JP4987521B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主に光用途を目的とした光学電気部品、例えば、半導体デバイス、マイクロレンズ混載電子基板、液晶偏光板の製造用として有用な感光性樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は260℃以上でのハンダリフロー耐性に代表される耐熱性が要求される用途での固体撮像素子用の材料、例えば、光通信用マイクロプラスチックレンズやCMOSイメージセンサー、光導波路、又は、耐熱性が要求される液晶プロジェクター用の偏光板用光学素子の材料に関する。
プラスチックレンズは、ガラスに較べて成形が容易であり、安価であることから各種の光学製品に広く用いられている。その材料としては、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリメチルメタクリレート及びポリスチレンや、熱硬化性プラスチック、例えば、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートという様々な透明材料が使用されている。熱可塑性樹脂とは異なるタイプの樹脂として、紫外線(UV)硬化性樹脂もガラス基板などの透明基板上に型とUVで直接成形が容易なことから、ガラス基板上のマイクロレンズ、光導波路、液晶偏向板を形成するための材料として開発が進められている。
しかし、一般の有機材料は耐熱温度が低いため、260℃以上でのハンダリフローの条件下では、寸法安定性などを保証できてない。
Si-O構造を有するシロキサンポリマーは一般に耐熱性が高い。特許文献1及び2には、UV硬化型シロキサン樹脂が耐磨耗性ハードコート材料として紹介されているが、いずれも薄膜の被覆材に限定している。一般にシロキサン材料は耐熱性には優れる。しかし、無機材料としての性質から、従来のものは、破断点伸度、高温でもクラックや剥がれが生じないという耐温度衝撃性、耐湿性が足りなかった。
光硬化性を有する材料として、特許文献3には、Ba(OH)(水酸化バリウム)を合成触媒として重合可能基を有する有機シラン及び加水分解反応点を有する有機シランからなる、ドイツ国 Fraunhofer ISC社製のORMOCER ONEの開示がある。それはIRGACURE369を光開始剤として添加し、UV照射でパターン形成後、150℃低温キュアで成膜完了し、300℃以上の耐熱性など優れた特性を有する。ところが、得られた硬化パターンの問題点としては、硬化後の膜に柔軟性が無いため、冷熱衝撃での耐クラック性に劣る。さらに、得られた硬化パターンは、ガラス基板などと直接結合する結合基を有さないため、密着性が低く、耐湿試験や、200℃という高温で行う長時間の暴露試験によって剥れ易いという問題点を有する。
高温耐熱性を有する感光性シロキサン材料の先行文献としては、例えば、特許文献4及び5が有る。感光性シロキサンの置換基をメチル基やフェニル基とすることで、組合せにより1.50付近から1.40付近まで、屈折率を変化させることができる。ところが問題点としては、熱硬化後の膜に柔軟性が乏しく、温度衝撃などによりクラックが発生し易く、レンズ成形したときの信頼性が問題となる。また別の問題点としては、アルコキシシラン系材料の加水分解重縮合反応でポリシロキサンを合成するため、材料中にOH基が残りやすく、吸湿性が高く高温高湿の雰囲気下での屈折率変化が起こり易い。また残ったOH基の影響で赤外線吸収が高く、赤外領域でのレンズ材料には不向きである。
また、特許文献6には、2種類の特定の(メタ)アクリロイル基含有化合物を含む注型重合用放射線硬化性樹脂組成物の開示がある。しかし、構成材料のジメタクリルアルキレンポリマーが79.9%以上の添加となると、光硬化収縮が大きくなる問題点を有している。
特開平03-281616号公報 国際公開第2002/102907号パンフレット カナダ国特許第238756号明細書 特許第3474007明細書 特開平07-292108号公報 特開平11-60656号公報
固体撮像素子や電子部品一体型製品の製造用として有用な、硬化時の収縮率が小さく、硬化後のパターンの密着性、耐熱性(260℃リフロー耐性)、耐湿性、高温でもクラックや剥がれが生じないという耐温度衝撃性に優れ、硬化後のパターンの屈折率が1.47〜1.53まで設計することができる感光性樹脂組成物を提供する。
本発明者は、前記課題を解決するために、シロキサンを含む感光性樹脂の物性改良の研究をするうち、本発明を完成するに至った。本発明は以下のとおりである。
(1)下記(I)感光性樹脂;100質量部、(II)光重合開始剤;該(I)感光性樹脂と下記(III)架橋性モノマーとの合計100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下、及び(III)架橋性モノマー;100質量部超過1200質量部以下を含有する感光性樹脂組成物。
(I)少なくとも、a)R Si (OR4-a-b
(R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)と、
b)(C-Si-(OH)、CH−Si−Cl、及びCH−Si−(OCHからなる群より選ばれる一種以上の化合物とを、
b)の化合物100モルに対して、a)の化合物を60〜140モルの割合で混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる感光性樹脂。
(2)前記(III)架橋性モノマーが、ポリアルキレンオキサイドジアクリレート及びポリアルキレンオキサイドジメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である(1)記載の感光性樹脂組成物。
(3)さらに、下記(IV)アルコキシシラン;上記(I)感光性樹脂と上記(III)架橋性モノマーの合計100質量部に対して1〜10質量部、を含有する(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(IV)R Si (OR4-a-b
