本発明のシュリンクラベルは、シュリンクフィルムを有するシュリンクラベルである。なお、本明細書では、上記シュリンクフィルム(即ち、本発明のシュリンクラベルに含まれるシュリンクフィルム)を「本発明のシュリンクフィルム」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、本発明のシュリンクフィルム以外の層を含んでいてもよい。
[シュリンクフィルム]
本発明のシュリンクフィルムは、樹脂層(A)及び樹脂層(B)を少なくとも含む。本発明のシュリンクフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内で、シュリンクフィルムの外面に帯電防止層やアンカーコート層が設けられていてもよい。本発明のシュリンクフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理、フレーム処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
本発明のシュリンクフィルムは、樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成(積層構造)を少なくとも有する。本発明のシュリンクフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内で、樹脂層(A)、樹脂層(B)以外の層(例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂を主成分とする層などの他の層)を含んでいてもよいが、樹脂層(A)と樹脂層(B)のみからなり、他の層を含まないものが最も好ましい。なお、樹脂層(A)同士、樹脂層(B)同士が隣接する積層構成を有していてもよいが、このときの隣接する樹脂層(A)同士、樹脂層(B)同士は、層を形成する原料組成が異なる層である。
本発明のシュリンクフィルムにおいて、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接して形成される界面の90℃における180°方向の層間剥離強度は、2N以上であり、好ましくは3N以上、より好ましくは4N以上である。上記90℃における180°方向の層間剥離強度の上限は、特に限定されないが、10Nが好ましく、より好ましくは8Nである。上記90℃における180°方向の層間剥離強度が2N以上であると、シュリンク加工時においても、層間剥離が生じにくくすることができる。なお、本明細書において、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接して形成される界面を、「界面[A/B]」と称する場合がある。なお、本発明のシュリンクフィルム中に界面[A/B]が複数存在する場合、全ての界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度が2N以上である。なお、シュリンクフィルム中に同一の界面[A/B]が複数存在する場合、同一の界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度は同一とみなしてもよい。
上記界面[A/B]の90℃ における180°方向の層間剥離強度は、JIS K 6854−2に倣って、90℃ に加熱した状態の180°方向の層間剥離強度を測定することによって得ることができる。具体的には、下記の方法で測定することができる。
(界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度の測定方法)シュリンクラベル( 又はシュリンクフィルム)の主配向方向の端面から上記界面[A/B]を部分的に剥離して、剥離した部分(剥離部)、及び剥離されて残っている部分(被剥離部)を形成する。上記被剥離部を、粘着テープを用いてガラス板に固定する。その後、ガラス板側から90℃まで加熱する。そして、ガラス板を動かないように固定し、測定幅を15mmとし、剥離部を180°方向に引っ張り速度200mm/minで引っ張る。この引っ張った際の強度を測定し、当該強度を界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度とする。なお、剥離したときのシュリンクラベルの厚みの薄い側を剥離部、厚みの厚い側を被剥離部とする。
本発明のシュリンクフィルムにおいて、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接して形成される界面の常温における180°方向の層間剥離強度は、1N未満であり、好ましくは0.9N以下、より好ましくは0.8N以下である。上記常温における180°方向の層間剥離強度は、0Nを超え、好ましくは0.1N以上、より好ましくは0.2N以上である。上記常温における180°方向の層間剥離強度が1N未満であると、界面[A/B]の層間剥離強度が強すぎず、シュリンクフィルムがやわらかくなり、ラベルの引き裂き性が向上する。なお、本発明のシュリンクフィルム中に界面[A/B]が複数存在する場合、全ての界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度が0Nを超えて1N未満である。なお、シュリンクフィルム中に同一の界面[A/B]が複数存在する場合、同一の界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度は同一とみなしてもよい。
上記界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度は、JIS K 6854−2に準拠して、180°方向の層間剥離強度を測定することによって得ることができる。具体的には、下記の方法で測定することができる。
(界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度の測定方法)シュリンクラベル(又はシュリンクフィルム)の主配向方向の端面から上記界面[A/B]を部分的に剥離して、剥離した部分(剥離部) 及び剥離されて残っている部分(被剥離部)を形成する。上記被剥離部を、粘着テープを用いてガラス板に固定する。そして、常温(23℃)の環境下で、ガラス板を動かないように固定し、測定幅を15mmとし、剥離部を180° 方向に引っ張り速度200mm/minで引っ張る。この引っ張った際の強度を測定し、当該強度を界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度とする。なお、剥離したときのシュリンクラベルの厚みの薄い側を剥離部、厚みの厚い側を被剥離部とする。
上記常温における180°方向の層間剥離強度及び上記90℃における180°方向の層間剥離強度は、例えば、樹脂層(A)や樹脂層(B)を構成する原料組成、原料物性、フィルムの製造条件(例えば押出温度、延伸温度、延伸倍率等)などにより調整することができる。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)それぞれの主成分とする樹脂の組み合わせは、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂、又はポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂である。中でも、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂が好ましく、ラベルの引き裂き性の観点から、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂が特に好ましい。ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂は、フィルムを形成した際に熱収縮性が良好でありながら一定の剛性を有するため、ラベルの落下耐性を保持する観点からも、樹脂層(A)及び樹脂層(B)の主成分として上記樹脂を用いることが重要である。また、樹脂層(A)及び樹脂層(B)は、特に限定されないが、主成分とする樹脂以外に、それぞれ、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂など、主成分と異なる系の樹脂を含んでいてもよい。樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)が主成分とする樹脂以外に樹脂を含む場合、中でも、樹脂層(A)と樹脂層(B)の層間剥離強度の調整の観点から、樹脂層(A)中の主成分とする樹脂以外の樹脂は、樹脂層(B)の主成分とする樹脂が好ましく、樹脂層(B)中の主成分とする樹脂以外の樹脂は、樹脂層(A)の主成分とする樹脂が好ましい。主成分とする樹脂以外の樹脂の含有量は、特に限定されないが、層全体に対して5〜45重量%が好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
本明細書において、「主成分」とは、層中に含まれる材料(成分)の中で最も多い材料(成分)をいう。なお、層中に含まれる樹脂の中で最も多い樹脂が2種以上存在する層(混合樹脂層)は、原則として、上記2種以上の樹脂それぞれを主成分とするいずれの層にも該当する。例えば、ポリエステル系樹脂を50重量%、ポリスチレン系樹脂を50重量%含有する混合樹脂層は、ポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、且つポリスチレン系樹脂を主成分とする層でもある。但し、上記混合樹脂層が、混合樹脂層中の主成分である1の樹脂を主成分とする層と隣接する場合は、上記混合樹脂層は、当該1の樹脂以外の樹脂を主成分とする層に該当する。例えば、ポリエステル系樹脂を50重量%、ポリスチレン系樹脂を50重量%含有する混合樹脂層と、ポリエステル系樹脂を主成分とする層とが隣接する場合、当該混合樹脂層は、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層である。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分を必須の構成成分として構成されたポリエステル(即ち、ジカルボン酸に由来する構成単位(構造単位)とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステル)、ポリ乳酸系重合体などが挙げられる。ジカルボン酸に由来する構成単位とジオールに由来する構成単位を少なくとも含むポリエステルの主なものとしては、ジカルボン酸とジオールの縮合反応による重合体、共重合体又はこれらの混合物が挙げられる。
