JP2014114480A - 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 - Google Patents

電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、電池製造時の乾燥後の強度が高い電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明によれば、Mg:0.05〜0.50mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.10〜0.70%、Cu:0.01〜0.30%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成り、最終圧延後のアルミニウム合金箔に対して100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さが250MPa以上であることを特徴とする電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池、電気二重層キャパシター、リチウムイオンキャパシター等に使用される電極集電体に適したアルミニウム合金箔に関するものであり、特にリチウムイオン二次電池の正極又は負極の電極用集電体に好適に使用されるアルミニウム合金箔及びその製造方法に関する。
携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子機器の電源にエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が用いられている。
リチウムイオン二次電池は、正極材、セパレータおよび負極材等で構成される。正極材には電気伝導性に優れ、二次電池の電気効率に影響せず、発熱が少ないという特徴を有するアルミニウム合金箔が使用されている。正極材は、アルミニウム合金箔の両面にリチウム含有金属酸化物、たとえばLiCoOを主成分とする活物質ペーストを塗布して乾燥させることにより活物質層を形成し、プレス機にてこの活物質層に圧縮加工を施す(以下、この工程をプレス加工と呼ぶ。)ことにより得ることができる。このようにして製造された正極材には更にセパレータ、負極材が積層され、これを捲回したものがケースに収納されることによってリチウムイオン二次電池が得られる。
リチウムイオン二次電池用のアルミニウム合金箔は、活物質ペースト塗布時の張力による切れの発生や、捲回時に屈曲部で破断するなどの問題があるため、高い引張強度が要求されている。
例えば、特許文献1には、引張強度が220〜270MPaのアルミニウム合金箔が提案されている。特許文献2には、引張強度が220MPa以上のアルミニウム合金箔が提案されている。これら提案はいずれも活物質層を乾燥させるために熱処理が行われる。
特開2011−219865号公報 特開2012−21205号公報
しかしながら、これら提案はいずれも熱処理により箔が影響を受けるため、電極に使用する際に引張強度が低下し、強度の上で問題が生じた。
特許文献1と特許文献2については、共に加熱後の箔強度に関する記載はない。したがって、特許文献1と特許文献2に開示されたアルミニウム合金箔はこの強度低下の問題の解決を図るものではない。
また、活物質ペースト塗布後の乾燥工程では、高温で加熱処理され、その後、活物質密度の増大させるためにプレス工程が実施されるが、近年更なる活物質密度の増加が図られており、より高圧条件でプレスが実施されているが、熱処理を施した後のアルミニウム合金箔の強度は低下するため、乾燥工程後の引張強さに対しても高いことが要求されている。
乾燥工程後に強度が低下すると、プレス加工時に中伸びが発生し易くなり、捲回時に捲きしわが発生し、活物質とアルミニウム合金箔との密着性の低下や、スリット時の破断が起こり易くなるという電池製造上致命的な問題が起こる。特に、活物質とアルミニウム合金箔表面の密着性が低下すると、充放電の繰り返しの使用中に剥離が進行し、電池の容量が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電池製造時の乾燥後の強度が高い電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、リチウムイオン二次電池の正極材に使用されるアルミニウム合金箔について検討したところ、成分を適切な範囲にすることにより、活物質ペーストの乾燥工程を想定した熱処理後の引張強さが得られる組成と固溶量の適正化に成功し、プレス工程時のしわが回避できる優れた電極集電体用アルミニウム合金箔になることを見出した。
更に、その製造工程において、鋳塊の均質化処理と熱間圧延時の温度条件を最適化することが有効であり、この最適化によって、元素の固溶析出状態を制御することで、圧延上り後の強度が高く、活物質塗布後の乾燥工程における熱処理後も高い強度を維持できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、Mg:0.05〜0.50mass%、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.10〜0.70%、Cu:0.01〜0.30%を含有し、残部Al及び不可避的不純物から成り、最終圧延後のアルミニウム合金箔に対して100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さが250MPa以上であることを特徴とする電極集電体用アルミニウム合金箔が提供される。
