JP2008088195A - 有機無機感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の有機シランを含む化合物を、触媒存在下で40℃〜150℃以下の温度で0.1〜10時間重縮合して得られる樹脂に280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤を含有する感光性樹脂組成物、及びこれを用いたマイクロプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子の製造方法。
【選択図】なし
Description
しかし、従来熱可塑性材料は特許文献1及び2に示されているとおり、耐熱性を改良しても200℃以下のものが殆どであり、260℃ハンダリフロー耐熱を保証するには至っていない。
しかし、従来の耐熱性シロキサンポリマーからなるUV硬化性樹脂はUV硬化波長領域に吸収のある材料を使用するため、UV連続照射による劣化加速試験で、黄色化などの劣化現象を招き易い問題点がある。
特許文献9には、透明樹脂の密着性改良方法として、予めガラス基板面に薄く樹脂を塗布し、一度全面紫外線照射で硬化膜を形成する事を述べているが、紫外線硬化だけではメタクリル基とガラス基板界面での十分な化学結合を形成する事はできないため、密着性改
善としては不十分である。
1.少なくとも、a)(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)X−CH=CH2(ここで、X=1又は2)からなる群より選ばれる一種以上の化合物と、b)(C6H5)2−Si−(OH)2、CH3−Si−
Cl3、及びCH3−Si−(OCH3)3からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、b)の化合物50モルに対して、a)の化合物を30〜70モルの割合で混合し、触媒の存在下、40℃〜150℃以下の温度で0.1〜10時間重縮合して得られることを特徴とする感光性樹脂と、
前記感光性樹脂に対して0.01〜5質量%の光重合開始剤と、
前記感光性樹脂に対して0.1〜10質量%の280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤とを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
3.前記280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤が、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールであることを特徴とする上記1.又は2.に記載の感光性樹脂組成物。
4.さらに、前記感光性樹脂に対して1〜30質量%の架橋性モノマーを含むことを特徴とする上記1.〜3.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物。
6.前記架橋性モノマーが、ビスフェノールAを主鎖に含むポリエチレンオキサイドジメタクリレート、ポリテトラメチレンオキサイドジメタクリレートからなる群より選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする上記4.記載の感光性樹脂組成物。
7.さらに、前記感光性樹脂に対して0.1〜10質量%の(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CH2−C2H3O(左記C2H3Oはエポキシ基)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を含むことを特徴とする上記1.〜6.のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物。
子や電子部品一体型製品の製造用として有用な耐熱性、耐UV黄変性を有する。さらに架橋性モノマーを添加した感光性樹脂組成物とすることで、優れた伸度を有することを見出し、さらに(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CH2−C2H3O(左記C2H3Oはエポキシ基)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を添加した感光性樹脂組成物とすることで、優れた密着性と耐湿性を有する。
さらに該樹脂を用いて、耐熱性が要求されるマイクロプラスチックレンズや光導波路、プロジェクター向け液晶偏光板用光学素子を得ることができる。また型成形し難いLSIウエハ上にも、複数枚マスク露光と現像削れによって、耐熱性マイクロプラスチックレンズを形成する事ができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる感光性樹脂は、a)少なくとも、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)X−CH=CH2(ここで、X=1又は2)からなる群より選ばれる一種以上の化合物と、b)(C6H5)2−Si−(OH)2、CH3−Si−Cl3、及びCH3−Si−(OCH3)3からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、b)の化合物50モルに対して、a)の化合物を30〜70モルの割合で混合し、触媒の存在下、40℃〜150℃以下の温度で0.1〜10時間重縮合して得られる。