(R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)
(4)少なくとも、基材上に(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を得る工程、塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該膜の未硬化の部分を除去する工程、基材ごと加熱する工程を順に含む、硬化レリーフパターンの形成方法。
(5)(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物をガラス基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板を得るステップと、該感光性樹脂組成物付着ガラス基板の該感光性樹脂組成物面に、別に用意した(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を満たした成形物用の型の開口部を押し当てるステップと、該ガラス基板側から露光するステップと、該成形物用の型を該ガラス基板から剥離するステップと、150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子の製造方法。
(6)(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物を、ガラス基板又はシリコン基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板又はシリコン基板を得るステップと、マイクロプラスチックレンズ成刑用の円パターンからなる複数枚のマスクで、各マスクにはアライメントマークがあり、該アライメントマークで各マスクを重ねた時に直径の異なる同心円パターンになっている複数枚のマスクを使い、円直径の小さいマスクから順にマスク1枚ごとに紫外線を複数回露光するステップと、露光後に現像するステップと、現像後150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズの製造方法。
(7)屈折率が1.47〜1.53である(5)又は(6)に記載の製造方法によって得られたプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子。
(8)硬化後の屈折率が1.47〜1.53である(1)〜(3)のいずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化時の収縮率が小さく、硬化後のパターンの密着性、耐熱性(260℃リフロー耐性)、耐湿性、高温でもクラックや剥がれが生じないという耐温度衝撃性に優れ、硬化後のパターンの屈折率が1.47〜1.53まで自由に設計することができる。さらに、感光性樹脂と架橋性モノマーの合計100質量部に対し、特定のアルコキシシランを1〜10質量部含有する感光性樹脂組成物とすることで、硬化後のパターンは、より優れた耐湿性を有し、さらに密着性に優れる。
さらに該感光性樹脂組成物を用いて、耐熱性が要求されるマイクロプラスチックレンズや光導波路、プロジェクター向け液晶偏光板用光学素子を得ることができる。また型成形し難いLSIウエハ上にも、複数枚マスク露光と現像削れによって、耐熱性マイクロプラスチックレンズを形成する事ができる。
<1>感光性樹脂組成物について
本発明の感光性樹脂組成物は、下記(IV)アルコキシシラン;上記(I)感光性樹脂と上記(III)架橋性モノマーの合計100質量部に対して1〜10質量部、を含有する。
(I)少なくとも、a)R Si (OR4-a-b
(R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)、
b)(C-Si-(OH)、CH−Si−Cl、及びCH−Si−(OCHからなる群より選ばれる一種以上の化合物を、
b)の化合物100モルに対して、a)の化合物を60〜140モルの割合で混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる感光性樹脂。
(I)感光性樹脂について説明する。
上記a)化合物におけるRとしては、例えば、ビニル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)基、3−グリシドキシプロピル基、スチリル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基、2−(メタ)アクリロキシエチル基、(メタ)アクリロキシメチル基等を挙げることができる。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル基及びメタクリル基を示す。以下同様である。具体的なa)化合物としては、例えば、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ビニルエチレントリメトキシシラン、3−ビニルメチレントリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。このうち、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下、MEMOと称する場合もある)が、耐UV劣化性、低毒性、高光感度の観点から最も好ましく用いられる。
上記b)化合物の中でも、(C-Si-(OH)、つまり、ジフェニルシランジオール(以下、DPDと称する場合もある)が耐熱性の観点から最も好ましく用いられる。
上記b)化合物100モルに対して、上記a)化合物を60〜140モルを重合することが好ましく、70〜120モルがより好ましい。吸湿性増加を防止する観点から、60モル以上が好ましく、未反応MEMOの加水分解性増加を防止する観点から140モル以下が好ましい。