好ましくは、前記最終圧延後のアルミニウム合金箔は、引張強さが270MPa以上360MPa以下である。
好ましくは、前記アルミニウム合金箔は、導電率が45%IACS以上である。
好ましくは、前記アルミニウム合金箔は、厚さが6〜30μmである。
また、本発明は、別の観点によれば、Mg:0.05〜0.50mass%、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.10〜0.70%、Cu:0.01〜0.30%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム鋳塊の均質化処理を570℃以上620℃以下で1〜20時間以上保持し、熱間圧延の開始温度が500℃以上、終了温度が350℃以下であることを特徴とする電極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法が提供される。
本発明によれば、アルミニウム合金箔の組成および最終圧延後に熱処理を施した後の強度の適切化により、箔圧延時に切れが発生せず、プレス加工時に中伸びが発生せず、活物質の剥離やスリット時の破断を防止することができ、リチウムイオン電池用アルミニウム合金箔をはじめとした電極集電体用アルミニウム合金箔及び製造法を提供することができる。
<アルミニウム合金箔の組成>
本発明に係る電極集電体用アルミニウム合金箔の組成は、Mg:0.05〜0.50mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.10〜0.70%、Cu:0.01〜0.30%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなる。
Mgは、添加することで、強度を向上させる元素であり、0.05〜0.50%含有する。Mg添加量が0.05%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Mg添加量が0.50%を超えると、加工硬化性が高くなる等により、強度が増大しすぎて、圧延性を低下させる。より好ましいMg添加量は0.05〜0.30%である。このMgの含有量は、例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.20、0.30、0.40、0.49、0.50%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
Mnは、添加することで、強度を向上させる元素であり、0.01〜0.50%含有する。Mn添加量が0.01%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Mn添加量が0.50%を超えると、強度が増大しすぎて、圧延性を低下させる。より好ましいMn添加量は0.05〜0.30%である。このMnの含有量は、例えば、0.01、0.02、0.03、0.05、0.10、0.20、0.30、0.40、0.49、0.50%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
Feは、添加することで、強度を向上させる元素であり、0.10〜0.70%含有する。Fe添加量が0.10%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Fe添加量が0.50%を超えると、強度が増大しすぎて、圧延性を低下させる。より好ましいFe添加量は、0.20〜0.50%である。このFeの含有量は、例えば、0.10、0.11、0.25、0.30、0.40、0.50、0.69、0.70%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
Cuは、添加することで、強度を向上させる元素であり、0.01〜0.30%含有する。Cu添加量が0.01%未満では、強度向上に寄与しない。一方、Cu添加量が0.30%を超えると加工硬化性が高くなるために、強度が増大しすぎる場合等により、箔圧延時での切れが発生し易くなる。より好ましいCuの添加量は0.05〜0.15%である。このCuの含有量は、例えば、0.01、0.02、0.05、0.08、0.10、0.25、0.29、0.30%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
その他、本材料には、Cr、Ni、Zn、Ti、B、V、Zr等の不可避的不純物が含まれる。これら不可避的不純物は、個々に0.02%以下、総量としては0.15%以下であることが好ましい。
<最終圧延上りの強度>
