JP6456638B2 - ラベル付き容器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮性筒状ラベルが容器に装着されたラベル付き容器に関する。
従来、消費者の注意を惹くために、装飾性に優れた熱収縮性筒状ラベルを容器に熱収縮装着したラベル付き容器が広く用いられている。かかるラベル付き容器は、その容器内に様々な内容物を収納した状態で商品として市場に流通している。なお、熱収縮性筒状ラベルは、一般に、シュリンクラベル、シュリンクチューブなどとも呼ばれている。
前記熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性基材の第1側端部の裏面を第2側端部の表面に重ね合わせ、その重ね合わせ面同士を接着してシール部を形成することにより筒状に形成されたものである。
前記熱収縮性筒状ラベルを形成する熱収縮性基材として、ポリエステル系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルムのような単層フィルムが用いられている。しかしながら、ポリエステル系樹脂フィルムを用いた熱収縮性筒状ラベルは、ポリエステル系樹脂フィルムの収縮曲線の傾きが大きいので、加熱すると急激に熱収縮し、それが装着されたラベル付き容器は、ラベル皺が生じ易く、外見上好ましくない。一方、ポリスチレン系樹脂フィルムを用いた熱収縮性筒状ラベルは、その剛性が比較的小さく、さらに、耐内容物適性がなく、ある種の内容物を収納した容器に装着することが不適であるなどの用途が限定される場合がある。
また、例えば、特許文献1には、表層/中心層/表層の2種3層構成からなるフィルムであって、表層がポリエステル系樹脂90〜100重量%からなる樹脂層であり、中心層がスチレン単位60〜90重量%、共役ジエン単位5〜30重量%、オキサゾリン単位0.5〜5重量%を少なくとも含む樹脂層である、シュリンクフィルム(熱収縮性筒状ラベル)が開示されている。かかるシュリンクフィルムは、優れた加工適性、透明性及び収縮特性を有するが、少なくとも透明性において未だ十分なものではない。そのため、かかる熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器は、外見上、容器とラベルを簡単に見分けることができ、消費者に容器とラベルの一体感を印象付けることができない。
さらに、ラベル付き容器は、外見上、鮮やかで且つ明るい感じを消費者に印象付けるものが好ましい。
特開2008−207487号公報
本発明の目的は、ラベルと容器の一体感及び鮮明さを消費者に印象付けることができるラベル付き容器を提供することである。
本発明のラベル付き容器は、容器と、前記容器の被着領域に熱収縮装着され且つ透明部を有する熱収縮性筒状ラベルと、を有し、前記被着領域が、透明領域を含み、前記熱収縮性筒状ラベルの透明部の全部又は一部が、前記透明領域に密着されており、前記熱収縮性筒状ラベルが、表層及び裏層と、前記表層と裏層の間に5層〜65層の積層構造からなる中間層とを有する熱収縮性の積層フィルムを含み、前記表層及び裏層が、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系樹脂層であり、前記5層〜65層の中間層が、樹脂成分の異なる第1樹脂層と第2樹脂層が交互に積層された構造であり、前記第1樹脂層が、ジエンに由来する構成単位の含有量がスチレン−ジエン系共重合体の総質量に対して10〜30質量%であるスチレン−ジエン系共重合体を含むポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層であり、前記第2樹脂層が、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層である
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記中間層が、前記表層及び裏層にそれぞれ前記第2樹脂層が隣接する積層構造とされている
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記第2樹脂層が、ポリエステル系樹脂を主成分として含む混合樹脂層である。
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記熱収縮性筒状ラベルの上方帯領域及び下方帯領域のうち少なくとも一方が、透明部である。
本発明のラベル付き容器は、装着された熱収縮性筒状ラベルが透明性に優れ、さらに、熱収縮性筒状ラベルが容器に良好に密着している。かかるラベル付き容器は、装飾効果が高く、かかるラベル付き容器を使用することにより、ラベルと容器の一体感及び鮮明な感じを消費者に印象付けることができる。
熱収縮加工前の熱収縮性筒状ラベルであって筒状に拡げた状態の斜視図。 同熱収縮性筒状ラベルを扁平状に畳んだ状態の正面図。 図2のIII−III線で切断した断面図。 図3の熱収縮性筒状ラベルのシール部の拡大断面図。 第1実施形態に係るラベル付き容器の縦断面を含む正面図(容器の軸を基準に、左半分を正面図で表し、右半分を縦方向に沿って切断した断面図で表している。図6乃至図9も同様)。 第2実施形態に係るラベル付き容器の縦断面を含む正面図。 第3実施形態に係るラベル付き容器の縦断面を含む正面図。 第4実施形態に係るラベル付き容器の縦断面を含む正面図。 第5実施形態に係るラベル付き容器の縦断面を含む正面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、周方向は、熱収縮性筒状ラベルを円筒状に拡げた際にその円筒の軸周り方向を意味し、縦方向は、熱収縮性筒状ラベルの円筒の軸方向を意味する。表面は、熱収縮性筒状ラベル(円筒)を基準にして、その外側に位置する面を意味し、裏面は、その内側に位置する面を意味する。さらに、「PPP〜QQQ]という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
なお、各断面図において、厚みや寸法などは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
本発明のラベル付き容器は、容器と、前記容器の被着領域に熱収縮装着され且つ透明部を有する熱収縮性筒状ラベルと、を有する。
以下、熱収縮性筒状ラベルについて先に説明した後、本発明のラベル付き容器の詳細を説明する。
<熱収縮性筒状ラベル>
図1乃至図4は、容器に装着する前(熱収縮前)の熱収縮性筒状ラベル1を示す。もっとも、図1は、容器に装着する直前に筒状に拡げられた状態の熱収縮性筒状ラベル1を、図2及び図3は、扁平状に畳まれた状態の熱収縮性筒状ラベル1を示す。通常、熱収縮性筒状ラベル1は、概念的にはその複数が長手方向に連続的に繋がった長尺状の筒状ラベル長尺体の形態(筒状ラベル長尺体は図示せず)で提供され、その筒状ラベル長尺体は扁平状にしてロールに巻き取った状態で保管・運搬され、容器に装着する際に、その長尺体を所定箇所で切断することにより、図2及び図3に示すような扁平状の熱収縮性筒状ラベル1が得られる。この扁平状の熱収縮性筒状ラベル1は、図1に示すように、筒状に拡げられて容器に外嵌され且つ加熱されることにより、容器に装着される。
なお、本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、容器に巻き付けると同時に筒状に形成されるものでもよい。具体的には、図1に示す熱収縮性筒状ラベル1は、熱収縮性基材を予め筒状に形成したものであるが、一方、同じく容器に熱収縮装着される熱収縮性筒状ラベルとして、容器に巻き付けて筒状に形成するタイプのものがある(このタイプは、巻付け筒状ラベル又は巻付けシュリンクラベルとも呼ばれる)。この巻付け筒状ラベルは、熱収縮性基材の第2側端部の裏面を容器に部分接着し、この基材を容器の周囲に巻き付け、前記第2側端部の表面に基材の第1側端部の裏面を接着することにより、筒状に成形される熱収縮性筒状ラベルである。
前記熱収縮性筒状ラベル1は、熱収縮性を有する積層フィルム2を含む熱収縮性基材4を筒状に形成した筒状体からなる。
具体的には、表層を外側にし且つ主たる熱収縮方向が周方向となるように熱収縮性基材4を丸め、熱収縮性基材4の第1側端部41の裏面を第2側端部42の表面に重ね合わせ、その重ね合わせ面同士を、溶剤又は接着剤を用いて接着することにより、熱収縮性筒状ラベル1が構成されている。前記重ね合わせ面同士(第1側端部41の裏面と第2側端部42の表面)を接着した部分は、一般に、シール部と呼ばれる。
熱収縮性基材4は、熱収縮性の積層フィルム2を含み、好ましくは、積層フィルム2及び意匠印刷層3を含む。また、熱収縮性基材4は、前記積層フィルム2及び意匠印刷層3のほかに、必要に応じて、表面保護用のオーバーコート層、内面滑り層、部分接着層などから選ばれる公知の機能層が設けられているものでもよい(これらの機能層は図示せず)。
熱収縮性基材4(及び積層フィルム2)は、例えば70℃〜100℃のような所要温度に加熱されると、少なくとも一方向(主たる熱収縮方向)に熱収縮する性質を有する。かかる性質を本明細書で熱収縮性という。また、熱収縮性基材4は、他方向(他方向は、フィルム面内で前記一方向に直交する方向)にも若干熱収縮又は熱伸張するものでもよい。熱収縮性基材4の熱収縮率(熱収縮性筒状ラベル1の熱収縮率に等しい)は、容器に装着できる程度以上であれば特に限定されず、例えば、90℃に加熱した際の一方向における熱収縮率は、30%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、熱収縮性基材4が他方向にも若干熱収縮又は熱伸張する場合、その90℃に加熱した際の他方向における熱収縮率は、例えば、−3%〜15%である。前記他方向の熱収縮率のマイナスは、熱伸張を意味する。前記90℃に加熱した際の熱収縮率は、加熱前の基材の長さ(元の長さ)と、基材を90℃の温水中に10秒間浸漬した後の基材の長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
式:熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性基材4の90℃における収縮応力(熱収縮性筒状ラベル1の収縮応力に等しい)は、特に限定されないが、1〜7Nが好ましく、より好ましくは1〜5N、さらに好ましくは1〜3Nである。収縮応力が1N以上の基材を用いることにより、容器追従性の優れた熱収縮性筒状ラベル1を形成できる。前記収縮応力は、例えば、熱収縮性基材4の厚み、層構成及び形成材料などを適宜設定することにより調整できる。
前記収縮応力は、例えば、基材の両端を固定し、90℃の温水に浸漬した際の積層フィルム2に生じる応力を、応力測定器(例えば、島津製作所(株)製の「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」)を用いて測定できる。
(積層フィルム)
図3は、積層フィルム2を1つの層で表しているが、実際には、図4に示すように、積層フィルムは、複数の層から構成されている。
前記積層フィルム2は、図4に示すように、表層21と中間層22と裏層23とがこの順で積層されたフィルムである。従って、中間層22は、前記表層21と裏層23の間に挟まれており、その中間層22は、5層〜65層の樹脂層の積層構造からなる。このような表層21と5層〜65層の中間層22と裏層23とを有する積層フィルム2は、透明性に極めて優れている。また、かかる積層フィルム2は、斜めから入射した光が各層において一定の角度で反射されるので、斜めから見たときに、明るく見える。
