JP2005059890A - 梱包用緩衝材 - Google Patents

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JP2005059890A JP2003292176A JP2003292176A JP2005059890A JP 2005059890 A JP2005059890 A JP 2005059890A JP 2003292176 A JP2003292176 A JP 2003292176A JP 2003292176 A JP2003292176 A JP 2003292176A JP 2005059890 A JP2005059890 A JP 2005059890A
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Abstract

【課題】滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を排除しても、滑性、抗ブロッキング性等の性能を有し、耐圧縮破壊強度、耐ピンホール性を保持しつつ被梱包物にセル跡が転写しない梱包用緩衝材を提供する。
【解決手段】複数の凸起16が形成されたセル層14にフィルム層12を貼り合わせた梱包用緩衝材10であり、フィルム層12および/またはセル層14が、(A)密度0.91g/cm3 〜0.94g/cm3 未満、メルトフローレート(MFR)0.1〜10g/10分のエチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%、(B)密度0.94〜0.97g/cm3 、MFR0.1〜10g/10分の高密度ポリエチレン0〜30質量%、(C)MFR0.1〜10g/10分の高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%を含有し、密度0.93〜0.96g/cm3 、MFR1〜10g/10分の樹脂組成物からなり、酸素誘導期間が3分以上。
【選択図】図2

Description

本発明は、種々の物品の包装材として用いられ、物品への衝撃を緩和したり、また、断熱材として利用される梱包用緩衝材(いわゆる気室シート)に関するものである。
種々の物品に加えられる外力を低減し、また、断熱材として利用される包装材として梱包用緩衝材(いわゆる気室シート)が広く使用されている。
梱包用緩衝材としては、一般的には、フラットな樹脂フィルムと、セル(気室)となる凸起の形成された樹脂フィルムとを積層してなり、複数の密封されたセルを有する2層構造のものや、セルとなる凸起の形成された樹脂フィルムを中間層として、この両面にフラットな樹脂フィルムを積層してなる3層構造のものがあり、各種の熱可塑性樹脂、特に、ポリオレフィン製のものが知られている。従来では、このポリオレフィンとして、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはこれらの混合物等が一般に使用されている。
そして、タンス、食器、自動車の輸出用パーツ等の梱包用緩衝材としては、従来は、密度が0.920g/cm3 前後のLDPEからなるポリエチレンが使用されていた。しかしながら、LDPEで作った梱包用緩衝材は、突刺強度が低く破れやすいという問題を有していた。
また、昨今では、LDPE、LLDPEおよびHDPEの混合物(ポリエチレン組成物)で作った気室シートが諸特性に優れていることから多用されている。しかしながら、このようなポリエチレン組成物には、成形加工性、離型性、得られる梱包用緩衝材の積層時におけるブロッキング防止、および埃付着防止等の諸特性を確保するために、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤が、2〜3層構造の全層に添加されていた。このため、成形時はもちろんのこと、自動車の輸出用パーツでは船舶輸送時に船倉が高温多湿となることにより、これら添加剤がフィルム表面にブリードアウトして、被梱包物にセル跡が転写してしまい、商品価値を落としてしまうという問題があった。
また、特開平11−170410号公報(特許文献1)には、(A)密度が0.935g/cm3 以下、メルトフローレート(MFR)が0.1〜5g/10分、Z平均分子量が40万〜90万の成分を3〜15質量%有する高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンを95〜60質量%と、(B)密度が0.94〜0.97g/cm3 、MFRが0.01〜50g/10分の高密度ポリエチレンを5〜40質量%とを含有し、密度が0.92〜0.94g/cm3 、MFRが0.5〜20g/10分、メルトテンションが4〜12gである樹脂組成物と、少なくともリン系酸化防止剤を前記樹脂組成物100質量部に対して0.01〜0.5質量部とを含んでいることを特徴とする気室シート用樹脂材料が記載されている。
しかしながら、この気室シート用樹脂材料を用いた気室シートでも、通常、スリップ剤、アンチブロッキング剤、および帯電防止剤が必要であり、この公開公報には、セル跡の転写を防止するという技術思想は開示されていない。
また、特開平9−123320号公報(特許文献2)には、所定の密度、MFR、荷重の異なるときのMFRの比、および分子量分布を有するプラスチックのフィルムからなる気泡性緩衝シートが記載されている。このプラスチックは、シングルサイト触媒を用いて製造されたポリエチレンである(段落番号0009)。この公開公報の実施例では、密度0.918g/cm3 のシングルサイト触媒を用いて製造されたポリエチレンが使用されている。この実施例には添加剤の記載はないが、前記密度からして、明らかにアンチブロッキング剤や帯電防止剤が添加されているはずである。そして、この公開公報にも、セル跡の転写を防止するという技術思想は開示されていない。