b)の化合物50モルに対して、a)の化合物を30〜70モルを重縮合することが好ましい。a)の化合物は、b)の化合物50モルに対して、交互共重合の観点から、30モル以上が好ましく、同じく交互共重合の観点から70モル以下が好ましい。
40℃〜150℃以下の温度で0.1〜10時間重縮合するときに用いられる触媒としては、Ba(OH)2、Ti(O−CH(CH3)2 )4、Ti(O−C(CH3)3
)4が用いられる。中でも、得られる液体樹脂の透明性の観点より、Ti(O−CH(CH3)2 )4が好ましく用いられる。触媒添加量は、a)とb)の総モル%に対して、1〜10モル%が好ましく、1〜3モル%がより好ましい。
上記a)とb)を含む化合物を混合する際に、更に、c) (CH3O)2−Si(CH3)(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)2−Si(CH3)(CH2)3−O−CO−CH=CH2、(CH3O)2−Si(CH3)(CH2)X−CH=CH2(ここで、X=1又2)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、b)の化合物50モルに対して、40〜90モルの割合で混合しても良い。
また、上記a)とb)を含む化合物を混合する際に、更に、d)(CH3O)3−Si−(C6H4)−CH=CH2、(C2H5O)3−Si−(C6H4)−CH=CH2からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、b)の化合物50モルに対して、d)の化合物2〜50モルの割合で混合しても良い。
c)及び/又はd)の化合物を混合して感光性樹脂とすることは、密着性、耐温度衝撃性、伸度に優れるという点から、好ましい。
280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、下記化1に示される2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(約320nm〜400nmに吸収領域が有り、353nmに最大吸波長を持つ。TINUVIN(登録商標)326としてチバ・スペシャルティー・ケミカルズより入手可能)、
343nmに最大吸波長を持つ。TINUVIN(登録商標)329としてチバ・スペシャルティー・ケミカルズより入手可能)、
本発明の感光性樹脂組成物に架橋性モノマーを用いる場合には、ビスフェノールAを主鎖に含むポリアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる一種以上の化合物が好ましい。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられる。ビスフェノールAを主鎖に含むポリエチレンオキサイドジメタクリレート、ポリテトラメチレンオキサイドジメタクリレートからなる群より選ばれる一種以上の化合物であることがより好ましい。ビスフェノールAを主鎖に含むポリエチレンオキサイドジメタクリレートとしては、次式の日本油脂(株)製の耐熱性ブレンマーPDBE−200,250,450,1300が例として挙げられる。
架橋性モノマーを添加する場合の添加量は、a)とb)を重縮合して得られる感光性樹脂に対して、1〜30質量%が好ましい。より好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは7〜14質量%である。添加量が30質量%以下であれば、樹脂液の安定性が高く、
品質バラツキが少ないため、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、公知の溶媒に溶かして使用することができる。例えば、γ―ブチロラクトン、NMP、THF、炭素数1〜6程度のアルコール類などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物を密着性良くガラス基板に金属型を使用して形成する方法を以下に述べる。マイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子は、型の大きさ、種類が異なるだけであり、製造方法は同じである。
1)ガラス基板へのコート及び加熱ステップ:本発明の感光性樹脂組成物を、NMPなどの溶剤を使って希釈し、例えばスピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布するか、スプレーコーター等で噴霧塗布する方法により基板上にコートし、感光性樹脂組成物の薄膜形成する。感光性樹脂組成物の厚みは0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmである。加熱は、コートしたガラス基板の感光性樹脂組成物の薄膜形成面を上にして行う。用いる装置としては、オーブン、遠赤外線炉、ホットプレートなど、加熱できる装置であれば公知のものを用いることができ、ガラス基板と感光性樹脂組成物の密着性を高める観点から、中でもホットプレートが好ましい。加熱は、50℃〜150℃、好ましくは100℃〜140℃の範囲で1分〜30分間、好ましくは5分〜10分間行う。
