JP2015160374A - 易引裂性多層フィルム及び包装材 - Google Patents

易引裂性多層フィルム及び包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】縦方向及び横方向の引裂性に優れ、低温ヒートシール性に優れた易引裂性多層フィルム及びこれを用いた包装材を提供する。
【解決手段】 高圧法低密度ポリエチレン(a)からなる第I層、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b2)10〜90重量%からなる第II層及び密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)50重量%〜100重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)0重量%〜50重量%からなる第III層が、順に積層されており、第I層に接着された基材層(第IV層)を有する易引裂性多層フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、易引裂性多層フィルム及び包装材に関し、さらに詳しくは、縦方向及び横方向の引裂性、低温ヒートシール性に優れるものである。
近年のゴミの最終処分問題、リサイクル法等により、飲食物、調味料、薬品等に用いる容器は、プラスチックボトルから、かさばらず樹脂の使用量が少ないスタンディングパウチ、スパウトパウチなどの易引裂包装袋に変わってきている。そして、この易引裂包装袋は、刃物を使用しなくても簡単に切ることができる易開封性を有する包装用積層体を用いて製造されている。
従来の易引裂包装袋に用いられている包装用積層体は、易引裂性、ヒートシール性、耐突き刺し性などを有する容器として必要な特性付与の観点から、二軸延伸したポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムを基材とし、この基材にヒートシール層樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる無延伸ポリエチレン系樹脂を積層したものが用いられていた。
しかし、近年、容器の大型化、長期保存化等が要求されるに伴い、これらの積層体からなる包装用積層体は、耐衝撃性、耐ピンホール性、耐ストレスクラッキング性、耐熱性、ヒートシール性、ホットタック性等の不足が指摘されるようになり、これらの特性を補い、内容物の確実な保護の観点から、上記構成の無延伸ポリエチレンに代わって、透明性、耐引裂性、低温ヒートシール性、ホットタック性、狭雑物シール性、ヒートシール強度、破袋強度、耐熱性等が優れたエチレン・α−オレフィン共重合体(LLDPE)の使用が提案されてきている。
しかしながら、LLDPEにおいては、エチレンと1−ブテンの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(C4−LLDPE)は、易引裂性及びホットタック性の改善は充分でなく、内容物保護の点で十分でなかった。また、エチレンといわゆるHAO(ハイアーα−オレフィン)と呼ばれる1−ヘキセンもしくは1−オクテン等のC6以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(HAO−LLDPE)は、ホットタック性や衝撃強度に優れ液状の飲食物向けのパウチ等に使用されているが、フィルムとしての優れた性能を持つ反面、易引裂性を犠牲にするものであった。すなわち、引裂開封を行う用途においては、エチレン・α−オレフィン共重合体は引裂強度、伸びが大きく、引裂開封がしにくいという欠点があり、必ずしも好適な材料とは言えなかった。
また、市販のエチレン・α−オレフィン共重合体(LLDPE)には加工性改良のため、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)が配合されていることが多い。この場合、縦方向には、引裂開封がしやすくなるものの、横方向には引裂開封がしにくいという欠点は依然としてあった。
このような欠点を改善するため、環状オレフィン系樹脂を用いることによりカット性を付与しようとする試みがなされている。
例えば、中間層が、環状オレフィン系樹脂層からなり、その表面に、それぞれ少なくとも1層ずつ設けられた線状中密度ポリエチレンおよび/または線状低密度ポリエチレン樹脂層とが積層された易カット性積層フィルム(特許文献1参照)、基材層/中間層/内層からなる積層体を基本構成とする包装用フィルムであって、中間層が直鎖状低密度ポリエチレン50ないし95重量%と環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体5ないし50重量%からなる組成物によって構成され、内層が、特定の直鎖状低密度ポリエチレンの層からなることを特徴とする包装用フィルム(特許文献2参照)、特定の線状低密度ポリエチレンからなる外層、線状低密度ポリエチレン60〜90重量%と環状ポリオレフィン10〜40重量%との混合物からなる中間層及び特定の線状低密度ポリエチレンからなるヒートシール層を構成する内層が、順に積層されてなることを特徴とする透明性に優れた積層ポリオレフィンフィルム(特許文献3)、製膜可能なポリオレフィン系樹脂に環状ポリオレフィン系樹脂を3〜50重量%混合した混合樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層を少なくとも有する包装フィルム(特許文献4)が知られている。
また、アイオノマー樹脂を組み合わせて使用することによりカット性を改善しようとする試みもなされている。
例えば、インフレーション法による共押出多層フィルム又はシートであって、少なくとも一つの層が、エチレン重合体あるいはこれを主体とする樹脂組成物の層からなり、他の少なくとも一つの層が、ポリオレフィン樹脂60〜20重量部及びアイオノマー樹脂40〜80重量部からなる樹脂組成物の層であることを特徴とする横及び/又は縦方向の引裂性に優れた多層フィルム又はシート(特許文献5参照)が知られている。
また、特定のポリエチレンからなる外層、環状オレフィン系樹脂60〜90重量%と、特定の直鎖状低密度ポリエチレン10〜40重量%とからなる中間層及び密度が特定のポリエチレンからなる内層が、順に積層されてなることを特徴とする易引裂性多層フィルム
