JP7145683B2 - フラットケーブル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
アルミニウム合金導体を厚み方向の両側から挟みこむ絶縁被覆と、を備え、
前記アルミニウム合金導体が、3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金又は6000系アルミニウム合金から構成され、且つ、40%IACS以上の導電率を有し、
前記3000系アルミニウム合金が、Mnを0.50~2.0質量%、Mg、Si、C
u、Zn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、
前記5000系アルミニウム合金が、Mgを0.50~2.0質量%、Si、Cu、Z
n、Mn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、且つ
前記6000系アルミニウム合金が、Mgを0.50~2.0質量%、Siを0.50~2.0質量%、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有する、フラットケーブルである。
合金から構成される、フラットケーブルである。
前記3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金導体を作製する工程と、得られたアルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆する工程と、を有し、
前記アルミニウム合金導体を作製する工程が、
前記合金組成を有する3000系アルミニウム合金素材又は5000系アルミニウム合金素材を鋳造する鋳造工程と、
鋳造によって得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
前記均質化熱処理工程後に、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
前記熱間圧延工程後、所定の加工率で冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延後に、200~500℃、1~8時間の条件下で加熱を行う再結晶熱処理工程と、
前記再結晶熱処理工程後に、30~90%の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
を含む、フラットケーブルの製造方法である。
前記6000系アルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金導体を作製する工程と、得られたアルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆する工程と、を有し、
前記アルミニウム合金導体を作製する工程が、
前記合金組成を有する6000系アルミニウム合金素材を鋳造する鋳造工程と、
鋳造によって得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
前記均質化熱処理工程後に、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
前記熱間圧延工程後、所定の加工率で冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延後に、400~600℃、1~30秒の条件下で固溶処理を行う溶体化熱処理工程と、
前記溶体化熱処理工程後に、130~200℃、1~30時間の条件下で最終熱処理を行う時効熱処理工程と、
前記時効熱処理工程後に、30~90%の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
を含む、フラットケーブルの製造方法である。
も1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、前記5000系アルミニウム合金が、Mgを0.50~2.0質量%
、Si、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、且つ前記6000系アルミニウム合金が、Mgを0.50~2.0質量%、Siを0.50~2.0質量%、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有している。これにより、フラットケーブルへの適用に要求される導電性を満たし、且つ屈曲性能にも優れたアルミニウム合金導体を用いたフラットケーブルを提供することができる。また、このようなアルミニウム合金導体を用いたフラットケーブルは、高屈曲性、多回路化、高耐熱性等の要求を満足し、さらには廉価に製造可能であり、且つ軽量化も可能である。
展を抑止する効果が高まり、その結果、屈曲性能をより向上させることができる。
ミ合金から構成されることにより、繰り返しの曲げ応力により起因する微細な亀裂の発生をもたらす転位移動の抑止効果が高まる。これにより、微細な亀裂の発生を抑止することができると同時に、その亀裂の進展を抑止する効果が高まり、その結果、屈曲性能をより向上させることができる。
本実施形態に係るフラットケーブルは、所定間隔で平行に配設された複数本のアルミニ
