JP6600127B2 - 易引裂性気泡緩衝材 - Google Patents

易引裂性気泡緩衝材 Download PDF

Info

Publication number
JP6600127B2
JP6600127B2 JP2014091449A JP2014091449A JP6600127B2 JP 6600127 B2 JP6600127 B2 JP 6600127B2 JP 2014091449 A JP2014091449 A JP 2014091449A JP 2014091449 A JP2014091449 A JP 2014091449A JP 6600127 B2 JP6600127 B2 JP 6600127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
ethylene
laminate
cushioning material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014091449A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015208912A (ja
Inventor
隆浩 雨宮
伊藤  嘉浩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyethylene Corp
Original Assignee
Japan Polyethylene Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polyethylene Corp filed Critical Japan Polyethylene Corp
Priority to JP2014091449A priority Critical patent/JP6600127B2/ja
Publication of JP2015208912A publication Critical patent/JP2015208912A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6600127B2 publication Critical patent/JP6600127B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buffer Packaging (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、引き裂きやすく、人の手でも容易に切ることのできる易引裂性気泡緩衝材に関する。
気泡緩衝材、すなわち、プラスチックフィルムの熱成形、とくに真空成形により、多数の突起が形成されたセル層フィルムの底面側に、バックフィルムを貼りあわせ、積層させてなるものや、セル層フィルムの頂側に、もう1枚の平坦なトップフィルムを積層させてなるものが、緩衝包装、その他広い用途に用いられている。中には、セル層フィルムの底面側に、さらに下フィルムを積層させたものも存在する。
気泡緩衝材は、通常、長尺に製造したものを巻き取ったコイルの形で提供されている。使用に当たっては、この巻き取りから気泡緩衝材を繰り出して、打ち抜きとか、折り畳みとかの加工を行なう装置に供給するのが通常である。
一方、引っ越し荷物の緩衝包装、引っ越しを含めて屋内の模様替えや工事に当たっての養生等の場合、気泡緩衝材の巻き取りを展開しながら、ハサミやカッターナイフなどで必要な分だけ切り取って使用する。この切り取り作業において、カッターナイフの取り扱いに気を付けないと、思いがけない危険がある。
気泡緩衝材を巻き取りから必要なだけ切り取るような使用態様においては、気泡シートの緩衝性能が損なわれないという前提が満たされる限り、手で幅方向に、つまり長手方向に直角の方向に引き裂くことができれば好都合である。
ところが、現在製造販売されている気泡緩衝材は、手で幅方向に引き裂こうとすると、抵抗があり、とても手で引き裂けるものではない。気泡緩衝材の材料は、多くの場合ポリエチレンであって、製法は、Tダイから溶融押し出ししたプラスチックフィルムを熱成形ロールで成形して上記セル層フィルムとし、そこへ別のTダイから溶融押し出ししたバックフィルムを融着させるという操作を、連続的に行なって製造されている。
Tダイから押し出されたポリエチレンは、程度の差こそあれ、押し出し方向に一軸延伸されていて、流れに沿った方向にはある程度引き裂き可能であるが、幅方向には引き裂きにくい。
このような欠点を改善するため、例えば、プラスチックフィルムの熱成形により多数のキャップを成形したキャップフィルム(セル層フィルム)のキャップの底面に、平坦なプラスチックのバックフィルムを貼り合わせ、さらに、キャップの頂を連ねて、もう1枚の平坦なプラスチックのライナーフィルム(トップフィルム)を貼り合わせて三層構成とした長尺のプラスチック気泡シートにおいて、前記キャップフィルム、前記バックフィルムおよび前記ライナーフィルムの少なくともひとつに、長手方向に対して直角の線に沿って裂けやすいフィルムを使用した、引き裂きやすいプラスチック気泡シートや、プラスチックフィルムの熱成形により多数のキャップを成形したキャップフィルム(セル層フィルム)のキャップの底面に、平坦なプラスチックのバックフィルムを貼り合わせてなる二層構成の長尺のプラスチック気泡シートにおいて、前記キャップフィルムおよび前記バックフィルムの少なくともひとつに、長手方向に対して直角の線に沿って裂けやすいフィルムを使用した、引き裂きやすいプラスチック気泡シートが提案されている(特許文献1参照)。
また、ベースフィルム(バックフィルム)の片面に、多数の独立気泡を備えたキャップフィルム(セル層フィルム)を貼り合わせてなる気泡性緩衝シートの片面の少なくとも一部に、粘着剤層が配設されてなる自己粘着性気泡性緩衝シートであって、前記ベースフィルムが、幅方向に横裂き可能な熱可塑性フィルムから構成されてなる自己粘着性気泡性緩衝シートや、ベースフィルム(バックフィルム)の片面に、多数の独立気泡を備えたキャップフィルム(セル層フィルム)を貼り合わせてなる気泡性緩衝シートの片面の少なくとも一部に、粘着剤層が配設されてなる自己粘着性気泡性緩衝シートであって、前記ベースフィルムに、幅方向、つまり長手方向に直角の方向に横裂き可能な熱可塑性フィルムが積層されてなる自己粘着性気泡性緩衝シートが提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−74725号公報 特開2005−59357号公報
しかし、上記特許文献1及び2に開示される気泡シートや自己粘着性気泡性緩衝シートは、長手方向に対して垂直な方向に引き裂きやすいフィルムとして、アイオノマー樹脂を使用したフィルムや、極端にブロー比を上げた高密度ポリエチレンフィルム、インフレ成形した低密度ポリエチレンを材料としたフィルムを用いるものであり、長手方向に垂直な方向に手で引き裂くことができる気泡緩衝材が得られるものの、長手方向及び長手方向に垂直な方向に引き裂く際に、重く感じるという問題があり、また、ある程度の方向性をもって引き裂くことはできないため、さらなる引裂性の改善が要求されていた。さらに、これらの技術は、バックフィルムが厚くなってしまうと、長手方向にも、長手方向に垂直な方向にも引き裂け難いという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、長手方向及び長手方向に垂直な方向において引裂性が良好であり、容易に手で引き裂くことができる易引裂性気泡緩衝材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂層、環状オレフィン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含有する混合樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層を積層してなる積層体を、バックフィルム、セル層フィルム、下フィルム又はトップフィルムの少なくとも1つに用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、これらの知見を基に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、複数の突起が形成されたセル層フィルム(II)と、セル層フィルム(II)の底面側に積層されたバックフィルム(I)と、任意に、バックフィルム(I)の下側に積層された下フィルム(III)及びセル層フィルム(II)の頂側に積層されたトップフィルム(IV)の少なくとも一つと、を有してなる易引裂性気泡緩衝材であって、バックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)及びトップフィルム(IV)のうち少なくとも一つが、下記の層(A)、層(B)、層(C)をこの順に積層してなる積層体(X)を含むフィルムであることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
