JPWO2019065971A1 - 紡糸装置 - Google Patents

紡糸装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019065971A1
JPWO2019065971A1 JP2019545685A JP2019545685A JPWO2019065971A1 JP WO2019065971 A1 JPWO2019065971 A1 JP WO2019065971A1 JP 2019545685 A JP2019545685 A JP 2019545685A JP 2019545685 A JP2019545685 A JP 2019545685A JP WO2019065971 A1 JPWO2019065971 A1 JP WO2019065971A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
liquid
coagulation liquid
coagulation
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019545685A
Other languages
English (en)
Inventor
秀樹 西嶋
秀樹 西嶋
博司 狩野
博司 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Spiber Inc
Original Assignee
Spiber Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Spiber Inc filed Critical Spiber Inc
Publication of JPWO2019065971A1 publication Critical patent/JPWO2019065971A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/06Wet spinning methods

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

紡糸装置は、ノズルの吐出口に向けて開口して繊維が導入される第1端と、第1端とは反対側に位置して繊維が排出される第2端と、を有する管状の凝固液槽と、凝固液槽の第2端側に設けられ、繊維を所定の経路に沿って通過させる排出部と、凝固液を吸引することができるように排出部または凝固液槽の第2端に接続された吸引管を有し、凝固液を吸引することにより、凝固液槽の第1端から第2端に向けて凝固液を流動させる吸引装置と、を備える。吸引装置の吸引管は、排出部または第2端に開口する吸引口を含み、吸引口は、繊維の経路から離れた位置に設けられている。

Description

本開示は、紡糸装置に関する。
このような技術として、たとえば特許文献1に記載されるような乾湿式紡糸装置が知られている。この装置は、紡糸液(ドープ)を吐出するための多数の吐出孔を有する口金と、凝固液を貯える凝固装置とを備えている。凝固装置における凝固液の液面レベルは、一定に保たれている。口金の吐出面と凝固液の液面との間の距離が、乾湿式紡糸におけるエアギャップとなる。凝固装置は、凝固液で満たされた流管部を備えており、この流管部内を糸条が走行する。流管部内の凝固液は、所定の流速をもって流下する。
この装置では、流管部の中に、液体吸引ローラが設けられている。このローラは、その内部に凝固液を吸引できるよう、通液性の部材からなる接糸面を有する。ローラ上に載った糸条は、ローラ上を走行する。ローラは、糸条の走行速度に同期した速度で駆動される。ローラ上の糸条は、接糸面の部分でローラの外側から内側へ吸引される凝固液の液圧によって、接糸面に押し付けられる。この装置では、ローラが吸引する凝固液の量を好ましい範囲に設定することにより、流管部を流下する凝固液の流速が調整される。
特開2009−144284号公報
上記した特許文献1に記載の装置では、ローラの接糸面に糸条が接触するため、糸すなわち繊維に対するダメージを抑えるには限界がある。本開示は、繊維にダメージを与えることを防止しつつ高速紡糸を実現することができる紡糸装置を説明する。
本開示の一態様は、ノズルから吐出された紡糸液が凝固液に接触して凝固されることで繊維を製造する紡糸装置であって、ノズルの吐出口に向けて開口して繊維が導入される第1端と、第1端とは反対側に位置して繊維が排出される第2端と、を有する管状の凝固液槽であって、凝固液を第1端から第2端に向けて流すことができる凝固液槽と、凝固液槽の第2端側に設けられ、繊維を所定の経路に沿って通過させる排出部と、凝固液を吸引することができるように排出部または凝固液槽の第2端に接続された吸引管を有し、凝固液を吸引することにより、凝固液槽の第1端から第2端に向けて凝固液を流動させる吸引装置と、を備え、吸引装置の吸引管は、排出部または第2端に開口する吸引口を含み、吸引口は、繊維の経路から離れた位置に設けられている。
この紡糸装置によれば、凝固液槽内の繊維(糸状凝固体)は、凝固液槽内を通って排出部を通過する。排出部または第2端に接続された吸引管を通じて、吸引装置によって凝固液が吸引される。この凝固液の吸引が、凝固液を、凝固液槽内で第1端から第2端に向けて流動させる。この凝固液の流動により、凝固液槽内の繊維を凝固液槽の第1端から第2端に向かって走行させることができ、高速紡糸が実現される。吸引管の吸引口は、繊維の経路から離れた位置に設けられるので、繊維は凝固液中にのみ接触しており、繊維に物体(特許文献1のような凝固液の吸引に関わる物体等)が接触することは避けられている。よって、繊維にダメージを与えることが防止される。
紡糸装置は、凝固液槽の第2端に接続されると共に凝固液を収容し、第2端から排出された繊維を経路に沿って通過させる、排出部としての出口槽を更に備え、吸引装置の吸引管は、出口槽内の凝固液を吸引することができるように出口槽に接続されており、出口槽に開口する吸引口が、繊維の経路から離れた位置に設けられてもよい。この場合、凝固液槽内の繊維(糸状凝固体)は、凝固液槽内を通って第2端から排出され、出口槽を通過する。出口槽に接続された吸引管を通じて、吸引装置によって凝固液が吸引される。この出口槽からの凝固液の吸引が、凝固液を、凝固液槽内で第1端から第2端に向けて流動させる。吸引管の吸引口は、出口槽における繊維の経路から離れた位置に設けられるので、繊維は凝固液中にのみ接触しており、繊維に物体(特許文献1のような凝固液の吸引に関わる物体等)が接触することは避けられている。よって、繊維にダメージを与えることが防止される。
