JP2004050827A - 化粧シートとその製造方法、及び化粧材 - Google Patents

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阿部 一浩
Takayuki Shibata
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Abstract

【課題】目痩せが目立ち難く、耐スクラッチ性と共に耐汚染性も優れ、立体意匠感も表現可能な構成を低コストで実現する。また、ドクター筋発生も改善する。
【解決手段】化粧シートSは、基材シート1上に架橋硬化性樹脂のインキによる凸模様2を有し、しかもそのインキによる印刷部分cのインキを、印刷部分の凸なる形状を残して非印刷部分dに流展させて非印刷部分を被覆した凸模様とする。樹脂は電離放射線硬化性樹脂が好ましいが、その場合、艶調整用に艶消しシリカを含有させるときは、更に充填剤として水酸化マグネシウムを含有させたり、艶消しシリカを脂肪酸系ワックスで表面処理したシリカにしたりすると、無溶剤のインキでドクターブレードとグラビア版を用いて形成する際に、ドクター筋発生を改善できる。化粧シートSを適宜接着剤層4を介して被着基材5に積層すれば化粧材Dとなる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目痩せが目立ち難く、耐スクラッチ性及び耐汚染性に優れ、且つ立体感のある意匠感も表現可能で、表面の艶も落とせる化粧シートとその製造方法、及び化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙や樹脂シート等を用いた化粧シート、或いは該化粧シートを被着基材に貼着した板状形状等の化粧材が、建築物内装材、建具等の各種用途で使用されている。そして、通常、これら化粧シートや化粧材には、表面強度として耐スクラッチ性等の表面強度が要求されることが多い。この為、化粧シートの表面には、従来から、(1)例えば、2液硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂層を、均一厚みの樹脂塗膜として塗布形成したものが用いられて来た(特許文献1、特許文献2等参照)。
【0003】
或いはまた、表面凹凸意匠、耐摩耗性向上等の目的で、表面の硬化性樹脂層を凹凸模様とした形成した化粧シートも提案されている。(2)例えば、図3の断面図で示す化粧シート20の如く、基材21上に柄印刷層22を設けた上に、ウレタン系樹脂インキの塗膜層23を全面に設け、更にこの上にウレタン系樹脂インキの盛上げ印刷による凹凸模様24を設けた構成である(特許文献3参照)。(3)或いは、図4の断面図で示す化粧シート20の如く、基材21上に柄印刷層22を設け、この上に硬化性樹脂の塗膜層23を全面に設けてから、硬化性樹脂インキの盛上げ印刷による凹凸模様24を設けた上に、更にその凹凸模様24上の全面に硬化性樹脂のオーバーコート層25を設けた構成(特許文献4参照)等である。
【0004】
ところで、表面の硬化性樹脂層等の樹脂層の形成は、ドクターブレードとグラビア版を用いれば(グラビア塗工、グラビア印刷)、セル容積を制御することで樹脂層に厚さ変化を付けたり、パターン状に形成したりして、豊かな意匠表現も可能となる。
【0005】
ただ、グラビア塗工或いはグラビア印刷に於いては、長時間、運転しているとドクター筋が発生してくる。ドクター筋は、ドクターブレードがその幅方向に均一に摩耗してくれれば良いのだが、そうでは無く、先端が局所的に削り取られ、先端を横切る様な溝状傷(ドクターダメージ)が発生し、この部分でインキ掻き取りが不十分となる為に発生する。この様なドクター筋は、ドクターブレードの交換を早目に行えば回避でき、また、ドクターブレードとして、旧来の鋼製ドクターブレードに代えてセラミックで表面を被覆した鋼製ドクター(以下、単に「セラミックドクター」と呼称する)を使用することで改善する。
【0006】
また、ドクター筋は、インキ乃至は塗液の組成面でも、その改善が試みられている。例えば、ロゼット状結晶をもつ無機顔料(特殊軽質炭酸カルシウム)を含有させたり(特許文献5)、水性インキにてN−ベンゾイルアミノアルカン酸アミン塩を含有させたり(特許文献6)、ポリカーボネート系樹脂等の球状の充填剤を含有させたり(特許文献7)、した組成物が提案されている。
【0007】
しかし、インキ乃至は塗液が、艶消しシリカ等の艶消し剤を含有している場合には、ドクター筋が特に発生し易かった。艶消しシリカは、化粧材表面の高艶が嫌われる等、艶を落とした表面(文字通りの艶消しの面の他、艶は有るが低艶の面等も含む)が要求される場合に使われ、従って、表面の樹脂層は、艶消し剤を添加した艶調整樹脂層として形成する(特許文献8等参照)。なお、艶消し剤としては各種あるが、なかでも艶消し効果が大きい点、コスト等の点で、艶消しシリカが最も一般的である。
【0008】
【特許文献1】
特開昭53−64289号公報
【特許文献2】
特公昭49−31033号公報
【特許文献3】
特開平8−100397号公報
【特許文献4】
特開平8−244193号公報
【特許文献5】
特開平5−51549号公報
【特許文献6】
特開平6−220385号公報
【特許文献7】
特開平11−277685号公報(段落〔0013〕)
【特許文献8】
特許第2856862号公報(請求項2、第3頁右欄第48行〜第4頁左欄第8行)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表面に全面均一な厚みの硬化性樹脂層を塗布形成した前記(1)の様な化粧シートでは、硬化性樹脂層によって耐スクラッチ性は向上するが、所謂「目痩せ」という不具合が起き易かった。目痩せは、特に、化粧シートが、化粧紙、塗工紙等の形態で基材シートが紙等で薄い場合に、ラワン合板、パーチクルボード等の木質基板等の被着基材に、該化粧シートを貼着して化粧材とした場合に、被着基材表面の導管等の凹凸が化粧シート表面にまで浮き出て目立ってしまう現象である。
【0010】
上記目痩せの点では、上記(2)及び(3)の様に、盛上げ印刷による凹凸模様を設けた化粧シートでは、該凹凸模様によって、立体意匠感の表現もさることながら、目痩せを視覚的に目立ち難くできる上、耐スクラッチ性も得られることが判明した。しかし、(2)の化粧シートは凹凸模様24の下側に凹凸模様と同様の硬化性樹脂による塗膜層23を設け、(3)の化粧シートは凹凸模様24の上側に凹凸模様と同様の硬化性樹脂によるオーバーコート層25を設けるものであり、凹凸模様の盛上げ印刷工程の他に塗膜層やオーバーコート層の塗工工程が追加的に必要となり、工程的、材料費的にコスト高となるのは避けられなかった。
【0011】
上記コストの点では、塗膜層やオーバーコート層を省略して、基材シート21/柄印刷層22/凹凸模様24とする構成も考えられる。しかし、この様な構成では、耐スクラッチ性の他に、更に耐汚染性も要求される用途に対しては、十分な性能が得られなかった。それは、凹凸模様24の凸部aは、凹凸模様を硬化性樹脂で形成することで耐汚染性が得られたとしても、盛り上げ印刷の凹凸模様の凹部bでは、柄印刷層22や基材シート21等の凹凸模様の下層が露出することになる為に、下層の耐汚染性の悪さによって化粧シート全体としての耐汚染性が低下するからである(図3参照)。
【0012】
一方、表面の艶調整の為に、艶消しシリカを添加すると、ドクター筋が発生し易くなるという問題があったが、表面の硬化性樹脂層を特に電離放射線硬化性樹脂で、それも無溶剤で形成する場合には、より顕著であった。しかも、電離放射線硬化性樹脂の場合、それ単体では表面が高艶になり易くて、そのままでは艶を下げるのが難しく、高艶が嫌われる用途では艶消し剤を添加せざるを得ず、ドクター筋を改善し生産し易くする事は不可避の問題であった。
