JP4079657B2 - ポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法及びポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器の製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法及びポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インキによる印刷層を有するポリオレフィン系熱収縮性ラベルであっても、容器に装着させる際の熱収縮時や熱収縮後などで、ラベルの上下端部のうち、収縮率が小さい方の端部からの裂けが防止されているポリオレフィン系熱収縮性ラベルおよびポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、容器に装着されるラベルとして、例えば、特開2001−162725等で、中心層と、該中心層の両側の表面層との3層を有するベースフィルムが用いられているポリオレフィン系熱収縮性ラベルが提案されている。このようなポリオレフィン系熱収縮性ラベルは、熱収縮により、例えば、容器の首部又は肩部から胴部又は底部にかけて、容器に密着させて装着して用いることができる。具体的には、従来のポリオレフィン系熱収縮性ラベルは、図5で示されるような状態で装着して用いることができる。図5では、従来のポリオレフィン系熱収縮性ラベル8は、筒状にされて、容器9の肩部9bから胴部9cにかけた部位に装着されている。該容器9では、胴部9cにおける周囲の長さの方が肩部9bにおける周囲の長さよりも長いので、ポリオレフィン系熱収縮性ラベル8の下端部8bにおける収縮率の方が上端部8aにおける収縮率よりも小さい。このように、ポリオレフィン系熱収縮性ラベルが容器に装着された際に、容器の形状や熱収縮性ラベルを装着する部位などにより、上端部における収縮率と下端部における収縮率とが異なる場合がある。このような場合、収縮率が小さい方の端部は、大きい方の収縮率まで少なくとも収縮することが可能であるので、大きな残収縮性を有しているといえる。
【0003】
また、ポリオレフィン系熱収縮性ラベルには、通常、ベースフィルムの少なくとも一方の面に印刷層が設けられている。該印刷層を形成するインキとしては、溶剤系インキ(非水性インキ)や、水性インキが挙げられるが、近年、環境への影響や労働安全性の問題の他、残留溶剤による臭いの問題などから、主に水を溶媒とした水性インキの使用が増加している。しかしながら、ポリオレフィン系熱収縮性ラベルに水性インキによる印刷層が形成されていると、熱収縮時或いは熱収縮後などで、ラベルの上下端部のうち容器に装着させる際の収縮率が小さい方の端部(「低収縮率側端部」と称する場合がある)から裂けが生じる場合がある。これは、水性インキの場合、溶剤系インキのように溶剤がベースフィルム内に浸透しないことから裂け易くなり、容器に装着させる際の熱収縮時や熱収縮後に、低収縮率側端部に、残収縮率が大きいためにさらに収縮しようとする力や、収縮率が大きい方の端部に引っ張られる力などの力がかかるためであると思われる。
【0004】
なお、オレフィン系熱収縮性ラベルは、ポリオレフィン系樹脂により形成されているため、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とは比重が異なっており、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)に対して用いると、PETボトルのリサイクル時に熱収縮性ラベルのプラスチック成分であるポリオレフィン系樹脂を、ボトルのポリエチレンテレフタレートから容易に分離することができるという利点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、水性インキによる印刷層を有するポリオレフィン系熱収縮性ラベルであっても、容器に装着させる際の熱収縮時や熱収縮後で、ラベルの上下端部のうち収縮率が小さい方の端部からの裂けを抑制又は防止することができるポリオレフィン系熱収縮性ラベルおよびポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構成を有しているポリオレフィン系熱収縮性ラベルにおいて、筒状にして容器の小径部分である肩部から大径部分である胴部にかけて容器に装着した際に上下端部となる端部のうち、少なくとも容器に装着させる際の収縮率が小さい方の端部(大径部分側の端部)における平均最大端面粗さを小さくして、該端面を平滑にすると、容器に装着させる際の熱収縮時や熱収縮後で、ラベルの上下端部のうち容器に装着させる際の収縮率が小さい方の端部から裂けが生じることを防止できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、プロピレン系ランダム共重合体からなる中心層と、非晶性環状オレフィン系重合体からなる表面層とで構成されたベースフィルムおよび該ベースフィルムの少なくとも一方の面に設けられた水性インキを含む印刷層を有するポリオレフィン系熱収縮性ラベルを、筒状の状態で小径部分と大径部分を有する容器の小径部分から大径部分にかけた部位に装着した際に、小径部分側端部および大径部分側端部となる端部のうち、少なくとも容器に装着する際の収縮率が小さい方の大径部分側端部における平均最大端面粗さが0〜50μmとなるように、40〜60℃にラベル及び/又は刃を加温して、容器に装着する各ラベルに切断するか、又はレーザーを用いて、容器に装着する各ラベルに切断することを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法を提供する。
【0008】
前記中心層のプロピレン系ランダム共重合体は、メタロセン触媒を用いて共重合して得られたプロピレン系ランダム共重合体であってもよく、また、前記表面層の非晶性環状オレフィン系重合体は、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物であってもよい。
【0009】