紡糸装置は、凝固液槽の第1端に接続されると共に凝固液を収容し、第1端とノズルとの間に配置されてノズルから吐出された紡糸液が導入される入口槽を更に備えてもよい。この場合、入口槽を利用して、たとえば適切なエアギャップを設けたり、凝固液の供給や循環を行ったりすることができる。
入口槽は、ノズルの下方に配置されており、ノズルに向けて開放された上部を有し、入口槽の上部には、凝固液をオーバーフローさせるように構成された入口オーバーフロー部が設けられてもよい。入口オーバーフロー部は、入口槽の凝固液の液面の位置を維持し、安定した液面制御を可能とする。よって、ノズルの吐出口と入口槽の凝固液の液面との間の距離すなわちエアギャップが適切に保たれる。
出口槽の上部には、凝固液をオーバーフローさせるように構成された出口オーバーフロー部が設けられてもよい。出口オーバーフロー部を設けることで、紡糸装置の全体における凝固液の供給や循環を安定して行うことができる。
紡糸装置は、出口オーバーフロー部からオーバーフローした凝固液を凝固液槽の第1端に向けて循環させる第1循環手段を更に備えてもよい。凝固液槽内の凝固液には、紡糸液の溶媒が混入し得るため、凝固液としての純度が低下する傾向にある。そのような傾向下においても、出口オーバーフロー部から凝固液槽に凝固液を循環させる第1循環手段は、フレッシュな凝固液を凝固液槽に供給することを可能とする。その結果として、凝固液槽においてより望ましい凝固が行われる。
紡糸装置は、吸引管を通じて吸引した凝固液を凝固液槽の第1端に向けて循環させる第2循環手段を更に備えてもよい。出口槽から吸引された凝固液を凝固液槽に循環させる第2循環手段は、凝固液の大幅な節約を可能とする。
紡糸装置は、凝固液槽の第1端に向けて凝固液を供給する供給手段を更に備えてもよい。この場合、凝固液の供給や循環を好適に行うことができる。
紡糸装置は、凝固液槽の第1端に接続されると共に凝固液を収容し、第1端とノズルとの間に配置されてノズルから吐出された紡糸液が導入される入口槽を更に備えてもよい。供給手段は、入口槽の内壁面に沿って設けられて凝固液を周方向に分散させて供給するように構成された環状通路を有してもよい。この場合、入口槽に供給される凝固液の流れ(勢い)が周方向に分散するので、入口槽における凝固液の流動を抑えることができる。たとえば、凝固液の液面の波立ち等を抑えることができる。
紡糸装置は、凝固液槽内の凝固液の流速を検出する流速検出手段と、流速検出手段によって検出された流速に基づいて、凝固液槽内の凝固液の流速を調節する流速調節手段と、を更に備えてもよい。凝固液槽内の凝固液の流速を調節する流速調節手段は、より望ましい運転条件の実現を可能とする。
ノズルの吐出口と凝固液槽の第1端との間の空間は外部に対して密閉された構造になっており、凝固液は加圧された状態で凝固液槽に供給されてもよい。このような密閉構造は、凝固液槽に対する加圧を可能とする。よって、凝固液が加圧された状態で供給されることで、凝固液槽内における凝固液の流速を高速化できる。
紡糸装置は、空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段によって検出された圧力に基づいて、空間内の圧力を調節する圧力調節手段と、を更に備えてもよい。凝固液槽の第1端とノズルとの間に形成された空間の圧力調節により、密閉構造を採用した場合においても液面の位置(高さ)を調節することができる。圧力調節手段は、安定した液面制御を可能とする。
出口槽は、筒状の側壁と、側壁の下端に接続されて下端を閉鎖する底壁とを含んでもよい。凝固液槽の第2端は出口槽の底壁に接続されており、吸引管の吸引口は出口槽の側壁に設けられてもよい。この場合、底壁に接続された第2端を通る繊維の経路に対して、側壁に設けられた吸引口は、離れた位置にある。このような繊維の経路と吸引口のレイアウトは、繊維に吸引力がかかることを好適に防止する。
本開示のいくつかの態様によれば、繊維にダメージを与えることを防止しつつ、高速紡糸が実現される。
図1は、本開示の第1実施形態に係る紡糸装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1中のノズル、入口槽、およびその周辺の構成を示す図である。 図3は、図1中の出口槽およびその周辺の構成を示す図である。 図4は、入口槽に設けられた環状通路を示す図である。 図5は、本開示の第2実施形態に係る紡糸装置の概略構成を示す図である。 図6は、本開示の第3実施形態に係る紡糸装置の概略構成を示す図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る紡糸装置1について説明する。図1に示されるように、本実施形態の紡糸装置1は、たとえばタンパク質繊維を紡糸し製造するための装置である。紡糸装置1は、たとえば、乾湿式紡糸装置である。紡糸装置1は、凝固液を収容する凝固液収容部6と、凝固液収容部6に対してドープ液(紡糸液)を供給するドープ供給装置10とを備える。紡糸装置1は、1つ又は複数の凝固液収容部6を備えてもよい。複数の凝固液収容部6が設けられる場合、これらは、繊維16の走行方向に関して直列に設けられてもよい。2番目以降の凝固液収容部6には、ドープ供給装置10が設けられず、ドープ供給装置10が省略され得る。紡糸装置1は、繊維16を洗浄するための1つ又は複数の洗浄液槽、繊維16を加熱・乾燥させるための1つ又は複数のホットローラ、および1つの巻取装置(いずれも図示せず)を備えてもよい。これらの機器は、繊維16の走行方向において、凝固液収容部6の下流側(後ろ側)に設けられる。さらに、紡糸装置1は、延伸装置(図示せず)を備えてもよい。なお、紡糸される繊維の種類等に応じて、洗浄液を貯留する洗浄液槽が省略されてもよい。
紡糸装置1によって紡糸される繊維は、特に限定されない。紡糸装置1によって紡糸される繊維は、タンパク質繊維であってもよく、化学繊維であってもよい。いわゆる乾湿式紡糸により製造され得る公知のあらゆる繊維が、紡糸装置1によって紡糸され得る。以下、紡糸装置1によってタンパク質繊維が紡糸される場合について説明する。
