JP2004205768A - ラベルおよびそれを用いたラベル付容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器の胴部外周面に装着して用いられるラベルであって、当該ラベルが、少なくとも、基材フィルム層と触感付与層とから構成され、前記の触感付与層が、凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングするラベルおよびラベル付容器を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、清涼飲料水、乳飲料、ビール、ワイン、栄養ドリンク、調味料、化粧品などに使用されるプラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶等の容器の表面に付けるラベルおよびそれを用いたラベル付容器に関するものである。
さらに詳しくは、優れた触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、持ち運びやすく、優れた緩衝性、意匠性を持たせたラベル、および、それを用いて製造されたラベル付容器に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶等の容器が、清涼飲料水、乳・乳飲料、ビール、ワイン、調味料、化粧品等の液体容器として広く使用されている。
通常、これらの液体容器の外表面に、装飾あるいは内容物表示等のために、文字、図形、記号、絵柄等からなる所望の印刷絵柄模様を施したラベルを、容器本体の外周に装着している。
装着するラベルとしては、紙、あるいは、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の種々のプラスチックフィルムを使用している。
また、合成樹脂フィルム製のラベルは、熱収縮性ラベル(以下「シュリンクラベル」という。)と非熱収縮性ラベルがある。
前者のシュリンクラベルを容器に巻き付ける方法としては、例えば、筒状、若しくは、袋状のラベルに少し余裕を持たせて一次包装した後、熱風、スチーム等によって該ラベルを容器外周面にシュリンクさせる方法が知られている。
また、ラベルをある程度緊張状態で包装し、ラベルの端を容器の底部に折り込んで、該折り込み部をラベル同士の自己密着力または熱融着により一次包装した後、シュリンク処理させてラベルの弛みやシワを除去するストレッチシュリンク方法が知られている。
後者の非熱収縮性フィルムの容器への包装方法としては、接着層として、粘着剤、ディレードタック接着剤、ホットメルト接着剤等の感熱接着剤などを塗布し、容器外周面に巻きつけられて貼る方法が知られている。
【0003】
従来、例えば、化粧紙の表面層に盛り上げ印刷により凹凸模様をする化粧紙が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−206379公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を基材フィルムとした従来のラベルは、通常、商品名等の文字、絵柄印刷を施し、つるつるした表面を有するものであり、ラベルの表面に触感性を付与するものではない。
また、ボトルにラベルを装着しただけでは、自動販売機や、販売店のストッカー等で、内容物に応じて容器毎に加熱して販売される場合、消費者が容器を手に持つ場合等に断熱性を付与することができない。
また、特許文献1の表面層に盛り上げ印刷により凹凸模様をする化粧紙は、建物の壁紙用等の内装材、家具等の収納棚、引き出しの内装等に用いる耐摩耗性を有する化粧紙に関するものであるが、ラベル付容器に関するものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明は、プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶等の容器の胴部外周面に装着して用いられるラベルであって、当該ラベルが、少なくとも、基材フィルム層と触感付与層とから構成され、前記の触感付与層が、凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングすることを特徴とするラベルを製造し、更にこれを用いて、前記の凸部を形成した触感付与層を外側にして筒状に形成され、容器の胴部外周面に装着してなるラベル付容器を製造したところ、ラベルの表面に触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に持たせることができ、持ち運びやすく、優れた緩衝性、意匠性も付与できるラベル付容器を製造し得ることを見いだすに至った。
上記において、本発明によれば、前記の触感付与層が、隆起インキ、発泡インキ、樹脂ビーズを含有するスウェード調インキから選ばれるインキを使用して印刷により形成されたものであることを特徴とするラベルを提供することができる。
また、表面保護層が、前記の触感付与層の表面に設けられることを特徴とするラベルを提供することができる。
また、印刷絵柄層が、前記の基材フィルム層の表面に設けられるか、または、裏面に設けられることを特徴とするラベルを提供することができる。
また、前記の基材フィルム層が、延伸ポリスチレン樹脂系フィルム、延伸ポリエステル樹脂系フィルム、延伸ポリオレフィン樹脂系フィルム、未延伸ポリオレフィン樹脂系フィルム、発泡ポリオレフィン樹脂系フィルム、発泡ポリスチレン樹脂系フィルム、または、これらの少なくとも2層の多層フィルムからなることを特徴とするラベルを提供することができる。
また、前記のラベルが、シュリンクラベル、スチレッチラベル、巻きラベルから選ばれることを特徴とするラベルを提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
図1、図2、図3は、それぞれ本発明に係るラベルの一例を示す断面概略図であり、図4は、本発明のラベル付容器の一実施例を示す斜視図であり、図5は、本発明のラベル付容器の要部拡大断面図であり、図6、図7は、触感付与層のコーティングパターンの一例を示す図である。
上記の例示は、本発明にかかるラベルおよびラベル付容器の例を例示したものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
【0008】
図1は、本発明に係るラベルの一例を示す断面概略図である。
