JP2015034340A - リチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔 - Google Patents

リチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、超音波溶接性に優れ、材料強度を向上させた二次電池集電体用アルミニウム合金箔を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔は、質量%でFe:0.5%以上1.6%未満、Cu:0.1%以上0.3%未満、Mn:0.1%以上0.5%未満を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、FeとMnの含有量が質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≰2.0の関係式を満たすことを特徴とし、引張強度240MPa以上、伸びが2.5%以上である事を特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔に関する。
リチウムイオン二次電池は、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う非水電解質二次電池であり、携帯端末を中心に急速に普及しており、高出力、高エネルギー密度であることから、近年、携帯電話やノートパソコン、電気自動車用電源として用いられている。このリチウムイオン二次電池は、金属箔が集電体とされ、これに活物質として、正極にリチウム金属酸化物、負極にグラファイトなどの炭素材が塗布され、これら正極板と負極板とがセパレータを介し積層され、あるいはロール状に巻回されて、ケース等に収納されることにより構成される。
リチウムイオン二次電池の正極集電体には、高い電位に対する耐酸化性が要求されるため、一般に1085や3003、8021(米国アルミニウム協会AA規格)等のアルミニウム合金箔が使用される。
近年、電池の高容量化に伴い集電体である箔自身の薄肉化が検討されている。箔の薄肉化に伴う材料強度の低下は電極製造工程での箔の破断の原因となる為、以前から主流であった1085や1N30から3003をはじめとする高強度箔が用いられるようになってきた。
以下の特許文献1〜3に高強度正極集電体箔の一例を示す。いずれも強度向上を図る為、添加元素としてCuやMn、Mg等を添加している。
特許文献1に記載された集電体用アルミニウム合金箔は、0.1〜1.5質量%のMnと0.5〜1.8質量%のFeと0.01〜0.5質量%のMgと、0.00001〜0.5質量%のTiと、Zr、Co、Wの各々を総量で0.03〜0.5質量%含み、残部がアルミニウムと不可避不純物からなり、240〜400N/mmの引張強度を有するアルミニウム合金箔である。
特許文献2に記載されたリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔は、Si:0.01〜0.60質量%、Fe:0.2〜1.0質量%、Cu:0.05〜0.50質量%、Mn:0.5〜1.5質量%を含有し、残部Alと不可避不純物からなり、引張強さが240MPa以上のアルミニウム合金箔である。
特許文献3に記載された電池集電体用アルミニウム合金硬質箔は、Mn:0.8〜1.5質量%、Cu:0.05〜0.20質量%、Fe:0.3〜0.7質量%を含有し、残部Alと不可避不純物からなり、サブグレインが厚み方向に30個以上あり、引張強さ280〜350MPaの硬質箔である。
特許第5160839号公報 特開2011−74433号公報 特開2012−38518号公報
ところで、リチウムイオン二次電池製造の際に、重ね合わせた数十枚の集電体用アルミ箔を金属のタブに接合する必要がある。この際に用いる接合方法の代表的なものとして、超音波溶接が採用されている。超音波溶接は、アルミニウム合金箔とタブを重ね合わせ、その上からホーンで圧力を加えつつ超音波振動を加える事で、箔同士及び箔とタブを接合する。超音波溶接性に優れる材料は圧力と超音波振動の振幅が小さくても接合され、超音波溶接性の悪い材料は圧力と振幅を大きくしなければ接合されない。
しかし、上述のAA規格3003をはじめとするこれらの高強度箔はいずれもタブリードとの超音波溶接性が悪く、1000系箔と同じ溶接条件では接合不良が生じる場合がある。一方、溶接時の圧力を増やすなどして溶接条件を厳しくすると箔自身が溶接時に破断してしまう問題がある。従って強度が高く、超音波溶接性に優れたリチウムイオン二次電池用のアルミニウム合金箔が求められている。
このような事情に対し、本発明者らが研究したところ、アルミニウム合金箔の超音波溶接性を下げる要因として添加元素であるMnが大きく寄与している事を見出した。Mnはアルミニウム合金箔の強度と伸びの向上に効果があり、先の特許文献1〜3に示したリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔の高強度品は、すべて主要成分としてMnを添加している。
