JP2008088616A - アクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】延伸性を良好にしつつ単糸接着トラブルを低減でき比較的低コストで実施できるアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも3つの洗浄槽を備える多段洗浄槽を用い、未洗浄の凝固糸条を少なくとも3つの洗浄槽に順次導いて洗浄すると共に、多段洗浄槽の1段目の洗浄槽の入り側と最終段の洗浄槽の出側とにそれぞれ設けられた駆動ローラーを用いて多段洗浄槽中で凝固糸条を1.2倍以上に延伸する工程を有し、多段洗浄槽の1段目の洗浄槽における洗浄水温度を50℃以上65℃以下とし、多段洗浄槽の中間段の洗浄槽における洗浄水温度を68℃以上90℃以下とし、多段洗浄槽の最終段の洗浄槽における洗浄水温度を95℃以上99℃以下とし、最終段の洗浄槽に導く前に凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下とするアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも3つの洗浄槽を備える多段洗浄槽を用い、未洗浄の凝固糸条を少なくとも3つの洗浄槽に順次導いて洗浄すると共に、多段洗浄槽の1段目の洗浄槽の入り側と最終段の洗浄槽の出側とにそれぞれ設けられた駆動ローラーを用いて多段洗浄槽中で凝固糸条を1.2倍以上に延伸する工程を有し、多段洗浄槽の1段目の洗浄槽における洗浄水温度を50℃以上65℃以下とし、多段洗浄槽の中間段の洗浄槽における洗浄水温度を68℃以上90℃以下とし、多段洗浄槽の最終段の洗浄槽における洗浄水温度を95℃以上99℃以下とし、最終段の洗浄槽に導く前に凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下とするアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭素繊維の製造に用いられるアクリル系炭素繊維前駆体繊維に関する。
特許文献1には、良好な炭素繊維前駆体を得るため、紡糸工程においてまず凝固糸条に過度な変形を加えず洗浄し、その後多段延伸槽において温度を徐々に上げながら各槽で延伸を行うことが記載される。
また特許文献2では、洗浄の後延伸する工程で、延伸後の油剤付着時に糸条中溶媒濃度を0.02〜10.0%にすること、また多段延伸槽のローラーをフリ−ローラーとすることで接着繊維を減らすことが記載されている。
特公昭60−42286号公報
特開平05−171522号公報
上記特許文献では、洗浄槽初段の洗浄槽温度が規定されていない。初段洗浄水温度が65℃以上では、凝固糸条表面での凝固・脱溶剤が進み、内層部との構造差が大きくなり延伸性が低下することがある。
また上記特許文献では、2段目以降の洗浄槽における洗浄温度及び延伸に供する糸条中溶剤濃度が規定されていない。糸条中の溶剤濃度が高いまま糸条の洗浄温度を90℃以上に上げると、糸条中の溶剤濃度が高い状態で延伸が開始されてしまい、糸条中のモノフィラメント間の接着が発生しやすくなる。
さらに洗浄槽と延伸槽が分離されていると、延伸槽において各槽の温度・速度変更機構が必要であり設備投資負担が大きくなる。またフリーローラー巻き付きやベアリング回転不良などの対策が必要でありメンテナンスコストがアップする要因となる。
本発明の目的は、延伸性を良好にしつつ、単糸接着トラブルを低減でき、比較的低コストで実施できるアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法を提供することである。
単糸間の接着が抑制されたアクリル系炭素繊維前駆体繊維を用いると、炭素繊維の製造に際して、焼成工程における強度発現性を向上させ、毛羽を抑制することが可能となる。
本発明により、少なくとも3つの洗浄槽を備える多段洗浄槽を用い、未洗浄の凝固糸条を該少なくとも3つの洗浄槽に順次導いて洗浄すると共に、該多段洗浄槽の1段目の洗浄槽の入り側と最終段の洗浄槽の出側とにそれぞれ設けられた駆動ローラーを用いて該多段洗浄槽中で凝固糸条を1.2倍以上に延伸する工程を有し、
該多段洗浄槽の1段目の洗浄槽における洗浄水温度を50℃以上65℃以下とし、
該多段洗浄槽の中間段の洗浄槽における洗浄水温度を68℃以上90℃以下とし、
該多段洗浄槽の最終段の洗浄槽における洗浄水温度を95℃以上99℃以下とし、
前記最終段の洗浄槽に導く前に、凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下とするアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法が提供される。
