JP4865938B2 - 断熱ラベル付き容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱収縮性と断熱性とを併せ持つ熱収縮性断熱ラベルと、このような熱収縮性断熱ラベルが容器に装着されたラベル付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ入り即席麺用容器や氷菓用容器等のラベルとして、熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とが積層された熱収縮性断熱ラベルが用いられている。このラベルは、熱収縮性と断熱性とを有するため、加熱収縮により容易に容器に装着できるとともに、保温、保冷性に優れ、内容物の温度を保持でき、また熱湯や氷菓が入っていても容器を手で持つことができるという大きな利点を有する。特に、椀状容器やどんぶり状容器では、容器の側面下端部(底面の周縁部)にまで熱収縮性断熱ラベルを装着することにより、前記下端部に指をかけて容器を持つことが可能となる。
【0003】
この熱収縮性断熱ラベルは、一般に、熱収縮性フィルムと発泡樹脂フィルムとを2液型ウレタン系接着剤を用いて積層するドライラミネート法により製造されている。しかし、このような熱収縮性断熱ラベルを、下方部のテーパーが大きい容器、例えばどんぶり状や椀状等のカップ状容器に装着する場合、容器の底部周縁部まで被覆しようとすると、高収縮を行うため、容器側面部のみに装着する場合と比較してより多くの熱を加えなければならない。この時、熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とは互いに収縮挙動が異なるため、外観が劣ったものになりやすい。特に断熱性に優れた高発泡倍率(10〜50倍)のポリエチレンやポリプロピレンの発泡シートを用いた場合には、熱収縮性フィルム層は主に容器の周方向に大きく熱収縮するのに対し、発泡樹脂層は周方向及び長さ方向に比較的小さい程度でほぼ均等に収縮するため、容器の底面周縁部においては、熱収縮性フィルム層が発泡樹脂層を巻き込んでラベル端部によじれや皺が生じる。このため見栄えが悪く、しかも容器底面周縁部を確実に被覆できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、容器に装着する際、高収縮を必要とする部位を被覆する場合であっても良好な外観が得られる熱収縮性断熱ラベルと、このようなラベルが装着された断熱ラベル付き容器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、容器の側面から底面周縁部にかけて熱収縮性断熱ラベルが装着された断熱ラベル付き容器において、容器の底面周縁部においても良好な外観を呈している断熱ラベル付き容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、熱収縮時において熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とを剥離可能に形成すると、容器に装着した場合、高収縮部においても外観が損なわれず、見栄えの良好なラベル付き容器の得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、容器の側面から底面周縁部にかけて、熱収縮性断熱ラベルが装着されている断熱ラベル付き容器であって、前記熱収縮性断熱ラベルが、少なくとも片面に印刷層が設けられた熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とが積層された熱収縮性断熱ラベルであって、前記熱収縮性フィルム層を構成するフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記発泡樹脂層を構成する樹脂がオレフィン系樹脂であり、前記発泡樹脂層の発泡倍率が10〜50倍であり、前記発泡樹脂層の厚さが200〜1500μmであり、前記熱収縮性フィルム層と前記発泡樹脂層とが、酢酸ビニル含有量が10〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はアクリル酸含有量が5〜30重量%であるエチレン−アクリル酸共重合体からなる、厚さが2〜20μmの接着剤層を介して積層されている熱収縮性断熱ラベルであり、前記容器の底面周縁部において、前記熱収縮性フィルム層と前記発泡樹脂層とが少なくとも部分的に非接着状態にあることを特徴とする断熱ラベル付き容器を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の熱収縮性断熱ラベルの一例を示す概略断面図、図2は本発明の断熱ラベル付き容器の一例を示す概略断面図である。図2の断熱ラベル付き容器では、どんぶり状容器10の側面から底面周縁部にかけて図1の熱収縮性断熱ラベル1が装着されている。
【0009】
熱収縮性断熱ラベル1は、熱収縮性フィルム層2上に、印刷層3、接着剤層4、発泡樹脂層5及び非発泡樹脂層6がこの順序で積層されている。