ドープ供給装置10は、タンパク質溶液であるドープ液を吐出可能に構成されたノズル7を有し、そのドープ液を凝固液収容部6に供給する。ドープ液に用いられるタンパク質としては、たとえば、天然に存在するフィブロイン等の天然型構造タンパク質や、そのような天然型構造タンパク質に由来するポリペプチド(人造構造タンパク質)が用いられてもよい。天然に存在するフィブロインやそれに由来するフィブロイン(人造フィブロイン)として、昆虫及びクモ類が産生するフィブロインやそれに由来するフィブロインが用いられ得る。たとえば、天然クモ糸フィブロインや天然絹フィブロイン、若しくはそれらに由来するクモ糸フィブロインや絹フィブロイン等が用いられ得る。スパイダーシルクタンパク質を含む構造タンパク質が用いられてもよい。ドープ液の溶媒は、特に限定されず、タンパク質の種類等によって適宜に決定される。具体的には、ドープ液の溶媒は、例えば水であってもよく、緩衝液等の水系溶媒であってもよく、各種の有機溶媒であってもよい。
凝固液収容部6は、内部に凝固液9を収容する。凝固液9としては、たとえば、メタノール溶液等が用いられる。凝固液9としては、脱溶媒が可能な溶液であればどのような溶液が使用されてもよい。凝固液9は、紡糸対象の繊維の種類等に応じて、適宜に決定され得る。凝固液収容部6は、ドープ供給装置10の下方に配置された入口槽3と、入口槽3に並ぶように配置された排出部としての出口槽4と、これらの入口槽3および出口槽4を接続する管状の凝固液槽2とを備える。凝固液9は、入口槽3、凝固液槽2、および出口槽4の各々に収容され、これらの内部を流動する。より詳細には、凝固液9は、後述する吸引装置30の陰圧作用(または陰圧効果)により、入口槽3から凝固液槽2へと移動し、さらに凝固液槽2から出口槽4へと移動する。
入口槽3は、ノズル7から吐出されたドープ液が導入される第1のタンクである。凝固液9を収容する入口槽3は、全体として、たとえば円筒状をなしており、上方に向けて開放されている。この開放部分が、走行する繊維16(またはドープ液乃至糸状凝固体)の入口となっている。図2に示されるように、入口槽3は、たとえば円筒状の側壁3aと、側壁3aの下端に接続されて、その下端を閉鎖する底壁3bとを含む。側壁3aの円形の上端縁3eは、開放されている。底壁3bは、たとえば下方に向けて内径が小さくなる円錐状の収容空間を形成する。この収容空間の下端(平面視における中央部)に、入口槽3の内外を貫通する貫通孔部3cが設けられている。この貫通孔部3cが、走行する繊維16の出口となっている。
ドープ供給装置10のノズル7は、入口槽3の上方であって空気中に配置される。ノズル7としては、乾湿式紡糸や湿式紡糸等に用いられる公知のノズル(口金)が採用され得る。ノズル7には、多数のホール(孔)が形成されてもよい。ノズル7は、下端に位置する吐出口7aを有する。この吐出口7aから、ドープ液が吐出される。吐出口7aが設けられたノズル7の下端は、平面状であってもよい。ノズル7の下端が平面状である場合、その面内のいずれの箇所においてもエアギャップdを均一に確保可能である。
紡糸装置1においては、ノズル7の吐出口7aからドープ液が吐出されると、ドープ液は僅かなエアギャップdを経由して入口槽3内の凝固液9に導入される。ドープ液が入口槽3内の凝固液9に接触すると、ドープ液から溶媒が離脱する。これにより、ドープ液内のタンパク質が凝固されてなる繊維(糸状凝固体)16が得られる。この繊維(糸状凝固体)16は、凝固液槽2内を通過する際に、凝固液槽2中の凝固液9にて更に脱溶媒が促進される。
図1および図3を参照して、出口槽4について説明する。出口槽4は、凝固液槽2の第2端2b側に設けられ、凝固液9中から繊維16を離脱させる第2のタンクであり、いわば離浴槽である。凝固液9を収容する出口槽4は、全体として、たとえば円筒状をなしており、上方に向けて開放されている。図3に示されるように、出口槽4は、たとえば円筒状の側壁4aと、側壁4aの下端に接続されて、その下端を閉鎖する円板状の底壁4bとを含む。側壁4aの円形の上端縁4eは、開放されている。底壁4bの中央部に、出口槽4の内外を貫通する貫通孔部4cが設けられている。この貫通孔部4cが、走行する繊維16の入口となっている。一方、上方の開放部分が、走行する繊維16の出口となっている。
図1に示されるように、出口槽4の上方には、たとえば1つ又は複数のガイドローラ15が設けられている。ガイドローラ15には繊維16が巻き掛けられている。ガイドローラ15は、巻取装置によって巻き取られる繊維16を案内する。
本実施形態の紡糸装置1では、入口槽3および出口槽4の間に、管状の凝固液槽2が設けられている。凝固液槽2は、たとえば可撓性のチューブからなる。凝固液槽2は、内部の流路が確保された状態で(折れることなく)、変形自在である。凝固液槽2は、たとえば一定の内径を有する。この内径は、入口槽3の内径や出口槽4の内径よりも小さい。凝固液槽2は、たとえば、繊維16の入口である第1端2aと、第1端2aとは反対側に位置し、繊維16の出口である第2端2bとを有する。第1端2aに入口槽3が接続されており、第2端2bに出口槽4が接続されている。
凝固液槽2は、さらに、入口側の直線部2cと、出口側の直線部2dと、これらの直線部2cおよび直線部2dの間に形成された湾曲部2eとを有する。このように、凝固液槽2は、全体として、たとえばU字状をなしている。可撓性の凝固液槽2は、この他にあらゆる形状に変形されることもできる。たとえば、凝固液槽2は、複数回巻かれた円形をなしてもよいし、蛇行するような形状をなしてもよい。凝固液槽2の距離(凝固液槽2内の繊維16の走行距離すなわち滞留時間)は、適宜に設定可能である。
図2に示されるように、入口槽3は、ノズル7と凝固液槽2の第1端2aとの間に配置されている。入口槽3の底壁3bには、凝固液槽2の第1端2aが接続されている。第1端2aは、ノズル7の吐出口7aに向けて開口している。凝固液槽2の内部の流路は、貫通孔部3cを介して、入口槽3の内部の凝固液の収容空間に連通する。第1端2aの中心軸線と貫通孔部3cの中心軸線とは、略一致しており、たとえば鉛直方向に沿って延びている。この中心軸線に沿って、繊維16を通過させる経路P´が形成される。第1端2aは、繊維16の導入口である。
