JP4170626B2 - ストレッチラベル装着ボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレッチラベル装着ボトルに関し、更に詳しくは、フィルムの自己伸縮性ないし自己回復性を利用してボトル胴部の外周表面に装着し、特に、お茶等の清涼飲料充填用ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着し、そのボトル胴部の外周表面からの脱落を防止したストレッチラベル装着ボトルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック、ガラス、金属、陶器、その他等からなる各種の包装用容器の外周表面に装着されるラベルとてしは、種々の形態のものが開発され、提案されているが、それらの一つに、フィルムの自己伸縮性ないし自己回復性あるいは熱収縮性等を利用して、包装用容器の外周表面に装着されるストレッチラベルあるいはシュリンクラベルが知られている。
このものは、自己伸縮性ないし自己回復性あるいは熱収縮性等を有するものであることから、包装用容器の寸法変化等に対し追従することができ、包装用容器の外周表面に強固な密着状態を保持することができ、極めて美麗な装飾性と相俟ってラベルとしての機能を奏するものである。
而して、現在のラベル市場においては、上記のストレッチラベルあるいはシュリンクラベルの2種類のラベルが、ボトル外周表面に、接着剤等を介することなく装着し得る非接着型のラベルとして大いに注目されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のストレッチラベルを装着するボトルとしては、主に、炭酸飲料等を充填するものであって、一般に、円筒状の、上下にラベルの脱落あるいはズレ等を防止するガイドを有する形状からなるボトルが大部分である。
而して、ストレッチラベルは、ゴムバンドのような自己伸縮性ないし自己回復性を利用して、上記のようなボトルを構成する円筒状のボトル胴部の外周表面の全面に密接着させて装着されるものである。
他方、上記のシュリンクラベルを装着するボトルとしては、主に、お茶等の清涼飲料等を充填するものであって、一般に、上記の円筒状のものとは異なり、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネルを有する形状からなるボトルが大部分である。
而して、シュリンクラベルは、上記のようなボトルに対し、そのフィルムを熱収縮性を利用し、これを加熱処理工程を経て、上記の凹状パネルの部分においては非接触の状態で装着されるものである。
上記のようにストレッチラベルとシュリンクラベルとは、一般に、それを装着させるボトルの形状を別異にしていることから、例えば、ストレッチラベルをシュリンクラベル装着ボトルに装着すると、そのボトル形状は、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネルを有する形状からなるボトルが大部分であることから、ラベルを装着してもらべるが脱落し、適用することは不可能であると言われ、現状ではその互換性に欠け、代替えを行うということは試みられていないものである。
ところで、飲料業界において、季節、天候、消費者の趣向の変化、その他等の影響を受け、その需要は、著しく変動し、例えば、お茶等の清涼飲料の需要は急拡大したり、あるいは、逆に、炭酸飲料の需要が急拡大することがあり、この場合、しばしばミスマッチを生じてボトルに装着するラベルに不足を来すことがあり、例えば、ストレッチラベルあるいはシュリンクラベルの供給が、追い付かないという状況になり、その時に、一方のラベルを他方のラベルに代替えするという試み、特に、ストレッチラベルをシュリンクラベル装着ボトルに装着するという試みがなされていないというのが実状である。
このため、飲料業界においては、その供給に支障を来し、その消費の阻害を引き起し、更には、そのコストの高騰、商品の安定供給、品質の低下等を引き起こす要因となることが懸念されるものである。
そこで本発明は、ストレッチラベルを、その自己伸縮性ないし自己回復性を利用してボトル胴部の外周表面に装着し、特に、お茶等の清涼飲料充填用ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着し、そのボトル胴部の外周表面からの脱落を防止したストレッチラベル装着ボトルを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々検討の結果、プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとにおいて、上記のプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部の接触面積に着目し、まず、水、お茶等の清涼飲料を充填するものであって、円筒形状のものとは異なり、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネルを有する形状からなるボトルについて、そのボトル胴部の外周表面の形状を代えて種々の形状からなるボトルを成形し、それらのボトルを構成するボトル胴部の外周表面に、筒状のストレッチラベルを装着し、そのボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部において、その接触部の接触面積を種々変化させ、その接触面積を、少なくとも、20%以上に構成してストレッチラベル装着ボトルを製造し、これに、例えば、水、お茶等の清涼飲料を充填包装したところ、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣化することなく、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができ、更に、強靱性、耐表面殺傷性、その他等の特性に優れたストレッチラベル装着ボトルを製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとからなり、更に、上記のプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部を形成し、かつ、その接触部の接触面積が、少なくとも20%以上であることを特徴とするストレッチラベル装着ボトルに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて図面等を用いて説明すると、図1、図2、図3、および、図4は、本発明にかかるストレッチラベル装着ラベルについてその構成の概略を示す概略的構成図である。