3)露光ステップ:ガラス基板と成形物用の型で感光性樹脂を挟んだ状態で、ガラス基板側から紫外線照射する。光硬化型樹脂としてのパターンの解像度及び取扱い性の点で、露光光源波長はi線が好ましく、装置としては近接露光タイプのプロジェクションアライナーが好ましい。
5)加熱ステップ:150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱する事で、残存メタクリル基を結合させ、耐熱性に優れたマイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子を得ることができる。加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンにより行うことが出来る。加熱変換させる際の雰囲気気体とし
ては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。
本発明のシロキサン構造を有する透明感光性樹脂組成物を密着性良くガラス基板またはシリコン基板(以下、基板という。)にマスクを使用してマイクロプラスチックレンズを形成する方法を以下に述べる。
1)基板へのコート及び加熱ステップ:本発明の感光性樹脂組成物を、NMPなどの溶剤を使って希釈し、例えばスピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布するか、スプレーコーター等で噴霧塗布する方法により基板上にコートし、感光性樹脂組成物の薄膜形成する。感光性樹脂膜の厚みは1〜30μmが好ましく、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは3〜6μmである。
加熱は、コートした基板の感光性樹脂組成物の薄膜形成面を上にして行う。用いる装置としては、オーブン、遠赤外線炉、ホットプレートなど、加熱できる装置であれば公知のものを用いることができ、基板と感光性樹脂組成物の密着性を高める観点から、中でもホットプレートが好ましい。加熱は、50℃〜150℃、好ましくは100℃〜140℃の範囲で1分〜30分間、好ましくは5分〜10分間行う。
使用される現像液としては、前記のポリマー前駆体に対する良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好ましい。この良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトンなどが、また、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及び水などが用いられる。良溶媒に対する貧溶媒の割合はシロキサン構造を有する感光性樹脂の溶解性により調整される。各溶媒を組み合わせて用いることもできる。
ネガ型レジストは、露光量によって現像後の残膜率が異なる。
現像削れ後の残膜飽和最低露光量の決定方法は、表1のグラフから行う。
露光装置での露光設定値を横軸にとり、そのときの現像後の残膜厚みを縦軸に取ると、残膜厚が2.5μm付近で飽和していることがわかる。
この時の最低露光量が表1のグラフより100mJ/cm2と分かる。
この様な最低露光量(例えば、「100mJ/cm2」)を現像削れ後の残膜飽和最低
露光量という。
[実施例1]
1)DPDとMEMOを1対1モルで混合したのち、SolGel反応で感光性樹脂としたドイツ国 Fraunhofer ISC社から得たORMCER(登録商標)ONE (ORMOCER ONE合成の反応温度は80℃、反応時間は15分、触媒はBa(OH)2H2Oを0.002モル)に、光ラジカル重合開始剤IRGACURE(登録商標)369(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製) 0.1質量%と紫外線吸収剤Tinuvin(登録商標)326(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を1質量%、を添加混合し、0.2μmのフィルターでろ過した後感光性樹脂組成物とする。最終粘度としては15ポイズであった。
3)このスピンコート膜を120℃で5分間プリベークし、残存揮発成分を除去したが、この際膜の収縮も平坦性低下もなかった。
4)マスク無しで前面から、光量400mJ/cm2でUV露光(波長365nm)を行い、架橋反応を進行させた。
5)最後にN2中で200℃で2時間キュアを行い、硬化を完了させた。この際、感光性樹脂はSiO2 ナノサイズ粒子が熱処理前から凝集しているため、熱硬化処理を行っても、膜収縮は起こさず、極めて平坦な膜構造を保持していた。
実施例1で紫外線吸収剤Tinuvin326を添加しなかった以外は、同様に行い、感光性樹脂組成物の膜構造を得た。
[比較例2]
実施例1で紫外線吸収剤Tinuvin326を添加することに替えて、別の下記化10に示される紫外線吸収剤2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(約220nm〜300nmに吸収領域が有り、265nmに最大吸波長を持つ。Tinuvin120としてチバ・スペシャルティー・ケミカルズより入手可能)をTinuvin326と同じ添加量で混合した以外は、同様に行い、感光性樹脂組成物の膜構造を得た。