前記表層21及び裏層23は、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系樹脂層である。前記中間層22は、5層〜65層の樹脂層が積層された構造からなり、5層〜65層のうち少なくとも1層が、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層である。好ましくは、前記中間層22は、含まれている樹脂成分の異なる第1樹脂層と第2樹脂層が交互に積層された構造である。この場合、少なくとも第1樹脂層は、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層であり、第2樹脂層は、第1樹脂層とは樹脂成分が異なっていることを条件として特に限定されないが、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層であることが好ましい。
光学的な観点では、第1樹脂層221と第2樹脂層222は、屈折率が異なるものであることが好ましい。
本明細書において、主成分とする樹脂(以下、主成分樹脂という場合がある)は、各層に含まれるフィルム構成のための樹脂成分の中で、最も量の多い系統の樹脂(質量基準)をいう。
前記積層フィルム2の表層21は、熱収縮性基材4を筒状に形成した際に、外側に位置する単一の樹脂層であり(換言すると、表層21の表面が外側になるように熱収縮性基材4を筒状に丸めることにより、熱収縮性筒状ラベル1が構成される)、裏層23は、熱収縮性基材4を筒状に形成した際に、内側に位置する単一の樹脂層である。
前記積層フィルム2の中間層22は、5層〜65層の樹脂層の積層構造であり、好ましくは、第1樹脂層221と第2樹脂層222が厚み方向に隣接して交互に重なった層である。中間層22が前記交互積層構造である場合、中間層22は、その第1樹脂層221と第2樹脂層222の合計が5層〜65層の積層体であり、好ましくは7層〜55層、より好ましくは9層〜45層、さらに好ましくは11層〜35層の積層体からなる。中間層22の樹脂層の積層数は、奇数又は偶数の何れでもよいが、奇数であることが好ましい。樹脂層の数が奇数で且つ交互積層構造である中間層22は、第1樹脂層/第2樹脂層/第1樹脂層/(任意に積層される第2樹脂層/第1樹脂層)/第2樹脂層/第1樹脂層というように表層側から順に積層された積層構造、又は、第2樹脂層/第1樹脂層/第2樹脂層/(任意に積層される第1樹脂層/第2樹脂層)/第1樹脂層/第2樹脂層というように表層側から順に積層された積層構造となる。樹脂層の数が偶数で且つ交互積層構造である中間層22は、第1樹脂層/第2樹脂層/(任意に積層される第1樹脂層/第2樹脂層)/第1樹脂層/第2樹脂層というように表層側から順に積層された積層構造、又は、第2樹脂層/第1樹脂層/(任意に積層される第2樹脂層/第1樹脂層)/第2樹脂層/第1樹脂層というように表層側から順に積層された積層構造となる。
なお、図4(a)においては、中間層22が7層の樹脂層の積層体からなる場合を示しており、その積層順序として、表層21側から順に、第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222である場合を示している。
また、図4(b)においては、表層21側から順に、第1樹脂層221/第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222/第1樹脂層221である場合を示している。
前記積層フィルム2の厚み(総厚み)は、特に限定されないが、ラベル強度の観点から、10〜100μmが好ましく、より好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは20〜45μmである。
積層フィルム2の表層21及び裏層23の厚みは、特に限定されないが、透明性及び皺発生防止の観点から、それぞれ独立して、1μm〜15μmが好ましく、より好ましくは2μm〜10μm、さらに好ましくは2.5μm〜8μmである。表層21の厚みと裏層23の厚みは、同じでもよく、又は、異なっていてもよい。表裏において収縮差が生じ難くなることから、表層21と裏層23は、同じ厚みであることが好ましい。
積層フィルム2の中間層22の厚みは、特に限定されないが、皺発生防止の観点から、8μm〜90μmが好ましく、より好ましくは10μm〜45μm、さらに好ましくは11μm〜40μmである。
中間層22を構成する各層(交互積層構造である場合には、第1樹脂層221及び第2樹脂層222)の厚みは、特に限定されないが、透明性の観点から、それぞれ独立して、0.2μm以上(例えば、0.2〜10μm)が好ましく、より好ましくは0.3μm以上(例えば、0.3〜5μm)である。複数の第1樹脂層221は、それらの厚みが全て又は一部が同一であってもよいし、それらの厚みが全て又は一部が異なっていてもよい。複数の第2樹脂層222は、それらの厚みが全て又は一部が同一であってもよいし、それらの厚みが全て又は一部が異なっていてもよい。第1樹脂層221及び第2樹脂層222は、それらの厚みが全て又は一部が同一であってもよいし、それらの厚みが全て又は一部が異なっていてもよい。収縮特性の観点から、全ての第1樹脂層221を合算した厚み(個々の第1樹脂層221の厚みを全て積算した値)は、中間層の厚みの0.5倍以上であることが好ましい。特に、第1樹脂層221がポリスチレン系樹脂を90%以上含む樹脂層で且つ、全ての第1樹脂層221を合算した厚みが中間層の厚みの0.5倍以上である場合には、収縮特性だけでなく透明性にも優れるので、好ましい。
表層21の厚みと中間層22の厚みの比(表層21の厚み:中間層22の厚み)は、特に限定されないが、2:1〜1:10が好ましく、より好ましくは1:1〜1:4である。裏層23の厚みと中間層22の厚みの比も、表層21の厚みと中間層22の厚みの比と同様である。
(表層及び裏層)
表層21及び裏層23は、主成分樹脂としてポリエステル系樹脂を含むポリエステル系樹脂層からなる。表層21及び裏層23のそれぞれの主成分樹脂は、同一でもよく、又は、異なっていてもよい。製造容易で且つ表裏において収縮差が生じ難くなることから、表層21及び裏層23は、同一のポリエステル系樹脂層であることが好ましい。
前記表層21及び裏層23は、ポリエステル系樹脂を主成分樹脂として含んでいることを条件として、それ以外の樹脂を含んでいてもよい。ポリエステル系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのポリエステル系樹脂以外の樹脂の具体例は、中間層22の欄に記載されたものが挙げられる。
表層21及び裏層23は、ポリエステル系樹脂を主成分として含み且つポリスチレン系樹脂を実質的に含まない樹脂層であることが好ましく、ポリエステル系樹脂を主成分として含み且つポリエステル系樹脂以外の樹脂を実質的に含まない樹脂層であることがより好ましい。ポリエステル系樹脂を可及的に多く含有させることにより、透明性及び耐傷付き性に優れた表層21及び裏層23を構成できる。なお、本明細書において、「実質的に含まない」とは、不可避的に含まれる程度の微量の樹脂の混入は許容され、有意な量の混入は除外されるという意味である。
前記表層21及び裏層23が主成分樹脂以外の樹脂を含む場合、主成分樹脂以外の樹脂の含有量は、特に限定されないが、層全体に対して1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂の系統に含まれる樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分を必須の構成成分として構成されたポリエステル(即ち、ジカルボン酸に由来する構成単位(構造単位)とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステル)、ポリ乳酸系重合体などが挙げられる。ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステルの主なものとしては、ジカルボン酸とジオールの縮合反応による重合体、共重合体又はこれらの混合物が挙げられる。
前記ジカルボン酸(ジカルボン酸成分)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記ジカルボン酸は、1種のみを使用してもよいし2種以上を使用してもよい。
前記ジオール(ジオール成分)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。前記ジオールは、1種のみを使用してもよいし2種以上を使用してもよい。
前記ポリエステル系樹脂は、前記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどに由来する構成単位を含んでいてもよい。
前記ポリエステル系樹脂は、中でも、熱収縮率、機械強度、耐熱性の観点から、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。なお、前記芳香族ポリエステル系樹脂とは、全ジカルボン酸成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジカルボン酸、及び/又は、全ジオール成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジオールであるポリエステル系樹脂である。さらに、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と脂肪族ジオールを含むジオールとの縮合反応による重合体、共重合体、又はこれらの混合物である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
透明性に優れ、熱収縮率の高い積層フィルム2を形成できることから、前記芳香族ポリエステル系樹脂は、単一の繰り返し単位から構成されているのではなく、変性成分(共重合成分)を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分及びジオール成分のうちの少なくとも一方が2以上の成分から構成される、即ち、主成分の他に変性成分を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。言い換えると、前記芳香族ポリエステル系樹脂は、少なくとも2種類以上のジカルボン酸に由来する構成単位及び/又は少なくとも2種類以上のジオールに由来する構成単位を含む変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
前記変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、前記の中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET)において、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を変性成分(すなわち、他のジカルボン酸成分及び/又は他のジオール成分)に置き換えた変性PETが好ましく例示される。
前記変性芳香族ポリエステル系樹脂(特に、変性PET)の変性成分(共重合成分)として用いられるジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、イソフタル酸などが挙げられ、それらの中では、イソフタル酸が好ましい。また、変性成分として用いられるジオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、CHDMが好ましい。なお、前記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールにおけるアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、2つのアルキル基は、同一のアルキル基であってもよいし、異なるアルキル基であってもよい。