(特許文献6)が提案されている。
しかし、これらのフィルムに、基材層として、例えば通常包装用フィルムの基材として用いられる二軸延伸されたナイロンについて接着剤を用いて貼り合せると、引裂性が劣るという問題があった。
特に特許文献2や特許文献6で提案されているような、直鎖状低密度ポリエチレンを中間層や中間層に接する他の層に用いると、引き裂いた場合に重く感じることがある。
したがって、基材層を貼りあわせた後でも、縦方向及び横方向の引裂性に優れ、低温でのヒートシール性にも優れた包装材に好適な易引裂性フィルムが望まれていた。
特開平11−129415号公報 特開平10−237234号公報 特開2004−284351号公報 特開2005−298055号公報 特開2005−144979号公報 特開2012−885公報
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、縦方向及び横方向の引裂性に優れ、低温ヒートシール性に優れた易引裂性多層フィルム及びこれを用いた包装材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高圧法低密度ポリエチレン(a)からなる第I層、環状オレフィン系樹脂(b1)と、高圧法低密度ポリエチレン(b2)からなる第II層及び特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)または、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)と特定の高圧法低密度ポリエチレンからなる第III層が、順に積層されており、第I層に接着された基材層(第IV層)を有することにより、上記課題を解決できることを見出した。それらの知見に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
一般に、高圧法低密度ポリエチレンのみからなるフィルムは、縦方向よりも横方向の方が引き裂きやすい。例えば、MFR2.85(g/10min)、密度0.9245(g/cm)の高圧法低密度ポリエチレンからなる厚み30μmの空冷インフレーション成形フィルムにおいて、エルメンドルフ引裂強度は縦160(N/mm)であり、横40(N/mm)である。そのため、基材層と接着する側の層(第I層)、中間層(第II層)に高圧法低密度ポリエチレンを適用した。低温ヒートシール性を確保するため、第III層にはエチレン・α−オレフィン共重合体を選択した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、高圧法低密度ポリエチレン(a)からなる第I層、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b2)10〜90重量%からなる第II層及び密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)50重量%〜100重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)0重量%〜50重量%からなる第III層が、順に積層されており、第I層に接着された基材層(第IV層)を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、環状オレフィン系樹脂(b1)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、基材層(第IV層)が、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファンおよび、これらの塩化ビニリデンコーティングフィルム、紙、アルミニウム箔、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、環状オレフィン系樹脂(b1)は、第I層〜第III層からなる積層体全体を基準として、10〜90重量%含まれることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、高圧法低密度ポリエチレン(a)、高圧法低密度ポリエチレン(b2)は、190℃におけるメルトインデックスが0.1〜30g/10分であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、第I層〜第III層からなる積層体において、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ11N/mm以下であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明において、中間層(B)の厚さは、第I層〜第III層からなる積層体全体を基準として、20〜70%であることを特徴とする易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、第III層に、第III層に使用した樹脂の合計を100重量部として、アンチブロッキング剤を0.3〜1.5重量部、滑剤を0.03〜0.2重量部配合したことを特徴とする易引裂性フィルムが提供される。
本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明において、易引裂性多層フィルムを用いてなることを特徴とする包装材が提供される。
本発明の易引裂性多層フィルム及び包装材によれば、第I層〜第III層に順に積層されたフィルムにおいて、縦方向及び横方向の引裂強度の値が小さく、第IV層を積層した多層フィルムは易引裂性に優れる。
また、第2の発明においては、中間層がエチレン・環状オレフィン共重合体を含むことにより、外層及び内層との密着性が優れる。
また、第3の発明においては、前記エチレン・環状オレフィン共重合体が特定のエチレン/環状オレフィンの含有割合であることにより、また、特に易引裂性に優れ、しかも外層及び内層との密着性が優れる。
また、第4の発明においては、前記エチレン・環状オレフィン共重合体が特定のガラス転移点を持つものであることにより、特に易引裂性に優れ、しかも外層及び内層との密着性が優れる。
また、第5の発明においては、前記基材層(第IV層)が、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファンおよび、これらの塩化ビニリデンコーティングフィルム、紙、アルミニウム箔、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることにより、特に易引裂性に優れる。