【0007】
まず、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルAは、図1に示すように、例えば、水、お茶等の清涼飲料を充填するものであって、円筒形状のものとは異なり、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネル1を有する形状からなるプラスチック成形ボトル2と筒状のストレッチラベル3とからなり、矢印Pで示すように、更に、上記のプラスチック成形ボトル2を構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベル3の内面とが対向する接触部4を形成し、かつ、その接触部4の接触面積5が、少なくとも20%以上であることを基本構造とするものである。
【0008】
次に、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて更に詳述すると、図2に示すように、プラスチック成形ボトル2を構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベル3の内面とが対向する接触部4が、ボトル胴部の外周表面と対向するストレッチラベルの上下端部6、7の内周全面において、少なくとも4mm以上の幅からなる接触部4a、4bを形成する構成からなるストレッチラベル装着ボトルA1を例示することができる。
【0009】
更に、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて詳述すると、図3に示すように、プラスチック成形ボトル2を構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベル3の内面とが対向する接触部4が、ボトル胴部の外周表面と対向する筒状のストレッチラベルの上下端部6、7の内周全面において接触部4a、4bを形成すると共に内周の垂直全面において、ボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部4cと非接触部4dとを交互に形成する構成からなるストレッチラベル装着ボトルA2を例示することができる。
【0010】
更にまた、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて詳述すると、図4に示すように、プラスチック成形ボトル2を構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベル3の内面とが対向する接触部4が、筒状のストレッチラベル3の内面と対向するプラスチック成形ボトル2を構成するボトル胴部の外周表面の上下端部8、9の円周全面において、筒状のストレッチラベル3の内面が接触しない余白部10、11を形成する構成からなるストレッチラベル装着ボトルA3を例示することができる。
【0011】
なおまた、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて詳述すると、図示しないが、プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとが、プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部において、筒状のストレッチラベルの内面円周長が、プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面の円周長より短いことからなるストレッチラベル装着ボトルを挙げることができる。
【0012】
本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルは、上記のようにプラスチック成形ボトルと筒状のストレッチラベルとを、そのボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とを対向させて接触部を形成し、かつ、その接触部の接触面積を、少なくとも20%以上にすることにより、更に、ボトル胴部の外周表面と対向するストレッチラベルの上下端部の内周全面において、少なくとも4mm以上の幅からなる接触部を形成することにより、更にまた、ボトル胴部の外周表面と対向する筒状のストレッチラベルの上下端部の内周全面において接触部を形成すると共に内周の垂直全面において、ボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部と非接触部とを交互に形成することにより、なおまた、筒状のストレッチラベルの内面と対向するプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面の上下端部の円周全面において、筒状のストレッチラベルの内面が接触しない余白部を形成することにより、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣化することなく、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができるものである。
また、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルは、プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとが、プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部において、筒状のストレッチラベルの内面円周長が、プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面の円周長より短いことにより、上記と同様に、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣化することなく、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができるものである。