なお、艶消し剤添加が、樹脂が電離放射線硬化性樹脂の場合にドクター筋発生に結びつき易い理由は、2液硬化型ウレタン樹脂等を溶剤希釈して用いる場合には、溶剤乾燥に伴う塗膜体積収縮で艶消し剤が表面に浮き出すリフトアップ効果が艶消しに寄与するが、無溶剤の場合はリフトアップ効果が無い為に、その分、艶消し剤の添加量や粒径を大き目にする必要があるからである。また、無溶剤の場合は、塗布後のレベリング効果が少ない為に、ドクター筋がそのまま残り易いというのも原因である。なお、ドクター筋はセラミックドクターの使用で改善はするが、艶消しシリカ添加による差が無くなるものではない。
【0013】
すなわち、本発明の課題は、特に化粧紙等の化粧シート、或いはそれを貼着した化粧材に於いて、目痩せが目立ち難く、耐スクラッチ性と共に耐汚染性にも優れ、且つ立体感のある意匠感も表現可能な構成を、なるべく低コストで実現できる様にすることである。
また、本発明の課題は、上記の如き化粧シートにおいて、表面の艶調整の為に、艶消しシリカの添加によって表面艶を落とした場合でも、ドクター筋発生を改善する事である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の化粧シートは、基材シート上に凸模様が形成されている化粧シートにおいて、該凸模様は、架橋硬化性樹脂のインキで形成され、且つ該インキによる印刷部分から非印刷部分に該印刷部分のインキを該印刷部分の凸なる形状を残して流展させて前記非印刷部分を被覆して成る構成とした。
【0015】
この様な構成として、化粧シート表面に設ける硬化性樹脂層を、全面均一な厚さでは無く、架橋硬化性樹脂のインキによる凸模様として設ける事により、化粧シート表面と接触する他の物体から及ぼされる該表面に加わる応力が該凸模様で分散し、表面に傷が付き難くできる。また、これに加えて、たとえ傷が付いたとしても、該傷が凸模様によって、視覚的に目立ち難くなる。従って、通常の架橋硬化性樹脂を用いても、従来の如く全面平滑、均一厚みの樹脂塗膜を形成した化粧シートに比べて、耐スクラッチ性に優れた化粧シートにできる。
しかも、凸模様は、耐汚染性に良い架橋硬化性樹脂で形成してあり、更にその凸部と凸部との間の凹部にも、凸部から架橋硬化性樹脂のインキを流展させて凸模様の下層を被覆する様に形成してあるので、耐汚染性が不十分な下層が露出する事による化粧シート表面全体としての耐汚染性の低下は起きず、耐汚染性も良好となる。この為、凸模様の下層が熱可塑性樹脂等の耐汚染性に乏しい樹脂を用いた装飾層や、耐汚染性に乏しい基材シート等であっても、耐汚染性が得られる。しかも、凹部で下層が露出しない様にする為に、追加的に、凸模様の下に全面の塗膜層や、凸模様の上に全面のオーバーコート層を設ける必要が無く、また凹部も被覆した本凸模様は一回の印刷工程で、その凸部と凹部が連続した単層の層として形成することができる。従って、凸模様の下側の塗膜層や上側のオーバーコート層の為の追加工程、追加材料が不要となるので、工程的、材料費的に低コストで耐汚染性を実現できる。
また、化粧シートを被着基材に貼着時に、該化粧シートを介して表面に浮き出した凹凸による目痩せが起きたとしても、化粧シート表面の凸模様によって、視覚的に目痩せを目立ち難くできる。
また、表面の凸模様によって、立体的な意匠感の表現もできる。
【0016】
また、本発明の化粧シートは、上記構成において、架橋硬化性樹脂が艶調整用の艶消しシリカと、該艶消しシリカよりも平均粒径が小さい微粒子シリカとを含有する構成とした。
この様な構成とすることで、インキのチクソトロピック性を適度に調整し、凸模様の流展を適正に且つ確実に得ることが出来る。
【0017】
また、本発明の化粧シートは、上記いずれかの構成において、架橋硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂である構成とした。
この様な構成とすることで、耐スクラッチ性及び耐汚染性をより確実に向上できる。
【0018】
また、本発明の化粧シートは、上記構成において、電離放射線硬化性樹脂が水酸化アルミニウムを含有する構成とした。
この様な構成とすることで、耐スクラッチ性をより向上できる。
【0019】
また、本発明の化粧シートは、上記電離放射線硬化性樹脂を用いるいずれかの構成において、電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有し、更に充填剤として水酸化マグネシウム、又は炭酸マグネシウムのいずれかを含有する構成とした。
この様な構成とすることで、凸模様を構成する電離放射線硬化性樹脂が艶消し剤として艶消しシリカを含有していても、艶調整の為に艶を落とした凸模様を(ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により)形成する時の、ドクター筋を改善できる。
【0020】
また、本発明の化粧シートは、上記電離放射線硬化性樹脂を用いるいずれかの構成において、電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有し、該艶消しシリカが脂肪酸系ワックスで表面処理されたシリカである構成とした。
この様な構成とすることで、凸模様を構成する電離放射線硬化性樹脂が艶消し剤として艶消しシリカを含有していても、脂肪酸系ワックスで表面処理されている為に、艶調整の為に艶を落とした凸模様を(ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により)形成する時の、ドクター筋を改善できる。
【0021】
また、本発明の化粧シートの製造方法は、上記化粧シートのうち、艶消しシリカを含有する電離放射線硬化性樹脂からなる凸模様が形成されている化粧シートに関する製造方法であって、凸模様を形成するに際して、電離放射線硬化性樹脂のインキを無溶剤で、ドクターブレードとグラビア版とを用いて形成する様にした。
この様な構成の製造方法とすることで、艶調整の為に化粧シートの凸模様が艶消し剤として艶消しシリカを含有していても、凸模様を、ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により形成する時の、ドクター筋を改善できる。
【0022】
また、本発明の化粧材は、被着基材上に、前記いずれかの構成の化粧シートを、その基材シートが被着基材と対向する向きで積層して成る構成とした。
この様な構成とすることで、それぞれで用いる各化粧シートによる前述効果が、各々の化粧材において得られる。すなわち、耐スクラッチ性に優れる上、耐汚染性にも優れる。しかも、工程的、材料費的に低コストで耐汚染性を実現できる。また、視覚的に目痩せも目立ち難くい上、立体的な意匠感の表現もできる。更に、化粧シート部分の凸模様の架橋硬化性樹脂を電離放射線硬化性樹脂としておけば、より確実に耐スクラッチ性及び耐汚染性を向上できる。また、艶調整の為に艶を落とした凸模様を(ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により)形成する時の、ドクター筋を改善できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面を参照しながら実施の形態を説明する。
【0024】
〔概要〕
図1は本発明による化粧シートSと化粧材D、及びそれらに於ける凸模様2を説明する断面図である。図1(A)は化粧シートSの一形態例示する断面図、図1(B)は化粧材Dの一形態を例示する断面図、そして、図1(C)と1(D)は凸模様2の断面形状を、凸模様の形成前段階と形成後で概念的に示す断面図である。
【0025】
図1(A)に例示の如く、本発明の化粧シートSは、少なくとも、基材シート1上に前述した如き本発明特有の凸模様2が化粧シート表面に形成されたものであり、通常、同図の如く、基材シート1に凸模様2を形成する前に、該基材シート1の凸模様2側には、絵柄等の意匠表現の為に柄印刷層等の装飾層3を印刷等により形成しておく。従って、通常は、基材シート1と凸模様2との間には装飾層3を有する。なお、もちろんだが、用途、意匠表現等によって、この装飾層3は省略できるものである。