上記ジカルボン酸(ジカルボン酸成分)としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3’−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、1,12−ドデカンジオン酸、及びこれらの置換体等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、及びこれらの置換体等の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。上記ジカルボン酸は、1種のみを使用してもよいし2種以上を使用してもよい。
上記ジオール(ジオール成分)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2,4−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキシド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。上記ジオールは、1種のみを使用してもよいし2種以上を使用してもよい。
上記ポリエステル系樹脂は、上記以外にも、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸;安息香酸、ベンゾイル安息香酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸等の多価カルボン酸;ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル等の1価アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールなどに由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記ポリエステル系樹脂は、中でも、熱収縮率、機械強度、耐熱性、ラベルの落下耐性の観点から、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。なお、上記芳香族ポリエステル系樹脂とは、全ジカルボン酸成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジカルボン酸、及び/又は、全ジオール成分中の50モル%以上(好ましくは70モル%以上)が芳香族ジオールであるポリエステル系樹脂である。さらに、芳香族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と脂肪族ジオールを含むジオールとの縮合反応による重合体、共重合体、又はこれらの混合物である芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に限定されないが、熱収縮率を高くし、樹脂層(A)と樹脂層(B)の層間剥離を生じにくくする観点、ラベルの引き裂き性の観点から、単一の繰り返し単位から構成されているのではなく、変性成分(共重合成分)を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分及びジオール成分のうちの少なくとも一方が2以上の成分から構成される、即ち、主成分の他に変性成分を含んでいる変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。言い換えると、上記芳香族ポリエステル系樹脂は、少なくとも2種類以上のジカルボン酸に由来する構成単位及び/又は少なくとも2種類以上のジオールに由来する構成単位を含む変性芳香族ポリエステル系樹脂が好ましい。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂としては、上記の中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET)において、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を変性成分(即ち、他のジカルボン酸成分及び/又は他のジオール成分)に置き換えた変性PETが好ましく例示される。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂(特に、変性PET)の変性成分(共重合成分)として用いられるジカルボン酸成分としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、イソフタル酸などが挙げられる。中でも好ましくは、イソフタル酸である。また、変性成分として用いられるジオール成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、ネオペンチルグリコール(NPG)等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。中でも好ましくは、CHDM、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール(特に、NPG)である。なお、上記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールにおけるアルキル基は、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、また、2つのアルキル基は、同一のアルキル基であってもよいし異なるアルキル基であってもよい。また、シュリンク加工時の層間剥離をより効果的に抑制するために、CHDMが特に好ましい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、熱収縮性(収縮特性)、ラベルの引き裂き性の観点で、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)を用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「CHDM共重合PET」と称する場合がある);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET」と称する場合がある)が好ましい。上記2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの中では、特に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた変性芳香族ポリエステル系樹脂(「NPG共重合PET」と称する場合がある)が好ましい。上記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に好ましくは、CHDM共重合PET及び/又は2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETであり、さらに好ましくはCHDM共重合PET及び/又はNPG共重合PET、最も好ましくはCHDM共重合PETである。なお、上記CHDM共重合PET、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETには、それぞれ、CHDM、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール以外の共重合成分が用いられていてもよく、例えば、さらに、イソフタル酸やジエチレングリコールが共重合されていてもよい。
上記変性芳香族ポリエステル系樹脂において、共重合成分(変性成分)の共重合比率[全ジカルボン酸成分に対する共重合ジカルボン酸成分の比率(割合)、又は、全ジオール成分に対する共重合ジオール成分の比率(割合)]は、特に限定されないが、層の熱変形挙動を適正化し、層間剥離を低減させる観点から、10モル%以上(例えば、10〜40モル%)が好ましく、より好ましくは15モル%以上(例えば、15〜40モル%)である。中でも、例えば、CHDM共重合PETの場合、CHDMの割合は、全ジオール成分中、10〜30モル%(EGが70〜90モル%)が好ましく、より好ましくは12〜25モル%(EGが75〜88モル%)である。また、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールの割合(NPG共重合PETの場合にはNPGの割合)は、全ジオール成分中、10〜30モル%(EGが70〜90モル%)が好ましい。また、さらにEG成分の一部(好ましくは、全ジオール成分中、1〜30モル%)をジエチレングリコールに置き換えてもよい。
上記芳香族ポリエステル系樹脂は、特に限定されないが、実質的に非晶性の芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、より好ましくは、非晶性の飽和ポリエステル系樹脂である芳香族ポリエステル系樹脂である。特に限定されないが、芳香族ポリエステル系樹脂は、上述のように変性することによって、結晶化しにくくなるため、例えば、変性によって実質的に非晶性とすることができる。芳香族ポリエステル系樹脂を非晶性とすることにより、比較的低温での押出が可能となる。これにより、押出加工時の層の形成性が良好となり、さらに、シュリンクラベルの収縮特性を向上させることができる。また、ラベルの引き裂き性を向上させることができる。