層(A):ポリオレフィン系樹脂層
層(B):環状オレフィン系樹脂(b1)とポリオレフィン系樹脂を含有する混合樹脂層
層(C):ポリオレフィン系樹脂層
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、積層体(X)は、層(A)が、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(a2)0〜100重量%[ただし、(a1)及び(a2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であり、層(B)が、環状オレフィン系樹脂(b1)及びエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する樹脂層であり、層(C)が、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(c2)0〜100重量%[ただし、(c1)及び(c2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材。が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、積層体(X)は、層(A)が、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)0〜100重量%と高圧法低密度ポリエチレン(a2)0〜100重量%[ただし、(a1)及び(a2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であり、層(B)が、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b3)0〜30重量%[ただし、(b1)、(b2)及び(b3)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であり、層(C)が、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(c2)0〜100重量%[ただし、(c1)及び(c2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、190℃におけるメルトインデックスが0.1〜30g/10分であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、バックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)及びトップフィルム(IV)のうち少なくとも一つが、積層体(X)を含まず、かつ、ポリエチレン樹脂フィルムであることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記ポリエチレン樹脂フィルムが、下記の組成物(D)からなることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
組成物(D):下記(d1)35〜65重量%、下記(d2)0〜30重量%、下記(d3)35〜65重量%[ただし、(d1)、(d2)及び(d3)の合計量を100重量%とする。]を含有する組成物。
成分(d1):密度0.910〜0.940(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)であるエチレン・α−オレフィン共重合体
成分(d2):密度0.940〜0.970(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)である高密度ポリエチレン
成分(d3):MFR0.1〜10(g/10分)である高圧法低密度ポリエチレン
本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、環状オレフィン系樹脂(b1)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記エチレン・環状オレフィン共重合体中のエチレン/環状オレフィンの含有割合は、エチレンと環状オレフィンとの合計重量を100とした場合、重量比で15〜40/85〜60(ただし、エチレン及び環状オレフィンの含有割合の合計を100とする。)であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第9の発明によれば、第7又は8の発明において、前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、積層体(X)において、環状オレフィン系樹脂(b1)は、層(A)〜層(C)からなる積層体全体の重量を基準として、10〜90重量%含まれることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明において、積層体(X)において、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ11N/mm以下であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第12の発明によれば、第1〜11のいずれかの発明において、中間層(B)の厚さは、積層体(X)全体の厚さを基準として、20〜70%であることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の第13の発明によれば、第1〜12のいずれかの発明において、下フィルム(III)が積層体(X)から構成されることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材が提供される。
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、長手方向及び長手方向に垂直な方向における、引裂性が良好であり、容易に手で引き裂くことができる。
図1は、本発明の易引裂性気泡緩衝材の断面を示す概略図である。 図2は、本発明の易引裂性気泡緩衝材の全体を示す概略図である。なお、図2は、トップフィルム(I)を用いない概略図である。 図3は、本発明に用いられる積層体(X)を示す概略図である。
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、複数の突起が形成されたセル層フィルム(II)と、セル層フィルム(II)の底面側に積層されたバックフィルム(I)と、任意に、バックフィルム(I)の下側に積層された下フィルム(III)及びセル層フィルム(II)の頂側に積層されたトップフィルム(IV)のうち少なくとも1つのフィルムと、を有してなり、バックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)又はトップフィルム(IV)のうち、少なくとも1つが特定の積層体(X)を含むフィルムであることを特徴とする。
以下、本発明について、各項目ごとに詳細に説明する。
1.積層体(X)
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、上記フィルム(I)〜(IV)の少なくとも1つのフィルムが、下記の層(A)、層(B)、層(C)をこの順に積層してなる積層体(X)を含む。
層(A):ポリオレフィン系樹脂層
層(B):環状オレフィン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を含有する混合樹脂層
層(C):ポリオレフィン系樹脂層
以下、各層について、詳細を説明する。
(1)層(A)
