プレス工程におけるしわ発生の有無>
プレス工程において正極材に、しわが発生したか否かを目視で観察した。しわが発生しなかった場合を合格とし、発生した場合を不合格とした。
<結果の考察>
実施例1〜14では、活物質塗布工程における切れ発生や活物質剥離の有無もなく、導電率も高く、良好な評価結果を得られた。
比較例15では、Si量が多いために、強度が増大しすぎて、冷間圧延時に切れが発生した。また、重合面粗度が悪化して、活物質塗布工程における切れが発生した。
比較例16では、Fe量が少ないために、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例17では、Fe量が多いために、強度が増大しすぎて、冷間圧延時に切れが発生した。また、重合面粗度が悪化して、活物質塗布工程における切れが発生した。
比較例18では、Cu量が少ないために、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例19では、Cu量が多いために、加工硬化性が高くなりすぎて、強度が増大しすぎて、冷間圧延時に切れが発生した。また、重合面粗度が悪化して、活物質塗布工程における切れが発生した。
比較例20では、均質化処理温度が低いために、固溶量が十分でなく、強度及び150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例21では、均質化処理時の保持時間が短いために、固溶量が十分でなく、強度及び150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例22では、熱間圧延開始温度が低いために、固溶量が十分でなく、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例23では、熱間圧延終了の温度が低いために、再結晶しないため、重合面粗度が悪化して、強度及び200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例24では、熱間圧延終了の温度が高いために、固溶量が十分でなく、強度及び150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例25では、冷間圧延中に中間焼鈍を実施したために、固溶量が低下して強度及び100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例26では、重合圧延圧下率が高いため、重合面粗度が悪化して、強度及び150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例27では、Cu量が多いため、加工硬化性が高くなりすぎて、強度が増大しすぎて、冷間圧延時に切れが発生した。また、活物質塗布工程における切れが発生した。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
100 アルミニウム合金箔
102 電極集電体
104 電極構造体
106 一方の面
108 他方の面
110 活物質ペースト
140 重合圧延前のアルミニウム合金箔
150 供給ロール
170 圧延ロール
180 巻き取りロール
200 アルミニウム合金箔
202 電極集電体
204 電極構造体
206 重合面(マット面)
208 ブライト面
210 活物質ペースト

Claims (5)

  1. Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金箔であり、
    前記アルミニウム合金箔は、両面において、粗度Raの平均値が0.3μm以下であり、
    前記両面のうち一方の表面における粗度Raの平均値は、他方の表面における粗度Raの平均値より大きく、
    前記アルミニウム合金箔の引張強さは、200MPa以上300MPa以下であり、
    100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちのいずれの熱処理を行った場合にも、前記アルミニウム合金箔の引張強さは、160MPa以上である、
    電極集電体用アルミニウム合金箔。
  2. 導電率が57%IACS以上である請求項1に記載の電極集電体用アルミニウム合金箔。
  3. 厚さが5〜15μmである請求項1または2に記載の電極集電体用アルミニウム合金箔。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金箔を備えた電極集電体と、
    活物質層と、を備える、電極構造体。
  5. 電極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法であって、
    Fe:0.10〜0.60mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Si:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.20%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成るアルミニウム鋳塊を570℃以上620℃以下で1〜20時間保持する均質化処理工程と、
    前記均質化処理後に実施する開始温度が500℃以上、終了温度が280℃以上350℃以下である熱間圧延工程と、
    前記熱間圧延終了後に実施する冷間圧延工程と、
    を含み、
    前記冷間圧延工程は、圧下率10%以上50%以下で重合圧延する仕上げ圧延工程を含み、
    前記冷間圧延の前あるいは途中において中間焼鈍を実施しない、
    電極集電体用アルミニウム合金箔製造方法。
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