上記ポリエステル系樹脂の、示差走査熱量測定(DSC)法(10℃/分の昇温速度で測定)により測定した結晶化度は、特に限定されないが、15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。さらに、上記ポリエステル系樹脂は、上記DSC法により測定した場合に、融点(融解ピーク)がほとんど見られないもの(即ち、結晶化度0%のもの)が最も好ましい。上記、結晶化度は、DSC測定より得られる結晶融解熱の値から、X線法等により測定した結晶化度の明確なサンプルを標準として、算出することができる。なお、結晶融解熱は、例えば、セイコーインスツル(株)製DSC(示差走査熱量測定)装置を用い、試料量10mg、昇温速度10℃/分で、窒素シールを行い、一度融点以上まで昇温し、常温まで降温した後、再度昇温したときの融解ピークの面積から求めることができる。結晶化度は、単一の樹脂から測定されることが好ましいが、混合状態で測定される場合には、混合される樹脂の融解ピークを差し引いて、対象となる芳香族ポリエステル系樹脂の融解ピークを求めればよい。
上記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、溶融挙動や収縮挙動の観点から、15,000〜100,000が好ましく、より好ましくは30,000〜90,000、さらに好ましくは30,000〜80,000である。2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PETの場合、50,000〜70,000が特に好ましい。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、延伸特性、熱収縮性の観点から60〜80℃が好ましく、より好ましくは60〜75℃である。上記Tgは、ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸やジオールなどの種類や変性に用いる共重合成分(変性成分)の共重合比率により制御できる。
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記ポリエステル系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、Eastman Chemical(イーストマンケミカル)社製「EMBRACE 21214」、「EMBRACE LV」(以上、CHDM共重合PET)や、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット MGG200」(2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール共重合PET)、(株)ベルポリエステルプロダクツ製「ベルペット E02」(NPG共重合PET)等が市場で入手できる。
上記ポリ乳酸系重合体は、乳酸(D−乳酸、L−乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物)を単量体成分とする重合体を意味し、乳酸と他の単量体成分(例えば、他のヒドロキシカルボン酸、ラクトン、ジカルボン酸、ジオールなど)との共重合体も含まれる。他のヒドロキシカルボン酸として、例えば、グリコール酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。また、ジカルボン酸としては、上述のポリエステル系樹脂を構成する成分として例示及び説明されたジカルボン酸などが挙げられる。また、ジオールとしては、上述のポリエステル系樹脂を構成する成分として例示及び説明されたジオールなどが挙げられる。これらの他の単量体成分は、乳酸とモノマー状態で混合され、ランダム共重合体としてポリマー中に導かれてもよいし、事前にポリエステルとして重合されたオリゴマー、或いはプレポリマーとして乳酸とブロック共重合体を形成する形でポリマー中に導かれてもよい。
上記ポリ乳酸系重合体を構成する乳酸の光学異性体の組成比(D体とL体の含有率比)は、要求される物性によっても異なり、特に限定されないが、結晶化度制御の観点から、全乳酸成分に対するD−乳酸の割合が1〜20重量%(好ましくは1〜15重量%)であるか、又は全乳酸成分に対するL−乳酸の割合が1〜20重量%(好ましくは1〜15重量%)であることが好ましい。中でも、全乳酸成分に対するD−乳酸の割合が1〜20重量%の場合がより好ましい。
上記ポリ乳酸系重合体を構成する全単量体に占める乳酸の割合は、特に限定されないが、50モル%以上が好ましく、より好ましくは65モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。上記割合の上限は、特に限定されないが、100モル%であってもよい。上記ポリ乳酸系重合体は1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。例えば、L−乳酸とD−乳酸との比率が異なるポリ乳酸系重合体を2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ポリ乳酸系重合体は、例えば、トウモロコシや芋類などから得られたデンプンを原料として製造された乳酸を重合して製造することができる。重合法としては、特に限定されず、縮重合法、開環重合法等の公知乃至慣用の方法を採用できる。例えば、縮重合法では、乳酸、又は乳酸と他の単量体成分とを直接脱水縮合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、適当な触媒の存在下で重合させることにより任意の組成のポリ乳酸系重合体を得ることができる。
上記ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、機械特性、溶融粘度の観点から、通常5,000〜100,000、好ましくは10,000〜50,000程度である。上記重量平均分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性が劣る場合がある。上記重量平均分子量が大きすぎると成形加工性が低下する場合がある。
上記ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を必須の単量体(モノマー)成分として構成される重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。
上記スチレン系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどが挙げられる。中でも、入手し易さ、材料価格などの観点から、スチレンが好ましい。なお、上記スチレン系単量体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレンの単独重合体である汎用ポリスチレン(GPPS)等のスチレン系単量体の単独重合体;2種以上のスチレン系単量体のみを単量体成分として構成される共重合体;スチレン−ジエン系共重合体;スチレン−重合性不飽和カルボン酸エステル系共重合体等の共重合体;ポリスチレンと合成ゴム(例えば、ポリブタジエンやポリイソプレン等)の混合物、合成ゴムにスチレンをグラフト重合させたポリスチレンなどの耐衝撃性ポリスチレン(HIPS);スチレン系単量体を含む重合体(例えば、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合体)の連続相中にゴム状弾性体を分散させ、該ゴム状弾性体に前記共重合体をグラフト重合させたポリスチレン(グラフトタイプ耐衝撃性ポリスチレン「グラフトHIPS」という);スチレン系エラストマーなどが挙げられる。上記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。なお、上記ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエン系共重合体は、スチレン系単量体及びジエン(特に、共役ジエン)を必須の単量体成分として構成される共重合体である。即ち、分子中(1分子中)に、スチレン系単量体に由来する構成単位、及びジエン(特に、共役ジエン)に由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。
上記ジエンとしては、特に限定されないが、共役ジエンが好ましく、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、クロロプレンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンが特に好ましい。即ち、上記スチレン−ジエン系共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。なお、上記ジエンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエン系共重合体を構成する単量体成分は、さらに、上記スチレン系単量体及び上記ジエン以外の単量体成分を含んでいてもよい。上記スチレン系単量体及び上記ジエン以外の単量体成分としては、例えば、ビニル系モノマー、重合性不飽和カルボン酸エステル、重合性不飽和無水カルボン酸などが挙げられる。
上記スチレン−ジエン系共重合体の共重合の形態は、特に限定されないが、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。中でも、ブロック共重合体が好ましく、例えば、スチレンブロック(S)−ジエンブロック(D)型、S−D−S型、D−S−D型、S−D−S−D型などが挙げられる。