重合時の温度は、40〜150℃が好ましく、重合時間は0.1〜10時間が好ましい。重合時、積極的に水を添加することは無い。重合は無溶媒で行う。
重合時に用いられる触媒としては、3価もしくは4価の金属アルコキシドを用いることができる。具体的には、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−nプロポキシアルミニウム、トリ−isoプロポキシアルミニウム、トリ−nブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリ−iso−プロポキシボロン、トリ−n−ブトキシボロン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−tertブトキシボロン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−iso−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブトキシゲルマニウム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−tert−ブトキシゲルマニウム、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−iso−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム等が挙げられる。また、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物、例えば、水酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムを触媒として用いてもよい。中でも、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、テトラーtertーブトキシチタン、及びテトラーisoープロポキシチタンが好ましい。
触媒の添加量は、b)化合物100モルに対して、1〜10モルが好ましく、より、好ましくは1〜3モルである。
(I)感光性樹脂としては、上記a)化合物とb)化合物を含む化合物を、100モル:100モルの割合で混合し、触媒として水酸化バリウム1水和物を用い、水を積極的に添加することなく75〜85℃の温度で30〜1時間反応させるステップを経たものが、ドイツ国 Fraunhofer ISC 社からORMOCER ONEとして入手することができる。
(II)光重合開始剤について説明する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる(II)光重合開始剤として好ましいものとしては、以下の化合物が挙げられる。
(1)ベンゾフェノン誘導体:例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン
(2)アセトフェノン誘導体:例えば、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE184)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE907)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE127)、フェニルグリオキシル酸メチル
(3)チオキサントン誘導体:例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン
(4)ベンジル誘導体:例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール
(5)ベンゾイン誘導体:例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、DAROCURE1173)
(6)オキシム系化合物:例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O-メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)] (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACUREOXE02)
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物:例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物:例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE379)
(9)フォスフィンオキサイド系化合物:例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE819)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、DAROCURE TPO)
(10)チタノセン化合物:例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGACURE784)
また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。
上記した光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、(8)のα−アミノアルキルフェノン系化合物がより好ましい。その添加量は、感光性樹脂と架橋性モノマーの合計100質量部に対して、0.1〜5質量部とするのが好ましく、0.2〜2質量部とするのがより好ましく、0.3〜1質量部が更に好ましい。添加量が実用的な硬化パターンを得る観点から、0.1質量部以上が好ましく、また、透明性の観点から、添加量が5質量部以下が好ましい。