該多段洗浄槽の1段目の洗浄槽における洗浄水温度を50℃以上65℃以下とし、
該多段洗浄槽の中間段の洗浄槽における洗浄水温度を68℃以上90℃以下とし、
該多段洗浄槽の最終段の洗浄槽における洗浄水温度を95℃以上99℃以下とし、
前記最終段の洗浄槽に導く前に、凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下とするアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法が提供される。
本発明により、延伸性を良好にしつつ、単糸接着トラブルを低減でき、比較的低コストで実施できるアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法が提供される。
本発明のアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法においては、凝固糸の溶剤洗浄及び延伸を一括処理できる装置を用いる。そして、洗浄槽は多段に配置する。これにより省スペース化及び設備投資の抑制が可能となる。
本発明では、少なくとも三つの洗浄槽にて順次凝固糸を洗浄する。したがって、三つ以上の洗浄槽を直列(凝固糸の進行方向に対し)に備える装置を用いる。図1に本発明で用いることのできる洗浄・延伸装置の一例を示す。この装置は五つの洗浄槽を備える。
このような装置を使用し、1段目の洗浄槽の洗浄液温度を50℃以上65℃以下とする。中間段の洗浄槽(1段目洗浄槽と最終段洗浄槽の間に配される少なくとも一つの洗浄槽)においては、68℃以上90℃以下で糸条中の溶剤濃度0.5質量%以下まで凝固糸条を洗浄し、その後97℃±2℃(95℃以上99℃以下)の洗浄液中で延伸する。このようにする事により単糸間の接着の少ない高品質な炭素繊維用前駆体を得る事が出来る。
1段目の洗浄槽において凝固糸条が65℃を超える高温の洗浄水にさらされると、糸条表面での凝固・脱溶剤が進み、糸条表面と内層部とで延伸性差が大きくなり、結果として延伸の際破断し易くなる。また、50℃未満であると、繊維内の溶剤拡散速度が低下し洗浄性が低下する。
また、溶剤濃度が高い糸条を90℃超の洗浄水に導入すると、延伸が開始され、単糸間の接着が発生しやすくなる。90℃超の洗浄水に導入するまでに糸条中の溶剤濃度が0.5質量%以下まで洗浄する事が必要である。従って、中間段洗浄槽における洗浄水温度を90℃以下としておき、中間段洗浄槽(中間段洗浄槽が複数存在する場合はその最後の洗浄槽)までの洗浄によって凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下にし、その後に最終段洗浄槽にて延伸を行う。
ここで、中間段洗浄槽の温度が68℃未満であると、最終段に入った糸条が95℃以上の洗浄水で予熱されるまでに時間が掛かり、延伸性が低下する。
また、最終段洗浄水の温度は延伸性を向上させる観点より95℃以上が必要であるが、洗浄水温度が100℃に到達すると洗浄水の沸騰が始まり、沸騰泡による糸条のダメージが発生するので99℃以下に保つ事が必要である。
以上のような多段洗浄槽を用いて温度および凝固糸条中の溶剤濃度を上記のように管理することで、単糸接着トラブルを防止しつつ延伸倍率1.2倍以上に延伸することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔洗浄・延伸装置〕
以下の実施例および比較例において、図1に示す構成を有する洗浄・延伸装置を用いた。この装置は五段の洗浄槽を備える。すなわち1段目洗浄槽1−1、中間段洗浄槽1−2、1−3および1−4、並びに最終段洗浄槽1−5を有する。
以下の実施例および比較例において、図1に示す構成を有する洗浄・延伸装置を用いた。この装置は五段の洗浄槽を備える。すなわち1段目洗浄槽1−1、中間段洗浄槽1−2、1−3および1−4、並びに最終段洗浄槽1−5を有する。
1段目の洗浄槽1−1の入り側に駆動ローラー2が設けられ、最終段の洗浄槽1−5の出側に駆動ローラー3が設けられている。それぞれの駆動ローラーの回転数を調節して糸条を延伸出来る構造になっている。
洗浄水は、洗浄水供給口4から洗浄槽1−5に供給し、洗浄槽1−5、1−4、1−3、1−2、1−1と各洗浄槽をオーバーフローすることにより糸条の移動方向と向流に流れ、洗浄水排出口5から排出される。
各槽の温度コントロール方法において、洗浄槽1−5、1−4および1−1には洗浄液に浸漬する部分に放熱フィンを備える配管(フィン付き配管)7−5、7−4および7−1が、それぞれ設置されている。