【0013】
次に、本発明において、本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについて、それを構成する材料、製造法等について説明すると、まず、ストレッチラベルについて説明すると、該ストレッチラベルを構成する原反フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸あるいはメタクリル酸等の不飽和カルボン酸共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、その他の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、これを、Tダイ押出機、Tダイ共押出機、インフレ−ション押出機、インフレ−ション共押出機、その他等を使用して単独ないし共押出成形し、更に、要すれば、1軸ないし2軸延伸加工してなる単層ないし多層の、自己弾性伸縮性ないし自己回復性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
上記の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、20μm〜200μm位、好ましくは、30μm〜100μm位が望ましいものである。
【0014】
而して、本発明において、上記の樹脂の中でも、特に、メタロセン触媒(シングルサイト系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することが好ましいものである。
上記のメタロセン触媒(シングルサイト系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト系触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト系触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒と、シングルサイト系触媒とは、同等の意味である。)。
【0015】
上記のメタロセン触媒(シングルサイト系触媒)を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体について更に詳述すると、具体的には、例えば、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒(いわゆるカミンスキ−触媒を含む)を使用して重合してなるエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
なお、上記のメタロセン触媒は、無機物に担持されて使用されることもあるものである。
上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基またと置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アセチルアセトナ−ト基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。
【0016】
また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。
ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。
例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。
次にまた、上記において、メタロセン触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
【0017】
次に、上記において、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等の各種の重合方法で行なうことができる。
また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。
上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300Kg/cm2 位である。
更に、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマ−であるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。
上記のα−オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。
また、上記のα−オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。
而して、本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量、5×103 〜5×106 、密度、0.905〜0.940g/cm3 、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.1、好ましくは、1.0〜6.0g/10分位である。
なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
【0018】
本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体としては、具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
【0019】
また、本発明において、上記の樹脂の中でも、例えば、遷移金属触媒から合成され、長鎖分岐を持たない直鎖状(線状)低密度ポリエチレンを使用することも好ましいものである。