本発明は以上説明の事情に鑑みなされたもので、FeとMnとCuを規定量含有する引張強度の高いアルミニウム合金箔であって、タブリードとの溶接性に優れたリチウムイオン二次電池正極集電体箔として好適なアルミニウム合金箔の提供を目的とする。
本発明の一形態は、質量%でFe:0.5%以上1.6%未満、Cu:0.1%以上0.3%未満、Mn:0.1%以上0.5%未満を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、FeとMnの含有量が質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≦2.0の関係式を満たすことを特徴とし、引張強度240MPa以上、伸びが2.5%以上である事を特徴とする。
本発明の他の一形態は、前記組成に加えてさらに、質量%でMg:0.05%以上0.5%未満を含有することを特徴とする。
本発明の他の一形態は、超音波溶接における剥離強度が30MPa以上である事を特徴とする。
本発明に係るリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔によれば、240MPaを超える引張強度を示し、高強度であり、超音波溶接による剥離強度30MPa以上を示し、超音波溶接性に優れたアルミニウム合金箔を提供できる。
本発明に係る正極集電体用アルミニウム合金箔を備えた二次電池の第1実施形態を示す断面図。 本発明に係る正極集電体用アルミニウム合金箔を備えた二次電池の第2実施形態を示す断面図。 本発明に係る正極集電体用アルミニウム合金箔を備えた二次電池の第3実施形態を示す断面図。 実施例において作成したアルミニウム合金箔試験片の超音波溶接性について評価するための方法を示す説明図。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。
「第1実施形態」
図1は本発明に係る第1実施形態の正極集電体用アルミニウム合金箔を備えたリチウムイオン二次電池の一例構造を示すための断面図であり、この実施形態のリチウムイオン二次電池は、後に説明するアルミニウム合金箔からなる正極集電体1aの一面側に正極合剤層(正極活物質含有層)1bを備えた正極1が備えられている。また、正極1の一面側、即ち、正極合剤層1bの外側にセパレータ3を介し負極2が積層されていて、後に説明するようにこれらが電解液を満たした電池ケースに収容され、積層型構造のリチウムイオン二次電池が構成される。
本実施形態において負極2は、銅箔などからなる負極集電体2aの一面側にカーボンなどからなる負極合剤層(負極活物質含有層)2bを積層して構成され、負極2は負極合剤層2bをセパレータ3に密着させて正極1と一体化されている。
<正極>
正極集電体1aを構成するアルミニウム合金箔の厚みは出来るだけ薄い方が望ましいが、5〜25μmの厚みが好ましく、6〜20μmの厚みを有していることがより好ましい。厚みが5μm未満であると強度不足な上に、現状の圧延技術でアルミニウム合金箔自身を製造することが難しく、また、厚みが25μmを超えると電池内部の体積に占める正極集電体の割合が増加し、電池容量が低下するからである。なお、正極1は、正極集電体1aとその一面側の正極合剤層1bとを含めて一例として20〜300μm程度の厚さを有する。
以下に正極集電体1aを構成するアルミニウム合金箔の組成について説明する。
本実施形態のアルミニウム合金箔を構成するアルミニウム合金は、質量%でFe:0.5%以上1.6%未満、Cu:0.1%以上0.3%未満、Mn:0.1%以上0.5%未満を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、FeとMnの含有量が質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≦2.0の関係式を満たすアルミニウム合金であることが好ましい。
「Fe:0.5質量%以上1.6質量%未満」
Feはアルミニウム合金箔の超音波溶接性を低下させず、強度と伸びを向上させることの出来る元素である。Fe含有量が0.5質量%未満では強度と伸び向上の効果が期待できず、1.6質量%以上では鋳造時に粗大な金属間化合物が生成し、圧延時や電極製造時に箔の破断の起点となる可能性がある。さらに1.6質量%以上の領域では強度と伸びの向上が頭打ちとなる。
「Cu:0.1質量%以上0.3質量%未満」
Cuはアルミニウム合金箔の超音波溶接性を低下させず、強度を向上させることの出来る元素である。さらにMnやMgに比べ添加量に対する比抵抗の増加が少ないという特徴を有している。Cu含有量が0.1質量%未満では十分な強度向上の効果が得られず、0.3質量%以上では強度が高くなりすぎ、圧延性が低下し、箔の伸びも低下する。