一方、図3に示されるように、入口槽3の底壁3bには、凝固液槽2の第2端2bが接続されている。凝固液槽2の内部の流路は、貫通孔部4cを介して、出口槽4の内部の凝固液の収容空間に連通する。第2端2bの中心軸線と貫通孔部4cの中心軸線とは、略一致しており、たとえば鉛直方向に沿って延びている。この中心軸線に沿って、繊維16を通過させる所定の経路Pが形成される。第2端2bは、繊維16の排出口である。
このように、入口槽3で形成された繊維16(糸状凝固体)は、凝固液槽2の第1端2aに導入され、凝固液槽2を通って、凝固液槽2の第2端2bから排出される。それと同時に、凝固液槽2は、凝固液9を第1端2aから第2端2bに向けて流すことができるように構成されている。
図1に示されるように、紡糸装置1は、出口槽4から凝固液9を吸引するように構成された吸引装置30と、入口槽3へ凝固液9を供給するように構成された供給装置(供給手段)20とを備える。さらに、図1および図2に示されるように、入口槽3の上部には、凝固液9をオーバーフローさせるように構成された入口オーバーフロー部11が設けられている。図1および図3に示されるように、出口槽4の上部には、凝固液9をオーバーフローさせるように構成された出口オーバーフロー部12が設けられている。そして、紡糸装置1は、入口槽3の入口オーバーフロー部11からオーバーフローした凝固液9、および、出口槽4の出口オーバーフロー部12からオーバーフローした凝固液9を貯留する交換液タンク8を備える。これらの構成を備えることにより、紡糸装置1は、開放式の高速紡糸装置になっている。以下、各構成要素について説明する。
図2に示されるように、入口槽3の上端縁3eは、均一な高さを有しており、上端縁3eからオーバーフローする凝固液9は、所定の高さの液面Aを形成している。入口槽3の上部は開放されているので、凝固液9の液面Aは、たとえば大気圧に晒されている。ノズル7の吐出口7aと凝固液9の液面Aとの間の距離すなわちエアギャップdは、適切に保たれている。入口槽3では、上端縁3eの外側に、上端縁3eを隠すような壁部は設けられておらず、上端縁3eが径方向の外側から直接に視認可能である。これにより、入口槽3は、入口槽3の全周囲の方向から、エアギャップdを視認可能な構造とされている。
入口槽3の上部の外周側には、オーバーフローした凝固液9を回収するための環状の回収溝11aが設けられている。この回収溝11aに、入口オーバーフロー管13(図1も参照)の第1端13aが接続されている。すなわち、入口オーバーフロー部11は、上端縁3eと回収溝11aと入口オーバーフロー管13とを含む。入口オーバーフロー管13の第2端13bは、交換液タンク8のたとえば下部に接続されている。
図1および図3に示されるように、出口槽4の上端縁4eは、均一な高さを有しており、上端縁4eからオーバーフローする凝固液9は、所定の高さの液面を形成している。出口槽4の上部は開放されているので、凝固液9の液面は、たとえば大気圧に晒されている。出口槽4の上部の外周側には、オーバーフローした凝固液9を回収するための環状の回収溝12aが設けられている。この回収溝12aに、出口オーバーフロー管14の第1端14aが接続されている。すなわち、出口オーバーフロー部12は、上端縁4eと回収溝12aと出口オーバーフロー管14とを含む。出口オーバーフロー管14の第2端14bは、交換液タンク8のたとえば上部に接続されている。
図1に示されるように、供給装置20は、交換液タンク8と入口槽3とを接続する供給ライン25と、供給ライン25に設けられた供給ポンプ21とを有する。本明細書において、「ライン」とは、内部を流体が流れる配管または空間を意味する。供給ライン25は、供給ポンプ21の吸込側に接続された吸込ライン22と、供給ポンプ21の吐出側に接続された吐出ライン23とを含む。吸込ライン22の第1端22aは交換液タンク8に接続され、吸込ライン22の第2端22bは、供給ポンプ21の吸込口に接続される。吐出ライン23の第1端23aは供給ポンプ21の吐出口に接続され、吐出ライン23の第2端23bは、入口槽3に接続される。
図2に示されるように、吐出ライン23の第2端23bは、たとえば、入口槽3の側壁3aに接続されている。第2端23bの端部の吐出口は、入口槽3の内周面(内壁面)3dに開口してもよい。特に本実施形態では、図4に示されるように、入口槽3の内周面3dに沿って、環状壁部26が設けられている。この環状壁部26は、外筒と内筒とを含み、これらの間に環状通路27を形成している。環状壁部26の上端は閉鎖されており、環状壁部26の下端は下方に向けて開口している。これにより、環状通路27は、下方にのみ開口している。環状通路27は、吐出ライン23内の流路に連通しており、凝固液9を周方向に分散させて供給するように構成されている。これにより、入口槽3内における、流入する凝固液9による急激な流れや、周方向の一部のみから流入する偏った流れの発生が防止されている。供給装置20は、凝固液槽2の第1端2aに向けて凝固液9を供給する。なお、第2端23bは、周方向の一箇所に設けられる場合に限られず、周方向の複数の箇所に分岐して(図4参照)設けられてもよい。
入口槽3の内部に、凝固液9の供給に伴う液面Aでの波立ちを抑える1つ又は複数の波消し部材が設置されてもよい。このような波消し部材として、たとえばメッシュ状の部材を採用することができる。
図1に示されるように、吸引装置30は、交換液タンク8と出口槽4とを接続する吸引ライン35と、吸引ライン35に設けられた吸引ポンプ31とを有する。吸引ライン35は、吸引ポンプ31の吸込側に接続された吸込ライン(吸引管)32と、吸引ポンプ31の吐出側に接続された吐出ライン33とを含む。吸込ライン32の第1端32aは出口槽4に接続され、吸込ライン32の第2端32bは、吸引ポンプ31の吸込口に接続される。吐出ライン33の第1端33aは吸引ポンプ31の吐出口に接続され、吸込ライン32の第2端33bは、交換液タンク8に接続される。
以上にように構成された入口オーバーフロー部11、出口オーバーフロー部12、供給装置20、および吸引装置30によって、凝固液9の循環回路が形成されている。
交換液タンク8では、凝固液9の濃度または温度を調節する機構が備わっていてもよい。