Fe、Mn、Mg、Cuのみが主に添加されているアルミニウム合金では、鋳塊の均質化処理と熱間圧延時の温度条件を最適化し、微量に添加された各元素を多く固溶させることで、転位の移動が抑制されて、より高強度を確保することができる。さらに、固溶量が増加することで、加工硬化性も上がるために、冷間圧延と箔圧延時による強度増加量も大きくなり、アルミニウム合金箔の強度を増加させることができる。
最終圧延後の素板引張強さは、270MPa以上360MPa以下であることが好ましい。引張強さが270MPa未満では強度が不足し、活物質塗布時に加わる張力によって、切れや亀裂が発生し易くなる。また、中伸びなどの不具合も引き起こす場合があり、生産性に悪影響を及ぼす場合があるため、好ましくない。一方、引張強さが360MPaを超えると強度が増大しすぎて、圧延時に切れが発生し易くなるため、好ましくない。
なお、本明細書において、「最終圧延後」とは、アルミニウム合金箔の最終の圧延の後のことであって、具体的にはアルミニウム合金箔に活物質ペースト等を塗布・乾燥させるための熱処理を施す前の状態を意味する。従って、例えば「箔圧延」が最終的に行われた場合には最終圧延に該当する。
<熱処理後の強度>
本発明の電極材の製造工程は、公知の方法を採用することができ、上記最終圧延後のアルミニウム合金箔に活物質塗布した後に乾燥工程を行う。この乾燥工程では通常100〜200℃程度の温度の熱処理が行われる。この熱処理により、従来のアルミニウム合金箔は軟化して機械的特性が変化する場合があるため、熱処理後のアルミニウム合金箔の機械的特性が重要となる。特に活物質を塗布して乾燥させる100〜200℃の熱処理時には、アルミニウム合金箔は外部からの熱エネルギーにより、転位が活性化されて移動し易くなるため、回復過程で強度が低下する。本発明の電極材は、上述した本発明のアルミニウム合金箔を使用するので、アルミニウム合金中の固溶元素や析出物によって、転位の移動を抑制され、熱処理後の回復過程での強度低下を防ぐことができる。特に、本発明のアルミニウム合金箔はFe、Mn、Mg、Cuのみが主に添加されているので、固溶Feや固溶Mnによる効果が大きい。つまり、鋳塊の均質化処理温度を制御することで、微量に添加されたFeやMnを多く固溶させ、熱間圧延時にはこれらの固溶したFeやMnをできるだけ析出させずに、高い固溶量を維持することで、熱処理後の強度低下を抑制することができる。
本発明の電極集電体用アルミニウム合金箔は、100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さが250MPa以上である。上記熱処理後の引張強さが250MPa未満では、電極材の製造工程におけるプレス加工時にアルミニウム合金箔に中伸びが発生し易くなり、捲回時に捲きしわが発生し、活物質の剥離やスリット時の破断が起こり易くなるため、好ましくない。
<導電率>
本発明の電極集電体用アルミニウム合金箔の導電率は、電極用として使用可能であれば特に制限されるものではないが、例えば、45%IACS以上、特に50%IACS以上が好ましい。導電率は溶質元素の固溶状態を調整し、所望の値にすることができる。本発明の電極集電体をリチウムイオン二次電池に用いる場合、導電率が低すぎると、放電レートが5Cを超えるような高い電流値で使用する際に、電池容量が低下するため、好ましくない。
<アルミニウム合金箔の製造方法>
本発明の電極集電体用アルミニウム合金箔は、一例では、以下の方法で製造することができる。
まず、上記組成を有するアルミニウム合金を半連続鋳造法や連続鋳造法により溶解鋳造して鋳塊を得る。次に、得られたアルミニウム合金鋳塊に対して、570〜620℃で1〜20時間の均質化処理を行う。
均質化処理温度が570℃未満あるいは1時間未満の保持時間では、Fe、Mn、Mg、Cu等の元素が十分に固溶せず、固溶量が不足し、強度が低下するので好ましくない。温度が620℃を超えると局部的に鋳塊が溶融したり、鋳造時に混入した極僅かの水素ガスが表面に出て材料表面に膨れが生じ易くなったりするため好ましくない。また、均質化処理時間が20時間を超えると生産性やコストの観点から好ましくない。均質化処理温度は、溶質元素を多く固溶させて、強度を確保する観点から、より好ましくは590℃以上、620℃以下である。また、より好ましい均質化処理における保持時間は、1時間以上、10時間以下である。
上記均質化処理を行った後、公知の方法で熱間圧延、冷間圧延及び箔圧延を実施する。熱間圧延は、均質化処理終了後に500℃以上で開始する。熱間圧延の開始温度が500℃未満では、Fe、Mn、Mg等の元素の析出量が多くなり、強度を向上させるための固溶量確保が困難となる。特に、固溶したFeやMn量は、加熱後強度を維持するために大きな影響を与える可能性がある。より好ましい熱間圧延の開始温度520℃以上である。
熱間圧延の終了温度は、350℃以下である。熱間圧延時の終了温度は、ライン速度を変化させて、加工発熱や冷却条件を調整することによって、決定することができる。熱間圧延されたアルミニウム板は、熱間圧延機の出側で巻き取られてコイル形状となる。熱間圧延時の終了温度を低下させることで、コイルの冷却時間を短縮することができ、FeやMnの析出を抑制することができる。熱間圧延終了時の温度が350℃を超えると、冷却中に、Fe系化合物やMn系化合物が析出し易くなり、FeとMnの固溶量が低下するために、最終圧延後のアルミニウム合金箔の強度が低下する。より好ましい熱間圧延の終了温度は320℃以下である。