本発明に用いられる積層体(X)における層(A)は、ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂層である。該ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などを挙げることができ、好ましくは、ポリエチレン系樹脂である。
層(A)は、より好ましくは、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(a2)0〜100重量%[ただし、(a1)及び(a2)の合計重量を100重量%とする。]を含有する樹脂層であり、さらに好ましくは、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)70〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(a2)0〜30重量%[ただし、(a1)及び(a2)の合計重量を100重量%とする。]を含有する樹脂層である。
(I)エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)
層(A)に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良く、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。密度は、0.890〜0.960g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.910〜0.940g/cmである。密度が0.890g/cmを下回る場合は十分な剛性が得られず、積層体(X)がブロッキングしてしまう等、加工性に劣る恐れがある。一方、密度が0.960g/cmを超える場合は、隣接するフィルムとの十分な融着が得られず、例えば、積層体(X)を下フィルム(III)として用いた場合に、バックフィルム(I)との十分な融着が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、積層体(X)のフィルム加工が困難になり、また、モーター負荷が大きくなるといった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、積層体(X)のフィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)において、エチレンと共重合するα−オレフィンの含量としては、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%であり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
(II)高圧法低密度ポリエチレン(a2)
本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(a2)(LDPEとも称される)は、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。
高圧法低密度ポリエチレン(a2)の密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれるが、好ましくは、0.920〜0.930g/cmであり、更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。密度が0.915g/cm未満である場合、積層体(X)成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、積層体(X)の加工安定性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
(2)層(B)
本発明に用いられる積層体(X)における層(B)は、環状オレフィン系樹脂(b1)とポリオレフィン系樹脂とを含有する混合樹脂層である。
より好ましくは、層(B)は、環状オレフィン系樹脂(b1)と、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂層であり、さらに好ましくは、層(B)は、環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%と、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)10〜90重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(b3)0〜30重量%を含有する樹脂層[(b1)、(b2)、(b3)の合計量は100重量%]であることを特徴とする。
環状オレフィン系樹脂が10重量%未満であると十分な易引裂性が得られない恐れがあり好ましくない。
(I)環状オレフィン系樹脂(b1)
本発明層(B)で用いる環状オレフィン系樹脂(b1)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
COCとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなどの直鎖状モノマーとテトラシクロドデセン、ノルボルネンなどの環状モノマーとから得られた環状オレフィン共重合体が挙げられる。さらに具体的には上記直鎖状モノマーと炭素数が3〜20のモノシクロアルケンやビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)及びこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−3−ドデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン及びこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン及びこの誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン及びこの誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン及びこの誘導体等の環状オレフィンとの共重合体からなる環状オレフィン共重合体などが挙げられる。直鎖状モノマー及び環状モノマーは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。また、このような環状オレフィン共重合体は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、環状オレフィン系樹脂(b1)に、前記COPとCOCを併用することもできる。その場合は、COPとCOCのそれぞれの異なった性能を付与することができる。
本発明においては、ポリエチレンに対する分散性の観点から、環状オレフィン系樹脂(b1)はCOCであることが好ましい。また、COCとしては、直鎖状モノマーがエチレンである、エチレン・環状オレフィン共重合体であることが好ましい。さらには、環状モノマーは、ノルボルネン等であることが好ましい。
また、本発明においては、エチレン・環状オレフィン共重合体は、エチレンと環状オレフィンとの合計重量を100とした場合、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60であることが好ましく、より好ましくは30〜40/70〜60である。エチレンが15重量%未満であると、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。一方、エチレンが40重量%以上であると、十分な易引裂性、剛性が得られないため好ましくない。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性、衝撃強度が向上するため好ましい。
さらにまた、エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは70℃以上のものである。環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、例えば、芳香成分のバリアー性が低下するようになる、十分な剛性が得られず、高速包装機械適正に劣る等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(b1)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