上記スチレン−ジエン系共重合体のブロック共重合体(スチレン−ジエンブロック共重合体)としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBC)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)等のスチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレンブロック共重合体(SBIS)等のスチレン−ブタジエン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられ、中でも、スチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましい。なお、これらのブロック共重合体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ブタジエンブロック共重合体としては、スチレン系単量体のみが重合したスチレンブロックとブタジエンのみが重合したブタジエンブロックを交互に有する共重合体であればよく、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBSBS)等のスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(SBSB)等のスチレンブロック及びブタジエンブロックをそれぞれの末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体;ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSB)、ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン共重合体(BSBSB)等のブタジエンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。中でも、スチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体が好ましく、より好ましくはSBSである。なお、これらのスチレン−ブタジエンブロック共重合体は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記スチレン−ジエンブロック共重合体は、公知乃至慣用のブロック共重合体の製造方法により製造することができる。上記スチレン−ジエンブロック共重合体の製造方法としては、例えば、スチレン−ジエンブロック共重合体の分子量、分子量分布及び末端構造などを制御しやすい、リビング重合(リビングラジカル重合、リビングアニオン重合、リビングカチオン重合など)が挙げられる。上記リビング重合は公知乃至慣用の方法により実施可能である。
上記スチレン−ジエン系共重合体は、特に限定されないが、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量は、樹脂層(A)又は樹脂層(B)中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、50〜95重量%が好ましく、より好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。他方、ジエンに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、樹脂層(A)又は樹脂層(B)中の全てのスチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量が50重量%以上であると(即ち、ジエンに由来する構成単位の含有量が50重量%以下であると)、ラベルの落下耐性がより向上し、好ましい。スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量が95重量%以下であると(即ち、ジエンに由来する構成単位の含有量が5重量%以上であると)、ラベルの引き裂き性がより向上し、好ましい。
上記スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、上記スチレン−ジエン系共重合体の組成(各スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる各構成単位の含有量、及び樹脂層(A)又は樹脂層(B)中に含まれる全てのスチレン−ジエン系共重合体中の各スチレン−ジエン系共重合体の含有量)により制御することができる。より具体的には、例えば、上記スチレン−ジエン系共重合体が、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs1(重量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd1(重量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS1)と、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量がs2(重量%)及びジエンに由来する構成単位の含有量がd2(重量%)であるスチレン−ジエン系共重合体(PS2)のみから構成される樹脂混合物であり、上記樹脂混合物(PS1とPS2の樹脂混合物)100重量%中のPS1の含有量がW1(重量%)、PS2の含有量がW2(重量%)である場合には、上記樹脂混合物中のスチレン系単量体に由来する構成単位の含有量及びジエンに由来する構成単位の含有量は、一般的に、以下のように制御できる。
スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量(重量%)=(s1×W1+s2×W2)/100
ジエンに由来する構成単位の含有量(重量%)=(d1×W1+d2×W2)/100
上記構成単位(スチレン系単量体に由来する構成単位及びジエンに由来する構成単位)や上記構成単位の含有量の分析・測定は、特に限定されないが、例えば、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)などにより行うことができる。なお、後述する特定スチレン−共役ジエン共重合体についても、同様にして測定することができる。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、水素添加されていてもよい。即ち、上記ポリスチレン系樹脂は、水素添加されたポリスチレン系樹脂(水添ポリスチレン系樹脂)であってもよい。上記水添ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、SBSやSISに水素を添加した樹脂である水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)や水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等の水素添加されたスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。上記水添ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、極性基が導入されていてもよい。即ち、上記ポリスチレン系樹脂は、極性基が導入されたポリスチレン系樹脂(変性ポリスチレン系樹脂)であってもよい。なお、上記変性ポリスチレン系樹脂には、極性基が導入された水添ポリスチレン系樹脂が含まれる。
上記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂を主鎖骨格として、極性基を導入されたポリスチレン系樹脂である。上記極性基としては、特に限定されないが、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、水酸基などが挙げられる。中でも、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基が好ましく、より好ましくは無水マレイン酸基、エポキシ基である。上記変性ポリスチレン系樹脂は、ポリエステル系樹脂と親和性が高い又は反応可能な極性基を有し、かつ、ポリスチレン系樹脂と相溶可能であることにより、ポリエステル系樹脂を主成分とする層やポリスチレン系樹脂を主成分とする層との常温での接着性が高くなる。上記極性基は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)の変性体、水添スチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)の変性体が好ましい。即ち、上記変性ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、酸無水物変性SEBS、酸無水物変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSが好ましく、より好ましくは、無水マレイン酸変性SEBS、無水マレイン酸変性SEPS、エポキシ変性SEBS、エポキシ変性SEPSである。上記変性ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
また、上記ポリスチレン系樹脂は、特に限定されないが、軟質ポリスチレン系樹脂であってもよい。上記軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体、ゴム成分の多いHIPS(ハイインパクトポリスチレン)、ゴム成分の多いグラフトHIPSなどが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体が好ましい。上記軟質ポリスチレン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。上記スチレン系エラストマーは、ジエン成分を含み、スチレン−ジエン系共重合体エラストマーであってもよい。なお、上記ゴム成分が多いHIPSとは、ゴム成分の含有量が、HIPSの総重量(100重量%)に対して、30重量%を超えるHIPSをいう。また、上記ゴム成分が多いグラフトHIPSとは、ゴム成分の含有量が、グラフトHIPSの総重量(100重量%)に対して、30重量%を超えるグラフトHIPSをいう。
上記軟質ポリスチレン系樹脂には、水素添加された軟質ポリスチレン系樹脂(水添軟質ポリスチレン系樹脂)が含まれる。上記水添軟質ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されないが、水添スチレン系エラストマー、水添スチレン−ジエン系共重合体(特に、水素添加されたジエン成分の多いスチレン−ジエン系共重合体)が好ましい。
上記スチレン−ジエン系共重合体エラストマーは、ジエンに由来する構成単位の含有量が、スチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上のスチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくは60〜95重量%、さらに好ましくは65〜90重量%である。
