JP6669525B2 - シュリンクラベル及びラベル付き容器 - Google Patents

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Description

本発明は、シュリンクラベル、ラベル付き容器、及びラベル付き容器の製造方法に関する。より詳しくは、シュリンクラベル、シュリンクラベルが装着されたラベル付き容器、及びラベル付き容器の製造方法に関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトル等のプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多い。このようなプラスチックラベルとしては、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)に印刷層が設けられたシュリンクラベル等が広く使用されている。
上記シュリンクラベルに用いられるシュリンクフィルムとしては、例えば、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とし、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂100重量部に対して可塑剤0.5〜20重量部を含有する樹脂組成物から構成される表面層(A層)、及び、スチレン−共役ジエン共重合体及び/又はその水添物を主成分とする樹脂組成物から構成される中心層(B層)が、A層/B層/A層の順に積層された少なくとも3層積層構成を有することを特徴とするシュリンクフィルムが知られている(特許文献1参照)。
特開2009−178887号公報
近年、リサイクルの観点から、有色のPETボトルやガラス容器等の使用が制限されるに伴い、ボトル自体には着色せず、ボトル側面の大部分をシュリンクラベルで覆うといった需要(フルラベル用途の需要)が増大しつつある。ところが、ボトルの側面形状は様々であり、高さ位置で外径が変化するため、一つのボトルを被覆する一つのラベルでも、要求される収縮の程度はボトルの高さ位置で異なる。例えば、PETボトルでは口部に近くなるほど外径は小さくなる傾向にあるため、この部分も被覆するシュリンクラベルには高い熱収縮性が求められる。従って、特に、複雑な形状を有する被装着物に対して装着する場合にも、被装着物の形状に追従し、優れた装着性を発揮するために、シュリンクラベルには、より高い熱収縮性が求められるようになってきている。
例えば、複雑な形状を有する被装着物にシュリンクラベルを装着させた際、比較的高い収縮率で熱収縮された部分(高収縮部)のデザイン等の意匠印刷層が、比較的低い収縮率で熱収縮された部分(低収縮部)の意匠印刷層よりも色が濃くなり、装着後のラベルの装飾性が劣るという問題があった。
シュリンクラベルは、意匠印刷層を有する部分については上記のような問題を有する。一方で、意匠印刷層が設けられていない部分については、ラベルの装着後において収縮率の異なる部分で色の濃度が異なっていたとしても、これによる装着後のラベルの装飾性への影響は低かった。
しかしながら、より高度な透明性が求められる場合、意匠印刷層が設けられていない部分であっても、熱収縮後はラベルの収縮率の異なる部分で透明性の差が比較的大きくなることがあり、ラベルの装飾性が低下するという問題があることがわかった。特に、特許文献1に記載のような、異種の樹脂層を積層したシュリンクフィルムは、高収縮部において白濁が起こりやすく、これを用いたシュリンクラベルを高い収縮率で熱収縮させた際に装飾性が劣る傾向があった。
従って、本発明の目的は、熱収縮後の装飾性に優れるシュリンクラベルを提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、前記シュリンクラベルが装着された装飾性に優れるラベル付き容器を提供することにある。
即ち、本発明は、収縮率が15%以下となる領域及び40%以上となる領域を有するように被装着物に装着される用途に用いられるシュリンクラベルであって、シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有するシュリンクラベルであり、前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、前記シュリンクラベルが、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)を熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に有し、且つ、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)を熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に有することを特徴とするシュリンクラベルを提供する。
前記基層部は、層を5〜65層含み、前記基層部中の層として、ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層(A層)を少なくとも有することが好ましい。
前記基層部は、前記基層部中の層として、さらに、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を50重量%以上含有する接着樹脂層を少なくとも有することが好ましい。
前記シュリンクラベルは、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に存在する透明領域(T1)から熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に存在する透明領域(T2)の間に、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが透明領域(T1)から透明領域(T2)に向かうに従って徐々に小さくなるように透明保護印刷層が設けられているグラデーション領域を有することが好ましい。
前記透明領域(T1)及び前記透明領域(T2)は無色透明の領域であってもよい。
前記透明領域(T1)及び前記透明領域(T2)は、有色透明の領域を有し、前記有色透明の領域に透明意匠印刷層が設けられてもよい。
前記透明領域(T2)における有色透明の領域は、滑剤を含有する透明意匠印刷層を有し且つ前記透明保護印刷層が設けられていない領域を有していてもよい。
また、本発明は、小径部及び大径部を有する容器と、該容器の小径部と大径部とにシュリンクラベルが追従して装着された筒状のラベルとを有し、前記容器において、前記小径部は、外周長さが前記大径部の外周長さの65%以下であり、前記シュリンクラベルは、シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、前記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、前記大径部に装着されたラベルには、透明保護印刷層が設けられた透明領域が存在し、前記小径部に装着されたラベルには、透明保護印刷層が設けられていない、又は、透明保護印刷層が前記透明領域よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域が存在することを特徴とする、ラベル付き容器を提供する。
また、本発明は、小径部及び大径部を有する容器の小径部及び大径部にシュリンクラベルを熱収縮させて装着するラベル付き容器の製造方法であって、前記容器において、前記小径部は、外周長さが前記大径部の外周長さの65%以下であり、前記シュリンクラベルは、シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、前記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、前記シュリンクラベルが、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)、並びに、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)を有し、前記大径部に前記透明領域(T1)が対応するように装着し、前記小径部に前記透明領域(T2)が対応するように装着することを特徴とする、ラベル付き容器の製造方法を提供する。
本発明のシュリンクラベルは、上記構成を有することにより、熱収縮後の装飾性に優れる。また、該シュリンクラベルが装着された被装着物(例えば、ラベル付き容器)は、装飾性に優れる。
本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略図(平面図)である。 本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略図(図1のII−II’断面の要部拡大図)である。 図2に示す本発明のシュリンクラベルの一変形例の概略図である。 本発明のシュリンクフィルムの一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図である。 本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図(図5のVI−VI’断面の要部拡大図)である。 本発明のシュリンクラベルを、小径部、縮径部、及び大径部を有する容器に追従して装着させたラベル付き容器の一例を示す概略図である。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性を有し、収縮率が15%以下となる領域(低収縮部)及び40%以上となる領域(高収縮部)を有するように被装着物に装着されるラベル用途に用いられるシュリンクラベルである。上記低収縮部は、できるだけ収縮しない方が経済性や装飾性の観点で好ましいため、収縮率が10%以下となる領域であることが好ましい。他方、高収縮部は、収縮率が50%以上となる領域であってもよい。以下、低収縮部は収縮率が15%以下となる領域、高収縮部は収縮率が40%以上となる領域の場合を一例として説明する。
本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルムと、上記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有する。上記シュリンクフィルムは、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上である。なお、本明細書において、上記シュリンクフィルムを「本発明のシュリンクフィルム」と称する場合がある。
また、本発明のシュリンクラベルは、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)と、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)とを有する。なお、本明細書において、上記「透明保護印刷層が設けられた透明領域」を「透明領域(T1)」と称する場合がある。また、上記「透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域」を「透明領域(T2)」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に透明領域(T1)を有し、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に透明領域(T2)を有する。
透明領域(T1)は、透明保護印刷層が設けられている透明な領域である。透明領域(T1)は、熱収縮後に収縮率が15%以下となるように収縮される部分に設けられている。透明領域(T2)は、透明保護印刷層が設けられていない領域、又は、透明保護印刷層が設けられている場合は透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明な領域である透明領域(T2)は、熱収縮後に収縮率が40%以上となるように収縮される部分に設けられている。
即ち、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後に収縮率が15%以下となるように収縮される部分に、透明保護印刷層が設けられており且つ透明である領域(透明領域(T1))を少なくとも有していればよい。また、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後に収縮率が40%以上となるように収縮される部分に、透明保護印刷層が設けられておらず且つ透明である領域を少なくとも有するか、又は、透明保護印刷層が設けられており且つ透明である領域であり該透明保護印刷層の単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層よりも小さい領域を少なくとも有していればよい。従って、透明領域(T2)が、透明保護印刷層が設けられている透明な領域を有する場合、該領域中の少なくとも一部の領域の透明保護印刷層の単位面積あたりの面積及び/又は厚みが、透明領域(T1)に設けられている少なくとも一部の透明保護印刷層の単位面積あたりの面積及び/又は厚みが小さければよい。
透明領域(T2)に関し、透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/又は厚みが小さくなるように透明保護印刷層が設けられている例としては、例えば、透明保護印刷層が設けられている領域において、透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積(面積率)が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積よりも小さい場合(例えば、透明領域(T1)では透明保護印刷層が全面に隙間なく設けられているのに対し、透明領域(T2)では透明保護印刷層が微細なドット状(網点状)に設けられ、ドット間に透明保護印刷層のない隙間がある場合)、透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層の厚みが透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の厚みよりも薄い場合、透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積よりも小さく且つ透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層の厚みが透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の厚みよりも薄い場合等が挙げられる。なお、透明領域(T1)及び透明領域(T2)は、透明な領域であればよく、有色、無色(無色透明)のどちらでもよい。透明領域(T1)及び透明領域(T2)が有色透明の領域を有する場合、該有色の透明領域には、後述の透明意匠印刷層が設けられていることが好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、透明領域(T1)と透明領域(T2)との間に、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが透明領域(T1)から透明領域(T2)に向かうに従い徐々に小さくなるように透明保護印刷層が設けられている透明なグラデーション領域を有することが好ましい。即ち、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に存在する透明領域(T1)と熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に存在する透明領域(T2)にかけて、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが透明領域(T1)から透明領域(T2)に向かうに従い徐々に小さくなるようにグラデーションになっていることが好ましい。
なお、本明細書において、「単位面積あたりの面積及び/又は厚み」における「単位面積」は、透明保護印刷層が設けられている領域内における少なくとも一部の領域の単位面積である。なお、ドット状、メッシュ状等に透明保護印刷層が設けられている場合、複数のドット間やメッシュ間の透明保護印刷層が存在しない領域は、上記「単位面積」からは除かれない。
透明領域(T1)における透明保護印刷層は所定の厚みを有し、該所定の厚み(単位面積あたりの厚み)は、例えば0.5〜5μmであり、0.8〜3μmが好ましい。
透明領域(T2)に透明保護印刷層が設けられており、該透明保護印刷層が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層よりも単位面積あたりの厚みが薄い場合、該透明保護印刷層の単位面積あたりの厚みは、透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの厚みよりも薄く、例えば0.1〜2μmであり、0.1〜1.5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
透明領域(T2)に透明保護印刷層が設けられており、該透明保護印刷層が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層よりも単位面積あたりの厚みが薄い場合、該透明保護印刷層の単位面積あたりの厚みは、透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの厚みの60%以下が好ましく、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下、特に好ましくは30%以下である。上記単位面積あたりの厚みの下限は、例えば透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの厚みの5%以上であり、好ましくは10%以上である。
透明領域(T2)に透明保護印刷層が設けられており、該透明保護印刷層が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層よりも単位面積あたりの面積が小さい場合、該透明保護印刷層の単位面積あたりの面積は、透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積の60%以下が好ましく、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下、特に好ましくは30%以下である。上記単位面積あたりの面積の下限は、例えば透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層の単位面積あたりの面積の5%以上であり、好ましくは10%以上である。
透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層は、80〜100%の網点面積であることが好ましく、90〜100%の網点面積であることがより好ましい。透明領域(T2)に透明保護印刷層が設けられており、該透明保護印刷層が透明領域(T1)に設けられている透明保護印刷層よりも単位面積あたりの面積が小さい場合、透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層は、60%以下の網点面積であることが好ましく、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下、特に好ましくは30%以下である。透明領域(T2)における透明保護印刷層の網点面積の下限は、例えば5%以上であり、好ましくは10%以上である。
図1及び図2に、本発明のシュリンクラベルの一例の概略図を示す。図1は本発明のシュリンクラベルの概略平面図であり、図2は本発明のシュリンクラベルの概略断面図(図1におけるII−II’の断面図)である。図1及び図2中、1は本発明のシュリンクラベル、2は熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域、3は熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域を示す。即ち、ラベルの下端部の端から所定幅の領域が、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2であり、15%以下の収縮率で熱収縮させて装着される領域である。また、ラベルの上端部の端から所定幅の領域が、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域3であり、40%以上の収縮率で熱収縮されて装着される領域である。
本発明のシュリンクラベル1は、図1中の横方向に主に収縮する。熱収縮後の熱収縮率が15%以下となる領域2及び熱収縮後の熱収縮率が40%以上となる領域3は、上記横方向(主に収縮する方向)に延びる帯状の領域である。
図2中、10は本発明のシュリンクフィルムを示す。本発明のシュリンクラベル1では、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2において、ラベルの下端部8及び上記横方向における本発明のシュリンクラベル1の一端部9を除く全面に透明保護印刷層が設けられている。また、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域3において、ラベルの上端部7及び一端部9を除く全面に透明保護印刷層が設けられている。さらに、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2と熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域3の間の領域において、一端部9を除く全面に透明保護印刷層が設けられている。
図1及び図2において、4は透明領域(T1)、5は透明領域(T2)を示す。透明領域(T1)4は熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2内に存在し、透明領域(T2)5は熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域2内に存在する。透明領域(T1)4及び透明領域(T2)5には、全面に透明保護印刷層が設けられている。透明領域(T2)5における透明保護印刷層の厚みは、透明領域(T1)4における透明保護印刷層の厚みよりも薄い。6はグラデーション領域を示し、透明領域(T1)4から透明領域(T2)5にかけて、透明保護印刷層の厚みが徐々に薄くなるように透明保護印刷層が設けられている領域である。グラデーション領域6は、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2と熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域3とに渡って設けられている。グラデーション領域6は、該下端において厚みが透明領域(T1)4における透明保護印刷層の厚みと同じになっており、図1の下側から上側に向かって厚みが徐々に薄くなっていき、グラデーション領域6の上端の透明保護印刷層の厚みは透明領域(T2)5における透明保護印刷層の厚みと同じになっている。
