JP6558288B2 - アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法 - Google Patents
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Description
凝固浴から引取後の繊維束を50cm採取し、底が黒色で、2cm深さの水が入ったバットで繊維束を泳がせ、ばらけ具合を観察して、接着状態を評価した。評価基準は以下の通りである。
1:単繊維状にばらけている。
2:ピンセットで水中の繊維束を軽くたたくと単繊維にばらける。
3:数本単位でばらけない繊維束を含む。
4:数十本単位でばらけない繊維束を1つ含む。
5:数十本単位でばらけない繊維束を複数含む。
アクリロニトリル系繊維束を巻き取る手前で1000m分のアクリロニトリル系繊維の毛羽の数を数え、品位を評価した。評価基準は以下の通りである。
1:(毛羽本数/1繊維束・1000m)≦1
2:1<(毛羽本数/1繊維束・1000m)≦2
3:2<(毛羽本数/1繊維束・1000m)≦5
4:5<(毛羽本数/1繊維束・1000m)<60
5:(毛羽本数/1繊維束・1000m)≧60
(比較例1)
図1,8に示す乾湿式紡糸装置を用いるとともに、紡糸原液として、AN99モル%、イタコン酸1モル%を共重合してなるAN共重合体を20質量%含むDMSO溶液を紡糸原液として用い、一錘当たりの孔数が6,000ホールの口金から、28℃に温調した紡糸原液を、一旦空気中に押し出して、30質量%DMSO水溶液で調整された凝固浴中へ下方向に進入させ、方向転換ガイド4で角度65°で折り返して、凝固浴外に25m/分で引き出した後、水洗工程へ搬入した。その後、浴延伸工程で延伸させながらアミノシリコーンを主成分とする油剤を付与し、更に乾燥・後延伸工程を経てアクリロニトリル系繊維束を得た。
図3,6に示す乾湿式紡糸装置を用いるとともに、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の93%が口金方向に向くように、口金外周部から50mm離れた位置において凝固浴液面7から深さ40mmの位置から口金方向へ凝固浴液を送液できるよう2つの強制送液ポンプ9を設置し送液量を調整した以外は比較例1と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は良好であった。
図7,8に示す乾湿式紡糸装置を用いる以外は比較例1と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。この時、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の86%であった。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は実施例1と同等であり満足できるものであった。
図1,8に示す乾湿式紡糸装置を用い、凝固浴外に35m/分で引き出した以外は比較例1と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。この時、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の29%であった。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は比較例1と比べ悪化し、満足できるものではなかった。
図3,6に示す乾湿式紡糸装置を用い、凝固浴外に35m/分で引き出すとともに、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の64%が口金方向に向くよう強制送液ポンプ9の送液量を調整した以外は実施例1と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は問題なかった。また、凝固浴外に引き出す速度が実施例2の25m/分から35m/分に高速化していることに比例して、その生産効率は向上し、その製造原価は満足できるものであった。
図7,8に示す乾湿式紡糸装置を用いる以外は比較例2と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。この時、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の50%であった。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は比較例2に比べ改善は見られたが、依然満足できるものではなかった。
図2,3に示す乾湿式紡糸装置を用いるとともに、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の79%が口金方向に向くよう強制送液ポンプ9の送液量を調整した以外は実施例3と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。接着は問題なく、アクリロニトリル系繊維製造時の品位は実施例2に比べ改善した。また、凝固浴外に引き出す速度が実施例1の25m/分から35m/分に高速化していることに比例して、その生産効率は向上し、その製造原価は満足できるものであった。
図3、4に示す乾湿式紡糸装置を用いるとともに、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の71%が口金方向に向くよう強制送液ポンプ9の送液量を調整した以外は実施例3と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。接着は実施例2に比べ改善し、アクリロニトリル系繊維製造時の品位は問題なかった。また、凝固浴外に引き出す速度が実施例1の25m/分から35m/分に高速化していることに比例して、その生産効率は向上し、その製造原価は満足できるものであった。
図3、5に示す乾湿式紡糸装置を用いるとともに、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に14分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面7から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の86%が口金方向に向くよう強制送液ポンプ9の送液量を調整した以外は実施例3と同様にしてアクリロニトリル系繊維束を得た。接着およびアクリロニトリル系繊維製造時の品位は実施例2に比べ改善し良好であった。また、凝固浴外に引き出す速度が実施例1の25m/分から35m/分に高速化していることに比例して、その生産効率は向上し、その製造原価は満足できるものであった。
2 凝固糸条
3 凝固浴
4 方向転換ガイド
5 凝固浴出フリーローラー
6 凝固浴液流入口
7 凝固浴液面
8 循環ポンプ
9 強制送液ポンプ
10 ビーズ
11 仕切板
12 整流筒
Claims (7)
- 紡糸原液を、口金から一旦空気中に押し出した後、底面に配された凝固浴液流入口から上方に凝固浴液が供給される凝固浴中に下向きに進入せしめて凝固糸条とし、口金下方の凝固浴中に配された方向転換ガイドで凝固糸条を折り返して凝固浴外に引き出すアクリロニトリル系繊維束の製造方法であって、口金外周部から35mm離れた位置であって、口金中心から円周方向に均等に少なくとも10分割した位置それぞれにおける、凝固浴液面から深さ40mmでの凝固浴液の流れる方向の60%以上が口金方向であり、該凝固浴液の流速の絶対値の平均が0.8m/分以上であることを特徴とするアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 凝固糸条を凝固浴外に引き出す速度が25〜50m/分である請求項1に記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 口金の孔数が1,000〜60,000である請求項1または2に記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 凝固浴液が口金方向へ流れるように凝固浴液の流れを制御する手段を凝固浴内に備える請求項1〜3のいずれかに記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 凝固糸条の走行位置から凝固浴の側面および底面の方向へ20〜200mm離れた位置に、凝固糸条の走行方向に沿った形状の仕切板を備え、仕切板の始端部および終端部は凝固浴液面から深さ0〜300mmに位置する請求項1〜4のいずれかに記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 口金と方向転換ガイドの間の凝固糸条の周囲に整流筒を備える請求項1〜5のいずれかに記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のアクリロニトリル系繊維束の製造方法によってアクリロニトリル系繊維束を製造した後、200〜300℃の酸化性雰囲気中で耐炎化処理し、次いで1000℃以上の不活性雰囲気中で加熱する炭素繊維束の製造方法。
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