JP4593759B2 - ラベル付き容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュリンクラベルがビニル重合体からなる容器に熱収縮により装着されたラベル付き容器に関する。このようなラベル付き容器は、例えば、カップ麺用の容器やシャンプー等の詰替用の薄肉ブローボトルなどとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、カップ麺(カップ入り即席麺)用の容器として、ポリプロピレン製や発泡スチロール製などのビニル重合体からなる縦型容器に、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムなどをベースフィルムとするシュリンクラベルを熱収縮により装着させたものが使用されている。また、シャンプーなどの詰替用容器として、ポリプロピレン製などのビニル重合体からなるブローボトルに上記のシュリンクラベルを装着させたものが用いられている。
【0003】
しかし、ベースフィルムとして熱収縮性のPETフィルムを用いたシュリンクラベルを前記容器に装着する場合には、シュリンクラベルを容器に被せて熱収縮させた後、容器との間の緊密性が徐々に低下し、緩んだ状態になるという問題があった。これは、前記容器が温度の低下と共に収縮し、シュリンクラベルがこれに追従できないためと考えられ、特にプロピレン重合体からなる容器の場合に問題であった。また、従来の熱収縮性OPPフィルムからなるシュリンクラベルを容器に被せた場合には、加熱後に熱源を離すと収縮による締め付けが緩んだリラックス状態になるという問題があった。OPPフィルムは、また一般に低温での収縮率が低いため、上方から下方に向かって漸次径が減少するいわゆるテーパーを持ったカップ状容器に装着する際、容器側面の下端部をも被覆させようとすると、多くの熱量が必要であった。さらに、OPPフィルムは上記のように低温収縮性が低く、高い収縮温度が必要なため、内容物が加熱により変質しやすいものである場合には使用しにくいという問題もあった。
【0004】
また、ベースフィルムとして、PETフィルムやPVCフィルムなどを用いた場合には、堅くてパリパリした手触り感があり、触感上好ましいものとは言えなかった。
さらに、近年、環境保護の観点から使用済み容器等のリサイクルが進行している折り、例えばポリプロピレン製の容器に異種の材料であるPET製のラベルを装着すると、各材料をリサイクル使用するためには容器とラベルとを分離する工程が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、ポリプロピレンなどのビニル重合体からなる容器にシュリンクラベルを熱収縮により装着したラベル付き容器において、シュリンクラベル収縮後のリラックスがなく、しかもしっとりとした手触り感を与えるラベル付き容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用後に、容器とラベルとを分離することなく各構成材料をリサイクル使用できるラベル付き容器を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、テーパーを持ったカップ状容器の側面の下端部をも緊張した状態で被覆できるラベル付き容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、比較的低温でラベルを収縮させることにより製造可能なラベル付き容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、容器に装着するシュリンクラベルのベースフィルムを特定のポリマーからなる多層構造とすると、ラベル収縮後のリラックスが解消され、手触り感も改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、ベースフィルムの少なくとも一方の面に印刷層が設けられたシュリンクラベルがビニル重合体からなる容器に熱収縮により装着されたラベル付き容器であって、前記ベースフィルムが、プロピレン系重合体からなる中心層と、該中心層の両側に積層されたガラス転移温度(Tg)が60〜100℃である非晶性環状オレフィン系重合体からなる表面層とで構成されているとともに、両表面層の総厚みのベースフィルムの厚みに対する割合が3〜30%であり、且つ前記シュリンクラベルが有機溶剤によりセンターシールされていることを特徴とするラベル付き容器を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明のラベル付き容器の一例を示す概略縦断面図である。このラベル付き容器では、テーパーを有するビニル重合体からなる縦型カップ状容器6の胴部にシュリンクラベル1が熱収縮により装着されている。
【0009】
図2は上記シュリンクラベル1の一例を示す概略断面図である。このシュリンクラベル1は、ベースフィルム2と、ベースフィルム2の一方の面に設けられた印刷層3とで構成されており、前記ベースフィルム2は表面層5/中心層4/表面層5の3層構造を有している。
【0010】
中心層4はプロピレン系重合体により形成されている。前記プロピレン系重合体としては、プロピレンを構成単量体として含む種々のポリマーを使用できるが、その代表的な例としてエチレン−プロピレンランダム共重合体が挙げられる。エチレン−プロピレンランダム共重合体におけるエチレン含量は、例えば3〜5重量%程度、好ましくは3.5〜4.5重量%程度である。エチレン−プロピレンランダム共重合体は慣用の重合法により得ることができるが、市販品を使用することもできる。
【0011】