【0026】
また、凸模様の架橋硬化性樹脂に電離放射線硬化性樹脂を使用し、それも調整用に艶消しシリカを含有させる場合には、更に充填剤として水酸化マグネシウムを含有させたり、艶消しシリカを脂肪酸系ワックスで表面処理されたシリカとするのが好ましい。凸模様を無溶剤のインキで、ドクターブレードとグラビア版とを用いてグラビア印刷で形成する場合に、ドクター筋の発生を改善できるからである。
【0027】
そして、この様な化粧シートSを、適宜接着剤層4により被着基材5に貼着すれば、図1(B)に例示の様な化粧材Dが得られる。なお、図1(B)で示す化粧材Dでは、その化粧シートS部分は、その表面側に有する本発明特有の凸模様2のみを示し、化粧シート層構成の表示は省略してある。該層構成は例えば、図1(A)の如き構成であるが、用途に応じた適宜構成となる。
【0028】
以下、更に、本発明について凸模様から詳述する。
【0029】
〔凸模様〕
先ず、凸模様2は、架橋硬化性樹脂のインキで形成され、且つ、図1(C)及び図1(D)で示す如く、且つ、該インキによる印刷部分cから非印刷部分dに、該印刷部分のインキを、該印刷部分が非印刷部分に対して凸となる形状が残り印刷部分と非印刷部分との高低差が無くなり平坦化しない程度に流展させて前記非印刷部分の少なくとも一部、好ましくは全面を被覆した凸模様として形成する。なお、もちろんだが、架橋硬化性樹脂のインキは、本化粧シート上に於いては架橋硬化されて架橋硬化物となっている。
【0030】
本発明による凸模様2は、従来技術欄で説明した単なる盛上げ印刷による凹凸模様24とは異なり、凸部aと凸部aとの間の凹部bにも、凸部から流展させたインキによって、凸模様2の下層〔図1(A)の場合では装飾層3〕を被覆してある。上記凸部aは印刷部分cに起因し、凹部bは非印刷部分dに起因する。その為、本発明では、印刷版からインキが転移した部分である印刷部分cに対して、非印刷部分dにもインキ転移後、印刷部分cのインキを流動させて展開して非印刷部分の少なくとも一部が該インキで覆われる様にする。但し、非印刷部分にもインキが流展することで、印刷部分と非印刷部分とを含む全面が平坦面となってしまい印刷時の凹凸が解消してしまっては、単なる厚み均一の塗膜と同じとなり意味がない。従って、印刷部分の凸なる形状が残る程度に流展させた凸模様とする。もちろん、印刷部分の凸なる形状が残るとは言っても、印刷直後に於ける印刷部分の断面形状で凸なる形状が、そっくりそのままの形状で残るのではない。印刷部分から非印刷部分に流動したインキ量の分だけ印刷部分を占めるインキは減少するので、その分は印刷部分の凸形状の高さは低下し、凸部の山形状は鈍ることになる。しかし、基本的に印刷部分が凸であるという形状自体は残ることにる。
【0031】
なお、本発明による凸模様では、非印刷部分に起因する凹部は、印刷部分からのインキの流展によって被覆されているのだが、その被覆の程度としては少なくとも非印刷部分の一部が被覆されていれば、相応の耐汚染性向上効果は得られるので構わない。但し、もちろんだが、より広い面積が完全に被覆されているのが、より好ましい。非印刷部分が全面完全に被覆されていることが最も好ましい。また、被覆を見かけ上で完全にする点では、同じ架橋硬化性樹脂のインキの2回(色)刷りで、全面ベタ柄印刷後、凸パターン柄を印刷して凸模様を形成して被覆されていない部分も同じ架橋硬化性樹脂とする策もあり得るが、これでは工程増、コスト増に繋がる。従って、工程増、コスト増を防げる点に於いて、もちろん1回(色)刷りで凸模様を形成して、凸模様の凸部も凹部も連続した単層の層として形成するのが好ましい。
【0032】
この様に、印刷部分の凸なる形状が残る程度に非印刷部分にインキを流展させる為には、印刷部分へのインキ転移量(印刷部分の高さ及びその面積比率)、インキの流動性(粘度及びチクソトロピック性)を、適宜調整すると良い。
印刷部分へのインキ転移量を多くすれば、印刷部分からのインキで非印刷部分を被覆し易くなる。なお、インキ転移量は、例えばグラビア印刷による場合であれば版深で調整する。このインキ転移量は、条件にもよるが、乾燥時塗布量換算で4g/m以上とすると、良好なる結果を得やすい。
一方、粘度は大き過ぎると印刷部分からのインキで非印刷部分を十分に覆えず、逆に小さすぎると印刷部分の凸なる形状を維持できなくなる。
【0033】
また、チクソトロピック性は極度に大きくすると、印刷部分から非印刷部分へのインキの流動は全く無いか、あっても僅かとなる。従って、これでは、非印刷部分を印刷部分のインキで十分に被覆することはできない。一方、インキのチクソトロピック性が極度に小さいと、印刷部分から非印刷部分へのインキの流動は円滑に行われ、表面が平坦となるレベリングした状態、或いはその状態に近くなる。従って、この場合では、逆に全面厚さ均一の塗膜と同じとなってしまう。そこで、インキのチクソトロピック性は、大き過ぎず且つ小さ過ぎず、適度な量に調整する。但し、好ましいチクソトロピック性の程度は、印刷部分のパターン形状(膜厚乃至はインキ転移量、幅等)、或いは非印刷部分のパターンにもよる。非印刷部分がより広いならば、印刷部分から非印刷部分へのインキの流展はより広範囲(長距離)に及ぶ様にする必要があり、その為にはチクソトロピック性は小さめにするのが良い。
【0034】
ところで、好ましい粘度及びチクソトロピック性は、形成すべき凸模様の平面パターン形状及び高さ等にもよるので、一概に言えるものでは無い。例えば、求められる表面凹凸意匠感、それによる凸模様パターン形状、凸模様自体に求められる表面艶消意匠感とそれに応じた艶消し剤有無及びその配合量、凸模様の下層のインキ浸透性有無及びその程度、要求される耐スクラッチ性及び耐汚染性、等に応じて、好ましい粘度及びチクソトロピック性は変わってくる。この為、具体的には、これら特性を考慮しつつインキ組成を振って、インキの流展度合いを表面の顕微鏡観察等で確認しつつ耐汚染性が良好となる条件を見出して行くと良い。
【0035】
ここで、粘度及びチクソトロピック性の具体例を挙げれば、E型回転粘度計での測定で、(見かけ)粘度は500〜1000mPa・s(回転数50rpm、温度35℃時)程度である。チクソトロピック性は、チクソトロピックインデックス値(TI値)で、1.5前後である。なお、該チクソトロピックインデックス値(TI値)は、回転数5rpm時の粘度の回転数50rpm時の粘度に対する比率としてである。また、上記粘度の測定温度は印刷時のインキの実温度に対応したものであるが、印刷時の実温度は、適宜冷却、加温して調整すれば良く、この温度に限定されるものでは無い。
【0036】
ところで、従来の盛上げ印刷による凹凸模様は、印刷部分として形成された凸部の盛上げ形状を出来るだけ維持し凸部の高さが低下しない様にすることを念頭に於いて成されるものであった。従って、従来の盛上げ印刷ならば、チクソトロピック性は可能な限り大きなものとすれば良い。しかし、本発明では、従来の盛上げ印刷とは考え方が異なり、該盛上げ印刷から見れば、あえてインキを流して凸模様を形成する。これは、従来の盛上げ印刷からすれば、全くのその思想の範囲外のことであり、その思想外の領域において有益な作用効果を見出したのが本発明である。
【0037】
なお、インキの粘度、チクソトロピック性等の調整は、インキのバインダー樹脂(架橋硬化性樹脂)、チクソ剤としての微粉末シリカ等の無機系充填剤、或いは、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム等の無機系充填剤や樹脂ビーズ等の有機系充填剤、希釈溶剤の使用有無、及びこれらの配合量、インキ印刷時(及び固化までの)温度、等により適宜調整することができる。また、充填剤の添加においては、平均粒径の異なる2種類の充填剤を添加するのも効果的である。具体例を挙げれば、平均粒径がnmオーダーの微粒子シリカ粉末と、平均粒径が5〜20μm前後の艶消しシリカ粉末の併用等と、平均粒径小なる充填剤と平均粒径大なる充填剤との併用である。また、平均粒径以外に粒度分布にも注目して、適宜な流展性とするのも良い。