「Mn:0.1質量%以上0.5質量%未満」
MnはFeと共に添加する事でアルミニウム合金箔の強度と伸びを向上させる事が出来るが、一方でアルミニウム合金箔の超音波溶接性を極端に悪化させる元素である。Mn含有量が0.1質量%未満では強度・伸び向上の効果が得られず、0.5質量%以上では伸びが低下し始め、加えて超音波溶接性の低下により剥離強度が30MPaを下回ってしまう。
「[Fe]+1.05[Mn]≦2.0」
本発明のアルミニウム合金箔において、FeとMnの含有量は質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≦2.0の関係式を満たすものとされる。本関係式は本発明者らがこれまで様々な合金を鋳造してきた中で得られたものであり、FeとMnの含有量が本関係式で2.0を超えた場合、鋳造時にAl−Fe−Mn系巨大金属間化合物が生成する可能性が極めて高くなることを見出した。巨大な金属間化合物は箔の破断の起点となり、圧延性や伸び特性が大幅に低下する。
「Mg:0.05質量%以上0.5質量%未満」
MgはCu同様、アルミニウム合金箔の強度を向上させることのできる元素である。さらにMgの添加によって超音波溶接性が若干向上する事が確認されている。Mg含有量が0.05質量%未満では十分な強度や溶接性向上の効果が得られず、0.5質量%以上では強度が高くなり、圧延性が低下し、箔の伸びも低下する。更には、Mgの添加による溶接性向上の効果が表れなくなる。
「引張強度240MPa以上、伸び2.5%以上」
アルミニウム合金箔の強度が240MPa、伸びが2.5%を下回ると、箔をコイルから巻き出し、表面に活物質を塗工、プレス、乾燥する電極製造工程の途中で箔が破断してしまう危険性がある。
「超音波溶接での剥離強度が30MPa以上」
後に示す試験方法で得られる剥離強度が30MPaを下回る材料の場合、実際の電池製造の際に12〜15μm程度の厚みのアルミニウム合金箔を数十枚重ね超音波溶接する際に接合不良が生じる危険性がある。同様の理由で超音波溶接での剥離強度が33MPa以上であることがさらに好ましい。
以上構成のアルミニウム合金箔の製造工程の一例を示すと、前記組成を有するアルミニウム合金を溶解し、半連続鋳造法により鋳造して得られた鋳塊を均質化処理した後、面削などを行って表面を清浄化する。この後、鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、仕上げの最終冷間圧延をこの順に施して板状、シート状から箔状になるまで厚さを順次減じ、アルミニウム合金箔を製造することができる。均質化処理条件は特に指定しないが、例えば430〜565℃、3〜7時間の条件で行う事が出来る。また、伸びをより向上させるためには均質化処理温度を430〜490℃にする事が好ましい。なお、冷間圧延途中に中間熱処理を実施しても良い。
まず、均質化処理したアルミニウム合金の鋳塊をシート状に熱間圧延し、得られたシートを冷間で圧延する。これら熱間圧延及び冷間圧延の温度、圧延率等は特に限定されるものではなく、定法に従えばよい。本実施形態では冷間圧延途中で中間熱処理を実施後、さらに冷間圧延を行って、5〜25μm厚のアルミニウム合金箔を得ることができる。
現状の二次電池用途として、正極集電体用アルミニウム合金箔は、12〜20μm程度の厚さを要求されるが、今後、10μmあるいは更に薄いアルミニウム合金箔を要求される可能性がある。これらの厚さにおいて、この用途のアルミニウム合金箔には240MPa以上の引張強度を示すことが好ましい。
上述の厚さ範囲で240MPa以上の引張強度のアルミニウム合金箔であるならば、正極1を破断なく高密度に巻きつけることができるのでリチウムイオン二次電池用途の正極集電体として望ましい特性を有する。
上述のアルミニウム合金箔であるならば、厚さ5〜25μm、望ましくは厚さ6〜20μmの範囲であって、240MPa以上の引張強度を有し、リチウムイオン二次電池用集電体として超音波溶接した場合であっても、接合強度の高い優れた集電体を提供できる。
「第2実施形態」
以上説明したアルミニウム合金箔からなる正極集電体を正極として備えたリチウムイオン二次電池の構成は、図1を基に先に説明した構造に限らず、その他種々の構造を採用できる。例えば、正極集電体を複数積層した構造、複数積層した上でロール状に巻回した構造など、種々適用できるので、以下に第2実施形態と第3実施形態を基に説明する。
図2は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の第2実施形態の主要部を示す断面図である。第2実施形態のリチウムイオン二次電池の電極群10は、正極1Aと負極2Aとがセパレータ3を介し積層された構造とされている。