ウム合金導体と、アルミニウム合金導体を厚み方向の両側から挟みこむ絶縁被覆と、を備えている。このようなフラットケーブルの一例として、例えば、幅方向に等間隔に配設した複数本のアルミニウム合金導体が、各アルミニウム合金導体の厚さ方向の両側から絶縁被覆で覆われている。また、他のフラットケーブルの一例として、例えば、アルミニウム合金導体同士の間隔が狭い複数本の幅狭導体と、アルミニウム合金導体同士の間隔が広い複数本の幅広導体とが、混合して配設されていてもよい。
本実施形態に係るフラットケーブルに用いられるアルミニウム合金導体は、3000系アルミニウム合金(Al-Mn系)、5000系アルミニウム合金(Al-Mg系)又は6000系アルミニウム合金(Al-Mg-Si系)から構成され、且つ、40%IACS以上の導電率を有している。これらの合金系から構成されるアルミニウム合金導体は、フラットケーブルの仕様に見合う導電性を有するだけでなく、耐食性も比較的良好であるため、例えばフラットケーブルの端末を電気的に接続する際、異種金属との接合が可能である。一方、2000系アルミニウム合金(Al-Cu系)、7000系アルミニウム合金(Al-Zn-Mg系)等の合金系は、一般に、導電率、耐食性に劣っている。そのため、通常、これらの合金系を所望の導電率が要求されるフラットケーブル用の導体として適応することは困難である。本実施形態では、フラットケーブの導体として、後述する特定の合金組成を有する各種アルミニウム合金から構成され、且つ良好な導電性を示すアルミニウム合金導体が用いられているため、フラットケーブルの適用に要求される導電性を満たすと共に、屈曲性能に優れるフラットケーブルを提供することができる。また、このようなアルミニウム合金導体を用いたフラットケーブルは、高屈曲性、多回路化、高耐熱性等の要求を満足し、さらには、アルミニウム合金導体の使用により、従来よりも廉価に製造可能であり、且つ軽量化も可能である。
3000系アルミニウム合金は、必須成分として、Mnを0.50~2.0質量%、好
ましくは0.6~1.5質量%含有し、任意成分として、Mg、Si、Cu、Zn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%、好ましくは0.1~1.5質量%、より好ましくは0.1~1.0質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有している。必須成分であるMnは、主に固溶強化すると共に、結晶粒の微細化に寄与するため、材料の強度を増大させる役割を果たす。Mnの添加量を増やすと、Mnの一部がAl-Mn析出物として形成され、この析出物が材料の強度を増大させる作用を示す。一方、Mnの含有量が0.50質量%未満であると、材料の強度を増大させる作用が小さく、さらには屈
曲性能も劣ってしまう。また、Mnの含有量が2.0質量%を超えると、材料の強度を増大させる作用が飽和する上、導電性の低下を招く。そのため、Mnの含有量を0.50~
2.0質量%の範囲に制御することにより、屈折性能及び導電率の低下を抑制することができる。
5000系アルミニウム合金は、必須成分として、Mgを0.50~2.0質量%、好
ましくは0.8~1.8質量%含有し、任意成分として、Si、Cu、Zn、Mn、Cr
及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有している。必須成分であるMgは、主に固溶強化すると共に、結晶粒の微細化に寄与するため、材料の強度を増大させる役割を果たす。Mgの添加量を増やすと、Mgの一部がAl-Mg析出物として形成され、この析出物が材料の強度を増大させる作用を示す。一方、Mgの含有量が0.50質量%未満で
あると、材料の強度を増大させる作用が小さく、さらには屈曲性能も劣ってしまう。また、Mgの含有量が2.0質量%を超えると、材料の強度を増大させる作用が飽和する上、導電性の低下を招く。そのため、Mgの含有量を0.50~2.0質量%の範囲に制御す
ることにより、屈折性能及び導電率の低下を抑制することができる。
6000系アルミニウム合金は、必須成分として、Mgを0.50~2.0質量%、好ましくは0.6~1.5質量%、Siを0.50~2.0質量%、好ましくは0.6~1.5質量%含有し、任意成分として、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%、好ましくは0.1~1.5質量%、より好ましくは0.1~1.0質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有している。このような6000系アルミニウム合金から最適条件下でアルミニウム合金導体を作製することにより、得られたアルミニウム合金導体に対し、銅合金に匹敵する屈曲性能を付与することができる。また、必須成分であるMgとSiは、共にMg2Siの析出物として形成され、この析出物が材料の強度を増大させる役割を果たす。さらに、任意成分としてCuを含む場合、Cuは、Mg2Siの析出物の形成を促進させるほか、Cuの一部がAl-Cu系析出物として形成され、この析出物も材料の強度を増大させる作用を示す。一方、Mg及びSiの双方の含有量又はいずれかの含有量が0.50質量%未満であると、材料の強度を増大させる作用は小さく、さらには屈曲性能も劣ってしまう。また、Mg及びSiの双方の含有量又はいずれかの含有量が2.0質量%を超えると、材料の強度を増大させる作用が飽和する上、導電性の低下を招く。そのため、Mg及びSiの双方の含有量を0.50~
2.0質量%の範囲にそれぞれ制御することにより、屈折性能及び導電率の低下を抑制することができる。
