JP2008087155A - 化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の化粧シート1は、基材5上に少なくとも、着色層3と、着色層3を被覆する保護層4と、保護層4上に設けられた多数の盛上部6から形成された盛上層7とがこの順に積層されてなる化粧シート1であって、盛上部6が不定型な形状の絵柄である。
【選択図】図1
Description
このような表面化粧板に使用される化粧シートには、触感、マット感、光沢感、耐汚染性に加え、意匠性に優れることなど、種々の特性が要求されている。
これらのうち、特に、触感、マット感、光沢感、意匠性を得るために、化粧シートの表面に盛上部を設けることが提案されている。
このような化粧シートとして、例えば、特許文献1には、化粧シートの表面に多角形や円形の規則的もしくは定形な盛上部を設けた化粧シート、特許文献2には、盛上部の凹凸の高低差及び凸部の表面積割合を限定した化粧シート、特許文献3には、表面の電離放射線硬化性樹脂のインキからなる凹凸部を設けた化粧シートが開示されている。
しかしながら、この化粧シートは、シートとしての触感、マット感及び光沢感が十分ではなく、意匠性についてもさらなる向上が求められていた。
すなわち、本発明は、基材上に少なくとも、着色層と、該着色層を被覆する保護層と、該保護層上に設けられた多数の盛上部から形成された盛上層とがこの順に積層されてなる化粧シートであって、該盛上部が不定型な形状の絵柄である化粧シートを提供するものである。
また、図1に示すように、本発明の化粧シート1は、基材5と着色層3との間に着色ベタ層2を有していても良い。
これらの基材、特にプラスチックフィルムやプラスチックシートを基材として用いる場合には、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また基材はプライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていてもよい。
これらの他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い各種紙が挙げられる。さらには、事務分野や通常の印刷、包装などに用いられるコート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等を用いることもできる。また、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ各種繊維の織布や不織布も基材として使用することができる。各種繊維としてはガラス繊維、石綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊維、アクリル繊維、若しくはビニロン繊維などの合成樹脂繊維が挙げられる。
着色ベタ層2の形成に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。このバインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
この着色ベタ層2は厚さ1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
なお、着色層3は、基材上前面に設けられていても、図1に示すように部分的に設けられたものであってもよい。
着色層3に用いるインキとしては、着色ベタ層2に用いるインキと同様のものを用いることができる。
着色層3の厚さについては特に制限はないが、通常1〜30μm程度、好ましくは1 〜20μmの範囲である。
前記熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
保護層4の厚さについては特に制限はないが、通常1〜20μm程度、好ましくは1 〜10μmの範囲である。
盛上層7の材料としては、特に限定されず、例えば、着色ベタ層2に用いるインキや保護層4で挙げた前記熱硬化性樹脂又は電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物を用いることができる。
前記電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来、電離放射線もしくは紫外線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
本発明における盛上部6の形状は、不定型な絵柄であり、例えば図2に示すような形状であり、図3〜5に示すような規則的な定形の形状では、セル目が見られ、高い意匠性が得られない。
また、盛上層7の絵柄を着色層3と同調させることにより、木目のリアル感が得られる。
また、保護層4に対する盛上部6の占有面積は30〜99%であると好ましく、この範囲内であれば、触感、マット感、光沢感等の意匠性の効果が十分に得られる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
木質系の板としては、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等各種素材の突板、木材単板、木材合板、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質材等が挙げられる。これらは単独で、又は積層して用いることもできる。なお、木質系の板には、木質板に限らず、紙粉入りのプラスチック板や、補強され強度を有する紙類も包含される。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基材として使用できる。
化粧シートに、和紙、洋紙、合成紙、不織布、織布、寒冷紗、含浸紙、合成樹脂シート等の裏打ち材を貼着して用いてもよい。裏打ち材を貼着することにより、化粧シート自体の補強、化粧シートの割れや破け防止、接着剤の化粧シート表面への染み出し防止等の作用がなされ、不良品の発生が防止されると共に、取り扱いが容易となることとなり、生産性を向上することができる。