図1に示すように、本発明に係るラベル10は、基材フィルム1の表面に凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングして触感付与層2を形成し、層構成、触感付与層2/基材フィルム1を基本構成とするものである。
なお、図示しないが、触感付与層2の上に表面保護層を設けてもよい。
【0009】
図2は、本発明に係るラベルの別態様の一例を示す断面概略図である。
図2に示すように、本発明に係るラベル10は、基材フィルム1上に凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングして触感付与層2を設け、基材フィルム1の裏面に印刷絵柄層3を設け、層構成、触感付与層2/基材フィルム1/印刷絵柄層3とするものである。
なお、図示しないが、印刷絵柄層3は、基材フィルム1上に印刷絵柄層3を設け、更にその上に表面に凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングして触感付与層2を設けてもよく、層構成、触感付与層2/印刷絵柄層3/基材フィルム1としてもよい。
また、図示しないが、触感付与層2の上に表面保護層を設けてもよい。
【0010】
図3は、本発明に係るラベルの更に別態様の一例を示す断面概略図である。
図3に示すように、本発明に係るラベル10は、基材フィルム1の表面にパターン状にコーティングして凸部を形成して触感付与層2を設け、基材フィルム1の裏面に印刷絵柄層3を設け、更に、接着層4を設け、層構成、触感付与層2/基材フィルム1/印刷絵柄層3/接着層4とするものである。
なお、図示しないが、印刷絵柄層3は、基材フィルム1の外面に施して、層構成、触感付与層2/印刷絵柄層3/基材フィルム1/接着層(感熱接着剤層)4としてもよい。
また、図示しないが、触感付与層2の上に表面保護層を設けてもよい。
【0011】
図4は、本発明のラベル付容器の一実施例を示す斜視図であり、図5は、本発明のラベル付容器の一実施例を示す断面図である。
図4、図5に示すように、図1、図2、図3のラベル10に触感付与層2を外側になるように筒状に形成して、容器の胴部外周面に嵌め込んで装着することによって、容器に優れた触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与し、確実に容器を持ち運びやすいという利点を有するものである。
更に、印刷絵柄層3を多色で形成することによって、容器に優れた意匠性を付与することができる。
【0012】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかるラベル、ラベル付容器等を構成する材料、その製造方法等について説明すると、本発明に係るラベル10を構成する基材フィルム層1としては、紙、不織布、布、各種のプラスチックフィルム、発泡フィルム、あるいは、これらを任意に積層した積層体等を用いることができ、その厚さはその基材によって異なるが、10〜250μm程度のものが好ましい。
中でも、プラスチックフィルムからなる基材フィルム層1としては、一軸、若しくは、二軸に延伸したプラスチックフィルムからなる基材で、且つ、耐熱性を有すれば、いずれのものでも使用することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、低密度直鎖状ポリエチレンフィルム等のポリエチレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等の樹脂から製膜されたポリオレフィン系フィルム、塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレンなどの樹脂から製膜された変性ポリオレフィンフィルム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の樹脂から製膜されたフィルム、アクリル系樹脂フィルム等が使用できる。
また、これらのフィルムをラミネートして、2層以上の積層フィルムとして、使用してもよく、酸化珪素、酸化アルミニウムもしくはアルミニウム等の蒸着膜を設けてもよい。
フィルムの厚さとしては、10〜300μm程度に形成されるものが好ましい。
【0013】
本発明に係る触感付与層2としては、ラベルの表面に凸部を形成するようにコーティングできる樹脂で、ラベルに触感性を付与できるものであれば、特に限定されないが、例えば、隆起インキ、発泡インキ、スウェード調インキ等を使用することができる。
かかる触感付与層2のコーティング方法としては、上記のインキを用いて、通常の印刷法でできるが、多色(9〜11色)のグラビア印刷機等を使用することにより、絵柄印刷層3と共に、触感付与層2をインラインで印刷できるため、生産効率よく生産でき、好ましい。
かかる触感付与層2の厚みとしては、例えば2〜150μm、好ましくは50〜60μm程度である。
なお、形成した触感付与層2を表面に擦り傷がつくのを防止するために、表面保護層として、触感付与層2の上に更に透明ニス等によって形成されるオーバーコート層を設けてもよい。
上記の表面保護層として用いる透明ニスとしては、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、これらの2種類以上を混合した樹脂などを用いることができる。
かかる表面保護層の厚みとしては、例えば0.5μm〜5μm程度が好ましい。
【0014】
本発明にかかる触感付与層2を構成する隆起インキの材料としては、ポリ塩化ビニルゾル、アミノアルキッド樹脂等よりなるインキ、ウレタンアクリレート等による紫外線、または、電子線硬化性のインキ、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂よりなり、必要に応じて硬化剤、重合促進剤等を添加したものを用いることができる。
かかるコーティング方法は、また、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷等のインキ転移量が多い印刷方式が好ましく、版深80μm以上のグラビア版で印刷することが好ましい。
触感付与層2の厚みは、通常あるいは通常以上がよく、乾燥後で10μm〜150μm程度が好ましい。
【0015】
本発明にかかる触感付与層2を構成する発泡インキの材料としては、一般のグラビアインキ、シルクスクリーン用インキに用いられる、天然樹脂、合成樹脂類のいずれからも選択が可能であり、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース等のバインダーを使用することができる。
インキのバインダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類と、印刷方法とによって選択されるが、例えば、グラビア印刷の場合は速乾性の溶剤を、シルクスクリーン印刷等の枚葉印刷の場合は、遅乾性の溶剤を主として配合される。
例えば、速乾性の溶剤としては、トルオール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エタノール、イソプロピルアルコール等があり、遅乾性の溶剤としては、キシロール、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール等のなかから、バインダーの種類による溶解性や、印刷手段とにより適宜選択して使用することができる。
また、発泡インキのバインダーとしては、合成樹脂ディスパージョン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、澱粉等の水溶性の場合は、溶媒を水を主体にすることができる。
【0016】
上記の発泡インキに含有させる発泡剤は、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどの共重合体の殻壁でマイクロカプセル化した熱膨張性微小球である。
そして、その膨張倍率は、20〜70倍のものである。これを含むインキは、発泡剤の膨張倍率が20〜70倍(厚さに換算すれば、2.7〜4.1倍)の高倍率である。
そして、発泡インキのバインダー溶液に、例えば、熱分解型発泡剤を分散させて作製することができる。
【0017】
また、基材フィルム1が、シュリンクフィルムの場合、シュリンクラベルを熱収縮させる際の加熱条件で発泡できることが好ましく、シュリンクラベルに使用する基材フィルムの材質により、その熱収縮温度が異なるため一律ではないが、発泡温度、50℃〜120℃の範囲が好ましく、70℃〜100℃の範囲がより好ましい。
【0018】
シュリンクラベルを熱収縮させる場合、熱収縮の加熱条件での発泡性を実現するため、発泡剤には低沸点炭化水素を芯物質とし、ポリ塩化ビニリデン系共重合体、または、ポリアクリロニトリル系共重合体を壁物質としてマイクロカプセル化した球状粒子を用いることが好ましく、その粒径、5μm〜40μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
前記芯物質の低沸点炭化水素としては、例えば、n−ブタン、イソブタン、シクロペンタン、n−ペンタン、プロパンなどを使用することができる。
このようなマイクロカプセルによる発泡剤は、例えば、粒径10μm〜30μのもので最高膨張倍率を20〜70倍とすることができる。
【0019】
このようなマイクロカプセルによる発泡剤を用いて、例えば、グラビア印刷用の低温加熱で発泡するインキを作製する場合、溶剤に酢酸エチルやメチルエチルケトンなどを大量に使用すると、マイクロカプセルが壊れる恐れがあるため、このようなエステル系およびケトン系溶剤は、できるだけ、使用しないことが好ましい。
そのためには、発泡性インキのバインダ−に関しても、例えば、トルエンとイソプロピルアルコール(以下、「IPA」という。)の混合系などの溶剤で溶液化でき、且つ、比較的広範囲の樹脂フィルムに接着性のよいアクリル樹脂などを用いて、その溶液に前記のマイクロカプセルを分散させて、グラビア印刷用の低温加熱発泡性インキを作製することができる。
発泡性インキ層の厚みは、5μm〜30μm程度が好ましい。
【0020】
本発明にかかる触感付与層2を構成するスウェード調インキとしては、バインダーにマット剤を練り込み、作製するものである。
スウェード調インキのバインダーとしては、一般的に包装材料において使用されている樹脂を使用でき、例えば、ニトロセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂等を使用することができる。
スウェード調インキに含有させるマット剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の微粒子や、バインダーの溶剤に溶解しない樹脂の微粒子等を使用することができる。
かかるマット剤の平均粒子径としては、5μm〜50μmのものを使用することが好ましく、30μm程度がより好ましい。
また、マット剤の添加量としては、1〜10重量%程度が好ましく、7%程度がより好ましい。
かかるスウェード調インキのコーティング方法としては、グラビア印刷方法を使用することができる。
スウェード調インキ層の厚みは、版深5μm〜60μm程度が好ましい。
【0021】
上記の触感付与層2をラベルの表面にコーティングする印刷方法のパターンとしては、例えば、図5に示すような点状のパターンや、図6に示すような格子状のパターン、線状、布目状のパターン等、凸部が形成できるようなパターンであれば特に限定はされない。
また、このパターンを形成する点や格子の大きさ、ピッチ等も適宜変更することができるものである。
【0022】
本発明において、本発明に係るラベル10に設ける印刷絵柄層3としては、基材フィルム層1の全面または部分的に、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の公知の印刷技術を用いて図形、文字、記号等の絵柄を形成したものである。
なお、印刷絵柄層3としては、容器に貼着した状態における基材フィルム層1の内外のどちら側に形成してもよい。
なお、形成した印刷層3を表面に擦り傷がつくのを防止するために、保護層として、印刷絵柄層3の上に更に透明ニス等によって形成されるオーバーコート層を設けてもよい。
印刷絵柄層3の厚みは、例えば1〜8μm、好ましくは2〜5μm程度である。
【0023】
本発明において、ラベルを構成する接着層4としては、感熱接着剤を使用できる。
感熱接着剤には、常温で固体のもの(ホットメルト接着剤)と、液状のもの(ディレードタック接着剤)とがある。
ホットメルト接着剤は、塗布時に高温にして溶融させる必要がある上、高粘度である。
これに対し、ディレードタック接着剤は、塗布時に高温にする必要はなく、また、低粘度である。
本発明にかかるディレードタック型感熱接着剤としては、熱可塑性樹脂成分からなるベースポリマーと、粘着付与剤と、結晶性の固体可塑剤から形成されるものが、好適に用いられる。
【0024】
本発明において、感熱接着剤の熱可塑性樹脂としては、粘着剤のベースとなるものであり、可塑剤との相溶性があり、これにより使用時の凝集力が得られる。