(III)架橋性モノマーについて説明する。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる架橋性モノマーとしては、光重合開始剤の作用により重合可能な多官能(メタ)アクリル化合物が好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリエチレングリコールジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、ポリ(1,2-プロピレングリコール)ジアクリレート[1,2-プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリ(1,2−プロピレングリコール)ジメタクリレート[1,2-プロピレングリコールユニット数2〜20]、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート[テトラメチレングリコールユニット数2〜10]、1,4-シクロヘキサンジアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜20]、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ-2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレート、トリ-2-ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル-メタクリル酸付加物、グリセロールジグリシジルエーテル-アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル-アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル-メタクリル酸付加物、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート[エチレングリコールユニットの数2〜30]、N,N’-ビス(2-メタクリロイルオキシエチル)尿素などが挙げられる。また、これらの使用にあたっては、必要に応じて、単独でも2種以上を混合して用いてもかまわない。
これらの中でも、ポリアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレートが好ましい。末端感光基は、UV照射劣化性や人への毒性の観点からは活性水素のないメタクリル基がより好ましい。低屈折率の観点からは、アルキレンオキサイドのアルキレンの炭素数が2〜4が好ましく、アルキレンオキサイドのユニット数が3〜10が好ましい。
架橋性モノマーの液体での屈折率は、1.45が好ましい。
好ましく用いられる架橋性モノマーとしては、例えば、ヘプタプロピレンオキサイドジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDP−400:屈折率1.45)、トリ(エチレンオキサイド)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDE−150:屈折率1.44)、テトラ(エチレンオキサイド)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDE−200:屈折率1.45)、ノナ(エチレンオキサイド)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDE−400:屈折率1.45)、テトラデカ(エチレンオキサイド)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDE−600:屈折率1.46)、オクタ(テトラメチレンオキサイド)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPDT−650:屈折率1.46)、テトラ(エチレンオキサイド)ジアクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーADE−200:屈折率1.45)、ノナ(エチレンオキサイド)ジアクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーADE−400:屈折率1.46)、トリ(プロピレンオキサイド)ジアクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーADP−200:屈折率1.45)、ヘプタ(プロピレンオキサイド)ジアクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーADP−400:屈折率1.45)が挙げられる。
(III)架橋性モノマーの添加量は、(I)感光性樹脂100質量部に対して、100質量部超過1200質量部以下である。添加量は、低屈折率の観点から、100質量部超過であり、耐熱性の観点から、1200質量部以下である。添加量は、700質量部以上1100質量部以下がより好ましく、800質量部以上1000質量部以下が更に好ましい。
(IV)アルコキシシランについて説明する。
本発明の感光性樹脂組成物には、下記(IV)アルコキシシランを含有しても良い。
(IV)R Si (OR4-a-b
(R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)
(IV)アルコキシシランの具体例としては、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン又は3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。中でも3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下、GLYMOと称する場合もある)とMEMOがより好ましい。