また、本発明は、前記ポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法により得られたポリオレフィン系熱収縮性ラベルを、小径部分と大径部分を有する容器の小径部分から大径部分にかけた部位に装着することを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器の製造方法を提供する。
【0010】
なお、本発明において、ポリオレフィン系熱収縮性ラベルの端部(下端部又は上端部)における「平均最大端面粗さ」とは、ポリオレフィン系熱収縮性ラベルにおける端部(上端部又は下端部)について、周方向に0.5mm幅で任意に10箇所を選び、それぞれの箇所の端面を倍率:1000倍の条件で顕微鏡などを利用して観察し、該端面の上下端部方向での最も凸部となっている部位と最も凹部となっている部位との凹凸幅(最大の凹凸幅)を測定し、さらに測定した10箇所の部位で平均した値を意味している。また、ベースフィルムの幅方向に対向する端部における「平均最大端面粗さ」とは、前記ポリオレフィン系熱収縮性ラベルの端部における「平均最大端面粗さ」と同様に、端面の対向する端部方向での最大の凹凸幅を測定し、さらに測定した10箇所の部位で平均された値を意味している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明における筒状のポリオレフィン系熱収縮性ラベルの一例を部分的に示す概略断面図である。図2は、図1に係るラベルの筒状の状態を示す概略図である。図3は、図1又は2に係る筒状ラベルを容器に装着した状態の一例を示す概略正面図である。図4は、図2に係る筒状ラベルの下端部における端面の任意の一部分を拡大した概略図である。図1〜4おいて、1は筒状の熱収縮性ラベル、1aはベースフィルム、2は表面層、2aは外側表面層(外面層)、2bは内側表面層(内面層)、3は中心層、4は水性インキを含む印刷層、5aは熱収縮性ラベル1の上端部、5bは熱収縮性ラベル1の下端部、6は重ね合わせ部、7は容器、71は蓋部材、7aは容器7の首部、7bは容器7の肩部、7cは容器7の胴部、7dは容器7の底部、X−Y間は任意に選ばれた周方向に0.5mmの幅、Aは凸部、Bは凹部、Lは凸部Aと凹部Bとの凹凸幅である。
【0012】
筒状の熱収縮性ラベル(筒状ラベル)1は、図1に示されるように、中心層3と、該中心層3の両側に設けられた表面層2(外面層2a,内面層2b)とで構成されたベースフィルム1aを有し、かつ該ベースフィルム1aの少なくとも一方の面には水性インキを含む印刷層4が設けられている。このような筒状の熱収縮性ラベル1は、図2で示されているように、筒状にするための熱収縮性ラベルを主配向方向が周方向となるような形態で筒状にして、外面層2aと内面層2bとが端部(左右の端部)で部分的に重ね合わせられている重ね合わせ部6で接着させて形成されており、例えば、図3に示されるように、熱収縮により容器7に密着させて装着して用いることができる。なお、図3では、筒状ラベル1は、容器7の肩部7bから胴部7cにかけた部位に装着されている。該容器7では、胴部7cの方が肩部7bよりも、周囲の長さが長いので、大径部分としての胴部7c側の端部である下端部5bにおける収縮率(収縮した割合)の方が、小径部分としての肩部7b側の端部である上端部5aにおける収縮率(収縮した割合)よりも小さい。
【0013】
筒状ラベル1の上下端部の端面は、等倍で目視した場合には、平滑な断面として観察される場合であっても、ミクロ的には、例えば、1000倍に拡大した際には、図4で示されるような凹凸部を有する断面として観察される。図4で示されるように、任意に選ばれた周方向に0.5mmの幅の部位をX−Y間の部位とした場合、最も凸部となっている部位である凸部Aと、最も凹部となっている部位である凹部Bとの凹凸幅Lが最大の凹凸幅となる。この最大の凹凸幅Lは、最大端面粗さ(Rx)を意味しており、任意に選ばれた10カ所のX−Y間(周方向に0.5mmの幅の部位)での最大の凹凸幅Lの平均は、平均最大端面粗さ(AV・Rx)を意味している。
【0014】
なお、図4では、凸部Aと凹部Bとは隣接しているが、最も凸部となっている部位と最も凹部となっている部位とは隣接していなくてもよい。また、凸部や凹部はシャープな形状となっているが、丸まった形状となっていてもよい。
【0015】
本発明の筒状ラベル1では、筒状にして容器に装着された際に上下端部(5a,5b)となる端部のうち、少なくとも容器に装着させる際の収縮率が小さい方の端部(低収縮率側端部)における平均最大端面粗さ(AV・Rx)が、100μm以下(例えば、0〜100μm、好ましくは0〜50μm、さらに好ましくは0〜20μm)となっている。そのため、筒状ラベル1が水性インキによる印刷層4を有していても、収縮率が異なる上下端部(5a,5b)が形成されるような熱収縮時や熱収縮後などで、低収縮率側端部から生じる裂けが抑制又は防止されている。
【0016】
このような平均最大端面粗さ(AV・Rx)の端面を有する端部(上端部及び/又は下端部)は、例えば、
(A)熱収縮しない温度にラベル及び/又は刃を加温して切断する加温切断方法
(B)鋭利な歯を有する刃を用いて切断する鋭利歯切断方法
(C)レーザーを用いて切断するレーザー切断方法
などの切断方法を利用することにより、形成することができる。なお、前記切断方法(A)〜切断方法(C)は単独で利用してもよく、2種以上組み合わせて利用することができる場合は2種以上組み合わせて利用してもよい。
【0017】
前記切断方法(A)は、室温より高く且つ熱収縮性ラベルの熱収縮開始温度未満の温度に、熱収縮性ラベルや、該熱収縮性ラベルを切断するための刃を加温して、熱収縮性ラベルに柔軟性を付与することにより、熱収縮性ラベルの切断面における最大の凹凸幅の大きさを小さくする切断方法である。加温する温度としては、40〜60℃程度であることが好ましいが、特に制限されず、平均最大端面粗さ(AV・Rx)が100μm以下となるように、熱収縮性ラベルのベースフィルムにおける中心層や表面層の種類や、切断刃の種類などに応じて適宜選択することができる。
【0018】