特開平11−170410号公報 特開平9−123320号公報
よって、本発明の目的は、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を排除しても、滑性、抗ブロッキング性等の性能を有し、耐圧縮破壊強度、耐ピンホール性を保持しつつ被梱包物にセル跡が転写しない梱包用緩衝材を提供することにある。
すなわち、本発明の梱包用緩衝材は、複数の凸起が形成されたセル層にフィルム層を貼り合わせてなる、複数の密封されたセルを有する梱包用緩衝材であり、前記フィルム層および/またはセル層が、(A)密度が0.91g/cm3 以上0.94g/cm3 未満であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、(B)密度が0.94〜0.97g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高密度ポリエチレン0〜30質量%と、(C)メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有し((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)、密度が0.93〜0.96g/cm3 であり、メルトフローレートが1〜10g/10分である樹脂組成物からなり、酸素誘導期間が3分以上であることを特徴とするものである。
ここで、前記樹脂組成物は、(A)エチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、(B)高密度ポリエチレン5〜30質量%と、(C)高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有する((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)ものであることが望ましい。
また、前記樹脂組成物は、700ppm以下の酸化防止剤を含有していてもよい。
また、前記酸化防止剤は、天然系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤であることが望ましく。
また、前記酸化防止剤は、ビタミンEおよびリン系酸化防止剤であり、ビタミンEは樹脂組成物中100ppm以下であり、リン系酸化防止剤は樹脂組成物中600ppm以下であることが望ましい。
また、前記酸化防止剤は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトを含有するものであることが望ましい。
また、本発明の梱包用緩衝材は、複数の凸起が形成されたセル層の両面にフィルム層を貼り合わせてなる、複数の密封されたセルを有する梱包用緩衝材であり、フィルム層の少なくとも一方が、(A)密度が0.91g/cm3 以上0.94g/cm3 未満であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、(B)密度が0.94〜0.97g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高密度ポリエチレン0〜30質量%と、(C)メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有し((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)、密度が0.93〜0.96g/cm3 であり、メルトフローレートが1〜10g/10分である樹脂組成物からなり、酸素誘導期間が3分以上であることを特徴とするものである。
本発明の梱包用緩衝材は、特定の樹脂組成物からなり、必要に応じて少量の特定の酸化防止剤とを含有することにより、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を排除しても、滑性、抗ブロッキング性等の性能を有し、耐圧縮破壊強度、耐ピンホール性を保持しつつ被梱包物にセル跡が転写しない。
〔(A)エチレン−α−オレフィン共重合体〕
本発明における(A)エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.91g/cm3 以上0.94g/cm3 未満、好ましくは0.920〜0.935g/cm3 、より好ましくは0.920〜0.930g/cm3 の範囲である。(A)エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.91g/cm3 未満では、低分子量成分が多くなるため、被梱包物(物品)へのセル跡の転写が起きる虞がある。
本発明における密度は、JIS K6962−2に準拠して測定されるものである。
(A)エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(以下、MFRとも記す)は、0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜8g/10分、より好ましくは1.0〜6g/10分である。(A)エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRが0.1g/10分未満では、成形加工性が劣るものとなる虞がある。(A)エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRが10g/10分を超えると、本発明における樹脂組成物の耐衝撃性、引張強度、引裂強度、圧縮破壊強度、突刺強度等の機械的強度が劣るものとなる虞がある。
本発明におけるMFRは、JIS K6962−2に準拠して測定されるものである。