本実施形態の正極1Aは正極合剤層1bをアルミニウム合金箔からなる正極集電体1aの両面側に備えて構成され、負極2Aは負極合剤層2bを箔の負極集電体2aの両面側に備えて構成され、1つの負極2Aの両面側をセパレータ3を介し挟むように正極1Aが積層された構造とされている。
この構造の電極群10を封口される電池ケースの内部で電解液(いずれも図示略)に浸漬するように設け、正極1A及び負極2Aをそれぞれ端子に電気的に接続することで、リチウムイオン二次電池が構成される。
第2実施形態のリチウムイオン二次電池において、第1実施形態で用いた正極集電体1a、負極集電体2a、正極合剤層1b、負極合剤層2bについては同等であり、積層構造のみが異なっている。
図2に示す電極群10を備えたリチウムイオン二次電池であっても、先の第1実施形態のリチウムイオン二次電池と同等の集電体を備えることによる効果を得ることができる。
なお、リチウムイオン二次電池の積層構造としては図2に示す積層例に限らないので、更に多層構造化することも可能である。
「第3実施形態」
図3は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の第3実施形態の主要部を示す断面図である。第3実施形態のリチウムイオン二次電池の電極群20は、正極1Bと負極2Bがセパレータ3を介し渦巻き型に巻回された構造とされている。
本実施形態の正極1Bは正極合剤層を先に記載のアルミニウム合金箔からなる正極集電体1aの両面側に備えて構成され、負極2Bは負極合剤層を箔の負極集電体の両面側に備えて構成され、これらをセパレータ3を介し渦巻き型に巻回された構造とされている。
この構造の電極群20を封口される円筒型の電池ケースの内部で電解液(いずれも図示略)に浸漬するように設け、正極1B及び負極2Bをそれぞれ端子に電気的に接続することで、缶タイプのリチウムイオン二次電池が構成される。
図3に示す電極群20を備えたリチウムイオン二次電池であっても、先の第1実施形態のリチウムイオン二次電池と同等の集電体を備えることによる効果を得ることができる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表1に示すようにFe含有量とCu含有量とMn含有量とFe+Mn量をそれぞれ変量した厚さ500mmのアルミニウム合金の鋳塊を半連続鋳造により作製した。これら鋳塊の表面を面削し、不均一層を除去した後、得られた鋳塊に保持温度490℃、保持時間4時間の均質化処理を実施した。
続いて、前記各鋳塊を熱間圧延で厚さ7.0mmの板材とした。その後、冷間圧延を施し、板厚を順次薄くなるように圧延し、板厚1.0mmで中間焼鈍を行った。中間焼鈍条件は、昇温速度10℃/秒、加熱温度520℃、保持時間5秒、冷却速度20℃/秒とした。
その後、最終厚み15μmまで最終冷間圧延を行うことにより複数のアルミニウム合金箔試験材を作製した。
「引張強度」
上述の各試験材から、JIS5号試験片を採取し、万能引張試験機を用いて引張速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。
「伸び率」
試験片の長手中央に、試験片垂直方向に2本の線を50mm間隔で引き、原標点間距離として、各試験片を引張試験し、アルミニウム合金箔が破断した後につき合わせて2本の線の距離を測定し、そこから原標点距離(50mm)を引いた伸び量(mm)を、原標点間距離(50mm)で除して伸び率(%)を求めた。
「超音波溶接性評価方法」
厚さ80μmまで圧延した各アルミニウム合金箔を幅15mm×長さ100mmの短冊状に切断した後、図4に示すように2枚の箔試験片15、16の各先端部分を重ね合わせて、重ね合わせ部分をアンビル17の上に設置し、重ね合わせ部分の上方から超音波ホーンを押し当てつつ超音波溶接を実施した。超音波溶接の条件は以下の通り。
使用した超音波溶接機:TELESONIC社製 M600型
使用した超音波ホーン:TELESONIC社製、型番TE35 12298(断面4.5mm×4.5mm)
溶接条件:(1)加圧荷重0.4b(1b=100N)、(2)振幅35μmの60%、
(3)Delely time 0.3秒(アルミニウム合金箔にホーンが接触してから設定荷重に到達するまでの時間)
(4)Weld time 0.15秒(設定荷重到達後に超音波振動を与える時間)
(5)Hold time 0.1秒(超音波振動停止した後加圧されたまま保持される時間)
前記のように2枚の幅15mm短冊状のアルミニウム合金箔を超音波溶接したものを試験片とした。この試験片の長さ方向の一端を固定し、長尺方向の他端より5mm/分の速度で引張ることにより荷重を加えた。試験片は一定の荷重を超えると溶接部で剥離が生じ、その時の荷重を試験片であるアルミニウム合金箔の断面積で割った値を剥離強度とした。
「圧延性」