熱間圧延における全圧延時間は30分未満とすることが好ましい。熱間圧延ではFe系化合物やMn系化合物が析出し易いために、所要時間をできるだけ短くすることが必要である。全圧延時間が30分以上であるとFe系化合物やMn系化合物が析出し易くなり、FeとMnの固溶量が低下するために、最終圧延後のアルミニウム合金箔の強度が低下する。より好ましい熱間圧延の全圧延時間は25分未満である。この熱間圧延の全圧延時間は、例えば、5、10、15、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30分未満であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
なお、アルミニウム合金箔の強度の調製や結晶粒を制御するために、冷間圧延の前あるいは途中において、中間焼鈍を実施しても良い。中間焼鈍を実施する場合の板厚は、例えば0.4〜2.0mmのとき、バッチ炉を用いる場合、300〜500℃で、1〜5時間の保持を実施するのが好ましい。また、連続焼鈍炉を用いる場合には、300〜500℃で2分以内の保持を実施することで、アルミニウム合金箔の強度の調製や結晶粒を制御することができる。
最終圧延後のアルミニウム合金箔の厚みは、電極集電体用アルミニウム合金箔として、6〜30μmとすることが推奨される。尚、必要に応じて二層以上に重ねたアルミニウム合金を同時に圧延する重合圧延にしてもよく、厚さを薄くかつ工業的に有利に製造することができる。厚みが6μm未満の場合、箔圧延中にピンホールが発生し易くなるために好ましくない。30μmを超えると、同一面積に占める電極集電体の体積及び重量が増加し、活物質の体積及び重量が減少する。つまり、リチウムイオン二次電池に用いた場合、電池容量の低下をまねく場合があるので好ましくない。より好ましい最終圧延後のアルミニウム合金箔の厚みは6〜20μmである。
また、電気抵抗値の低減と活物質の密着性向上を目的として、本発明のアルミニウム合金箔の表面に予めカーボンコートを施してから活物質層を形成した電極材としてもよい。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本実施例は一例に過ぎず、本発明に限定されるものではない。
表1に示す組成のアルミニウム合金を半連続鋳造法により溶解鋳造し、厚さ500mmの鋳塊を作製した。次に、この鋳塊を面削後、表1に示す条件で均質化処理を行い、均質化処理後には熱間圧延を行い、板厚を3.0mmとした。さらに冷間圧延と箔圧延を行い、箔厚15μmのアルミニウム合金箔を得た。合金No.13、14においては、冷間圧延により板厚1.6mmとした後、表1に記載の条件で中間焼鈍を行い、さらに冷間圧延と箔圧延を行い、箔厚15μmのアルミニウム合金箔を得た。
そして、各アルミニウム合金箔でリチウムイオン二次電池の正極材を製造した。LiCoOを主体とする活物質に、バインダーとなるPVDFを加えて活物質ペーストとした。活物質ペーストを、幅30mmとした前記アルミニウム合金箔の両面に塗布し、100℃で24時間、150℃で3時間、または200℃で15分の3条件によって熱処理を行い乾燥した後、ローラープレス機により圧縮加工を施し、活物質の密度を増加させた。
製造した各々のアルミニウム合金箔について、引張強さ、導電率、100℃で24時間の熱処理後の引張強さ、150℃で3時間の熱処理後の引張強さ、200℃で15分の熱処理後の引張強さを測定して評価した。結果を表2に示す。さらに、各正極材材料について、箔圧延時の切れの発生の有無、活物質塗布工程における切れ発生の有無、活物質プレス工程におけるしわ発生の有無を評価した。結果を表3に示す。
<引張強さ>
圧延方向に切り出したアルミニウム合金箔の引張強さを、島津製作所製インストロン型引っ張り試験機AG−10kNXを使用して測定した。測定条件は、試験片サイズを10mm×100mm、チャック間距離50mm、クロスヘッド速度10mm/分とした。また、正極材製造における乾燥工程として、100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後のアルミニウム合金箔についても、圧延方向に切り出し、上記と同じく引張強さを測定した。100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分のいずれかの熱処理を行った後の引張強さは、250MPa以上を合格とし、250MPa未満を不合格とした。
<導電率>
導電率は、四端子法にて電気比抵抗値を測定し、導電率に換算して求めた。
<圧延性>
6μmの厚さまで連続的に破断なく製造できたものを合格(○)とし、圧延中に破断または圧延できなかったものを不合格(×)とした。
<活物質塗布工程における切れ発生の有無>
活物質塗布工程において塗布した正極材に、切れが発生したか否かを目視で観察した。切れが発生しなかった場合を合格とし、発生した場合を不合格とした。
<プレス工程におけるしわ発生の有無>