前記切断方法(B)は、熱収縮性ラベルの切断刃における歯を鋭利にすることにより、熱収縮性ラベルの切断面における最大の凹凸幅の大きさを小さくする切断方法である。歯の鋭利さとしては、特に制限されず、平均最大端面粗さ(AV・Rx)が100μm以下となるような鋭利さであればよい。このような刃の形態としては、特に制限されず、回転刃、ギロチン刃、サイクルカッターなどのいずれの形態の刃であってもよい。また、鋭利な歯は研磨等により作製される。
【0019】
前記切断方法(C)は、レーザーを用いて切断することにより、熱収縮性ラベルの切断面における最大の凹凸幅の大きさを小さくする切断方法である。このようなレーザーとしては、例えば、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを使用することができるが、その波長等に関して特に制限されず、平均最大端面粗さ(AV・Rx)が100μm以下となるようなレーザーであればよい。
【0020】
なお、熱収縮性ラベル(又は筒状の熱収縮性ラベル)における上下端部とは、図2で示されるように、主配向方向に対して直角方向に対面(又は対向)している端部を意味しており、一方、主配向方向での端部は左右端部と称する。
【0021】
(中心層)
中心層3は、プロピレン系ランダム共重合体からなる層であり、該プロピレン系ランダム共重合体からなる一軸又は二軸配向フィルムで構成することができる。なお、プロピレン系ランダム共重合体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
前記プロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンと、該プロピレンに対して共重合性を有しているモノマー成分(以下、単に「共重合性モノマー成分」と称する場合がある)とを共重合することにより調製されている。共重合性モノマー成分としては、プロピレン以外のα−オレフィン(例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1などの炭素数2又は4〜20のα−オレフィンなど)が好適に用いられる。共重合性モノマー成分としてはエチレンが最適である。共重合性モノマー成分は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
【0023】
プロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンを構成モノマーとして含む共重合体であり、エチレン−プロピレンランダム共重合体を好適に用いることができる。このエチレン−プロピレンランダム共重合体において、エチレンとプロピレンの比率は、例えば、前者/後者(重量比)=2/98〜5/95(好ましくは3/97〜4.5/95.5)程度の範囲から選択することができる。すなわち、エチレン−プロピレンランダム共重合体におけるエチレン成分の割合は、例えば、モノマー成分全量に対して2〜5重量%(好ましくは3〜4.5重量%)程度の範囲から選択することができる。
【0024】
エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、その融点が115〜140℃の範囲のものが使用できる。エチレン−プロピレンランダム共重合体としては、130℃以下(例えば、120〜130℃、好ましくは120〜125℃)の融点を有するものが、低温収縮性を高めるために最適である。また、融点が120℃以上(例えば、120〜140℃、好ましくは125〜140℃)であると、耐熱性の優れたものが得られる。
【0025】
本発明では、プロピレン系ランダム共重合体は、低温収縮性やフィルムの腰の強度の観点から、アイソタクチックインデックスが90%以上のものが好適である。
【0026】
このようなプロピレン系ランダム共重合体としては、メタロセン触媒を用いて共重合して得られたプロピレン系ランダム共重合体が好ましい。中心層として、メタロセン触媒を用いて共重合して得られたプロピレン系ランダム共重合体(特に、エチレン−プロピレンランダム共重合体)からなる一軸又は二軸配向フィルムを用いることにより、低温収縮性をより一層向上させることができる。また、メタロセン触媒によるプロピレン系ランダム共重合体の方が、非メタロセン触媒によるプロピレン系ランダム共重合体よりも、同じ温度での最高収縮率の値は大きくなり、熱収縮の際の容器へのフィット性を高めることができる。さらにまた、分子量分布が狭く、低分子成分の割合が少ないので、耐衝撃性がさらに向上し、熱収縮性ラベルとして好適な実質的に横方向に一軸延伸されたフィルムであっても、フィルムの印刷工程や製袋工程、熱収縮性ラベルのラベラーによるラベル装着時において縦方向に加わる張力や衝撃による横方向の裂けを防止することができる。
【0027】
前記メタロセン触媒としては、慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。
【0028】
本発明では、中心層3のプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンと、該プロピレンに対する共重合性モノマー成分とを、必要に応じて各種触媒成分(好ましくはメタロセン触媒)を用いて共重合して、調製することができる。該共重合方法としては、特に制限されず、公知の重合方法を採用することができる。スラリー法、溶液重合法、気相法のいずれでも用いることができる。
【0029】
(表面層)
表面層2(2a,2b)は、非晶性環状オレフィン系重合体からなる層であり、該非晶性環状オレフィン系重合体からなる一軸又は二軸配向フィルムで構成することができる。表面層2には、外面層2aと内面層2bとがあるが、両層の樹脂は、同一であっても又は異なっていてもよいが、同一の樹脂又は同一の種類の樹脂であることが好ましい。なお、非晶性環状オレフィン系重合体は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0030】
非晶性環状オレフィン系重合体には、(A)エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体(以下、「環状オレフィン共重合体」と称することがある)、及び(B)環状オレフィンの開環重合体又はその水添物が含まれる。なお、前記重合体(A)及び(B)には、それぞれ、そのグラフト変性物も含まれる。