幅1200mmを超える広幅の圧延において、最終パスで破断することなく圧延できたものを○、最終パスで1コイル(約10000m)につき3回以下の破断が生じた場合は△、3回を超える破断もしくは硬過ぎる等の理由で圧延継続が難しいと判断されたものについては×とした。○が好ましいが、△以上(約10000mの最終パスで破断が3回以内)であれば製造上は問題ない。
以上の結果をまとめて表1に記載する。
Figure 2015034340
表1に示すNo.1〜11(実施例)の試料の測定結果が示すように、本発明で規定する範囲、質量%でFe:0.5%以上1.6%未満、Cu:0.1%以上0.3%未満、Mn:0.1%以上0.5%未満を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金箔であって、FeとMnの含有量が質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≦2.0の関係式を満たす実施例1〜11の試料であるならば、引張強度240MPa以上を得ることができ、伸びが2.5%以上であるアルミニウム合金箔を得られることが分かる。
より詳細には、表1に示すNo.1〜11(実施例)の試料において、質量%でFe:0.52質量%以上1.52質量%以下、Cu:0.12質量%以上0.28質量%以下、Mn:0.13質量%以上、0.43質量%以下、[Fe]+1.05[Mn]の値が0.7以上1.9以下であるので、引張強度247MPa以上、320MPa以下、圧延性が良好で溶接強度30MPa以上、42MPa以下のアルミニウム合金箔を得ることができる。
また、表1に示すNo.1〜6、10(実施例)の試料において、質量%でFe:0.52質量%以上1.52質量%以下、Cu:0.12質量%以上0.28質量%以下、Mn:0.13質量%以上、0.43質量%以下、Mg:0.05質量%以上0.45質量%以下、[Fe]+1.05[Mn]の値が0.9以上1.9以下であるので、引張強度260MPa以上、320MPa以下、圧延性が良好で溶接強度33MPa以上、42MPa以下のアルミニウム合金箔を得ることができる。
実施例11の試料は[Fe]+1.05[Mn]の値を低めに設定した例であるが、TSとEIが低くなる傾向が見られた。
比較例No.12の試料は、Fe含有量を0.38質量%と少なくした試料であり、伸びの値が低くなった。
比較例No.13の試料は、Fe含有量を1.75質量%として多くした例であり、粗大な金属間化合物の影響で圧延性が低下し、更に伸びの値も低くなった。
比較例No.14の試料はCu含有量を0.04質量%として少なくした試料であるが、引張強度が不足した。
比較例No.15の試料はCu含有量を0.38質量%として多くした試料であるが、伸びの値が低下した。
比較例No.16の試料はMn含有量を0.04質量%として少なくした試料であるが、伸びの値が低下した。
比較例No.17の試料はMn含有量を0.55質量%として多くした試料であるが、溶接強度が低下した。
比較例No.18の試料はFe含有量、Mn含有層、Cu含有量、Mg含有量ともに少ない試料であるが、引張強度が低下した。
比較例No.19の試料はFe含有量、Cu含有量、Mn含有量、Mg含有量ともに多い試料であるが、硬すぎて厚み15μmの箔まで圧延できなかった。
比較例No.20の試料はMg含有量を0.55質量%として多くした試料であるが、硬すぎて厚み15μmの箔まで圧延できなかった。このことから、Mgを含有する場合であっても添加量を多くし過ぎると箔の伸びが低下し、圧延性が低下することがわかる。
従来材であるNo.21の試料は、AA規格3003合金であるが、Mn含有量が多すぎて硬く、伸びが少なく、溶接強度が大幅に低下した。
1、1A、1B…正極、1a…正極集電体、1b…正極合剤層、2、2A、2B…負極、2a…負極集電体、2b…負極合剤層、3…セパレータ、10…電極群、20…電極群。

Claims (3)

  1. 質量%でFe:0.5%以上1.6%未満、Cu:0.1%以上0.3%未満、Mn:0.1%以上0.5%未満を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、FeとMnの含有量が質量%で、[Fe]+1.05[Mn]≦2.0の関係式を満たすことを特徴とし、引張強度240MPa以上、伸びが2.5%以上である事を特徴とするリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%でMg:0.05%以上0.5%未満を含有することを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔。
  3. 超音波溶接における剥離強度が30MPa以上である事を特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金箔。
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