また、アルカリ可溶性の樹脂であり、これによりラベルを剥がす際、アルカリ処理により、容易に剥がすこともできる。
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−イソプロピレン、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類と、アクリル酸、マイレン酸等の不飽和カルボン酸よりなる共重合樹脂等のアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン等が挙げられる。
この中でも、自己架橋型アクリル酸エステル共重合体は、加熱時に耐水性が向上する性質を有するため、本発明の感熱接着ラベルに適している。
【0025】
本発明において、感熱接着剤の固形可塑剤としては、融点以下では樹脂に可塑性を与えず、結晶状態であり、加熱により溶融して樹脂中に相溶して樹脂を膨潤あるいは軟化させるので、常温では非粘着性のブロッキング防止剤となり、加熱により粘着性となる機能を有する。
例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロ−ス、ジ安息香酸エチレングリコ−ル、トリ安息香酸トリメチロ−ルエタン、トリ安息香酸グリセリド、テトラ安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロ−ス、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
而して、融点が50〜100℃程度のものが好ましく使用できる。
融点が50℃以下の場合、ラベルの保管時に接着剤を活性化する恐れがあり、使用前の保管や運搬がシビアになり、好ましくない。
融点が100℃以上の場合、ラベルの接着層を活性化するための効率が悪くなり、好ましくない。
【0026】
本発明において、感熱接着剤の粘着付与剤としては、粘着剤の粘着性能を向上させる作用がある。
例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノ−ル樹脂、テルペン−フェノ−ル樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリト−ル等とのエステル、樹脂酸ダイマ−等)が挙げられる。
【0027】
上記固形可塑剤、熱可塑性樹脂および粘着性付与剤は、熱可塑性樹脂の粒子(固体粒子または液滴)が水中に乳化分散されているエマルション、または、熱可塑性樹脂が有機溶剤に溶解または分散して、単独あるいは2種類以上の混合物で使用することができる。
また、必要に応じて分散剤や消泡剤、増粘剤等を使用することもできる。
【0028】
ラベルの基材フィルム1と感熱接着層4との層間の接着力を向上させるために、必要に応じて、プライマー層を設けることができ、前記の基材フィルム1と感熱接着層4の双方に接着性のよい樹脂等の材料であれば特に限定されない。
また、触感付与層2と絵柄印刷層3の層間の接着力を向上させるために、必要に応じて、プライマー層を設けることができ、前記の触感付与層2と絵柄印刷層3の双方に接着性のよい樹脂等の材料であれば特に限定されない。
前記のプライマー層としては、例えば、ポリオレフィン系、有機チタネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、イソシアネート系、ポリエステル系、アクリル系などの非硬化型または、硬化型のアンカーコート剤等が挙げられる。
前記のプライマー層のコーティング方法は、グラビアコート法、ロールコート法、リバースロールコート法のコーティング方法が挙げられる。
【0029】
図4は、本発明のラベル付容器の一実施例を示す斜視図である。
本発明においては、図4に示すように、上記で製造したラベル10が、例えば、シュリンクラベルの場合、ラベルの筒状体を、自動ラベル装着装置等に供給し、必要な長さに切断した後、例えば、内容物を充填した容器32の外表面に嵌着し、次いで、該容器32を、図示しないが、シュリンクトンネル等に通して、所定温度(例えば、80〜200℃程度)の熱風や、スチームや、赤外線等の輻射熱を作用させてラベル10を周方向に高収縮させて、容器5の胴部をラベル20で被覆でき、ラベル付容器を得ることができるものである。
【0030】
巻きラベルの場合、容器5に貼付する場合は、一般的に使用されているラベリングマシンを用いて、先ずラベルを加熱し感熱接着剤の接着層を活性化させる。
次に、容器全体を熱風や、水蒸気、及び、水蒸気が結露した湯気により加熱するスチームや、高周波シール、赤外線等の輻射熱を作用させて加熱しながらラベルを押圧して容器に貼り付けることができる。
あるいは、容器に貼付られたラベルを熱板等により押圧してもよい。
また、ラベルを加熱する工程は、ラベルを容器に装着する前の工程、あるいは、ラベルをボトルに装着する工程のうち、適宜の段階で施すことができる。
この結果、ラベルの接着層をたとえば90〜100℃程度にヒーターからの熱風で再加熱して活性化させた状態で容器にラベルが密着され、ラベル付容器を得ることができるものである。
【0031】
なお、本発明において、ストレッチラベルの場合、ラベルを構成する筒状の外径としては、ボトル胴部の外径よりやや小さい外径を構成して、筒状のラベルを形成しておき、上記の筒状のラベルをボトル胴部の外周表面に装着するに際しては、筒状のラベルの外径を、引き伸ばし機等を使用して緊張し、拡開した状態で装着するものである。
而して、ラベルが、ボトル胴部の外周表面に装着されると、例えば、ストレッチラベルの場合は、ストレッチラベルを構成する原反フィルムの自己弾性伸縮力により、ボトル胴部の外周表面に緊密に密接着した状態で装着され、ラベル付容器を得ることができるものである。
【0032】
本発明にかかるラベル付容器の側面に位置する部分には、開封用ミシン目が上端部から下端部まで刻設されてもよい。
また、ラベル開封用の摘み片(切離開始部)を起点として、2条の縦ミシン目を設けてもよく、該ミシン目によりラベルを容易に破断することが可能である。
なお、該ミシン目は、2条に限らず、1条、あるいは、3条以上の複数条を設けることも可能である。
なお、ミシン目は、例えば、レーザー光を用いて包材の厚さ方向に所定深さまで切り込みをいれて形成させる方法周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てて形成させる方法等により施すことができる。
また、該ミシン目は、ラベルを製造する工程で、適宜の段階で施すことができる。
【0033】