透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6は連続しており、透明保護印刷層が当該三領域に渡って連続して設けられている。透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6に設けられている透明保護印刷層は、全てが無色の透明保護印刷層である。また、上記三領域では、透明保護印刷層が最表面となっている。そして、本発明のシュリンクラベル1の上記三領域が設けられている側とは反対側は、本発明のシュリンクフィルム10が最表面となっている。
なお、図示されていないが、図1の本発明のシュリンクラベル1は、意匠印刷層と背面印刷層が設けられた不透明の領域が部分的に形成された領域を有し、当該不透明の領域を除く全領域が無色透明の領域である。
図1及び図2に示す本発明のシュリンクラベル1では、透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6において透明保護印刷層が各領域内の全面に設けられている例を示したが、本発明のシュリンクラベルはこれに限定されず、例えは、ドット状、メッシュ状等に設けられていてもよい。透明領域(T2)においては、透明保護印刷層が設けられていない領域としてもよい。
また、図1及び図2に示す本発明のシュリンクラベル1では、透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6において透明保護印刷層が各領域内の全面に設けられており且つ単位面積あたりの厚みが異なる例を示したが、本発明のシュリンクラベルはこれに限定されず、透明領域(T1)と透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層について、単位面積あたりの厚みが同じで単位面積あたりの面積が異なる例、単位面積あたりの厚み及び面積が異なる例であってもよい。中でも、透明領域(T1)と透明領域(T2)に設けられている透明保護印刷層について、単位面積あたりの厚み及び面積が異なる例が好ましい。
図3に、図2に示す本発明のシュリンクラベルの一変形例の概略図を示す。なお、図3に示す本発明のシュリンクラベルについて、以下、図1及び図2と異なる部分について主に説明し、図1及び図2と同じ構成要素については図1及び図2の説明を適宜参酌できるものとする。図3に示す本発明のシュリンクラベルは、図2に示す本発明のシュリンクラベルに対し、ラベルの上端部7、ラベルの下端部8、及び一端部9を除く全面に透明な意匠印刷層(透明意匠印刷層)17を有する。透明意匠印刷層17は本発明のシュリンクフィルム10の片面に設けられており、且つ、透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6に設けられている。このため、透明領域(T1)4、透明領域(T2)5、及びグラデーション領域6は有色の透明領域である。より具体的には、透明意匠印刷層17は、透明領域(T2)5に設けられている透明意匠印刷層17の厚みが、透明領域(T1)4に設けられている透明意匠印刷層17の厚みよりも薄くなるように設けられている。また、グラデーション領域6では、その下端において厚みが透明領域(T1)4における透明意匠印刷層17の厚みと同じになっており、透明領域(T1)4と透明領域(T2)5との間に、透明意匠印刷層17の単位面積あたりの厚みが透明領域(T1)から透明領域(T2)に向かうに従い徐々に薄くなっていき、グラデーション領域6の上端の透明意匠印刷層17の厚みは透明領域(T2)5における透明意匠印刷層17の厚みと同じになっている。図3における透明保護印刷層は、透明領域(T1)4においては、透明意匠印刷層17の表面に均一の厚みで設けられている。グラデーション領域6では、図2における透明保護印刷層と同様に、厚みがグラデーションになるように設けられている。一方、図2に示す本発明のシュリンクラベルとは異なり、透明領域(T2)5には透明保護印刷層は設けられておらず、透明意匠印刷層17が表面に露出しており、透明意匠印刷層17が最表面となっている。
本発明のシュリンクフィルムは、熱収縮後に高収縮部(例えば、収縮率が40%以上)となる領域であっても、該領域の透明性に優れる。このため、熱収縮後のフィルム全体において収縮率の差が小さい場合のみならず、熱収縮後のフィルム全体において収縮率が大きく異なる部分がある場合であっても、収縮率の異なる部分で透明性の差が小さく、フィルム全体にわたって透明性に優れる傾向がある。また、透明保護印刷層を有する本発明のシュリンクラベルは、低収縮部(例えば、収縮率が15%以下)となる領域に透明保護印刷層が設けられており、高収縮部(例えば、収縮率が40%以上)となる領域には透明保護印刷層が設けられていない領域を有するか、又は、透明保護印刷層が設けられている場合は低収縮部となる領域よりも透明保護印刷層の面積率及び厚みの少なくとも一方が小さくなる領域を有するように設計されている。このため、熱収縮後のラベルにおいて、高収縮部と低収縮部とを有する場合であっても、両収縮部で透明保護印刷層の透明性の差が小さい。従って、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後に高収縮部と低収縮部とを有する場合であっても高収縮部と低収縮部で共に透明性が優れるため、装飾性に優れる。また、本発明のシュリンクラベルは、透明保護印刷層を有することにより、ラベルの耐摩擦性等の耐性や滑り性が向上し、フィルムや印刷層の傷の発生を抑制することができる。
[シュリンクフィルム]
本発明のシュリンクフィルムは、主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、好ましくは3.5%以下、より好ましくは3.2%以下である。上記ヘイズ値が4%以下であることにより、本発明のシュリンクラベルは、高収縮部においても透明性に優れ、装飾性に優れる。なお、本明細書において、ヘイズ(ヘーズ)値は、JIS K 7136に準拠したものである。また、上記「主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値」を、「ヘイズ値(60%熱収縮)」と称する場合がある。
なお、本明細書において、「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には主に延伸処理された方向であり、例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
上記ヘイズ値(60%熱収縮)は、例えば、表面層(例えば、ポリエステル系樹脂の種類、特性等)や基層部中の層の原料組成、シュリンクフィルムの層構成(例えば、基層部の層構成等)、フィルムの製造条件(例えば、予熱温度、延伸温度、熱固定温度等)等により調整することができる。
本発明のシュリンクフィルムは、主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、好ましくは75%以上、より好ましくは78%以上である。上記収縮率が70%以上であることにより、シュリンクラベルを被装着物に熱で密着させるシュリンク加工工程において、被装着物の形に追従しやすく、特に複雑な形状の被装着物に対して仕上がりが良好となり、高収縮部の透明性に優れる。なお、本発明のシュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂を組み合わせたシュリンクフィルムでありながら、熱収縮率(90℃、10秒)を78%以上とすることも可能である。また、本明細書において、上記「100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率」を、「熱収縮率(100℃、10秒)」と称する場合がある。
本発明のシュリンクフィルムの、上記主収縮方向の熱収縮率(100℃、10秒)の上限は、特に限定されないが、90%が好ましい。
上記熱収縮率(100℃、10秒)は、例えば、表面層や基層部中の層の原料組成(具体的には、フィルムを構成する層としてポリエステル系樹脂を主成分とする層を用いること等)、フィルムの製造条件(例えば、延伸条件、熱固定条件等)等により調整することができる。
本発明のシュリンクフィルムは、基層部の両面側に積層された、表面層を有する。即ち、本発明のシュリンクフィルムは、基層部と、上記基層部の両面側にそれぞれ設けられた表面層とを含む。具体的には、本発明のシュリンクフィルムは、表面層/基層部/表面層の層構成を有し、好ましくは基層部と表面層とが直接積層されている。なお、本発明のシュリンクフィルム中の、基層部の両面側にある表面層はそれぞれ、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。本発明のシュリンクフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内で、表面層の外面に帯電防止層やアンカーコート層が設けられていてもよい。本発明のシュリンクフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理、帯電防止コーティング処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
<表面層>
本発明のシュリンクフィルムにおける表面層(即ち、基層部の両面側にそれぞれ設けられた表面層)は、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含む。上記表面層を有することにより、本発明のシュリンクフィルムは、高収縮率で熱収縮しやくなり、熱収縮率(100℃、10秒)を高くすることができる。また、ヘイズ値(60%熱収縮)が低下し、高収縮部の透明性に優れる。さらに、シュリンクフィルムの耐溶剤性に優れるため、印刷層を設ける際の印刷インキ中の溶剤等により白化しにくい。このため、本発明のシュリンクラベルは高収縮部も透明性に優れる。さらに、本発明のシュリンクフィルムは、上記構成を有することにより、耐摩擦性にも優れるため、ラベルの最表面になった場合であっても傷等が付きにくい。
表面層は、ポリエステル系樹脂を必須成分として含む。上記ポリエステル系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、表面層は、特に限定されないが、上記ポリエステル系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分を必須の構成成分として構成されたポリエステル(即ち、ジカルボン酸に由来する構成単位(構造単位)とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステル)、ポリ乳酸系重合体、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステルの主なものとしては、ジカルボン酸とジオールの縮合反応による重合体、共重合体又はこれらの混合物が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂としては、可塑剤を添加されたポリエチレンテレフタレート等の軟質ポリエステル系樹脂を用いてもよい。
上記ジカルボン酸(ジカルボン酸成分)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸は、一種のみを使用してもよいし二種以上を使用してもよい。
上記ジオール(ジオール成分)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオール等が挙げられる。上記ジオールは、一種のみを使用してもよいし二種以上を使用してもよい。
上記ポリエステル系樹脂は、上記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール等に由来する構成単位を含んでいてもよい。
中でも、収縮特性(特に、高収縮率での熱収縮性)、剛性、機械強度等の観点から、上記ポリエステル系樹脂は、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。なお、上記芳香族ポリエステル系樹脂とは、全ジカルボン酸成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジカルボン酸、及び/又は、全ジオール成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジオールであるポリエステル系樹脂である。さらに、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と脂肪族ジオールを含むジオールとの縮合反応による重合体、共重合体、又はこれらの混合物である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂を非晶性とすることにより、熱収縮率を高くし、また、表面層と基層部との間の層間剥離を生じにくくする観点、収縮特性(特に、高収縮率での熱収縮性)、剛性の観点から、単一の繰り返し単位から構成されているのではなく、変性成分(共重合成分)を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分及びジオール成分のうちの少なくとも一方が2以上の成分から構成される、即ち、主成分の他に変性成分を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。言い換えると、上記芳香族ポリエステル系樹脂は、少なくとも二種以上のジカルボン酸に由来する構成単位及び/又は少なくとも二種以上のジオールに由来する構成単位を含む変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、上記の中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET)において、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を変性成分(すなわち、他のジカルボン酸成分及び/又は他のジオール成分)に置き換えた変性PETが好ましく例示される。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂(特に、変性PET)の変性成分(共重合成分)として用いられるジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、イソフタル酸等が挙げられる。中でも好ましくは、イソフタル酸である。また、変性成分として用いられるジオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール等が挙げられる。中でも好ましくは、CHDM、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール(特に、NPG)である。なお、上記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールにおけるアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、2つのアルキル基は、同一のアルキル基であってもよいし異なるアルキル基であってもよい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、収縮特性(特に、高収縮率での熱収縮性)の観点で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてEGを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分(例えば、最も多いジオール成分)、CHDMを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「CHDM共重合PET」と称する場合がある);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET」と称する場合がある)が好ましい。上記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの中では、特に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、NPGを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「NPG共重合PET」と称する場合がある)が好ましい。上記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に好ましくはCHDM共重合PET及び/又は2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETであり、さらに好ましくはCHDM共重合PET及び/又はNPG共重合PET、高収縮率での熱収縮性(特に、熱収縮率(100℃、10秒)の向上)及び高収縮部の透明性(特に、ヘイズ値(60%熱収縮)の低下)の観点から、最も好ましくはCHDM共重合PETである。なお、上記CHDM共重合PET、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETには、それぞれ、CHDM、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール以外の共重合成分が用いられていてもよく、例えば、さらに、イソフタル酸やジエチレングリコールが共重合されていてもよい。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂において、共重合成分(変性成分)の共重合比率[全ジカルボン酸成分に対する共重合ジカルボン酸成分の比率(割合)、又は、全ジオール成分に対する共重合ジオール成分の比率(割合)]は、特に限定されないが、層の熱変形挙動を適正化し、層間剥離を低減させる観点から、10モル%以上(例えば、10〜40モル%)が好ましく、より好ましくは15モル%以上(例えば、15〜40モル%)である。中でも、例えば、CHDM共重合PETの場合、CHDMの割合は、全ジオール成分中、10モル%以上(EGが90モル%以下)が好ましく、より好ましくは12モル%以上(EGが88モル%以下)、さらに好ましくは15モル%以上(EGが85モル%以下)であり、20モル%以上(EGが80モル%以下)、25モル%以上(EGが75モル%以下)であってもよい。また、CHDMの割合の上限は、全ジオール成分中、40モル%以下(EGが60モル%以上)が好ましく、より好ましくは35モル%以下(EGが65モル%以上)、さらに好ましくは30モル%以下(EGが70モル%以上)、特に好ましくは25モル%以下(EGが75モル%以上)である。また、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールの割合(NPG共重合PETの場合にはNPGの割合)は、全ジオール成分中、10モル%以上(EGが90モル%以下)が好ましく、より好ましくは15モル%以上(EGが85モル%以下)である。また、NPGの割合の上限は、全ジオール成分中、40モル%以下(EGが60モル%以上)が好ましく、より好ましくは30モル%以下(EGが70モル%以上)である。また、さらにEG成分の一部(好ましくは、全ジオール成分中、1〜30モル%、より好ましくは1〜10モル%)をジエチレングリコールに置き換えてもよい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂は、実質的に非晶性の芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、より好ましくは、非晶性の飽和ポリエステル系樹脂である芳香族ポリエステル系樹脂である。特に限定されないが、芳香族ポリエステル系樹脂は、上述のように変性することによって、結晶化しにくくなるため、例えば、変性によって実質的に非晶性とすることができる。芳香族ポリエステル系樹脂を非晶性とすることにより、比較的低温での押出が可能となる。これにより、押出加工時の表面層の層形成性が良好となることで、表面層と基層部との間で層間剥離が生じにくくなり、また、シュリンクラベルの収縮特性が向上する。
上記ポリエステル系樹脂の、示差走査熱量測定(DSC)法(10℃/分の昇温速度で測定)により測定した結晶化度は、15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらに、上記ポリエステル系樹脂は、上記DSC法により測定した場合に、融点(融解ピーク)がほとんど見られないもの(すなわち、結晶化度0%のもの)が最も好ましい。上記結晶化度は、DSC測定より得られる結晶融解熱の値から、X線法等により測定した結晶化度の明確なサンプルを標準として、算出することができる。なお、結晶融解熱は、例えば、セイコーインスツル(株)製DSC(示差走査熱量測定)装置を用い、試料量10mg、昇温速度10℃/分で、窒素シールを行い、一度融点以上まで昇温し、常温まで降温した後、再度昇温したときの融解ピークの面積から求めることができる。結晶化度は、単一の樹脂から測定されることが好ましいが、混合状態で測定される場合には、混合される樹脂の融解ピークを差し引いて、対象となる芳香族ポリエステル系樹脂の融解ピークを求めればよい。なお、基層部中の層に含まれていてもよいポリエステル系樹脂の結晶化度についても同様である。
上記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、溶融挙動や収縮挙動の観点から、15,000〜100,000が好ましく、より好ましくは15,000〜90,000、さらに好ましくは30,000〜90,000、特に好ましくは30,000〜80,000である。2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、50,000〜70,000が特に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、70℃以下が好ましく、より好ましくは70℃未満、さらに好ましくは69℃以下である。上記Tgが70℃以下であると、ヘイズ値(60%熱収縮)をより低下させることができ、高収縮部の透明性により優れる。また、シュリンクフィルムを比較的低温で高倍率に延伸することができ、さらに高倍率の延伸によっても白化しにくい。上記Tgの下限は、例えば40℃、好ましくは50℃である。上記Tgは、ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸やジオール等の種類や変性に用いる共重合成分(変性成分)の共重合比率により制御できる。