また、第6の発明においては、環状オレフィン系樹脂が特定の割合で含まれるものであることにより、特に易引裂性に優れ、しかも中間層と、外層及び内層との密着性が優れる上に、コスト的に有利である。
また、第7の発明においては、高圧法低密度ポリエチレン(a)、高圧法低密度ポリエチレン(b2)が特定のメルトインデックスであることにより、フィルム成形が安定に行える。
また、第8の発明においては、縦方向及び横方向の引裂強度が特定の値であることにより、易引裂性に優れる。
また、第9の発明においては、中間層の厚さが特定の値であることにより、易引裂性に優れる上に、コスト的に有利である。
また、第10の発明においては、第III層にアンチブロッキング剤、滑剤を適切に配合することにより、基材等と貼りあわせ後も、フィルムのハンドリング性に有利である。
また、第11の発明においては、第1〜10の易引裂性多層フィルムを用いてなる包装材であるため、引裂性に優れる上に、衝撃強度も兼ね備えた、品質の高い包装材である。
図1は、本発明の易引裂性多層フィルム一例の断面を示す概略図である。
0 基材層(第IV層)
1 外層(第I層)
2 中間層(第II層)
3 内層(第III層)
以下、本発明の易引裂性フィルム及び包装材について、項目ごとに詳細に説明する。
本発明の易引裂性フィルムは、高圧法低密度ポリエチレンからなる第I層、環状ポリオレフィン系樹脂10〜90重量%と高圧法手密度ポリエチレン10〜90重量%とからなる第II層及び特定の密度のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜100重量%と高圧法低密度ポリエチレン0〜50重量%からなる第III層が、順に積層されており、第I層に接着された基材層(第IV層)を有することを特徴とする。
また、本発明の包装材は、前記易引裂性フィルムを用いてなることを特徴とする。
1.易引裂性を構成する層
(1)第II層
本発明のフィルムにおける第II層は、環状オレフィン系樹脂(b1)と高圧法低密度ポリエチレン(b2)の混合樹脂を樹脂主成分とする層であり、好ましくは、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b2)10〜90重量%からなることを特徴とする。すなわち、第II層は、環状オレフィン系樹脂(b1)10重量%以上からなることが好ましい。より好ましくは、環状オレフィン系樹脂(b1)20〜80重量%と、密度が0.930〜0.960g/cmの高圧法低密度ポリエチレン(b2)20〜80重量%とからなることが好ましい。環状オレフィン系樹脂が10重量%未満であると十分な易引裂性が得られない恐れがあり好ましくない。
(a)環状オレフィン系樹脂(b1)
本発明の易引裂性フィルムの第II層で用いる環状オレフィン系樹脂(b1)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
COCとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなどの直鎖状モノマーとテトラシクロドデセン、ノルボルネンなどの環状モノマーとから得られた環状オレフィン共重合体が挙げられる。さらに具体的には上記直鎖状モノマーと炭素数が3〜20のモノシクロアルケンやビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)及びこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−3−ドデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン及びこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン及びこの誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン及びこの誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン及びこの誘導体等の環状オレフィンとの共重合体からなる環状オレフィン共重合体などが挙げられる。直鎖状モノマー及び環状モノマーは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。また、このような環状オレフィン共重合体は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、環状オレフィン系樹脂(b1)に、前記COPとCOCを併用することもできる。その場合は、COPとCOCのそれぞれの異なった性能を付与することができる。
本発明においては、ポリエチレンに対する分散性の理由により、環状オレフィン系樹脂(b1)はCOCであることが好ましい。また、COCとしては、直鎖状モノマーがエチレンである、エチレン・環状オレフィン共重合体であることが好ましい。さらには、環状モノマーは、ノルボルネン等であることが好ましい。
また、本発明においては、エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることが好ましい。より好ましくは30〜40/70〜60のものである。エチレンが15重量%未満であると、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。一方、エチレンが40重量%以上であると、十分な易引裂性、剛性が得られないため好ましくない。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性、衝撃強度が向上するため好ましい。
さらにまた、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは70℃以上のものである。環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、例えば、芳香成分のバリアー性が低下するようになる、十分な剛性が得られず、高速包装機械適正に劣る等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(b1)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