【0031】
前記重合体(A)及び(B)における環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5−イコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.113,20.115,18.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセンなどの多環式環状オレフィン等が挙げられる。これらの環状オレフィンは、環に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基などのエステル基、メチル基などのアルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0032】
前記環状オレフィン共重合体(A)は、例えば、前記α−オレフィンと環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒や前記メタロセン触媒などの触媒を用いて重合することにより得ることができる。このような環状オレフィン共重合体(A)は市販されており、例えば、商品名「アペル」(三井化学(株)製)、商品名「TOPAS」(Ticona社製)などが使用できる。
【0033】
前記環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)は、例えば、1種又は2種以上の前記環状オレフィンを、モリブデン化合物やタングステン化合物を触媒としたメタセシス重合(開環重合)に付し、通常、得られたポリマーをさらに水添することにより製造できる。このような重合体(B)は市販されており、例えば、商品名「アートン」(JSR(株)製)、商品名「ゼオネックス」、商品名「ゼオノア」(以上、日本ゼオン(株)製)などが使用できる。
【0034】
好ましい非晶性環状オレフィン系重合体は、前記環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)である。環状オレフィン共重合体(A)よりも環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)の方が、ゲルが生じにくく、成膜する際の混合や溶融押出し等の工程で劣化しにくい。これは、環状オレフィン共重合体(A)では、鎖状オレフィン(α−オレフィン)の残基部位と、環状オレフィンの残基部位とが、ランダムに配列された構成となっているが、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)では、前記環状オレフィン共重合体(A)における鎖状オレフィンに相当する部位と、環状オレフィンに相当する部位とが、規則的に配列された構成を有しているためであると思われる。
【0035】
しかも、非晶性環状オレフィン系重合体として、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(B)を用いると、前記ゲルが生じにくいため、ベースフィルムの耐衝撃性や印刷適性(フィッシュアイが少ない)を高めることができる。そのため、例えば、ベースフィルムの作製時に、延伸を行っても、裂けたり、穴があいたりすることを防止でき、また、印刷等の後の工程においても裂けの発生を防止できる。特に、熱収縮性ラベルとして好適な実質的に横方向に一軸延伸されたフィルムは横方向に裂けやすいが、ゲルが生じにくいため、ゲルを起点とした裂けが生じないので好ましい。
【0036】
このような非晶性環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限されないが、例えば、60〜150℃(好ましくは60〜120℃)程度であってもよい。非晶性環状オレフィン系重合体のTgが、60℃未満では耐熱性が低下し、150℃を超えるとラベルが脆くなりやすい。
【0037】
本発明では、非晶性環状オレフィン系重合体のTgとしては、60〜80℃(好ましくは60〜75℃)程度が望ましく、特に65〜75℃(特に70℃程度)が最適である。非晶性環状オレフィン系重合体のTgは、モノマー成分(例えば、環状オレフィンなど)の種類やその配合割合などにより調整することができる。Tgが60〜80℃の範囲であると、低温熱収縮性をより一層高めることができる。
【0038】
ベースフィルム1a又は表面層2は、さらに必要に応じて他のポリマーを少量含んでいてもよく、また、フィルム同士の融着を防止するため、無機微粒子を含んでいてもよい。
【0039】
本発明では、ベースフィルム1aの厚みは、例えば、20〜80μm、好ましくは30〜60μm程度である。
【0040】
中心層3の厚みは、例えば、10〜70μm、好ましくは20〜50μm程度の範囲から選択することができる。
【0041】
また、表面層2(外面層2a、内面層2b)の厚みは、それぞれ、例えば、3〜15μm、好ましくは5〜10μm程度の範囲から選択することができる。
【0042】
なお、前記中心層3は、いわゆるタッキファイヤ、例えば、石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン樹脂などを含んでいてもよい。これらのタッキファイヤの量は、中心層3の構成成分全量に対して、例えば5〜30重量%程度の範囲から選択することができる。さらに、ポリエチレン等の他のポリマーを少量含んでいてもよい。また、中心層3は、前記表面層2に用いる非晶性環状オレフィン系重合体を含んでいてもよく、その含有量は、中心層3の構成成分全量に対して30重量%以下であることが好ましい。
【0043】
表面層2のうち印刷層側の表面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理を施してもよい。また、中心層3、表面層2には、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤などの各種添加剤を添加してもよい。
【0044】