上記ポリスチレン系樹脂は、市販品を用いてもよく、例えば、電気化学工業(株)製「クリアレン 530L」、「クリアレン 730L」、旭化成(株)製「タフプレン 126S」、「アサプレン T411」、クレイトンポリマージャパン(株)製「クレイトン D1102A」、「クレイトン D1116A」、スタイロルーション社製「スタイロルクス S」、「スタイロルクス T」、旭化成ケミカルズ(株)製、「アサフレックス 840」、「アサフレックス 860」(以上、SBS)、PSジャパン(株)製「679」、「HF77」、「SGP10」、DIC(株)製「ディックスチレン XC−515」、「ディックスチレン XC−535」(以上、GPPS)、PSジャパン(株)製「475D」、「H0103」、「HT478」、DIC(株)製「ディックスチレン GH−8300−5」(以上、HIPS)などが挙げられる。水添ポリスチレン系樹脂としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックHシリーズ」、シェルジャパン(株)製「クレイトンGシリーズ」(以上、SEBS)、JSR(株)製「ダイナロン」(水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体)、(株)クラレ製「セプトン」(SEPS)などが挙げられる。また、変性ポリスチレン系樹脂としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)製「タフテックMシリーズ」、(株)ダイセル製「エポフレンド」、JSR(株)製「極性基変性ダイナロン」、東亞合成(株)製「レゼダ」などが挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂としては、中でも、スチレン−ジエン系共重合体が好ましく、より好ましくはスチレン−ブタジエン共重合体、さらに好ましくはスチレン−ブタジエンブロック共重合体、特に好ましくはスチレンブロックを両末端に有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体、最も好ましくはSBSである。
上記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンを必須の単量体成分として構成される重合体(オレフィン系エラストマーを含む)であり、即ち、分子中(1分子中)にオレフィンに由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。上記オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンが挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリエチレン系樹脂)、プロピレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリプロピレン系樹脂)、アイオノマー、非晶性環状オレフィン系重合体などが挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、非晶性環状オレフィン系重合体が好ましく、より好ましくはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂である。上記ポリオレフィン系樹脂は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記ポリエチレン系樹脂は、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体であり、即ち、分子中(1分子中)にエチレンに由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンと1種以上の単量体成分(エチレン以外の単量体成分)を必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン共重合体)などが挙げられる。
上記エチレン以外の単量体成分としては、例えば、α−オレフィン;塩化ビニルなどのビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸などの不飽和無水カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミドなどの不飽和アミド又はイミド;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛などの不飽和カルボン酸塩;酢酸ビニルなどが挙げられる。上記エチレン以外の単量体成分は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数4〜20のα−オレフィン(好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィン)などが挙げられる。上記α−オレフィンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記エチレン共重合体としては、例えば、エチレンと1種以上のα−オレフィンを必須の単量体成分として構成される共重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体);エチレン−酢酸ビニル系共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸系共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸系共重合体(EMAA)等のエチレン−カルボン酸系共重合体;エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等のエチレン−カルボン酸エステル系共重合体などが挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが挙げられ、特に限定されないが、熱収縮性の観点から、LLDPEが特に好ましい。なお、上記LDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、高圧法により製造される0.850〜0.945g/cm3程度の低密度のポリエチレンをいう。上記LLDPEは、エチレンに由来する構成単位を少なくとも含み、中・低圧法により製造され、短鎖分岐を持った0.850〜0.945g/cm3程度の低密度のポリエチレンをいう。
上記ポリエチレン系樹脂(100重量%)中のエチレンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記ポリエチレン系樹脂を構成する全単量体成分(100重量%)中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、80重量%以上が好ましく、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であり、その上限は、100重量%、99重量%、98重量%、又は95重量%であってもよい。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体(100重量%)中のα−オレフィンに由来する構成単位の含有量、即ち、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成する全単量体成分(100重量%)中のα−オレフィンの含有量は、特に限定されないが、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。
上記ポリエチレン系樹脂の密度は、特に限定されないが、0.800g/cm3以上が好ましく、より好ましくは0.850g/cm3以上、さらに好ましくは0.870g/cm3以上、特に好ましくは0.890g/cm3以上である。上記密度の上限は、特に限定されないが、0.950g/cm3が好ましく、より好ましくは0.935g/cm3である。また、上記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(温度190℃、荷重2.16kg)は、特に限定されないが、溶融押出適性、生産性の観点から、1〜30g/10分が好ましく、より好ましくは1〜10g/10分である。
上記ポリエチレン系樹脂は、特に限定されないが、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリエチレン系樹脂(メタロセン触媒系ポリエチレン系樹脂)が好ましい。上記メタロセン触媒としては、公知乃至慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。上記ポリエチレン系樹脂の重合方法(共重合方法)としては、特に限定されず、スラリー法、溶液重合法、気相法などの公知の重合方法が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、宇部丸善ポリエチレン(株)製「ユメリット 4540F」、「ユメリット 3540F」、「ユメリット 2540F」、「ユメリット 1540F」、「ユメリット 0540F」、「ユメリット 2040FC」、「ユメリット 0520F」、「ユメリット 1520F」、「ユメリット 0520F」、「ユメリット 715FT」、(株)プライムポリマー製、「エボリュー SP1520」、「エボリュー SP2040」(以上、メタロセン触媒系LLDPE)、日本ポリエチレン(株)製「カーネル KF260T」、「カーネル KF360T」、「カーネル KF380」、「カーネル KS340T」(以上、メタロセン触媒系エチレン−α−オレフィン共重合体)、宇部丸善ポリエチレン(株)製「F234」(LDPE)、宇部丸善ポリエチレン(株)製「V206」、日本ポリエチレン(株)製「ノバテックEVAシリーズ」(以上、EVA)などが市場で入手可能である。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと1種以上のオレフィン(プロピレン以外のオレフィン)を必須の単量体成分として構成される共重合体(プロピレン共重合体)などが挙げられる。上記プロピレン共重合体としては、中でも、プロピレンと1種以上のα−オレフィンを必須の単量体成分として構成される共重合体(プロピレン−α−オレフィン共重合体)が好ましい。上記プロピレン共重合体は、分子中(1分子中)にプロピレンに由来する構成単位およびオレフィンに由来する構成単位を少なくとも含む共重合体である。また、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体は、分子中(1分子中)にプロピレンに由来する構成単位およびα−オレフィンに由来する構成単位を少なくとも含む共重合体である。上記プロピレン−α−オレフィン共重合体の共重合成分として用いられるα−オレフィンとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)が挙げられる。上記α−オレフィンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。上記プロピレン共重合体(プロピレン−α−オレフィン共重合体等)は、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。中でも、ランダム共重合体が好ましい。