なお、本発明において、上記のような直鎖状(線状)ポリエチレンとしては、エチレンと、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等のα−オレフィンとの共重合体等を使用することができる。
而して、本発明において、上記の直鎖状(線状)ポリエチレンの物性としては、例えば、密度、0.905〜0.940g/cm3 、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.5〜6.0g/10分位の特性を有するものを使用することが好ましいものである。
【0020】
更にまた、本発明において、本発明にかかるストレッチラベルを構成する原反フィルムとしては、例えば、表面層から、シングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体からなる第1層、高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる第2層、および、高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる第3層の多層共押出樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
【0021】
而して、本発明において、上記の多層共押出樹脂フィルムを成形する方法について説明すると、かかる方法としては、例えば、前述の第1層を構成するシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、第2層を構成する高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる混合物、および、第3層を構成する高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる混合物を使用し、これらを、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機、その他等を使用して共押出成形して、自己弾性伸縮性あるいは自己回復性を有する多層共押出樹脂フィルムを製造することができるものである。
【0022】
次に、本発明において、上記の多層共押出樹脂フィルムの膜厚としては、20μm〜200μm位、好ましくは、30μm〜100μm位が望ましいものである。
而して、上記の多層共押出樹脂フィルムにおいて、該多層共押出樹脂フィルムを構成する第1層と第2層と第3層との膜厚としては、第1層:第2層:第3層=2:5:2位の範囲内の割合からなることが好ましいものである。
更に、上記の多層共押出樹脂フィルムの膜厚としては、第1層が、膜厚4μm〜40μm、第2層が、膜厚10μm〜100μm、第3層が、膜厚4μm〜40μm位の範囲からなることが好ましいものである。
本発明において、上記のような材料を使用し、かつ、上記のような膜厚とする理由は、まず、第1層は、表層であり、防傷、滑り性等に優れている必要性があり、かつ、高密度化が要求されることによるものであり、また、第2層は、ラベル自体の物性を大きく左右するものであり、そのため、伸びに強く、カット性に適さないシングルサイト系触媒(メタロセン系触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を少なくし、かつ、低いメルトフロレ−ト(MFR、高分子量)の高圧法低密度ポリエチレンを用いることで、カット性とストレッチラベル適性とを両立させているものであり、更に、第3層は、第2層におけるラベル適性とカット性を更に補い、かつ、印刷適性等を重視するためである。
【0023】
次に、本発明において、上記の多層共押出樹脂フィルムを形成する第2層、あるいは、第3層における高圧法低密度ポリエチレンとしては、例えば、連続反応装置等を用いて、圧力、1200〜3000atm、温度、130〜350℃等の高圧高温下で、開始剤としては、酸素あるいは有機過酸化物等を使用し、まず、段階的圧縮、ラジカル開始剤の導入、エチレンの部分的重合、ポリエチレンからエチレンの分離、溶融ポリエチレンの押し出し、最後にエチレンの冷却等の工程を経て、重合時間を短くして製造される高圧法低密度ポリエチレンを使用することができる。
なお、本発明において、上記のような高圧法低密度ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体、あるいは、エチレンと、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等のα−オレフィンとの共重合体等を使用することができる。
而して、本発明において、上記の高圧法低密度ポリエチレンの物性としては、例えば、密度、0.90〜0.935g/cm3 、メルトフロ−レ−ト〔MFR〕、0.1〜3.0g/10分位の特性を有するものを使用することが好ましいものである。
【0024】
なお、本発明において、上記の多層共押出樹脂フィルムを形成するには、第1層、第2層、あるいは、第3層を構成する樹脂中に、必要ならば、例えば、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、若しくは、メタクリル酸メチル等との共重合体、アイオノマ−樹脂、ポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン、若しくは、ヘキセン等との共重合体、その他等のポリオレンフィン系樹脂を添加し、ブレンドして使用することができる。
上記の添加し、ブレンドする量としては、0.1〜10重量%程度の少量であることが望ましいものである。
【0025】
更に、本発明においては、上記の多層共押出樹脂フィルムを構成する第1層は、ラベルの最表面となることから、強度、表面硬度等を有し、強靱性、耐熱性、耐殺傷性等に優れ、更に、その光沢性に優れ、かつ、ストレッチ性に優れているものであり、次に、多層共押出樹脂フィルムを構成する第2層は、スリッタ−等を使用し、横方向、あるいは、縦方向等にカットするカット性に優れ、更に、ストレッチ性に優れているものであり、更に、多層共押出樹脂フィルムを構成する第3層は、ボトル胴部の外周表面に対する密接着性に優れ、ラベルのボトル胴部の外周表面からの脱落を防止し、更に、所望の印刷模様部等を形成する印刷適性等に優れ、かつ、ストレッチ性に優れているものである。