中心層4には、プロピレン系重合体のほか、必要に応じて水添石油樹脂及び水添テルペン樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂を含んでいてもよい。このような樹脂を中心層4に含有させることにより、透明性や腰の強さ、低温での熱収縮性などを向上させることができる。前記水添石油樹脂は芳香族系石油樹脂を水素添加して得られる樹脂であり、水添テルペン樹脂はテルペン樹脂や芳香族変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂を水素添加して得られる樹脂であり、それぞれ市販品を用いることができる。
【0012】
前記樹脂の使用量は、成膜性などを損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には、プロピレン系重合体100重量部に対して、0〜30重量部(例えば10〜30重量部)程度、好ましくは10〜25重量部程度である。
中心層4は、さらに必要に応じて、他のポリマーを少量含んでいてもよい。中心層4の厚みは、例えば10〜100μm、好ましくは15〜50μm程度である。
【0013】
表面層5,5は、非晶性環状オレフィン系重合体で形成されている。非晶性環状オレフィン系重合体には、(A)エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体(以下、「環状オレフィン共重合体」と称することがある)、及び(B)環状オレフィンの開環重合体又はその水添物が含まれる。
【0014】
前記重合体(A)及び(B)における環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5−イコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,14]−4−ペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.113,20.115,18.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセンなどの多環式環状オレフィン等が挙げられる。これらの環状オレフィンは、環に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのエステル基、メチル基などのアルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0015】
前記環状オレフィン共重合体(A)は、例えば、前記α−オレフィンと環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒や前記メタロセン触媒などの触媒を用いて重合することにより得ることができる。このような環状オレフィン共重合体(A)は市販されており、例えば、商品名「アペル」(三井化学(株)製)などが使用できる。
【0016】
前記環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)は、例えば、前記環状オレフィンを、モリブデン化合物やタングステン化合物を触媒としたメタセシス重合(開環重合)に付し、通常、得られたポリマーをさらに水添することにより製造できる。このような重合体(B)は市販されており、例えば、商品名「アートン」(日本合成ゴム(株)製)、商品名「ゼオネックス」(日本ゼオン(株)製)、商品名「ゼオノア」(日本ゼオン(株)製)などが使用できる。
【0017】
好ましい非晶性環状オレフィン系重合体は、前記環状オレフィン共重合体(A)である。なかでも、エチレンとビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)又はテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの共重合体が好ましく、特にエチレン含有量が60〜85モル%(とりわけ70〜80モル%)の範囲のものが好ましい。
【0018】
非晶性環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、ラベルの収縮性や耐熱性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、60〜100℃程度が好ましく、さらに好ましくは60〜80℃(特に、60〜75℃)程度である。ガラス転移温度が上記の範囲にある非晶性環状オレフィン系重合体で表面層5,5を形成したラベルは低温収縮性に著しく優れる。そのため、テーパーを持ったカップ状容器の側面下端部や角ボトル等の肩部をも少量の熱量で緊密に被覆することができる。また、薄肉の容器にも少量の熱量で被覆できるので、容器の変形を防止できる。さらに、熱により変質しやすいものを充填した容器にも好適に使用することができる。なお、非晶性環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、ポリマーを形成する単量体の組成(種類及び比率)を適宜選択することにより調整できる。
【0019】
表面層5,5は前記非晶性環状オレフィン系重合体の1種又は2種以上で形成されていてもよく、さらに必要に応じ他のポリマーを少量含んでいてもよい。
【0020】
表面層5,5の厚みは、それぞれ、例えば、0.5〜10.0μm程度、好ましくは1.0〜5.0μm程度である。また、両表面層5,5の総厚みのベースフィルム2の厚みに対する割合は、例えば3〜50%、好ましくは5〜30%程度である。この割合が3%より小さい場合には、熱収縮後にリラックス状態になりやすい。また、非晶性環状オレフィン系重合体は比較的高価であるため、前記割合は30%以下とすることが好ましい。
【0021】