各アルミニウム合金に添加される任意成分において、Mg、Si、Cu、Mnは、上述のように、Alと共に析出物として形成され、これにより材料の強度を増大させる役割を果たす。また、Znは、Mgと共にMgZn2の析出物を形成して、材料の強度を増大させる役割を果たす。そのため、特に、必須成分としてMgを含有する5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金においては、Znによる材料の強度を増大させる作用が有利に付与される。また、Zr、Crは、材料の強度を増大させる作用の他に、耐熱性を向上させる役割も果たす。このような元素による材料の強度を増大させる作用を発揮させるため、任意成分としてのこれらの元素の含有量は合計で0.1質量%以上であることが好ましい。一方、これらの元素の含有量が合計で2.0質量%を超えると、材料の強度を増大させる作用が飽和する上、導電性を低下させる傾向にある。したがって、各アルミニウム合金に添加される任意成分の含有量は、2.0質量%以下に制御することにより、各元素の作用を適切に発揮させつつ、導電率の低下を抑制することができる。
また、各アルミニウム合金には、上述した必須成分及び任意成分以外に、残部として不可避的不純物が含まれていてもよい。不可避的不純物は、製造工程上、不可避的に含まれうる含有レベルの不純物を意味する。このような不可避的不純物の含有量は、耐食性劣化、靭性劣化等を抑制する観点から、0.20質量%以下であることが好ましい。
3000系アルミニウム合金、5000系アルミニウム合金においては、結晶粒径が屈曲性能に影響を及ぼす。そのため、アルミニウム合金導体が3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成される場合、平均結晶粒径は5~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましい。繰り返しの屈曲により最終破断に至るまでの期間が長いほど屈曲性能に優れるが、繰り返しの屈曲に基づく曲げ応力により微細な亀裂が進展すると、亀裂の発生により最終破断の期間が短くなる。一方、結晶粒径が微細であれば粒界がより高密に存在するため、繰り返しの曲げ応力により起因する微細な亀裂の発生をもたらす転位移動の抑止効果を高めることができる。これにより、微細な亀裂の発生を抑止することができると同時に、その亀裂の進展を抑止する効果が高まる。このように、結晶粒径を5~20μmの範囲に微細化することにより、繰り返しの曲げ応力による微細な亀裂の進展を抑制し、屈曲性能をより向上させることができる。尚、結晶粒径は、例えば、電子線後方錯乱回析法(Electron Back Scatter Diffraction Patterns:EBSD法)を利用した結晶解析により測定することができる。
6000系アルミニウム合金成分においては、析出物の析出分布が屈曲性能に影響を及ぼす。そのため、アルミニウム合金導体が6000系アルミニウム合金から構成される場合、平均粒子径が5~30nmのMg及びSiを中心成分とした析出物を1000~10000個/μm2有することが好ましく、1500~8000個/μm2有することがより好ましい。ここで、Mg及びSiを中心成分とした析出物とは、例えば、MgSi、Mg2Si等の析出物であり、また、このような析出物の平均粒子径は、5~30nmの範囲であることが好ましい。微細で高密なMg及びSiを中心成分とした析出物が存在すると、繰り返しの曲げ応力により起因する微細な亀裂の発生をもたらす転位移動の抑止効果を高めることができる。これにより、微細な亀裂の発生を抑止することができると同時に、その亀裂の進展を抑止する効果が高まる。このように、微細で高密なMg及びSiを中心成分とした析出物の分布(面積密度)を1000~10000個/μm2の範囲に制御することにより、繰り返しの曲げ応力による微細な亀裂の進展を抑制し、屈曲性能をより向上させることができる。尚、面積密度は、例えば、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)による拡大画像の観察により測定することができる。
絶縁被覆の材料は、絶縁性に優れ、さらにはフラットケーブルに適用し得る強度、加工性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド等の絶縁樹脂が挙げられる。これらの中でも、強度、コスト等の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、フラットケーブルの使用環境温度が100℃以上の高い温度である場合、耐熱性の高い絶縁樹脂として、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂を用いることも可能である。絶縁被覆の厚さは、使用環境に応じて適宜設計し得るが、一般的には、20~50μmである。また、アルミニウム合金導体との密着性を高めるため、接着層として、アルミニウム合金導体と絶縁被覆との間に厚さが20~50μmの(メタ)アクリル樹脂層が設けられていてもよい。
<引張強度>
引張強度は高いほど、疲労破壊に至る亀裂発生の抑止効果を高め、屈曲性能の向上を図ることができる。一方、引張強度には、導体と導体を被覆する絶縁樹脂とをラミネートする際、導体、絶縁樹脂共に張力をかける必要がある。そのため、引張強度は、ラミネート時の張力に対する抵抗力としても重要であり、特に1.0mm未満の狭幅化、0.05mm未満の薄板化をする際は塑性変形を抑止するためにも重要である。このように、十分な
