JP4467739B2 - ラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防湿性に優れたラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公昭62−13946号公報に記載されているように、インスタント食品用容器などとして用いられる発泡プラスチック製容器に、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチック製フィルムからなる熱収縮性ラベルを装着することで、外観に美観を施し、水蒸気バリヤー性を高めることが知られている。なかでもポリプロピレン製フィルムからなる熱収縮性ラベルは防湿性の点で特に優れている。
【0003】
しかし、通常用いられるポリプロピレン製の熱収縮性ラベルを発泡ポリスチレン製容器に高い密着性で装着しようとする場合には、熱収縮の際、比較的高温(例えば、200℃程度)の熱風を吹き付ける等、多くの熱量を必要とするため、発泡ポリスチレン容器がその熱で2次発泡する危険性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、防湿性に優れ、しかも熱収縮性ラベルを温和な条件で緊密に装着可能なラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記目的を達成するため鋭意検討した結果、発泡ポリスチレン製容器に装着する熱収縮ラベルのベースフィルムを特定のポリマーからなる多層構造とすると、高い防湿性を確保しつつ、比較的低い温度や熱量でもラベルを緊密に容器に装着でき、容器の2次発泡を防止できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、発泡ポリスチレン製容器に、α−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体及び環状オレフィンの開環重合体若しくはその水添物から選択された、ガラス転移温度(Tg)が60〜150℃の範囲にある非晶性オレフィン系重合体からなる表面層とプロピレン系重合体からなる中心層とで構成されたベースフィルムの少なくとも一方の面に印刷層が設けられた熱収縮性ラベルが装着されているラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明のラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器を製造する工程の一例を示す概略図であり、図2は本発明のラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器における熱収縮性ラベルの一例を示す概略断面図である。図中、1は発泡ポリスチレン製容器を示し、2は該容器に装着される熱収縮性ラベルを示す。
【0008】
熱収縮性ラベル2は、ベースフィルム6と、ベースフィルム6の一方の面に設けられた印刷層3とで構成されており、前記ベースフィルム6は表面層5/中心層4/表面層5の3層構造を有している。
【0009】
中心層4はプロピレン系重合体により形成されている。前記プロピレン系重合体としては、プロピレンを構成単量体として含む種々のポリマーを使用できるが、その代表的な例としてエチレン−プロピレンランダム共重合体が挙げられる。このエチレン−プロピレンランダム共重合体において、エチレンとプロピレンの比率は、例えば、前者/後者(重量比)=2/98〜5/95程度である。エチレン−プロピレンランダム共重合体は慣用の重合法により得ることができるが、市販品を使用することもできる。
【0010】
中心層4には、プロピレン系重合体のほか、必要に応じて水添石油樹脂及び水添テルペン樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂を含んでいてもよい。このような樹脂を中心層4に含有させることにより、透明性や腰の強さ、低温での熱収縮性などを向上させることができる。前記水添石油樹脂は芳香族系石油樹脂を水素添加して得られる樹脂であり、水添テルペン樹脂はテルペン樹脂や芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂を水素添加して得られる樹脂であり、それぞれ市販品を用いることができる。
【0011】
前記樹脂の使用量は、成膜性などを損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には、プロピレン系重合体100重量部に対して、0〜60重量部程度、好ましくは20〜50重量部程度である。
【0012】
中心層4は、さらに必要に応じて、他のポリマーを少量含んでいてもよい。中心層4の厚みは、例えば10〜80μm、好ましくは20〜50μm程度である。
【0013】
表面層5,5は、ガラス転移温度(Tg)が60〜150℃、好ましくは60〜100℃、特に好ましくは60〜80℃の範囲にある非晶性オレフィン系重合体で形成されている。ガラス転移温度が60℃未満では耐熱性に劣り、150℃を超えるとラベルが脆くなりやすい。
【0014】
前記非晶性オレフィン系重合体としては、非晶性で且つガラス転移温度が上記範囲であれば特に限定されないが、その代表的な例として、(A)エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体(以下、「環状オレフィン共重合体」と称することがある)、及び(B)環状オレフィンの開環重合体又はその水添物が挙げられる。
【0015】