洗浄槽1−5においてはフィン付き配管7−5に蒸気圧0.2Mpaの水蒸気を通気し、洗浄水を加熱する事により洗浄水温度を97℃±2℃(95℃以上99℃以下)にコントロールする。
また洗浄槽1−4においてはフィン付き配管7−4に冷却された水を通水し、洗浄水を冷却する事により温度を90℃以下にコントロールする。洗浄槽1−1においては洗浄槽1−4同様にフィン付き配管7−1に冷却された水を通水し、洗浄水を冷却する事により温度を65℃以下にコントロールする。
上記洗浄槽1−5、1−4および1−1の温度コントロール方法はPID(比例積分微分)温度コントロールである。洗浄槽1−3および1−2の洗浄水については、1−4から90℃の洗浄水が流下して来るので、確実に68〜90℃の温度範囲に入るため、温度コントロールは行わない。
温度測定は、JISC1604で規定された測温抵抗体:Pt100を使用し、測定位置は洗浄槽の概中央部、深さは糸条走行位置深さの、洗浄槽液面より30mmの深さの温度を測定した。洗浄槽中の洗浄水温度分布は、糸条の走行による随伴流による槽内攪拌が強いため、ほぼ±0.5℃以内に収まっている。
洗浄水はイオン交換水(電気抵抗20万Ω)を使用した。
また各洗浄槽および洗浄槽間には糸条をガイドする糸条押さえガイド6が備わる。
〔評価項目〕
以下の実施例および比較例で得られたアクリル系炭素繊維前駆体繊維について、単糸間の接着と延伸性とを次のように評価した。
以下の実施例および比較例で得られたアクリル系炭素繊維前駆体繊維について、単糸間の接着と延伸性とを次のように評価した。
・単糸間の接着の評価
各例で得たアクリル系炭素繊維前駆体繊維の糸条を3mm長にカットし、アセトンを200mL入れたビーカーに入れ、スターラーで10min攪拌した。それを大型シャーレに移し、単糸が3本以上接着している塊の数を目視で数え、次の基準により評価した
塊の数が1個以下:◎(良好)、
塊の数が2〜5個:△(やや悪化)、
塊の数が6〜10個:△×(悪い)、
塊の数が11個以上:×(非常に悪い)。
各例で得たアクリル系炭素繊維前駆体繊維の糸条を3mm長にカットし、アセトンを200mL入れたビーカーに入れ、スターラーで10min攪拌した。それを大型シャーレに移し、単糸が3本以上接着している塊の数を目視で数え、次の基準により評価した
塊の数が1個以下:◎(良好)、
塊の数が2〜5個:△(やや悪化)、
塊の数が6〜10個:△×(悪い)、
塊の数が11個以上:×(非常に悪い)。
・延伸性評価
各例において、多段洗浄槽最終段の出側駆動ローラー3への洗浄終了後の糸条の巻き付き回数を数え、10分間あたりの回数をもって延伸性を評価した。以下の基準で評価した。
巻き付き回数 0回 :○、
巻き付き回数 1〜2回:△、
巻き付き回数 3回以上:×。
各例において、多段洗浄槽最終段の出側駆動ローラー3への洗浄終了後の糸条の巻き付き回数を数え、10分間あたりの回数をもって延伸性を評価した。以下の基準で評価した。
巻き付き回数 0回 :○、
巻き付き回数 1〜2回:△、
巻き付き回数 3回以上:×。
〔実施例1〕
アクリロニトリル(AN)、メチルアクリレート(MA)、メタクリル酸(MAA)の共重合モル比がAN/MA/MAA=96/2/2であるアクリル系重合体をジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し20重量%の紡糸原液とした。
アクリロニトリル(AN)、メチルアクリレート(MA)、メタクリル酸(MAA)の共重合モル比がAN/MA/MAA=96/2/2であるアクリル系重合体をジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解し20重量%の紡糸原液とした。
この紡糸原液を12,000ホール、ホール径(直径)0.075μmの紡糸口金でジメチルアセトアミド50質量%水溶液、温度40℃の凝固浴中に吐出し凝固させ凝固糸条を得た。
凝固糸条を、上記洗浄・延伸装置を用いて洗浄および延伸した。
洗浄水の条件は以下の通りとした。
1段目洗浄槽1−1の洗浄水温度62℃、
4段目洗浄槽1−4の洗浄水温度89℃、
5段目洗浄槽1−5の洗浄水温度97℃。
1段目洗浄槽1−1の洗浄水温度62℃、
4段目洗浄槽1−4の洗浄水温度89℃、
5段目洗浄槽1−5の洗浄水温度97℃。
温度コントロールしていない2段目洗浄槽1−2の洗浄水温度は68℃、3段目洗浄槽1−3の洗浄水温度は、73℃となった。
4段目洗浄槽を出たところの糸条中溶剤濃度(表1において「延伸前糸条溶剤濃度」で示す)は0.4質量%であった。