屈曲性能を発揮しつつ、ラミネート時の張力に対しても十分な抵抗力を示す目安として、アルミニウム合金導体は、300MPa以上の引張強度を有することが好ましく、400MPa以上の引張強度を有することがより好ましい。一方、引張強度の上限は、特に限定されるものではないが、上述の各種アルミニウム合金が有する合金組成の範囲内においては、最大限の強化機構が発揮されても600MPa以下である。そのため、アルミニウム合金導体は、450MPa以上550MPa以下の引張強度を有することが最も好ましい。尚、アルミニウムは一般的に銅よりも引張強度に劣るものの、本実施形態のアルミニウム合金導体は、銅導体及び銅合金導体よりも高い引張強度を有する。このことは、アルミニウムのヤング率が銅に比べ非常に低く、また、導体に付与される歪量が同じであったとしてもその負荷応力が低くなるためと考えられる。本実施形態では、高強度化プロセスを選定することでその性能を更に伸ばしている。
40%IACS以上の導電率は、導体の抵抗規格条件を達成する一つの目安である。現状のフラットケーブルには、純銅であれば100%IACS以上、銅合金であれば70%IACS以上の導電率を示す銅系導体が使用されている。そのため、銅系導体と同等の抵抗スペックが要求される場合、アルミニウム導体は、その電気抵抗の維持のため断面積の増大が必要となる。一方、導電率が低いアルミニウムに使用に伴い、その面積増分を大きくすると、アルミニウム化による低コスト化、軽量化の利点が薄れてしまう。そのため、40%IACS以上の導電率は、導体の抵抗規格条件を達成する目安として設定され得る。
本実施形態に係るアルミニウム合金導体は、IPC規格(TM-650)に準拠した屈曲試験において、温度が20~150℃、ストローク長さが30mm、屈曲速度が500~2000回/分、曲率半径が7.5mm、導体幅が0.3~0.8mmの条件下で、耐屈曲回数が1000万回以上であることが好ましい。20℃~150℃の範囲内の温度は、特に言及しない限り、常温下での実施を意味する。また、アルミニウム合金導体をフラットケーブルの導体として使用することに基づき、導体幅は0.3mm~0.8mmであることが好ましい。耐屈曲回数は、導体が断線(破断)するまでの回数、すなわち屈曲寿命を意味する。本実施形態では、曲率半径が7.5mmの条件下で、耐屈曲回数が1000万回以上であり、この屈曲特性は、例えば最も厳しい屈曲性能が求められる自動車用回転コネクタにおけるメーカーの屈曲寿命規格を満たすことから、高屈曲フラットケーブルを用いる様々な電気・電子機器への適応を可能とする。そのため、このようなアルミニウム合金導体をフラットケーブルに用いることにより、電気・電子機器の小型化、多回路化が実現でき、かつ高温耐久性も大幅に向上させることができる。また、曲率半径が小さいほど、屈曲条件が厳しいため、より曲率半径が小さい条件下で屈曲回数が1000万回以上であることは、より優れた屈曲性能であることを意味する。本実施形態では、好ましくは曲率半径が6.5mm~7.5mmの条件下、より好ましくは曲率半径が5.5mm~7.5mmの条件下、さらに好ましくは曲率半径が4.7mm~7.5mmの条件下でも、耐屈曲回数が1000万回以上である。
本実施形態に係るフラットケーブルの製造方法は、アルミニウム合金導体が、3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成される場合と、6000系アルミニウム合金から構成される場合と、で必須工程が異なる。
アルミニウム合金導体が、3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成される場合、3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金導体を作製する工程と、得られたアルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆する工程と、を有する。そして、アルミニウム合金導体を作製する工程は、鋳造工程[工程A1]、均質化熱処理工程[工程A2]、熱間圧延工程[工程A3]、中間冷間圧延工程[工程A4]、再結晶熱処理工程[工程A5]、最終冷間圧延工程[工程A6]と、を含み、これらの工程が順次行われる。このように、3000系アルミニウム合金及び5000系アルミニウム合金は固溶型であるため、再結晶熱処理(最終熱処理)にて結晶粒を微細に制御し、その後高圧下の冷間圧延を施す最終冷間圧延工程が行われる。
熱処理工程[工程B6]の加熱条件を適切に制御することにより、析出物の分布(面積密度)を極力高くすることができ、その結果、優れた屈曲性能を示すアルミニウム合金導体を得ることができる。
式中、t0は圧延前の板厚であり、tは圧延後の板厚である。
アルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆するには、アルミニウム合金導体を層状に形成した2枚の絶縁樹脂で挟み、150~200℃に加熱したロールにて複数回加圧することにより、絶縁樹脂をアルミニウム合金導体に接着及び被覆させる。また、接着層として機能するアクリル樹脂をその温度域で溶融、流動させ、アルミニウム合金導体及び絶縁樹脂間の空隙を埋めながら接着させる。絶縁樹脂の材料としてポリエチレンテレフタラートを使用する場合、ポリエチレンテレフタラートは変質することなくその状態を維持することができる。