前記芳香族ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、熱収縮性(収縮特性)の観点で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「CHDM共重合PET」という場合がある);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET」という場合がある)が好ましい。前記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの中では、特に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「NPG共重合PET」という場合がある)が好ましい。前記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に好ましくは、CHDM共重合PET及び/又は2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETであり、さらに好ましくはCHDM共重合PET及び/又はNPG共重合PET、最も好ましくはCHDM共重合PETである。なお、前記CHDM共重合PET、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETには、それぞれ、CHDM、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール以外の共重合成分が用いられていてもよく、例えば、さらに、イソフタル酸やジエチレングリコールが共重合されていてもよい。
前記変性芳香族ポリエステル系樹脂において、共重合成分(変性成分)の共重合比率[全ジカルボン酸成分に対する共重合ジカルボン酸成分の比率(割合)、又は、全ジオール成分に対する共重合ジオール成分の比率(割合)]は、特に限定されないが、層の熱変形挙動を適正化させる観点から、10モル%以上(例えば、10〜40モル%)が好ましく、より好ましくは15モル%以上(例えば、15〜40モル%)である。中でも、例えば、CHDM共重合PETの場合、CHDMの割合は、全ジオール成分中、10〜30モル%(EGが70〜90モル%)が好ましく、より好ましくは12〜25モル%(EGが75〜88モル%)である。また、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールの割合(NPG共重合PETの場合にはNPGの割合)は、全ジオール成分中、10〜30モル%(EGが70〜90モル%)が好ましい。さらに、EG成分の一部(好ましくは、全ジオール成分中、1〜30モル%)をジエチレングリコールに置き換えてもよい。
前記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に限定されないが、実質的に非晶性の芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、より好ましくは、非晶性の飽和ポリエステル系樹脂である芳香族ポリエステル系樹脂である。芳香族ポリエステル系樹脂は、上述のように変性することによって、結晶化しにくくなるため、例えば、変性によって実質的に非晶性とすることができる。芳香族ポリエステル系樹脂を非晶性とすることにより、比較的低温での押出が可能となる。
前記ポリエステル系樹脂の、示差走査熱量測定(DSC)法(10℃/分の昇温速度で測定)により測定した結晶化度は、特に限定されないが、15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらに、前記ポリエステル系樹脂は、前記DSC法により測定した場合に、融点(融解ピーク)がほとんど見られないもの(すなわち、結晶化度0%のもの)が最も好ましい。前記結晶化度は、DSC測定より得られる結晶融解熱の値から、X線法等により測定した結晶化度の明確なサンプルを標準として、算出することができる。なお、結晶融解熱は、例えば、セイコーインスツル(株)製DSC(示差走査熱量測定)装置を用い、試料量10mg、昇温速度10℃/分で、窒素シールを行い、一度融点以上まで昇温し、常温まで降温した後、再度昇温したときの融解ピークの面積から求めることができる。結晶化度は、単一の樹脂から測定されることが好ましいが、混合状態で測定される場合には、混合される樹脂の融解ピークを差し引いて、対象となる芳香族ポリエステル系樹脂の融解ピークを求めればよい。
前記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、溶融挙動や収縮挙動の観点から、15,000〜100,000が好ましく、より好ましくは30,000〜90,000、さらに好ましくは30,000〜80,000である。2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、50,000〜70,000が特に好ましい。
前記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、延伸特性、熱収縮性の観点から60〜80℃が好ましく、より好ましくは60〜75℃である。前記Tgは、ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸やジオールなどの種類や変性に用いる共重合成分(変性成分)の共重合比率により制御できる。本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
前記芳香族ポリエステル系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、Eastman Chemical(イーストマンケミカル)社製「EMBRACE 21214」、「EMBRACE LV」(以上、CHDM共重合PET)や、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット MGG200」(2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET)、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット E02」(NPG共重合PET)等が市場で入手できる。
前記ポリ乳酸系重合体は、乳酸(D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物)を単量体成分とする重合体を意味し、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸又はラクトンとの共重合体、或いは乳酸と他のジカルボン酸、及び/又は、ジオールとの共重合体も含まれる。他のヒドロキシカルボン酸として、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが例示される。また、ジカルボン酸としては、上述のポリエステル系樹脂を構成する成分として例示及び説明されたジカルボン酸などが挙げられる。また、ジオールとしては、上述のポリエステル系樹脂を構成する成分として例示及び説明されたジオールなどが挙げられる。これらのヒドロキシカルボン酸、ラクトン、ジカルボン酸、或いはジオールは、乳酸とモノマー状態で混合され、ランダム共重合体としてポリマー中に導かれても良いし、事前にポリエステルとして重合されたオリゴマー、或いはプレポリマーとして乳酸とブロック共重合体を形成する形でポリマー中に導かれてもよい。
前記ポリ乳酸系重合体を構成する乳酸の光学異性体の組成比(D体とL体の含有率比)は、要求される物性によっても異なり、特に限定されないが、結晶化度制御の観点から、全乳酸成分に対するD−乳酸の割合が1〜20質量%(好ましくは1〜15質量%)であるか、又は全乳酸成分に対するL−乳酸の割合が1〜20質量%(好ましくは1〜15質量%)であることが好ましい。中でも、全乳酸成分に対するD−乳酸の割合が1〜20質量%の場合がより好ましい。
前記ポリ乳酸系重合体を構成する全単量体に占める乳酸の割合は、特に限定されないが、50モル%以上が好ましく、より好ましくは65モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。前記乳酸の割合の上限は、特に限定されないが、100モル%であってもよい。前記ポリ乳酸系重合体は1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との比率が異なるポリ乳酸系重合体を2種以上組み合わせて用いることができる。
前記ポリ乳酸系重合体は、例えば、トウモロコシや芋類などから得られたデンプンを原料として製造された乳酸を重合して製造することができる。重合法としては、特に限定されず、縮重合法、開環重合法等の公知乃至慣用の方法を採用できる。例えば、縮重合法では、乳酸、又は乳酸と他の単量体成分とを直接脱水縮合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、適当な触媒の存在下で重合させることにより任意の組成のポリ乳酸系重合体を得ることができる。
前記ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、機械特性および溶融粘度の観点から、通常5,000〜100,000、好ましくは10,000〜50,000程度である。前記重量平均分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性が劣る場合がある。前記重量平均分子量が大きすぎると成形加工性が低下する場合がある。
表層21及び裏層23の主成分樹脂の含有量は、特に限定されないが、それぞれ独立して、層全体(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。前記含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。
(中間層)
中間層22は、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層を1層以上有し、好ましくは3層以上有する。
中間層22が交互積層構造である場合には、第1樹脂層221は、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層からなり、第2樹脂層222は、前記第1樹脂層221とは樹脂成分が異なる樹脂層である。例えば、第1樹脂層221及び第2樹脂層222の双方がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層であってもよく、第1樹脂層221がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で且つ第2樹脂層222がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を主成分とする樹脂層であってもよい。ただし、第1樹脂層221及び第2樹脂層222の双方がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層である場合でも、第1樹脂層221に含まれる樹脂成分と第2樹脂層222に含まれる樹脂成分は、異なる。
前記双方がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層とする場合における第1樹脂層221の樹脂成分と第2樹脂層222の樹脂成分が異なるとは、(1)双方がポリスチレン系樹脂を主成分樹脂として含むが、樹脂全体に対するポリスチレン系樹脂の含有量が異なっている場合、(2)双方がポリスチレン系樹脂を主成分樹脂として含むが、そのポリスチレン系樹脂の構造が異なっている場合、(3)双方がポリスチレン系樹脂を主成分樹脂として含み且つポリスチレン系樹脂以外の系統の樹脂を含んでおり、そのポリスチレン系樹脂以外の樹脂が異なっている場合、(4)前記(1)乃至(3)から選ばれる2つ以上の条件を満たしている場合、などが挙げられる。第1樹脂層221と第2樹脂層222は、前記(1)乃至(4)の何れか1つの条件を満たし且つそれぞれの屈折率が互いに異なっていることが好ましい。