図1に示されるように、凝固液槽2には、たとえば流量計41が設けられている。流量計41は、凝固液槽2内の凝固液9の流速および流量を検出する。紡糸装置1は、さらに、流量計41によって検出された凝固液9の流速または流量に基づいて、吸引ポンプ31の吸引量を調節するコントローラ40を備える。コントローラ40は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアとから構成されたコンピュータである。なお、「流量」は、「流速」と「断面積」とに基づいて算出される数値であるので、流量計41は、流速のみを検出し、コントローラ40が流量を算出してもよい。流量計41およびコントローラ40は、流速のみを用いて吸引ポンプ31の制御を行ってもよい。
コントローラ40は、所定の流量または流速で、凝固液槽2内を凝固液9が流動するように、吸引装置30の吸引ポンプ31を制御する。すなわち、吸引装置30は、出口槽4内の凝固液9を吸引することができるように出口槽4に接続された吸込ライン32を有し、凝固液9を吸引することにより、凝固液槽2の第1端2aから第2端2bに向けて、所定の流量または流速で、凝固液9を流動させる。吸引装置30およびコントローラ40は、流量計41によって検出された凝固液9の流速に基づいて、凝固液槽2内の凝固液9の流速を調節する流速調節手段を構成している。
一方、凝固液9は、供給ポンプ21によって入口槽3内に過剰に供給される。これにより、入口オーバーフロー部11から凝固液9が常にオーバーフローする。それと同時に、出口オーバーフロー部12からも、凝固液9がオーバーフローし得る。
出口オーバーフロー管14、交換液タンク8、および供給装置20は、出口オーバーフロー部12からオーバーフローした凝固液9を凝固液槽2の第1端2aに向けて循環させる第1循環手段を構成している。また、吸引装置30、交換液タンク8、および供給装置20は、吸込ライン32を通じて吸引した凝固液9を凝固液槽2の第1端2aに向けて循環させる第2循環手段を構成している。
ここで、図3を参照して、出口槽4に対する吸込ライン32の接続構造について説明する。出口槽4は、凝固液槽2の第2端2bから排出された繊維16を所定の経路Pに沿って通過させる。吸込ライン32の第1端32aは、出口槽4の内周面(内壁面)4dに開口する吸引口32dを含む。この吸引口32dは、繊維16の経路Pから離れた位置に設けられている。より詳細には、吸引口32dは、たとえば、側壁3aの下部に設けられており、底壁3bに接続された第2端2bとは離れている。これにより、高い流速で凝固液9を吸引したとしても、入口槽3内を通過する繊維16に対する影響は最小限に抑えられている。すなわち、繊維16に、吸引流に由来する大きな外力が加わることはない。なお、第1端32aは、周方向の一箇所に設けられる場合に限られず、周方向の複数の箇所に分岐して設けられてもよい。
紡糸装置1の動作について説明すると、ドープ供給装置10のノズル7からドープ液が吐出され、入口槽3内で繊維16(糸状凝固体)が生成される。繊維16は、入口槽3、凝固液槽2、および出口槽4を通過し、その際に脱溶媒された後、次の工程(たとえば、2番目の凝固工程、洗浄工程、延伸工程、または巻取工程等)に送られる。このとき、吸引装置30によって、凝固液槽2内を高い流速で凝固液9が流動(流下)させられる。繊維16も、凝固液9の流動に伴って凝固液槽2内を高速で走行することが可能である。凝固液槽2内を走行する繊維16は、凝固液槽2の内壁面に接触することはほとんどなく、繊維16に対するダメージは抑えられている。凝固液9の流速は、繊維16の走行速度と同じか、繊維16の走行速度より幾分高く設定される。凝固液9の流速により、繊維16の走行を助ける機能も得られる。紡糸装置1では、管状の凝固液槽2を採用することにより、凝固液9の液量は格段に少なく済むようになっており、あらゆる面(コスト面や環境面など)におけるメリットが生じる。
紡糸装置1によれば、凝固液槽2内の繊維16は、凝固液槽2内を通って第2端2bから排出され、出口槽4を通過する。出口槽4に接続された吸込ライン32を通じて、吸引装置30によって凝固液9が吸引される。この出口槽4からの凝固液9の吸引が、凝固液9を、凝固液槽2内で第1端2aから第2端2bに向けて流動させる。この凝固液9の流動により、凝固液槽2内の繊維16を凝固液槽2の第1端2aから第2端2bに向かって走行させることができ、高速紡糸が実現される。吸込ライン32の吸引口32dは、出口槽4における繊維16の経路Pから離れた位置に設けられるので、繊維16は凝固液9中にのみ接触しており、繊維16に物体(特許文献1のような凝固液9の吸引に関わる物体等)が接触することは避けられている。よって、繊維16にダメージを与えることが防止される。
入口槽3を備える紡糸装置1によれば、入口槽3を利用して、たとえば適切なエアギャップdを設けたり、凝固液9の供給や循環を行ったりすることができる。
入口オーバーフロー部11は、入口槽3の凝固液9の液面Aの位置を維持し、安定した液面制御を可能とする。よって、エアギャップdが適切に保たれる。入口槽3のオーバーフロー構造は、凝固工程の安定化に寄与する。
出口オーバーフロー部12を設けることで、紡糸装置1の全体における凝固液9の供給や循環を安定して行うことができる。出口槽4のオーバーフロー構造は、凝固工程の安定化に寄与する。
凝固液槽2内の凝固液9には、ドープ液の溶媒が混入し得るため、凝固液9としての純度が低下する傾向にある。そのような傾向下においても、出口オーバーフロー部12から凝固液槽2に凝固液9を循環させる第1循環手段は、フレッシュな凝固液9を凝固液槽2に供給することを可能とする。その結果として、凝固液槽2においてより望ましい凝固が行われる。
出口槽4から吸引された凝固液9を凝固液槽2に循環させる第2循環手段は、凝固液9の大幅な節約を可能とする。たとえば、従来法に比して、液量は100分の1程度に抑えることもできる。
供給装置20によれば、凝固液9の供給や循環を好適に行うことができる。
入口槽3に設けられた環状通路27によれば、入口槽3に供給される凝固液9の流れ(勢い)が周方向に分散するので、入口槽3における凝固液9の流動を抑えることができる。たとえば、凝固液9の液面Aの波立ち等を抑えることができる。
凝固液槽2内の凝固液9の流速を調節する流速調節手段は、より望ましい運転条件の実現を可能とする。
また、出口槽4の底壁4bに接続された第2端2bを通る繊維16の経路Pに対して、側壁4aに設けられた吸引口32dは、離れた位置にある。このような繊維16の経路Pと吸引口32dのレイアウトは、繊維16に吸引力がかかることを好適に防止する。