実施例1で紫外線吸収剤Tinuvin326を添加することに替えて、別の下記化11に示される紫外線吸収剤2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール(約230nm〜310nmに吸収領域が有り、274nmに最大吸波長を持つ。Tinuvin1577FFとしてチバ・スペシャルティー・ケミカルズより入手可能)をTinuvin326と同じ添加量で混合した以外は、同様に行い、感光性樹脂組成物の膜構造を得た。
高圧水銀ランプでUVを照射する装置(Sen Lights Corp製:型式HC−98)で照度30mW/cm2(365nm波長)の条件で4時間ガラス基板上に成膜した樹脂にUV光照射し、照射前後に光透過率測定機(島津製UV−3101PC)を用いて、光透過率の変化(400nm波長)を測定し、黄色劣化を評価した。
実施例1、比較例で合成した樹脂の性能比較を表2に示す。
1)[実施例1]で用いたものと同じORMCER ONE に、光ラジカル重合開始剤IRGACURE(登録商標)369(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製) 0.1質量%と紫外線吸収剤Tinuvin(登録商標)326(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を1質量%、ポリエチレンオキサイドビスフェノールAジメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名;耐熱性ブレンマーPDBE450)を20質量%、MEMOを3質量%、を添加混合し、0.2μmのフィルターでろ過した後感光性樹脂組成物とする。最終粘度としては15ポイズである。
2)〜5)は実施例1と同様に行い、5)N2中で200℃、2時間キュア後、膜収縮は起こさず、極めて平坦な膜構造を保持していた。
高圧水銀ランプでUVを照射する装置(Sen Lights Corp製:型式HC−98)で照度30mW/cm2(365nm波長)の条件で4時間ガラス基板上に成膜した樹脂にUV光照射し、照射前後に光透過率測定機(島津製UV−3101PC)を用いて、光透過率の変化(400nm波長)を測定し、黄色劣化を評価した。
<密着性評価方法>
Cuスパッタ膜付きSiウエハ上に各実施例1〜2の1)〜5)で成膜後、碁盤目テープ剥離試験(JIS K5400)にて、クロスカットガイド1.0を用いて、1mm角の正方形100個が出来るようにカッターナイフで傷を付け、上からセロハンテープを貼り付けた後剥離し、セロハンテープに付着せず基板上に残った正方形の数を数えることにより、密着性を評価した。
この場合の密着性は、100個残った場合60Mpa、50個付近の場合30Mpa、10個以下の場合10Mpaに相当する。
Alスパッタ膜付きSiウエハ上に各実施例1〜2の1)〜5)で成膜後、ダイシングソー(ディスコ製型式名DAD−2H/6T)を用いて3.0mm幅にカットし、10質量%塩酸水に浸漬してシリコンウエハ上から剥離し、短冊状のフィルムサンプルとした。引張り破断ひずみ試験(JIS K7161)にて測定装置(ORIENTEC製テンシ
ロン 型式UTM−II−20)にセットし、チャック間距離50mm、引張り速度40mm/分で測定した。
<耐湿性試験>
実施例1〜2のガラス基板上に成膜した樹脂について、恒温恒湿装置(YAMATO製
型式IW221)で温度60℃、湿度90%の条件で、1000時間までストレス試験を行い、ストレス前後の光透過率の変化(400nm波長)、剥がれ、クラックなどを評価した。
実施例1、実施例2で合成した樹脂の性能比較を表3に示す。
マイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子は成形物用の型の種類が異なるだけであり、製造方法は同じである。
1)ガラス基板へのコート及び加熱ステップ:コーニング製無アルカリガラス基板(10cm正方形、厚み0.7mm)上に、実施例2で得られる感光性樹脂組成物をNMP溶剤で70質量%添加し希釈したのち、2500rpm、30秒の条件で、スピンコーターにより塗布する。コートしたガラス基板面を上にして、ホットプレート上で120℃で5分間加熱する。NMP乾燥除去後の感光性樹脂組成物の厚みは1μmである。
2)型を押し当てるステップ:実施例2で得られた感光性樹脂組成物をNi金属製のマイクロプラスチックレンズ様型又は液晶偏光板用光学素子の型にスポイトで5滴滴下し、加熱処理後冷却したガラスの樹脂コート面を下にして、型内の滴下樹脂に押し当て密着させる。
露光ステップ:ガラス基板と金属型で感光性樹脂を挟んだ状態で、ガラス基板側からCANON製近接露光装置ミラープロジェクションアライナーを使って、紫外線を全面マスク無しで照射する。i線波長(365nm)での照射量は400mJ/cm2である。
3)型剥離ステップ:紫外線硬化後、金属型をガラス基板から剥離する。
4)最終加熱ステップ:キュアオーブンを使って、N2中200℃の温度で2時間加熱
する。