異種の樹脂層を多数交互に積層することによってそれらの樹脂層の利点を顕在化させることができることから、第1樹脂層221と第2樹脂層222の主成分樹脂は、異なっていることが好ましい。例えば、第1樹脂層221がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で且つ第2樹脂層222がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を主成分とする樹脂層である。好ましくは、第1樹脂層221がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で且つ第2樹脂層222がポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層であり、より好ましくは、第1樹脂層221がポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で且つ第2樹脂層222がポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系樹脂層であって、ポリエステル系樹脂以外の樹脂としてポリスチレン系樹脂を含む混合樹脂層である。
なお、第2樹脂層222が前記混合樹脂層である場合、中間層22における第1樹脂層221と第2樹脂層222の積層順序は、その第2樹脂層222が表層21及び裏層23に隣接することが好ましい。つまり、第2樹脂層222が前記混合樹脂層である場合、図4(a)に示すように、表層21/第2樹脂層222/第1樹脂層221/第2樹脂層222/(任意に積層される第1樹脂層221/第2樹脂層222)/第1樹脂層221/第2樹脂層222/裏層23であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂を主成分樹脂とするポリスチレン系樹脂層からなる第1樹脂層221は、ポリスチレン系樹脂以外の系統の樹脂(主成分樹脂以外の樹脂)を含んでいてもよいが、好ましくは、ポリスチレン系樹脂以外の系統の樹脂を実質的に含まないポリスチレン系樹脂層である。
前記ポリスチレン系樹脂以外の樹脂としては、例えば、樹脂の系統別で列挙して、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。ポリエステル系樹脂の具体例は、表層21及び裏層23の欄に記載されたものが挙げられる。
第1樹脂層221の主成分樹脂の含有量は、特に限定されないが、その層全体(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。前記含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。
第1樹脂層221が主成分樹脂以外の樹脂を含む場合、その主成分樹脂以外の樹脂の含有量は、特に限定されないが、層全体に対して5質量%〜45質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%がさらに好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂の系統に含まれる樹脂は、スチレン系単量体を必須の単量体(モノマー)成分として構成される重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。前記ポリスチレン系樹脂は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。
前記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。中でも、入手し易さ、材料価格などの観点から、スチレンが好ましい。なお、前記スチレン系単量体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレンの単独重合体である汎用ポリスチレン(GPPS)等のスチレン系単量体の単独重合体;2種以上のスチレン系単量体のみを単量体成分として構成される共重合体;スチレン−ジエン系共重合体;スチレン−重合性不飽和カルボン酸エステル系共重合体等の共重合体;ポリスチレンと合成ゴム(例えば、ポリブタジエンやポリイソプレン等)の混合物、合成ゴムにスチレンをグラフト重合させたポリスチレンなどの耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);スチレン系単量体を含む重合体(例えば、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合体)の連続相中にゴム状弾性体を分散させ、該ゴム状弾性体に前記共重合体をグラフト重合させたポリスチレン(グラフトタイプ耐衝撃性ポリスチレン「グラフトHIPS」という)、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。なお、前記ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記スチレン−ジエン系共重合体は、スチレン系単量体及びジエン(特に、共役ジエン)を必須の単量体成分として構成される共重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位、及びジエン(特に、共役ジエン)に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。
前記ジエンとしては、特に限定されないが、共役ジエンが好ましく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンが特に好ましい。即ち、前記スチレン−ジエン系共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。なお、前記ジエンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記スチレン−ジエン系共重合体を構成する単量体成分は、さらに、前記スチレン系単量体及び前記ジエン以外の単量体成分を含んでいてもよい。前記スチレン系単量体及び前記ジエン以外の単量体成分としては、例えば、ビニル系モノマー、重合性不飽和カルボン酸エステル、重合性不飽和無水カルボン酸などが挙げられる。
前記スチレン−ジエン系共重合体の共重合の形態は、特に限定されないが、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。中でも、ブロック共重合体が好ましく、例えば、スチレンブロック(S)−ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型等が挙げられる。
前記スチレン−ジエン系共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBC)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等のスチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体(SBIS)等のスチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられ、中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。なお、これらの共重合体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記スチレン−ブタジエンブロック共重合体としては、スチレン系単量体のみが重合したスチレンブロックとブタジエンのみが重合したブタジエンブロックを交互に有する共重合体であればよく、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBSBS)等のスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(SBSB)等のスチレンブロック及びブタジエンブロックを末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSB)、ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSBSB)等のブタジエンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。中でも、スチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましく、より好ましくはSBSである。なお、これらのスチレン−ブタジエンブロック共重合体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記スチレン−ジエン系共重合体のブロック共重合体(スチレン−ジエンブロック共重合体)は、公知慣用のブロック共重合体の製造方法により製造することができる。前記スチレン−ジエンブロック共重合体の製造方法としては、例えば、スチレン−ジエンブロック共重合体の分子量、分子量分布及び末端構造などを制御しやすい、リビング重合(リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合など)が挙げられる。前記リビング重合は公知慣用の方法により実施可能である。
前記スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量は、樹脂層に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体の総質量(100質量%)に対して、50〜95質量%が好ましく、より好ましくは60〜90質量%、さらに好ましくは70〜90質量%である。他方、ジエンに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、樹脂層中の全てのスチレン−ジエン系共重合体の総質量(100質量%)に対して、5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量が50質量%以下であると(即ち、ジエンに由来する構成単位の含有量が50質量%以上であると)、熱収縮性筒状ラベル1の剛性が低下し、腰が弱くなる場合がある。
前記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、前記スチレン−ジエン系共重合体の組成(各スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる各構成単位の含有量、及び樹脂層中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体中の各スチレン−ジエン系共重合体の含有量)により制御することができる。より具体的には、例えば、前記スチレン−ジエン系共重合体が、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs1(質量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd1(質量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS1)と、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs2(質量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd2(質量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS2)のみから構成される樹脂混合物であり、前記樹脂混合物(PS1とPS2の樹脂混合物)100質量%中のPS1の含有量がW1(質量%)、PS2の含有量がW2(質量%)である場合には、前記樹脂混合物中のスチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、一般的に、以下のように制御できる。
スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量(質量%)=(s1×W1+s2×W2)/100
ジエンに由来する構成単位の含有量(質量%)=(d1×W1+d2×W2)/100
前記構成単位(スチレン系単量体に由来する構成単位及びジエンに由来する構成単位)や前記構成単位の含有量の分析・測定は、特に限定されないが、例えば、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)などにより行うことができる。なお、後述する特定スチレン−共役ジエン共重合体についても、同様にして測定することができる。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、水素添加されていてもよい。即ち、前記ポリスチレン系樹脂は、水素添加されたポリスチレン系樹脂(水添ポリスチレン系樹脂)であってもよい。前記水添ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、SBSやSISに水素を添加した樹脂である水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)や水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等の水素添加されたスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。前記水添ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、極性基が導入されていてもよい。即ち、前記ポリスチレン系樹脂は、極性基が導入されたポリスチレン系樹脂(変性ポリスチレン系樹脂)であってもよい。なお、前記変性ポリスチレン系樹脂には、極性基が導入された水添ポリスチレン系樹脂が含まれる。
前記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂を主鎖骨格として、極性基を導入されたポリスチレン系樹脂である。前記極性基としては、特に限定されないが、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、水酸基などが挙げられる。中でも、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基が好ましく、より好ましくは無水マレイン酸基、エポキシ基である。前記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリエステル系樹脂と親和性が高い又は反応可能な極性基を有し、かつ、ポリスチレン系樹脂と相溶可能であることにより、ポリエステル系樹脂を主成分とする層やポリスチレン系樹脂を主成分とする層との常温での接着性が高くなる。前記極性基は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
前記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)の変性体、水添スチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)の変性体が好ましい。即ち、前記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、酸無水物変性SEBS、酸無水物変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSが好ましく、より好ましくは、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSである。前記変性ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、前記ポリスチレン系樹脂は、軟質ポリスチレン系樹脂であってもよい。前記軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体、ゴム成分の多いHIPS(ハイインパクトポリスチレン)、ゴム成分の多いグラフトHIPSなどが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。前記軟質ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。前記スチレン系エラストマーは、ジエン成分を含み、スチレン−ジエン系共重合体エラストマーであってもよい。なお、前記ゴム成分が多いHIPSとは、ゴム成分の含有量が、HIPSの総質量(100質量%)に対して、30質量%を超えるHIPSをいう。また、前記ゴム成分が多いグラフトHIPSとは、ゴム成分の含有量が、グラフトHIPSの総質量(100質量%)に対して、30質量%を超えるグラフトHIPSをいう。
前記軟質ポリスチレン系樹脂には、水素添加された軟質ポリスチレン系樹脂(水添軟質ポリスチレン系樹脂)が含まれる。前記水添軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン系エラストマー、水添スチレン−ジエン系共重合体(特に、水素添加されたジエン成分の多いスチレン−ジエン系共重合体)が好ましい。
前記スチレン−ジエン系共重合体エラストマーは、ジエンに由来する構成単位の含有量が、スチレン−ジエン系共重合体の総質量(100質量%)に対して、50質量%以上であるスチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくは60〜95質量%、さらに好ましくは65〜90質量%である。
前記スチレン−ジエン系共重合体エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、20℃以下が好ましく、より好ましくは10℃以下、さらに好ましくは0℃以下ある。
前記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、スチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体、さらに好ましくはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、特に好ましくはスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、最も好ましくはSBSである。
前記ポリスチレン系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、電気化学工業(株)製「クリアレン 530L」、「クリアレン 730L」、旭化成(株)製「タフプレン 126S」、「アサプレン T411」、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン D1102A」、「クレイトン D1116A」、スタイロルーション社製「スタイロルクス S」、「スタイロルクス T」、旭化成ケミカルズ(株)製、「アサフレックス 840」、「アサフレックス 860」(以上、SBS)、PSジャパン(株)製「679」、「HF77」、「SGP10」、DIC(株)製「ディックスチレン XC−515」、「ディックスチレン XC−535」(以上、GPPS)、PSジャパン(株)製「475D」、「H0103」、「HT478」、DIC(株)製「ディックスチレン GH−8300−5」(以上、HIPS)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックHシリーズ」、シェルジャパン(株)製「クレイトンGシリーズ」(以上、SEBS)、JSR(株)製「ダイナロン」(水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体)、(株)クラレ製「セプトン」(SEPS)、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックMシリーズ」、(株)ダイセル製「エポフレンド」、JSR(株)製「極性基変性ダイナロン」、東亞合成(株)製「レゼダ」(以上、変性ポリスチレン系樹脂)などが挙げられる。
前記第2樹脂層222は、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層でもよく、或いは、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を主成分とする樹脂層でもよいが、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層であることが好ましい。
前記第2樹脂層222が、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層である場合、上記第1樹脂層221と同様に、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、又は、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を実質的に含んでいなくてもよいが、好ましくは、ポリスチレン系樹脂以外の樹脂を含むポリスチレン系樹脂層である。ポリスチレン系樹脂以外の樹脂としては、次に列挙したものが挙げられる。前記第2樹脂層222を構成するポリスチレン系樹脂の具体例は、第1樹脂層221の欄に記載されたものが挙げられる。
第2樹脂層222がポリスチレン系樹脂以外の樹脂を主成分とする樹脂層である場合、そのポリスチレン系樹脂以外の樹脂としては、特に限定されず、例えば、系統別に列挙すると、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。第2樹脂層222の主成分樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又は熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
第2樹脂層222がポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層である場合、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の何れか一方が主成分樹脂であることが好ましく、ポリエステル系樹脂が主成分樹脂であることがより好ましい。前記混合樹脂層は、例えば、ポリエステル系樹脂を10〜90質量%含み且つポリスチレン系樹脂を10〜90質量%含み、透明性の観点から、好ましくは、ポリエステル系樹脂を40質量%〜80質量%含み且つポリスチレン系樹脂を20質量%〜60質量%含むことが好ましい。また、前記混合樹脂層のポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂の含有量は、特に限定されず、例えば、その層全体(100質量%)に対して、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂の合計が50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