前記表面層5のうち印刷層3側の表面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理などの慣用の表面処理を施してもよい。また、中心層4、表面層5,5には、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0022】
なお、前記中心層4及び表面層5,5はそれぞれ複数の層で構成することもできる。また、中心層4と表面層5,5との間に、剛性等を損なわない範囲で他の樹脂層を設けてもよく、表面層5の表面には、損傷防止等のため、アクリル系樹脂などからなるオーバーコート層を設けてもよい。
【0023】
ベースフィルム2は、積層フィルムを製造する際に用いられる慣用の方法、例えば、共押出法などにより製造できる。例えば、図2に示されるベースフィルム2は、中心層4を形成する樹脂を含む樹脂組成物と、表面層5,5を形成する樹脂を含む樹脂組成物とを、Tダイを備え、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いて溶融押出しし、冷却ロールにより冷却した後、延伸処理(1軸延伸又は2軸延伸)することにより得ることができる。なお、Tダイに代えて環状ダイを用いることもできる。本発明では、中心層4及び表面層5,5が何れもオレフィン系重合体で形成されているので、接着剤を用いることなく積層可能である。
【0024】
延伸は、テンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向(横方向;TD方向)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。なお、必要に応じて、長さ方向(縦方向;MD方向)にも延伸処理を施すことができる。こうして得られるベースフィルム2は、幅方向(延伸処理を施した方向)に熱収縮性を示す。
【0025】
ベースフィルム2を80℃の温水中に10秒間浸漬したときの容器の周方向に相当する方向X(例えば、前記幅方向)の熱収縮率は、例えば、20〜40%程度、好ましくは25〜40%程度である。なお、前記熱収縮率は下記式により求められる。
熱収縮率(%)=[{(方向Xの元の長さ)−(方向Xの浸漬後の長さ) }/(方向Xの元の長さ)]×100
前記熱収縮率は、中心層4や表面層5,5を構成する樹脂の種類、延伸倍率等の延伸条件などを適宜選択することにより調整できる。
【0026】
本発明におけるシュリンクラベル1は、上記のようにして得られたベースフィルム2の少なくとも一方の面に、グラビア印刷等の慣用の印刷法により所望の画像、文字を印刷して印刷層3を形成することにより製造できる。そして、印刷層3を形成した後、通常、所望の幅の長尺帯状に切断し、印刷面を内側にして、ベースフィルム2のうち前記方向Xが周方向となるように筒状に丸め、両端辺を有機溶剤や熱融着等で接着した後、必要に応じて所望の長さに切断することにより、筒状のシュリンクラベルとすることができる。このように筒状に形成されたシュリンクラベルは、円筒状胴部を有する容器に容易に装着できる。なお、表面層5,5は有機溶剤により溶着できるため、接着部の収縮性が悪くなる熱融着よりも有機溶剤による接着の方が好ましい。また、有機溶剤によりセンターシールされたシュリンクラベルは、接合部分に皺が生じず、優れた外観を呈する。
【0027】
前記有機溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチル、1,2−ジクロロエタン、塩化プロピルなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどの1種又は数種の混合物が挙げられる。これらの中でも、沸点が20〜70℃程度、特に25〜50℃程度の有機溶媒が作業性等の点で好ましい。
【0028】
本発明において、容器6を構成するビニル重合体としては、ビニル化合物を重合して得られる種々の重合体が使用可能であるが、その代表的な例として、例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体、ポリスチレンなどのスチレン系重合体などが挙げられる。容器6はビニル重合体の発泡体(例えば、発泡スチロールなど)で形成されていてもよい。
【0029】
容器6が特にポリプロピレンなどのプロピレン系重合体で形成されている場合には、シュリンクラベル1の主構成成分がプロピレン系重合体であることから、使用後、各構成材料をリサイクルする際、容器6とラベル1とを分離するという煩雑な工程を省略できるという大きなメリットがある。
【0030】
なお、容器6としては、上記のようなテーパーを持った容器に限らず、有底の円筒状容器などビニル重合体で形成される種々の容器を使用できる。また、容器の成形法も特に限定されず、射出成形、ブロー成形等の慣用のプラスチック成形法により成形されたものを使用できる。特に好ましい容器として、即席食品用容器(縦型容器など)、シャンプー等の詰替用の薄肉ブローボトルなどが挙げられる。また、内容物が熱変質しやすい医薬品や調味料、健康飲料などの容器としても利用性が高い。
【0031】
シュリンクラベル1を容器6に装着する方法としては、公知乃至慣用の方法を適用できる。例えば、筒状に形成したシュリンクラベル1を自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、通常内容物を充填した容器6に外嵌し、所定温度のスチームトンネル(例えば、80〜90℃程度)や熱風トンネル(例えば、100〜200℃程度)を通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱することにより、該シュリンクラベル1を容器6に装着できる。特に、ガラス転移温度が60〜75℃の範囲にある非晶性環状オレフィン系重合体で表面層5,5を形成したシュリンクラベルは、比較的低温のスチームトンネルを通過させるだけで容器に緊密に装着させることが可能である。