なお、中心層3及び表面層2はそれぞれ複数の層で構成することもできる。また、中心層3と表面層2との間に、剛性、自然収縮性(常温での寸法安定性)等を損なわない範囲で他の樹脂層を設けてもよく、表面層2の表面には、損傷防止等のため、アクリル系樹脂などからなるオーバーコート層を設けてもよい。
【0045】
本発明におけるベースフィルム1aは、積層フィルムを製造する際に用いられる慣用の方法、例えば、共押出法などにより製造できる。例えば、図1に示されるベースフィルム1aは、中心層3を形成する樹脂を含む樹脂組成物と、表面層2(2a,2b)を形成する樹脂を含む樹脂組成物とを、Tダイを備え、合流方式がフィードブロック2種3層型の押出機を用いて溶融押出しし、冷却ロールにより冷却した後、延伸処理することにより得ることができる。特にベースフィルム1aにおける中心層3及び表面層2(2a,2b)が何れもオレフィン系重合体で形成されているので、接着剤を用いることなく積層が可能であるが、必要に応じて接着用の層を介在させてもよい。なお、Tダイに代えて環状ダイを用いることもできる。また、各層を形成する樹脂(プロピレン系ランダム共重合体や、溶剤シール可能な樹脂)を含む樹脂組成物をそれぞれ溶融押出し成形して、各層の単層フィルムを作製し、これを公知乃至慣用のラミネート法により積層した後、延伸処理を施すことによりベースフィルム1aを得ることもできる。
【0046】
延伸は、テンター方式、チューブ方式の何れの方式で行うこともできる。延伸処理は、通常、80〜180℃(好ましくは80〜150℃)程度の温度で、幅方向(横方向;TD方向)に4〜8倍、好ましくは5〜7倍程度延伸することにより行われる。なお、必要に応じて、例えば長さ方向(縦方向;MD方向)にも、低い延伸倍率(例えば1.5倍程度以下)で延伸処理を施すことができる。本発明におけるベースフィルム1aには、このように、一方向のみに延伸された一軸配向フィルム、及び主に一方向に延伸され、且つ該方向と直交する方向に若干延伸された二軸配向フィルムが含まれる。つまり、実質上、横方向に一軸延伸されたフィルムである。
【0047】
こうして得られるベースフィルム1aは、幅方向(主に延伸処理を施した方向)に配向性を有し、該方向に熱収縮性を示す。
【0048】
本発明の筒状の熱収縮性ラベル1では、前記ベースフィルム1aを90℃の温水中に10秒間浸漬した後の主配向方向X(主に延伸処理を施した方向;前記の場合幅方向)における熱収縮率(以下、「熱収縮率A」という場合がある)が、例えば、30〜80%、好ましくは40〜70%程度であることが望ましい。本発明では、ベースフィルムにこのような物性を付与することができるため、低温、低熱量で熱収縮が可能である。このため、例えば、湾曲面を有する容器にも簡易にしかも密着性よく装着できる。なお、熱収縮率Aは下記式で表される。
熱収縮率A(%)=[{(方向Xの元の長さ)−(方向Xの浸漬後の長さ)}/(方向Xの元の長さ)]×100
【0049】
また、前記ベースフィルム1aを80℃の温水中に10秒間浸漬した後の主配向方向X(主に延伸処理を施した方向;前記の場合幅方向)における熱収縮率(以下、「熱収縮率B」という場合がある)としては、25〜50%、好ましくは30〜50%程度であることが望ましい。ベースフィルムがこのような物性を有していると、より一層低い温度や熱量で熱収縮が可能となり、例えば、湾曲面を有する容器にも簡易にしかも密着性よく装着できるようになる。なお、熱収縮率Bは、前記熱収縮率Aと同様の式で表される。
【0050】
前記熱収縮率は、ベースフィルム1aや中心層3、表面層2を構成する樹脂の種類(融点やガラス転移点など)、中心層3と表面層2との厚み比率、延伸倍率、延伸温度等の延伸条件などを適宜選択することにより調整できる。
【0051】
(印刷層)
本発明では、ベースフィルム1aの少なくとも一方の面に、所望の画像や文字等が印刷された水性インキを含む印刷層4が形成されている。前記印刷層4を形成する際の印刷インキとしては、少なくとも水性インキが用いられており、必要に応じて、溶剤系インキを併用することもできる。本発明では、熱収縮性ラベルにおける少なくとも低収縮率側端部の平均最大端面粗さが100μm以下となっているので、水性インキが用いられていても、熱収縮時や熱収縮後等で生じる低収縮率側端部からの裂けを抑制又は防止することができる。
【0052】
水性インキとしては、水を主体とする溶剤とバインダー樹脂とをベヒクルの主成分とし、これに、染料・顔料等の色素(例えば、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、酸化チタンなど)、必要に応じて、分散剤、水溶性増粘剤、ワックス、体質顔料、消泡剤、安定剤、潤滑剤等の添加剤を加え、混合機等で混練することにより得ることができる。前記水を主体とする溶剤には、水、及び水と水混和性の有機溶剤との混合溶剤が含まれる。前記水混和性の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類等が挙げられる。なお、ベヒクル中にケトンやエステル系有機溶剤が少量(例えば5重量%未満)含まれていてもよい。
【0053】
前記バインダー樹脂としては、水に溶解又は分散可能な樹脂であればよく、例えば、アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、合成ゴムその他の合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、天然ゴムなどの天然高分子などを使用できる。これらの樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。なお、耐熱水性などの向上を目的として、例えば、多官能のアジリジン化合物、カルボジイミド化合物、ヒドラジド化合物、アミン類などの公知の硬化剤を使用時に用いてバインダー樹脂を架橋させることもできる。
【0054】
好ましい水性インキには、ポリウレタン系水性インキ、ポリアクリル酸系水性インキが含まれ、その代表的な例として、例えば、商品名「アクワエコール」(東洋インキ(株)製)、商品名「W−PACK」(大日精化(株)製)、商品名「エコピュア」(サカタインクス(株)製)、商品名「ファインラップWPV」(大日本インキ(株)製)などが挙げられる。
【0055】