前記重合体(A)及び(B)における環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5−イコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−4−ペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.113,20.115,18.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセンなどの多環式環状オレフィン等が挙げられる。これらの環状オレフィンは、環に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのエステル基、メチル基などのアルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0016】
前記環状オレフィン共重合体(A)は、例えば、前記α−オレフィンと環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒や前記メタロセン触媒などの触媒を用いて重合することにより得ることができる。このような環状オレフィン共重合体(A)は市販されており、例えば、商品名「アペル」(三井化学(株)製)などが使用できる。
【0017】
前記環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)は、例えば、前記環状オレフィンを、モリブデン化合物やタングステン化合物を触媒としたメタセシス重合(開環重合)に付し、通常、得られたポリマーをさらに水添することにより製造できる。このような重合体(B)は市販されており、例えば、商品名「アートン」(日本合成ゴム(株)製)、商品名「ゼオネックス」「ゼオノア」(日本ゼオン(株)製)などが使用できる。
【0018】
好ましい非晶性環状オレフィン系重合体は、前記環状オレフィン共重合体(A)である。なかでも、エチレンとビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)又はテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの共重合体が好ましく、特にエチレン含有量が60〜85モル%(とりわけ70〜80モル%)の範囲のものが好ましい。
【0019】
表面層5,5は前記非晶性環状オレフィン系重合体の1種又は2種以上で形成されていてもよく、さらに必要に応じ他のポリマーを少量含んでいてもよい。
【0020】
表面層5,5の厚みは、それぞれ、例えば、0.5〜15μm程度、好ましくは1〜10μm程度である。また、両表面層5,5の総厚みのベースフィルム2の厚みに対する割合は、例えば3〜50%、好ましくは5〜30%程度である。この割合が3%より小さい場合には、熱収縮時に高温を必要とする。また、非晶性環状オレフィン系重合体は比較的高価であるため、前記割合は50%以下とすることが好ましい。
【0021】
前記表面層5のうち印刷層3側の表面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施してもよい。また、中心層4、表面層5,5には、必要に応じて、滑剤、充填剤、無機微粒子、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0022】
なお、前記中心層4及び表面層5,5はそれぞれ複数の層で構成することもできる。また、中心層4と表面層5,5との間に、熱収縮性や剛性等を損なわない範囲で他の樹脂層を設けてもよく、表面層5の表面には、損傷防止等のため、アクリル系樹脂などからなるオーバーコート層を設けてもよい。
【0023】
ベースフィルム6は、積層フィルムを製造する際に用いられる慣用の方法、例えば、共押出法などにより製造できる。例えば、図2に示されるベースフィルム6は、中心層4を形成する樹脂を含む樹脂組成物と、表面層5,5を形成する樹脂を含む樹脂組成物とを、Tダイを備え、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いて溶融押出しし、冷却ロールにより冷却した後、延伸処理(1軸延伸又は2軸延伸)することにより得ることができる。なお、Tダイに代えて環状ダイを用いることもできる。本発明では、中心層4及び表面層5,5が何れもオレフィン系重合体で形成されているので、接着剤を用いることなく積層可能である。
【0024】
延伸は、テンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。延伸処理は、通常、70〜150℃程度の温度で、幅方向(横方向;TD方向)に4〜8倍、好ましくは5〜7倍程度延伸することにより行われる。なお、必要に応じて、長さ方向(縦方向;MD方向)にも低い延伸倍率(例えば1.5倍程度以下)で延伸処理を施すことができる。こうして得られるベースフィルム6は、幅方向(延伸処理を施した方向)に配向性を有し、該方向に熱収縮性を示す。
【0025】
ベースフィルム6を90℃の温水中に10秒間浸漬したときの主配向方向X(主に延伸処理を施した方向;例えば、前記幅方向)の熱収縮率は、例えば30〜80%程度、好ましくは40〜70%程度である。このようなベースフィルムからなる熱収縮性ラベルでは、特に低温、低熱量で熱収縮が可能であり、例えば湾曲面を有する容器にも簡易にしかも密着性よく装着できる。なお、前記熱収縮率は下記式により求められる。
熱収縮率(%)=[{(方向Xの元の長さ)−(方向Xの浸漬後の長さ)
}/(方向Xの元の長さ)]×100
【0026】
前記熱収縮率は、ベースフィルム6の中心層4や表面層5,5を構成する樹脂の種類、延伸倍率等の延伸条件などを適宜選択することにより調整できる。
【0027】
本発明における熱収縮性ラベル2は、上記のようにして得られたベースフィルム6の少なくとも一方の面に、グラビア印刷等の慣用の印刷法により所望の画像、文字を印刷して印刷層3を形成することにより製造できる。そして、印刷層3を形成した後、通常、所望の幅の長尺帯状に切断し、印刷面を内側にして、ベースフィルム6のうち前記方向Xが周方向となるように筒状に丸め、両端辺を有機溶剤や熱融着等で接着した後、必要に応じて所望の長さに切断することにより、筒状の熱収縮性ラベルとすることができる。このように筒状に形成された熱収縮性ラベルは、円筒状或いは逆円錐台状等の胴部を有する容器に、緊密に且つ容易に装着できる。