【0026】
また、本発明においては、上記のラベルを構成するプラスチックフィルムの1層または2層の積層体からなる原反フィルム中には、例えば、単独ないし共押出して製膜化する際に、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、配合剤ないし添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
また、本発明においては、上記のラベルを構成する単独ないし多層共押出樹脂フィルムとしては、成膜後、一軸あるいは二軸方向に延伸加工し、次いで、熱固定されているフィルム等を使用することができ、好ましくは、一軸方向に5〜15%位延伸加工し、次いで、熱固定されている単独ないし多層共押出樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
【0027】
上記において、配合剤や添加剤等としては、具体的には、それ自身が滑性を有し、かつ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ル、グリセリン、ソルビト−ル、プロピレングリコ−ル、ペンタエリスリト−ル、トリエチレングリコ−ル等の脂肪族アルコ−ル類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコ−ルとのエステル類、アセチルクエン酸ドリブチル、アジピン酸ジ−2エチル−ヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオ−ルモンタン酸エステル、ポリ(1.3−ブタンジオ−ルアジピン酸)エステル、アセチルリシノ−ル酸メチル、ポリ(1.3−ブチレングリコ−ル、1.4−ブチレングリコ−ル、アジピン酸オクチルアルコ−ル)エステル、糖ろう糖のアルコ−ルと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ひまし油、スパ−ムアセチワックス、アセチル化モノグリセライド糖のグリセライド類、炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサン等のシリコ−ン油ヤロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
【0028】
また、本発明においては、その他、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、けいそう土等の無機化合物系のブロッキング防止剤、あるいは、高密度ポリエチレン、分子量300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレ−ト樹脂、アクリル系樹脂、その他等の微粉末等からなる有機化合物系のブロッキング防止剤の1種ないし2種以上を添加することができる。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
【0029】
次に、本発明においては、ストレッチラベルを構成する原反フィルムの表面あるいは裏面に、例えば、通常のグラビア印刷インキ、オフセット印刷インキ、凸版印刷インキ、シルクスクリ−ン印刷インキ、その他等を用いて、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、フレキソ印刷方式、シルクスクリ−ン印刷方式、転写印刷方式、その他等の印刷方式により表刷りあるいは裏刷り印刷して、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる任意の印刷模様部を形成するものである。
上記において、印刷模様部を形成する通常のインキ組成物としては、樹脂の1種ないし2種以上を使用し,これをビヒクルの主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、スリップ剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練し、調製してインキ組成物を製造することができる。
【0030】
また、上記において、インキ組成物を構成するビヒクルとしての樹脂としては、例えば、ロジン、コ−パル、ダンマル、シェラック、硬化ロジン、ロジンエステル、その他等の天然樹脂ないしその加工樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂、100%フェノ−ル樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、石油系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等の合成樹脂ないしその加工樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、その他等の繊維素誘導体、塩化ゴム、環化ゴム、その他等のゴム誘導体、膠、カゼイン、デキストリン、ゼイン、その他等の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
【0031】
而して、本発明においては、上記で印刷模様部を形成した原反ルフィルムについて、その原反フィルムの印刷模様部の面を内面側にして、その印刷模様部を有する内面側の端部に接着剤層を形成し、他方、原反フィルムの表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を形成し、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層とコロナ放電処理面の面とを対向させて重ね合わせ、次いで、その重合部の両端部を、上記の接着剤層等を介して接合して接合部を形成することにより、ボトル胴部の外周表面に密接着させて装着することができる筒状のストレッチラベルを製造するものである。