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記ポリエステル系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、Eastman Chemical(イーストマンケミカル)社製「EMBRACE 21214」、「EMBRACE LV」(以上CHDM共重合PET)や、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット MGG200」(2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET)、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット E02」(NPG共重合PET)、SKケミカル社製「スカイグリーン」等が市場で入手できる。
表面層中のポリエステル系樹脂の含有量は、表面層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上であり、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であり、又は100%未満であってもよく、99重量%以下、98重量%以下であってもよい。上記含有量が50重量%以上であることにより、高収縮率での熱収縮性が高く、熱収縮率(100℃、10秒)を高くすることができる。また、ヘイズ値(60%熱収縮)を低くすることができ、高収縮部の透明性に優れる。さらに、ラベルの剛性が高くなる。上記ポリエステル系樹脂の含有量は、表面層中に含まれる全てのポリエステル系樹脂の含有量の合計である。
表面層は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。上記ポリエステル系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂以外の樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。表面層がポリエステル系樹脂以外の樹脂を含有する場合には、当該樹脂の含有量は、表面層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以下(例えば、0重量%を超えて50重量%以下)であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。なお、表面層は、上記ポリエステル系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよいが、含まないことが最も好ましい。
表面層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)、軟化剤、相溶化剤等の添加剤を含有してもよい。
<基層部>
本発明のシュリンクフィルムにおける基層部は、基層部は、基層部中の層として、ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層(A層)を少なくとも有することが好ましい。即ち、本発明のシュリンクフィルムは、基層部と、上記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、上記表面層がポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層であり、上記基層部がA層を少なくとも有するシュリンクフィルムであることが好ましい。
上記基層部は、シュリンクフィルム中の表面層に挟まれた部分である。上記基層部は、層を1〜65層含むことが好ましく、5〜65層含むことがより好ましい。また、基層部は、基層部中の層として、ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層(A層)を少なくとも有することが好ましい。このように基層部がA層を有し、さらに5層以上に多層化されている場合、A層1層あたりの厚みを比較的薄くすることができるため、本発明のシュリンクフィルムは、従来のポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含むフィルムよりもヘイズ値(60%熱収縮)をより低くすることができ、熱収縮後もより透明性に優れる。また、熱収縮時の収縮挙動が緩やかであるため収縮仕上がりに優れ、特に高い収縮率の熱収縮後にシワが生じにくく、印刷層の収縮白化を抑制し高収縮部もより透明性に優れる。さらに、剛性を高くすることができる。なお、本明細書において、上記「ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層」を、「A層」と称する場合がある。
基層部がA層を含む且つ層を1層のみ含む場合、本発明のシュリンクフィルムは、表面層/A層/表面層]の層構成を有する。
また、基層部が層を2層以上含む場合、基層部は、特に限定されないが、基層部中の層として、さらに接着樹脂層を少なくとも1層含むことが好ましい。特に、基層部中の最外層として接着樹脂層を含むことがより好ましい。基層部が上記接着樹脂層を基層部の最外層として含む場合、表面層と基層部中のA層との接着性を向上させ、高収縮率での熱収縮後においても層間剥離を起こりにくくすることができる。また、上記接着樹脂層はA層とA層との間に介在させても接着性が損なわれることがないため、基層部において上記接着樹脂層をA層間に介在させることにより、シュリンクラベルの剛性を高くすることにも使用できる。
基層部が層を3層以上含む場合、基層部は、基層部中の層であって、厚み方向の両端面に位置する2つの最外層と、当該最外層に挟まれた厚み方向内側に位置する複数の中間層とによって構成される。即ち、基層部は、[最外層/中間層(/・・・/中間層)/最外層]の構成を有する。基層部中に複数のA層がある場合、基層部中の複数のA層のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。同様に、基層部中に複数の接着樹脂層がある場合、基層部中の複数の接着樹脂層のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。また、基層部は、本発明の効果を損なわない範囲内で、A層、接着樹脂層以外の層を含んでいてもよい。さらに、上記A層、上記接着樹脂層は、それぞれ、基層部の最外層であってもよいし、中間層であってもよく、又はその両方として基層部に含まれていてもよい。
(A層)
A層は、層中に、ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層である。
A層は、ポリスチレン系樹脂を必須成分として含む。上記ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、A層は、特に限定されないが、上記ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。
上記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を必須の単量体(モノマー)成分として構成される重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。
上記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。中でも、入手し易さ、材料価格等の観点から、スチレンが好ましい。なお、上記スチレン系単量体は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレンの単独重合体である汎用ポリスチレン(GPPS)等のスチレン系単量体の単独重合体;二種以上のスチレン系単量体のみを単量体成分として構成される共重合体;スチレン−ジエン系共重合体;スチレン−重合性不飽和カルボン酸エステル系共重合体等の共重合体;ポリスチレンと合成ゴム(例えば、ポリブタジエンやポリイソプレン等)の混合物、合成ゴムにスチレンをグラフト重合させたポリスチレン等の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);スチレン系単量体を含む重合体(例えば、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合体)の連続相中にゴム状弾性体を分散させ、該ゴム状弾性体に前記共重合体をグラフト重合させたポリスチレン(グラフトタイプ耐衝撃性ポリスチレン「グラフトHIPS」という);スチレン系エラストマー等が挙げられる。上記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。なお、上記ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエン系共重合体は、スチレン系単量体及びジエン(特に、共役ジエン)を必須の単量体成分として構成される共重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位、及びジエン(特に、共役ジエン)に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。
上記ジエンとしては、特に限定されないが、共役ジエンが好ましく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレン等が挙げられる。中でも、延伸特性、熱収縮性、層間強度の観点から、1,3−ブタジエンが特に好ましい。即ち、上記スチレン−ジエン系共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。なお、上記ジエンは、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエン系共重合体を構成する単量体成分は、さらに、上記スチレン系単量体及び上記ジエン以外の単量体成分を含んでいてもよい。上記スチレン系単量体及び上記ジエン以外の単量体成分としては、例えば、ビニル系モノマー、重合性不飽和カルボン酸エステル、重合性不飽和無水カルボン酸等が挙げられる。
上記スチレン−ジエン系共重合体の共重合の形態は、特に限定されないが、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。中でも、ブロック共重合体が好ましく、例えば、スチレンブロック(S)−ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型等が挙げられる。
上記スチレン−ジエン系共重合体のブロック共重合体(スチレン−ジエンブロック共重合体)としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)等のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBC)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等のスチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体(SBIS)等のスチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられ、中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。なお、これらのブロック共重合体は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ブタジエンブロック共重合体としては、スチレン系単量体のみが重合したスチレンブロックとブタジエンのみが重合したブタジエンブロックとを有する共重合体であればよく、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBSBS)等のスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(SBSB)等のスチレンブロック及びブタジエンブロックをそれぞれ末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSB)、ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSBSB)等のブタジエンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体等が挙げられる。中でも、スチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましく、より好ましくはSBSである。なお、これらのスチレン−ブタジエンブロック共重合体は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエンブロック共重合体は、公知乃至慣用のブロック共重合体の製造方法により製造することができる。上記スチレン−ジエンブロック共重合体の製造方法としては、例えば、スチレン−ジエンブロック共重合体の分子量、分子量分布及び末端構造等を制御しやすい、リビング重合(リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合等)が挙げられる。上記リビング重合は公知乃至慣用の方法により実施可能である。
上記スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量が、スチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、50〜95重量%が好ましく、より好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは65〜85重量%、特に好ましくは70〜80重量%である。上記含有量が50重量%以上であると、シュリンクフィルムを適度に硬くし、シュリンクラベルの剛性を適度に高くし、シュリンクラベルを装着する際の収縮特性が良好となる傾向がある。上記含有量が95重量%以下(特に、85重量%以下)であると、ヘイズ値(60%熱収縮)がより低下し、高収縮部の透明性により優れる傾向がある。また、適度な収縮応力と収縮特性を得ることができる傾向がある。
上記スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、ジエンに由来する構成単位の含有量が、スチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。上記含有量が50重量%以下であると、シュリンクフィルムを適度に硬くし、シュリンクラベルの剛性を適度に高くし、シュリンクラベルを装着する際の収縮特性が良好となる傾向がある。上記含有量が5重量%以上(特に、15重量%以上)であると、未延伸フィルムを高倍率で延伸する際にも破断しにくく、高い熱収縮性を有するシュリンクフィルムが得やすくなる。また、ヘイズ値(60%熱収縮)がより低下し、高収縮部の透明性により優れる傾向がある。また、適度な収縮応力と収縮特性を得ることができる傾向がある。
なお、A層中に含まれるスチレン−ジエン系共重合体が二種以上のスチレン−ジエン系共重合体を含む場合、上記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量、及びジエンに由来する構成単位の含有量は、それぞれ、全てのスチレン−ジエン系共重合体中の含有量である。
上記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、上記スチレン−ジエン系共重合体の組成(各スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる各構成単位の含有量、及び層中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体中の各スチレン−ジエン系共重合体の含有量)により制御することができる。より具体的には、例えば、上記スチレン−ジエン系共重合体が、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs1(重量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd1(重量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS1)と、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs2(重量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd2(重量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS2)のみから構成される樹脂混合物であり、上記樹脂混合物(PS1とPS2の樹脂混合物)100重量%中のPS1の含有量がW1(重量%)、PS2の含有量がW2(重量%)である場合には、上記樹脂混合物中のスチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、一般的に、以下のように制御できる。なお、後述の接着樹脂層中に含まれていてもよいスチレン−ジエン系共重合体のスチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量についても同様である。
スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量(重量%)=(s1×W1+s2×W2)/100
ジエンに由来する構成単位の含有量(重量%)=(d1×W1+d2×W2)/100
上記構成単位(スチレン系単量体に由来する構成単位及びジエンに由来する構成単位)や上記構成単位の含有量の分析・測定は、特に限定されないが、例えば、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)等により行うことができる。なお、他の樹脂層(接着樹脂層等)や樹脂における構成単位や構成単位の含有量の分析・測定も同様にして行うことができる。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、水素添加されていてもよい。即ち、上記ポリスチレン系樹脂は、水素添加されたポリスチレン系樹脂(水添ポリスチレン系樹脂)であってもよい。上記水添ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、SBSやSISに水素を添加した樹脂である水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)や水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等の水素添加されたスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。上記水添ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、極性基が導入されていてもよい。即ち、上記ポリスチレン系樹脂は、極性基が導入されたポリスチレン系樹脂(変性ポリスチレン系樹脂)であってもよい。なお、上記変性ポリスチレン系樹脂には、極性基が導入された水添ポリスチレン系樹脂が含まれる。
上記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂を主鎖骨格として、極性基を導入されたポリスチレン系樹脂である。上記極性基としては、特に限定されないが、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、水酸基等が挙げられる。中でも、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基が好ましく、より好ましくは無水マレイン酸基、エポキシ基である。上記極性基は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。上記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリエステル系樹脂と親和性が高い又は反応可能な極性基を有し、かつ、ポリスチレン系樹脂と相溶可能であることにより、ポリエステル系樹脂を主成分とする層(例えば、表面層等)やポリスチレン系樹脂を主成分とする層(例えば、他のA層等)との常温での接着性が高くなる傾向がある。
上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)の変性体、水添スチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)の変性体が好ましい。即ち、上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、酸無水物変性SEBS、酸無水物変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSが好ましく、より好ましくは、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSである。上記変性ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、軟質ポリスチレン系樹脂であってもよい。上記軟質ポリスチレン系樹脂としては、軟質性によって本発明のシュリンクフィルム中の各層間の接着性を向上させるポリスチレン系樹脂として利用できるものであれば特に限定されない。上記軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体、ゴム成分の多いHIPS(ハイインパクトポリスチレン)、ゴム成分の多いグラフトHIPS等が挙げられる。中でも、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。上記軟質ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。上記スチレン系エラストマーは、ジエン成分に由来する構成単位を含むスチレン−ジエン系共重合体エラストマーであってもよい。なお、上記ゴム成分が多いHIPSとは、ゴム成分の含有量が、HIPSの総重量(100重量%)に対して、30重量%を超えるHIPSをいう。また、上記ゴム成分が多いグラフトHIPSとは、ゴム成分の含有量が、グラフトHIPSの総重量(100重量%)に対して、30重量%を超えるグラフトHIPSをいう。