環状オレフィン系樹脂(b1)は、積層体(X)全体の重量を基準として、3〜60重量%含まれることが好ましい。より好ましくは、5〜50重量%、さらに好ましくは、6〜40重量%である。3重量%より少ないと、十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、60重量%より多いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。
環状オレフィン系樹脂(b1)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。本発明においては、ノルボルネン系単量体の含有比率が、前述の範囲にあること、加工性等の理由から、TOPASのグレード8007が好ましい。
(II)ポリオレフィン系樹脂
層(B)に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を用いることができ、好ましくは、ポリエチレン系樹脂である。
(III)エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)
層(B)に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(b2)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良く、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。密度は、0.870〜0.935g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.910〜0.933g/cmである。密度が0.870g/cmを下回る場合は十分な剛性が得られず、積層体(X)を下フィルム(III)として用いた場合に、ロールに巻きつく等の加工性に劣る恐れがある。一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、隣接するフィルムとの十分な融着が得られず、例えば、積層体(X)を下フィルム(III)として用いた場合に、バックフィルム(I)との十分な融着が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、積層体(X)のフィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなりといった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、積層体(X)のフィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(b2)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
(IV)高圧法低密度ポリエチレン(b3)
本発明に用いられる高圧法低密度ポリエチレン(b3)は、LDPEとも称される、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。
密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれることが好ましく、より好ましくは、0.920〜0.930g/cmであり、更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを層(B)に用いると、積層体(X)成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、積層体(X)の加工安定性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
(3)層(C)
本発明に用いられる積層体(X)における層(C)は、ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂層である。
好ましくは、層(C)は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂を用いることができ、より好ましくは、ポリエチレン系樹脂である。より好ましくは、層(C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)0〜100重量%と高圧法低密度ポリエチレン(c2)0〜100重量%[ただし、(c1)及び(c2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層である。さらに好ましくは、層(C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)70〜100重量%と高圧法低密度ポリエチレン(c2)0〜30重量%[ただし、(c1)及び(c2)の合計量を100重量%とする。]を含有する樹脂層である。
(I)エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)
層(C)を形成するのに用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良く、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。密度は、0.890〜0.960g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.910〜0.940g/cmである。密度が0.890g/cmを下回る場合は十分な剛性が得られず、積層体(X)がブロッキングしてしまう等、加工性に劣る恐れがある。一方、密度が0.960g/cmを超える場合は、隣接するフィルムとの十分な融着が得られず、例えば、積層体(X)を下フィルム(III)として用いた場合に、バックフィルム(I)との十分な融着が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、積層体(X)のフィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなり、といった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、積層体(X)のフィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明において用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
(II)高圧法低密度ポリエチレン(c2)
本発明において用いる高圧法低密度ポリエチレン(c2、以下、「LDPE(c2)」ともいう。)は、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれるが、好ましくは、0.920〜0.930g/cmであり、更に好ましくは0.922〜0.929g/cmである。層(C)へ密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを用いると、積層体(X)成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。
一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、積層体(X)の加工安定性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
本発明において、層(A)、層(B)及び層(C)には、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、層(A)及び層(C)の摩擦係数を1.5以下、中でも1.2以下にすることが好ましいので、層(A)及び層(C)には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
(4)積層体(X)
本発明に用いられる積層体(X)は、前述したように、特定の層(A)/特定の層(B)/特定の層(C)との構成からなるものである。図3に、本発明に用いられる積層体(X)を含むフィルムの一例の断面の概略図を示す。
積層体(X)の全体の厚さとしては、30〜150μmのものが好ましい。積層体(X)の厚さが30μm以上であれば、優れた二次加工性が得られる。