また、溶剤系インキとしては、ウレタン系、アクリル系、硝化綿系、ビニル系等の公知乃至慣用のインキが使用できる。
【0056】
水性インキ等のインキの印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の慣用の印刷方法を採用できるが、その中でもグラビア印刷が好ましい。水性インキを含む印刷層4は、そのデザイン等に応じ、単層及び多層の何れであってもよい。また、全色を水性インキで印刷した構成であっても良く、例えば、赤や青等の有色については水性インキで印刷し、ベタ印刷の白色については溶剤系インキで印刷した構成などでも良い。なお、本発明では、水性インキを含む印刷層4の厚みは特に制限されない。
【0057】
本発明の熱収縮性ラベルは、ベースフィルム1aの少なくともいずれか一方の面に水性インキを含む印刷層4を形成して作製された後、通常、所望の幅の長尺帯状に切断し、例えば印刷面を内側にして、ベースフィルム1aのうち主配向方向が周方向となり、ベースフィルム1aの主配向方向と直交する方向が長さ方向となるように筒状に丸め、終端部を重ね合わせて溶剤や接着剤、熱などにより接着した後、必要に応じて所望の長さに切断して、筒状の熱収縮性ラベルとして使用される。
【0058】
本発明では、ベースフィルム1aの表面層2として前記非晶性環状オレフィン系重合体を用いた場合、筒状に丸めた後、終端部を接着させる方法として、溶剤による溶剤シール方法が好適である。溶剤シールにより筒状に形成されたラベルは、円筒状胴部を有する容器に容易に装着できると共に、ヒートシールされたラベルのように収縮時に皺が生じることがなく、また光沢に優れ、美麗な外観を呈する。なお、溶剤シールする際の溶剤としては、特に制限されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素;塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの鎖状又は環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどの有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、沸点が20〜70℃程度、特に25〜50℃程度の有機溶媒が作業性等の点で好ましい。具体的には、溶剤としては、炭化水素(特にシクロヘキサン)を好適に用いることができる。
【0059】
本発明の熱収縮性ラベルを装着する容器(被装着物)としては、特に制限されず、例えば、プラスチック製容器、ガラス製容器、金属製容器等の容器などが挙げられる。また、容器に装着する部位としては、特に制限されず、例えば、図3で示されるような容器の首部や肩部から胴部の中央部付近まで(すなわち、容器の側面の上部側を)の部位や、容器の首部や肩部から底部までの部位などが挙げられる。従って、本発明の熱収縮性ラベルは、いわゆる「フルシュリンクラベル」、いわゆる「セミフルシュリンクラベル」や、いわゆる「ハーフシュリンクラベル」などのいずれの形態を有していてもよい。
【0060】
但し、容器としては、大きな収縮率が必要な小径部分(首部や肩部など)と、小さな収縮率で装着が可能な大径部分(胴部など)を有する容器の場合に効果的である。このような容器としては、漸次、径が縮小又は拡大する部分を有していてもよい。例えば、図3に示されるように、容器全体として大径の胴部から肩部を経て小径の首部まで、上部側に漸次径が縮小している容器などが挙げられる。このような容器の首部又は肩部(小径部分)から胴部の中央部付近(大径部分)まで装着された際に、低収縮率側端部(下端部)にかかる力が最も大きくなり、該低収縮率側端部からの裂けが生じやすくなると思われるが、この場合であっても、低収縮率側端部の平均最大端面粗さが100μm以下となっているので、低収縮率側端部からの裂けを抑制又は防止することができる。
【0061】
本発明では、ベースフィルム1aにおける表面層2が前記非晶性環状オレフィン系重合体で形成され、中心層3が前記プロピレン系ランダム共重合体で形成されているため、非晶性環状オレフィン系重合体の光沢、腰の強さ、収縮速度が速い等の利点を生かせるとともに、非晶性環状オレフィン系重合体の使用量を低減してコストを低減することができる。特に、中心層3がメタロセン触媒を用いて製造されたプロピレン系ランダム共重合体で形成されていると、優れた低温収縮性を発揮することができ、低温で収縮させても、高いラベル強度を発揮することができる。また、外観特性や印刷特性も良好である。しかも、優れた低温収縮性による熱収縮時の収縮力によって、ラベルの端部が裂け易くなるにもかかわらず、裂けを抑制又は防止することができる。従って、本発明の熱収縮性ラベル1は、ポリスチレン製容器やポリエチレンテレフタレート製容器(PETボトル)などの熱変形しやすいプラスチック製容器や、内容物が熱変質しやすい医薬品や調味料、健康飲料などである容器に対するラベルとして有用である。すなわち、本発明では、熱収縮性ラベル1を熱収縮により装着させる際の熱による容器の熱変形や内容物の熱変質を抑制又は防止することができる。なお、低温収縮性とは、例えば、70〜90℃程度の温度での収縮性のことを意味している。
【0062】
なお、筒状の熱収縮性ラベル1を容器7に装着する方法としては、例えば、筒状の熱収縮性ラベル1を自動ラベル装着装置に供給し、前記切断方法(A)〜切断方法(C)によって必要な長さに切断した後、通常内容物を充填した容器7(又は充填前の容器7)に連続的に被嵌し、所定温度のスチームトンネル(例えば、70〜90℃、好ましくは75〜85℃程度)や熱風トンネル(例えば、100〜200℃程度)を通過させて熱収縮させることにより、該熱収縮性ラベル1を容器7に装着できる。この際、容器7に被嵌した熱収縮性ラベル1は熱収縮するので、容器7の首部、肩部、胴部や底部の形状などにも適合して密着し、しかも低収縮率側端部からの裂けも生じ難い。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、実施例2〜4は、本発明の範囲に含まれないが、参考として記載する。
【0064】
(実施例1)