上記軟質ポリスチレン系樹脂には、水素添加された軟質ポリスチレン系樹脂(水添軟質ポリスチレン系樹脂)が含まれる。上記水添軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン系エラストマー、水添スチレン−ジエン系共重合体(特に、水素添加されたジエン成分の多いスチレン−ジエン系共重合体)が好ましい。
上記スチレン−ジエン系共重合体エラストマーは、ジエンに由来する構成単位の含有量が、スチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上のスチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくは60〜95重量%、さらに好ましくは65〜90重量%である。
上記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、収縮特性(特に、高収縮率での熱収縮性)、延伸特性(特に、高倍率で延伸する際の破断のしにくさ)、層間強度の観点から、スチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体、さらに好ましくはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、特に好ましくはスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、最も好ましくはSBSである。
上記ポリスチレン系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、電気化学工業(株)製「クリアレン 530L」、「クリアレン 730L」、旭化成(株)製「タフプレン 126S」、「アサプレン T411」、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン D1102A」、「クレイトン D1116A」、スタイロルーション社製「スタイロルクス S」、「スタイロルクス T」、旭化成ケミカルズ(株)製、「アサフレックス 840」、「アサフレックス 860」(以上、SBS)、PSジャパン(株)製「679」、「HF77」、「SGP10」、DIC(株)製「ディックスチレン XC−515」、「ディックスチレン XC−535」(以上、GPPS)、PSジャパン(株)製「475D」、「H0103」、「HT478」、DIC(株)製「ディックスチレン GH−8300−5」(以上、HIPS)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックHシリーズ」、シェルジャパン(株)製「クレイトンGシリーズ」(以上、SEBS)、JSR(株)製「ダイナロン」(水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体)、(株)クラレ製「セプトン」(SEPS)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックMシリーズ」、(株)ダイセル製「エポフレンド」、JSR(株)製「極性基変性ダイナロン」、東亞合成(株)製「レゼダ」(以上、変性ポリスチレン系樹脂)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックPシリーズ」(水添スチレン系エラストマー)等が挙げられる。
A層中に含まれる全てのポリスチレン系樹脂中のスチレン系単量体に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、A層中のポリスチレン系樹脂の総重量(100重量%)に対して、50〜95重量%が好ましく、より好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは65〜85重量%、特に好ましくは70〜80重量%である。上記含有量が50重量%以上であると、シュリンクフィルムを適度に硬くし、シュリンクラベルの剛性を適度に高くし、シュリンクラベルを装着する際の収縮特性が良好となる傾向がある。上記含有量が95重量%以下(特に、85重量%以下)であると、未延伸フィルムを高倍率で延伸する際にも破断しにくく、高い熱収縮性を有するシュリンクフィルムが得やすくなる。また、ヘイズ値(60%熱収縮)がより低下し、高収縮部の透明性により優れる傾向がある。また、適度な収縮応力と収縮特性を得ることができる傾向がある。
A層中に含まれる全てのポリスチレン系樹脂中のジエンに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、A層中のポリスチレン系樹脂の総重量(100重量%)に対して、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。上記含有量が50重量%以下であると、シュリンクフィルムを適度に硬くし、シュリンクラベルの剛性を適度に高くし、シュリンクラベルを装着する際の収縮特性が良好となる傾向がある。上記含有量が5重量%以上(特に、15重量%以上)であると、ヘイズ値(60%熱収縮)がより低下し、高収縮部の透明性により優れる傾向がある。また、適度な収縮応力と収縮特性を得ることができる傾向がある。
A層中のポリスチレン系樹脂の含有量は、A層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上であり、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、100重量%であってもよい。上記含有量が50重量%以上であることにより、収縮仕上がりに優れ、高い収縮率での熱収縮後にもシワが生じにくい。なお、A層中に二種以上のポリスチレン系樹脂が含まれる場合には、上記「A層中のポリスチレン系樹脂の含有量」は、A層中に含まれる全てのポリスチレン系樹脂の含有量の合計量である。
上記基層部がA層を3層以上含む場合、上記基層部は、特に限定されないが、80重量%以上(特に90重量%以上)のポリスチレン系樹脂を含む層を少なくとも1層有していることが特に好ましい。
A層は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。ポリスチレン系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。A層がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含む場合、中でも、ポリエステル系樹脂が好ましい。上記ポリスチレン系樹脂以外の樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。A層がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含有する場合には、当該樹脂の含有量は、A層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以下(例えば、0重量%を超えて50重量%以下)であり、好ましくは45重量%以下(例えば、5〜45重量%)、より好ましくは40重量%以下(15〜40重量%)、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。また、A層がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含有する場合における、上記A層中のポリスチレン系樹脂の含有量の上限は、100重量%未満であってもよく、好ましくは95重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。
A層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)、軟化剤、相溶化剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、A層は、フィルム製造時のフィルム片を再ペレット化された回収原料を含有していてもよい。なお、回収原料とは、製品化の前後やフィルムエッジ等の非製品部分、中間製品から製品フィルムを採取した際の残余部分や規格外品等のフィルム屑、ポリマー屑からなるリサイクル原料である。ただし、回収原料は本発明のシュリンクフィルムの製造より生じたもの(いわゆる自己回収品)が好ましい。
(接着樹脂層)
上記接着樹脂層は、基層部中の層であり、表面層と基層部中のA層との接着性を付与するための接着樹脂を含有する層である。上記接着樹脂層を基層部の最外層に含むと、表面層と基層部の接着性を向上させ、高収縮率での熱収縮後においても層間剥離を起こりにくくすることができる。また、接着樹脂層(特に、二種以上の樹脂を含有する接着樹脂層)は熱収縮後において透明性が悪化する傾向がある。しかしながら、本発明のシュリンクフィルムは、基層部中の層として接着樹脂層を含み、且つ基層部を多層化することによって接着樹脂層1層あたりの厚みを薄くすることにより、接着樹脂層を含む場合であっても透明性(特に、70%熱収縮後の透明性)に優れることを可能としている。なお、基層部において上記接着樹脂層をA層間に介在させても、接着性が損なわれることがないため、収縮速度を適正化でき、シュリンクフィルムの剛性を高くすることができる。
上記接着樹脂層は、表面層と基層部中のA層との接着性を付与するための接着樹脂層であれば特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂及び/又はポリエステル系樹脂を必須成分として含有する樹脂層であることが好ましい。
上記接着樹脂層は、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を主成分とする樹脂層;軟質ポリスチレン系樹脂、上記A層に含まれるポリスチレン系樹脂よりも柔軟なポリスチレン系樹脂(比柔軟ポリスチレン系樹脂)、及び変性ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた一種以上のポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂層;軟質ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂層等が挙げられる。上記接着樹脂層としては、中でも、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を主成分とする樹脂層であることが好ましい。上記接着樹脂層が、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を主成分とする樹脂層であると、A層のポリスチレン系樹脂は接着樹脂層のポリスチレン系樹脂と、表面層のポリエステル系樹脂は接着樹脂層のポリエステル系樹脂とそれぞれ接着することが可能となり、基層部と表面層の接着性がより向上する。
なお、上記接着樹脂層はA層であってもよいし、後述のB層であってもよいし、A層及びB層とは異なる層であってもよい。即ち、上記接着樹脂層が、接着樹脂層の総重量(100重量%)に対してポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する場合、上記接着樹脂層はA層にも該当する。また、上記接着樹脂層が接着樹脂層の総重量(100重量%)に対してポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する場合、上記接着樹脂層は後述のB層にも該当する。基層部が基層部中の層としてA層及び接着樹脂層を有し、上記接着樹脂層がA層にも該当する場合、基層部中にはA層が二種類存在することになるが、当該二種類のA層は互いに原料組成が異なるA層(A1層とA2層)である。
上記ポリスチレン系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリスチレン系樹脂)としては、特に限定されないが、上述のA層に含まれるポリスチレン系樹脂として例示及び説明されたポリスチレン系樹脂が挙げられる。当該ポリスチレン系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。当該ポリスチレン系樹脂は、A層中に含まれるポリスチレン系樹脂と同一のポリスチレン系樹脂であってもよいし、異なるポリスチレン系樹脂であってもよいが、表面層と基層部、A層同士の接着性の観点から、同一のポリスチレン系樹脂であることが好ましい。当該ポリスチレン系樹脂としては、スチレン−ジエン系共重合体、スチレン系エラストマー(特に、スチレン−ジエン系共重合体エラストマー)が好ましく、より好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体、さらに好ましくはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、特に好ましくはスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、最も好ましくはSBSである。
上記ポリスチレン系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリスチレン系樹脂)がスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の場合には、当該スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、収縮特性、剛性の観点から、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量が、接着樹脂層中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、20重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは65重量%以上、特に好ましくは70重量%以上である。上記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量の上限は、特に限定されないが、接着樹脂層中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、95重量%が好ましく、より好ましくは90重量%、さらに好ましくは85重量%、特に好ましくは80重量%である。上記含有量が95重量%以下であると、シュリンクフィルムの層間強度が向上する傾向がある。上記含有量が20重量%以上であると、接着樹脂層が適度な硬さを有し、シュリンク加工時(加温時)に層間剥離がより生じにくくなる傾向がある。
上記ポリスチレン系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリスチレン系樹脂)がスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)である場合には、当該スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、収縮特性、剛性の観点からジエン(若しくはブタジエン)に由来する構成単位の含有量が、接着樹脂層中の全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、5重量%以上が好ましく、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。上記ジエン(若しくはブタジエン)に由来する構成単位の含有量の上限は、特に限定されないが、接着樹脂層中の全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、80重量%以下が好ましく、より好ましくは50重量%未満、さらに好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。上記含有量が5重量%以上であると、シュリンクフィルムの層間強度が向上する傾向がある。上記含有量が80重量%以下であると、接着樹脂層が適度な硬さを有し、シュリンク加工時(加温時)に層間剥離がより生じにくくなる傾向がある。なお、特に、接着樹脂層中に含まれるポリスチレン系樹脂のジエンに由来する構成単位の含有量は、A層に含まれるポリスチレン系樹脂のジエンに由来する構成単位の含有量と同じかこれよりも多いことが好ましい。
なお、上記スチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS))が二種以上のスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)を含む混合樹脂である場合、上記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量、及び上記ジエンに由来する構成単位の含有量は、それぞれ、混合樹脂に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体中の含有量である。
上記スチレン−ジエン系共重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの延伸特性の観点から、50℃以上(例えば、50〜80℃)が好ましく、より好ましくは60℃以上(例えば、60〜80℃)である。
上記ポリエステル系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリエステル系樹脂)としては、特に限定されないが、上述の表面層に含まれるポリエステル系樹脂として例示及び説明されたポリエステル系樹脂が挙げられる。当該ポリエステル系樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。当該ポリエステル系樹脂は、表面層中に含まれるポリエステル系樹脂と同一のポリエステル系樹脂であってもよいし、異なるポリエステル系樹脂であってもよいが、表面層と基層部中のA層との層間剥離を低減させる観点からは、同一のポリエステル系樹脂であることが好ましい。
上記ポリエステル系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリエステル系樹脂)としては、中でも、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。上記芳香族ポリエステル系樹脂は、実質的に非晶性の芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、より好ましくは、非晶性の飽和ポリエステル系樹脂である芳香族ポリエステル系樹脂である。
上記芳香族ポリエステル系樹脂としては、中でも、変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、より好ましくはCHDM共重合PET、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET(特に、NPG共重合PET)、さらに好ましくはCHDM共重合PETである。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、70℃以下が好ましく、より好ましくは70℃未満、さらに好ましくは69℃以下である。上記Tgが70℃以下であると、ヘイズ値(60%熱収縮)をより低下させることができ、高収縮部の透明性により優れる。上記Tgの下限は、例えば40℃、好ましくは50℃である。上記Tgは、ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸やジオール等の種類や変性に用いる共重合成分(変性成分)の共重合比率により制御できる。
上記接着樹脂層が、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を主成分とする樹脂層である場合、上記混合樹脂の含有量(即ち、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の合計の含有量)は、特に限定されないが、表面層と基層部中のA層との接着性を向上させ、層間剥離をより起こりにくくする観点から、接着樹脂層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であってよい。
上記ポリスチレン系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリスチレン系樹脂)の含有量は、特に限定されないが、表面層と基層部中のA層との接着性を向上させ、層間剥離をより起こりにくくする観点から、接着樹脂層の総重量(100重量%)に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは25〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。
上記ポリエステル系樹脂(混合樹脂として接着樹脂層中に含まれるポリエステル系樹脂)の含有量は、特に限定されないが、表面層と基層部中のA層との層間強度を向上させ、層間剥離をより起こりにくくする観点から、接着樹脂層の総重量(100重量%)に対して、10〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは30〜75重量%、特に好ましくは40〜70重量%である。
上記接着樹脂層が、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を主成分とする樹脂層である場合、上記接着樹脂層中のポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂の重量比は、特に限定されないが、[前者/後者]=30/70〜75/25であることが好ましく、より好ましくは40/60〜70/30である。