糸条中溶剤濃度の測定は次のように行った。すなわち、各洗浄槽の出側で採取した糸条を、それぞれ三角フラスコに7g採取した。それぞれの三角フラスコにイオン交換水(絶縁抵抗20万Ω)200mlを入れ、30分間95℃に加熱し溶剤分を抽出した。抽出液を常温まで冷却後、視外可視分光光度計検出器にて溶剤量(g)を求めた。求めた溶剤量と糸条採取量の比を、糸条中溶剤濃度(質量%)とした。
延伸倍率は3倍とした。
洗浄及び3倍延伸終了後、添油槽にてシリコン系の油剤を2.0質量%付着させ、その後蒸気充填型シリンダー型ドライヤーにおいて135℃で乾燥・緻密化し、一括処理型加圧スチーム処理装置を用いて延伸処理を行った後、インターレースノズルにてエアー交絡処理を実施し、最終的にアクリル系炭素繊維前駆体繊維の糸条を得た。
〔実施例2〕4段目洗浄槽出の糸条中溶剤濃度が0.5%の実施例
4段目洗浄槽を出たところの糸条中溶剤濃度(表1において「延伸前糸条溶剤濃度」で示す)を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。4段目糸条中溶剤濃度の変更は、洗浄水の流量を低下する事により実施した。
4段目洗浄槽を出たところの糸条中溶剤濃度(表1において「延伸前糸条溶剤濃度」で示す)を0.5質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。4段目糸条中溶剤濃度の変更は、洗浄水の流量を低下する事により実施した。
〔比較例1〕第一段目の洗浄水の温度が高い比較例
1段目の洗浄槽1−1の洗浄水温度を68℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
1段目の洗浄槽1−1の洗浄水温度を68℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
〔比較例2〕中間の洗浄水の温度が高い比較例
4段目の洗浄槽1−4の温度を92℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
4段目の洗浄槽1−4の温度を92℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
〔比較例3〕中間の洗浄水の温度が低い比較例
4段目の洗浄槽1−4の温度を67℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
4段目の洗浄槽1−4の温度を67℃にしたほかは、実施例1と同様にしてアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。
〔比較例4〕4段目洗浄槽出の糸条中溶剤濃度が0.6%の比較例
4段目洗浄槽を出たところの糸条中溶剤濃度(表1において「延伸前糸条溶剤濃度」で示す)を0.6質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。4段目糸条中溶剤濃度の変更は、洗浄水の流量を低下する事により実施した。
4段目洗浄槽を出たところの糸条中溶剤濃度(表1において「延伸前糸条溶剤濃度」で示す)を0.6質量%とした以外は実施例1と同様にしてアクリル繊維前駆体繊維の製造と評価を行った。4段目糸条中溶剤濃度の変更は、洗浄水の流量を低下する事により実施した。
以上の結果を表1にまとめた。
本発明により製造されたアクリル系炭素繊維前駆体繊維は、強度が良好で毛羽が抑制された炭素繊維を得るに好適に用いられる。
1 洗浄槽
2 駆動ローラー(送り出し側)
3 駆動ローラー(引き取り側)
4 洗浄水供給口
5 洗浄水排出口
6 糸条押さえガイド
7 フィン付き配管
2 駆動ローラー(送り出し側)
3 駆動ローラー(引き取り側)
4 洗浄水供給口
5 洗浄水排出口
6 糸条押さえガイド
7 フィン付き配管
Claims (1)
- 少なくとも3つの洗浄槽を備える多段洗浄槽を用い、未洗浄の凝固糸条を該少なくとも3つの洗浄槽に順次導いて洗浄すると共に、該多段洗浄槽の1段目の洗浄槽の入り側と最終段の洗浄槽の出側とにそれぞれ設けられた駆動ローラーを用いて該多段洗浄槽中で凝固糸条を1.2倍以上に延伸する工程を有し、
該多段洗浄槽の1段目の洗浄槽における洗浄水温度を50℃以上65℃以下とし、
該多段洗浄槽の中間段の洗浄槽における洗浄水温度を68℃以上90℃以下とし、
該多段洗浄槽の最終段の洗浄槽における洗浄水温度を95℃以上99℃以下とし、
前記最終段の洗浄槽に導く前に、凝固糸条中の溶剤濃度を0.5質量%以下とするアクリル系炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
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