また、本発明に用いられる積層体(X)中の層(B)の厚さは、積層体(X)全体を基準として、20〜70%であることが好ましい。より好ましくは20〜50%である。すなわち、層(A)/層(B)/層(C)が1:0.5:1の厚さ〜1:4:1程度の厚さをとることができる。層(B)が20%より薄いと、十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、70%より厚いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適正を悪化させるため好ましくない。層(B)がこの範囲であれば、易引裂性に優れる上に、コスト的に有利であり、積層体(X)の引き裂き性、耐ピンホール性が向上するため、好ましい。
本発明に用いられる積層体(X)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、層(A)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)及び/又は高圧法低密度ポリエチレン(a2)と、層(B)に用いる環状オレフィン系樹脂(b1)及び/又はエチレン・α−オレフィン共重合体(b2)及び/又は高圧法低密度ポリエチレン(b3)と、層(C)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)及び/又は高圧法低密度ポリエチレン(c2)とを、それぞれ別の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(C)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(b2)及び高圧法低密度ポリエチレン(b3)と環状オレフィン系樹脂(b1)との軟化点(融点)の差が大きいため、相分離やゲルを生じることがある。このような相分離やゲルの発生を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
また、本発明に用いられる積層体(X)は、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形が可能となる。
本発明に用いられる積層体(X)は、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向(MD)及び横方向(TD)において、それぞれ11N/mm以下であることが好ましく、より好ましくは、8〜1N/mm以下、さらに好ましくは、5〜1N/mm以下である。エルメンドルフ引裂強度が11N/mmを超えると、気泡緩衝材を手により容易に引裂くことが困難となる。
2.ポリエチレン樹脂フィルム
本発明において、前記積層体(X)以外で構成されるバックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)又はトップフィルム(IV)が、ポリエチレン樹脂フィルムであることが好ましく、さらに、下記の組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムであることがより好ましい。
組成物(D):下記の成分(d1)35〜65重量%、下記の成分(d2)0〜30重量%、下記の成分(d3)35〜65重量%[(d1)、(d2)、(d3)の合計量は100重量%]を含有する組成物。
成分(d1):密度0.910〜0.940(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)であるエチレン・α−オレフィン共重合体
成分(d2):密度0.940〜0.970(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)である高密度ポリエチレン
成分(d3)MFR0.1〜10(g/10分)である高圧法低密度ポリエチレン
上記ポリエチレン樹脂フィルムを用いたフィルムを、積層体(X)を含むフィルムとともに用いることにより、フィルム同士の融着がよくなる。
(I)成分(d1):エチレン・α−オレフィン共重合体
組成物(D)が含有する成分(d1)は、は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良く、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)であることが好ましい。密度は、0.910〜0.940g/cmであり、好ましくは0.910〜0.935g/cmである。密度が0.910g/cmを下回る場合は十分な剛性が得られず、組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムがブロッキングしてしまう等、加工性に劣る恐れがある。一方、密度が0.940g/cmを超える場合は、組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムの剛性が上がり、取扱い性に劣る恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、成分(d1)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜10g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、積層体(X)のフィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなり、といった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、10g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、組成物(D)のフィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明に用いられる成分(d1)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
(II)成分(d2):高密度ポリエチレン
組成物(D)が含有する成分(d2)は、高密度ポリエチレン(HDPE)であり、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であっても、エチレンのホモ重合であってあって、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良い。密度は、0.940〜0.970g/cmであり、好ましくは0.950〜0.960g/cmである。密度が0.940g/cmを下回る場合は十分な剛性が得られず、組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムがブロッキングしてしまう等、加工性に劣る恐れがある。一方、密度が0.970g/cmを超える場合は、組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムの剛性が上がり、取扱い性に劣る恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、成分(d2)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜10g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪く、積層体(X)のフィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなり、といった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、10g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、組成物(D)のフィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、分散性の観点から、高密度ポリエチレン(d2)のメルトフローレート(MFR)は、エチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR)よりも高いことが好ましい。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明において用いる成分(d2)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレン単独重合体、または、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