ラベルの被着体となる容器としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等のプラスティックボトル、ガラス瓶、アルミ缶、スチール缶等の金属管等を使用することができる。
【0034】
上記の容器の内容物としては、ビール、ビタミン飲料、乳・乳飲料、ジュ−ス、炭酸飲料、水、お茶等の飲料水、あるいは、油脂、調味料、その他種々の液状食品、化粧水、液状洗剤等が挙げられる。
【0035】
本発明において、図4に示すように、上記のようにして製造した基材フィルム層1の表面に触感付与層2をパターンコーティングしたラベル付容器20をプラスチックボトル等の容器5の胴部に装着することによって、優れた触感性を付与するため、消費者の購買意欲が高まるという利点がある。
また、本発明のラベル付き容器においては、従来の平滑な表面のラベルと比べ、加熱して販売される場合においても、消費者等が、手に持った場合、ラベルに断熱性を感覚的に付与することもできるという利点を有するものである。
更に、本発明のラベル付き容器においては、ラベル表面に優れた緩衝性、意匠性を持たせた包装製品を得ることができるという利点を有するものである。
【0036】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を説明する。
(実施例1)
基材フィルムとしては、厚さ50μmの1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム(シーアイ化成株式会社製、製品名「EPS45TD」)を準備した。
前記の1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」、固形分37%、溶剤:アルコール/エステル混合系、希釈溶剤:酢酸エチル/イソプロピルアルコール)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、コーティングパターンとしては、ベタインキ層、格子目模様、および、水滴模様の印刷絵柄部分に触感付与層を形成するパターンを作製し、それぞれのパターンについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、それぞれ、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、アルミペーストインキを含有させたスウェード調インキを用いて、木目模様のパターンを作製した。
その結果、スウェード調インキ層/1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例1の触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)スウェード調インキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した500mlのチルド用ポリエステル製ボトルの外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例1の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、水滴絵柄の印刷部分に触感付与層を付与することにより、氷涼感、フロスト感等の意匠性に優れ、アルミペーストを含有させた触感付与層を設けることにより木目調等の意匠性に優れ、かつ、持ち運びやすく、優れた緩衝性、耐磨耗性に優れるものであった。
【0037】(実施例2)
基材フィルムとしては、厚さ45μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。
前記の1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」、添加剤:VYS、スウェードDP添加剤)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、コーティングパターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製し、それぞれのパターンについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、それぞれ、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させて着色したスウェード調インキを用いて、木目模様のパターンを作製した。
その結果、スウェード調インキ層/1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例2の触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)スウェード調インキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した285mlのチルド用ポリエステル製ボトルの外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例2の触感付与性シュリンク包装体を得た。
該触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、持ち運びやすく、緩衝性、耐磨耗性に優れ、スウェード調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0038】(実施例3)
基材フィルムとしては、厚さ50μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。
前記の1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、ウレタン樹脂系の盛り上げインキ(製品名「KKBキュアUマットメジウム」、大日精化株式会社製)をグラビアコーティングにて凸部の高さ、約60μm〜150μmとなるように塗工して触感付与層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色した盛り上げインキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させた盛り上げインキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