環状オレフィン系樹脂(b1)は、易引裂性多層フィルム全体を基準として、10〜70重量%含まれることが好ましい。より好ましくは、10〜50重量%である。10重量%より少ないと、十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、70重量%より多いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。
環状オレフィン系樹脂(b1)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。本発明においては、ノルボルネン系単量体の含有比率が、前述の範囲にあること、加工性等の理由から、TOPASのグレード8007が好ましい。
尚、ノルボルネン系の場合の、ノルボルネン含量は好ましくは、30mol%以上70mol%以下、より好ましくは35mol%以上65mol%以下、さらに好ましくは36mol%以上60mol%以下である。ノルボルネン含量が30mol%未満であると、易引き裂き性が得られない可能性がある。また、70mol%を超えると、加工性が悪くなる可能性がある。
(b)高圧法低密度ポリエチレン(b2)
第II層を形成するのに用いる高圧法低密度ポリエチレン(b2、以下、「LDPE(b2)」ともいう。)は、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。
密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれるが、本発明において好ましくは、0.920〜0.930g/cmであることがあげられる。更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。第II層として、密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを用いると、フィルム成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。
一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、易引き裂き性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、LDPE(b2)のメルトインデックス(MI)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MIが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、押出フィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなり、さらにフィルムの透明性が低くなるといった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、押出加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトインデックス(MI)は、JIS−K−7210により測定したメルトインデックス値である。
(2)第I層
本発明の易引裂性多層フィルムにおける第I層は、高圧法低密度ポリエチレン(a)からなることを特徴とする。
密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれるが、本発明において好ましくは、0.920〜0.930g/cmであることがあげられる。更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。第I層として、密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを用いると、フィルム成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。
一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、易引き裂き性が得られない恐れがある。
さらに、190℃におけるメルトインデックスが0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは、0.5〜4.0g/10分である。上記密度範囲内にあるポリエチレンであれば、フィルム物性、製膜安定性が良好であるため、いずれのものも使用できる。
(3)第III層
本発明の易引裂性多層フィルムにおける第III層は、密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)50重量%〜100重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)0重量%〜50重量%からなるからなることを特徴とする。
好ましくは、密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)が60重量%〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)が10〜40重量%、より好ましくは密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)が70重量%〜80重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)が20〜30重量%である。
(a)エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)
第III層を形成するのに用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1、以下、「LLDPE(c1)」ともいう。)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良く、密度は0.880〜0.925g/cmの範囲から選ばれるが、本発明において好ましくは、0.890〜0.920g/cmであることがあげられる。更に好ましくは0.900〜0.915g/cmである。密度が0.880g/cm未満であると、フィルムがブロッキングしてしまい、取扱い性に欠ける恐れがある。一方密度が0.925g/cmを超えると、十分にヒートシールできる温度が高くなり、包装材としたときにヒートシール不良となる恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