上記プロピレン共重合体は、特に限定されないが、プロピレンに由来する構成単位の含有量が、プロピレン共重合体の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
上記プロピレン共重合体としては、上記の中でも、プロピレン−エチレン共重合体が特に好ましい。上記プロピレン−エチレン共重合体において、エチレンとプロピレンの比率は、例えば、前者/後者(重量比)=1/99〜30/70(好ましくは2/98〜25/75、より好ましくは5/95〜20/80)程度の範囲から選択することができる。上記プロピレン−エチレン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態であってもよく、エチレン及びプロピレン以外の他のα−オレフィンがさらに共重合されていてもよい。また、上記プロピレン共重合体(特に、プロピレン−エチレン共重合体)としては、低温収縮性やシュリンクラベルの腰の強さの観点から、アイソタクチックインデックスが90%以上のものが好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂は、特に限定されないが、メタロセン触媒を用いて重合して得られたポリプロピレン系樹脂(メタロセン触媒系ポリプロピレン系樹脂)が好ましい。上記メタロセン触媒としては、公知乃至慣用のオレフィン重合用メタロセン触媒を用いることができる。上記ポリプロピレン系樹脂の重合方法(共重合方法)としては、特に限定されず、スラリー法、溶液重合法、気相法などの公知の重合方法が挙げられる。
上記ポリプロピレン系樹脂の密度は、特に限定されないが、0.800g/cm3以上が好ましく、より好ましくは0.850g/cm3以上である。上記密度の上限は、特に限定されないが、0.950g/cm3が好ましい。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、市販品を用いてもよく、日本ポリプロ(株)製「ウィンテック WFX6」、「ウィンテック 1987FC」(以上、メタロセン触媒系プロピレン−エチレンランダム共重合体)、三菱化学(株)製「ゼラス #7000」、「ゼラス #5000」、エクソンモービルケミカル社製「Vistamaxx 3020FL」(以上、ポリプロピレン系樹脂)などが市場で入手可能である。
上記非晶性環状オレフィン系重合体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンと少なくとも1種の環状オレフィンとの共重合体(「環状オレフィン共重合体」と称することがある)、及び、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物(「環状オレフィンの開環重合体又はその水添物」と称することがある)が挙げられる。なお、上記環状オレフィン共重合体、及び、環状オレフィンの開環重合体又はその水添物には、それぞれ、そのグラフト変性物も含まれる。
上記非晶性環状オレフィン系重合体に用いられる環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ノルボルネン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ヘプタシクロ−5−イコセン、ヘプタシクロ−5−ヘンイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.113,20.115,18.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン等の多環式環状オレフィンなどが挙げられる。中でも、ノルボルネンが好ましい。これらの環状オレフィンは、環に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのエステル基、メチル基などのアルキル基、ハロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記環状オレフィン共重合体は、例えば、上記α−オレフィンと上記環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒やメタロセン触媒などの触媒を用いて重合することにより得ることができる。このような環状オレフィン共重合体は市販されており、例えば、三井化学(株)製「アペル」、ポリプラスチック(株)製「TOPAS」などが使用できる。
上記環状オレフィンの開環重合体又はその水添物は、例えば、1種又は2種以上の上記環状オレフィンを、モリブデン化合物やタングステン化合物を触媒としたメタセシス重合(開環重合)に付し、通常、得られたポリマーをさらに水添することにより製造できる。このような環状オレフィンの開環重合体又はその水添物は市販されており、例えば、JSR(株)製「アートン」、日本ゼオン(株)製「ゼオネックス」、「ゼオノア」などが使用できる。
上記非晶性環状オレフィン系重合体としては、特に限定されないが、環状オレフィン共重合体がより好ましい。環状オレフィン共重合体は、ポリオレフィン系樹脂を混合する場合、ポリオレフィン系樹脂との混合性、相溶性が高く、透明性、耐衝撃性により優れたシュリンクフィルムが得られる。
上記非晶性環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、延伸特性の観点から、50〜80℃が好ましく、より好ましくは60〜80℃、さらに好ましくは60〜75℃、最も好ましくは65〜75℃(特に70℃程度)である。非晶性環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、モノマー成分(例えば、環状オレフィンなど)の種類やその配合割合などにより調整することができる。
上記非晶性環状オレフィン系重合体が環状オレフィン共重合体である場合、環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン(例えば、ノルボルネンなど)に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、熱収縮性の観点から、環状オレフィン共重合体の総重量(100重量%)に対して、50〜75重量%が好ましく、さらに好ましくは60〜70重量%である。例えば、環状オレフィン共重合体中のノルボルネン含有率(Norbornene content in COC)が上記範囲であるものが好ましい。
樹脂層(A)の主成分とする樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂層(A)の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%を超え、さらに好ましくは55重量%以上、特に好ましくは60重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されず、100重量%であってもよい。
樹脂層(B)の主成分とする樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂層(B)の総重量(100重量%)に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%を超え、さらに好ましくは55重量%以上、特に好ましくは60重量%以上である。上記含有量の上限は、特に限定されず、100重量%であってもよい。
特に限定されないが、樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方は、共役ジエンに由来する構成単位の含有量が20〜50重量%であるスチレン−共役ジエン共重合体を、層全体の25重量%以上含有することが好ましい。なお、本明細書において、上記「共役ジエンに由来する構成単位の含有量が20〜50重量%であるスチレン−共役ジエン共重合体」を、「特定スチレン−共役ジエン共重合体」と称する場合がある。樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方が特定スチレン−共役ジエン共重合体を層全体の25重量%以上含有すると、上記界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度が常温における180°方向の層間剥離強度よりも高くなる傾向にあり、好ましい。この場合、樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方が共役ジエンに由来する構成単位の含有量が20〜50重量%であるスチレン−共役ジエン共重合体を層全体に対して25重量%以上含有してもよく、又は、特定スチレン−共役ジエン共重合体以外のスチレン−ジエン系共重合体を組み合わせて用い、樹脂層(A)又は樹脂層(B)中の全てのスチレン−ジエン系共重合体の総重量(100重量%)に対する共役ジエンに由来する構成単位の含有量が20〜50重量%であるように調整してもよいが、前者の方が好ましい。