次に、図5を参照して、第2実施形態に係る紡糸装置1Aについて説明する。本実施形態の紡糸装置1Aが図1に示される第1実施形態の紡糸装置1と異なる点は、交換液タンク8に接続された吐出ライン33を含む吸引ライン35に代えて、入口槽3に接続された吐出ライン34を含む吸引ライン35Aを備えた点である。吐出ライン34の第1端34aは吸引ポンプ31の吐出口に接続され、第2端34bは、入口槽3のたとえば側壁3aに接続される。このような吸込ライン32、吸引ポンプ31、および吐出ライン34を含む吸引装置30Aは、吸込ライン32を通じて吸引した凝固液9を凝固液槽2の第1端2aに向けて循環させる第2循環手段を構成している。
紡糸装置1Aによれば、上記した紡糸装置1と同様の作用・効果が奏される。紡糸装置1Aでは、第2循環手段が、凝固液槽2にフレッシュな凝固液9を持ち込まない密閉系で構成される。フレッシュな凝固液9を凝固液槽2に供給することを可能とするという点では、紡糸装置1の方が有利である。
次に、図6を参照して、第3実施形態に係る紡糸装置1Bについて説明する。本実施形態の紡糸装置1Bが図1に示される第1実施形態の紡糸装置1と異なる点は、入口槽3の上端縁3eに設けられて入口槽3内を密閉構造とする密閉蓋45を備える点である。ノズル7の吐出口7aと凝固液槽2の第1端2aとの間の空間は、外部に対して密閉された構造になっている。凝固液9は、加圧された状態で凝固液槽2に供給されることができるようになっている。紡糸装置1Bは、密閉式の高速紡糸装置である。紡糸装置1Bの吸引装置30Bは、入口槽3に接続された吐出ライン34を備える。吐出ライン34の第1端34aは吸引ポンプ31の吐出口に接続され、第2端34bは、入口槽3のたとえば側壁3aに接続される。紡糸装置1Bでは、吸引ポンプ31のみならず、供給ポンプ21によっても、凝固液9を大気圧以上の圧力をもって押し込む(圧送する)ことが可能になっている。紡糸装置1Bには、入口オーバーフロー部11および入口オーバーフロー管13は設けられていない。
入口槽3の上部には、入口槽3内の空間(空気層に相当する空間)の圧力を検出する圧力計43が設けられている。さらに、入口槽3の上部には、圧力調節部44が設けられている。圧力調節部44は、圧力調節弁46と、圧力導入口47と、圧力開放口48とを含む。コントローラ40は、圧力計43によって検出された当該空間の圧力に基づいて、圧力調節部44を制御し、当該空間内の圧力を調節する。コントローラ40および圧力調節部44は、圧力調節手段を構成する。この圧力調節手段により、送液の圧力に対して、空気層の圧力を調節することで液面Aの高さを調節することができる。なお、圧力調節部44として、他の圧力調整機構が用いられてもよい。
紡糸装置1Bによれば、上記した紡糸装置1と同様の作用・効果が奏される。また、紡糸装置1Bの密閉構造は、凝固液槽2に対する加圧を可能とする。よって、凝固液9が加圧された状態で供給されることで、凝固液槽2内における凝固液の流速を高速化できる。よって、紡糸装置1Bによれば、紡糸装置1に比して、凝固液槽2内の更なる高速化が可能である。なお、フレッシュな凝固液9を凝固液槽2に供給することを可能とするという点では、紡糸装置1の方が有利である。
凝固液槽2の第1端2aとノズル7との間に形成された空間の圧力調節により、密閉構造を採用した紡糸装置1Bにおいても液面Aの位置(高さ)を調節することができる。圧力調節手段は、安定した液面制御を可能とする。
出口オーバーフロー部12を設けることで、紡糸装置1Bの全体における凝固液9の供給や循環を安定して行うことができる。また、密閉系の紡糸装置1Bにおいては、交換液タンク8との協働により、凝固液9の濃度および温度を十分に調整することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、流速調節手段および圧力調節手段の両方またはいずれか一方が、省略されてもよい。入口槽における環状流路は、省略されてもよい。凝固液を循環させるための配管およびポンプの配置や構成は、適宜に変更されてもよい。凝固液を供給ための配管およびポンプの配置や構成は、適宜に変更されてもよい。供給ポンプ21を備えた供給装置20が省略され、別の方法で凝固液9が供給されてもよい。
上記の第1〜第3実施形態において、出口オーバーフロー部は省略されてもよい。
入口槽は省略されてもよい。その場合、ノズルの吐出口が、管状の凝固液槽の第1端に対面するように設けられる。
吸込ライン32の吸引口は、側壁4aの下部以外の箇所に設けられてもよい。吸引口が、繊維16の経路Pから離れた位置に設けられればよく、たとえば、吸引口は底壁4bに設けられてもよい。また、吸引口は、排出部としての出口槽4ではなく、出口槽4に接続された凝固液槽2の第2端2bの管壁に設けられてもよい。このような構成を採用する際には、例えば、第2端2bの内径が大きくされる等して、吸引口が、第2端2bにおいて繊維16の経路Pから離れた位置に設けられる。
出口槽4は省略されてもよい。その場合、排出部が、凝固液槽2の第2端2bにて構成されてもよく、第2端2bの管壁に吸込ライン32の吸引口が設けられてもよい。このような構成を採用する際には、例えば、第2端2bの内径が大きくされる等して、吸引口が、第2端2bにおいて繊維16の経路Pから離れた位置に設けられる。
上記実施形態では、乾湿式紡糸装置について説明したが、本発明は、湿式紡糸装置に適用されてもよい。その場合、湿式紡糸により製造され得る公知のあらゆる繊維が、本発明の紡糸装置によって紡糸され得る。ドープ液や凝固液も、紡糸対象の繊維の種類等に応じて、適宜に決定され得る。
本開示のいくつかの態様によれば、繊維にダメージを与えることを防止しつつ、高速紡糸が実現される。
1、1A、1B…紡糸装置、2…凝固液槽、2a…第1端、2b…第2端、3…入口槽、4…出口槽、8…交換液タンク、9…凝固液、11…入口オーバーフロー部、12…出口オーバーフロー部、16…繊維、20…供給装置、27…環状通路、30、30A、30B…吸引装置、32…吸込ライン(吸引管)、32d…吸引口、41…流量計(流速検出手段)、43…圧力計(圧力検出手段)、44…圧力調節部、A…液面、P…経路。

Claims (13)

  1. ノズルから吐出された紡糸液が凝固液に接触して凝固されることで繊維を製造する紡糸装置であって、
    前記ノズルの吐出口に向けて開口して前記繊維が導入される第1端と、前記第1端とは反対側に位置して前記繊維が排出される第2端と、を有する管状の凝固液槽であって、前記凝固液を前記第1端から前記第2端に向けて流すことができる前記凝固液槽と、