(b)高圧法低密度ポリエチレン(c2)
第III層を形成するのに用いる高圧法低密度ポリエチレン(c2、以下、「LDPE(c2)」ともいう。)は、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。
密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれるが、本発明において好ましくは、0.920〜0.930g/cmであることがあげられる。更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。第III層として、密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを用いると、フィルム成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。
一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、易引き裂き性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、LDPE(b2)のメルトインデックス(MI)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MIが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、押出フィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなり、さらにフィルムの透明性が低くなるといった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、押出加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトインデックス(MI)は、JIS−K−7210により測定したメルトインデックス値である。
本発明において、第I層、第II層及び第III層には、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、第I層及び第III層の摩擦係数を1.5以下、中でも1.2以下にすることが好ましいので、第I層及び第III層には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
また、第III層には、第III層に使用した樹脂の合計を100重量部として、アンチブロッキング剤を0.3〜1.5重量部、滑剤を0.03〜0.2重量部配合することが好ましい。アンチブロッキング剤の場合、好ましくは、0.5〜1.3重量部、さらに好ましくは、0.8〜1.2重量部である。滑剤の場合、第I層〜第III層の合計厚みにより最適量は異なるが、好ましくは0.04〜0.18重量部、さらに好ましくは0.06〜0.16重量部である。
特に、滑剤性の発現に即効性のあるエルカ酸アミド等と遅効性のエチレンビスオレイン酸アミド等を併用することが好ましい。他に即効性のある滑剤としては、オレイン酸アミドが挙げられる。また、遅効性のある滑剤としては、エチレンビスエルカ酸アミドが挙げられる。
2.第I層〜第III層
本発明の第I層〜第III層は、前述したように、特定の第I層/特定の第II層/特定の第III層との構成からなり、その第I層側に第I層に接着された基材層(第IV層)を有する。図1に、本発明の易引裂性多層フィルムの一例の断面の概略図を示す。1は第I層、2は第II層、3は第III層、0は第IV層を示す。
第I層〜第III層全体の厚さとしては、30〜150μmのものが好ましい。多層フィルムの厚さが30μm以上であれば、優れた二次成形性が得られる。
また、本発明の第I層〜第III層のうちの第II層の厚さは、易引裂性多層フィルム全体を基準として、20〜70%であることが好ましい。より好ましくは20〜50%である。すなわち、第I層/第II層/第III層が1:0.5:1の厚さ〜1:4:1程度の厚さをとることができる。第II層が20%より薄いと、十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、70%より厚いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。第II層がこの範囲であれば、易引裂性に優れる上に、コスト的に有利であり、易引裂性多層フィルムの透明性、引き裂き性、耐ピンホール性が向上するため、好ましい。
本発明の第I層〜第III層の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、第I層に用いる高圧法低密度ポリエチレン(a)と、中間層(B)に用いる環状オレフィン系樹脂(b1)及び/又は高圧法低密度ポリエチレン(b2)と、内層(C)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)と高圧法低密度ポリエチレン(c2)を、それぞれ別の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で第I層/第II層/第III層の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いる高圧法低密度ポリエチレン(b2)と環状オレフィン系樹脂(b1)との軟化点(融点)の差が大きいため、相分離やゲルを生じることがある。このような相分離やゲルの発生を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
3.易引裂性多層フィルム
本発明の易引裂性フィルムは、第I層〜第III層の第I層に接着された基材層(第IV層)を有する。