(IV)アルコキシシランの添加量は感光性樹脂と架橋性モノマーの合計100質量部に対して、1〜10質量部が好ましい。添加量は、3〜7質量部がより好ましい。密着性の発現の観点から1質量部以上が好ましく、耐温度衝撃性の観点から10質量部以下が好ましい。
本発明の組成物においては、溶媒を添加して粘度を調整することもできる。好適な溶媒としては、例えば、γ―ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、炭素数1〜6程度のアルコールが挙げられ、これらは単独または二種以上の組合せで用いることができる。これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、本発明の組成物に適宜加えることができるが、(I)感光性樹脂100質量部に対し、5〜100質量部の範囲で用いることが好ましい。
<2>硬化レリーフパターンの形成方法
硬化レリーフパターンの形成は、少なくとも、基材上に上述した感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を得る工程、塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該膜の未硬化の部分を除去する工程、基材ごと加熱する工程を順に行う。
具体的には、上記により得られた感光性樹脂組成物を、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機で塗布するか、スプレーコーターで噴霧塗布する方法により基板、例えば、シリコンウェハの上に塗布膜を得る。塗布膜の厚みは1〜100μmが好ましく、より好ましくは2〜50μmである。
得られた塗布膜は、溶剤を含有する場合には、例えば、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥により乾燥する。
このようにして得られた塗布膜は、露光装置、例えば、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパーを用いて、紫外線光源により露光される。光硬化型樹脂としてのパターンの解像度及び取扱い性の点で、その光源波長はi線が好ましく、装置としてはステッパーが好ましい。
現像は、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法の中から任意の方法を選んで行うことができる。
使用される現像液としては、前記の(I)感光性樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好ましい。この良溶媒としては、例えば、N-メチルピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N,N′-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが、また、貧溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水が用いられる。良溶媒に対する貧溶媒の割合は(I)感光性樹脂の溶解性により調整される。各溶媒を組み合わせて用いることもできる。
現像終了後、必要により、現像液を除去するために、洗浄液による洗浄(以下、リンスという)を行っても良い。リンス液としては、特定のアルコール系化合物を単独または混合して用いたり、更に水と適宜混合した溶媒を用いたりすることが好ましい。リンス液として好適なアルコール系化合物としては、例えば、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、メチルイソブチルカルビノールが挙げられる。
リンス方法としては、スプレーリンス、浸漬リンス、超音波リンスなどが好例として挙げられるが、最も効果的なリンス効果が得られるのはスプレーリンス法である。スプレー現像法とスプレーリンス法を併用する場合は、現像からリンスへ移行する過程で、両者を同時にスプレーする、いわゆるオーバーラップ過程を数秒から数十秒挿入することが好ましい。
基材ごと加熱する工程では、硬化レリーフパターン付き基材を最終的に150℃以上300℃以下に加熱し、未反応二重結合又は未反応エポキシ基を更に反応させて、キュア膜を得ることができる。加熱温度は、150℃以上250℃以下がより好ましい。加熱時の未反応二重結合又は未反応エポキシ基の反応の進行の観点から150℃以上、熱分解の観点から300℃以下である。加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンにより行うことが出来る。加熱する際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴンを用いることができる。加熱時間は未反応二重結合又は未反応エポキシ基の反応の進行の観点から0.5時間以上、熱分解の観点から8時間以下が好ましい。
<3>成形物用の型を利用したマイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子の製造方法
本発明の感光性樹脂組成物を密着性良くガラス基板に成型物用の型を使用して形成する方法を以下に述べる。成形物用の型の材質には、ゴム、ガラス、プラスチック、金属等が用いられる。金属の成形物用の型の場合は、ニッケル製が好ましい。
マイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子は、型の大きさ、種類が異なるだけであり、製造方法は同じである。