【0038】
ここで、図2の平面図で、凸模様2の平面視形状の一例を示す。同図に示す凸模様は、多数の蛇行した線分等からなる模様である。なお、同図は、凸模様を印刷形成する為の印刷版上での模様(印刷部分が黒い部分)であり、縦5.25cm、横3.5cmの面の(4倍)拡大図である。
なお、凸模様の平面視形状は、特に限定されるものでは無く、用途に応じた平面視形状とすれば良い。但し、例えば印刷部分が所々に離れて点在している様な、極端に非印刷部分が印刷部分に比べて広いものは、インキの流展にも限界がある為に、非印刷部分を印刷部分のインキで被覆しきれなくなるから避けるのが好ましい。
【0039】
また、凸模様の平面視形状は、図2で例示の如くランダムな形状以外に、規則性を有する形状であっても良い。例えば、波型形状、ヘアランイ形状等である。また、凸模様の平面視形状は、図2の如く複数の各印刷部分が互いに独立した有限面積のもの以外に、線分の如く化粧シート或いは化粧板全面に及ぶ連続した印刷部分であっても良い。これらは、意匠表現次第でもある。
なお、ランダムな形状は、凸模様による耐スクラッチ性の強度ムラを与えない点、及び、凸模様に視覚的な不均一感を与えて視覚的なムラを感じさせない点で、好ましい形状である。
【0040】
上記の如き、凸模様2を形成するには、好適には印刷法で形成することができる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷等の厚くインキを着肉できる公知の印刷法を適宜採用すれば良い。なかでも、グラビア印刷は、化粧シートを連続帯状物として連続生産することが容易にできる点で好ましい。
なお、凸模様の具体的大きさは、要求される耐スクラッチ性、凹凸意匠表現等によれば良いが、通常、凸模様の高さ(最高位の凸部頂上と最低位の凹部谷底との高低差)は、5〜50μm程度、凸模様の凹部を挟んで隣接する凸部頂上間の距離は、0.2〜2mm程度にすれば、良好なる耐スクラッチ性が得られる。
【0041】
なお、非印刷部分もインキを流展させて被覆するには、インキの流動性の調整以外に、印刷部分と非印刷部分の面積割合を調整するのも良い。この為には、凸模様を印刷形成する為の印刷版の画線部(印刷部分)のパターンの太さを(或いは広さ)を、製版条件等の調整により可変させる。印刷部分を相対的に狭く柄密度小で、非印刷部分を被覆し難い場合には、柄密度大として非印刷部分を被覆し易くすると良い。
【0042】
また、非印刷部分もインキを流展させて被覆する際に、インキの印刷面の浸透性が影響することもある。例えば、基材シートが紙等の浸透性基材で印刷面のインキ浸透性が大きい場合には、印刷面にインキの一部が浸透してしまい、非印刷部分へのインキの流展が不十分となることがある。この様な場合には、印刷面のインキ浸透性を低下させる為に、紙等では予め樹脂を含浸して浸透性を低下させた含浸紙を使用するのは効果的である。或いはまた、基材シートに浸透性の紙をそのまま使用する場合には、樹脂塗工によるシーラー層等を設けておくのも効果的である。
【0043】
凸模様2を形成する架橋硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の架橋硬化可能な硬化性樹脂が使用される。この様な硬化性樹脂を架橋硬化させた架橋硬化物で凸模様を形成することで、優れた耐スクラッチ性が得られる。なかでも、電離放射線硬化性樹脂は、耐スクラッチ性及び耐汚染性をより確実に向上できる点で好ましい。
【0044】
上記電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した電離放射線により架橋硬化可能な組成物が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放射線とは、分子を架橋硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
【0045】
上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。これらプレポリマー、モノマーは、単体で用いるか、或いは複数種混合して用いる。なお、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、電離放射線硬化性樹脂としては、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用いられる。
【0046】
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
【0047】
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0048】
分子中にカチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
チオールとしては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールがある。また、ポリエンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等がある。
【0049】
なお、紫外線又は可視光線にて架橋硬化させる場合には、電離放射線硬化性樹脂に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。
なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度である。
【0050】
また、上記電離放射線硬化性樹脂には、物性調整等の為に更に必要に応じ適宜、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂を混合使用しても良い。
【0051】
なお、電離放射線の線源としては、紫外線源としては、超高圧水銀燈、高圧水銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク燈、ブラックライト型螢光燈、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。
また、電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。電子線の照射線量は、通常20〜150kGy程度である。
【0052】
また、前記熱硬化性樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が用いらる。
【0053】
なお、2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤としイソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂であるが、そのポリオール成分としては、分子中に2個以上の水酸基を有するものとして、例えば一般的には汎用のものとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が用いられる。一方、イソシアネート成分としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。
尚、上記イソシアネートに於いて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは耐候性、耐熱黄変性も良好に出来る点で好ましく、具体的には例えばヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