    前記凝固液槽の前記第2端側に設けられ、前記繊維を所定の経路に沿って通過させる排出部と、
    前記凝固液を吸引することができるように前記排出部または前記凝固液槽の前記第2端に接続された吸引管を有し、前記凝固液を吸引することにより、前記凝固液槽の前記第1端から前記第2端に向けて前記凝固液を流動させる吸引装置と、を備え、
    前記吸引装置の前記吸引管は、前記排出部または前記第2端に開口する吸引口を含み、前記吸引口は、前記繊維の前記経路から離れた位置に設けられている、紡糸装置。
  2. 前記凝固液槽の前記第2端に接続されると共に前記凝固液を収容し、前記第2端から排出された前記繊維を前記経路に沿って通過させる、前記排出部としての出口槽を更に備え、
    前記吸引装置の前記吸引管は、前記出口槽内の前記凝固液を吸引することができるように前記出口槽に接続されており、前記出口槽に開口する前記吸引口が、前記繊維の前記経路から離れた位置に設けられている、請求項1に記載の紡糸装置。
  3. 前記凝固液槽の前記第1端に接続されると共に前記凝固液を収容し、前記第1端と前記ノズルとの間に配置されて前記ノズルから吐出された前記紡糸液が導入される入口槽を更に備える、請求項1または2に記載の紡糸装置。
  4. 前記入口槽は、前記ノズルの下方に配置されており、前記ノズルに向けて開放された上部を有し、
    前記入口槽の前記上部には、前記凝固液をオーバーフローさせるように構成された入口オーバーフロー部が設けられている、請求項3に記載の紡糸装置。
  5. 前記凝固液槽の前記第2端に接続されると共に前記凝固液を収容し、前記第2端から排出された前記繊維を前記経路に沿って通過させる、前記排出部としての出口槽を更に備え、
    前記出口槽の上部には、前記凝固液をオーバーフローさせるように構成された出口オーバーフロー部が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紡糸装置。
  6. 前記出口オーバーフロー部からオーバーフローした前記凝固液を前記凝固液槽の前記第1端に向けて循環させる第1循環手段を更に備える、請求項5に記載の紡糸装置。
  7. 前記吸引管を通じて吸引した前記凝固液を前記凝固液槽の前記第1端に向けて循環させる第2循環手段を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の紡糸装置。
  8. 前記凝固液槽の前記第1端に向けて前記凝固液を供給する供給手段を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の紡糸装置。
  9. 前記凝固液槽の前記第1端に接続されると共に前記凝固液を収容し、前記第1端と前記ノズルとの間に配置されて前記ノズルから吐出された前記紡糸液が導入される入口槽を更に備え、
    前記供給手段は、前記入口槽の内壁面に沿って設けられて前記凝固液を周方向に分散させて供給するように構成された環状通路を有する、請求項8に記載の紡糸装置。
  10. 前記凝固液槽内の前記凝固液の流速を検出する流速検出手段と、
    前記流速検出手段によって検出された前記流速に基づいて、前記凝固液槽内の前記凝固液の流速を調節する流速調節手段と、を更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の紡糸装置。
  11. 前記ノズルの前記吐出口と前記凝固液槽の前記第1端との間の空間は外部に対して密閉された構造になっており、前記凝固液は加圧された状態で前記凝固液槽に供給される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の紡糸装置。
  12. 前記空間内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された前記圧力に基づいて、前記空間内の圧力を調節する圧力調節手段と、を更に備える、請求項11に記載の紡糸装置。
  13. 前記凝固液槽の前記第2端に接続されると共に前記凝固液を収容し、前記第2端から排出された前記繊維を前記経路に沿って通過させる、前記排出部としての出口槽を更に備え、
    前記出口槽は、筒状の側壁と、前記側壁の下端に接続されて前記下端を閉鎖する底壁とを含み、
    前記凝固液槽の前記第2端は前記出口槽の前記底壁に接続されており、前記吸引管の前記吸引口は前記出口槽の前記側壁に設けられている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の紡糸装置。
JP2019545685A 2017-09-29 2018-09-28 紡糸装置 Pending JPWO2019065971A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017191296 2017-09-29
JP2017191296 2017-09-29
PCT/JP2018/036268 WO2019065971A1 (ja) 2017-09-29 2018-09-28 紡糸装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2019065971A1 true JPWO2019065971A1 (ja) 2020-10-22

Family

ID=65903497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019545685A Pending JPWO2019065971A1 (ja) 2017-09-29 2018-09-28 紡糸装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2019065971A1 (ja)
WO (1) WO2019065971A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4817221B1 (ja) * 1969-07-15 1973-05-28
JPS5175184A (en) * 1974-12-26 1976-06-29 Kuraray Co Goseiseni mataha senishugotaino ekishorisochi