1)ガラス基板へのコート及び加熱ステップ:本発明の感光性樹脂組成物を、NMPなどの溶剤を使って希釈し、例えばスピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機で塗布するか、スプレーコーターで噴霧塗布する方法により基板上にコートし、感光性樹脂組成物の薄膜を形成する。感光性樹脂組成物の厚みは0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜3μmである。加熱は、コートしたガラス基板の感光性樹脂組成物の薄膜形成面を上にして行う。用いる装置としては、オーブン、遠赤外線炉、ホットプレートなど、加熱できる装置であれば公知のものを用いることができ、ガラス基板と感光性樹脂組成物の密着性を高める観点から、中でもホットプレートが好ましい。加熱は、50℃〜150℃、好ましくは100℃〜140℃の範囲で1分〜30分間、好ましくは5分〜10分間行う。
2)成形物用の型を押し当てるステップ:別途、本発明の感光性樹脂組成物をマイクロプラスチックレンズの型又は液晶偏光板用光学素子の型に満たし、成形物用の型の開口部を、1)ステップで得られたガラス基板の薄膜形成面に押し当て密着させる。成形物用の型に満たす方法としてはスポイトやディスペンサーなどで滴下する。成形物用の型の材質には、ゴム、ガラス、プラスチック、金属等が用いられる。金属の成形物用の型の場合は、ニッケル製が好ましい。
3)露光ステップ:ガラス基板と成形物用の型で感光性樹脂組成物を挟んだ状態で、ガラス基板側から紫外線照射する。光硬化型樹脂としてのパターンの解像度及び取扱い性の点で、露光光源波長はi線が好ましく、装置としては近接露光タイプのプロジェクションアライナーが好ましい。
4)型剥離ステップ:紫外線硬化後、成型用の型をガラス基板から剥離する。
5)加熱ステップ:150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱する事で、残存(メタ)アクリル基を結合させ、耐熱性に優れたマイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子を得ることができる。加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンにより行うことが出来る。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。
<4>マスクを使用してのマイクロプラスチックレンズ製造方法について
本発明のシロキサン構造を有する透明感光性樹脂組成物を密着性良くガラス基板またはシリコン基板(以下、基板という。)にマスクを使用してマイクロプラスチックレンズを形成する方法を以下に述べる。
1)基板へのコート及び加熱ステップ:本発明の感光性樹脂組成物を、NMPなどの溶剤を使って希釈し、例えばスピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布するか、スプレーコーター等で噴霧塗布する方法により基板上にコートし、感光性樹脂組成物の薄膜形成する。感光性樹脂膜の厚みは1〜30μmが好ましく、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは3〜6μmである。
加熱は、コートしたガラス基板の感光性樹脂組成物の薄膜形成面を上にして行う。用いる装置としては、オーブン、遠赤外線炉、ホットプレートなど、加熱できる装置であれば公知のものを用いることができ、基板と感光性樹脂組成物の密着性を高める観点から、中でもホットプレートが好ましい。加熱は、50℃〜150℃、好ましくは100℃〜140℃の範囲で1分〜30分間、好ましくは5分〜10分間行う。
2)複数回露光ステップ:マイクロプラスチックレンズの円のパターンからなる複数枚のマスクを用いる。このマスクは、円部分は露光光が透過し、残部は、露光光が透過しないようになっている。現像削れ後の残膜飽和最低露光量÷マスク枚数の一定光量で、円直径の小さいマスクから順にマスク1枚ごとに紫外線露光する。これらの複数枚のマスクは、アライメントマークを合わせると、各レンズパターンが直径の異なる同心円パターンになっている。例えば、該ネガ型透明感光樹脂を3枚マスクでマイクロプラスチックレンズ形状に露光形成するには、現像後の残膜が飽和する最低露光量÷マスク枚数(例90mJ/cm÷3=30mJ/cmの露光量)で、パターンの小さいマスクから順に、同じ露光量で、アライメントマークを使って3回露光する。
3)現像ステップ:現像は、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法などの中から任意の方法を選んで行うことができる。
使用される現像液としては、前述の感光性樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好ましい。この良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトンなどが、また、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及び水などが用いられる。良溶媒に対する貧溶媒の割合はシロキサン構造を有する感光性樹脂の溶解性により調整される。各溶媒を組み合わせて用いることもできる。
4)加熱ステップ:150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱する事で、残存メタクリル基を結合させ、耐熱性に優れたマイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子を得ることができる。加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンにより行うことが出来る。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴンを用いることができる。
尚、上記現像削れ後の残膜飽和最低露光量とは以下のことを意味する。
ネガ型レジストは、露光量によって現像後の残膜率が異なる。
現像削れ後の残膜飽和最低露光量の決定方法は、表1のグラフから行う。
