JPH08244193A

JPH08244193A - 表面に凹凸模様を有する化粧シート

Info

Publication number: JPH08244193A
Application number: JP7055434A
Authority: JP
Inventors: Katsunori Nishijima; 克典西島; Eiji Hinishi; 英二日西; Ryotaro Sato; 亮太郎佐藤; Tsukasa Hayakawa; 典早川
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1995-03-15
Filing date: 1995-03-15
Publication date: 1996-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】水平面に使用可能な硬度や耐摩耗性を備えた高
級化粧板を極めて能率的にかつ安価に製造できるよう
な、表面に凹凸模様を有する化粧シートを提供するこ
と。【構成】基材１上に、印刷層２、塗工後熱乾燥で塗工表
面が乾燥状態となる電子線又は紫外線硬化型樹脂あるい
は熱硬化型樹脂および溶媒からなる塗工液で形成される
塗膜層３、電子線又は紫外線硬化型樹脂からなる凹凸模
様層４、さらに場合によってはーバーコート層５をこの
順に設けてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家具、住宅機器等に使用
する化粧板に使用する化粧シートに関し、特に表面硬度
が高く、耐久性に優れた高級化粧板として使用する化粧
シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】表面に凹凸模様を有する凹凸模様化粧シ
ートとしては、化粧材を作成してから別のエンボスロー
ル等の型で押圧して凹凸模様を形成するか、または反溌
性を有する物質を混入した印刷インキで基材表面に模様
層を形成し、その上に塗布する樹脂を前記模様層の部分
で反溌させることによって凹凸模様を形成する方法、お
よび盛り上げ印刷により凹凸模様を形成する方法等が従
来より行われており、それぞれに違った意匠効果を出し
ている。

【０００３】盛り上げ印刷により凹凸模様を形成する方
法においては、盛り上げ効果を得るために高固形分高粘
度の溶剤希釈タイプの塗工剤を使用している。そのた
め、グラビア印刷法で高速で印刷することは困難であ
り、低速で印刷しなければならない。従って生産効率が
極めて劣ってしまう。他の盛り上げ印刷方法としては、
スクリーン印刷法が上げられるが、生産効率の点でさら
に劣るものである。

【０００４】また、特公平１−４１５０５号公報に示さ
れるように、通常のインキで印刷し、電子線硬化性組成
物で凸状模様を形成する方法が知られているが、この方
法では電子線硬化性組成物で凸状模様が形成されない部
分は通常のインキが表面に露出することとなり、その部
分の物理的特性が極めて劣るものであった。さらに、こ
の上に保護層を形成する方法も知られているが、物理的
特性上十分な保護層を形成すると、表面の凹凸が緩やか
なものとなってしまい十分な意匠効果が得られない、ま
た十分な意匠効果を得るために保護層を薄くすると十分
な物理的特性が得られないという問題点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決するためになされたもので、その課題と
するところは、水平面に使用可能な硬度や耐摩耗性を備
えた高級化粧板を極めて能率的にかつ安価に製造できる
ような、表面に凹凸模様を有する化粧シートを提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するため、基材上に、印刷層、塗工後熱乾燥で塗工表面
が乾燥状態となる電子線又は紫外線硬化型樹脂あるいは
熱硬化型樹脂および溶媒からなる塗工液で形成される塗
膜層、電子線又は紫外線硬化型樹脂からなる凹凸模様
層、さらには場合によってはオーバーコート層をこの順
に設けてなることを特徴とする表面に凹凸模様を有する
化粧シートを提供するものである。

【０００７】以下、本発明を詳細に説明する。図１およ
び図２に本発明による化粧シートの断面の構造の一例を
示す。図１は基材１の上に印刷層２、塗工後熱乾燥で塗
工表面が乾燥状態となる電子線又は紫外線硬化型樹脂あ
るいは熱硬化性樹脂および溶媒からなる塗工液で形成さ
れる塗膜層（以下塗膜層とする）３、電子線又は紫外線
硬化型樹脂を主成分とする樹脂層からなる凹凸模様層
４、よりなる表面に凹凸模様を有する化粧シートであ
り、図２はさらにその上にオーバーコート層５を有する
場合である。