JPS5747963A (en) * 1980-09-01 1982-03-19 Mitsubishi Rayon Co Continuous treatment of fiber
WO1997007276A1 (fr) * 1995-08-18 1997-02-27 Sakai Elcom Co., Ltd. Procede pour preparer un liquide de traitement dans un systeme circulant d'une machine pour traiter des tissus, traitement de tissus avec le liquide et machine a traiter les tissus ayant cette fonction
US6705850B1 (en) * 2000-03-06 2004-03-16 Tei Biosciences, Inc. Apparatus for biopolymer coagulation in a uniform flow
CN105420827A (zh) * 2015-12-25 2016-03-23 四川辉腾科技股份有限公司 一种竖式湿法纺丝的方法及装置
JP2017172081A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 東レ株式会社 アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4817221B1 (ja) * 1969-07-15 1973-05-28
JPS5175184A (en) * 1974-12-26 1976-06-29 Kuraray Co Goseiseni mataha senishugotaino ekishorisochi
JPS5747963A (en) * 1980-09-01 1982-03-19 Mitsubishi Rayon Co Continuous treatment of fiber
WO1997007276A1 (fr) * 1995-08-18 1997-02-27 Sakai Elcom Co., Ltd. Procede pour preparer un liquide de traitement dans un systeme circulant d'une machine pour traiter des tissus, traitement de tissus avec le liquide et machine a traiter les tissus ayant cette fonction
US6705850B1 (en) * 2000-03-06 2004-03-16 Tei Biosciences, Inc. Apparatus for biopolymer coagulation in a uniform flow
CN105420827A (zh) * 2015-12-25 2016-03-23 四川辉腾科技股份有限公司 一种竖式湿法纺丝的方法及装置
JP2017172081A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 東レ株式会社 アクリロニトリル系繊維束の製造方法および炭素繊維束の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019065971A1 (ja) 2019-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201831813A (zh) 基板處理裝置
CN108461419A (zh) 基板处理装置
KR101031295B1 (ko) 액면 검출 장치 및 액면 검출 장치를 포함한 액 처리 장치
JP7312656B2 (ja) 基板処理装置
JP2011173674A (ja) 糸巻取機
JP6084376B2 (ja) 液体材料吐出装置の洗浄装置および洗浄方法
JP2013057148A (ja) 糸切断吸引装置及び紡糸巻取装置
KR20110004278A (ko) 액처리 장치, 액처리 방법 및 기억 매체
CN110235226A (zh) 基板处理装置以及基板处理方法
JPWO2019065971A1 (ja) 紡糸装置
JP7256066B2 (ja) 溶融紡糸設備
JP6915498B2 (ja) ノズル待機装置、液処理装置及び液処理装置の運転方法並びに記憶媒体
JP2017147369A (ja) 基板処理装置
US20200016549A1 (en) Resistivity value regulating device and resistivity value regulating method
KR102250350B1 (ko) 펌프 장치, 처리액 공급 장치 및 기판 처리 장치
JP2016108156A (ja) 紡績コップを製造しかつさらに処理する方法
CN106793937B (zh) 内窥镜清洗消毒机和故障探测方法
WO2021223586A1 (zh) 湿法处理设备及其的控制方法、存储介质和电子设备
KR100914533B1 (ko) 약액 공급 장치
JP6423495B1 (ja) ノズルキャップ、それを備えたノズル装置及び薬液の散布方法
KR102018823B1 (ko) 피토출물 주입장치
US20240198371A1 (en) Chemical liquid supply module and substrate treating apparatus including the same
CN206872715U (zh) 一种蛋白质溶液浓缩装置
KR100664779B1 (ko) 포토 레지스트 공급장치
JP2021084058A (ja) 洗浄乾燥方法および洗浄乾燥装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210928

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20211027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220607

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221206