熱収縮性フィルム層2を構成するフィルムとしては、熱によって収縮可能なように延伸処理されたプラスチックフィルムを使用でき、その代表的な例として、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのフィルム)、ポリオレフィン系フィルム(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂などのフィルム)、ポリスチレン系フィルムなどが挙げられる。これらのなかでも、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムが、収縮応力が強く印刷適性が優れている等の点で好ましい。
【0010】
延伸処理は一軸延伸処理及び二軸延伸処理の何れであってもよいが、収縮性の良好な点で、容器の周方向に収縮するように延伸処理されたものが好ましい。延伸倍率は、強度や熱収縮性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、一般には、一方向(例えば、TD方向)に2〜5倍程度、前記方向と直交する方向(例えば、MD方向)に1.0〜1.5倍程度である。
【0011】
熱収縮性フィルム層2の厚みは、ラベルの強度等を損なわない範囲で適宜選択でき、例えば6〜70μm、好ましくは10〜50μm程度である。熱収縮性フィルム層2のうち印刷を施す面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施してもよい。
【0012】
熱収縮性フィルム層2を構成する熱収縮性フィルムとしては、装着する容器10が変形しない温度において40%以上の熱収縮率を示すものが用いられる。また、この熱収縮性フィルムを80℃の温水に10秒間浸漬したときの一方向における熱収縮率は例えば30〜60%程度、70℃の温水に5秒間浸漬したときの一方向における熱収縮率は例えば0〜30%程度である。上記熱収縮率は、熱収縮性フィルムを構成するポリマーの種類や延伸倍率等により調整できる。
【0013】
印刷層3は、慣用の印刷インキを用いて慣用の印刷法(例えば、グラビア印刷、凸版印刷、平板印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷など)により、例えば厚さ0.5〜8μm程度に施すことができる。なお、印刷層3は熱収縮性フィルム層2のうち接着剤層4とは反対の側に施してもよい。
【0014】
本発明の重要な特徴は、ラベル1を一方向(例えば、容器10の周方向に対応する方向)に40%以上熱収縮させた際に熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とが剥離(デラミネーション)可能に形成されている点にある。なお、「剥離可能」とは現実に剥離しなくても両層が互いに独立して伸縮等できる状態を含む意味である。この場合、熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とは少なくとも部分的に剥離可能に形成されていればよいが、熱収縮後には、ラベルの一体性を保持するため、熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とは少なくとも部分的に再接着するのが好ましい。
【0015】
熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とを熱収縮時に剥離可能にする方法としては、例えば、接着剤層4を熱により接着力が低下する接着剤で形成する方法が挙げられる。このような接着剤には、例えばポリエチレン系樹脂などの熱溶融性樹脂からなる接着剤が含まれる。
【0016】
熱溶融性樹脂からなる接着剤で接着剤層4を構成すると、該樹脂の融点又は軟化点以上の温度でラベル1を熱収縮させた場合、接着剤層4が溶融又は軟化して、熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とがそれぞれ自由に収縮し、その後温度の低下に伴って熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5の接触部分が再度接着する。そのため、特に熱収縮率の大きい部位(例えば、容器の底面周縁部)における熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5との収縮挙動の違いに起因するよじれや皺等の発生を防止できる。また、熱収縮性フィルム層2が発泡樹脂層5に影響されずに収縮するので、容器の底面周縁部等を所望通り確実に被覆、装着できる。そのため、例えば熱湯を注いだ容器でも、容器の底に手を添えて持つことが可能である。
【0017】
また、一般に、発泡樹脂層5の容器10の周方向における熱収縮率は熱収縮性フィルム層2と比較して小さいので、図2に示されるように、容器底面周縁部等の高収縮部ではその収縮に追従できず、波状に変形する場合がある。しかし、発泡樹脂層5の前記周方向に直交する方向(容器底面においては直径方向に相当)における熱収縮率は熱収縮性フィルム層2の該方向の熱収縮率と比べて大きいため、前記波状に変形した部分は熱収縮性フィルム層2に隠れて外側からは見えず、外観を損なわない。