【０００８】本発明に係る基材１としては、坪量３０〜
１２０ｇ／ｍ²の化粧紙用原紙、プラスチックフィルム
等が使用可能である。化粧紙用原紙は、予めアクリル樹
脂等を含浸処理を施しても良いし、また、予めウレタン
系樹脂やビニル系樹脂等でシーラー処理等を施しても良
い。

【０００９】まず、基材１に印刷を施すか又は全面に着
色する。印刷方法はグラビア印刷法等の公知の印刷方法
で良い。

【００１０】該塗膜層が電子線もしくは紫外線硬化型樹
脂を主成分とした場合は、該塗膜層は電子線又は紫外線
硬化型樹脂および溶媒からなる塗工液によって形成され
るものであり、塗工後熱乾燥で、塗工表面が乾燥状態と
なるものとする。

【００１１】該塗工液としては、電子線又は紫外線反応
性の二重結合を有する水性エマルジョン、あるいは、電
子線又は紫外線反応性の二重結合を有する水溶性又は溶
剤可溶性樹脂、等であり、該樹脂のＴｇが４０℃以上好
ましくは６０℃以上が考えられ、これに、無機および有
機顔料、体質顔料、等のフィラーを分散させても良い。

【００１２】また、熱硬化型樹脂を主成分とした場合
は、該塗膜層は熱硬化型樹脂および溶媒を主成分として
する塗工液によって形成されるものであり、通常用いら
れているアクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の１液
硬化型もしくは２液硬化型の熱硬化型樹脂を主成分とす
る塗工液が用いられる。これに、無機および有機顔料、
体質顔料等のフィラーを分散させても良い。

【００１３】さらに、塗工液を前記熱硬化型樹脂と電子
線又は紫外線硬化型樹脂の混合系とすることも可能であ
る。

【００１４】塗工方法は任意であるが、グラビアコータ
ー、ロールコーター、リバースロールコーター、ナイフ
コーター等の公知の塗工方法で良い。塗工後の乾燥は、
従来の熱乾燥が用いられ、溶媒を揮発させた後、塗工表
面が乾燥状態となれば良い。

【００１５】この上に電子線又は紫外線硬化型樹脂を主
成分とする樹脂層からなる凹凸模様層４を盛り上げ印刷
等により形成する。主成分となる電子線又は紫外線硬化
型樹脂としては、分子末端にアクリル基又はメタクリル
基を有しているものが好ましく、ポリエステルアクリレ
ート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、
ポリエステルメタクリレート、ウレタンメタクリレー
ト、エポキシメタクリレート等である。さらに、無機お
よび有機顔料、体質顔料等のフィラーを分散させても良
く、反応性または非反応性のスリップ剤等を添加しても
よい。塗工液の粘度は、５０〜１万ｃｐｓが好ましく、
より好ましくは５００〜５０００ｃｐｓである。５０未
満の粘度であると、印刷した塗工液が盛り上げ印刷とな
らない。また、一万より大きい粘度であると、高速で印
刷することが困難となる。印刷方法はグラビア印刷法等
の公知の印刷方法で良い。

【００１６】この後、電子線又は紫外線を照射し、硬化
型樹脂層を硬化させる。紫外線照射装置より照射する場
合の紫外線の照射量は４００〜８００ｍＪ／ｃｍ²程度
が良い。処理速度は、ランプの本数等の条件により適宜
設定してよい。電子線照射装置より照射する場合の電子
線の加速電圧は１５０〜２００ｋＶ、照射量は３〜５Ｍ
ｒａｄ程度が良い。

【００１７】さらに、この上にオーバーコート層を形成
する場合、熱硬化型樹脂を主成分とした塗工液によって
形成しても良いし、電子線又は紫外線硬化型樹脂を主成
分とする塗工液によって形成しても良い。またこれらの
塗工液に、無機および有機顔料、体質顔料、等のフィラ
ーを分散させても良く、反応性または非反応性のスリッ
プ剤等を添加してもよい。

【００１８】

【作用】以上に述べたように、本発明の表面に凹凸模様
を有する化粧シートは、基材上に印刷層、塗膜層、電子
線又は紫外線硬化型樹脂を主成分とする樹脂層からなる
凹凸模様層よりなることで、印刷層と表面の凹凸を模様
層の間に塗膜層があることから層間の強度が増し、ま
た、厚い表面保護層を必要としないことから凹凸がなだ
らかになることもなく、水平面に使用可能な強度や耐摩
耗性をもった化粧シートが得られる。