1)基板へのコート及び加熱ステップ:実施例2で得られる感光性樹脂組成物にNMPを40質量%添加混合して希釈した後、シリコン基板上に滴下し、2500rpm、30秒の条件でスピンコーターを使ってコートする。コートしたシリコン基板面を上にしてホットプレート上で120℃で5分間加熱する。NMP乾燥除去後の感光性樹脂の厚みは6μmである。
2)複数回露光ステップ:マイクロプラスチックレンズの円パターンからなる3枚のマスクを予め準備する。Siウエハ上でのレンズ寸法が、直径2μm、4μm、6μmのネガ型感光レジスト用パターンのレンズアレイ(縦横5個、計25個)をCADにて作成し、マスクとする。円パターンは、その直径が、一番大きい直径÷露光回数=一番小さい直径となるように作成する。また、各マスクにはアライメントマークがあり、各レンズパターンが直径の異なる同心円パターンになっている。現像削れ後の残膜飽和値が3μmであり、この時の必要最低露光量が90mJ/cm2であるため、90÷3=30mJ/cm2の一定光量で、同心円直径の小さい2μmのマスクから順に同心円に重ねて紫外線露光する。
3)現像ステップ:回転スプレー法で現像する。使用される現像液としてはシクロヘキサノンを用いて、20秒間スプレー現像し、リンス液としてイソプロピルアルコールを用いて、10秒間リンスする。
4)最終加熱ステップ:キュアオーブンを使って、N2中200℃の温度で2時間加熱する。
Claims (9)
- 少なくとも、a)(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)X−CH=CH2(ここで、X=1又は2)からなる群より選ばれる一種以上の化合物と、b)(C6H5)2−Si−(OH)2、CH3−Si−Cl3、及びCH3−Si−(OCH3)3からなる群より選ばれる一種以上の化合物を、b)の化合物50モルに対して、a)の化合物を30〜70モルの割合で混合し、触媒の存在下、40℃〜150℃以下の温度で0.1〜10時間重縮合して得られることを特徴とする感光性樹脂と、
前記感光性樹脂に対して0.01〜5質量%の光重合開始剤と、
前記感光性樹脂に対して0.1〜10質量%の280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤とを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール骨格を有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記280〜380nmに吸収領域を持つ紫外線吸収剤が、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、前記感光性樹脂に対して1〜30質量%の架橋性モノマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記架橋性モノマーが、ビスフェノールAを主鎖に含むポリアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の感光性樹脂組成物。
- 前記架橋性モノマーが、ビスフェノールAを主鎖に含むポリエチレンオキサイドジメタクリレート、ポリテトラメチレンオキサイドジメタクリレートからなる群より選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、前記感光性樹脂に対して0.1〜10質量%の(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CO−CH=CH2、及び(CH3O)3−Si−(CH2)3−O−CH2−C2H3O(左記C2H3Oはエポキシ基)からなる群より選ばれる一種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をガラス基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板を得るステップと、該感光性樹脂組成物付着ガラス基板の該感光性樹脂組成物面に、別に用意した請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を満たした成形物用の型の開口部を押し当てるステップと、該ガラス基板側から露光するステップと、該成形物の型を該ガラス基板から剥離するステップと、150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、ガラス基板又はシリコン基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板又はシリコン基板を得るステップと、マイクロプラスチックレンズの円パターンからな
る複数枚のマスクで、各マスクにはアライメントマークがあり、各レンズパターンについて直径の異なる同心円パターンになっている複数枚のマスクを使い、現像削れ後の残膜飽和最低露光量÷マスク枚数の一定光量で、円直径の小さいマスクから順にマスク1枚ごとに紫外線を複数回露光するステップと、露光後に現像するステップと、現像後150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズの製造方法。
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