このようにして接着剤を介して毎葉ごとにあるいは連続して化粧シートが載置された基板を、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機,真空プレス等の貼着装置を用いて圧締して、化粧シートを基板表面に接着し、化粧板とする。
化粧シートの基板上への貼着は、通常、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を形成し、基板を貼着するか基板の上に接着剤を塗布し、化粧シートを貼着する等の方法による。
なお、実施例及び比較例において、導管部及び盛上部の占有面積、触感、視角装飾感を以下のようにして測定した。
(1)導管部及び盛上部の占有面積の測定方法
オリンパス光学工業株式会社製 非接触表面粗さ計「3次元測定顕微鏡」STM6ZP(商品名)を用い、倍率50倍、測定ピッチ0.1010mm、駆動スピードは高速の条件で測定した。
(2)触感
(i)盛上感
人の手で接触した感触を以下の基準で評価した。
○:大きな盛上感がある
△:若干の盛上感がある
×:殆ど盛上感が無い
(ii)微細な凹凸感
人の手で接触した感触を以下の基準で評価した。
○:一つ一つの盛上げ形状が小さく繊細な凹凸感がある
△:若干の微細な凹凸感がある
×:一つ一つの盛上げ形状が大きく繊細な凹凸感がない
(3)視覚装飾感
(iii) 木目意匠感(ランダム性)
目視で観察した結果を以下の基準で評価した。
○:盛上部がランダム形状で本杢に近い
×:盛上部が定形でランダム形状ではなく本杢感がない
(iv)光沢感
目視で観察した結果を以下の基準で評価した。
○:見る角度によって照りが変化する
△:照りがあるものの見る角度によって変化が殆ど無い
×:照りが全く無い
基材5として、米秤量30g/m2の建材用紙間強化紙を用い、その片面にアクリル樹脂と硝化綿をバインダーとし、チタン白、弁柄、黄鉛を着色剤とするインキを用いて、塗工量5g/m2の(全面ベタ)層をグラビア印刷にて施して着色ベタ層2とした。その上に硝化綿をバインダーとし、弁柄を主成分とする着色剤を含有するインキを用いて、木目模様の着色層3をグラビア印刷にて形成した。
次いで、これらインキ層の上に、アクリルポリオールとイソシアネートからなるウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「UC」)を55質量%及び平均粒子径約2μmであるシリカ粒子を22.5質量%となるように酢酸エチル(溶剤)に溶解又は分散して得た熱硬化性樹脂組成物を塗工量5g/m2でグラビア印刷にて塗工し保護層4とした。
その後、アクリル樹脂を主成分とした盛り上げ用のインキ(大日精化工業(株)製、商品名:KKBキュアUセミマットメヂウム)を用いて、図2に示すような不定型な形状の絵柄の版型を用い、表1に示す版深にてグラビア印刷で凸部を形成し、多数の盛上部6からなる盛上層7を形成し、化粧シート1を製造した。
得られた化粧シート1の保護層4上における、導管部の占有面積及び盛上部6の占有面積を測定した結果を表1に示す。また、前記(2)〜(3)の評価をした結果を表1に示す。
なお、表1において、最大高さとは、盛上部の最大の高さであり、高さピークとは、盛上部の高さ分布をヒストグラム(図6参照)で表した際に、占有面積が最大となる高さのことである。
実施例1において、版型として図2の不定型な形状の絵柄の版型の代わりに、図3に示す定型な格子模様の版型(50L/2.54cm(Lは線数を示す):版深40〜80μm)(比較例1)、図4に示す定型な格子を列ごとに1/2ずらした模様の版型(50L/2.54cm:版深60〜100μm)(比較例2)、図5に示す亀甲(60L/2.54cm)模様の版型(版深60μm)(比較例3)、図5に示す亀甲(30L/2.54cm)模様の版型(版深60μm)(比較例4)の版型、図5に示す亀甲(60L/2.54cm)模様の版型(版深80μm)(比較例5)の版型を用いて凸部を形成した以外は同様にして化粧シートを製造した。
得られた化粧シートの保護層上における、導管部の占有面積及び盛上部の占有面積を測定した結果を表1に示す。また、前記(2)〜(3)の評価をした結果を表1に示す。
特に木目模様に用いた場合には、盛上部の凹凸感をリアルに表現でき、実際の木材を用いた材料と同様の質感を得ることができる。また、建築物の内装,外装,家具,建具の表面化粧、車両の内装等に適している。
2.着色ベタ層
3.着色層
4.保護層
5.基材
6.盛上部
7.盛上層
Claims (7)
- 基材上に少なくとも、着色層と、該着色層を被覆する保護層と、該保護層上に設けられた多数の盛上部から形成された盛上層とがこの順に積層されてなる化粧シートであって、該盛上部が不定型な形状の絵柄である化粧シート。
- 前記着色層が絵柄層である請求項1に記載の化粧シート。
- 前記盛上部の高さが10〜80μmである請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記保護層に対する盛上部の占有面積が30〜99%である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記絵柄層が木目柄であり、前記盛上部の間が木目柄の導管部と同調されてなる請求項2〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記絵柄層が抽象柄である請求項2〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記基材と着色層との間に着色ベタ層を有する請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
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