【0018】
前記ポリエチレン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、及びエチレンとエチレン性不飽和結合を有する単量体との共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等)を使用でき、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0019】
前記エチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸などの不飽和無水カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミドなどの不飽和アミド又はイミド;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸塩などが挙げられる。これらの単量体は1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
前記ポリエチレン系樹脂の代表的な例として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体に不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など)をグラフト重合させたグラフト重合体、低密度ポリエチレン、及びこれらのブレンド物などが挙げられる。
【0021】
これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが特に好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル含有量は、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜40重量%程度である。また、エチレン−アクリル酸共重合体におけるアクリル酸含有量は、例えば0.1〜60重量%、好ましくは5〜30重量%程度である。
【0022】
接着剤層4には、必要に応じて、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂、エステルガム、クマロン樹脂、塩素化パラフィン、塩化ビニル樹脂、ニトロセルロースなどの樹脂;熱安定剤;滑剤;可塑剤;充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。なお、前記ロジン樹脂等の樹脂の使用量は、前記ポリエチレン系樹脂等の接着剤の主体となる樹脂(以下、「接着性樹脂」と称することがある)100重量部に対して、例えば0〜50重量部程度である。
【0023】
接着剤層4は、例えば、前記印刷層3上(印刷層3を熱収縮性フィルム層2の両面のうち接着剤層4とは反対側に設ける場合には、熱収縮性フィルム層2上)に、接着剤の種類に応じて、押出しコート法や各種コーティング法(グラビア印刷法等)などの慣用の方法により形成できる。なお、コーティング法により接着剤層4を形成する際には、通常、前記接着性樹脂、必要に応じて上記添加剤、及び溶剤を含む接着剤組成物を調製して使用する。前記溶剤として、例えば、酢酸エチルエステル等のエステル系溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤、アルコール系溶剤などが挙げられる。また、接着性樹脂はエマルジョン等の水分散体の状態でコーティングすることもできる。
【0024】
接着剤層4の厚さは、加工性やラベルの取扱性等を損なわない範囲で適宜選択でき、一般に1〜50μm程度、好ましくは2〜20μm程度である。
【0025】
なお、本発明では、ラベルを一方向に40%以上熱収縮させた際に該熱により熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5とが剥離可能に形成されていればよいが、30%以上の収縮で剥離可能となるものが好ましい。ただし、低収縮部におけるラベルの一体性保持のため、ラベルを30%未満(特に20%以下)熱収縮させる場合には上記2層は剥離しないのが好ましい。このようなラベルは、例えば、接着剤層4を構成する接着剤の融点又は軟化点、軟化時の接着力(粘着力)、接着剤層4の厚み等を適宜選択、調整することにより作製できる。
【0026】
また、本発明では、接着剤層4を構成する接着剤として必ずしも熱によって軟化しやすい樹脂を用いる必要はなく、例えば、40%以上熱収縮させた際に、熱収縮性フィルム層2と発泡樹脂層5の収縮量の差から生じる力によって剥離可能な接着強度であれば、熱によって軟化しにくい接着剤や粘着剤を使用することもできる。
【0027】
発泡樹脂層5を構成する樹脂としては、発泡可能な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が、熱収縮性フィルム層2の収縮に適度に追従するため好ましい。発泡方法としては、物理的発泡法、化学的発泡法等の何れであってもよい。発泡倍率は、断熱性、強度等を損なわない範囲で適宜選択でき、例えば10〜50倍程度、好ましくは30〜40倍程度である。発泡樹脂層5は押出発泡成形などの慣用の発泡成形法によりシート状に形成できる。