(A)エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上のα−オレフィンとの共重合体から選ばれる。この炭素数3〜20のα−オレフィンは、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンの共重合体内で重合された形態での含有量は、合計で通常30モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
〔(B)高密度ポリエチレン〕
本発明における(B)高密度ポリエチレンの密度は、0.94〜0.97g/cm3 、好ましくは0.94〜0.96g/cm3 、より好ましくは、0.94〜0.95g/cm3 の範囲である。
(B)高密度ポリエチレンは、必須ではないが、(B)高密度ポリエチレンを配合することにより、容易に本発明の梱包用緩衝材に十分な剛性(腰の強さ)を与えることが可能となる。したがって、(B)高密度ポリエチレンの密度が0.94g/cm3 未満では、梱包用緩衝材により十分な剛性(腰の強さ)を与えることができず、(B)高密度ポリエチレンの密度が0.97g/cm3 を超えると、梱包用緩衝材の柔軟性がなくなる虞が生じる。
(B)高密度ポリエチレンのMFRは、0.1〜10g/10分、好ましくは1.0〜8g/10分、より好ましくは1.5〜6g/10分である。(B)高密度ポリエチレンのMFRが0.1g/10分未満では、本発明における組成物の成形加工性が劣るものとなる。MFRが10g/10分を超えると、本発明における樹脂組成物の耐衝撃性、引張強度、引裂強度、圧縮破壊強度、突刺強度等の機械的強度が劣るものとなる虞がある。
〔(C)高圧ラジカル法エチレン重合体〕
本発明における(C)高圧ラジカル法エチレン重合体は、高圧ラジカル法によって得られるエチレン重合体である。(C)高圧ラジカル法エチレン重合体のMFRは、0.1〜10g/10分である。(C)高圧ラジカル法エチレン重合体のMFRが0.1g/10分未満では、成形加工性が低下する可能性が生じ、10g/10分を超えると、耐衝撃性、引張強度、引裂強度、圧縮破壊強度、突刺強度等が低下する虞が生じる。
(C)高圧ラジカル法エチレン重合体としては、(C1)低密度ポリエチレン、(C2)エチレン−ビニルエステル共重合体、(C3)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体などが挙げられる。
[(C1)低密度ポリエチレン]
(C1)低密度ポリエチレンの密度は、0.91〜0.94g/cm3 の範囲であり、好ましくは0.915〜0.935g/cm3 、より好ましくは0.920〜0.930g/cm3 の範囲である。
(C1)低密度ポリエチレンのMFRは、0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜8g/10分、より好ましくは1.0〜6g/10分である。この範囲であれば、成形加工性、機械的強度等のバランスよい梱包用緩衝材を提供することが可能となる。
(C1)低密度ポリエチレンを配合することにより成形加工性が向上する。(C1)低密度ポリエチレンのメルトテンションは、好ましくは1.5〜25g、より好ましくは3〜20g、さらに好ましくは3〜15gである。また、(C1)低密度ポリエチレンの分子量分布Mw/Mnは、好ましくは3.0〜12、より好ましくは4.0〜8.0である。
[(C2)エチレン−ビニルエステル共重合体]
(C2)エチレン−ビニルエステル共重合体とは、高圧ラジカル重合法で製造される、エチレンを主成分とするものであり、エチレンと、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステル単量体との共重合体である。中でも、特に好ましいものとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を挙げることができる。また、エチレン50〜99.5質量%、ビニルエステル0.5〜50質量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜49.5質量%からなる共重合体が好ましい。特に、ビニルエステルの含有量は、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%の範囲である。
[(C3)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体]
(C3)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも特に好ましいものとして、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。また、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%の範囲である。
〔樹脂組成物〕
本発明における樹脂組成物は、(A)エチレン−α−オレフィン共重合体(以下、(A)成分とも記す)、(B)高密度ポリエチレン(以下、(B)成分とも記す)および(C)高圧ラジカル法エチレン重合体(以下、(C)成分とも記す)を含有するものであり、好ましくは、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤を含まず、本質的に(A)成分、(B)成分および(C)成分からなるものが望ましい。
このような樹脂組成物は、LLDPE、HDPEおよび高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)の混合物となり、LDPEは易成形性、HDPEはシートの腰の強さを発現し、LLDPEはHDPEとLDPEの相溶に寄与する。
樹脂組成物における各成分の割合は、(A)成分35〜65質量%、(B)成分0〜30質量%、(C)成分35〜65質量%である((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)。