【0028】
前記印刷層3を形成する際の印刷インキとしては特に限定されず、用途に応じて、水性インキ、油性インキ等の何れを使用してもよい。
【0029】
なお、表面層5,5は有機溶剤により溶着できるため、接着部の収縮性が悪くなる熱融着よりも有機溶剤による接着の方が好ましい。また、有機溶剤によりセンターシールされた熱収縮性ラベルは、接合部分に皺が生じず、優れた外観を呈する。前記有機溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチル、1,2−ジクロロエタン、塩化プロピルなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどの1種又は数種の混合物が挙げられる。これらの中でも、沸点が20〜120℃程度、特に50〜105℃程度の有機溶媒が作業性等の点で好ましい。
【0030】
また、前記筒状の熱収縮性ラベルの内側の少なくとも上端部、好ましくは上下両端部に接着剤層を設けて、熱収縮時に容器と接着させると、装着した熱収縮ラベルのずれ落ちを確実に防止できる。さらに、筒状熱収縮性ラベルの内側の上下両端部に全周に亘って接着剤層を設けて容器の上下両端部と接着させることにより、水蒸気バリヤー性(防湿性)をより一層高めることができる。
【0031】
前記接着剤層を構成する接着剤としては、前記効果を達成できるものである限り特に限定されないが、ラベルの熱収縮時に軟化又は溶融することにより接着性を生ずる感熱接着剤を使用することが好ましい。該感熱接着剤はホットメルト型接着剤とディレードタック型接着剤とに大別される。
【0032】
ホットメルト型接着剤は熱溶融性と粘着性とを備えた接着剤であり、通常、ベースポリマー、粘着付与剤、ワックスなどから構成される。ホットメルト型接着剤には、ベースポリマーが、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのオレフィン系樹脂であるオレフィン系ホットメルト型接着剤;ベースポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン−ブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性エラストマーであるゴム系ホットメルト型接着剤;ベースポリマーがポリエステルであるポリエステル系ホットメルト型接着剤;ベースポリマーがポリアミドであるポリアミド系ホットメルト型接着剤などが含まれる。
【0033】
前記粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらの誘導体、樹脂酸ダイマーなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂など)、石油樹脂(脂肪族系、芳香族系、脂環族系)、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。粘着付与剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0034】
一方、ディレードタック型接着剤は、塗布、乾燥後の接着剤面が、常温では粘着性を示さないが、加熱によって粘着性が発現し、且つその粘着性が冷却後も一定の期間(数分〜数日間)持続する接着剤であり、通常、熱可塑性樹脂、固体可塑剤(結晶性可塑剤)、粘着付与剤などから構成される。
【0035】
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸エステルをモノマー成分として含むアクリル系重合体、酢酸ビニルをモノマー成分として含む酢酸ビニル系重合体、スチレンをモノマー成分として含むスチレン系重合体などが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
前記固体可塑剤としては、例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチルなどのフタル酸エステル類;イソフタル酸ジメチルなどのイソフタル酸エステル類;テレフタル酸エステル類;安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、四安息香酸ペンタエリトリットなどの安息香酸エステル類;八酢酸スクロースなどの酢酸エステル類;クエン酸トリシクロヘキシルなどのクエン酸エステル類;N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミドなどのスルホンアミド類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの固体可塑剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、粘着付与剤としては前記と同様のものを用いることができる。
【0037】
ディレードタック型接着剤には、必要に応じて、分散剤、消泡剤、増粘剤等の公知乃至慣用の添加剤が含まれていてもよい。
【0038】
発泡ポリスチレン製容器1としては、ポリスチレンなどのスチレン系重合体の発泡体で形成された容器であれば特に限定されず、ビーズ発泡により製造された容器(例えば、縦型カップ麺容器など)、発泡シートを成形して得られる容器(例えば、椀型容器など)等の何れであってもよい。本発明は、主として独立気泡からなるため加熱によって2次発泡(再発泡)を起こしやすいビーズ発泡により製造された容器に対して特に有用である。
【0039】