樹脂層(A)又は樹脂層(B)がポリスチレン系樹脂を主成分とする層である場合、特定スチレン−共役ジエン共重合体を、主成分であるポリスチレン系樹脂として使用してもよい。他方、樹脂層(A)又は樹脂層(B)がポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を主成分とする層である場合は、特定スチレン−共役ジエン共重合体を、主成分である樹脂に加えて使用することができる。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方が特定スチレン−共役ジエン共重合体を層全体の25重量%以上含有する場合、樹脂層(A)及び樹脂層(B)の組み合わせは、特に限定されないが、下記の(i)〜(iii)のいずれかであることが好ましい。(i)特定スチレン−共役ジエン共重合体を主成分とし且つ当該共重合体を層全体の50重量%以上含有する層と、ポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を主成分とする層;(ii)ポリエステル系樹脂を主成分とし且つ特定スチレン−共役ジエン共重合体を層全体の25重量%以上含有する層と、ポリスチレン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を主成分とする層(より好ましくは、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層);(iii)ポリオレフィン系樹脂を主成分とし且つ特定スチレン−共役ジエン共重合体を層全体の25重量%以上含有する層と、ポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂を主成分とする層(より好ましくは、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層)。なお、上記(i)〜(iii)において、樹脂層(A)と樹脂層(B)の両方が、特定スチレン−共役ジエン共重合体を、それぞれの層全体の25重量%以上含有していてもよい。中でも、特定スチレン−共役ジエン共重合体を主成分とし且つ当該共重合体を層全体の50重量%以上含有する層と、ポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を層全体の90重量%以上含有する層の組み合わせ、又は、特定スチレン−共役ジエン共重合体を主成分とし且つ当該共重合体を層全体の50重量%以上含有する層と、ポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を層全体の50重量%以上含有し且つ特定スチレン−共役ジエン共重合体を層全体の25重量%以上含有する層の組み合わせが特に好ましい。
特定スチレン−共役ジエン共重合体は、共役ジエンに由来する構成単位の含有量が、スチレン−共役ジエン共重合体の総重量(100重量%)に対して、20〜50重量%であるスチレン−共役ジエン共重合体をいう。しかしながら、上記共役ジエンに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、スチレン−共役ジエン共重合体の総重量(100重量%)に対して20〜45重量%であるとより好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%である。他方、特定スチレン−共役ジエン共重合体において、スチレン系単量体に由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、スチレン−共役ジエン共重合体の総重量(100重量%)に対して、50〜80重量%であるとより好ましく、さらに好ましくは55〜80重量%、特に好ましくは60〜80重量%である。共役ジエンに由来する構成単位の含有量が20重量%以上であると、特定スチレン−共役ジエン共重合体を含有させた層が一定の柔軟性を確保することができ、常温における180°方向の層間剥離強度を適正な範囲にし、90℃における180°方向の層間剥離強度がより向上する傾向にあり、好ましい。さらに、ラベルの引き裂き性が向上し、好ましい。共役ジエンに由来する構成単位の含有量が50重量%以下であると、特定スチレン−共役ジエン共重合体を含有させた層が軟らかくなりすぎることによるラベルの剛性の低下や、90℃における180°方向の層間剥離強度の低下を防止することができ、好ましい。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方が特定スチレン−共役ジエン共重合体を含む場合、樹脂層(A)又は樹脂層(B)中の特定スチレン−共役ジエン共重合体の含有量は、特に限定されないが、樹脂層(A)又は樹脂層(B)の総重量(100重量%)に対して、25重量%以上が好ましく、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。上記含有量が25重量%未満であると、特定スチレン−共役ジエン共重合体を含有する効果が得られない場合がある。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)のうちの少なくとも一方がポリスチレン系樹脂を主成分とする層である場合、特定スチレン−共役ジエン共重合体の含有量の上限は、特に限定されないが、樹脂層(A)又は樹脂層(B)の総重量(100重量%)に対して、100重量%であってもよく、95重量%であってもよく、90重量%であってもよい。
樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)がポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂を主成分とする層である場合、特定スチレン−共役ジエン共重合体の含有量の上限は、特に限定されないが、樹脂層(A)又は樹脂層(B)の主成分とするポリエステル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂の含有量よりも少なければよい。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、ロジン系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、水添テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、水添クマロン系樹脂、石油樹脂等の粘着付与樹脂;芳香族系炭化水素樹脂;フェノール系樹脂;脂環族系炭化水素樹脂などを含んでいてもよい。
樹脂層(A)及び樹脂層(B)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、ピニング剤(アルカリ土類金属)、軟化剤などの添加剤を含有してもよい。また、樹脂層(A)及び樹脂層(B)は、フィルム製造時のフィルム片が再ペレット化された回収原料を含有していてもよい。
(本発明のシュリンクフィルムの構成、物性など)
本発明のシュリンクフィルム中に樹脂層(A)が複数ある場合、複数の樹脂層(A)のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。同様に、本発明のシュリンクフィルム中に複数の樹脂層(B)がある場合、複数の樹脂層(B)のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。
本発明のシュリンクフィルム中の上記界面[A/B]の数は、必然的に1以上であるが、2以上が好ましく、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上である。
本発明のシュリンクフィルムの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは20〜45μmである。上記厚みが10μm以上であると、機械装着するためのラベルとしての必要な強度を有し、またラベルの落下耐性が低下することを抑制でき、好ましい。上記厚みが100μm以下であると、ラベルの引き裂き性が低下することを抑制でき、好ましい。
本発明のシュリンクフィルムは、樹脂層(A)及び樹脂層(B)が隣接する積層構成を少なくとも有している。上記積層構成は、例えば、「樹脂層(A)/樹脂層(B)」の2層構成であってもよく、「樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)」や「樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)」の3層構成、あるいは樹脂層(A)と樹脂層(B)が交互に隣接する4以上の層数の積層構成であってもよい。
本発明のシュリンクフィルムの90℃における収縮応力は、特に限定されないが、1〜10Nが好ましく、より好ましくは1〜7N、さらに好ましくは1〜5N、特に好ましくは1〜3Nである。上記収縮応力が1N以上であると、シュリンクラベルの容器等に対する追従性が向上するため、好ましい。上記収縮応力は、例えば、シュリンクフィルムの厚みや層構成や原料組成、樹脂層(A)や樹脂層(B)を構成する原料組成や厚みなどにより調整することができる。なお、上記収縮応力は、測定幅を15mmとして測定したものである。
本発明のシュリンクフィルムの90℃における収縮応力は、中でも、界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度よりも小さいことが好ましい。この場合、シュリンク加工時において、よりいっそう層間剥離が生じ難くすることができるため、好ましい。なお、基層部中に界面[A/B]が複数存在する場合、本発明のシュリンクフィルムの90℃における収縮応力が、全ての界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度よりも小さいことが好ましい。
本発明のシュリンクフィルムの90℃における収縮応力は、特に限定されないが、例えば、シュリンクフィルムにたるみがないように、シュリンクフィルムの両端を固定し、90℃の温水に浸漬し、その際のシュリンクフィルムが熱収縮しようとする応力を測定して得ることができる。上記収縮応力の測定に用いる測定機は、特に限定されないが、例えば、島津製作所(株)製「島津オートグラフ(AGS−50G:ロードセルタイプ500N)」などが挙げられる。