(A)成分が35質量%未満では((C)成分が65質量%を超えると)、耐衝撃性、引張強度、引裂強度、圧縮破壊強度、突刺強度等の機械的強度が劣るものとなる虞が生じる。一方、(A)成分が65質量%を超えると((C)成分が35質量%未満では)、ネックインの増大、成形加工性の低下およびセル跡の転写が生じる等の不具合を生じる虞がある。
樹脂組成物における各成分の割合は、好ましくは(A)成分35〜65質量%、(B)成分5〜30質量%、(C)成分35〜65質量%であり、より好ましくは(A)成分40〜60質量%、(B)成分5〜25質量%、(C)成分40〜60質量%であり、さらに好ましくは(A)成分40〜60質量%、(B)成分5〜20質量%、(C)成分40〜60質量%の範囲である((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)。
樹脂組成物の密度は、0.93g/cm3 以上0.96g/cm3 以下であり、好ましくは0.935g/cm3 以上であり、より好ましくは0.94〜0.955g/cm3 であり、さらに好ましくは0.94〜0.95g/cm3 である。この範囲に制御することにより、従来必要としていたスリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤が不要となり、これらを添加することなく滑性、ブロッキング性、帯電性等の問題を解消することができるものとなる。
樹脂組成物の密度が0.93g/cm3 未満では、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤の添加が必要となり、かつ低分子量成分が増加し、セル跡の転写の虞が生じる。また、樹脂組成物の密度が0.96g/cm3 を超えると、梱包用緩衝材が柔軟性を欠くものとなり、耐衝撃性等の劣るものとなる虞が生じる。
また、樹脂組成物のMFRは、1〜10g/10分であり、好ましくは2〜8g/10分であり、より好ましくは2〜6g/10分の範囲である。
樹脂組成物のMFRが1g/10分未満では、成形時の樹脂吐出量が低下し、成形加工性が低下するものとなる。また、樹脂組成物のMFRが10g/10分を超えると、成形時のドローダウンが悪化する虞が生じる。
また、樹脂組成物の酸素誘導期間は3分以上が必要であり、好ましくは3〜12分、より好ましくは4〜11分であることが望ましい。酸素誘導期間が3分未満では、樹脂の劣化が生じる。また、酸素誘導期間が12分を超えるものは、酸化防止剤を多量に添加する必要があり、転写が生じる虞がある。
本発明における樹脂組成物の調製方法としては、各成分を種々の公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法が挙げられる。
〔酸化防止剤〕
本発明における樹脂組成物においては、一般的に使用されているスリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の添加剤を配合しないものの、成形温度が高温である等、厳しい成形条件で成形せざるを得ない場合には、樹脂組成物に700ppm以下までの酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤が、樹脂組成物中700ppmを超える場合には、製品、部品等の被梱包物にセル跡が転写するものとなる虞が生じる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、天然系酸化防止剤等が挙げられる。
特に本発明ではリン系酸化防止剤600ppmと天然系酸化防止剤100ppmを併用することにより、酸化防止効果と経済性の両面から効果を発揮するものとなる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、トコフェロール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−オキサミドビス[エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート](別名はテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)、ビス[3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブタン酸]グリコールエステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[3−(1,1−(ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メチル]−4−メチルフェニル]エステル、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2−[1−(2−ハイドロオキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)ジフォスフォスピロウンデカン、ビス(ステアリル)ジフォスフォスピロウンデカン、環状ネトペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、ビス(ノニルフェニルフェノキシ)ジフォスフォスピロウンデカン、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキシド、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−フェニル]エチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジフォスフォスピロウンデカン、トリラウリルトリチオホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキル(C12〜C15)ホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)−ジ−トリデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリス−(モノ&ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ラウリルチオ)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチル−4−n−オクタデシルオキシカルボニルエチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジーフォスフォナイト、テトラキス[2,6−ジ−t−ブチル−4−(2,4’−ジ−t−ブチルフェニルオキシカルボニル)−フェニル]−4,4’−ビフェニレン−ジーフォスフォナイト)、トリセチルトリチオホスファイト、ジ−t−ブチルフェニル−m−クレジルフォスフォナイトとビフェニルとの縮合物、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、サイクリックブチルエチルプロパンジオール−2,4,6−トリ−ブチルフェニルホスファイト、トリス−[2−(2,4,8,10−テトラブチル−5,7−ジオキサ−6−ホスホ−ジベンゾ−{a,c}シクロヘプテン−6−イルーオキシ)エチル]アミン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、3,9− ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノキシ}−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
これらリン系酸化防止剤の中でも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトが、少量での配合で酸化防止効果がよく、表面へのブリードアウトも少ないという点で好適である。
天然系酸化防止剤とは、元来、天然物に存在する化合物から抽出したもの、またはこれら天然物に相当する合成物を包含するものである。天然系酸化防止剤としては、例えば、α−、β−、γ−、δ−トコフェロールおよびそれらの二量体等のトコフェンロール類(ビタミンE類);B1、B2、B6類等のビタミンB群およびそれらの誘導体;K1〜K7等のビタミンK群およびそれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、特にビタミンE、K等のビタミン類が酸化劣化を抑え、熱安定性が高いなどの点から好ましく、特にビタミンEが好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、セルの転写跡の防止効果、酸化防止効果、および経済的効果とを考慮すると、天然系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組み合わせが好ましい。特に、ビタミンEとリン系酸化防止剤との組み合わせが好ましい。
ここで、ビタミンEは樹脂組成物中100ppm以下であり、リン系酸化防止剤は樹脂組成物中600ppm以下であることが好ましい。
上記配合量はにおいて、転写防止効果を考慮した場合には酸化防止剤はない方が良い。一方、熱安定性と転写を考慮した場合は、リン系酸化防止剤は最大600ppmしか添加できない。それ以上添加した場合には転写の可能性が大きくなる。そこで、さらに熱安定性を向上させるために、少量で添加効果の高いビタミンEを100ppmまで添加することにより転写効果と熱安定性の両者を満足させることが可能となったものである。
したがって、高価なビタミンEのみであっても、転写は発生し、転写効果と熱安定性および経済性を考慮して本発明の配合割合を決定したものである。
〔梱包用緩衝材〕
本発明の梱包用緩衝材は、その形状等については、限られるものではなく、例えば、図1に示されるようなものである。この梱包用緩衝材10は、円形の袋状凸起であって内部に空気が密封されたセル(気室)16,16,・・・が表面に複数形成されたものである。気室の形状は、円柱状の他、三角柱や四角柱等の多角柱形、円錐、三角錐や四角錐等の多角錐形、円錐台、多角錐台形など、また、これらの組み合わせでもよい。
通常、セル(気室)の高さは1〜20mm、底面積は0.5〜15cm2 、各気室の間隔は0.5〜100mmである。
この梱包用緩衝材10は、図2に示すように、平坦なベースフィルム12(フィルム層)と、複数の凸起が形成されたエンボスフィルム14(セル層)とを貼り合わせてなるものである。この梱包用緩衝材10の製造方法は特に限られるものではなく、従来周知の方法にて製造することができる。例えば、特公昭37−13782号公報、特公昭38−330号公報、特開平9−123320号公報等に記載されている方法を適用することができる。
図3は、本発明の梱包用緩衝材の他の例を示すものであり、この梱包用緩衝材20は、複数の凸起が形成されたエンボスフィルム22(セル層)を中間層として、その両面に平坦なフィルム24、26(フィルム層)を貼り合わせた、3層構造のものである。
このように梱包用緩衝材は2層もしくは3層以上の積層フィルムで構成されるものである。各層を同一材料で構成しても、また、異なる材料からなる層を組み合わせてもよい。異なる材料からなる層を組み合わせる場合、ラミネート強度が高くなる組み合わせにする必要がある。
本発明の梱包用緩衝材である気室シートは、内外層の少なくとも1層、もしくは全ての層が上述した樹脂組成物からなる層である。本発明における樹脂組成物を一部の層に用いる場合には、被梱包物と接触する層に本発明における樹脂組成物を用いる。被梱包物と接触しない層中には、アンチブロッキング剤などが少量添加されてもよい。