露光装置での露光設定値(Light Intensity)を横軸にとり、そのときの現像後の残膜厚み(Thickness)を縦軸に取ると、残膜厚が2.5μm付近で飽和していることがわかる。
この時の最低露光量が表1のグラフより100mJ/cmと分かる。
この様な最低露光量(例えば、「100mJ/cm」)を現像削れ後の残膜飽和最低露光量という。
Figure 0004987521
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
1)ドイツ国 Fraunhofer ISC社からORMOCER ONEとして販売されている感光性樹脂9.5質量%に、光重合開始剤IRGACURE369 0.4質量%(チバガイギー社製)と、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン4.7質量%(旭化成ワッカー社製)と ヘプタプロピレンオキサイドジメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名;ブレンマーPDP−400、屈折率1.45)とを85.4質量%とを添加混合し、0.2μmのフィルターでろ過した後、感光性樹脂組成物とする。最終粘度としては0.5ポイズであった。
2)この組成液をガラス基板に滴下し、10rpmでスピンコートした膜を120℃で5分間プリベークし、残存揮発成分を除去した。この際、膜の凝集も平坦性低下もなかった。
3)コート樹脂の上からPETフィルムでカバーし、400mJ/cmでUV露光(波長365nm)を行った。
4)最後にN2中で2時間、200℃の加熱を行った。加熱の前後で、膜収縮率は極めて小さく、極めて平坦な膜構造を保持していた。
[実施例2]
ヘプタプロピレンオキサイドジメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名;ブレンマーPDP−400)に替えて、ノナエチレンオキサイドジメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名;ブレンマーPDE−400、屈折率1.45)を同量用いた以外は、実施例1と同様に行った。2)では膜の凝集も平坦性低下もなく、4)では加熱の前後で、膜収縮率は極めて小さく、極めて平坦な膜構造を保持していた。
[実施例3]
ヘプタプロピレンオキサイドジメタクリレートに替えて、オクタ(テトラエチレングリコール)ジメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名;ブレンマーPDT−650、屈折率1.46)を同量用いた以外は実施例1と同様に行った。2)では膜の凝集も平坦性低下もなく、4)では加熱の前後で、膜収縮率は極めて小さく、極めて平坦な膜構造を保持していた。
[比較例1]
1)[実施例1]において、ヘプタプロピレンオキサイドジメタクリレートの添加量を20質量部とした以外は、実施例1と同様におこなった。2)では膜の凝集も平坦性低下もなく、4)では加熱の前後で、膜収縮率は極めて小さく、極めて平坦な膜構造を保持していた。
<屈折率評価>
アッベ屈折計(アタゴ製、DR-M2)にて、上記試験片の25℃における屈折率(589nm)を測定した。
<膜厚>
光硬化した膜表面をカッターにて引っかき傷を付け、キュア熱硬化前後での膜厚を、接触段差計(Tencor製 P-15)にて評価し、収縮率を計算した。
<密着性試験>
ガラス基板上に各実施例及び比較例の1)〜4)で成膜後、碁盤目テープ剥離試験(JIS K5400)にて、クロスカットガイド1.0を用いて、1mm角の正方形100個が出来るようにカッターナイフで傷を付け、上からセロハンテープを貼り付けた後剥離し、セロハンテープに付着せず基板上に残った正方形の数を数えることにより、密着性を評価した。
<260℃リフロー耐性試験>
260℃に温度設定したオーブン(ヤマト製ファインオーブンDH−42)に、5分間、大気中、ベークを行い、前後での膜剥れを目視による評価を行った。
<耐湿性試験>
恒温恒湿装置(ヤマト化学製IW221)で温度60℃、湿度90%の条件で、1000時間までストレス試験を行い、ストレス前後の光透過率の変化(400nm波長)、剥がれ、クラックなどを評価した。
<耐温度衝撃性試験>
温度衝撃装置(TABAI製 型式TSE−10)で温度−40℃と100℃を30分毎に設定変化させる試験を500サイクル試験を行い、ストレス前後の剥がれ、クラックなどを評価した。
Figure 0004987521
[実施例4]
成形物用の型を利用したマイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子
マイクロプラスチックレンズ及び液晶偏光板用光学素子は成型物用の型の種類が異なるだけであり、製造方法は同じである。成形物用の型の材質には、ゴム、ガラス、プラスチック、金属等が用いられる。金属の成形物用の型の場合は、ニッケル製が好ましい。
1)ガラス基板へのコート及び加熱ステップ:コーニング製無アルカリガラス基板(10cm正方形、厚み0.7mm)上に、実施例1で得られた感光性樹脂組成物をNMP溶剤で70重量%添加し希釈したのち、スピンコーターで塗布する(2500rpm30秒)。コートしたガラス基板面を上にしてホットプレート上で120℃で5分間加熱する。NMP乾燥除去後の感光性樹脂組成物の厚みは1μmである。
2)型を押し当てるステップ:実施例1で得られた感光性樹脂組成物を、Ni金属製のマイクロプラスチックレンズ用型又は液晶偏光板用光学素子の型にスポイトを用い、型を満たす量を滴下し、加熱処理後冷却したガラスの樹脂コート面を下にして、型内の滴下樹脂に押し当て密着させる。
3)露光ステップ:ガラス基板と成型物用の型で感光性樹脂を挟んだ状態で、ガラス基板側からCANON製近接露光装置ミラープロジェクションアライナーを使って、紫外線を全面マスク無しで照射する。i線波長(365nm)での照射量は400mJ/cmである。
4)型剥離ステップ:紫外線硬化後、成型物用の型をガラス基板から剥離する。