前記第2樹脂層222を構成するポリエステル系樹脂の具体例は、表層21及び裏層23の欄に記載されたものが挙げられる。
第2樹脂層222の主成分樹脂の含有量は、特に限定されないが、その層全体(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%を超え、さらに好ましくは55質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。前記含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。
第2樹脂層222の主成分樹脂以外の樹脂の含有量は、特に限定されないが、層全体に対して5質量%〜45質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%がさらに好ましい。
なお、表層21、裏層23、第1樹脂層221及び第2樹脂層222は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)、軟化剤、粘着付与剤、石油樹脂などの添加剤を含有してもよい。また、表層21、裏層23、第1樹脂層221及び第2樹脂層222は、フィルム製造時のフィルム片が再ペレット化された回収原料を含有していてもよい。
熱収縮性筒状ラベルの90℃における収縮応力は、特に限定されないが、1〜7Nが好ましく、より好ましくは1〜5N、さらに好ましくは1〜3Nである。収縮応力が1N以上の熱収縮性筒状ラベルは、被着体に対する追従性が向上する。前記収縮応力は、例えば、積層フィルムの厚み、層構成及び形成材料などを適宜設定することにより調整できる。
前記収縮応力は、例えば、積層フィルムの両端を固定し、90℃の温水に浸漬した際の積層フィルムに生じる応力を、応力測定器(例えば、島津製作所(株)製の「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」)を用いて測定できる。
第1樹脂層221と第2樹脂層222の90℃における層間強度は、熱収縮性筒状ラベル1の90℃における収縮応力よりも大きいことが好ましい。前記層間強度が熱収縮性筒状ラベル1の90℃における収縮応力よりも大きいことにより、熱収縮時に、第1樹脂層221と第2樹脂層222との間の層間剥離を確実に防止できる。
第1樹脂層221と第2樹脂層222の90℃における層間強度は、特に限定されないが、2N以上(例えば、2〜8N)が好ましく、より好ましくは3N以上(例えば、3〜8N)である。前記層間強度は、例えば、第1樹脂層221及び第2樹脂層222の形成材料などを適宜設定することにより調整できる。前記層間強度は、例えば、JIS K6854−2に準拠して、90℃に加熱した状態の180°方向の層間剥離強度を測定することによって得ることができる。具体的には、下記の方法で測定することができる。
積層フィルム2の端面において、第1樹脂層221と第2樹脂層222の界面にて部分的に剥離して、剥離した部分(剥離部)及び剥離されて残っている部分(被剥離部)を形成する。この被剥離部を、粘着テープを用いてガラス板に固定する。その後、ガラス板側から90℃まで加熱する。そして、ガラス板を動かないように固定し剥離部を180°方向に引っ張り速度200mm/minで引っ張る。この引っ張った際の強度を測定し、当該強度を第1樹脂層221と第2樹脂層222の界面の90℃における層間強度とする。なお、剥離したときのフィルムの厚みの薄い側を剥離部、厚みの厚い側を被剥離部とする。
本発明の積層フィルム2は、表層21及び裏層23がポリエステル系樹脂層であるので、耐久性及び強度に優れ、さらに、透明性も向上する。また、前記積層フィルム2は、中間層22がポリスチレン系樹脂層を含むので、フィルム全体として柔軟性に優れ、ポリエステル系樹脂層の急激な熱収縮を緩和して、透明性を損なうことなく全体として適度な熱収縮性を有する。かかる積層フィルム2を有する熱収縮性筒状ラベル1は、容器に対する密着性に優れ、皺を生じることなく容器に装着できる。
なお、中間層22の樹脂層の上限を65層としたのは、66層以上であると、各層の厚みが小さくなりすぎて、層を構成できない部分が生じる虞があるからである。
前記積層フィルム2は、例えば、次のようにして製造できる。
積層フィルム2は、溶融製膜などの慣用の方法によって作製することができる。中でも、溶融製膜法(特に、Tダイ法)が好ましい。また、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法(フィードブロック法、マルチマニホールド法等)、ドライラミネート法などを用いることができる。中でも、共押出法が好ましく、フィードブロック法がより好ましく、さらに、フィードブロックとレイヤー・マルチプライヤーを組み合わせた方法がさらに好ましい。前記レイヤー・マルチプライヤーは、フィルム層を多層化する装置である。前記レイヤー・マルチプライヤーで多層化する方法としては、特に限定されないが、1つのフィルム層を幅方向に分割した後、分割した2つのフィルム層を厚み方向に積層し、これを、必要に応じて繰り返す方法が挙げられる。以下、レイヤー・マルチプライヤーを、単にマルチプライヤーという場合がある。前記マルチプライヤーは、例えば、EDI社、クローレン社より入手できる。
共押出法(フィードブロック法)においては、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に、第1樹脂層221を形成する樹脂材料(1)と第2樹脂層222を形成する樹脂材料(2)を投入し、Tダイ、サーキュラーダイなどから溶融押出(共押出)する。なお、押出温度は、用いる樹脂材料の種類に応じて適宜設定される。溶融された樹脂材料(1)及び(2)をそれぞれフィードブロックから押し出し、樹脂材料(1)/樹脂材料(2)/樹脂材料(1)の第1積層体を作製し、この第1積層体を1単位として、マルチプライヤーを用いてこの単位を重ねて積層し、樹脂材料(1)/樹脂材料(2)/樹脂材料(1)×2/樹脂材料(2)/樹脂材料(1)の第2積層体を作製する。この第2積層体の両面に、表層形成材料と裏層形成材料をフィードブロックから押し出して積層することにより、表層/第1樹脂層/第2樹脂層/第1樹脂層×2/第2樹脂層/第1樹脂層/裏層の7層の積層未延伸フィルムが得られる。積層により、「樹脂材料(1)×2」と表記している前記樹脂材料(1)が2層重なった箇所の界面は認識できなくなり、樹脂材料(1)の1つの層となる。
得られた積層未延伸フィルムを延伸処理する。
延伸処理は、長手方向(MD方向)及び幅方向(TD方向)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸などを用いることができる。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。例えば、ロール方式により長手方向に延伸温度65〜100℃、延伸倍率1.05〜1.50倍で延伸した後、テンター方式により幅方向に延伸温度70〜100℃、延伸倍率3〜7倍(好ましくは4〜5.5倍)で延伸する。
延伸処理を行うことにより、上記積層フィルム2が得られる。
なお、上記製造方法は、表層、5層の中間層及び裏層からなる計7層の積層フィルム2を製造する場合を例示したが、マルチプライヤーを用いて、1単位である第1積層体を重ねて第2積層体とした後、これを所定数繰り返すことにより、8層以上からなる積層フィルム2が得られる。
(意匠印刷層)
意匠印刷層3は、例えば、商品名、会社名、説明書き、図柄などのデザイン表示が所望の色彩で表された1層又は多層の印刷部分である。
意匠印刷層3は、従来公知の印刷インキを用い、グラビア印刷法などの各種印刷法にて形成できる。
意匠印刷層3は、積層フィルム2の表面側に設けられていてもよいが、傷付き防止の観点から、積層フィルム2の裏面側に設けられていることが好ましい。また、意匠印刷層3は、図示のように、積層フィルム2の裏面に直接設けられていてもよい。或いは、特に図示しないが、フィルムの裏面に透明な樹脂層が設けられ且つその透明な樹脂層の裏面に意匠印刷層が設けられていてもよい。
意匠印刷層3は、熱収縮性筒状ラベルが透明部を有することを条件として、積層フィルム2の裏面側の略全体に設けられていてもよく、積層フィルム2の裏面側の一部分に設けられていてもよい。意匠印刷層3は、デザイン表示が所望の色彩で表された表示部を有し、必要に応じて、表示部の背面に、白色や銀色などの背景印刷層を有していてもよい。積層フィルム2の全体に意匠印刷層3が設けられている場合であって、意匠印刷層3が表示部のみからなる場合であっても、その表示部の一部が透明性を有する場合には、その部分は熱収縮性筒状ラベルの透明部を構成する。また、意匠印刷層3が表示部及び背景印刷層を有する場合、その意匠印刷層が設けられた領域において透明性が阻害されるので、意匠印刷層3は積層フィルム2の一部分に設けられる。
なお、前記熱収縮性筒状ラベルの透明部は、積層フィルム2そのものからなる場合に限られず、フィルム2が有する透明性を阻害しなければ、前記透明部には、透明な印刷層、透明な保護層の他、透明な任意の層が設けられていてもよい。なお、熱収縮性筒状ラベルの透明部は、無色透明又は有色透明の何れでもよいが、好ましくは、無色透明である。
前記透明部のヘイズ値(%)は、例えば、5%以下であり、好ましくは4%以下であり、より好ましくは3%以下である。前記透明部のヘイズ値は、上記積層フィルム2を測定対象として、JIS K 7105に準拠して測定できる。
意匠印刷層3が積層フィルム2の一部分に設けられる場合、意匠印刷層3を形成する領域は、特に限定されず、適宜設定できる。例えば、意匠印刷層3は、積層フィルム2の少なくとも上方帯領域及び下方帯領域の何れか一方を除いて設けられ、好ましくは、少なくとも上方帯領域を除いて設けられ、より好ましくは、図示例のように、積層フィルム2の上方帯領域及び下方帯領域の双方を除く中間領域に設けられている。この場合、熱収縮性筒状ラベル1の少なくとも上方帯領域及び下方帯領域の何れか一方は、透明部であり、好ましくは、少なくとも上方帯領域は、透明部であり、より好ましくは、少なくとも上方帯領域及び下方帯状領域は、透明部である。なお、上方帯領域は、積層フィルム2の上縁を含んでおり、下方帯領域は、積層フィルム2の下縁を含んでいる。
前記上方帯領域及び下方帯領域の各幅は、特に限定されず、それぞれ独立して、例えば、1mm以上、好ましくは2mm以上であり、その上限は、熱収縮性筒状ラベル全体の縦方向長さの0.1倍以下、好ましくは0.05倍以下である。なお、上方帯領域の幅及び下方帯領域の幅は、それぞれ縦方向における長さである。
意匠印刷層3は、デザイン表示(表示部)が表されたデザイン層31を含んでいることを条件として、デザイン表示が表されていない無模様一色、又は無模様多色の背景印刷層32を含んでいてもよい。図3及び図4において、デザイン層31の表示部を黒塗りで、背景印刷層32を斜線で示している。
この無模様の背景印刷層32は、ラベルの裏面側が透けて見えない又はラベルの裏面側が目立たないようにする隠蔽目的で、デザイン層31の裏面に設けられる。無模様一色の背景印刷層32としては、例えば、無模様白色の印刷層、無模様銀色の印刷層、銀色及び白色以外の無模様色彩の印刷層などが挙げられる。無模様多色の背景印刷層32としては、例えば、無模様銀色と無模様白色が塗り分けられ又は塗重ねられた印刷層、銀色及び白色以外の無模様色彩と無模様銀色及び/又は無模様白色が塗り分けられ又は塗重ねられた印刷層、銀色及び白色以外の無模様色彩が2種以上塗り分けられ又は塗重ねられた印刷層、銀色及び白色以外の無模様色彩が2種以上と無模様銀色及び/又は無模様白色が塗り分けられ又は塗重ねられた印刷層などが挙げられる。