【0028】
発泡樹脂層5(発泡シート)の厚みは、断熱性、開封性等を損なわない範囲で適当に設定できるが、一般には200〜1500μm程度、好ましくは250〜1000μm程度である。発泡樹脂層5の表面には、隣接する層との密着性を高めるため、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施してもよい。
【0029】
本発明の熱収縮性断熱ラベルでは、発泡樹脂層5が設けられているため、被着体である容器の内容物の保温効果があるとともに、熱湯や氷菓の入った容器であっても素手で持つことができる。
【0030】
非発泡樹脂層6は、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などで構成できる。
【0031】
非発泡樹脂層6の厚みは、熱収縮させる際の操作性等を損なわない範囲で選択でき、例えば2〜50μm程度、好ましくは2〜30μm程度である。非発泡樹脂層6は、押出しラミネーション、ドライラミネーション、共押出しなどの慣用のラミネート法により形成できる。なお、必ずしも非発泡樹脂層6を設ける必要はないが、機械適性等の点を考慮すると設けた方が好ましい。
【0032】
熱収縮性断熱ラベル1は、例えば、上記のようにして形成した熱収縮性フィルム層2、印刷層3及び接着剤層4からなる積層体7(以下、単に「熱収縮性積層フィルム層」と称する)と、発泡樹脂層5及び非発泡樹脂層6からなる積層体8(以下、単に「発泡樹脂フィルム層」と称する)とを、該接着剤層4の面でラミネート(ヒートラミネートなど)することにより製造できる。また、こうして得られたフィルム又はシート状物を、所望の幅の長尺帯状に切断し、非発泡樹脂層6(又は発泡樹脂層5)側を内側にして丸め、両端辺を接着剤や接着テープ等により接合し、所望の長さに切断することにより、筒状の熱収縮性断熱ラベルとすることができる。
【0033】
本発明の熱収縮性断熱ラベルは、熱収縮率が40%以上の高収縮部を有するラベル付き容器製造用の断熱ラベル、例えば、どんぶり状や椀状等のカップ状容器の側面から底面周縁部にかけて被覆、装着するための断熱ラベルとして有用である。
【0034】
容器10の種類としては、例えば、カップ入り即席麺用の容器や氷菓用の容器などの断熱性を必要とする容器であれば特に限定されない。また、容器10の材質も特に限定されず、例えば、ポリプロピレン等の耐熱性又はポリエチレン等の耐低温性を有するプラスチック製容器、ガラス製容器、金属製容器などが例示できる。前記プラスチック製容器は、シート成形、射出成形等の何れの方法により作製されたものであってもよい。
【0035】
熱収縮性断熱ラベル1を容器10に装着する方法としては、公知乃至慣用の方法を適用できる。例えば、筒状に形成した熱収縮性断熱ラベル1を自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、通常内容物を充填した容器10に外嵌し、所定温度(例えば、80〜200℃程度)の熱風や赤外線等の輻射熱で加熱することにより、該熱収縮性断熱ラベル1を容器10に装着できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
【0037】
実施例1
片面に印刷を施した延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ30μm)の印刷面に、接着剤組成物として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量30重量%)を酢酸エチルエステルを主体とした有機溶剤に溶解した溶液をグラビア印刷法によってコーティングして接着剤層(厚さ6μm)を形成し、熱収縮性積層フィルムを作製した。一方、厚さ500μmの発泡ポリエチレン(発泡倍率:35倍)の片面に厚さ10μmの高密度ポリエチレンフィルムを押出成形法により積層し、他面にコロナ放電処理を施して発泡樹脂フィルムを得た。そして、前記熱収縮性積層フィルムと発泡樹脂フィルムとをヒートラミネートし、熱収縮性断熱ラベルを得た。
得られた熱収縮性断熱ラベルを所定の幅にスリットして複数個のロール状物とした後、各ロール状物を巻き戻し、発泡樹脂フィルム層側を内側にし、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの幅方向(TD方向)が周方向となるように筒状に丸めて両端部をヒートシールにより接着し、長尺筒状の熱収縮性断熱ラベル連続体を得た。この熱収縮性断熱ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、図2に示すどんぶり状のポリプロピレン製縦型カップ麺容器(内容積約400ml)に外嵌し、熱風式加熱トンネル(温度80〜150℃)を通過させて熱収縮させることにより、ラベルを容器に装着した。この時のラベルの容器底面周縁部における熱収縮率は約60%であった。