その結果、盛り上げインキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例3の本発明にかかる触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)盛り上げインキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した500mlのホット用丸スチール製缶の外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例3の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、持ち運びやすく、緩衝性、耐磨耗性に優れ、マット調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0039】(実施例4)
基材フィルムとしては、厚さ50μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。
前記のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、発泡インキ(製品名「ニューダイフォームEX−0104A」、大日精化株式会社製)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10μm〜30μmとなるように塗工して発泡インキ層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色した発泡インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させた発泡インキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
その結果、発泡インキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目調のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例4の本発明にかかる触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
【0040】(発泡インキの組成)
・発泡剤:低温加熱発泡性マイクロカプセル 15重量部
・バインダー:アクリル系樹脂エマルジョン(固形分35重量%)83重量部
・消泡剤 2重量部
【0041】
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)発泡インキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した500mlのポリエステル製ボトルの外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例4の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、持ち運びやすく、緩衝性、耐磨耗性に優れ、マット調の外観を付与でき、水滴感、木目調等の意匠性にも優れるものであった。
【0042】(実施例5)
基材フィルムとしては、厚さ50μmの2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム(シーアイ化成株式会社製、製品名「EPS45TD」)を準備した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させたスウェード調インキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
また、前記の2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキ(色インキ:「CLIOS ALFA硬化剤」インクテック株式会社製、白インキ:「HUタンタイラベルシロ/アルファ硬化剤4%」、「UPAC980白/SPMF5%(スクラッチ防止剤)/エクセル硬化剤2%」インクテック株式会社製)を使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
さらにその上に、熱可塑性樹脂としてエマルジョンタイプのアクリル樹脂、粘着付与剤としてロジン、テルペン樹脂を、固体可塑剤としてフタル酸ジシクロヘキシルに不揮発成分61%からなるディレートタック型接着剤(製品名「ディックシールED960」、大日本インキ株式会社製)である接着剤層をグラビアコート法にて、塗布量10g/m2で塗布し、接着剤層を形成させ、こうして得られた積層フィルムを所望の寸法にカットし、その結果、スウェード調インキ層/2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層/ディレートタック型接着剤の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例5の触感付与性巻きラベル原反フィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性ラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)スウェード調インキ層(触感付与層)/2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
PETボトルの表面に実施例5の合成樹脂ボトル用ラベルを、ラベリングマシンを用いて、ボトルの周囲に巻き付け、95℃で5秒間加熱して粘着性を持たせたボトル/ラベル間接着部によってボトルに接着し、内容物を充填包装し、実施例5の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性の巻きラベル包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、持ち運びやすく、緩衝性、耐磨耗性に優れ、スウェード調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0043】(実施例6)
基材フィルムとしては、厚さ140μmの発泡ポリオレフィン樹脂フィルム(三井プラテック株式会社製、製品名「サニパール」)を準備した。
次に、前記の発泡ポリオレフィン樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
その上に、次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させた盛り上げインキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