【0032】
本発明では、シュリンクラベル1を構成するベースフィルム2がプロピレン系重合体からなる中心層4の両側に非晶性環状オレフィン系重合体からなる表面層5,5を積層した多層構造を有しているので、熱収縮により容器6に装着した後、フィルムがリラックスして緩むことが少なく、容器6が温度の低下と共に収縮してもこれに追従でき、ラベル1と容器6とが緊密に密着したラベル付き容器が得られる。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどをベースフィルムとしたラベルでみられるパリパリした手触り感はなく、全体にしっとりとした手触り感が得られる。
【0033】
また、上記のように上方から下方に向かって漸次径が減少するいわゆるテーパーを持ったカップ状容器6にシュリンクラベル1を装着した場合、シュリンクラベル1のうち高い収縮率が必要な該容器6の側面下端部を被覆する際に形成される内方への折れ曲がり部分1aも緊張した仕上がり状態となる。また、プロピレン重合体からなる容器に熱収縮により装着した場合においてもシュリンクラベル1を密着性良く装着することができる。
【0034】
さらに、ベースフィルム2の表面層5が非晶性環状オレフィン系重合体で形成されているため、前記のように溶剤により容易にシールできる。また、腰が強いため、製造ライン速度を大幅に速めることができ、生産性を向上できると共に、薄肉化できるのでコストダウンとなる。さらに、優れた透明性と光沢を有するため、印刷が美麗に見える。
【0035】
また、ガラス転移温度が特定の範囲にある非晶性環状オレフィン系重合体で表面層を構成した場合には、ラベル付き容器の製造が比較的低温下での熱収縮により可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0037】
実施例1
エチレン−プロピレンランダム共重合体(商品名「グランドポリプロ」、エチレン含有量4.5重量%、(株)グランドポリマー製)100重量部及び水添石油樹脂(商品名「アルコン」、荒川化学(株)製)25重量部の混合物(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「アペルAPL6509」、Tg80℃、密度1.02g/cm3、三井化学(株)製)(b1)とを、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いてTダイから共押出し、次いで100℃で幅方向(TD方向)に6.0倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の層構成を有する厚み30μm(中心層(a1)の厚み:22μm、表面層(b1)の厚み:各4μm)のベースフィルムを得た。
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を80℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率を求めたところ、30%であった。
前記で得られたベースフィルムの一方の表面に水性インキを用いて8色からなるデザインのグラビア印刷を施して印刷層を形成し、ロール状に巻回した。得られた印刷ロールを所定の幅にスリットして複数個のロール状物とした後、各ロール状物を巻き戻し、印刷層を内側にし、ベースフィルムの幅方向(TD方向)が周方向となるように筒状に丸めて両端部を有機溶剤(テトラヒドロフラン)で接着し、長尺筒状のシュリンクラベル連続体を得た。このシュリンクラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、逆円錐台形状のポリプロピレン製縦型カップ麺容器(内容積約400ml)に外嵌し、熱風式加熱トンネル(温度120℃)を通過させて熱収縮させることにより、ラベルを容器に装着した。このときのラベルの下端における熱収縮率は40%であった。 得られたラベル付き容器は、しっとりとした手触り感を有していた。また、ラベルは容器に緊密に密着しており、ラベル収縮後のリラックス現象は見られなかった。さらに、容器底部のラベルの折れ曲がり部分においても、緊張した仕上がり状態であった。
【0038】
実施例2
ラベルを装着する容器として、ポリプロピレン製の縦型カップ麺容器の代わりに逆円錐台形状の発泡スチロール製縦型カップ麺容器を用いた以外は、実施例1と同様にしてラベル付き容器を作製した。
その結果、実施例1の場合と同様、得られたラベル付き容器は、しっとりとした手触り感を有しており、ラベル収縮後のリラックス現象も見られなかった。また、容器底部のラベルの折れ曲がり部分においても、緊張した仕上がり状態が得られた。
【0039】
実施例3
エチレン−プロピレンランダム共重合体(商品名「グランドポリプロ」、エチレン含有量4.5重量%、(株)グランドポリマー製)100重量部及び水添石油樹脂(商品名「アルコン」、荒川化学(株)製)25重量部の混合物(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「アペルAPL8008T」、Tg70℃、密度1.02g/cm3、三井化学(株)製)(b1)とを、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いてTダイから共押出し、次いで100℃で幅方向(TD方向)に6.0倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の層構成を有する厚み30μm(中心層(a1)の厚み:22μm、表面層(b1)の厚み:各4μm)のベースフィルムを得た。