前記無模様白色の背景印刷層32は、酸化チタンなどの白色着色剤を含む着色インキをベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。前記無模様銀色の背景印刷層32は、アルミニウム微粒子などの銀色着色剤を含む着色インキをベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。前記無模様多色の背景印刷層32は、2種以上の着色インキを塗り分ける又は塗り重ねることにより形成できる。例えば、無模様多色の背景印刷層32は、白色以外の着色印刷層と、その着色印刷層を含む領域に印刷された白色印刷層と、からなる。背景印刷層32の色彩を容器の色付き外面領域と同色とすることにより、熱収縮性筒状ラベルと容器の一体感が高まるので好ましい。なお、「同色」とは、同一の色番号などの厳密な意味ではなく、人間の視覚上、色彩が同じに見えるという意味である。
また、前記背景印刷層32に代えて保護層を、又は、背景印刷層32の裏面に、透明な保護層を設けてもよい。透明な保護層は、着色剤を含まないインキ(メジウムインキ)をベタ状に又は適宜な箇所にスポット的に塗布することにより形成できる。
意匠印刷層3の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜5μm程度が好ましい。
<ラベル付き容器>
本発明のラベル付き容器は、透明領域を有する胴部を有する容器と、前記容器の被着領域に熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベルと、を有する。前記被着領域は、容器のうち熱収縮性筒状ラベルが装着された領域である。通常、被着領域は、容器の胴部の全部又は一部であるが、これに限定されず、被着領域は、胴部及び蓋部の全部又は一部であることもある。前記透明領域は、容器の透明な部分をいう。被着領域の全部が、透明領域である場合もあり、或いは、被着領域の一部が、透明領域である場合もある。
上記に示したような熱収縮性基材4を有する熱収縮性筒状ラベルを、容器の所望箇所に装填し、これを所要温度に加熱することにより、熱収縮性筒状ラベルが容器に装着されたラベル付き容器が得られる。
容器の形状は、特に限定されず、例えば、カップ型容器、ボトル型の容器、シャンプー容器などが挙げられる。容器に収納される充填物は、特に限定されないが、代表的には、飲料、調味料、ゼリー、即席麺などの食品、シャンプー、リンス、コンディショナー、洗剤などのトイレタリー製品、化粧品、薬品、衛生用品、おもちゃ、機械部品などである。容器の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラスなどが挙げられる。透明性に優れた容器を形成できることから、容器の材質は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂及びガラスから選ばれる少なくとも1つが好ましい。
前記透明領域は、外側から容器を通してその内側の色彩や表示を透視することができる部分である。前記透明領域は、無色透明又は有色透明の何れでもよいが、好ましくは、無色透明である。前記透明領域の透明度は、例えば、ヘイズ値によって表すことができる。前記透明領域のヘイズ値(%)は、例えば、10%以下であり、好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。前記ヘイズ値は、JIS K 7105に準拠して測定できる。
熱収縮性筒状ラベルの透明部の全部又は一部が、前記容器の被着領域の透明領域に密着されている。好ましくは、前記被着領域は、熱収縮性筒状ラベルが密着可能な平滑性を有し、少なくとも透明領域の外面が、前記平滑性を有する。かかる平滑な透明領域の一部又は全部に、熱収縮性筒状ラベルの透明部の全部又は一部が密着されていることが好ましい。前記密着は、熱収縮性筒状ラベルが容器の外面に接していることをいい、好ましくは、接しているが接着されていない(接着は、接着剤や粘着剤を用いた接着という意味である)ことをいう。
前記被着領域の一部が透明領域である場合、その透明領域以外の被着領域は、不透明である。また、前記容器のうち、被着領域以外の部分は、透明でもよく、又は、不透明でもよい。
容器の被着領域は、直胴状でもよく、異形状でもよい。前記直胴状は、容器の軸方向(熱収縮性筒状ラベルの縦方向と同じ方向)において外周長が変わらない形状である。前記異形状は、容器の軸方向において外周長が異なる2つ以上の部分がある形状をいう。従って、前記異形状は、小径部と、前記小径部よりも外周長が大きい大径部と、を有する。被着領域の小径部は、被着領域の中で最も外周長が小さい部分をいい、被着領域の大径部は、被着領域の中で最も外周長が大きい部分をいう。従って、容器の中で最も外周長が小さい部分が、被着領域の小径部に相当している場合もあれば、そうでない場合もある。同様に、容器の中で最も外周長が大きい部分が、被着領域の大径部に相当している場合もあれば、そうでない場合もある。
異形状の被着領域を有する容器に対して、好ましくは、熱収縮性筒状ラベルは、前記小径部及び大径部を含んで装着される。以下、装着された熱収縮性筒状ラベルのうち、小径部に対応する領域を、熱収縮性筒状ラベルの小径対応部といい、大径部に対応する領域を大径対応部という場合がある。
前記容器の被着領域の小径部の外周長と大径部の外周長の比(小径部の外周長/大径部の外周長)は、例えば、1/5〜9/10であり、好ましくは1/4〜4/5であり、より好ましくは1/3〜7/10である。
小径対応部の熱収縮率は、大径対応部の熱収縮率よりも大きい。例えば、熱収縮性筒状ラベル1の小径対応部における熱収縮率は、20%〜80%であり、熱収縮性筒状ラベル1の大径対応部における熱収縮率は、1%〜20%である。
前記小径対応部の熱収縮率は、小径対応部に対応する部分の加熱前の周方向長さと、小径対応部の周方向長さの割合であり、式:熱収縮率(%)=[{(小径対応部に対応する部分の加熱前の周方向長さ)−(小径対応部の周方向長さ)}/(小径対応部に対応する部分の加熱前の周方向長さ)]×100、で求められる。前記大径対応部の熱収縮率は、小径対応部の熱収縮率と同様である(前記記載のうち「小径対応部」を「大径対応部」に読み替える)。
熱収縮装着された前記熱収縮性筒状ラベルの、小径対応部におけるヘイズ値(%)は、例えば、5%以下であり、好ましくは3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。熱収縮装着された前記熱収縮性筒状ラベルの、大径対応部におけるヘイズ値(%)は、前記小径対応部のヘイズ値と同じ又はそれよりも小さく、例えば、5%以下であり、好ましくは3%以下であり、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。
また、小径対応部におけるヘイズ値と大径対応部におけるヘイズ値との差の絶対値が、例えば、0%〜3%であり、好ましくは0%〜1%である。
ただし、前記小径対応部及び大径対応部の各ヘイズ値は、透明部における測定である。このヘイズ値は、ラベル付き容器から熱収縮性筒状ラベルの小径対応部及び大径対応部の中から透明部を切り出し、それを測定対象として、JIS K 7105に準拠して測定できる。
ラベル付き容器において、熱収縮性筒状ラベルのうち、比較的大きく熱収縮した小径対応部の厚みは、それよりも小さく熱収縮した大径対応部の厚みよりも大きくなる。フィルムは、通常、厚みに比例して透明性が低下するが、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、その厚みに比例する透明性の低下が非常に緩やかである。
上記熱収縮性筒状ラベルは、斜めから見たときに明るく見えるので、それが密着状態で装着されたラベル付き容器は、容器の透明領域と熱収縮性筒状ラベルの相乗により、消費者に鮮明な感じを印象付けることができる。特に、容器の透明領域と熱収縮性筒状ラベルの透明部が重なった部分においては、その熱収縮性筒状ラベルの透明部を通じて消費者が視認するものが(透明部を通じて視認するものは、例えば、容器内に収納された充填物、或いは、充填物も透明である場合には、さらに、その透明な充填物を通じて視認できる充填物の裏側にある背景物など)、鮮明な感じに印象付けられる。
本発明の熱収縮性筒状ラベルが明るく見えるのは、積層フィルム2が5層〜65層の樹脂層からなる中間層22を有することに起因する。特に、第1樹脂層221が、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で、且つ、第2樹脂層222が、ポリエステル系樹脂を主成分とする、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層である場合、斜めから見たときに、明るく見える。これは、中間層が5層〜65層の樹脂層を有するので、積層フィルム2の表面に対して斜めから入射した光が各層において一定角度で反射されるためと推定される。かかる熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器は、ラベル越しに見た容器の透明領域がよりクリアに見える。
また、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮後においても透明性に優れ且つ容器に対する密着性にも優れているので、かかる熱収縮性筒状ラベルの透明部が被着領域の透明領域に密着された本発明のラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルと容器の被着領域との相違が消費者によって見分け難くなる。特に、本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮により、容器に十分に密着し且つ透明性も低下しないので、例えば、比較的大きく熱収縮した部分である小径対応部と容器との一体感も高く、且つ容器の透明領域の透明感も向上する。
また、一般に、容器との境界線である熱収縮性筒状ラベルの上縁において、熱収縮性筒状ラベルと容器が別体であることを視認し易いが、本発明の好ましいラベル付き容器は、熱収縮性筒状ラベルの少なくとも上縁を含む上方帯領域が透明部であるため、容器とラベルを見分けにくくなっている。かかるラベル付き容器を使用することにより、消費者にラベルと容器が恰も一体で形成されている感じ(一体感)を特に印象付けることができる。特に、その透明部である上方帯領域が装着された容器の被着領域と、被着領域以外の容器の領域(この被着領域以外の容器の領域は、装着された熱収縮性筒状ラベルの上縁を境界にしてその上側の容器の領域である)とが、何れも透明である場合には、より一層ラベルと容器の一体感が高まるので好ましい。
本発明の熱収縮性筒状ラベルが透明性に優れているのは、積層フィルム2が、表層21、5層〜65層の樹脂層からなる中間層22及び裏層23を有することに起因する。詳しくは、表層21、5層〜65層の樹脂層からなる中間層22及び裏層23を有することにより、表層、中間層の各層及び裏層のそれぞれ1層当たりの厚みが小さくなる。一般に、従来の2種3層構成からなる異種積層フィルムは、本発明の積層フィルムに比して透明性が低い(例えば、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂などの混合樹脂からなる層を含む異種積層フィルムは、ポリエステル系単層のフィルムよりも透明性が悪い)。本発明の積層フィルム2は、中間層22を5層〜65層の積層構造とすることにより、ポリスチレン系樹脂層の厚みを相対的に小さくでき、透明度が向上する。特に、中間層22が、第1樹脂層221と第2樹脂層222の交互積層構造からなり、第1樹脂層221が、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層で、且つ、第2樹脂層222が、ポリエステル系樹脂を主成分とする、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層である場合、透明性に優れる。