その結果、スウェード調インキ層/発泡ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例6の触感付与性ラベル原反フィルムを得た。
その後、その左右の両端部を重ね合わせ、次いで、その層間に2液硬化型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤を施して、その重合端部を接合して、筒状のストレッチラベルを製造した。
この筒状のストレッチラベルを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ガラス瓶の胴部の外周表面に装着した。更に、ストレッチラベルを装着したガラス瓶内に、内容物を充填包装し、実施例6の触感付与性ストレッチラベル包装体を得た。
上記で得られた触感付与性ストレッチ包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、持ち運びやすく、耐熱性、緩衝性、耐磨耗性に優れ、スウェード調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0044】(実施例7)
基材フィルムとしては、厚さ80μmの直鎖状ポリエチレン樹脂フィルム(大日本樹脂株式会社製、製品名「HU1」)を準備した。
次に、前記の直鎖状ポリエチレン樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
また、アルミペーストインキを含有させた盛り上げインキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
その結果、スウェード調インキ層/直鎖状ポリエチレン樹脂フィルム/印刷絵柄層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例7の触感付与性ラベル原反フィルムを得た。
その後、その左右の両端部を重ね合わせ、次いで、その層間に2液硬化型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤を施して、その重合端部を接合して、筒状のストレッチラベルを製造した。
この筒状のストレッチラベルを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ガラス瓶の胴部の外周表面に装着した。更に、ストレッチラベルを装着したガラス瓶内に、内容物を充填包装し、実施例7の触感付与性ストレッチラベル包装体を得た。
上記で得られた触感付与性ストレッチ包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、持ち運びやすく、耐熱性、緩衝性、耐磨耗性に優れ、スウェード調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0045】(実施例8)
基材フィルムとしては、不織布(17g/m2)が用いられる。更に印字適性を良くするために基材フィルムの表面にアンカーコート層を設けてもよい。
不織布としてはパルプ、レーヨンの繊維からなる不織布(パルプ30/レーヨン70)を用いた。
その上に、粘着剤層としては、アクリル系樹脂からなる粘着剤を用いた。
一方、厚さ30μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡績成株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。
前記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、印刷パターンとしては、ベタインキ層、格子目模様、および、水滴模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
更に、アルミペーストインキを含有させた盛り上げインキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
その結果、スウェード調インキ層/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層/粘着剤層/不織布層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、水滴模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例8の触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
なお、不織布層を容器外側にして、不織布層/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとして、触感付与性シュリンクラベル原反フィルムとすることもできる。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)スウェード調インキ層/1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム/印刷絵柄層/粘着剤層/不織布(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した250mlのスチール缶の外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例8の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、持ち運びやすく、断熱性、緩衝性、耐磨耗性に優れ、スウェード調の外観を付与でき、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0046】(実施例9)
基材フィルムとしては、厚さ50μmの1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム(シーアイ化成株式会社製、製品名「EPS45TD」)を準備した。
前記の1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムの裏面に、両端部を除いて、グラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷して印刷絵柄層を形成した。