5)加熱ステップ:キュアオーブンを使って、N中250℃の温度で2時間加熱する。
[実施例5]
マスクを使用してのマイクロプラスチックレンズ
1)基板へのコート及び加熱ステップ:実施例2で得られた感光性樹脂組成物にNMPを40質量%添加混合して希釈した後、シリコン基板上に滴下し、スピンコーター(2500rpm30秒)をつかってコートする。:コートしたシリコン基板面を上にしてホットプレート上で120℃で5分間加熱する。NMP乾燥除去後の感光性樹脂の厚みは6μmである。
2)複数回露光ステップ:マイクロプラスチックレンズの同心円パターンからなる3枚のマスクを予め準備する。Siウエハ上でのレンズ寸法が、直径2μm、4μm、6μmのネガ型感光レジスト用パターンのレンズアレイ(縦横5個、計25個)をCADにて作成し、マスクとする。現像削れ後の残膜飽和値が3μmであり、この時の必要最低露光量が90mJ/cmであるため、90÷3=30mJ/cmの一定光量で、同心円直径の小さい2μmのマスクから順に同心円に重ねて紫外線露光する。
3)現像ステップ:回転スプレー法で現像する。使用される現像液としてはシクロヘキサノンを用いて、20秒間スプレー現像し、リンス液としてイソプロピルアルコールを用いて、10秒間リンスする。
4)加熱ステップ:キュアオーブンを使って、N中250℃の温度で2時間加熱する。
本発明の感光性樹脂組成物は、耐熱性、破断点伸度、高温でもクラックや剥がれが生じないという耐温度衝撃性、耐湿性が要求されるプラスチックレンズや光導波路、プロジェクター向け液晶偏光板用光学素子を製造するための材料に用いることができる。また型成形し難いLSIウエハ上にも、複数枚マスク露光と現像削れ方式で、耐熱性マイクロプラスチックレンズアレイを形成する事ができるため極めて有用である。

Claims (8)

  1. 下記(I)感光性樹脂;100質量部、(II)光重合開始剤;該(I)感光性樹脂と下記(III)架橋性モノマーとの合計100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下、及び(III)架橋性モノマー;100質量部超過1200質量部以下を含有する感光性樹脂組成物。
    (I)少なくとも、a)R Si (OR4-a-b
    (R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)と、
    b)(C-Si-(OH)、CH−Si−Cl、及びCH−Si−(OCHからなる群より選ばれる一種以上の化合物とを、
    b)の化合物100モルに対して、a)の化合物を60〜140モルの割合で混合し、触媒の存在下、積極的に水を添加することなく重合させる方法で得られる感光性樹脂。
  2. 前記(III)架橋性モノマーが、ポリアルキレンオキサイドジアクリレート及びポリアルキレンオキサイドジメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. さらに、下記(IV)アルコキシシラン;上記(I)感光性樹脂と上記(III)架橋性モノマーの合計100質量部に対して1〜10質量部、を含有する請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
    (IV)R Si (OR4-a-b
    (R はエポキシ基及び炭素−炭素二重結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも一種の基を含む炭素数2〜17の有機基である。R及びRはそれぞれ独立にメチル基またはエチル基である。aは1及び2から選ばれる整数である。bは0及び1から選ばれる整数である。a+bは2を超えることはない。)
  4. 少なくとも、基材上に請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜を得る工程、塗布膜に活性光線を照射し露光部を光硬化させる工程、現像液を用いて該膜の未硬化の部分を除去する工程、基材ごと加熱する工程を順に含む、硬化レリーフパターンの形成方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物をガラス基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板を得るステップと、該感光性樹脂組成物付着ガラス基板の該感光性樹脂組成物面に、別に用意した請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を満たした成形物用の型の開口部を押し当てるステップと、該ガラス基板側から露光するステップと、該成形物用の型を該ガラス基板から剥離するステップと、150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、ガラス基板又はシリコン基板にコートし、50〜150℃で1分〜30分間加熱して感光性樹脂組成物付着ガラス基板又はシリコン基板を得るステップと、マイクロプラスチックレンズ成刑用の円パターンからなる複数枚のマスクで、各マスクにはアライメントマークがあり、該アライメントマークで各マスクを重ねた時に直径の異なる同心円パターンになっている複数枚のマスクを使い、円直径の小さいマスクから順にマスク1枚ごとに紫外線を複数回露光するステップと、露光後に現像するステップと、現像後150℃〜250℃の温度で0.5時間〜2時間加熱するステップとを順次行うことを特徴とするマイクロプラスチックレンズの製造方法。
  7. 屈折率が1.47〜1.53である請求項5又は6に記載の製造方法によって得られたプラスチックレンズ又は液晶偏光板用光学素子。
  8. 硬化後の屈折率が1.47〜1.53である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
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