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を80℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率を求めたところ、34%であった。
こうして得られたベースフィルムから、実施例1と同様にして長尺筒状のシュリンクラベル連続体を作製した。このシュリンクラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、逆円錐台形状のポリプロピレン製縦型カップ麺容器(内容積約400ml)に外嵌し、スチームトンネル(温度80〜9℃)を通過させて熱収縮させることにより、ラベルを容器に装着した。このときのラベルの下端における熱収縮率は40%であった。得られたラベル付き容器は、しっとりとした手触り感を有していた。また、ラベルは容器に緊密に密着しており、ラベル収縮後のリラックス現象は見られなかった。さらに、容器底部のラベルの折れ曲がり部分においても、緊張した仕上がり状態であった。
【0040】
実施例4
エチレン−プロピレンランダム共重合体(商品名「グランドポリプロ」、エチレン含有量4.5重量%、(株)グランドポリマー製)100重量部及び水添石油樹脂(商品名「アルコン」、荒川化学(株)製)25重量部の混合物(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「ゼオノア750R」、Tg70℃、密度1.0g/cm3、日本ゼオン(株)製)(b1)とを、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いてTダイから共押出し、次いで100℃で幅方向(TD方向)に6.0倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の層構成を有する厚み30μm(中心層(a1)の厚み:22μm、表面層(b1)の厚み:各4μm)のベースフィルムを得た。
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を80℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率を求めたところ、35%であった。
こうして得られたベースフィルムから、実施例1と同様にして長尺筒状のシュリンクラベル連続体を作製した。このシュリンクラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、逆円錐台形状のポリプロピレン製縦型カップ麺容器(内容積約400ml)に外嵌し、スチームトンネル(温度80〜9℃)を通過させて熱収縮させることにより、ラベルを容器に装着した。このときのラベルの下端における熱収縮率は40%であった。得られたラベル付き容器は、しっとりとした手触り感を有していた。また、ラベルは容器に緊密に密着しており、ラベル収縮後のリラックス現象は見られなかった。さらに、容器底部のラベルの折れ曲がり部分においても、緊張した仕上がり状態であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のラベル付き容器によれば、シュリンクラベルのベースフィルムが特定ポリマーからなる多層構造を有するので、容器に熱収縮により装着した後に緩むことがなく、しかもしっとりとした手触り感が得られる。
また、容器がプロピレン系重合体で形成されている場合には、容器とラベルの構成材料が同種であるため、使用後、容器とラベルを分離することなくそのまま粉砕してリサイクルに供することができる。
さらに、テーパーを持った容器にシュリンクラベルを装着する場合、容器側面の下端部をも緊張した状態で被覆可能である。
また、表面層が特定範囲のガラス転移温度を有する非晶性環状オレフィン系重合体で形成されている場合には、低温での熱収縮により容易に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラベル付き容器の一例を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明におけるシュリンクラベルの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 シュリンクラベル
2 ベースフィルム
3 印刷層
4 中心層
5 表面層
6 容器

Claims (4)

  1. ベースフィルムの少なくとも一方の面に印刷層が設けられたシュリンクラベルがビニル重合体からなる容器に熱収縮により装着されたラベル付き容器であって、前記ベースフィルムが、プロピレン系重合体からなる中心層と、該中心層の両側に積層されたガラス転移温度(Tg)が60〜100℃である非晶性環状オレフィン系重合体からなる表面層とで構成されているとともに、両表面層の総厚みのベースフィルムの厚みに対する割合が3〜30%であり、且つ前記シュリンクラベルが有機溶剤によりセンターシールされていることを特徴とするラベル付き容器。
  2. 80℃の温水中に10秒間浸漬したときの容器の周方向に相当する方向の熱収縮率が20%以上であるベースフィルムからなるシュリンクラベルが容器に装着された請求項1記載のラベル付き容器。
  3. 容器がプロピレン系重合体で形成されている請求項1又は2に記載のラベル付き容器。
  4. 容器が、上方から下方に向かって漸次径が減少するカップ状容器である請求項1〜の何れかの項に記載のラベル付き容器。
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