上記接着樹脂層が、軟質ポリスチレン系樹脂、比柔軟ポリスチレン系樹脂、及び変性ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた一種以上のポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂層である場合の軟質ポリスチレン系樹脂、変性ポリスチレン系樹脂としては、例えば、上述のA層に含まれるポリスチレン系樹脂として例示及び説明された軟質ポリスチレン系樹脂、変性ポリスチレン系樹脂が挙げられる。上記軟質ポリスチレン系樹脂に含まれる水添軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン系エラストマー、水添スチレン−ジエン系共重合体(特に、水素添加されたジエン成分の多いスチレン−ジエン系共重合体)が好ましい。
上記軟質ポリスチレン系樹脂であるスチレン−ジエン系共重合体エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、表面層と基層部、又は、A層同士の接着性の観点から、20℃以下が好ましく、より好ましくは10℃以下、さらに好ましくは0℃以下ある。
上記変性ポリスチレン系樹脂における極性基としては、特に限定されないが、中でも、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基が好ましく、より好ましくは無水マレイン酸基、エポキシ基である。上記変性ポリスチレン系樹脂は、表面層に含まれるポリエステル系樹脂と親和性が高い又は反応可能な極性基を有し、かつ、A層に含まれるポリスチレン系樹脂と相溶可能であることにより、接着樹脂層はA層との接着性が良好で、表面層との常温での接着性が向上する傾向がある。
上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、SEBSの変性体、SEPSの変性体が好ましい。即ち、上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、酸無水物変性SEBS、酸無水物変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSが好ましく、より好ましくは、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSである。
上記比柔軟ポリスチレン系樹脂は、例えば、スチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)であって、A層に使用されているポリスチレン系樹脂(スチレン−ジエン系共重合体)よりもジエンの含有量が多いことが好ましい。例えば、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量は、接着樹脂層中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、20〜95重量%が好ましく、より好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは55〜90重量%、特に好ましくは60〜80重量%である。他方、ジエン(若しくはブタジエン)に由来する構成単位の含有量は、接着樹脂層中の全てのスチレン−ジエン系共重合体(若しくはSBS)の総重量(100重量%)に対して、5〜80重量%が好ましく、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
上記接着樹脂層が軟質ポリスチレン系樹脂、比柔軟ポリスチレン系樹脂、及び変性ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれた一種以上のポリスチレン系樹脂を主成分とする樹脂層である場合、上記軟質ポリスチレン系樹脂、上記比柔軟ポリスチレン系樹脂、及び上記変性ポリスチレン系樹脂の合計の含有量は、特に限定されないが、表面層と基層部の接着性を向上させ、層間剥離をより起こりにくくする観点から、接着樹脂層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは60〜90重量%である。
上記接着樹脂層は、表面層と基層部中のA層との接着性を向上させる目的で、必要に応じて、さらに、例えば、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、水添テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、水添クマロン系樹脂、石油樹脂等の粘着付与樹脂;ポリオレフィン系樹脂;芳香族系炭化水素樹脂;フェノール系樹脂;脂環族系炭化水素樹脂;天然ゴムや合成ゴムのエラストマー等を含んでいてもよい。また、上記接着樹脂層は、必要に応じて、他の成分(添加成分)、例えば、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)、軟化剤、相溶化剤等を含んでいてもよい。これらの成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。また、接着樹脂層は、フィルム製造時のフィルム片を再ペレット化された回収原料を含有していてもよい。
基層部は、特に限定されないが、基層部中の層として、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層を有していてもよい。なお、基層部中のポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層を、「B層」と称する場合がある。B層中のポリエステル系樹脂の含有量は、B層の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上であり、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されないが、100重量%であり、又は100%未満であってもよく、99重量%以下、98重量%以下であってもよい。基層部が上記B層を含むことにより、熱収縮性を高くすることができる。また、透明性に優れる。さらに、本発明のシュリンクフィルムを用いたシュリンクラベルの剛性が高くなる。上記ポリエステル系樹脂の含有量は、B層中に含まれる全てのポリエステル系樹脂の含有量の合計である。
基層部は、特に限定されないが、基層部中の層として、A層、B層、及び上記接着樹脂層以外の層(「E層」と称する場合がある)を有していてもよい。なお、基層部中に複数のE層がある場合、複数のE層のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。また、E層は、基層部の最外層であってもよいし中間層であってもよい。
上記E層は、表面層や基層部中の各層(A層等)と積層可能な層であれば特に限定されない。上記E層としては、例えば、本発明のシュリンクフィルムやシュリンクラベルに各種機能を付与する層が挙げられる。上記E層は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂層等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
(基層部の層構成、物性等)
基層部中に含まれる層の層数は、特に限定されないが、上述のように5〜65層であることが好ましく、より好ましくは5〜33層、さらに好ましくは9〜33層である。上記層数が5層以上であると、基層部を構成する各層の層厚みが薄くなり、光散乱しにくくなることで、シュリンクフィルムのヘイズが低くなり、基層部が単層である同じ厚みのシュリンクフィルムと比較して透明性に優れる。このため、ヘイズ値(60%熱収縮)を低くすることができ、高収縮部の透明性により優れる。一方、上記層数が65層以下であると、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)をシュリンクラベルに適した範囲にする場合に、A層等の基層部中の各層の厚み(1層あたりの厚み)が薄くなりすぎることを防止し、A層を用いることの効果を維持しやすく、収縮仕上がりの向上効果がより得られる傾向がある。また、シュリンクフィルム及びシュリンクラベルの剛性が向上し、腰が強くなる傾向がある。
基層部はA層を含む場合、基層部中のA層の層数は、1層以上であり、好ましくは2層以上、より好ましくは3層以上、さらに好ましくは4層以上である。上記A層の層数の上限は、特に限定されないが、65層以下であればよく、好ましくは33層以下、より好ましくは17層以下である。
基層部が上記接着樹脂層を含む場合、基層部中の接着樹脂層の層数は、1層以上であり、好ましくは2層以上、より好ましくは3層以上、さらに好ましくは5層以上である。接着樹脂層の層数の上限は、特に限定されないが、64層以下であればよく、好ましくは33層以下、より好ましくは17層以下である。なお、接着樹脂層がA層でもある場合、接着樹脂層の層数の上限は65層であってもよい。
基層部がA層及び上記接着樹脂層を有する場合、A層と接着樹脂層の合計の層数は、特に限定されないが、5〜65層が好ましく、より好ましくは5〜33層、さらに好ましくは9〜33層である。
基層部がA層及び上記接着樹脂層を有する場合、A層と接着樹脂層の合計の層数は、特に限定されないが、基層部中の層数に対して、50%以上となる層数であることが好ましく、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。なお、A層と接着樹脂層の合計の層数の上限は、100%であってもよく、この場合、基層部はA層と接着樹脂層のみから形成される。
基層部がA層及び上記接着樹脂層を有する場合、基層部は、A層と接着樹脂層とが隣接する積層構成を有することが好ましい。基層部が上記積層構成を有すると、A層は接着樹脂層との接着性に問題がなく、収縮速度を適正化したり、シュリンクラベルの圧縮強度や剛性を高くしたりすることにも使用できるため、好ましい。
基層部が、基層部中の層としてA層及び接着樹脂層を有する場合、基層部において、接着樹脂層は、特に限定されないが、表面層以外に隣接する層がA層であることが好ましく、表面層以外に隣接する全ての層がA層であることがより好ましい。特に、基層部において、A層及び接着樹脂層は、特に限定されないが、交互に積層されていることが好ましく、他の層を介さずに、交互に直接積層されていることがより好ましい。即ち、基層部が、基層部中の層として接着樹脂層を有する場合、基層部は、層として、A層及び接着樹脂層を、交互に含むことが最も好ましい。
基層部が1層で構成される場合、基層部はA層1層のみで構成されることが好ましい。基層部が2層で構成される場合、基層部の積層構成は、(A層/接着樹脂層)、(A1層/A2層)、(A層/E層)、(A層/B層)が挙げられる。基層部が3層で構成される場合、基層部の積層構成は、(A層/接着樹脂層/A層)、(接着樹脂層/A層/接着樹脂層)、(A1層/A2層/A1層)、(A2層/A1層/A2層)、(E層/A層/E層)、(A層/E層/A層)、(A1層/A2層/A3層)、(A層/B層/A層)、(B層/A層/B層)(B層/A1層/A2層)、(B1層/B2層/A層)等が挙げられる。中でも、(接着樹脂層/A層/接着樹脂層)が特に好ましい。なお、上記A1層、上記A2層、及び上記A3層は、それぞれ、原料組成が異なるA層である。また、上記B1層及び上記B2層は、原料組成が異なるB層である。
基層部が層を3層以上(好ましくは5層以上、より好ましくは9層以上)含む場合、基層部は、「A層/接着樹脂層」の積層構成を少なくとも含むことが好ましい。
基層部が、層を3層以上(好ましくは5層以上、より好ましくは9層以上)含み、A層と接着樹脂層のみから形成されている場合、基層部の積層構成は、中でも、「A層/接着樹脂層」を繰り返し単位として繰り返す積層構成となっていることが好ましい。このような積層構成としては、例えば、(A層/接着樹脂層/A層/接着樹脂層/・・・・/A層/接着樹脂層/A層)、(接着樹脂層/A層/接着樹脂層/A層/・・・・/接着樹脂層/A層/接着樹脂層)、(A層/接着樹脂層/A層/接着樹脂層/・・・・/A層/接着樹脂層)若しくは(接着樹脂層/A層/接着樹脂層/A層/・・・・/接着樹脂層/A層)となっていることが好ましい。また、基層部の両面の最外層は、A層でもよいし、接着樹脂層でもよいが、両面とも接着樹脂層が好ましい。基層部の最外層に接着樹脂層を用いると、表面層と基層部の間でシュリンク加工時(熱収縮時)に生じやすい層間剥離を抑制することができ、好ましい。
特に限定されないが、基層部がA層又は接着樹脂層を2層以上有する場合、上記積層構成においては、全てのA層が同じ原料から形成されていることが好ましく、全ての接着樹脂層が同じ原料から形成されていることが好ましい。即ち、A層同士、接着樹脂層同士は、それぞれ、同じ原料から形成されていることが好ましい。特に、全てのA層は同じ組成の層であることが好ましく、全ての接着樹脂層は同じ組成の層であることが好ましい。
(本発明のシュリンクフィルムの構成、物性等)
本発明のシュリンクフィルムは、上記基層部と、上記表面層を含む。上記表面層は、上記基層部の両面側に積層され、基層部の一面側と他面側とにそれぞれ設けられている。
本発明のシュリンクフィルム中のポリエステル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの総重量(100重量%)に対して、40重量%以上が好ましく、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。上記含有量が40重量%以上であると、熱収縮性がより向上する。上記含有量の上限は、特に限定されないが、80重量%が好ましく、より好ましくは75重量%、さらに好ましくは70重量%である。
本発明のシュリンクフィルム中のポリスチレン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの総重量(100重量%)に対して、20重量%以上が好ましく、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。上記含有量が20重量%以上であると、本発明のシュリンクフィルムを用いたシュリンクラベルの収縮仕上がりがより優れる。上記含有量の上限は、特に限定されないが、60重量%が好ましく、より好ましくは55重量%、さらに好ましくは50重量%である。
本発明のシュリンクフィルムの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは20〜45μmである。上記厚みが10μm以上であると、剛性が高くなる。
表面層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、1〜15μmが好ましく、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは2.5〜8μm、特に好ましくは5〜8μmである。上記厚みが1μm以上であると、シュリンクフィルムの熱収縮性が向上し、熱収縮率(100℃、10秒)がより向上する。また、耐溶剤性が向上し、印刷層を設ける際の印刷インキに起因する白化が起こりにくく、より透明性に優れる傾向がある。また、剛性が向上する。なお、本発明のシュリンクフィルム中の、基層部の両面側のそれぞれの表面層の厚みは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対する表面層の厚みの割合は、特に限定されないが、3%以上が好ましく、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上である。上記割合の上限は、80%が好ましく、より好ましくは75%、さらに好ましくは70%、特に好ましくは65%である。また、基層部が層を5〜65層有する場合は、上記割合は、5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、さらに好ましくは20〜60%、特に好ましくは30〜50%である。上記割合が10%以上であると、シュリンクフィルムの熱収縮性が向上し、熱収縮率(100℃、10秒)がより向上する。また、耐溶剤性が向上し、印刷層を設ける際の印刷インキに起因する白化が起こりにくく、より透明性に優れる傾向がある。また、剛性が向上する。なお、上記表面層の厚みの割合は、本発明のシュリンクフィルムに含まれる全ての表面層の合計の厚みの割合である。
基層部の厚みは、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、より好ましくは8〜90μm、さらに好ましくは10〜45μm、特に好ましくは11〜40μmである。上記厚みが5μm以上であると、剛性が向上する。
基層部中の層(A層、B層、接着樹脂層、E層等)の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。上記厚みの上限は、特に限定されないが、15μmが好ましく、より好ましくは10μm、さらに好ましくは8μmである。上記厚みが0.1μm以上であると、剛性が向上する。上記厚みが15μm以下であると、各層の厚みが薄くなり、シュリンクフィルムの透明性がより向上する傾向がある。なお、基層部中の層の厚みは、それらのうちの全て又は一部が同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、基層部の最外層は、基層部の中間層よりも薄くなっていてもよい。
シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対する、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層(例えば、表面層、B層)の厚みの割合は、特に限定されないが、20〜95%が好ましく、より好ましくは30〜90%、さらに好ましくは40〜85%、特に好ましくは55〜80%である。なお、本発明のシュリンクフィルム中に2以上のポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層が存在する場合、上記厚みの割合は、2以上のポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層の合計の厚みの割合である。
基層部がA層を有する場合、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対するA層の厚みの割合は、特に限定されないが、5〜80%が好ましく、より好ましくは10〜70%、さらに好ましくは15〜60%、特に好ましくは20〜45%である。上記割合が5%以上であると、より収縮仕上がりに優れ、特に高い収縮率での熱収縮後にシワがより生じにくい。なお、上記A層の厚みの割合は、本発明のシュリンクフィルムに含まれる全てのA層の合計の厚みの割合である。
基層部がA層を有する場合、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対するポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層の厚みとA層の厚みの合計の割合は、特に限定されないが、50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。上記割合の上限は、100%であってもよい。
基層部がA層を有する場合、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層の厚み(全てのポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層の厚みの合計)とA層の厚み(全てのA層の厚みの合計)の比[(ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層の厚み):(A層の厚み)]は、特に限定されないが、5:95〜95:5が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10である。上記の比が5:95よりもポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する層が厚いと、シュリンクフィルムの熱収縮性が向上する。また、剛性が向上する。上記の比が5:95よりもA層が厚いと、収縮仕上がりがより向上する。
基層部がA層及び接着樹脂層を有する場合、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対するA層の厚みの割合は、特に限定されないが、5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上である。上記割合の上限は、75%が好ましく、より好ましくは65%、さらに好ましくは60%、特に好ましくは55%である。なお、基層部中に2以上のA層が存在する場合、上記A層の厚みの割合は、2以上のA層の合計の厚みの割合である。
基層部がA層及び接着樹脂層を有する場合、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)に対する接着樹脂層の厚みの割合は、特に限定されないが、2〜75%が好ましく、より好ましくは5〜60%、さらに好ましくは10〜55%である。なお、上記接着樹脂層の厚みの割合は、本発明のシュリンクフィルムに含まれる全ての接着樹脂層の合計の厚みの割合である。また、接着樹脂層がA層でもある場合は、接着樹脂層の厚みの割合は上記範囲に限定されない。
基層部がA層及び接着樹脂層を有する場合、上記A層の厚み(全てのA層の厚みの合計)と上記接着樹脂層の厚み(全ての接着樹脂層の厚みの合計)の比[(A層の厚み):(接着樹脂層の厚み)]は、特に限定されないが、5:95〜95:5が好ましく、より好ましくは10:90〜90:10である。上記の比が5:95よりもA層が厚いと、収縮仕上がりが向上する。
本発明のシュリンクフィルムは、熱収縮性を発揮する観点から、少なくとも一方向に配向したフィルム(例えば、一方向に配向したフィルムや、一方向及び一方向と異なる方向に配向したフィルム)であることが好ましい。さらに、全てのフィルム層(表面層、A層、接着樹脂層等)が少なくとも一方向に配向したフィルムであることが好ましい。シュリンクフィルムとしては、特に一方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は一方向及び一方向と直交する方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、1軸配向フィルム(一方向に主に延伸され、当該一方向と直交する方向にわずかに延伸された、実質的に一方向に延伸されたフィルムを含む)が一般的に用いられる。
上記少なくとも一方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも一方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向及び当該一方向と直交する方向に延伸することで得られる。なお、本発明のシュリンクフィルムを用いたシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