上記ラベル付き容器は、それ自体、透明感に優れ且つ鮮明な感じを消費者に印象付けることができるので、かかるラベル付き容器内に、不透明な充填物、例えば、明度の高い充填物(例えば、オレンジジュースなどの果汁ジュース、トマトジュースなどの野菜ジュースなど)を収納した場合には、その充填物が新鮮であるかの印象を消費者に与えることができる。
また、一般に、透明性の低いラベルが装着されたラベル付き容器に、暗色系の充填物を収納した場合、そのラベルが白っぽい感じに見えるため、ラベルが目立ってしまい、消費者が容器とラベルの違いを簡単に見分けるが、本発明のラベル付き容器を用いることにより、暗色系の充填物を収納した場合でもそのような事態を抑制できる。
図5乃至図9は、本発明のラベル付き容器の具体的な構成例を示している。
なお、各図は、容器の軸を基準に、ラベル付き容器の左半分を正面図で且つ右半分を断面図で表している。ただし、各断面図において、熱収縮性筒状ラベル1を1つの層で表しているが、実際には、熱収縮性筒状ラベルは、上記のような熱収縮性基材から構成されている。また、各正面図において、意匠印刷層が設けられた領域を判り易く示すため、便宜上、その領域に無数のドットを付与している。
図5は、異形状のボトル型容器51に熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器9Aである。この容器51は、通常、充填物を収納しておく空間を形成する有底の胴部511と、胴部の一方側に開口された開口部を閉塞する蓋部512と、を有する。胴部511の水平断面形状は、好ましくは略円形状であるが、略四角状、その他の形状でもよい。胴部511の外面は、熱収縮性筒状ラベル1が密着可能な平滑性を有し、図示例では、胴部511の外面全体が前記のような平滑性を有する。
この容器51の胴部511は、異形状であり、略瓢箪形状に形成されている。熱収縮性筒状ラベル1は、この胴部の外面の略全体に熱収縮装着されている。従って、このラベル付き容器9Aにおいて、被着領域は小径部a及び大径部bを有し、熱収縮性筒状ラベル1は、被着領域の全体に密着されている。この容器51の胴部511は、全体的に透明である。従って、このラベル付き容器9Aは、熱収縮性筒状ラベル1が被着領域の透明領域の全部に密着されている。
この熱収縮性筒状ラベル1は中間領域に背景印刷層を含む意匠印刷層3を有するので、熱収縮性筒状ラベル1の上縁を含む上方帯領域及び下縁を含む下方帯領域は少なくとも、透明である(透明部)。また、熱収縮性筒状ラベル1のうち意匠印刷層3が設けられた部分は、大径部bに密着されており、小径部aには意匠印刷層が設けられていない部分が密着されている。従って、このラベル付き容器9Aは、意匠印刷層3の周辺の透明部を含む熱収縮性筒状ラベル1の透明部の全部が容器の透明領域に密着されている。
図6のラベル付き容器9Bは、図5のラベル付き容器9Aに比して、熱収縮性筒状ラベル1(被着領域)が異なっており、それが小さい。
このラベル付き容器9Bの容器51は、図5と同様である。熱収縮性筒状ラベル1は、この容器51の胴部511の外面の一部に熱収縮装着されている。このラベル付き容器9Bにおいても、被着領域が小径部a及び大径部bを有し(ただし、図6の被着領域は、図5に比して小さいため、その小径部及び大径部は、図5のそれらとは一致していない)、熱収縮性筒状ラベル1はその被着領域の全体に密着されている。
図7は、直胴状のボトル型容器52に熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器9Cである。この容器52は、通常、充填物を収納しておく空間を形成する有底の胴部521と、胴部の一方側に開口された開口部を閉塞する蓋部522と、を有する。この容器52の胴部521は、上方部がテーパー状に形成された略直胴状である。ただし、胴部521の外面には、周方向に凹み部が形成されている。この凹み部は、補強用のリブを形成するためであり、例えば、周方向全体に凹んだリング凹み523と、周方向に所定間隔を開けて形成された複数の部分凹み524と、からなる。熱収縮性筒状ラベル1は、中間領域に背景印刷層を含む意匠印刷層3を有するので、熱収縮性筒状ラベル1の上縁を含む上方帯領域及び下縁を含む下方帯領域は、透明である(透明部)。
熱収縮性筒状ラベル1は、テーパー状の部分を含む胴部521の外面の略全体に熱収縮装着されている。従って、このラベル付き容器9Cにおいて、被着領域は小径部a及び大径部bを有する。また、この容器52は、凹み部523,524を有するので、熱収縮性筒状ラベル1は、被着領域のうち、前記凹み部を有さない部分の外面に密着されている。この容器52の胴部521は、全体的に透明である。このラベル付き容器9Cは、熱収縮性筒状ラベル1の透明部である上方帯領域及び下方帯領域が少なくとも被着領域に密着されており、さらに、熱収縮性筒状ラベル1の意匠印刷層3が設けられた部分が、容器52の被着領域に存在する凹み部に被さっている。このようなラベル付き容器9Cは、特に、ラベルと容器の一体感に優れている。
図8は、直胴状のボトル型容器53に熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器9Dである。この容器53は、胴部531と蓋部532とを有し、この胴部531は、上方部がテーパー状に形成された略直胴状である。従って、この容器53の被着領域は直胴状である(小径部及び大径部を有さない)。
ただし、胴部531の外面は、図7とは異なり、その全体が平滑性を有する。この容器53の胴部531は、透明な材料を用いて形成され、胴部そのものは全体的に透明である。
この熱収縮性筒状ラベル1は中間領域に背景印刷層を含む意匠印刷層3が設けられているが、意匠印刷層3は、その中間領域の全体でなく、その中間領域の中途を除いて設けられている。つまり、熱収縮性筒状ラベル1の中間領域は、意匠印刷層3が設けられた範囲内に、それが部分的に除かれた窓部分39を有する。従って、この熱収縮性筒状ラベル1は、上方帯領域、下方帯領域のみならず、窓部分39(中間領域の一部分)も透明部である。また、一般に、意匠印刷層のデザイン表示は、表側(熱収縮性筒状ラベルの外側)から正規に見えるように印刷されるが、この実施形態の熱収縮性筒状ラベル1は、意匠印刷層3の一部分に、裏側(熱収縮性筒状ラベルの内側)から正規に見えるデザイン表示(以下、表側から見えるデザイン表示と区別するため、裏デザインという)も印刷されている。なお、この熱収縮性筒状ラベル1の意匠印刷層3の裏面には、回り止め防止用のホットメルト接着剤層(図示せず)が部分的に又は全体に設けられている。このホットメルト接着剤層は、意匠印刷層の裏面の一部分又は全体に設けられ、透明部には設けられていないので、透明部における容器とラベルの一体感が損なわれない。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、テーパー状の部分を含む胴部531の外面の略全体に熱収縮装着されている。このラベル付き容器9Dにおいて、熱収縮性筒状ラベル1は、被着領域の全部に密着されている。かかるラベル付き容器9Dに、透明な充填物(例えば、サイダーなどの飲料など)を収納することにより、透明部である窓部分39、透明な容器53及び透明な充填物を通じて、窓部分39とは反対側にある裏デザインを視認できる。窓部分39においても、熱収縮性筒状ラベル1は容器53の被着領域に密着しているので、透明部である窓部分39により、前記裏デザインがより鮮明に見えるようになる。
図9は、カップ型容器54に熱収縮性筒状ラベル1が装着されたラベル付き容器9Eである。この容器54は、底面部543及び開口部544を有する胴部541と、その胴部541の開口部544を閉塞する蓋部542と、を有する。このカップ型の容器54の胴部541は、直胴状でもよく、図示したように、蓋部542に向かって外周長が大きくなるテーパー状の部分を有していてもよい。好ましくは、胴部541は、底面部543から蓋部542に向かって次第に拡径したテーパー状の部分を有し、より好ましくは、その全体がテーパー状である。なお、胴部の上端(開口部の周囲)には、鍔状のフランジ部545が径外方向に突設されている。胴部541の外面は平滑である。この容器54の胴部541は、透明な材料を用いて形成され、胴部そのものは全体的に透明であるが、その胴部の被着領域の一部分には、転写などの手段によって、アルミニウム蒸着層を含むデザイン表示56が施されている。
熱収縮性筒状ラベル1は、上縁を含む上方帯領域及び下縁を含む下方帯領域に背景印刷層を含む意匠印刷層3が設けられ、従って、中間領域は、透明である(透明部)。なお、この熱収縮性筒状ラベル1の上方帯領域の意匠印刷層3の裏面には、ラベル回り止め防止及びラベル飛び出し防止用のホットメルト接着剤層(図示せず)が設けられている。このホットメルト接着剤層は、意匠印刷層の裏面の一部分又は全体に設けられ、透明部には設けられていないので、透明部における容器とラベルの一体感が損なわれない。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、透明部である中間領域にて容器のデザイン表示56を覆うように位置あわせてして、胴部541の外面の略全体及び底面部543の周縁部に熱収縮装着されている。従って、このラベル付き容器9Eにおいて、被着領域は小径部a及び大径部bを有し、熱収縮性筒状ラベル1は、被着領域の全体に密着されている。このラベル付き容器9Eにおいて、透明部である中間領域を通じて、容器のデザイン表示56を視認できる。
かかるラベル付き容器9Eは、容器54の透明領域と熱収縮性筒状ラベル1の透明部とが密着した部分は透明性に優れ且つ一体感に優れることはもちろん、容器のデザイン表示56と熱収縮性筒状ラベル1の意匠印刷層3との一体感にも優れるので好ましい。
1 熱収縮性筒状ラベル
2 積層フィルム
21 表層
22 中間層
221 第1樹脂層
222 第2樹脂層
23 裏層
3 意匠印刷層
4 熱収縮性基材
9A,9B,9C,9D,9E ラベル付き容器
a 容器の被着領域の小径部
b 容器の被着領域の大径部

Claims (4)

  1. 容器と、前記容器の被着領域に熱収縮装着され且つ透明部を有する熱収縮性筒状ラベルと、を有し、
    前記被着領域が、透明領域を含み、
    前記熱収縮性筒状ラベルの透明部の全部又は一部が、前記透明領域に密着されており、
    前記熱収縮性筒状ラベルが、表層及び裏層と、前記表層と裏層の間に5層〜65層の積層構造からなる中間層とを有する熱収縮性の積層フィルムを含み、
    前記表層及び裏層が、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系樹脂層であり、
    前記5層〜65層の中間層が、樹脂成分の異なる第1樹脂層と第2樹脂層が交互に積層された構造であり、
    前記第1樹脂層が、ジエンに由来する構成単位の含有量がスチレン−ジエン系共重合体の総質量に対して10〜30質量%であるスチレン−ジエン系共重合体を含むポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系樹脂層であり、
    前記第2樹脂層が、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の混合樹脂層である、ラベル付き容器。
  2. 前記中間層が、前記表層及び裏層にそれぞれ前記第2樹脂層が隣接する積層構造とされている、請求項1に記載のラベル付き容器。
  3. 前記第2樹脂層が、ポリエステル系樹脂を主成分として含む混合樹脂層である、請求項1または2に記載のラベル付き容器。
  4. 前記熱収縮性筒状ラベルの上方帯領域及び下方帯領域のうち少なくとも一方が、透明部である、請求項1乃至3の何れか一項に記載のラベル付き容器。
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