プレス工程において正極材に、しわが発生したか否かを目視で観察した。しわが発生しなかった場合を合格とし、発生した場合を不合格とした。
実施例1〜14では、活物質塗布工程における切れ発生や活物質剥離の有無もなく、導電率も高く、良好な評価結果を得られた。
比較例15では、Fe量が少ないために、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例16では、Fe量が多いために、強度が増大しすぎて、箔圧延時に切れが発生した。
比較例17では、Mn量が少ないために、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例18では、Mn量が多いために、導電率が十分でなかった。また、加工硬化性が高くなりすぎて、箔圧延時に切れが発生した。
比較例19では、Mg量が少ないために、強度及び100℃で24時間、150℃で3時間、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、活物質塗布工程における切れとプレス工程でしわが発生した。
比較例20では、Mg量が多いために、導電率が十分でなかった。また、加工硬化性が高くなりすぎて、箔圧延時に切れが発生した。
比較例21では、Cu量が少ないために、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例22では、Cu量が多いために、加工硬化性が高くなりすぎて、箔圧延時に切れが発生した。
比較例23〜25では、均質化処理温度が低いために、固溶量が十分確保できず、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例26では、均質化処理時の保持時間が短いために、固溶量が十分確保できず、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例27では、熱間圧延開始温度が低いために、固溶量が十分確保できず、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例28では、熱間圧延終了の温度が高いために、固溶量が十分確保できず、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。
比較例29では、熱間圧延時の全圧延時間が長いために、固溶量が十分確保できず、200℃で15分の熱処理を行った後の強度が不足し、プレス工程でしわが発生した。

Claims (5)

  1. Mg:0.05〜0.50mass%(以下、mass%を単に%と記す。)、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.10〜0.70%、Cu:0.01〜0.30%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなり、最終圧延後のアルミニウム合金箔に対して100℃で24時間、150℃で3時間、及び200℃で15分のうちの何れの熱処理を行った後でも引張強さが250MPa以上であることを特徴とする電極集電体用アルミニウム合金箔。
  2. 前記最終圧延後のアルミニウム合金箔は、引張強さが270MPa以上360MPa以下である、請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
  3. 前記最終圧延後のアルミニウム合金箔は、導電率が45%IACS以上である、請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔。
  4. 前記最終圧延後のアルミニウム合金箔は、厚さが6〜30μmである、請求項1〜3の何れか1つに記載のアルミニウム合金箔。
  5. Mg:0.05〜0.50mass%、Mn:0.01〜0.50%、Fe:0.1〜0.70%を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム鋳塊の均質化処理を570℃以上620℃以下で1〜20時間以上保持し、熱間圧延の開始温度が500℃以上、終了温度が350℃以下であることを特徴とする電極集電体用アルミニウム合金箔の製造方法。
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CN111254320A (zh) * 2020-03-05 2020-06-09 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 一种高强度新能源动力电池软连接用材料及其制造方法
CN113564425A (zh) * 2021-08-09 2021-10-29 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 一种1n00锂电池用铝箔及其制备方法
CN114976037A (zh) * 2022-06-23 2022-08-30 华星先进科学技术应用研究(天津)有限公司 一种锂离子电池用铝基负极极片及锂离子二次电池

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