以下の各実施例、比較例及び参考例に記載されている合金種、金属種を用いて、表1に示される製造条件下で導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3003アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を450℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3003アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を350℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3003アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mm
とした。その後、再結晶熱処理を300℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3004アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を450℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3004アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を350℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3004アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、再結晶熱処理を300℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3105アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を450℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3105アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を350℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
3105アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、再結晶熱処理を300℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<5000系アルミニウム合金>
5050アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を450℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.
035mm厚の導体を作製した。
<5000系アルミニウム合金>
5050アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.06mmとした。その後、再結晶熱処理を350℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<5000系アルミニウム合金>
5050アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、再結晶熱処理を300℃、2時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6101アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.07mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を135℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6101アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を150℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6101アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を175℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6061アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を135℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6061アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を150℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6061アルミニウム合金素材を鋳造して得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行った後、熱間圧延により厚さを15~20mmにし、さらに冷間圧延にて厚さを0.15mmとした。その後、溶体化処理を540℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を170℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<2000系アルミニウム合金>
2024アルミニウム合金の比較対象は導電率にあり、また、0.1mm厚の出発材料は一般的に入手可能である。そのため、この出発材料に対して溶体化処理を500℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を190℃、10時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<7000系アルミニウム合金>
7N71アルミニウム合金の比較対象は導電率にあり、また、0.1mm厚の出発材料は一般的に入手可能である。そのため、この出発材料に対して溶体化処理を450℃、10秒で実施し、急冷した後、さらに時効熱処理を120℃、24時間で実施し、最終冷間圧延を施し、0.035mm厚の導体を作製した。
<1000系アルミニウム合金>
1050アルミニウム合金(純アルミニウム)を用いて、実施例3と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
Mnの含有量が所望の範囲よりも低い3000系アルミニウム合金を用いて、実施例3と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<3000系アルミニウム合金>
Mnの含有量が所望の範囲よりも高い3000系アルミニウム合金を用いて、実施例3と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<5000系アルミニウム合金>
Mgの含有量が所望の範囲よりも低い5000系アルミニウム合金を用いて、実施例3と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<5000系アルミニウム合金>
5086アルミニウム合金を用いて、実施例3と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
Mg及びSiの含有量がいずれも所望の範囲よりも低い6000系アルミニウム合金を用いて、実施例15と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<6000系アルミニウム合金>
6082アルミニウム合金を用いて、実施例15と同じ条件により0.035mm厚の導体を作製した。
<タフピッチ銅>
従来のフラットケーブルで一般に用いられている0.035mm厚のタフピッチ銅導体を用いた。
<銅合金(Cu-0.1Zr合金)>
従来のフラットケーブルで一般に用いられている0.035mm厚の銅合金(Cu-0.1Zr合金)導体を用いた。
得られた各実施例、比較例及び参考例における各導体を、いずれも0.8mm幅にスリットし、フラットケーブル用の導体を作製した。次いで、作製した導体の4本を用いて、導体間の間隔が0.5mmのフラットケーブルを作製した。フラットケーブルは、導体を被覆する樹脂として、接着層としてアクリル系樹脂が塗布されたPET樹脂と導体とをラミネートすることにより作製した。ラミネートは、0.5MPaのプレス圧力、170℃の加熱を3分間のプレス条件下で行った。
TEMによる拡大画像を用い、観察視野0.1μm2の面積において、円周で最も長い直径と最も短い直径の平均直径が5~30nmを有し、時効熱処理時に第二相として発現する析出物を数えた。TEMによる観察は、析出物の状態をより明瞭に確認することが可能な時効熱処理の直後のサンプルを用いた。具体的には、図1に示すように、TEMの観察倍数を10000~100000倍とし、視野の合計が0.1μm2になるように調整して、視野内に観察される析出物の個数を測定し、1μm2当たりに換算した。但し、1
000系、3000系、5000系では析出物は生成しない。また、付属のEDX分析(エネルギー分散型X線分析)により、析出物からMgおよびSi成分が検出された。そのため、観察対象の析出物は、Mg及びSiを中心成分とした析出物であると評価できる。
結晶粒径は、再結晶熱処理、または溶体化処理の直後における各導体を圧延垂直方向と厚さ方向が断面となるようにCP加工を施した後、EBSD測定を実施し、解析ソフト(EDAX TSL社製、「Orientation Imaging Microscopy v5」)を用いて平均結晶粒径を導出
した。尚、解析の際の結晶間の粒界の傾角閾は≧15°とした。
0.035mm厚の導体を短冊形状(150mm長×12.7mm幅)とし、形状以外についてはJIS Z2241に準拠し、試験数2(N=2)にて引張強度を測定し、その平均値を示した。
0.035mm厚の導体を145mm長×10mm幅の形状にし、4端子法(端子間距
離100m)にて、試験数2(N=2)にて導電率を測定し、平均値を示した。
IPC屈曲試験機(型番:FT-2130、上島製作所社製)を用い、室温にて、ストロ
ーク長さが30mm、屈曲速度が1500~2000回/分、曲率半径が4.7~7.5mmの条件下で、フラットケーブルを構成する4本の導体のうち、屈曲寿命が最も短い両端の導体のいずれかが破断するまでの耐屈曲回数を測定した。屈曲試験は試験数5(フラ
ットケーブル5枚分)で行った。4本の導体の全てにおいて、耐屈曲回数が1000万回
以上であった場合、屈曲性能が合格レベルである(「○」)と評価し、1本の導体でも、耐屈曲回数が1000万回未満であった場合を、屈曲性能は不十分である(「×」)と評価した。