【0054】
なお、上述した如き架橋硬化性樹脂中には、必要に応じて適宜、各種添加剤を添加する。これらの添加剤としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の艶消し剤、シリコーン、ワックス等の滑剤、染料、顔料等の着色剤等である。
なお、凸模様は、用途に応じて、透明、半透明、不透明、着色、無着色等とする。
【0055】
なお、凸模様による耐スクラッチ性をより向上させる為には、凸模様の電離放射線硬化性樹脂中に、更に充填剤として水酸化アルミニウムを含有させるのが好ましい。樹脂よりも硬質の水酸化アルミニウム粒子によって、耐スクラッチ性が更に向上する。
【0056】
なお、艶調整の為に艶消しシリカ等の艶消し剤を添加する場合に於いて、凸模様をドクターブレードとグラビア版とを用いてグラビア印刷で形成する際は、ドクター筋の発生を抑制する為に、更に充填剤として水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムのいずれかを添加したり、艶消しシリカとして脂肪酸系ワックスで表面処理されたシリカを用いたり、或いはこれらの策を併用するのが好ましい。特に、架橋硬化性樹脂に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合、それも特に無溶剤で用いる場合に、効果的である。
【0057】
艶消しシリカの添加に加えて、水酸化マグネシウム等特定の充填剤を添加することで、艶消しシリカを添加しているにも拘わらず、グラビア印刷時のドクター筋の発生が改善される。
この場合、艶消しシリカとしては、従来公知の艶消し用途のシリカを用途に応じて適宜使用すれば良い。艶消しシリカの粒径は小さいほどドクター筋は少なくなるが、艶消し効果も低下する。一方、艶消し効果は、同じ粒径でも凸模様の厚さが薄いほど増す。従って、艶消しシリカの粒径は、必要な凸模様の厚さ、要求される艶消し度合い等を勘案して、適宜選択すると良い。
【0058】
例えば、凸模様の厚さが10〜15μmの場合では、艶消し効果を得るには、艶消しシリカの粒径は平均粒径で8μm以上のものを選択すると良い。一方、平均粒径の最大は、ドクター筋発生、艶消し効果等を勘案すると、15μm程度である。従って、艶消しシリカの粒径としては、通常、平均粒径で8〜15μm程度が好ましい。この範囲未満では、十分な艶消し効果が得られず、この範囲超過では(水酸化マグネシウム等を艶消しシリカと共に併用する策や、或いは脂肪酸系ワックス表面処理た艶消しシリカを用いる策を採用したとしても)ドクター筋が発生し易くなる。
また、艶消しシリカの添加量も小さいほどドクター筋は発生し難くなるが、艶消し効果も低下する。この為、添加量は、通常、樹脂分100質量部に対して、5〜20質量部、より好ましくは10〜20質量部程度とするのが良い。この範囲未満では、十分な艶消し効果が得られず、この範囲超過では(水酸化マグネシウム等を艶消しシリカと共に併用する策や、或いは脂肪酸系ワックス表面処理た艶消しシリカを用いる策を採用したとしても)ドクター筋が発生し易くなる。
【0059】
艶消しシリカと併用して充填剤として添加する水酸化マグネシウムは、屈折率が樹脂に近くて凸模様の樹脂層に透明性を付与する事もできる上、硬さがドクターブレードに対して軟らかい(モース硬度4乃至3以下)各種充填剤のなかでも、ドクター筋改善効果が得られた。例えば、モース硬度3と同程度の硬さの水酸化アルミニウムでもドクター筋改善効果が見られる。一方、モース硬度1と、より軟らかいタルクではドクター筋改善効果が得られなかった。
【0060】
なお、水酸化マグネシウムと同じマグネシウム化合物である炭酸マグネシウムも、水酸化マグネシウムと同様に、透明性を付与する事もできる上、硬さがドクターブレードに対して軟らかい(モース硬度4乃至3以下)各種充填剤のなかでもドクター筋改善効果も得られるが、凸模様の樹脂層自体の耐汚染性が低下すると云う特徴がある。よって、特に凸模様の耐汚染性を要求する場合は、水酸化マグネシウムの方が好ましい。但し、凸模様の耐汚染性をさほど要求しない場合は、炭酸マグネシウムを採用しても良い。
また、水酸化マグネシウム(或いは炭酸マグネシウムも同様に)で、評価試験した粒子形状は、不定形状で前述〔特許文献7〕の如く球形では無かったが、ドクター筋改善効果が得られた。
【0061】
これら、水酸化マグネシウム等の特定の充填剤の添加量は、インキ物性、艶消し度合い等に応じて適宜調整するが、樹脂分100質量部に対して、1〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部が好ましい。この範囲未満では、改善効果が十分に得られず、この範囲超過では、ドクター筋改善効果が減少してしまう。なお、水酸化マグネシウム等それ自体の艶消し効果は(艶消しシリカに比較して)小さいが、艶消しシリカ無しで、水酸化マグネシウム等のみで艶消し効果を得る為に高含有量にすると、例えば水酸化マグネシウム40質量部含有とすると、艶消しシリカ単体の場合よりもドクター筋が酷くなり逆効果となってしまう。
なお、水酸化マグネシウムの粒径は、平均粒径で最大でも10μm以下とするのが、ドクター筋改善の点で好ましい。
【0062】
また、艶消しシリカとして脂肪酸系ワックスによる表面処理シリカを採用することでも、艶消しシリカを添加しているにも拘わらず、ドクター筋の発生が改善される。上記脂肪酸系ワックスとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が用いられる。
【0063】
以上の如く、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムのいずれかを艶消しシリカと併用したり、艶消しシリカに脂肪酸系ワックスによる表面処理シリカを採用したり、或いはこれらの策を併用する事で、艶消しシリカ等の艶消し剤を含有させた電離放射線硬化性樹脂による凸模様を、ドクターブレードとグラビア版とを用いてグラビア印刷方式により形成する場合にて、艶消しシリカ使用で発生し易くなるドクター筋が改善される。なお、ドクターブレードとしては、鋼製の旧来のドクターブレードでも効果は得られるが、耐久性及びドクター筋が発生し難い点で、セラミックドクターが好ましい。
【0064】
〔基材シート〕
次に、基材シートとしては、例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート、或いはこれらの積層体等が使用される。
【0065】
なお、紙としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が使用される。
また、不織布としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、硝子等の繊維からなる不織布が使用される。紙や不織布の坪量は、通常20〜100g/m程度である。また、紙や不織布は、その繊維間乃至は他層との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止の為、或いは浸透性抑制の為に、更に、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。例えば、含浸紙である。
なお、基材シートに紙(或いは不織布も)を用いた化粧シートは、化粧紙となる。
【0066】
また、熱可塑性樹脂シートとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等が使用される。
【0067】