メタロセン触媒を用いて得られたエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量:4.3重量%、融点:123℃)(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「アペルAPL6509」、Tg:80℃、密度1.02g/cm3、三井化学(株)製;環状オレフィン共重合体)100重量部及び無機微粒子(球状シリカ、平均粒径1.5μm)0.5重量部の混合物(b1)とを、合流方式フィードブロック2種3層型の押出機を用いてTダイから温度280℃で共押出しし、次いで100℃で幅方向(TD方向)に6.0倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の層構成を有する厚み60μm(中心層(a1)の厚み:52μm、表面層(b1)の厚み:各4μm)のベースフィルムを得た。
【0065】
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を90℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率Aを求めたところ、熱収縮率は61%(90℃×10秒間)であった。
【0066】
前記で得られたベースフィルムの一方の表面に水性インキを用いて8色からなるデザインのグラビア印刷を施して印刷層を形成するとともに、他方の面に損傷防止のためにアクリル系樹脂からなるオーバーコート層を形成し、ロール状に巻回した。得られた印刷ロールを所定の幅にスリットして複数個のロール状物とした後、各ロール状物を巻き戻し、ベースフィルムの幅方向(TD方向)が周方向となるように筒状に丸めて両端部を有機溶媒(シクロヘキサン)で接着し、長尺筒状の熱収縮ラベル連続体を得た。
【0067】
この熱収縮ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、該熱収縮ラベル連続体を45℃に加温しながら、回転刃による切断を行って各ラベルに切断した後、図3に示されるように、ポリエチレンテレフタレート製容器(PETボトル)の首部から肩部を経て胴部中央部付近まで外嵌し、スチームトンネル(温度:80℃)を通過させて熱収縮させることにより、前記容器に装着した。その結果、ラベルの容器に対する密着性は高く、締め付け性が優れていた。尚、このときの肩部(上端)における熱収縮率は48%であり、胴部(下端)における熱収縮率は17%であった。また、該ラベルを装着したPETボトル(ラベル付きPETボトル)20本を60℃で21日間保管したところ、外観やラベル強度に何ら問題はなく、20本すべてのラベル付きPETボトルで、ラベルの下端部からの裂けは生じていなかった。
【0068】
なお、前記切断後の熱収縮性ラベルの下端部における切断面を倍率:1000倍の条件で、CCDカメラ搭載の顕微鏡を利用して観察して写真を撮り、さらに、熱収縮性ラベルの周方向に0.5mm幅で任意に10箇所を選び、それぞれの箇所での最大の凹凸幅を測定し、さらに測定した10箇所の部位で平均し、切断された熱収縮性ラベルの下端部における平均最大端面粗さを求めたところ、該平均最大端面粗さは、34μmであった。
【0069】
(比較例1)
実施例1と同様にして、長尺筒状の熱収縮ラベル連続体を得た。この熱収縮ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、該熱収縮ラベル連続体を加温せずに室温(23℃)で回転刃による切断を行ったこと以外は、実施例1と同様にして切断を行って各ラベルに切断して、PETボトルに装着した。このラベル付きPETボトル20本を、実施例1と同様にして、60℃で21日間保管したところ、20本のラベル付きPETボトルのうち、6本でラベルの下端部からの裂けが生じていた。なお、前記切断後の熱収縮性ラベルの下端部における切断面を、実施例1と同様にして、倍率:1000倍の条件で、CCDカメラ搭載の顕微鏡を利用して観察して写真を撮り、さらに、切断された熱収縮性ラベルの下端部における平均最大端面粗さを求めたところ、該平均最大端面粗さは、108μmであった。
【0070】
(実施例2〜4、比較例2)
メタロセン触媒を用いて得られたエチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレン含有量:4.3重量%、融点:123℃)100重量部に、水添石油樹脂(商品名「アルコンP−140」荒川化学(株)製)を25重量部配合した混合物(a1)と、非晶性環状オレフィン系重合体(商品名「ゼオノア750R」、密度1.0g/cm3、Tg70℃、日本ゼオン(株)製;環状オレフィンの開環重合体又はその水添物)100重量部と、無機微粒子(無定形シリカ、平均粒径2〜3μm)0.5重量部との混合物(b1)を、押出機を用いてTダイから温度220℃で押出しし、次いで90℃で幅方向(TD方向)に5.5倍テンター延伸することにより、(b1)/(a1)/(b1)の3層構成を有する厚み50μm(中心層(a1)の厚み:38μm、表面層(b1)の厚み:各6μm)のベースフィルムを得た。
【0071】
このベースフィルムから10cm×10cm(幅方向(TD方向)の長さ×長さ方向(MD方向)の長さ)の試験片を切り取り、この試験片を90℃と80℃の温水中に10秒間浸した後、ベースフィルムの幅方向(TD方向)の長さを測定し、前記式により熱収縮率を求めたところ、90℃での熱収縮率は52%であり、80℃での熱収縮率は31%であった。
【0072】
前記で得られたベースフィルムを用いて、実施例1と同様にして、長尺筒状の熱収縮ラベル連続体を得た。なお、印刷は美麗で、フィッシュアイもなく良好であった。
【0073】