発泡ポリスチレン製容器1の形状も特に限定されず、例えば、側壁がテーパー状の縦型カップ状容器等の有底の円筒状容器など、スチレン系重合体で形成される種々の容器を使用できる。容器1に充填される内容物の種類も特に限定されないが、本発明は、インスタント食品(即席ラーメン等)などの湿気に弱い食品用のラベル付き容器として特に有用である。
【0040】
熱収縮性ラベル2を発泡ポリスチレン製容器1に装着する方法としては、公知乃至慣用の方法を適用できる。例えば、筒状に形成した熱収縮性ラベル2を自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、通常内容物を充填した容器1に外嵌し、所定温度の熱風トンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱することにより、該熱収縮性ラベル2を容器1に装着できる。加熱量は温度と風量、時間との兼ね合いで変わるため一概には言えないが、本発明によれば、例えば100〜180℃程度、特に140〜160℃程度の比較的低い温度の熱風で熱収縮させても、ラベルを緊密に容器に装着することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明では、熱収縮性ラベルを構成するベースフィルムがプロピレン系重合体からなる中心層を有しているため、発泡ポリスチレン製容器に装着した場合に高い水蒸気バリヤー性を示し、内容物が湿気るのを防止できる。しかも、本発明では、前記ベースフィルムが非晶性オレフィン系重合体からなる表面層を有しているので、熱収縮の際、比較的低温(少ない加熱量)であっても容器に対して緊密に装着できる。そのため、発泡ポリスチレン製容器が熱によって2次発泡することがなく、容器としての強度や外観が損なわれない。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0043】
実施例1
市販のエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量4.2重量%)100重量部と水添石油樹脂(商品名「アルコン」、荒川化学工業(株)製)45重量部との混合物(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「アペルAPL6509」、Tg80℃、密度1.02g/cm3、三井化学(株)製)100重量部と無機微粒子(球状シリカ、平均粒径1.5μm)0.5重量部との混合物(b1)とを、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いてTダイから温度260℃で共押出しし、次いで100℃で幅方向(TD方向)に6.0倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の層構成を有する厚み50μm(中心層(a1)の厚み:40μm、表面層(b1)の厚み:各5μm)のベースフィルムを得た。
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を90℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率を求めたところ、50%であった。
前記で得られたベースフィルムの一方の表面に反応型ウレタン系インキを用いて8色からなるデザインのグラビア印刷を施して印刷層を形成するとともに、他方の面に損傷防止のためにアクリル系樹脂からなるオーバーコート層を形成し、ロール状に巻回した。得られた印刷ロールを所定の幅にスリットして複数個のロール状物とした後、各ロール状物を巻き戻し、ベースフィルムの幅方向(TD方向)が周方向となるように筒状に丸めて両端部を有機溶媒(シクロヘキサン)で接着し、長尺筒状の熱収縮性ラベル連続体を得た。この熱収縮性ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、即席麺の入った逆円錐台形状の発泡ポリスチレン製縦型カップ麺容器(内容積約400ml)に外嵌し、熱風式加熱トンネル(温度140〜160℃)を通過させて熱収縮させることによりラベルを容器に装着した。容器に2次発泡は見られず、ラベルの容器への装着性、仕上がりはともに良好であった。また、こうして得られた即席麺入りラベル付き容器を長期間保存したところ、高い防湿効果が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器を製造する工程の一例を示す概略図である。
【図2】本発明のラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器における熱収縮性ラベルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 発泡ポリスチレン製容器
2 熱収縮性ラベル
3 印刷層
4 中心層
5 表面層
6 ベースフィルム
Claims (2)
- 発泡ポリスチレン製容器に、α−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体及び環状オレフィンの開環重合体若しくはその水添物から選択された、ガラス転移温度(Tg)が60〜150℃の範囲にある非晶性オレフィン系重合体からなる表面層とプロピレン系重合体からなる中心層とで構成されたベースフィルムの少なくとも一方の面に印刷層が設けられた熱収縮性ラベルが装着されているラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器。
- ベースフィルムの熱収縮率が90℃の温水中に10秒間浸漬したときの主配向方向について30〜80%の範囲にある請求項1記載のラベル付き発泡ポリスチレン製食品容器。
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