具体的には、例えば、(1)ポリエチレン(高密度、中密度、或いは低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型、或いはシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂。なお、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、上記に例示の如き結晶質ポリオレフィン樹脂からなるハードセグメントとエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アタクチックポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴム等のエラストマーから成るソフトセグメントを混合して成る。ハードセグメントとソフトセグメントとの混合比は、〔ソフトセグメント/ハードセグメント〕=5/95〜40/60(質量比)程度である。必要に応じて、エラストマー成分は、硫黄、過酸化水素等の公知の架橋剤によって架橋する。
【0068】
(2)ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂〔但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味〕。
【0069】
(3)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、非晶性ポリエステル等のポリエステル樹脂。なお、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントに高結晶で高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにはガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテル等を使用したブロックポリマー等があり、該高結晶性で高融点の芳香族ポリエステルには、例えばポリブチレンテレフタレートが使用され、該非晶性ポリエーテルには、ポリテトラメチレングリコール等が使用される。また、上記非晶質ポリエステルとしては、代表的には、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合体がある。
【0070】
(4)その他の樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
【0071】
基材シートの層構成としては、上述の紙、不織布、熱可塑性樹脂シート等を単層で、または、異種のものを2層以上積層して用いる。基材シートの厚み(積層体の場合は総厚み)は、通常25〜500μm程度である。
なお、目痩せを防止できる点では、紙や不織布等は特に効果的である。
【0072】
〔装飾層〕
装飾層3を設ければ、該層で絵柄を表現する等して、より高意匠な化粧シートにできる。但し、この場合、装飾層は、凸模様の下側とするのが、装飾層に対する耐摩耗性、耐スクラッチ性、耐汚染性等の耐久性の点で好ましい。より好ましくは、装飾層は、基材シートと凸模様との間に設けるのが好ましい。
【0073】
装飾層3は、インキ(又は塗料)を用いて、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の従来公知の印刷法、塗工法等で絵柄を表現した層等として形成する。絵柄としては、木目模様、石目模様、砂目模様、梨地模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ、或いはこれら二種以上の組合せ等を用いる。なお、全面ベタの場合は、ロールコート、グラビアコート等の公知の塗工法で形成しても良い。
【0074】
なお、装飾層の形成に用いるインキ(又は塗液)は、一般的なインキ(又は塗液)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダーの樹脂には、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を用いる。着色剤としては、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、カドミウムレッド、黄鉛、チタンイエロー、コバルトブルー、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料、二酸化チタン被覆雲母、貝殻、真鍮、アルミニウム等の鱗片状箔粉等の光輝性顔料、或いはその他染料等を着色剤として使用する。
【0075】
特に、絵柄インキ層を全面に形成し(全面ベタ)、着色剤として、チタン白、カーボンブラック(墨)、金属箔粉顔料等の高隠蔽性のものを添加することにより、被着基材の色調を隠蔽する隠蔽層としての機能を、装飾層に持たせることができる。
【0076】
〔その他の層〕
なお、化粧シートに於いて、必要に応じ適宜、上記基材シート、凸模様、装飾層以外の層を設けても良い。例えば、基材シートが紙等で浸透性が凸模様形成時のインキ流展に支障を来す場合のシーラー層、層間の密着性強化が必要な場合のプライマー層等である。シーラー層、プライマー層等は、化粧シートに於ける従来公知の材料及び方法によって形成すれば良い。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を用いたインキ或いは塗料で、グラビア印刷等の印刷法、ロールコート等の塗工法で形成する。
【0077】
〔被着基材〕
上述の如き構成からなる本発明の化粧シートSを、その基材シート側を被着基材5側に向けて被着基材5に積層すれば本発明の化粧材Dとなる〔図1(B)参照〕。化粧シートSと被着基材5とが、それら自体では接着性が得られない場合には、接着剤を使用して、それら間に接着剤層4を介在させた構成とすれば良い。
【0078】
被着基材5としては、化粧シートが積層できる形状であれば、特に制限は無い。例えば、被着基材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等である。具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料等がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料がある。また、木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等がある。また、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。
また、被着基材の形状としては、平板、曲面板、多角柱等任意である。
【0079】
なお、化粧シートと被着基材とを接着させる接着剤としては、特に制限は無い。被着基材の材質、用途、要求物性等に応じて、公知の接着剤の中から適宜なものを選択使用すれば良い。例えば、接着剤としては、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等からなる接着剤を使用する。接着剤は、ロールコート等の公知の塗工法で施せば良い。なお、接着剤は、被着基材、化粧シート、或いはこれら両方に施した後、化粧シートを被着基材に貼り合わせて積層する。
【0080】
〔用途〕
本発明による化粧シート或いはそれを被着基材に積層した化粧材の用途は、特に制限は無いが、例えば、壁、天井等の建築物内装材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面材、回縁、幅木等の造作部材の表面材、箪笥、キャビネット、机、食卓等の家具の表面材等に用いる。
【0081】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって、更に具体的に説明する。
【0082】
〔実施例1〕
先ず、坪量50g/mの樹脂含浸紙からなる基材シート1上に、ニトロセルロース系樹脂をバインダー樹脂に用いた着色インキを使用して、グラビア印刷の2回重ね刷りで、灰色の全面ベタ柄の隠蔽層を兼用する装飾層3を形成した。