通常、各層の厚さは10〜100μm、より好ましくは20〜50μmである。
本発明における樹脂組成物を用いて製造された梱包用緩衝材(気室シート)は、セル(気室)の圧縮破壊強度が300kg/個以上、ハンドルオメータによる腰強度が10〜50g、酸素誘導時間が3分以上、好ましくは4〜12分とすることのできる、優れたものである。
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔使用樹脂等〕
[(A)エチレン−α−オレフィン共重合体(LLDPEと称す。)]
(1)密度0.922g/cm3 、MFR2.0g/10分
(日本ポリオレフィン(株)製、製品名 AC440R 無添加剤品)。
(2)密度0.930g/cm3 、MFR2.3g/10分
(日本ポリオレフィン(株)製、製品名 AC460A 無添加剤品)。
(3)密度0.935g/cm3 、MFR2.0g/10分
(日本ポリオレフィン(株)製、製品名 AC481R 無添加剤品)。
[(B)高密度ポリエチレン(HDPEと称す。)]
密度0.953g/cm3 、MFR5.0g/10分
(日本ポリオレフィン(株)製、製品名 KM568A 無添加剤品)。
[(C)高圧ラジカル法エチレン重合体(LDPE)と称す。]
密度0.930g/cm3 、MFR3.0g/10分
(日本ポリオレフィン(株)製、製品名 JF454S 無添加剤品)。
〔添加剤〕
[酸化防止剤]
(1)銘柄:イルガノックスB910(フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1076)およびリン系酸化防止剤(イルガフォス168)の1:1のブレンド、チバガイギー スペシャル(株)製)。
(2)リン系酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、銘柄:イルガフォス168、チバガイギー スペシャル(株)製)。
(3)ビタミンE(銘柄:理研オイル100、理研ビタミン(株)製)。
[滑剤]
オレイン酸アミド(銘柄:ニュートロン、日本精化(株)製)。
〔試験法〕
(1)転写試験;厚さ5mmのガラス板の上にセル層が接触するように梱包用緩衝材を敷き、その上に10cm×10cmのステンレス鋼鈑を置いて5kgの加重を架け、60℃×85%RHの環境で240時間後、ガラス面へのセル跡の転写状況を目視観察し、5段階評価を行った。
(転写レベル)
レベルa:転写なし。
レベルb:光線を通して僅かに痕跡が見られる。
レベルc:光線を通せばセルの形状跡が確認できる。
レベルd:机上でもセルの形状跡が確認できる。
レベルe:机上でも明確にセルの形状跡が確認できる。
(2)衝撃穴あけ強さ:JIS P8134に準拠。ただし、貫通部の形状は直径1/2半球とした。
(3)動摩擦係数(ブロッキング性):JIS K7125準拠。摩擦対象物としてブロックポリプロピレンの射出成形板にアクリルメラミン系塗料を塗装した物を用いた(塗膜=30〜50μm 焼付け条件:90℃×20分)。
(4)酸素誘導期間(OIT):
酸素誘導期間測定装置(SSC5020デイスクステーションと熱分析モジュールDSC200を接続した装置:セイコー電子工業株式会社製)を用いて試料5mgをアルミニウムパンに入れ、100cc/min.の流速で窒素ガスを流しながら、50℃/min.で30℃から210℃に昇温した。ついで、210℃で5分間放置後、窒素ガスを酸素ガスに切り替えて100cc/min.で流し、熱量増加開始時間をもって、OITとした。
[比較例1〜6、実施例1]
(A)エチレン−α−オレフィン共重合体(LLDPE(1)、(2)、(3))、(B)高密度ポリエチレン(HDPE)および(C)高圧ラジカル法エチレン重合体(LDPE)を、表1に示す割合比で混合した。この樹脂混合物100質量部に対して表1に示す配合量で各種添加剤を添加し、樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物について、密度およびMFRを測定し、結果を表1に示した。
樹脂組成物を用い、以下のようにして梱包用緩衝材(気室シート)を製造した。
1台の押出機を用い、双頭ダイから樹脂組成物からなる2枚の溶融薄膜状のフィルムを押し出し、これらを対向して配備されたエンボスロールと圧着ロールの間に導入した。エンボスロールはロール表面に多数の凹部が形成され、その各凹部が真空ポンプと接続されているものである。エンボスロールと圧着ロールの間に導入された2つのフィルムのうち、エンボスロール側に位置するフィルムは、エンボスロールと接触すると凹部に吸引されて多数の凸起が形成されると共に、その凸起内に空気を挟み込むようにして圧着ロール側のフィルムと貼り合わされた。その後、冷却ロールにて冷却し、底面積が0.8cm2 、高さ10mmの円柱状のセル(気室)が複数個形成された2層構成の梱包用緩衝材(気室シート)を製造した。
得られた梱包用緩衝材について、評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2005059890
比較例1〜3は、従来レベルの添加剤処方をした樹脂組成物からなるものであり、酸素誘導時間、衝撃穴あけ強さ、動摩擦係数等が満足するものになっているものの、滑剤であるオレイン酸アミドを使用しているので転写レベルは悪いものとなっている。また、樹脂組成物の密度が高いほど、転写レベルが改良されるが、衝撃穴あけ強さが低下する傾向を示している。また、比較例4、5および実施例1は滑剤のオレイン酸アミドを除いて評価した結果を示したものであり、比較例4に示されるように添加剤を配合しない場合には転写レベルは良好なものとなるものの、酸素誘導期間が短く、劣化しやすい短所を有するものとなる。また、酸化防止剤の添加量を増加させた場合に、比較例6のように本発明の範囲を超えると転写レベルが悪くなることが判る。