本発明における基材層(第IV層)としては、通常包装用フィルムの基材として用いられるもののうち、易引き裂き性を有するものであれば特に制限無く用いられる。その例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファン及びこれらの塩化ビニリデンコーティングフィルム、さらに、紙、アルミニウム箔、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、なかでも、二軸延伸されたナイロン、ポリエステル及びポリプロピレンフィルムからなる群より選ばれた少なくとも一種のフィルムが好適に用いられる。本発明の易引裂性フィルムは、これらの基材と積層され、ノッチまたは傷痕の引き裂き開始部を有する袋に使用されるものである。
本発明の易引裂性フィルムのうち第I層〜第III層は、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ11N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、10N/mm以下である。
また、JIS K7128−1に準拠して測定したトラウザー引裂強度が、1.5N以下であることが好ましい。より好ましくは、1.3N以下である。
4.包装材
本発明の易引裂性フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の易引裂性フィルムの第III層をヒートシール層として、第III層同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋が挙げられる。2枚の当該易引裂性フィルムを所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填した後、ヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。また、1枚の当該易引裂性フィルムを用いて、ピロー包装の形態でも用いることができる。さらに、第III層とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
また、前記包装容器としては、本発明の易引裂性フィルムを二次成形することにより得られる深絞り成形品(上部に開口部がある底材)が挙げられ、代表的なものとしてブリスターパックの底材が挙げられる。この底材を密封する蓋材は、底材とヒートシールできるものであれば特に材質は問わないが、蓋材と底材を同時に引き裂いて開封できることから、本発明の易引裂性フィルムを蓋材として用いることが好ましい。
上記の二次成形方法としては、例えば、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が挙げられる。これらの中でも、フィルムあるいはシートを包装機上にてインラインで成形し、内容物を充填できるため真空成形が好ましい。
本発明の易引裂性フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成すると好ましい。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
なお、実施例に於ける各種物性の測定は、下記要領に従った。
[測定方法]
(1)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2に準拠して測定した。なお、MDは流れ方向(MD:Macine Direction)であり、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。
(2)トラウザー引裂強度
JIS K7218−1に準拠して測定した。なお、MDは流れ方向(MD:Macine Direction)であり、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。また、試験速度は200mm/minとした。
(3)手による引裂性評価
JIS K7128−1に記載のトラウザー用の試験片を準備した。ゆっくりと間断的に180°方向に手で引き裂いた。間断的に引き裂いても常に簡単に引き裂けるものを○、引き裂きに力を要し、すぐに引き裂きにくくなり、間断的に引き裂けなくなってしまうものを×とした。
(4)ヒートシール強度
ヒートシールバーについて、ヒートシール圧力0.2MPa、ヒートシール時間1秒、上方ヒーター100℃、下方ヒーター60℃としてヒートシールを実施した。シールバーと試験片の間に厚み12μmのPETフィルムを用いた。
ヒートシールされた試験片を15mm幅に切りだし、引張試験を実施し、ヒートシール強度を求めた。引張速度:500mm/min、チャック間:50mmとして行った。
[インフレーションフィルムの成形条件および成形性評価法]
以下のインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、インフレーションフィルムを成形し、評価した。
(3種3層インフレーション成形機)
装置:インフレーション成形装置(プラコー(株)製)
押出機スクリュー径:40mmφ×3
ダイ径:105mmφ
押出量:20kg/hr
ダイリップギャップ:2.5mm
引取速度:27m/分・・・30μmの場合
20m/分・・・40μmの場合
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:190℃
フィルム厚み:30μm、40μm
冷却リング:2段式風冷リング
また、インフレーションフィルムに対し、接着剤を用いて二軸に延伸されたNyフィルムを貼りつけた(ドライラミ)。
(ドライラミ)
装置:マルチコーター
基材:ユニチカ製二軸延伸ナイロンフィルム EMBLEM(登録商標)「ONM」
接着剤:東洋モートン製 主剤(エーテル系)TOMOFREXTM「TM−329」、
東洋モートン製 硬化剤(ポリイソシアネート)TOMOFREXTM「CAT−8B」
※接着剤は、主剤と硬化剤を0.75kgずつ、酢酸エチル2.9kgとなるようにブレンドして用いた。
[使用原料]
実施例で使用した原料は、下記の通りである。なお、密度の単位はg/cm、MFRの単位はg/10分である。
高圧法低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックLD「LF440B」
密度0.925、MFR2.8の高圧法低密度ポリエチレン
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体(A):
日本ポリエチレン社製カーネル「KF270」