本発明のシュリンクフィルム(未収縮時)のヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、単位:%]は、特に限定されないが、4%以下が好ましく、より好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは3.2%以下である。ヘイズ値が4%以下であると、ヘイズ値(60%熱収縮)がより低くなる。
本発明のシュリンクフィルム(未収縮時)のヘイズ値と、本発明のシュリンクフィルムを主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値との差は、特に限定されないが、2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
図4は、本発明のシュリンクフィルムの好ましい一例を示す概略図(部分断面図)である。図4に記載の本発明のシュリンクフィルム11は表面層12と基層部13とを有し、基層部132は、層を9層有し、その最外層(表面層12と接する層)を接着樹脂層13aとし、接着樹脂層13aとA層13bとが、交互に、合計9層積層されて形成されている。表面層12と基層部13の最外層となる接着樹脂層13aとは他の層を介することなく直接積層されている。また、全ての接着樹脂層13a間にA層13bが介在している。なお、図4に記載の本発明のシュリンクフィルム11において、接着樹脂層13aとA層13bは、逆の位置関係であってもよい。
[透明保護印刷層]
本発明のシュリンクラベルにおける透明保護印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの片面に設けられている。具体的には、透明保護印刷層は、透明領域(T1)に少なくとも設けられている。また、上記透明保護印刷層は、必要に応じて透明領域(T2)にも設けられている。
また、上記透明保護印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの表面(透明印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。また、上述のようにドット状、メッシュ状等に設けられていてもよい。
上記透明保護印刷層としては、公知乃至慣用のラベル用の透明保護印刷層を用いることができる。透明保護印刷層は、シュリンクラベルを構成するシュリンクフィルムや各層を保護する役割を有する保護印刷層である。なお、透明印刷層とは、当該印刷層を通して隣接する層を視認することができる程度の透明性を有する印刷層をいう。上記透明保護印刷層は、透明であればよく、有色、無色のどちらでもよいが、無色(即ち、無色透明)であることが好ましい。
上記透明保護印刷層は、本発明のシュリンクラベルの最表面に設けられていることが好ましい。
上記透明保護印刷層は、特に限定されないが、高収縮部における透明性の観点で、溶剤乾燥型の印刷インキによって形成される溶剤乾燥型の印刷層が好ましい。また、上記透明保護印刷層は、周知乃至慣用の印刷方法により設けることができる。中でも、上記透明保護印刷層は、グラビア印刷法又はフレキソ印刷法によって設けられることが好ましい。
透明保護印刷層は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。また、透明保護印刷層は、さらに滑剤を含有することが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷層用のバインダー樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、透明保護印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂(ニトロセルロース系樹脂を含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、塩素化ポリプロピレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等の変性オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、高収縮部の透明性の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。上記バインダー樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、アクリル系モノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分にはアクリル系モノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよい。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などの、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(アクリロイル基又はメタクリロイル基を少なくとも有するモノマー)が挙げられる。上記アクリル系モノマーは、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」、あるいはその両方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリロニトリル」等他についても同様である。
上記アクリル系モノマー以外のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のアクリル系モノマーの含有量、即ち、アクリル系樹脂(100重量%)中のアクリル系モノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、シュリンクフィルムとの密着性の観点から、80重量%以上(例えば、80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(例えば、90〜100重量%)である。
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、透明保護印刷層の耐摩耗性、シュリンクフィルムとの密着性の観点から、2万〜25万が好ましく、より好ましくは3万〜20万である。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
上記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、透明保護印刷層の耐摩耗性、耐熱性向上の観点から、30〜120℃が好ましく、より好ましくは40〜100℃である。なお、本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記アクリル系樹脂は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ(BRシリーズ、LRシリーズ等)」などが市場で入手可能である。
上記滑剤としては、特に限定されず、公知乃至慣用のコーティング層、コーティング剤において用いられる滑剤を用いることができる。上記滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン系ワックス等のポリオレフィン系ワックス、脂肪酸アマイド、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ワックス、カルナウバワックス等の各種ワックス(ワックス類)や樹脂ビーズ等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系ワックスが好ましい。上記滑剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記透明保護印刷層中のバインダー樹脂の含有量は、特に限定されないが、透明保護印刷層の総量(100重量%)に対して、50重量%以上(例えば、50〜100重量%)が好ましく、より好ましくは60重量%以上(例えば、60〜99重量%)、さらに好ましくは70重量%以上(例えば、70〜98重量%)、さらに好ましくは80重量%以上(例えば、80〜97重量%)、特に好ましくは90重量%以上である。上記含有量が50重量%以上であると、透明保護印刷層のシュリンクフィルムとの密着性が向上し、シュリンクフィルムから剥離しにくくなる。上記含有量が99重量%以下であると、滑剤等の加えられる量が増え、印刷層の設計がしやすい。
上記透明保護印刷層が滑剤を含有する場合、上記透明保護印刷層中の滑剤の含有量は、特に限定されないが、透明保護印刷層の総量(100重量%)に対して、0.5〜25重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜18重量%である。
透明保護印刷層は、バインダー樹脂及び滑剤以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、顔料や染料等の着色剤(色材)、添加剤(例えば、硬化剤、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、ブロッキング防止剤(例えば、シリカ、酸化チタン等の無機粒子;アクリルビーズ等の樹脂ビーズ等)、スリップ剤等)等が挙げられる。また、透明保護印刷層が活性エネルギー線硬化型の印刷層である場合、上記添加剤として、重合開始剤、増感剤も挙げられる。上記成分は一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
なお、本明細書において、透明保護印刷層に含まれる各成分(例えば、バインダー樹脂、滑剤、着色剤、添加剤等)の含有量は、それぞれ、層中の含有量の合計が100重量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
上記透明保護印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。
[意匠印刷層]
本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面に、、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザイン等の有色の印刷層(意匠印刷層、カラー印刷層)を有することが好ましい。上記意匠印刷層は、特に限定されないが、本発明のシュリンクフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、本発明のシュリンクフィルムの両面側に設けられていてもよい。なお、意匠印刷層は、透明保護印刷層が設けられている側に設けられていることが好ましい。また、上記意匠印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの表面(意匠印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記意匠印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。意匠印刷層は、一般的に、色ごとに複数設けられ、複層として設けられている。
意匠印刷層は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。本発明のシュリンクラベルに不透明の意匠印刷層等が設けられた不透明な領域を有する場合、当該不透明な領域は透明領域には含まれない。
例えば図3に示すように、意匠印刷層は、透明領域(透明領域(T1)、透明領域(T2))に設けられていてもよい。透明領域に設けられている意匠印刷層は、透明の意匠印刷層(透明意匠印刷層)である。透明領域に透明意匠印刷層が設けられている領域は、有色透明の領域となる。
熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域及び熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に意匠印刷層が設けられている場合、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に設けられている意匠印刷層は、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に設けられている意匠印刷層よりも単位面積あたりの面積及び/又は厚みが小さくなるように設けられていることが好ましい。また、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域から熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域にかけて単位面積あたりの意匠印刷層の面積及び/又は厚みが低くなるようにグラデーションになっていてもよい。特に、透明領域(T1)及び透明領域(T2)に透明意匠印刷層が設けられている場合、透明領域(T2)に設けられている透明意匠印刷層は、透明領域(T1)に設けられている透明意匠印刷層よりも単位面積あたりの面積及び/又は厚みが小さくなるように設けられていることが好ましい。また、透明領域(T1)から透明領域(T2)にかけて単位面積あたりの透明意匠印刷層の面積及び/又は厚みが小さくなるようにグラデーションになっていることが好ましい。なお、意匠印刷層における「単位面積あたりの面積及び/又は厚み」に関する考え方は、透明保護印刷層におけるものと同様である。
上記意匠印刷層は、特に限定されないが、高収縮部における印刷層の収縮追従性の観点で、溶剤乾燥型の印刷層が好ましい。また、上記意匠印刷層は、周知乃至慣用の印刷方法により設けることができる。中でも、意匠印刷層は、グラビア印刷法又はフレキソ印刷法によって設けられることが好ましい。
上記意匠印刷層は、特に限定されないが、バインダー樹脂を必須成分として含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、青、赤、黄、黒、白等の着色顔料や滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。上記バインダー樹脂等は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいてバインダー樹脂として用いられる樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、上述の透明保護印刷層に含まれるバインダー樹脂として例示及び説明された樹脂が挙げられる。意匠印刷層が透明意匠印刷層である場合、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。上記着色顔料としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいて用いられる着色顔料を用いることができる。上記着色顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記着色顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
本発明のシュリンクラベルが上記意匠印刷層を有する場合、上記透明保護印刷層は、本発明のシュリンクフィルムと透明保護印刷層との間に設けられていることが好ましい。また、上記透明保護印刷層は、上記意匠印刷層を覆うように少なくとも設けられていることが好ましい。なお、透明領域(T2)に透明意匠印刷層が設けられている場合は、該透明意匠印刷層の表面には透明保護印刷層が設けられていなくてもよい。即ち、透明領域(T2)に透明意匠印刷層が設けられている場合、該透明領域(T2)における透明意匠印刷層は表面が露出していてもよい(透明意匠印刷層が最表面であってもよい)。
本発明のシュリンクラベルにおいて最表面となる意匠印刷層(例えば、透明領域(T2)に設けられており且つ透明保護印刷層が設けられていない透明意匠印刷層)は、滑剤を含有することが好ましい。なお、最表面となる意匠印刷層を有する本発明のシュリンクラベルにおいて、さらに、表面が透明保護印刷層に覆われた意匠印刷層を有する場合、最表面となる意匠印刷層を含む一部又は全ての意匠印刷層が滑剤を含有していてもよい。この場合の滑剤の含有量は、特に限定されないが、上記意匠印刷層の総重量(100重量%)に対して、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜18重量%、さらに好ましくは1〜15重量%である。なお、意匠印刷層が滑剤を含有する場合には、前記意匠印刷層中の滑剤の含有量は透明性の観点から透明保護印刷層中の滑剤の含有量よりも少ないことが好ましい。
上記意匠印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。
[背面印刷層]
本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面に、、白等の単一色で形成された不透明な背面印刷層を有していてもよい。背面印刷層が設けられた領域は、不透明な領域となり、透明領域には含まれない。上記背面印刷層は、特に限定されないが、本発明のシュリンクフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、本発明のシュリンクフィルムの両面側に設けられていてもよい。背面印刷層は、意匠印刷層とともに設けられ、本発明のシュリンクラベルを筒状ラベルとしたときの筒の外側から観察したときの、意匠印刷層により形成されるデザインの内側(背面)に設けられてデザインの背景となるとともに、内側が透けて見えることを防止する役割を有する。また、上記背面印刷層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、本発明のシュリンクフィルムの表面(意匠印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。中でも、意匠印刷層が設けられている領域に設けられていることが好ましい。さらに、上記背面印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記背面印刷層は、酸化チタンを含有する印刷層であることが好ましく、具体的には、白色を呈する印刷層であることが好ましい。上記背面印刷層は、着色顔料として酸化チタンを20〜60重量%含有し、滑剤を1〜20重量%含有する白色印刷層によって形成されていることが好ましい。
上記背面印刷層の厚みは、例えば、0.5〜5μmである。意匠印刷層と背面印刷層とを重ねて有する場合、意匠印刷層と背面印刷層とで形成された印刷層は、全体として、例えば、1〜10μmに形成されている。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、透明領域(T1)及び透明領域(T2)を有する。本発明のシュリンクラベルは、不透明領域を有していてもよい。不透明領域としては、上述の不透明な意匠印刷層が設けられた領域、透明意匠印刷層の背面に背面印刷層(例えば、不透明な白色印刷層)が設けられた領域等が挙げられる。
本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルム、上記透明保護印刷層、上記意匠印刷層、上記背面印刷層以外の層を有していてもよい。このような層としては、例えば、その他の印刷層、不織布や発泡シート等の他のフィルム層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、保護層、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、帯電防止層等が挙げられる。
本発明のシュリンクラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜110μmが好ましく、より好ましくは15〜90μm、さらに好ましくは20〜80μmである。
本発明のシュリンクラベルは、表印刷シュリンクラベルであってもよいし、裏印刷シュリンクラベルであってもよいし、両面印刷シュリンクラベルであってもよい。中でも、本発明のシュリンクフィルムは60%熱収縮された場合であってもヘイズ値が小さく透明性に優れる観点から、裏印刷シュリンクラベルが好ましい。なお、本明細書において、表印刷ラベルとは、シュリンクフィルムを通さず印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、シュリンクフィルムよりも手前に意匠印刷層があるラベルをいう。また、裏印刷ラベルとは、シュリンクフィルムを通して印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、シュリンクフィルムよりも奥側に意匠印刷層があるラベルをいう。また、両面印刷ラベルとは、シュリンクフィルムの両面側に意匠印刷層を有するラベルをいう。さらに、裏印刷シュリンクラベルとしては、透明性により優れる観点から、シュリンクフィルムの手前には印刷層が形成されていない、最外面(筒状ラベルとしたときの最外面)がシュリンクフィルムとなっているシュリンクラベルが好ましい。
また、本発明のシュリンクラベルが裏印刷シュリンクラベルである場合、シュリンクフィルム、透明な意匠印刷層及び透明保護印刷層がこの順に設けられた有色の透明領域を有するラベル、又は、シュリンクフィルム及び透明保護印刷層がこの順に設けられた無色の透明領域を有するラベルが好ましい。
[本発明のシュリンクラベルの製造方法]
本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムを作製する工程(フィルム作製工程)、及び透明保護印刷層形成工程を少なくとも含む製造方法により得られる。また、本発明のシュリンクラベルが意匠印刷層を有する場合、上記製造方法は、意匠印刷層形成工程を含む。さらに、本発明のシュリンクラベルが背面印刷層を有する場合、上記製造方法は、背面印刷層形成工程を含む。上記意匠印刷層形成工程及び背面印刷層形成工程は、特に限定されないが、フィルム作製工程と透明保護印刷層形成工程の間に有することが好ましい。また、本発明のシュリンクフィルム以外の層を形成する工程などの他の工程(上記フィルム作製工程以外の工程)を含んでいてもよい。
<フィルム作製工程>
本発明のシュリンクフィルムは、基層部と、該基層部の両面側に設けられた、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有する表面層とを有する未延伸フィルムを、延伸する段階(延伸段階)を経て製造することができる。上記未延伸フィルムは、公知乃至慣用の方法で製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