【0083】
次いで、下記組成の架橋硬化性樹脂からなるインキAを、図2の平面視形状(拡大図示)の如き柄パターン形状の印刷版を用いて、1色刷りのグラビア印刷を行った。その印刷部分のインキは流展して非印刷部分を被覆して、凸模様は単層で凸部も凹部も連続した層となった。なお、インキの転移量は、固形分基準の塗布量で10g/mであった。なお、グラビア印刷時にドクターにはセラミックドクターを使用した。
【0084】
インキA:
エポキシアクリレートオリゴマー              24質量部
希釈モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)  76質量部
微粒子シリカ(平均粒径16nm)            0.5質量部
艶消しシリカ(平均粒径11μm)             16質量部
体質顔料(水酸化アルミニウム、平均粒径1.3μm)     5質量部
滑剤(シリコーンアクリレート)             1.2質量部
【0085】
そして、電子線照射装置にて、加速エネルギー175keV、被爆線量50kGyの条件で、電子線を照射して架橋硬化性樹脂を架橋硬化させて架橋硬化物として凸模様2を形成して、図1(A)の様な所望の化粧シートSを得た。
なお、凸模様の高低差は、最小部分10μm、最大部分40μmであった。また、凸模様の凸部間隔は、0.5〜2mmであった。
【0086】
次に、上記で得た化粧シートを用いて、図1(B)の様な化粧材Dを作製した。被着基材5としては厚さ3mmのラワン合板を使用した。そして、この被着基材上に、接着剤層4となる酢酸ビニル樹脂系エマルション型接着剤を塗布し、その上に前記化粧シートSを、その基材シート1側が接着剤層側に向く様にして積層して、所望の化粧材Dを得た。
【0087】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、凸模様形成の為の使用したインキAに代えて、下記組成のインキBを使用した他は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。なお、凸模様印刷時のインキの転移量は、固形分基準の塗布量で10g/mであった。そして、さらにこの化粧シートを用いて実施例1同様に、化粧材を作製した。但し、化粧シート作製の際、凸模様印刷時に印刷部分のインキの流展は不十分の様に見えた。
【0088】
インキB:
エポキシアクリレートオリゴマー              24質量部
希釈モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)  76質量部
微粒子シリカ(平均粒径16nm)            0.5質量部
艶消しシリカ(平均粒径7μm)              10質量部
体質顔料(水酸化アルミニウム、平均粒径1.3μm)     5質量部
滑剤(シリコーンアクリレート)             1.2質量部
【0089】
〔性能評価〕
実施例1及び比較例1で作製した化粧材について、耐スクラッチ性、目痩せ、耐汚染性を評価した。また、インキの凹部の被覆状況を確認した。なお、各評価は次の如くして行った。結果は表1に纏めて示す。
【0090】
(1)耐スクラッチ性:ホフマンスクラッチ試験機による耐スクラッチ性試験(荷重2N以上を良好)と耐マーリング性試験(先端を丸めたヘッドに変更して試験。荷重2N以上を良好)、及びスチールウール試験(No.0番スチールウールで10往復ラビングで傷無しを良好)で評価し、これら全て良好なものを良好(○)と評価した。
【0091】
(2)目痩せ:表面を目視観察して目痩せの有無で評価し、目痩せ無きものは良好(○)とした。
【0092】
(3)凹部の被覆状況:表面を顕微鏡で観察して評価した。凹部がインキで良く被覆されているものは良好(○)、ほぼ被覆されているものはやや良好(△)、被覆が不完全なものは不良(×)とした。
【0093】
(4)耐汚染性:黒マーキングペン、赤クレヨン、事務用青インキの各汚染材料で表面を汚染して4時間放置後、中性洗剤を浸した布で拭取り、表面の汚れ具合を目視観察して評価した。全く汚れ無きものは良好(○)、若干だが汚れあるものはやや良好(△)、汚れあるものは不良(×)、汚れが顕著なものは劣悪(××)と評価した。
【0094】
【表1】
Figure 2004050827
【0095】
表1の如く、耐スクラッチ性と目痩せは、実施例1と比較例1とは共に良好であった。しかし、凸模様の非印刷部分であった凹部の被覆状況が実施例1は良好(○)であるのに対して、比較例1は悪い(△〜×)為に、耐汚染性に有為差が生じた。すなわち、比較例1の耐汚染性は特に黒マーキングペンが劣悪(××)となったのに対して、実施例1の耐汚染性は各汚染材料で、やや良好(△)以上の性能が得られた。
【0096】
〔実施例2〕
先ず、実施例1と同様に、坪量50g/mの樹脂含浸紙からなる基材シート1上に、ニトロセルロース系樹脂をバインダー樹脂に用いた着色インキを使用して、グラビア印刷の2回重ね刷りで、灰色の全面ベタ柄の隠蔽層を兼用する装飾層3を形成した。
【0097】
次いで、下記組成の、艶消しシリカと共に水酸化マグネシウムも含む架橋硬化性樹脂(電離放射線硬化性樹脂)からなる無溶剤のインキCを、図2の平面視形状(拡大図示)の如き柄パターン形状の印刷版を用いて、セラミックドクターを用いた1色刷りのグラビア印刷を行った。その印刷部分のインキは流展して非印刷部分を被覆して、凸模様は単層で凸部も凹部も連続した層となった。そして、電子線照射でインキを硬化させて架橋硬化物として凸模様2を形成して所望の化粧シートを得た。そして、さらにこの化粧シートを用いて実施例1同様に、化粧材を作製した。
【0098】
インキC:
エポキシアクリレートプレポリマー             24質量部
希釈モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)  76質量部
微粒子シリカ(平均粒径0.5μm)           0.5質量部
艶消しシリカ(平均粒径8.5μm)          10.5質量部
水酸化マグネシウム(平均粒径3.0μm)         10質量部
分散剤                         0.4質量部
滑剤(シリコーン系)                  1.2質量部
【0099】
〔実施例3〕
先ず、実施例1と同様に、坪量50g/mの樹脂含浸紙からなる基材シート1上に、ニトロセルロース系樹脂をバインダー樹脂に用いた着色インキを使用して、グラビア印刷の2回重ね刷りで、灰色の全面ベタ柄の隠蔽層を兼用する装飾層3を形成した。
【0100】
次いで、下記組成の、表面処理した艶消しシリカを含む架橋硬化性樹脂(電離放射線硬化性樹脂)からなる無溶剤のインキDを、図2の平面視形状(拡大図示)の如き柄パターン形状の印刷版を用いて、セラミックドクターを用いた1色刷りのグラビア印刷を行った。その印刷部分のインキは流展して非印刷部分を被覆して、凸模様は単層で凸部も凹部も連続した層となった。そして、電子線照射でインキを硬化させて架橋硬化物として凸模様2を形成して所望の化粧シートを得た。そして、さらにこの化粧シートを用いて実施例1同様に、化粧材を作製した。
【0101】
インキD:
エポキシアクリレートプレポリマー             24質量部
希釈モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)  76質量部
微粒子シリカ(平均粒径0.5μm)           0.5質量部
艶消しシリカ(平均粒径8.7μm)            10質量部
(ステアリン酸系ワックス表面処理シリカ)
水酸化アルミニウム(平均粒径2.5μm)          5質量部