いて、曲率半径が4.7mmの条件下でも1000万回以上の耐屈曲回数を達成していた。
Claims (8)
- 所定間隔で平行に配設された複数本のアルミニウム合金導体と、
前記アルミニウム合金導体を厚み方向の両側から挟みこむ絶縁被覆と、を備え、
前記アルミニウム合金導体が、平均結晶粒径が5~20μmである3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成され、且つ、40%IACS以上の導電率を有し、
前記3000系アルミニウム合金が、
Mnを0.50~2.0質量%、Mg、Si、Cu、Zn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、
前記5000系アルミニウム合金が、
Mgを0.50~2.0質量%、Si、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrから選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、且つ
前記アルミニウム合金導体が、IPC規格に準拠した屈曲試験において、温度が20~150℃、ストローク長さが30mm、屈曲速度が500~2000回/分、曲率半径が7.5mm、導体幅が0.3~0.8mmの条件下で、耐屈曲回数が1000万回以上であることを特徴とする、フラットケーブル。 - 所定間隔で平行に配設された複数本のアルミニウム合金導体と、
前記アルミニウム合金導体を厚み方向の両側から挟みこむ絶縁被覆と、を備え、
前記アルミニウム合金導体が、平均粒子径が5~30nmのMgSi又はMg 2 Siを1000~10000個/μm 2 有する6000系アルミ合金から構成され、且つ、40%IACS以上の導電率を有し、
前記6000系アルミニウム合金が、
Mgを0.50~2.0質量%、Siを0.50~2.0質量%、Cu、Zn、Mn、Cr及びZrからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素を合計で0~2.0質量%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる合金組成を有し、且つ
前記アルミニウム合金導体が、IPC規格に準拠した屈曲試験において、温度が20~150℃、ストローク長さが30mm、屈曲速度が500~2000回/分、曲率半径が7.5mm、導体幅が0.3~0.8mmの条件下で、耐屈曲回数が1000万回以上であることを特徴とする、フラットケーブル。 - 前記アルミニウム合金導体が、300MPa以上の引張強度を有する、請求項1に記載のフラットケーブル。
- 前記アルミニウム合金導体が、300MPa以上の引張強度を有する、請求項2に記載のフラットケーブル。
- 前記アルミニウム合金導体の厚さが、20~200μmである、請求項1又は3に記載のフラットケーブル。
- 前記アルミニウム合金導体の厚さが、20~200μmである、請求項2又は4に記載のフラットケーブル。
- 請求項1、3又は5に記載のフラットケーブルの製造方法であって、
前記3000系アルミニウム合金又は5000系アルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金導体を作製する工程と、得られたアルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆する工程と、を有し、
前記アルミニウム合金導体を作製する工程が、
前記合金組成を有する3000系アルミニウム合金素材又は5000系アルミニウム合金素材を鋳造する鋳造工程と、
鋳造によって得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
前記均質化熱処理工程後に、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
前記熱間圧延工程後、所定の加工率で冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延後に、200~500℃、1~8時間の条件下で加熱を行う再結晶熱処理工程と、
前記再結晶熱処理工程後に、30~90%の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
を含む、フラットケーブルの製造方法。 - 請求項2、4又は6に記載のフラットケーブルの製造方法であって、
前記6000系アルミニウム合金から構成されるアルミニウム合金導体を作製する工程と、得られたアルミニウム合金導体を厚み方向の両側から絶縁樹脂で被覆する工程と、を有し、
前記アルミニウム合金導体を作製する工程が、
前記合金組成を有する6000系アルミニウム合金素材を鋳造する鋳造工程と、
鋳造によって得られた鋳塊に対して均質化熱処理を行う均質化熱処理工程と、
前記均質化熱処理工程後に、熱間圧延を行う熱間圧延工程と、
前記熱間圧延工程後、所定の加工率で冷間圧延を行う中間冷間圧延工程と、
前記中間冷間圧延後に、400~600℃、1~30秒の条件下で固溶処理を行う溶体化熱処理工程と、
前記溶体化熱処理工程後に、130~200℃、1~30時間の条件下で最終熱処理を行う時効熱処理工程と、
前記時効熱処理工程後に、30~90%の加工率で最終冷間圧延を行う最終冷間圧延工程と、
を含む、フラットケーブルの製造方法。
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