(未延伸フィルム作製段階)
本発明のシュリンクフィルムの未延伸フィルムは、溶融製膜等の慣用の方法によって作製することができる。中でも、溶融製膜法(特に、Tダイ法)が好ましい。また、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法(フィードブロック法、マルチマニホールド法等)、ドライラミネート法等を用いることができる。中でも、共押出法が好ましく、フィードブロック法が好ましい。さらに、レイヤー・マルチプライヤー(layer multiplier)を用いて、特にフィードブロックとレイヤー・マルチプライヤーを組み合わせて用いて、基層部の多層化を行うことが好ましい。上記レイヤー・マルチプライヤーは、フィルム層を多層化する装置である。上記レイヤー・マルチプライヤーでフィルム層を多層化する方法としては、特に限定されないが、フィルム層を幅方向に分割した後、分割したフィルム層を厚み方向に積層する方法が挙げられる。本明細書では、上記「レイヤー・マルチプライヤー」を、単に「マルチプライヤー」と称する場合がある。上記マルチプライヤーは、例えば、EDI社、クローレン社より入手できる。
上記共押出法(フィードブロック法)の具体的な一例を下記に説明する。例えば、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に、基層部を形成する原料、表面層を形成する原料をそれぞれ投入し、Tダイ、サーキュラーダイ等から共押出する。この際、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いて、基層部を多層化し、所定の積層構成とすることが好ましい。また必要に応じて、ギアポンプを用いて供給量を調節してもよい。さらにフィルターを用いて、異物を除去するとフィルム破れが低減できるため好ましい。なお、押出温度は、用いる原料の種類によっても異なり、特に限定されないが、150〜250℃が好ましい。また、合流部やダイの温度は200〜250℃とすることが好ましい。上記共押出したポリマーを、冷却ドラム等を用いて急冷することにより、積層未延伸フィルム(シート)を得ることができる。
上記未延伸フィルムを作製する段階(未延伸フィルム作製段階)は、特に限定されないが、基層部が、A層と接着樹脂層から形成される場合、A層を構成する原料(「原料(a)」と称する場合がある)と、接着樹脂層を構成する原料(「原料(b)」と称する場合がある)と、上記表面層を構成する原料(「原料(c)」と称する場合がある)とをそれぞれ溶融(又は溶融混練)する第1の段階;上記第1の段階で溶融(又は溶融混練)された、原料(a)と、原料(b)とを積層し、さらに多層化して積層体を形成する第2の段階;及び、上記第2の段階で形成された積層体の両面側に、上記第1の段階で溶融された、原料(c)を積層する第3の段階を少なくとも含むことが好ましい。
上記第1の段階においては、公知乃至慣用の押出機を用いて、原料(a)、原料(b)、原料(c)をそれぞれ、溶融(又は溶融混練)することが好ましい。例えば、それぞれ所定の温度に設定した3台の押出機に、原料(a)、原料(b)、原料(c)をそれぞれ投入して、溶融(又は溶融混練)を行うことができる。押出温度は、特に限定されないが、150〜250℃が好ましい。
上記第2の段階において、上記第1の段階において溶融された、原料(a)と、原料(b)とを積層し、さらに多層化された積層体は、特に限定されないが、例えば、上記溶融された原料(a)と原料(b)とを順次積層して、あるいはフィードブロックを用いて同時に積層(共押出)して形成された積層体を、マルチプライヤーを用いてさらに多層化して形成された積層体であってもよい。上記積層には、特に限定されないが、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いることが好ましい。上記フィードブロックやマルチプライヤーは、それぞれ、1のみを用いてもよいし、2以上を用いてもよい。上記積層体において、原料(a)から形成された層の層数と原料(b)から形成された層の層数の合計は5〜65層が好ましく、より好ましくは5〜33層、さらに好ましくは9〜33層である。上記第2の段階において得られた積層体は、本発明のシュリンクフィルムの基層部を形成する。
上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構成を有する積層体(「積層体1」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体1を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構造を有する積層体(「積層体2」と称する場合がある)を得ることができる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(b)/原料(a)/原料(b)]の構成を有する積層体(「積層体3」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体3を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(b)/原料(a)/原料(b)/原料(b)/原料(a)/原料(b)/・・・・/原料(b)/原料(a)/原料(b)]の構造を有する積層体(「積層体4」と称する場合がある)を得ることもできる。
他に、上記第2の段階において、原料(a)と、原料(b)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(a)及び原料(b)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(a)/原料(b)]の構成を有する積層体(「積層体5」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体5を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(b)/・・・・/原料(a)/原料(b)]の構造を有する積層体(「積層体6」と称する場合がある)を得ることができる。なお、上記積層体6は、逆から追えば、[原料(b)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(b)/原料(a)]の構造を有する積層体でもある。
上記第3の段階において、上記第2の段階で形成された積層体(例えば、積層体2、4、又は6)の両面側に、上記第1の段階で溶融された、原料(c)を積層する際には、フィードブロックを用いることが好ましい。積層された原料(c)は、本発明のシュリンクフィルムの表面層を形成する。上記第3の段階により、上記第2の段階において形成された積層体の両面側に、上記第1の段階において溶融された、原料(c)が積層された、多層構造体が得られる。
特に限定されないが、上記第1の段階、第2の段階、及び第3の段階を経て形成された積層体をTダイから共押出し、冷却ドラム等を用いて急冷することにより、積層未延伸フィルム(シート)を得ることができる。
なお、[原料(a)/原料(b)/原料(a)/原料(a)/原料(b)/原料(a)/・・・・/原料(a)/原料(b)/原料(a)]の構造を有する上記積層体2は、[A層/接着樹脂層/A層/A層/接着樹脂層/A層/・・・・/A層/接着樹脂層/A層]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、積層体2の同一素材を積層した[原料(a)/原料(a)]から形成される[A層/A層]の部分は界面が見えなくなり1つのA層となるため、[A層/接着樹脂層/A層/接着樹脂層/・・・・/A層/接着樹脂層/A層]の構造を有する基層部となる。同様に、上記積層体4の同一素材を積層した[原料(b)/原料(b)]から形成される[接着樹脂層/接着樹脂層]の部分は界面が見えなくなり1つの接着樹脂層となるため、上記積層体4に由来する基層部は、[接着樹脂層/A層/接着樹脂層/接着樹脂層/A層/接着樹脂層/・・・・/接着樹脂層/A層/接着樹脂層]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、[接着樹脂層/A層/接着樹脂層/A層/・・・・/接着樹脂層/A層/接着樹脂層]の構造を有する基層部となる。なお、上記基層部において接着樹脂層がA層でもある場合、即ち、上記基層部において、異なる2のA層(A1層及びA2層)を形成する原料を積層して形成される積層体[A1層/A2層]が存在する場合、[A1層/A2層]の部分は界面が見えるため、1つのA層とはならない。なお、表面層と基層部の最外層の層(樹脂層)とが同一の樹脂組成物を原料とする層である場合はその界面が見えなくなり、表面層と基層部の最外層の層とが1つの層(表面層)となる。
上記未延伸フィルム作製段階では、基層部がA層と接着樹脂層のみから形成されるシュリンクフィルムの場合の例を説明したが、A層及び接着樹脂層以外の層を含む場合も、同様の工程により積層未延伸フィルムを作製することができる。
(延伸段階)
本発明のシュリンクフィルムは、未延伸フィルムを延伸する段階(延伸段階)を経て製造される。さらに、未延伸フィルム作製段階、延伸段階以外の他の段階を含んでいてもよい。上記他の段階は、例えば、第1の段階の前、第3の段階の後、第1の段階と第2の段階との間、第2の段階と第3の段階との間等のいずれの位置に設けられてもよい。上記他の段階としては、特に限定されないが、表面処理を行う段階等が挙げられる。
特に、熱収縮率(100℃、10秒)が70%以上であり、且つヘイズ値(60%熱収縮)が4%以下である本発明のシュリンクフィルムを得るために、特定の構成を有する積層未延伸フィルムを、予熱段階、延伸段階、及び熱固定段階に付すことにより本発明のシュリンクフィルムを製造することが好ましい。即ち、本発明のシュリンクフィルムの製造方法は、予熱段階、延伸段階、熱固定段階をこの順に含むことが好ましい。上記予熱段階、延伸段階、及び熱固定段階は、通常連続して設けられる。
また、二方向以上に逐次に延伸を行う場合、上記予熱段階及び上記熱固定段階は、延伸方向ごとに設けることが好ましい。例えば、幅方向が主延伸方向(最も延伸倍率を大きくする方向)、長手方向が該主延伸方向と直交する方向となるように逐次延伸を行う場合、予熱段階、長手方向への延伸段階、長手方向への熱固定段階、予熱段階、幅方向への延伸段階、幅方向への熱固定段階をこの順に含むことが好ましい。但し、1つ目の延伸段階前にフィルムがある程度の温度を有している場合には、1つ目の延伸段階前の予熱段階を省略してもよい。また、1つ目の延伸段階後の熱固定段階及び2つ目の延伸段階前の予熱段階については、いずれが一方を省略してもよいし、一度の加熱により両方を兼ね備える段階としてもよい。幅方向が主延伸方向、長手方向が上記直交方向となるように逐次延伸を行う場合、中でも、長手方向への延伸段階、長手方向への熱固定段階又は予熱段階、幅方向への延伸段階、幅方向への熱固定段階をこの順に含むことがより好ましく、長手方向への延伸段階、予熱段階、幅方向への延伸段階、幅方向への熱固定段階をこの順に含むことがより好ましい。
上記予熱段階は、延伸段階の前に設けられ、延伸をかけるフィルムを加熱して予め所定の温度状態にする段階である。当該段階を設けることにより、延伸段階において高倍率で延伸しても破断しにくくなる。上記予熱段階におけるフィルムへの加熱温度は、特に限定されないが、65℃以上115℃未満が好ましい。長手方向に延伸した後、幅方向に主延伸を行う逐次延伸の場合(幅方向が主延伸方向、長手方向が上記直交方向となる)の、長手方向への延伸段階前の予熱段階における加熱温度は、中でも、65〜90℃が好ましく、より好ましくは67〜85℃である。また、この場合の、幅方向への延伸段階前の予熱段階における加熱温度は、中でも、80〜110℃が好ましく、より好ましくは85〜110℃である。
上記延伸段階は、長手方向(フィルムの製造ライン方向。MD方向とも称する)及び幅方向(長手方向と直交する方向。TD方向とも称する)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸等を用いることができる。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。2軸延伸する場合には、同時に2軸に延伸してもよく、逐次に2軸に延伸してもよい。例えば、長手方向に延伸する場合はロール方式、幅方向に延伸する場合はテンター方式が好ましい。中でも、シュリンクフィルムの熱収縮率(100℃、10秒)及びヘイズ値(60%熱収縮)を本発明で規定する範囲内に調整しやすくする観点から、逐次延伸が好ましい。例えば、長手方向に延伸する場合はロール方式、幅方向に延伸する場合はテンター方式が好ましい。
具体的には、ヘイズ値(60%熱収縮)が4%以下であり、且つ熱収縮率(100℃、10秒)が70%以上であるシュリンクフィルムをより得やすくする観点から、特に、高い熱収縮性を有するシュリンクフィルムを得る場合、比較的低温で、長手方向にわずかに延伸しながら幅方向に高倍率に延伸することが好ましい。より具体的には、長手方向に延伸温度65〜80℃(好ましくは67〜75℃)、延伸倍率1.03〜1.10倍(好ましくは1.05〜1.09倍)で延伸した後、幅方向に延伸温度70℃以上85℃未満(好ましくは72℃以上85℃未満、より好ましくは75℃以上82℃未満)、延伸倍率5.5倍以上(好ましくは5.5〜7倍)で延伸する。このような延伸温度及び延伸倍率で延伸することにより、高い熱収縮性を有し且つ高収縮率での熱収縮後も透明性に優れるシュリンクフィルムをより得やすくなる。
上記熱固定段階は、延伸段階の後に設けられ、延伸したフィルムを、長手方向及び/又は幅方向を固定しながら加熱する段階である。当該段階を設けることにより、収縮仕上がりを向上させ、冷却後のシュリンクフィルムの熱収縮率や保存安定性を維持しやすくなる。長手方向に延伸した後、幅方向に主延伸を行う逐次延伸の場合(幅方向が主延伸方向、長手方向が上記直交方向となる)の、長手方向への延伸段階後の熱固定段階における80〜110℃が好ましく、より好ましくは85〜110℃である。幅方向への延伸段階後の熱固定段階におけるフィルムへの加熱温度は、延伸温度と同程度の温度が好ましい。幅方向への延伸段階後の熱固定段階における加熱温度は、特に限定されないが、70〜85℃が好ましく、より好ましくは72℃以上80℃未満である。また、上記熱固定段階において上記加熱温度でフィルムを加熱する時間は、特に限定されないが、2〜30秒間が好ましい。また、上記熱固定段階では、延伸段階における延伸後のフィルムに対して幅方向に0.90〜1.00倍(好ましくは0.95〜1.00倍)にリラックスさせて固定した状態で加熱することが好ましい。上記延伸段階の後に、このような固定条件及び加熱時間で熱固定段階を実施することにより、延伸後も白化せず透明性に優れ、且つ高い熱収縮性を有するシュリンクフィルムをより得やすくなる。さらに、得られたシュリンクフィルムは、自然収縮しにくく、また、高い収縮率で熱収縮させた際にも収縮ムラが発生しにくく収縮仕上がりがより向上する。
未延伸フィルムを逐次延伸する場合、本発明のシュリンクフィルムの製造方法は、特に、直交方向への延伸段階と、直交方向への熱固定段階及び主延伸方向への延伸段階前の予熱段階のうちの少なくとも一方の段階と、主延伸方向への延伸段階をこの順に少なくとも含むことが好ましい。上記熱固定段階又は予熱段階において80〜110℃(好ましくは、85〜110℃)の熱をかけることにより、得られる本発明のシュリンクフィルムは80℃では直交方向に熱収縮しにくく、且つ100℃では直交方向に熱収縮する傾向がある。
上記表面処理を行う段階としては、例えば、本発明のシュリンクフィルムの表面にコロナ放電処理やプライマー処理、フレーム処理等の慣用の表面処理を行う段階が挙げられる。
(意匠印刷層形成工程)
上記意匠印刷層形成工程では、意匠印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面上に、意匠印刷層を形成する印刷インキを塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより形成することができる。上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。また、塗布された印刷インキを加熱等により、乾燥又は乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。例えば、意匠印刷層は、一般的に、上記印刷インキの塗布は、色ごとに、複数回行われ、複層である印刷層が形成される。
上記意匠印刷層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、意匠印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂、溶剤、必要に応じて、上記着色顔料及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶剤を揮発させて設けられる。
上記印刷インキが溶剤乾燥型の印刷インキである場合、上記印刷インキは、例えば、バインダー樹脂、溶媒及びその他添加剤(着色顔料等)等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等のミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミル等のミル、ニーダー等の混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記溶媒としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等に使用される印刷インキに通常用いられる水や有機溶剤等を用いることができる。上記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル)等のエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル等が挙げられる。上記溶媒は、印刷インキを本発明のシュリンクフィルムに塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶媒には、「分散媒」の意味も含む。
(背面印刷層形成工程)
上記背面印刷層形成工程では、透明保護印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面上に、背面印刷層を形成する印刷インキを塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより形成することができる。なお、本発明のシュリンクフィルムに意匠印刷層が設けられている場合、上記印刷インキは、意匠印刷層を覆うように意匠印刷層と略同じ領域に塗布することが好ましい。上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。また、塗布された印刷インキを加熱等により、乾燥又は乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。
上記背面印刷層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、背面印刷層は、例えば、バインダー樹脂、酸化チタン、溶剤、必要に応じて、上記滑剤及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶剤を揮発させて設けられる。
上記背面印刷層を形成する印刷インキは、上記意匠印刷層を形成する印刷インキと同様の方法で製造することができる。
(透明保護印刷層形成工程)
上記透明保護印刷層形成工程では、透明保護印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の面上に、透明保護印刷層を形成する印刷インキを塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより形成することができる。なお、本発明のシュリンクフィルムに意匠印刷層が設けられている場合、上記印刷インキは、意匠印刷層を覆うように少なくとも塗布することが好ましい。上記印刷インキを塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。また、塗布された印刷インキを加熱等により、乾燥又は乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。
上記透明保護印刷層が溶剤乾燥型の印刷層である場合、透明保護印刷層は、例えば、上記バインダー樹脂、溶剤、必要に応じて、上記滑剤及びその他添加剤等を混合することにより製造された印刷インキを、印刷機を用いて塗布した後、溶剤を揮発させて設けられる。
上記透明保護印刷層を形成する印刷インキは、上記意匠印刷層を形成する印刷インキと同様の方法で製造することができる。
[筒状シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状シュリンクラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のシュリンクラベルとして用いることができる。本発明のシュリンクラベルは、上記の中でも、筒状シュリンクラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、筒状シュリンクラベルであることが好ましい。以下、本発明のシュリンクラベルを用いた筒状シュリンクラベルを、「本発明の筒状シュリンクラベル」と称する場合がある。
図5及び図6を用いて、本発明のシュリンクラベルの好ましい実施形態である筒状シュリンクラベルの一例について説明する。図5に記載の本発明の筒状シュリンクラベル14は、矩形状に形成された本発明のシュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部15が形成された筒状体である。本発明の筒状シュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムを含み、本発明のシュリンクフィルムは、本発明の筒状シュリンクラベルの周方向Dに少なくとも配向し、当該方向に熱収縮可能である。なお、本発明の筒状シュリンクラベルは、周方向が主収縮方向となるように装着されていることが好ましい。また、巻き付け方式のシュリンクラベルであっても、周方向が主収縮方向(即ち、延伸方向)となるように筒状にされることが好ましい。