【0032】
更に、本発明においては、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、例えば、引き伸ばし機等を使用し、10〜25%位に引き伸ばした状態でプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着させて、ストレッチラベルを構成する印刷模様層は勿論のこと、原反フィルムの生地面およびカット性付与樹脂層からなる領域が、ボトル胴部の外周表面に、強固に緊張して、密接着してなるストレッチラベル装着ボトルを製造することがてきるものである。
【0033】
なお、本発明においては、上記で原反フィルムに印刷模様部等を形成した後、その印刷模様部を内面側にして、その両端部を重ね合わせて、しかる後、その重合部の両端部を、例えば、接着剤等を使用して接合して接合部を形成して、筒状のストレッチラベルを製造する際に、例えば、その相互の接合面には、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ放電処理、フレ−ム処理、サンドブラスト処理、化学薬品処理、プレヒ−ト処理、紫外線照射処理、高周波加熱処理、電磁誘導加熱処理、マイクロウエ−ブ処理、アンカ−コ−ト剤コ−ト処理、その他等の前処理を任意に行うことができるものである。
また、本発明において、原反フィルムの両端部を接合する際に使用する接着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、エポキシ系樹脂、その他等の樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂系接着剤等を使用することができる。
【0034】
次に、本発明において、ストレッチラベルを構成する筒状の外径としては、ボトル胴部の外径よりやや小さい外径を構成して、筒状のストレッチラベルを形成することが好ましいものである。
本発明において、上記の筒状のストレッチラベルをボトル胴部の外周表面に装着するに際しては、筒状のストレッチラベルの外径を、引き伸ば機等を使用して緊張し、拡開した状態で装着するものである。
而して、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外周表面に装着されると、該ストレッチラベルは、ストレッチラベルを構成する樹脂フィルムの自己弾性伸縮力により、ボトル胴部の外周表面に緊密に密接着した状態で装着されるものである。
【0035】
なお、本発明において、上記のようにボトル胴部の外周表面にストレッチラベルを装着した後、ボトル内に、水、お茶、その他等の清涼飲料を充填包装し、次いで、キャッピングして密閉し、しかる後、例えば、約70℃位の熱水シャワ−等を10数分間放散して殺菌処理(低温殺菌)を施しても、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣ることなく、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、これにより、強靱性、耐表面殺傷性、その他等の特性に優れたストレッチラベルを極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができものである。
なお、本発明においては、上記において、内容物を充填し、殺菌処理後、ストレッチラベルを装着し得ることは勿論である。
而して、本発明においては、ボトルを使用後において、ボトルとストレッチラベルとを極めて容易に、かつ、簡単に分離して、分別回収することができるというものである。
【0036】
次に、本発明において、ストレッチラベルを装着するプラスチック成形ボトルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリナフタレンテレフタレ−ト樹脂、ポリプロピレン樹脂あるいはポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂からなる延伸ブロ−成形容器等に適用することが好ましいものである。
而して、上記の延伸ブロ−成形容器は、水、お茶等の清涼飲料を充填するものであって、円筒形状のものとは異なり、その胴部等に、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネルを有する形状からなるプラスチック成形ボトルからなるものである。
また、本発明において、ボトル内に充填包装する内容物としては、水、お茶、果汁、その他等の種々の清涼飲料等を挙げることができる。
【0037】
【実施例】
次に、本発明について更に具体例を挙げて更に詳しく説明する。
実施例1
(1).まず、下記の(イ)〜(ハ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(密度、0.928g/m3 )100.0重量部と合成シリカ(アンチブロッキング剤)0.5重量部とエルカ酸アミド(滑剤)0.05重量部とエチレンビスオレイルアミド(滑剤)0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE、密度、0.924g/m3 )100.0重量部とエルカ酸アミド(滑剤)0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE、密度、0.924g/m3 )30.0重量部とシングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(密度、0.917g/m3 )70.0重量部と合成シリカ(アンチブロッキング剤)0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を20μm、(ロ)の樹脂組成物による層を50μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μmにそれぞれ共押出して3層からなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、長尺状の多層共押出樹脂フィルムを製造した。