得られたラベル付き容器のラベルの装着状態を観察したところ、ラベルは全体として緊密に容器に密着しており、良好な外観を呈していた。なお、容器底面周縁部では、ラベルのうち熱収縮性積層フィルム層と発泡樹脂フィルム層とは部分的に非接着の状態にあった。すなわち、外側の熱収縮性積層フィルム層は緊張したフィルム状態を維持しているのに対し、発泡樹脂フィルム層は、熱収縮性積層フィルム層の容器周方向の高収縮に追従できず波状に変形しており、その波の底部でのみ熱収縮性積層フィルム層と接着していた。しかし、容器底面の直径方向については、発泡樹脂フィルム層の方が熱収縮性積層フィルム層よりも熱収縮の度合いが大きいため、前記発泡樹脂層の波状部は熱収縮性積層フィルム層に隠れて外側からはほとんど見えず、外観を損なうことはなかった。
【0038】
実施例2
片面に印刷を施した延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ30μm)の印刷面に、接着剤組成物としてエチレン−アクリル酸共重合体(アクリル酸含有量9.5重量%)を押出コーティングによりコーティングして接着剤層(厚さ10μm)を形成し、熱収縮性積層フィルムを作製した以外は実施例1と同様の操作を行い、ラベル付き容器を作製した。
得られたラベル付き容器のラベルの装着状態を観察したところ、ラベルは全体的に緊密に容器に密着しており、良好な外観を呈していた。なお、容器底面周縁部では、実施例1と同様、発泡樹脂フィルム層は波状に変形していたが、その波状部は熱収縮性積層フィルム層に隠れて外側からはほとんど見えず、外観を損なうことはなかった。
【0039】
比較例1
厚さ500μmの発泡ポリエチレン(発泡倍率:35倍)の片面に厚さ10μmの高密度ポリエチレンフィルムを共押出により積層し、他面にコロナ放電処理を施して発泡樹脂フィルムを得た。
片面に印刷を施した延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ30μm)(熱収縮性フィルム)の印刷面に、上記の発泡樹脂フィルムを2液型ウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法により貼り合わせて熱収縮性断熱ラベルを得た。
この熱収縮性断熱ラベルを用いた以外は実施例1と同様の方法によりラベル付き容器を作製した。
得られたラベル付き容器のラベルの装着状態を観察したところ、容器側面の装着状態は良好であったが、容器底面周縁部では、熱収縮性フィルム層が発泡樹脂フィルム層の容器底面の直径方向の収縮力により、熱収縮性フィルム層が発泡樹脂フィルム層を巻き込んで皺が生じていた。そのため、外観が悪く、しかも容器底面周縁部の被覆は不十分であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、熱収縮性断熱ラベルを構成する熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とが熱収縮時に剥離可能に形成されているので、容器に装着する際、熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とがそれぞれ独立して収縮するため、高収縮部を被覆する場合であっても良好な外観が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱収縮性断熱ラベルの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のラベル付き容器の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 熱収縮性断熱ラベル
2 熱収縮性フィルム層
3 印刷層
4 接着剤層
5 発泡樹脂層
6 非発泡樹脂層
7 熱収縮性積層フィルム層
8 発泡樹脂フィルム層
10 容器
Claims (1)
- 容器の側面から底面周縁部にかけて、熱収縮性断熱ラベルが装着されている断熱ラベル付き容器であって、
前記熱収縮性断熱ラベルが、少なくとも片面に印刷層が設けられた熱収縮性フィルム層と発泡樹脂層とが積層された熱収縮性断熱ラベルであって、前記熱収縮性フィルム層を構成するフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記発泡樹脂層を構成する樹脂がオレフィン系樹脂であり、前記発泡樹脂層の発泡倍率が10〜50倍であり、前記発泡樹脂層の厚さが200〜1500μmであり、前記熱収縮性フィルム層と前記発泡樹脂層とが、酢酸ビニル含有量が10〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はアクリル酸含有量が5〜30重量%であるエチレン−アクリル酸共重合体からなる、厚さが2〜20μmの接着剤層を介して積層されている熱収縮性断熱ラベルであり、
前記容器の底面周縁部において、前記熱収縮性フィルム層と前記発泡樹脂層とが少なくとも部分的に非接着状態にあることを特徴とする断熱ラベル付き容器。
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