(III)成分(d3):高圧法低密度ポリエチレン
本発明に用いられる成分(d3)は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)であり、ホモのポリエチレンであって、有機過酸化物により重合されたものである。
密度は0.915〜0.935g/cmの範囲から選ばれることが好ましく、より好ましくは、0.920〜0.933g/cmである。更に好ましくは0.922〜0.931g/cmである。密度が0.915g/cm未満の高圧法低密度ポリエチレンを用いると、組成物(D)からなるポリエチレン系フィルム成形時に穴あきが発生しやすくなり、外観が良好なフィルムが得られない恐れがある。一方、密度が0.935g/cmを超える場合は、組成物(D)からなるポリエチレン系フィルム成形時に加工安定性が得られない恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
(IV)組成物(D)
本発明において、組成物(D)は、成分(d1)35〜65重量%、成分(d2)0〜30重量%及び成分(d3)20〜65重量%を含有するのが好ましい。ただし、(d1)、(d2)及び(d3)の合計量を100重量%とする。
本発明において、組成物(D)には、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
本発明に用いられる組成物(D)を混合して得る場合は、各重合体を種々の公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採り得る。
3.易引裂性気泡緩衝材
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、複数の突起が形成されたセル層フィルム(II)と、セル層フィルム(II)の底面側に積層するバックフィルム(I)と、任意に、バックフィルム(I)の下側に積層する下フィルム(III)及びセル層フィルム(II)の頂側に積層するトップフィルム(IV)の少なくともの一つと、を有してなる。
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、少なくとも一つのフィルムが、積層体(X)を含むものであり、積層体(X)を含むフィルム以外のバックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)及びトップフィルム(IV)のうち少なくとも一つが、ポリエチレン樹脂フィルムであることが好ましい。
また、積層体(X)は、好ましくは、バックフィルム(I)及び/または下フィルム(III)に、さらに好ましくは、下フィルム(III)に含まれることが好ましい。
本発明の易引裂性気泡緩衝材は、その形状等については、特に限定されず、例えば、図2に示されるようなものである。
図2のセル5は、円形の袋状凸起であって内部に空気が密封されたセルが表面に複数形成されたものである。セルの形状は、円柱状の他、三角柱や四角柱等の多角柱形、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐形、円錐台、多角錐台形など、また、これらの組み合わせでもよい。通常、気室の高さは1〜20mm、底面積は0.5〜15cm、各気室の間隔は0.5〜100mmである。
この易引裂性気泡緩衝材は、図1に示すように、平坦なバックフィルム(I)と、多数の凸起の形成されたセル層フィルム(II)とを貼り合わせてなるもので、その製造方法は特に限られるものではなく、従来周知の方法にて製造することができる。例えば、特公昭37−13782号公報、特公昭38−330号公報、特開平9−123320号公報等に記載されている方法を適用することができる。更に任意に、バックフィルム(I)上に積層する下フィルム(III)又はセル層フィルム(II)の頂側に積層するトップフィルム(IV)を有することができる。なお、本発明は、図示した実施の形態に限定されない。
各フィルムは、少なくとも一つが積層体(X)を含む限り、すべて同一材料で構成しても、また、異なる材料を組み合わせて用いてもよい。また、積層体(X)を含まないフィルムは、上述した組成物(D)からなるポリエチレン樹脂フィルムであることが好ましい。また、より易引裂性に優れるという観点から、バックフィルム(I)及び/または下フィルム(III)を積層体(X)を含むフィルムとし、セル層フィルム(II)をポリエチレン樹脂フィルムとすることがより好ましい。
通常、各フィルムの厚さは10〜100μm、より好ましくは20〜60μmである。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
なお、実施例に於ける各種物性の測定は、下記要領に従った。
[測定方法]
(1)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2に準拠して測定した。なお、MDは流れ方向(MD:Macine Direction)であり、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。
(2)手による引裂性評価
気泡緩衝材をゆっくりと間断的に、長手方向及び長手方向に垂直な方向へ引き裂いた。
間断的に引き裂いても常に簡単に引き裂けるものを○、引き裂きに力を要すが、引き裂けるものを△、引き裂きに力を要し、すぐに引き裂きにくくなり、間断的に引き裂けなくなってしまうものを×とした。
[インフレーションフィルムの成形条件および成形性評価法]
以下のインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、積層体(X)を成形し、評価した。
(3種3層インフレーション成形機)
装置:インフレーション成形装置(プラコー(株)製)
押出機スクリュー径:50mmφ×2、55mmφ×1
ダイ径:200mmφ
押出量:25kg/hr
ダイリップギャップ:3mm
引取速度:23m/分
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:180℃
フィルム厚み:50μm
冷却リング:2段式風冷リング
[使用原料]
実施例で使用した原料は、下記の通りである。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)
日本ポリエチレン社製ハーモレックス「NF366A」
密度0.919g/cm、MFR1.5g/10分のエチレン・1−ヘキセン共重合体
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)
日本ポリエチレン社製ノバテックLL「UF420」
密度0.924g/cm、MFR0.9g/10分のエチレン・1−ブテン共重合体
(3)エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)
日本ポリエチレン社製ノバテックLL「UF320」
密度0.922g/cm、MFR0.9g/10分のエチレン・1−ブテン共重合体
(4)環状オレフィン系樹脂(b2):COC
商品名TOPAS「8007」を使用。
ノルボルネン含有量 36mol%
(5)マスターバッチ
MB1 エチレン・α−オレフィン共重合体ベース
32wt%濃度のアンチブロッキング剤マスターバッチ
MB2 エチレン・α−オレフィン共重合体ベース
5wt%濃度のスリップ剤マスターバッチ
(6)成分(d1):エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ノバテックLL「UF846」
密度0.933g/cm、MFR2.3g/10分のエチレン・1−ブテン共重合体
(7)成分(d2):高密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックHD「HY443」
密度0.956g/cm、MFR1.1g/10分の高密度ポリエチレン
(8)成分(d3):高圧法低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックLD「LF585M」
密度0.93g/cm、MFR3g/10分の高圧法低密度ポリエチレン
[易引裂性気泡緩衝材の形成]
バックフィルム(I)とセル層フィルム(II)は、まず、1台の押出機を用い、双頭ダイから組成物(D)からなる溶融薄膜状のフィルムとして、押し出し成形し、その後、これらの溶融薄膜状のフィルムを対向して配備されたエンボスロールと圧着ロールの間に導入した。