図6は、図5におけるVI−VI’の断面、即ち、本発明の筒状シュリンクラベル14の、シール部付近の要部拡大図である。シール部15では、シュリンクラベルの両端部が溶剤又は接着剤Sで接合されている。具体的には、本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルム16の一方の面(筒状の内面側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いた略全域に透明意匠印刷層17が形成され、その透明意匠印刷層17を覆うように、本発明のシュリンクフィルム16の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域に透明保護印刷層18が形成されている。このため、本発明のシュリンクラベルには、他端部の端から所定幅の領域は、透明保護印刷層18及び透明意匠印刷層17が形成されておらず、本発明のシュリンクフィルム16が露出し、フィルム露出面が形成され、シール部15は、本発明のシュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたフィルム露出面と、一端部の外面(フィルム露出面)とを、溶剤又は接着剤Sによって接合されている。即ち、シール部15では、本発明のシュリンクフィルム16同士が溶剤又は接着剤Sで接合されていることが好ましい。なお、上記両端部のうち、接合されない部分は、透明保護印刷層、透明意匠印刷層等の印刷層等を有していても接着性に影響はないため、印刷層を有していてもよい。また、図5及び図6における筒状シュリンクラベルの層構成は、当該図5及び図6に示された層構成に限定されず、他の層構成であってもよい。
なお、図6における本発明の筒状シュリンクラベル14では、一端部は、その端が他端部の透明意匠印刷層17及び透明保護印刷層18と重なる位置まで延びてきており、一端部と他端部の透明意匠印刷層17及び透明保護印刷層18同士が本発明のシュリンクフィルム16を介して重なる領域が形成されている。このため、厚み方向に透明意匠印刷層17及び透明保護印刷層18が存在しない領域は存在しない。本発明の筒状シュリンクラベルは、図6に示すような、一端部の端と他端部側の透明意匠印刷層及び透明保護印刷層と重なる構造であってもよいし、一端部の端が他端部のフィルム露出面と重なる領域まで延び、一端部の端が他端部側の透明意匠印刷層及び透明保護印刷層と重なる位置まで延びてきていない、一端部の端と他端部側の透明意匠印刷層及び透明保護印刷層とが重ならない構造であってもよい。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.2〜10mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.4〜2mmである。
(筒状シュリンクラベルの製造方法)
本発明の筒状シュリンクラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状の本発明のシュリンクラベルを、所定の幅にスリットして、本発明のシュリンクラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、熱収縮可能な方向(即ち、シュリンクフィルムの熱収縮方向)が周方向となるように、他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得ることができる。この長尺筒状シュリンクラベルを周方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状シュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を得ることができる。なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、印刷層を設けた後や、筒状に加工する工程の前後等、適宜選択できる。
本発明のシュリンクラベルは、収縮率が15%以下となる領域及び40%以上となる領域を有するように被装着物に装着されるラベル用途に用いられる。上記被装着物としては、例えば、後述の容器(特に、小径部と大径部を有する容器)が挙げられる。
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被装着物に用いられてもよい。
[ラベル付き容器]
ラベル付き容器は、容器と、シュリンクラベルが該容器に追従して装着された筒状のラベルとを有する。ラベル付き容器は、容器にシュリンクラベルを熱収縮させて装着することにより得られる。例えば、シュリンクラベル(特に、筒状シュリンクラベル)を容器の周りに、シュリンクラベルが筒状となるように配置し、熱収縮させることによって容器に追従させて装着することにより、ラベル付き容器(例えば、本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、ソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料、カップ麺等の食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレー等の化学製品の容器、トイレタリー用の容器等が含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプ等の様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂(特に環状オレフィン系樹脂)等のプラスチック、ガラス、金属等が挙げられる。シュリンクラベルとして本発明のシュリンクラベルを用いる場合、本発明のシュリンクラベルは透明領域の透明性が高く装飾性に優れる観点から、上記容器としては、中でも、透明な容器が好ましい。上記透明な容器としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂等のプラスチック製容器又はガラス製容器が好ましい。
上記容器としては、小径部(例えば、首部)及び大径部(例えば、胴部)を有する容器が好ましい。上記小径部は、外周長さが上記大径部の外周長さの65%以下(特に、60%以下)であることが好ましい。本発明のシュリンクラベルは、熱収縮後に高収縮部と低収縮部とを有する場合であっても高収縮部と低収縮部で共に透明性が優れることから装飾性に優れる。このため、本発明のシュリンクラベルは、上記のような複雑な形状を有する容器の装着用として特に適する。また、上記小径部及び大径部を有する容器は、小径部と大径部の間に、小径部から大径部に向かうに従って外周長さが変化する縮径部(例えば、肩部)を有することが好ましい。なお、上記「外周長さ」とは、容器の外周表面の一周の最短距離をいう。例えば、測定箇所において周方向に糸を巻いたときの一周分の糸の距離を外周長さとすることができる。
容器は、例えば、開口部を有する容器本体と、該開口部を塞ぐためのキャップを有する。上記容器本体は、例えば、底部と、底部の上方に連接する胴部と、胴部の上方に連接し、上方に向かうに従って縮径する肩部と、肩部の上方に連接する首部とを有する。この容器は、例えば、首部は胴部の65%以下の外周長さを有し、胴部が上記大径部であり、首部が上記小径部であり、肩部が上記縮径部である。
小径部及び大径部を有する容器にラベルが装着されたラベル付き容器におけるラベルは、該容器の小径部と大径部とにシュリンクラベルが追従して装着された筒状のラベルであることが好ましい。
ラベル付き容器に装着させるシュリンクラベルとしては、本発明のシュリンクラベルを用いてもよく、収縮率が15%以下となる領域及び40%以上となる領域を有するように装着される用途に限定されていない本発明のシュリンクラベルを用いてもよい。なお、容器の小径部と大径部とに追従するように装着させるシュリンクラベルとしては、シュリンクフィルムと、該シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、上記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、該表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、上記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、上記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であるシュリンクラベル(特に、本発明のシュリンクラベル)を用いることが好ましい。
ラベル付き容器における容器が小径部及び大径部を有する容器である場合、装着されたラベルは、小径部に追従して装着された小径追従領域と、大径部に追従して装着された大径追従領域を有する。上記小径追従領域は、熱収縮前に対して40%以上(特に、50%以上)の収縮率で収縮していることが好ましい。上記大径追従領域は、熱収縮前に対して15%以下(特に、10%以下)の収縮率で収縮していることが好ましい。上記小径追従領域は、本発明のシュリンクラベルにおける、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に相当することが好ましい。上記大径追従領域は、本発明のシュリンクラベルにおける、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に相当することが好ましい。
ラベル付き容器における容器が小径部及び大径部を有する容器である場合、ラベル付き容器は、上記大径部に装着されたラベルに、透明保護印刷層が設けられた透明領域(「透明領域(T3)」と称する場合がある)を有することが好ましい。透明領域(T3)は、本発明のシュリンクラベル(熱収縮前)における透明領域(T1)に相当する領域であることが好ましい。また、上記ラベル付き容器において、上記小径部に装着されたラベルに、透明保護印刷層が設けられていない、又は、透明保護印刷層が透明領域(T3)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(「透明領域(T4)」と称する場合がある)を有することが好ましい。透明領域(T4)は、本発明のシュリンクラベル(熱収縮前)における透明領域(T2)に相当する領域であることが好ましい。上記ラベル付き容器における透明領域(T3)と透明領域(T4)との関係は、本発明のシュリンクラベルにおける透明領域(T1)と上記透明領域(T2)との関係と同様である。
図7に、本発明のシュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を、小径部、縮径部、及び大径部を有する容器に追従して装着させたラベル付き容器の一例を示す。図7中、19はラベル付き容器、20はキャップ、21は容器本体、22はラベルを示し、23は胴部、24は肩部、25は首部を示す。図7のラベル付き容器19において、首部25は胴部23の65%以下の外周長さを有し、胴部23は大径部、肩部24は縮径部、首部25は小径部に該当する。
容器本体21は、底部と、底部の上方に連接し、略円筒形の胴部23と、胴部23の上方に連接し、上方に向かうに従って縮径する肩部24と、肩部24の上方に連接し、略円筒形の首部25とを有する。また、容器本体21には、首部25の上方に設けられた開口部を塞ぐために、キャップ20が取り付けられている。容器の胴部23、肩部24、及び首部25の表面は、リブ等が形成されておらず、平坦な表面を有している。
図7のラベル付き容器19において、ラベル22は、容器の胴部23、肩部24、及び首部25の一部に追従して装着されている。
ラベル付き容器19において、ラベル22は、図1に示す本発明のシュリンクラベル1を、筒状シュリンクラベルとして熱収縮させて容器21に装着させたものである。ラベル22は、熱収縮前である図1の本発明のシュリンクラベルの、熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域2が熱収縮後において胴部23に装着されている部分に配置され、熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域3が熱収縮後において首部24に装着されている部分に配置されている。
ラベル22は、胴部23に装着されている部分に、透明保護印刷層が形成された透明領域(T3)を有する。該透明領域(T3)は、図1の透明領域(T1)4に相当する。また、ラベル22は、縮径部24に装着されている部分に、透明保護印刷層が形成されたグラデーション領域を有する。該グラデーション領域は、図1のグラデーション領域6に相当する。そして、ラベル22は、小径部25に装着されている部分に、透明保護印刷層が形成された透明領域(T4)を有する。該透明領域(T4)は、図1の透明領域(T2)5に相当する。ラベル22における透明領域(T3)、グラデーション領域、及び透明領域(T4)の関係は、図1に示す本発明のシュリンクラベル1における透明領域(T1)4、グラデーション領域6、及び透明領域(T2)5の関係と同様である。
ラベル22は容器の胴部23と首部25の平坦な表面に密着している部分を有する。具体的には、ラベル22は、容器の胴部23と肩部24と胴部25の平坦な表面に密着している。特に、ラベル22の透明領域(T3)及び透明領域(T4)が容器本体21の平坦な表面に対応し密着されていることが好ましい。
上記ラベル付き容器におけるラベルは、小径追従領域及び大径追従領域において透明性が共に優れ、装飾性に優れる。
上記ラベル付き容器は、例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。従って、小径部及び大径部を有する容器の小径部及び大径部にシュリンクラベルを熱収縮させて装着するラベル付き容器は、シュリンクフィルムと、該シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、上記シュリンクフィルムが、基層部と、該基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、該表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、上記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、上記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、且つ、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)、並びに、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)を有するシュリンクラベル(特に、本発明のシュリンクラベル)を筒状シュリンクラベルとし、これを、大径部と、外周長さが大径部の外周長さの65%以下である小径部とを有する容器に、大径部に透明領域(T1)が対応するように装着し、小径部に前記透明領域(T2)が対応するように装着するように外嵌した後、加熱処理によって、少なくとも容器の小径部及び大径部に熱収縮させて装着して製造することができる。
上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線等の輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチーム及び湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。本発明のシュリンクラベルは、高収縮を要する容器に対する使用が可能となる。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
1 本発明のシュリンクラベル
2 熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域
3 熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域
4 透明領域(T1)
5 透明領域(T2)
6 グラデーション領域
7 ラベルの上端部
8 ラベルの下端部
9 一端部
10 本発明のシュリンクフィルム
11 本発明のシュリンクフィルム
12 表面層
13 基層部
13a 接着樹脂層
13b A層
14 本発明の筒状シュリンクラベル
15 シール部
D 周方向
16 本発明のシュリンクフィルム
17 透明意匠印刷層
18 透明保護印刷層
S 溶剤又は接着剤
19 ラベル付き容器
20 キャップ
21 容器本体
22 ラベル
23 胴部
24 肩部
25 首部

Claims (8)

  1. 収縮率が15%以下となる領域及び40%以上となる領域を有するように被装着物に装着される用途に用いられるシュリンクラベルであって、
    シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有するシュリンクラベルであり、
    前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、
    前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、
    主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、
    前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、
    前記シュリンクラベルが、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)を熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に有し、且つ、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)を熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に有し、
    熱収縮後の収縮率が15%以下となる領域に存在する前記透明領域(T1)から熱収縮後の収縮率が40%以上となる領域に存在する前記透明領域(T2)の間に、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが前記透明領域(T1)から前記透明領域(T2)に向かうに従って徐々に小さくなるように透明保護印刷層が設けられているグラデーション領域を有する、シュリンクラベル。
  2. 前記基層部が、層を5〜65層含み、前記基層部中の層として、ポリスチレン系樹脂を50重量%以上含有する層(A層)を少なくとも有する請求項1に記載のシュリンクラベル。
  3. 前記基層部が、前記基層部中の層として、さらに、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合樹脂を50重量%以上含有する接着樹脂層を少なくとも有する、請求項2に記載のシュリンクラベル。
  4. 前記透明領域(T1)及び前記透明領域(T2)が無色透明の領域である請求項1〜のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  5. 前記透明領域(T1)及び前記透明領域(T2)が有色透明の領域を有し、前記有色透明の領域に透明意匠印刷層が設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  6. 前記透明領域(T2)における有色透明の領域が、滑剤を含有する透明意匠印刷層を有し且つ前記透明保護印刷層が設けられていない領域を有する、請求項に記載のシュリンクラベル。
  7. 小径部及び大径部を有する容器と、該容器の小径部と大径部とにシュリンクラベルが追従して装着された筒状のラベルとを有し、
    前記容器において、前記小径部は、外周長さが前記大径部の外周長さの65%以下であり、
    前記シュリンクラベルは、シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、前記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、
    前記大径部に装着されたラベルには、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T3)が存在し、前記小径部に装着されたラベルには、透明保護印刷層が設けられていない、又は、透明保護印刷層が前記透明領域(T3)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T4)が存在し、
    前記透明領域(T3)から前記透明領域(T4)の間に、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが前記透明領域(T3)から前記透明領域(T4)に向かうに従って徐々に小さくなるように透明保護印刷層が設けられているグラデーション領域を有する、ラベル付き容器。
  8. 小径部及び大径部を有する容器の小径部及び大径部にシュリンクラベルを熱収縮させて装着するラベル付き容器の製造方法であって、
    前記容器において、前記小径部は、外周長さが前記大径部の外周長さの65%以下であり、
    前記シュリンクラベルは、シュリンクフィルムと、前記シュリンクフィルムの少なくとも一方の面に設けられた透明保護印刷層とを有し、前記シュリンクフィルムが、基層部と、前記基層部の両面側に設けられた表面層とを有し、前記表面層が、ポリエステル系樹脂を50重量%以上含有し、前記シュリンクフィルムの主収縮方向に60%熱収縮したときのヘイズ値が4%以下であり、前記主収縮方向の、100℃の水に10秒間浸漬したときの収縮率が70%以上であり、
    前記シュリンクラベルが、透明保護印刷層が設けられた透明領域(T1)、並びに、透明保護印刷層が設けられていない又は透明保護印刷層が前記透明領域(T1)よりも単位面積あたりの面積及び/若しくは厚みが小さくなるように設けられた透明領域(T2)を有し、かつ前記透明領域(T1)から前記透明領域(T2)の間に、単位面積あたりの透明保護印刷層の面積及び/又は厚みが前記透明領域(T1)から前記透明領域(T2)に向かうに従って徐々に小さくなるように透明保護印刷層が設けられているグラデーション領域を有し、
    前記大径部に前記透明領域(T1)が対応するように装着し、前記小径部に前記透明領域(T2)が対応するように装着することを特徴とする、ラベル付き容器の製造方法。
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