【００１９】さらに表面にーバーコート層を設けること
により、表面強度の強化及び表面光沢の調整を行なうこ
とが可能となる。

【００２０】

【実施例】

＜実施例１＞坪量３０ｇ／ｍ²の化粧紙用原紙に抽象柄
を水性インキ（東洋インキ製造（株）製）で印刷し、分
子末端にアクリル基を有するエマルジョン塗工液を塗工
し、１４０℃の乾燥ゾーンで乾燥させた後、粘度８００
ｃｐｓに調整し顔料分散により着色された電子線硬化型
塗工液（東亞合成化学工業（株）製「アロニックスＭ−
８０３０」／１，６ヘキサンジオールジアクリレート／
ダイセル・ユーシービー（株）製「エベクリル３５
０」）をグラビア印刷法により盛り上げ印刷を施した。
印刷後引き続き、電子線照射装置（日新ハイボルテージ
（株）製：「キュアトロン」）の照射下を通過させ、照
射線量約３．０Ｍｒａｄのエネルギーで塗膜を硬化さ
せ、化粧シートを得た。以上の加工はスピード１５０ｍ
／ｍｉｎで行った。

【００２１】前記化粧シートを尿素・酢酸ビニル系の接
着剤にてパーチクルボードと貼り合わせて化粧板にした
ところ、表面の凹凸模様により非常に優れた意匠性があ
り、性能的にも水平面への使用も問題ないものであっ
た。

【００２２】＜実施例２＞坪量５０ｇ／ｍ²の化粧紙用
原紙に木目柄を印刷し、２液硬化型ウレタン系塗工液
（東洋インキ製造（株）製）を塗工し、１４０℃の乾燥
ゾーンで乾燥させた後、粘度８００ｃｐｓに調整した紫
外線硬化型塗工液（東亞合成化学工業（株）製「アロニ
ックスＭ−８０３０」／１，６ヘキサンジオールジアク
リレート／チバガイギー（株）製「ダロキュアー１１７
３」）をグラビア印刷法により盛り上げ印刷した。印刷
後引き続き、紫外線照射下を通過させ、照射量約５００
ｍＪ／ｍ²のエネルギーで塗膜を硬化させた。さらに、
オーバーコート層としてマット剤を添加した２液硬化型
ウレタン系塗工液（東洋インキ製造（株）製）を塗工
し、１４０℃の乾燥ゾーンで硬化させ、化粧シートを得
た。以上の加工はスピード１００ｍ／ｍｉｎで行った。

【００２３】このようにして得られた化粧紙の外観は、
表面の凹凸模様に非常に優れた意匠性があり、性能的に
も水平面への使用も問題ないものであった。

【００２４】

【発明の効果】上記結果のごとく、本発明による表面に
凹凸模様を有する化粧シートは、塗膜層、電子線又は紫
外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂からなる凹凸模様
層、さらに必要であればオーバーコート層を有すること
により、表面強度に優れている。また、水平面に使用可
能な硬度や耐摩耗性を備えた高級化粧紙を極めて能率的
にかつ安価に製造することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による化粧シートの一実施例の断面の構
造を示す説明図である。

【図２】本発明による化粧シートの一実施例の断面の構
造を示す説明図である。

【符号の説明】１…基材２…印刷層３…塗膜層４…電子線又は紫外線硬化型樹脂からなる凹凸模様層
５…オーバーコート層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者早川典東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材上に、印刷層、塗工後熱乾燥で塗工表
面が乾燥状態となる電子線又は紫外線硬化型樹脂あるい
は熱硬化性樹脂および溶媒からなる塗工液で形成される
塗膜層、電子線又は紫外線硬化型樹脂からなる凹凸模様
層をこの順に設けてなることを特徴とする表面に凹凸模
様を有する化粧シート。
【請求項２】基材上に、印刷層、塗工後熱乾燥で塗工表
面が乾燥状態となる電子線又は紫外線硬化型樹脂あるい
は熱硬化性樹脂および溶媒からなる塗工液で形成される
塗膜層、電子線又は紫外線硬化型樹脂からなる凹凸模様
層、オーバーコート層をこの順に設けてなることを特徴
とする表面に凹凸模様を有する化粧シート。