エンボスロールはロール表面に多数の凹部が形成され、その各凹部が真空ポンプと接続されているものである。エンボスロールと圧着ロールの間に導入された2つのフィルムの内のエンボスロール側に位置するフィルム(セル層フィルム)は、エンボスロールと接触すると凹部に吸引されて複数の凸起が形成されると共に、その凸起内に空気を挟み込むようにして圧着ロール側のフィルム(バックフィルム)と貼り合わせ、その後、冷却ロールにて冷却し、底面積が78.5mm、高さ2.5mmの円柱状のセルが複数個形成された、バックフィルム(I)とセル層フィルム(II)からなる気泡緩衝材を製造した。
尚、1200mm幅×42m長さあたり、3.2kgとなるようにしたものと、5.5kgとなるようにしたものを製造した。また、バックフィルム(I)及びセル層フィルム(II)は、3.2kgの場合、それぞれ32μm及び32μmの厚さとした。さらに、5.5kgの場合、55μm及び55μmの厚さとした。
さらに、バックフィルム(I)側をヒーターで加熱し、下フィルム(III)を融着させた。下フィルム(III)は、前記積層体(X)の層(A)側がバックフィルム(I)と融着するようにした。
[実施例及び比較例]
(実施例1)
表1の通り、積層体(X)として、層(A)をNF366A、MB1、MB2、層(C)をUF421、層(B)をUF320、COCを用い、層比1:1:1の50μmインフレーションフィルムを得た。
さらに、表1の通り、組成物(D)として、UF846、HY443、LF585Mを用いて、バックフィルム(I)とセル層フィルム(II)からなる、気泡緩衝材を製造した。1200mm幅×42m長さあたり、3.2kgとなるようにした。さらに、前記方法にて、積層体(X)を下フィルム(III)として積層し、本発明の気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
(実施例2)
表1の通り、バックフィルム(I)とセル層フィルム(II)からなる、気泡緩衝材は、1200mm幅×42m長さあたり、5.5kgとなるようにした以外は、実施例1と同様に、気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
(実施例3)
表1の通り、積層体(X)の層(B)に用いる、UF320とCOCの割合を変更した以外は、実施例2と同様にして、気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
(実施例4)
表1の通り、積層体(X)の層(B)に用いる、UF320とCOCの割合を変更した以外は、実施例2と同様にして、気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
(比較例1)
表1の通り、積層体(X)の層(B)に、UF320を用いた以外は、実施例1と同様に、気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
比較例1では、特に長手方向に垂直な方向への易引き裂き性が得られなかった。
(比較例2)
表1の通り、積層体(X)の代わりに、Tダイ成形した、アイオノマー樹脂「ハイミラン」(三井デュポンポリケミカル社製)(厚み 50μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、気泡緩衝材を得た。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006600127
表1の結果から、本発明の要件を満たしている実施例1〜4は、長手方向及び長手方向に垂直な方向の引裂性が良好である。一方、積層体(X)に環状オレフィン系樹脂(b1)を用いなかった比較例1では、長手方向に垂直な方向における引裂性に劣り、積層体(X)の替わりに、アイオノマー樹脂を用いた比較例2では、いずれの方向においても、引裂性が不良であった。
したがって、本発明の易引裂性気泡緩衝材は、手で容易に引き裂くことのできる易引裂性を備えた気泡緩衝材であり、大きな技術的意義を持つことが明らかである。
本発明によれば、長手方向及び長手方向に垂直な方向の引裂性に優れた易引裂性気泡緩衝材が提供される。したがって、本発明の易引裂性気泡緩衝材は、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる緩衝材として、好適に用いることができ、産業上大いに有用である。
1 バックフィルム(I)
2 セル層フィルム(II)
3 下フィルム(III)
4 トップフィルム(IV)
5 セル層フィルム(II)のセル部分
6 層(A)
7 層(B)
8 層(C)

Claims (11)

  1. 複数の突起が形成されたセル層フィルム(II)と、セル層フィルム(II)の底面側に積層されたバックフィルム(I)と、任意に、バックフィルム(I)の下側に積層された下フィルム(III)及びセル層フィルム(II)の頂側に積層されたトップフィルム(IV)の少なくとも一つと、を有してなる易引裂性気泡緩衝材であって、
    バックフィルム(I)及び/又は下フィルム(III)が、下記の層(A)、層(B)、層(C)をこの順に積層してなる積層体(X)を含むフィルムであり、
    バックフィルム(I)、セル層フィルム(II)、下フィルム(III)及びトップフィルム(IV)のうち少なくとも一つが、積層体(X)を含まず、かつ、積層体(X)を含まない前記フィルムが、ポリエチレン樹脂フィルムであり、
    該積層体(X)を含むフィルムが、該ポリエチレン樹脂フィルムと融着されてなることを特徴とする易引裂性気泡緩衝材。
    層(A):エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(a2)0〜100重量%[ただし、(a1)及び(a2)の合計量を100重量%とする。]を含有するポリオレフィン系樹脂層
    層(B):環状オレフィン系樹脂(b1)10〜90重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)10〜90重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(b3)0〜30重量%[ただし、(b1)、(b2)及び(b3)の合計量を100重量%とする。]を含有する混合樹脂層
    層(C):エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)0〜100重量%及び高圧法低密度ポリエチレン(c2)0〜100重量%[ただし、(c1)及び(c2)の合計量を100重量%とする。]を含有するポリオレフィン系樹脂層
  2. エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)、エチレン・α−オレフィン共重合体(b2)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、190℃におけるメルトインデックスが0.1〜30g/10分であることを特徴とする請求項1に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  3. ル層フィルム(II)が、積層体(X)を含まず、かつ、積層体(X)を含まない前記セル層フィルム(II)が、ポリエチレン樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  4. 前記ポリエチレン樹脂フィルムが、下記の組成物(D)からなることを特徴とする請求項3に記載の易引裂性気泡緩衝材。
    組成物(D):下記の成分(d1)35〜65重量%、下記の成分(d2)0〜30重量%および下記の成分(d3)20〜65重量%[ただし、(d1)、(d2)及び(d3)の合計量を100重量%とする。]を含有する組成物。
    成分(d1):密度0.910〜0.940(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)であるエチレン・α−オレフィン共重合体
    成分(d2):密度0.940〜0.970(g/cm)、MFR0.1〜10(g/10分)である高密度ポリエチレン
    成分(d3):MFR0.1〜10(g/10分)である高圧法低密度ポリエチレン