次に、触感付与層として、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」、固形分37%、溶剤:アルコール/エステル混合系、希釈溶剤:酢酸エチル/イソプロピルアルコール)を版深60μmのグラビアコーティングにて凸部の高さ、約10〜30μmとなるように塗工してスウェード調インキ層を形成した。
また、コーティングパターンとしては、ベタインキ層、および、格子目模様のパターンを作製しそれぞれについて、フィルム全面積あたりの塗布面積が、それぞれ、40%、60%、80%、100%となるようにした。
また、白色顔料を含有して着色したスウェード調インキを用いて、印刷絵柄部分に触感付与層を形成する水滴模様のパターンを作製した。
更に、アルミペーストインキを含有させた盛り上げインキを用いて触感付与層を設けた木目模様のパターンについても、同様に作製した。
更に、その上に表面保護層として、版深20μmのグラビアコーティングにて膜厚、約5μm程度となるように塗工してOPニス層を形成した。
その結果、OPニス層/スウェード調インキ層/2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層の層構成からなり、ベタインキ層、格子目模様、および、木目模様のパターンからなる触感付与層に凸状を形成する、実施例9の触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた触感付与性シュリンクラベル原反フィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、(容器外側)OPニス層/スウェード調インキ層(触感付与層)/1軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルム/印刷絵柄層(容器内側)となるようにしてラベル用シートの両端部を重ね合わせ、該重ね合わせ部を溶着シールで熱接着させて筒状体とした。
次に、筒状の触感付与性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填包装した500mlのチルド用ポリエステル製ボトルの外表面に嵌着し、触感付与性シュリンクラベルをスチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。
その結果、該触感付与性シュリンクラベルをボトル本体の胴部に設け、内容物を充填包装し、実施例9の触感付与性シュリンク包装体を得た。
上記で得られた触感付与性シュリンク包装体は、ソフトな触感性を付与すると共に、持ち運びやすく、更に、優れた耐磨耗性を有し、氷涼感、木目調等の意匠性に優れるものであった。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、容器の胴部外周面に装着して用いられるラベルであって、当該ラベルが少なくとも、基材フィルム層と触感付与層とから構成され、前記の触感付与層が凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングすることを特徴とするラベルを製造し、本発明のラベルの触感付与層を外側にして容器に装着したところ、優れた触感性を付与すると共に、断熱性を感覚的に付与することもでき、また、アルミペーストや白色顔料を含有させて着色した触感付与層を設け、木目調や水滴模様の絵柄印刷部分に触感付与層を付与することにより、木目調や氷涼感等の意匠性に優れるもので、更に表面保護層を設けることにより耐磨耗性にも優れ、また、バリアフリーの観点から、ラベルの表面に触感付与層を設けることによって、点字の機能を付与することもでき、また、ボトルを手で持つ部分を持ち運びやすくしたり、緩衝性を付加した包装製品を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラベルの一例を示す断面概略図である。
【図2】本発明に係るラベルの一例を示す断面概略図である。
【図3】本発明に係るラベルの一例を示す断面概略図である。
【図4】本発明のラベル付容器の一実施例を示す斜視図である。
本発明のラベル付容器の要部拡大断面図である。
【図5】本発明のラベル付容器の要部拡大断面図である。
【図6】触感付与層のコーティングパターンの一例を示す図である。
【図7】触感付与層のコーティングパターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 触感付与層
3 絵柄印刷層
4 接着層
5 容器本体
10 ラベル
20 ラベル付容器
Claims (7)
- 容器の胴部外周面に装着して用いられるラベルであって、当該ラベルが、少なくとも、基材フィルム層と触感付与層とから構成され、前記の触感付与層が、凸部を形成するように樹脂をパターン状にコーティングすることを特徴とするラベル。
- 前記の触感付与層が、隆起インキ、発泡インキ、樹脂ビーズを含有するスウェード調インキから選ばれるインキを使用して印刷により形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のラベル。
- 表面保護層が、前記の触感付与層の上に設けられることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のラベル。
- 印刷絵柄層が、前記の基材フィルム層の表面に設けられるか、または、裏面に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラベル。
- 前記の基材フィルム層が、延伸ポリスチレン樹脂系フィルム、延伸ポリエステル樹脂系フィルム、延伸ポリオレフィン樹脂系フィルム、未延伸ポリオレフィン樹脂系フィルム、発泡ポリオレフィン樹脂系フィルム、発泡ポリスチレン樹脂系フィルム、または、これらの少なくとも2層の多層フィルムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
- 前記のラベルが、シュリンクラベル、スチレッチラベル、巻きラベルから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラベル。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のラベルが、前記の触感付与層を外側にして筒状に形成され、容器の胴部外周面に装着されてなることを特徴とするラベル付容器。
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