分散剤                         0.4質量部
滑剤(シリコーン系)                  1.2質量部
【0102】
〔実施例4〕
先ず、実施例1と同様に、坪量50g/mの樹脂含浸紙からなる基材シート1上に、ニトロセルロース系樹脂をバインダー樹脂に用いた着色インキを使用して、グラビア印刷の2回重ね刷りで、灰色の全面ベタ柄の隠蔽層を兼用する装飾層3を形成した。
【0103】
次いで、下記組成の、艶消しシリカと共に炭酸マグネシウムも含む架橋硬化性樹脂(電離放射線硬化性樹脂)からなる無溶剤のインキEを、図2の平面視形状(拡大図示)の如き柄パターン形状の印刷版を用いて、セラミックドクターを用いた1色刷りのグラビア印刷を行った。その印刷部分のインキは流展して非印刷部分を被覆して、凸模様は単層で凸部も凹部も連続した層となった。そして、電子線照射でインキを硬化させて架橋硬化物として凸模様2を形成して所望の化粧シートを得た。そして、さらにこの化粧シートを用いて実施例1同様に、化粧材を作製した。
【0104】
インキE:
エポキシアクリレートプレポリマー             24質量部
希釈モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)  76質量部
微粒子シリカ(平均粒径0.5μm)           0.5質量部
艶消しシリカ(平均粒径8.5μm)          10.5質量部
炭酸マグネシウム(平均粒径8μm)            10質量部
分散剤                         0.4質量部
滑剤(シリコーン系)                  1.2質量部
【0105】
〔比較例2〕
実施例2に於いて、インキCの組成中の水酸化マグネシウム10質量部に代えて、板状形状の箔片で平均粒径2μmのタルクを10質量部含有させた他は、実施例2と同様の条件にて、化粧シートと化粧材を作製した。
【0106】
〔性能評価〕
ドクター筋の発生状況について、実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例4について、グラビア輪転印刷機を用い、基材シートとして長尺帯状シート(巻取りから巻き出して使用)を用いて化粧シート印刷時に、目視観察して評価した。その結果、いずれの実施例に於いても、通算2万m印刷してもドクター筋が発生せず、その改善効果が認められた。一方、比較例2に於いては、通算5千m印刷の時点でドクター筋発生が認められた。
【0107】
【発明の効果】
(1)本発明の化粧シートによれば、耐スクラッチ性に優れる上、耐汚染性にも優れる。しかも、耐汚染性の為に凸模様以外に下側の塗膜層や上側のオーバーコート層等の追加層が不要で、工程的、材料費的に低コストで耐汚染性を実現できる。この為、凸模様の下層が熱可塑性樹脂等の耐汚染性に乏しい樹脂を用いた装飾層や、耐汚染性に乏しい基材シート等であっても、耐汚染性が得られる。また、視覚的に目痩せも目立ち難くい上、立体的な意匠感の表現もできる。
(2)更に、架橋硬化性樹脂に艶調整用の艶消しシリカと、該艶消しシリカよりも平均粒径が小さい微粒子シリカとを含有させれば、インキのチクソトロピック性を適度に調整し、凸模様の流展を適正に且つ確実に得ることが出来る。
(3)また、凸模様を形成する架橋硬化性樹脂を電離放射線硬化性樹脂とすれば、耐スクラッチ性、耐汚染性をより確実に向上できる。
【0108】
(4)また、電離放射線硬化性樹脂に水酸化アルミニウムを含有させれば、耐スクラッチ性をより向上できる。
(5)また、電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有する場合に、充填剤として水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムのいずれかを含有させれば、艶消しシリカを含有していても、艶調整の為に艶を落とした凸模様を(ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により)形成する時の、ドクター筋の発生を改善できる。
(6)また、電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有する場合に、その艶消しシリカに脂肪酸系ワックスで表面処理されたシリカを用いても、艶調整の為に艶を落とした凸模様を(ドクターブレードとグラビア版を用いたグラビア印刷により)形成する時の、ドクター筋の発生を改善できる。
【0109】
(7)また、本発明の化粧シートの製造方法によれば、凸模様を電離放射線硬化性樹脂のインキを無溶剤で、ドクターブレードとグラビア版とを用いて形成する際に、艶調整の為に凸模様に艶消し剤として艶消しシリカを含有させても、凸模様形成時のドクター筋の発生を改善できる。
【0110】
(8)また、本発明の化粧材によれば、目痩せが目立ち難く、耐スクラッチ性及び耐汚染性に優れ、且つ立体感のある意匠感も表現可能な構成を、低コストで実現できる。その際、化粧シート部分の凸模様の架橋硬化性樹脂を電離放射線硬化性樹脂としておけば、より確実に耐スクラッチ性及び耐汚染性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートと化粧材の一形態の例示と、凸模様を概念的に説明する断面図。
【図2】凸模様の平面視形状をその印刷版のパターン形状として例示した平面図。
【図3】従来の化粧シートの一例を示す断面図。
【図4】従来の化粧シートの他の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1  基材シート
2  凸模様
3  装飾層
4  接着剤層
5  被着基材
20  従来の化粧シート
21  基材
22  柄印刷層
23  塗膜層
24  盛上げ印刷による凹凸模様
25  オーバーコート層
a  凸部
b  凹部
c  印刷部分
d  非印刷部分
D  化粧材
S  化粧シート

Claims (8)

  1. 基材シート上に凸模様が形成されている化粧シートにおいて、
    該凸模様は、架橋硬化性樹脂のインキで形成され、且つ該インキによる印刷部分から非印刷部分に該印刷部分のインキを該印刷部分の凸なる形状を残して流展させて前記非印刷部分を被覆して成る、化粧シート。
  2. 架橋硬化性樹脂が艶調整用の艶消しシリカと、該艶消しシリカよりも平均粒径が小さい微粒子シリカとを含有する、請求項1記載の化粧シート。
  3. 架橋硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂である、請求項1又は2記載の化粧シート。
  4. 電離放射線硬化性樹脂が水酸化アルミニウムを含有する、請求項3記載の化粧シート。
  5. 電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有し、更に充填剤として水酸化マグネシウム、又は炭酸マグネシウムのいずれかを含有する、請求項3又は4記載の化粧シート。
  6. 電離放射線硬化性樹脂が艶調整用に艶消しシリカを含有し、該艶消しシリカが脂肪酸系ワックスで表面処理されたシリカである、請求項3〜5のいずれか1項記載の化粧シート。
  7. 請求項5又は6記載の、艶消しシリカを含有する電離放射線硬化性樹脂からなる凸模様が形成されている化粧シートの製造方法であって、凸模様を形成するに際して、電離放射線硬化性樹脂のインキを無溶剤で、ドクターブレードとグラビア版とを用いて形成する、化粧シートの製造方法。
  8. 被着基材上に、請求項1〜6のいずれか1項記載の化粧シートを、その基材シートが被着基材と対向する向きで積層して成る、化粧材。
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