密度0.907、MFR2.0のエチレン・1−ヘキセン共重合体
(3)高圧法低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックLD「LF240」
密度0.924、MFR0.7の高圧法低密度ポリエチレン
(4)COC
商品名TOPAS「8007」を使用。
ノルボルネン含有量 36mol%
(5)マスターバッチ
MB1 高圧法低密度ポリエチレンベース
10wt%濃度のアンチブロッキング剤と
8wt%濃度の滑剤の混合物のマスターバッチ
MB2 エチレン・α−オレフィン共重合体ベース
合計5wt%濃度の2種滑剤混合物のスリップ剤マスターバッチ
MB3 エチレン・α−オレフィン共重合体ベース
32wt%濃度のアンチブロッキング剤マスターバッチ
[実施例及び比較例]
(実施例1)
表1の通り、第I層を高圧法低密度ポリエチレン(LF440B)とMB1の混合物、第II層を高圧法低密度ポリエチレン(LF440B)とエチレン・環状オレフィン共重合体(COC)の混合物、第III層をエチレン・α−オレフィン共重合体(KF270)とMB2、MB3の混合物として、層比1:1:1構成のインフレーションフィルムを得た。成形時にチューブ部分の両端をスリットした。フィルム厚みは30μmとした。
そのフィルムについて、エルメンドルフ引裂強度、トラウザー引裂強度を評価した。評価結果を表1に示す。
さらに、そのフィルムにマルチコーターを用いて二軸に延伸されたナイロンフィルムを接着させた。そのフィルムについて、ヒートシール強度、手による引裂性を評価した。
(実施例2)
インフレーションフィルムの厚みを40μmにした以外は、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
第III層に高圧法低密度ポリエチレンを混合した以外は実施例1と同様に評価した。
(実施例4)
第III層に高圧法低密度ポリエチレンを混合した以外は実施例2と同様に評価した。
Figure 2015160374
(比較例1〜2)
表2の通り、実施例1〜4と同様にインフレフィルムを得、評価した。
Figure 2015160374
[評価]
表1から明らかなように、本発明の特定事項である特定の層構成のフィルムに対し、引裂強度が低いため十分な易引裂性を有する。さらに、それに二軸に延伸されたNyを接着させたフィルムは、良好な引裂性と低温ヒートシール性が得られた。
比較例1、2は横方向のエルメンドルフ引裂強度、トラウザー引裂強度の値が高いため、それに二軸に延伸されたナイロンを接着しても良好な易引裂性、特に横方向の易引裂性は得られない。また、比較例3は、縦方向の易引裂性、低温ヒートシール性が得られない。
本発明によれば、縦方向及び横方向の引裂性に優れ、低温シール性も兼ね備えた易引裂性多層フィルム及びこれを用いた包装材が提供される。したがって、本発明の易引裂性多層フィルム及びこれを用いた包装材は、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等に好適に用いることができ、産業上大いに有用である。

Claims (11)

  1. 高圧法低密度ポリエチレン(a)からなる第I層、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b2)10〜90重量%からなる第II層及び密度が0.880〜0.925g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)50重量%〜100重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(c2)0重量%〜50重量%からなる第III層が、順に積層されており、第I層に接着された基材層(第IV層)を有する易引裂性多層フィルム。
  2. 環状オレフィン系樹脂(b1)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の易引裂性多層フィルム。
  3. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることを特徴とする請求項1または2に記載の易引裂性多層フィルム。
  4. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  5. 基材層(第IV層)が、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、セロファンおよび、これらの塩化ビニリデンコーティングフィルム、紙、アルミニウム箔、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  6. 環状オレフィン系樹脂(b1)は、第I層〜第III層からなる積層体全体を基準として、10〜90重量%含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  7. 高圧法低密度ポリエチレン(a)及び高圧法低密度ポリエチレン(b2)は、190℃におけるメルトインデックスが0.1〜30g/10分であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  8. 第I層〜第III層からなる積層体において、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ11N/mm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  9. 中間層(B)の厚さは、第I層〜第III層からなる積層体全体を基準として、20〜70%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  10. 第III層に、第III層に使用した樹脂の合計を100重量部として、アンチブロッキング剤を0.3〜1.5重量部、滑剤を0.03〜0.2重量部配合したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の易引裂性フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルムを用いてなることを特徴とする包装材。
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