この熱収縮ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、該熱収縮ラベル連続体を、鋭利さの異なる4種類の刃(最も鋭利な刃を用いた場合が実施例2、2番目に鋭利な刃を用いた場合が実施例3、3番目に鋭利な刃を用いた場合が実施例4、4番目に鋭利な刃又は最も鋭利でない刃を用いた場合が比較例2)を用いて、それぞれ切断を行って各ラベルに切断した後、それぞれについて、図3に示されるように、PETボトルに外嵌し、スチームトンネル(温度:80℃)を通過させて熱収縮させることにより、前記容器に装着した。その結果、実施例2〜4および比較例2に係る各ラベルは、それぞれ、容器に対する密着性が高く、また締め付け性も良好であった。また、これらの各ラベルを装着したPETボトル各20本をそれぞれ60℃で21日間保管したところ、鋭利な刃を用いて切断されている実施例2〜4に係るラベル付きPETボトルでは、外観やラベル強度に何ら問題はなく、ラベルの下端部からの裂けは、それぞれ、20本すべてで生じていなかったが、鋭利さに劣る刃を用いて切断されている比較例2に係るラベル付きPETボトルでは、20本のラベル付きPETボトルのうち、11本でラベルの下端部からの裂けが生じていた。
【0074】
なお、前記切断後の熱収縮性ラベルの下端部における切断面を、実施例1と同様にして、倍率:1000倍の条件で、CCDカメラ搭載の顕微鏡を利用して観察して写真を撮り、さらに、切断された熱収縮性ラベルの下端部における平均最大端面粗さを求めたところ、該平均最大端面粗さは、実施例2に係る熱収縮性ラベルは22μmであり、実施例3に係る熱収縮性ラベルは68μmであり、実施例4に係る熱収縮性ラベルは91μm、比較例2に係る熱収縮性ラベルは117μmであった。
【0075】
(実施例5)
実施例2と同様にして、長尺筒状の熱収縮ラベル連続体を得た。この熱収縮ラベル連続体を自動ラベル装着装置に供給し、炭酸ガスレーザー(波長:10.6μm)を用いて、切断を行って各ラベルに切断した後、図3に示されるように、PETボトルに外嵌し、スチームトンネル(温度:80℃)を通過させて熱収縮させることにより、前記容器に装着した。その結果、ラベルの容器に対する密着性は高く、締め付け性が優れていた。また、該ラベルを装着したPETボトルを60℃で21日間保管したところ、外観やラベル強度に何ら問題はなく、ラベルの下端部からの裂けは生じていなかった。
【0076】
なお、前記切断後の熱収縮性ラベルの下端部における切断面を、実施例1と同様にして、倍率:1000倍の条件で、CCDカメラ搭載の顕微鏡を利用して観察して写真を撮り、さらに、切断された熱収縮性ラベルの下端部における平均最大端面粗さを求めたところ、該平均最大端面粗さは、12μmであった。
【0077】
なお、実施例1〜5および比較例1〜2に係る評価結果(平均最大端面粗さ、裂けが生じた本数)を、表1に示した。このように、筒状にして容器に装着された際に上下端部となる端部のうち、少なくとも容器に装着させる際の収縮率が小さい方の端部における平均最大端面粗さが、100μm以下であると、効果的に、ラベルの上下端部のうち、収縮率が小さい方の端部からの裂けを防止することができる。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
本発明の熱収縮性ラベルは、前記構成を有しているので、水性インキによる印刷層を有するポリオレフィン系熱収縮性ラベルであっても、容器に装着させる際の熱収縮時や熱収縮後で、ラベルの上下端部のうち特に収縮率が小さい方の端部からの裂けを抑制又は防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における筒状のポリオレフィン系熱収縮性ラベルの一例を部分的に示す概略断面図である。
【図2】図1に係るラベルの筒状の状態を示す概略図である。
【図3】図1又は2に係る筒状ラベルを容器に装着した状態の一例を示す概略正面図である。
【図4】図2に係る筒状ラベルの下端部における端面の任意の一部分を拡大した概略図である。
【図5】従来の熱収縮性ラベルが容器に装着されている状態の一例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
1 筒状の熱収縮性ラベル
1a ベースフィルム
2 表面層
2a 外側表面層
2b 内側表面層
3 中心層
4 水性インキを含む印刷層
5a 熱収縮性ラベル1の上端部
5b 熱収縮性ラベル1の下端部
6 重ね合わせ部
7 容器
71 蓋部材
7a 容器7の首部
7b 容器7の肩部
7c 容器7の胴部
7d 容器7の底部
X−Y 任意に選ばれた周方向に0.5mmの幅
A 凸部
B 凹部
L 凸部Aと凹部Bとの凹凸幅
8 従来のポリオレフィン系熱収縮性ラベル
9 容器
9a 容器9の首部
9b 容器9の肩部
9c 容器9の胴部
Claims (4)
- プロピレン系ランダム共重合体からなる中心層と、非晶性環状オレフィン系重合体からなる表面層とで構成されたベースフィルムおよび該ベースフィルムの少なくとも一方の面に設けられた水性インキを含む印刷層を有するポリオレフィン系熱収縮性ラベルを、筒状の状態で小径部分と大径部分を有する容器の小径部分から大径部分にかけた部位に装着した際に、小径部分側端部および大径部分側端部となる端部のうち、少なくとも容器に装着する際の収縮率が小さい方の大径部分側端部における平均最大端面粗さが0〜50μmとなるように、40〜60℃にラベル及び/又は刃を加温して、容器に装着する各ラベルに切断するか、又はレーザーを用いて、容器に装着する各ラベルに切断することを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法。
- 中心層のプロピレン系ランダム共重合体が、メタロセン触媒を用いて共重合して得られたプロピレン系ランダム共重合体である請求項1記載のポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法。
- 表面層の非晶性環状オレフィン系重合体が、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物である請求項1又は2記載のポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法。
- 請求項1〜3の何れかの項に記載のポリオレフィン系熱収縮性ラベルの製造方法により得られたポリオレフィン系熱収縮性ラベルを、小径部分と大径部分を有する容器の小径部分から大径部分にかけた部位に装着することを特徴とするポリオレフィン系熱収縮性ラベル付き容器の製造方法。
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