(2).次に、上記で製造した長尺状の多層共押出樹脂フィルムの片面に、まず、カ−ボンブラックを顔料としたウレタン樹脂系墨インキ(ザ・インクテック株式会社製、商品名、991墨)を使用し、所望の文字を印刷し、次いで、藍、紅、黄の顔料を使用したウレタン系樹脂色インキ(ザ・インクテック株式会社製、商品名、639藍、212紅、423黄)を使用し、グラビア印刷方式にて,文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の絵柄印刷を3列に、かつ、列毎に、ラベルを構成する模様単位毎に、繰り返して印刷し、しかる後、その上に、デザインの背景、および、内溶液隠蔽を主目的とし、チタンホワイトを顔料としたウレタン樹脂系白インキ(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名、ファインラップNTV/XOX1392コンク白)を使用し、白ベタインキ層(乾燥膜厚、4μm)を印刷して、長尺状のラベル原反フィルムを製造した。
(3).次に、上記で製造した長尺状のラベル原反フィルムを、ギロチンタイプスリッタ−を使用して、縦方向と横方向に、各列を隔てる間隔の中心線でカットして、1つのストレッチラベルを構成するラベルフィルムを製造した。
更に、上記で製造したラベルフィルムについて、その印刷模様層の面を内面側にして、その印刷模様層を有する内面側の端部に2液硬化型のポリウレタン系樹脂からなる接着剤(ポリエステルポリオ−ルと脂肪族ジイソシアネ−トとを主体とする接着剤)を施して接着剤層を形成し、他方、そのフィルムの表面側の端部にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を形成し、しかる後、その両端部を、上記の接着剤層とコロナ放電処理面の面とを対向させて重ね合わせ、しかる後、その重合部の両端部を、上記の接着剤層等を介して接合して接合部を形成することにより、ボトル胴部の外周表面に密接着させて装着することができる筒状のストレッチラベルを製造した。
上記の筒状のストレッチラベルは、折り幅102.5mm、高さピッチ120mmであった。
次に、上記で製造した筒状のストレッチラベルを使用し、これを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器〔東洋製罐株式会社製、円筒状耐熱圧ペット(PET)ボトル、日本コカコ−ラ株式会社、アクエリアス充填500mlボトル使用〕の胴部の外周表面に装着した。
上記において、ストレッチラベルとボトルとの接触面積は、30.2%であった。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、水を充填包装し、キャッピングしたところ、ラベルは、ラベル装着部上下端部において捲れることなく、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落、回転、緩み等は、認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
【0038】
実施例2
上記の実施例1と全く同様にして、折り幅103.5mm、高さピッチ125mmからなる筒状のストレッチラベルを同様に製造し、その筒状のストレッチラベルを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器〔東洋製罐株式会社製、円筒状耐熱圧ペット(PET)ボトル、株式会社伊藤園、充実野菜充填500mlボトル使用〕の胴部の外周表面に装着した。
上記において、ストレッチラベルとボトルとの接触面積は、56.1%であった。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、水を充填包装し、キャッピングしたところ、ラベルは、ラベル装着部上下端部において捲れることなく、ボトル胴部の外周表面に強固に密接着して、その脱落、回転、緩み等は、認められなかった。
ボトル使用後、ストレッチラベルを持って引き剥がしたところ、ストレッチラベルは、その部分から引き剥がされて、簡単に、ボトルとスチレッチラベルとに分別することができた。
【0039】
実施例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5wt%)100.0重量部とエルカ酸アマイド(滑剤)0.05重量部とエチレンビスオレイルアミド(滑剤)0.05重量部と合成シリカ(アンチブロッキング剤)0.5重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、Tダイ共押出機を用いて、膜厚80μmからなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して樹脂フィルムを製造した。
次に、上記で製造した樹脂フィルムを使用し、以下、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様な作用効果を有するストレッチラベル装着ボトルを製造することができた。
【0040】
実施例4
まず、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE、密度、0.925g/m3 )100.0重量部と合成シリカ(アンチブロッキング剤)0.5重量部とエルカ酸アミド(滑剤)0.05重量部とエチレンビスオレイルアミド(滑剤)0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、マルチマニフォ−ルドタイプのTダイ押出機を用いて、単層フィルム80μmからなる未延伸の樹脂フィルムを製造し、しかる後、該未延伸の樹脂フィルムを加熱ロ−ル間を通しながら10%程度1軸方向に延伸し、次いで、熱固定して、長尺状の樹脂フィルムを製造した。
次に、上記で製造した樹脂フィルムを使用し、以下、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様な作用効果を有するストレッチラベル装着ボトルを製造することができた。