  5. 環状オレフィン系樹脂(b1)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  6. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体中のエチレン/環状オレフィンの含有割合は、エチレンと環状オレフィンとの合計重量を100とした場合、重量比で15〜40/85〜60であることを特徴とする請求項5に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  7. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体は、ガラス転移点が60℃以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  8. 積層体(X)において、環状オレフィン系樹脂(b1)は、層(A)〜層(C)からなる積層体全体の重量を基準として、3〜60重量%含まれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  9. 積層体(X)において、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ11N/mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  10. 層(B)の厚さは、積層体(X)全体の厚さを基準として、20〜70%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の易引裂性気泡緩衝材。
  11. 下フィルム(III)が積層体(X)から構成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の易引裂性気泡緩衝材。
JP2014091449A 2014-04-25 2014-04-25 易引裂性気泡緩衝材 Active JP6600127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014091449A JP6600127B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 易引裂性気泡緩衝材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014091449A JP6600127B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 易引裂性気泡緩衝材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015208912A JP2015208912A (ja) 2015-11-24
JP6600127B2 true JP6600127B2 (ja) 2019-10-30

Family

ID=54611535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014091449A Active JP6600127B2 (ja) 2014-04-25 2014-04-25 易引裂性気泡緩衝材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6600127B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6728766B2 (ja) * 2016-02-29 2020-07-22 日本ポリエチレン株式会社 易引裂性ポリオレフィン系樹脂積層発泡シート
JP2018167880A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 日本ポリエチレン株式会社 易引裂性気泡緩衝材
JP7456197B2 (ja) * 2020-03-03 2024-03-27 日本ポリエチレン株式会社 樹脂組成物及び易引裂性フィルム、易引裂性シート

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3891876B2 (ja) * 2002-04-18 2007-03-14 酒井化学工業株式会社 任意の側縁箇所から横裂き容易なエァセルラー緩衝シート
JP2004074725A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Kawakami Sangyo Co Ltd 引き裂きやすいプラスチック気泡シート
JP2005059890A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Japan Polyolefins Co Ltd 梱包用緩衝材
JP5646222B2 (ja) * 2010-06-17 2014-12-24 日本ポリエチレン株式会社 ヒートシール用易引裂性多層フィルム及び包装材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015208912A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5646222B2 (ja) ヒートシール用易引裂性多層フィルム及び包装材
JP4720562B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムを用いた包装材
JP5413647B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
JP5459535B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
JP6191189B2 (ja) 電子線照射された易引裂性多層フィルム及び包装材
JP6375974B2 (ja) 易引裂性多層シーラントフィルム及び包装材
JP4670744B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
JP6260389B2 (ja) 易引裂性多層フィルム及び包装材並びに液状物包装用袋
JP6264092B2 (ja) 易引裂性多層フィルム及び包装材
JP6565640B2 (ja) 耐熱性を有する易引裂性フィルム及び包装材
JP5716286B2 (ja) 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
JP6600127B2 (ja) 易引裂性気泡緩衝材
JP6610084B2 (ja) 易引裂性多層フィルム及び重量物包装用フィルム
JP6675609B2 (ja) 菌床栽培袋用フィルム及び菌床栽培袋
JP2016117159A (ja) シーラントフィルム
JP2004244027A (ja) 易カット性嵌合具及び嵌合具付袋体
JP3642616B2 (ja) ラミネートフィルム、及びこれを用いたレトルト用パウチ
JP6491516B2 (ja) 深絞り成形品
JP6269108B2 (ja) 易引裂性多層フィルム
JP2016117160A (ja) シーラントフィルム
JP6891562B2 (ja) 耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋
JP6610108B2 (ja) 直線易引裂性多層フィルム及び包装材
JP2018167880A (ja) 易引裂性気泡緩衝材
JP6728766B2 (ja) 易引裂性ポリオレフィン系樹脂積層発泡シート
JP6855725B2 (ja) 直線易カット性フィルムの製造方法及び直線易カット性フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150512

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190204

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190212

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20190315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6600127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250