[実施例2〜4、比較例7]
LLDPE(2)、HDPEおよびLDPEを表2に示す割合で混合した。この樹脂混合物100質量部に対して表2に示す配合量でリン系酸化防止剤およびビタミンEを添加し、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物について、密度およびMFRを測定し、結果を表2に示した。
また、樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして梱包用緩衝材(気室シート)を製造した。得られた梱包用緩衝材について、評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2005059890
実施例2〜4に示されるように、ビタミンEを併用することにより、酸素誘導期間、転写レベル、衝撃穴あけ強さおよび耐ブロッキング性等、バランスのとれた梱包用緩衝材の製造が可能となることが判る。しかしながら、酸化防止剤の添加量が本発明の範囲を超える比較例7においては転写レベルが悪くなったものとなる。
本発明の梱包用緩衝材は、抗ブロッキング性、耐圧縮破壊強度等を維持し、かつ被梱包物である製品、部品へセル跡が転写しないものであるので、被梱包物の商品価値の高めるものである。本発明の梱包用緩衝材は、いわゆる気室シートの梱包材としての用途を飛躍的に拡大することが可能なものである。
本発明の梱包用緩衝材の一例を示す斜視図である。 図1の梱包用緩衝材の一部を剥離した斜視図である。 本発明の梱包用緩衝材の他の例を示す図であり、一部を剥離した斜視図である。
符号の説明
10 梱包用緩衝材
12 ベースフィルム(フィルム層)
14 エンボスフィルム(セル層)
16 セル
20 梱包用緩衝材
22 エンボスフィルム(セル層)
24 フィルム(フィルム層)
26 フィルム(フィルム層)

Claims (7)

  1. 複数の凸起が形成されたセル層にフィルム層を貼り合わせてなる、複数の密封されたセルを有する梱包用緩衝材において、
    前記フィルム層および/またはセル層が、
    (A)密度が0.91g/cm3 以上0.94g/cm3 未満であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、
    (B)密度が0.94〜0.97g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高密度ポリエチレン0〜30質量%と、
    (C)メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有し((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)、
    密度が0.93〜0.96g/cm3 であり、メルトフローレートが1〜10g/10分である樹脂組成物からなり、酸素誘導期間が3分以上であることを特徴とする梱包用緩衝材。
  2. 前記樹脂組成物が、(A)エチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、(B)高密度ポリエチレン5〜30質量%と、(C)高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有する((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)ことを特徴とする請求項1に記載の梱包用緩衝材。
  3. 前記樹脂組成物が、700ppm以下の酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の梱包用緩衝材。
  4. 前記酸化防止剤が、天然系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載の梱包用緩衝材。
  5. 前記酸化防止剤が、ビタミンEおよびリン系酸化防止剤であり、
    ビタミンEが樹脂組成物中100ppm以下であり、リン系酸化防止剤が樹脂組成物中600ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の梱包用緩衝材。
  6. 前記酸化防止剤が、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトを含有するものであることを特徴とする請求項2ないし5いずれか一項に記載の梱包用緩衝材。
  7. 複数の凸起が形成されたセル層の両面にフィルム層を貼り合わせてなる、複数の密封されたセルを有する梱包用緩衝材において、
    少なくとも一方のフィルム層が、
    (A)密度が0.91g/cm3 以上0.94g/cm3 未満であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分であるエチレン−α−オレフィン共重合体35〜65質量%と、
    (B)密度が0.94〜0.97g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高密度ポリエチレン0〜30質量%と、
    (C)メルトフローレートが0.1〜10g/10分である高圧ラジカル法エチレン重合体35〜65質量%とを含有し((A)成分、(B)成分および(C)成分の合計は100質量%)、
    密度が0.93〜0.96g/cm3 であり、メルトフローレートが1〜10g/10分である樹脂組成物からなり、酸素誘導期間が3分以上であることを特徴とする梱包用緩衝材。
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