【0041】
比較例1
上記の実施例1と全く同様にして、折り幅101.5mm、高さピッチ54mmからなる筒状のストレッチラベルを同様に製造し、その筒状のストレッチラベルを、引き伸ばし機を用いて、約15%程度拡開し、ポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器〔CCJC株式会社製、円筒状無菌ペット(PET)ボトル、日本コカコ−ラ株式会社、爽健美茶充填500mlボトル使用〕の胴部の外周表面に装着した。
上記において、ストレッチラベルとボトルとの接触面積は、18.0%であった。
更に、上記でストレッチラベルを装着したポリエチレンテレフタレ−ト製の延伸ブロ−成形容器内に、水を充填包装し、キャッピングしたところ、ラベルは、ラベル装着部上下端部において捲れが発生し、更に、ボトル胴部の外周表面において弛み、皺等が多発し、外観上問題が認められた。
【0042】
上記の実施例1〜4と、比較例1とで製造したストレッチラベル装着ボトルにおいて、外観観察は、目視にて行い、また、ラベル密着性も手によるラベル回転試験から実施して評価した。
また、ラベル内面のボトル接触面積の算出方法は、ラベルのボトル接触部をマ−キングし、そのマ−キング部位を切り出し、重さを測定してラベルの接触割合を導き出す方法(カット&ウエ−ト法)により測定した。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとにおいて、上記のプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部の接触面積に着目し、まず、水、お茶等の清涼飲料を充填するものであって、円筒形状のものとは異なり、内容物充填後の冷却によって引き起こされる減圧状態を吸収し得る座屈強度向上の凹状パネルを有する形状からなるボトルについて、そのボトル胴部の外周表面の形状を代えて種々の形状からなるボトルを成形し、それらのボトルを構成するボトル胴部の外周表面に、筒状のストレッチラベルを装着し、そのボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部において、その接触部の接触面積を種々変化させ、その接触面積を、少なくとも、20%以上に構成してストレッチラベル装着ボトルを製造し、これに、例えば、水、お茶等の清涼飲料を充填包装して、ボトル胴部の外表面に対するストレッチラベルの密接着性は劣化することなく、その両者は強固に密接着し、ストレッチラベルが、ボトル胴部の外表面から滑り易くなって脱落するということはなく、極めて良好にボトル胴部の外表面に装着し得ることができ、更に、強靱性、耐表面殺傷性、その他等の特性に優れたストレッチラベル装着ボトルを製造し得るというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについてその構成の概略を示す概略的構成図である。
【図2】本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについてその構成の概略を示す概略的構成図である。
【図3】本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについてその構成の概略を示す概略的構成図である。
【図4】本発明にかかるストレッチラベル装着ボトルについてその構成の概略を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A ストレッチラベル装着ボトル
A1、A2、A3 ストレッチラベル装着ボトル
1 凹部パネル
2 プラスチック成形ボトル
3 ストレッチラベル
4、4a、4b、4c 接触部
4d 非接触部
5 接触面積
6 上端部
7 下端部
8 上端部
9 下端部
10、11 余白部
Claims (1)
- プラスチック成形ボトルと該プラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面に装着する筒状のストレッチラベルとからなり、
更に、上記のプラスチック成形ボトルを構成するボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部を形成し、かつ、その接触部の接触面積が、少なくとも20%以上であり、
かつ、上記のプラスチック成形ボトルと筒状のストレッチラベルとが、ボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部において、筒状のストレッチラベルの内面円周長が、ボトル胴部の外周表面の円周長より短い構成からなり、
更に、上記の接触部が、ボトル胴部の外周表面と対向するストレッチラベルの上下端部の内周全面において、少なくとも4mm以上の幅からなる接触部を形成し、
かつ、上記の接触部が、ボトル胴部の外周表面と対向する筒状のストレッチラベルの上下端部の内周全面において接触部を形成すると共に内周の垂直全面において、ボトル胴部の外周表面と筒状のストレッチラベルの内面とが対向する接触部と非接触部とを交互に形成し、
また、上記の接触部が、筒状のストレッチラベルの内面と対向するボトル胴部の外周表面の上下端部の円周全面において、筒状のストレッチラベルの内面が接触しない余白部を形成する構成からなり、
更に、上記の筒状のストレッチラベルが、表面層から、シングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体からなる第1層、高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる第2層、および、高圧法低密度ポリエチレン30〜100重量%とシングルサイト系触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体0〜70重量%とからなる第3層の多層共押出樹脂フィルムからなること
ことを特徴とするストレッチラベル装着ボトル。
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