本発明のシュリンクフィルムは、特に限定されないが、層を5〜65層有する基層部と、当該基層部の両面側に設けられた表面層とを有する構成であることが特に好ましい。本明細書では、上記「層を5〜65層有する基層部と、当該基層部の両面側に設けられた表面層とを有する構成」を有するシュリンクフィルムを、「好ましい構成のシュリンクフィルム」と称する場合がある。具体的には、上記好ましい構成のシュリンクフィルムは、特に限定されないが、表面層/基層部/表面層の層構成を有していることが好ましく、より好ましくは基層部と表面層とが直接積層されている。なお、上記好ましい構成のシュリンクフィルム中の、基層部の両面側にある表面層はそれぞれ、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよい。
上記好ましい構成のシュリンクフィルムにおいて、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成が形成されている位置は、特に限定されない。例えば、表面層と基層部が直接積層されている場合は、基層部の最外層と表面層とで樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成が形成されていてもよく、基層部中で樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成が形成されていてもよい。即ち、上記好ましい構成のシュリンクフィルムは、下記の(I)及び(II)のうちの少なくとも1つを満たす。(I)表面層と基層部が直接積層されており、基層部の最外層と表面層とで樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成が形成されている;(II)基層部中で樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成が形成されている。
基層部の最外層と表面層とで樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成が形成されている場合(即ち、上記(I)の場合)、具体的には、表面層として樹脂層(A)、基層部の最外層として樹脂層(B)を配置することにより、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成が形成される。また、表面層として樹脂層(B)、基層部の最外層として樹脂層(A)を配置してもよい。即ち、表面層が樹脂層(A)及び樹脂層(B)のいずれか一方であり、基層部の最外層が他方である。また、基層部中で樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成が形成されている場合(即ち、上記(II)の場合)、基層部が、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接する積層構成を有している。
上記好ましい構成のシュリンクフィルムにおいて、上記基層部中に含まれる層の層数は、5〜65層であり、好ましくは5〜33層、より好ましくは9〜33層である。上記層数が5層以上であると、多層化によって基層部中の各層の厚みが薄くなり、シュリンクフィルム中の各層が軟らかくなるため、層がしなりやすく、常温でも層間剥離が生じにくくなり、好ましい。また、シュリンクラベルの引き裂き性がより向上し、好ましい。さらに、多層化によりラベルの剛性が向上するため、落下耐性が向上する傾向にあり、好ましい。一方、上記層数が65層以下であると、シュリンクフィルムの厚み(総厚み)をシュリンクラベルに適した範囲にする場合に、樹脂層(A)や樹脂層(B)の1層あたりの厚みを一定の厚さ以上に保持できることにより、ラベルの剛性が低下しないため、好ましい。
上記好ましい構成のシュリンクフィルムにおいて、基層部中で樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成が形成されている場合、基層部は、特に限定されないが、界面[A/B]を3以上有することが好ましく、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは8以上である。また、上記界面[A/B]の数の上限は64であり、好ましくは32である。
上記好ましい構成のシュリンクフィルムにおいて、特に限定されないが、上記基層部中の層同士が隣接して形成される界面のうちの3以上が、表面層と基層部のT型剥離強度よりも低いT型剥離強度を有する界面(界面(L))であることが好ましく、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは8以上である。なお、本明細書中では、基層部中の、層同士が隣接して形成される界面のうち、上記表面層と上記基層部のT型剥離強度よりも低いT型剥離強度を有する界面を、「界面(L)」と称する場合がある。上記T型剥離強度は、例えば、JIS K 6854−3に準拠して、T型剥離試験により測定することができる。なお、基層部中に同一の界面が複数存在する場合、全ての同一の界面におけるT型剥離強度は同一とみなしてもよい。
上記界面(L)の数の上限は、基層部中の層同士が隣接して形成される界面の数以下であれば特に限定されない。中でも、上記基層部中の層同士が隣接して形成される界面のうちの全てが界面(L)であることが特に好ましい。上記界面(L)は、本発明のシュリンクフィルム中において比較的T型剥離強度が弱いため、基層部が上記界面(L)を3以上有すると、ラベルの引き裂き性が向上し、また、落下した際に落下の衝撃による応力が各界面に分散して緩和され、落下耐性も向上するため、好ましい。また、基層部は多層化されているので、上記基層部中の層同士が隣接して形成される界面のT型剥離強度が比較的弱い場合であってもラベルは層間剥離(デラミネーション)しにくい。
上記界面(L)のT型剥離強度は、特に限定されないが、0.1〜1.5Nが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0N、さらに好ましくは0.2〜0.8Nである。上記T型剥離強度が0.1N以上(特に、0.2N以上)であると、基層部内の層間剥離を抑制することができ、好ましい。上記T型剥離強度が1.5N以下(特に、1.0N以下)であると、ラベルに対する応力の分散性が向上し、ラベルの落下耐性がより優れるため、好ましい。なお、上記T型剥離強度は、測定幅を15mmとして測定したものである。
上記表面層と上記基層部のT型剥離強度は、特に限定されないが、0.8Nを超えることが好ましく、より好ましくは0.9Nを超えること、さらに好ましくは1Nを超えることである。上記T型剥離強度の上限は、特に限定されないが、10N以下が好ましく、より好ましくは8N以下である。上記T型剥離強度が0.8Nを超えると、表面層と基層部との層間剥離を抑制することができ、好ましい。上記T型剥離強度が10N以下であると、基層部内への応力分散が過度になることを防ぎ、基層部内の層間剥離を抑制することができ、好ましい。なお、上記T型剥離強度は、測定幅を15mmとして測定したものである。
上記好ましい構成のシュリンクフィルムにおいて、基層部中で樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成が形成されている場合(即ち、上記(II)の場合)、上記界面[A/B]は、特に限定されないが、界面(L)であることが好ましい。即ち、上記基層部は、界面[A/B]を有し、界面[A/B]が界面(L)であることが好ましい。
上記基層部は、特に限定されないが、樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)のみで構成されていることが好ましい。なお、上記基層部が樹脂層(A)のみで構成されている場合(上記基層部中の全ての層が樹脂層(A)である場合)は、表面層は樹脂層(B)であり、表面層と基層部は直接積層されている。また、上記基層部が樹脂層(B)のみで構成されている場合(上記基層部中の全ての層が樹脂層(B)である場合)は、表面層は樹脂層(A)であり、表面層と基層部は直接積層されている。なお、上述した通り、複数の樹脂層(A)のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよいし、互いに異なる層(層を構成する樹脂組成や層厚みが異なる層)であってもよく、本発明のシュリンクフィルム中に複数の樹脂層(B)がある場合、複数の樹脂層(B)のうちの、全ての層又は一部の層は、同一の層であってもよい。
上記基層部が樹脂層(A)のみで構成されている場合、上記基層部の積層構成は、特に限定されないが、他の層を介さずに、互いに組成等が異なる2の樹脂層(A)(樹脂層(A1)と樹脂層(A2))のみで構成されることが好ましい。即ち、上記基層部は、層として、樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)を、交互に、合計して5〜65層含むことが特に好ましい。上記基層部の積層構成は、具体的には、他の層を介さずに、「樹脂層(A1)/樹脂層(A2)」を繰り返し単位として繰り返す積層構成(樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/・・・・/樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/樹脂層(A1))、(樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/・・・・/樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/樹脂層(A2))、又は、(樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/・・・・/樹脂層(A1)/樹脂層(A2))若しくは(樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/樹脂層(A2)/樹脂層(A1)/・・・・/樹脂層(A2)/樹脂層(A1))となっていることが好ましい。この場合、基層部の両面の最外層は、樹脂層(A1)でもよいし、樹脂層(A2)であってもよい。なお、この場合、表面層は樹脂層(B)である。上記基層部が樹脂層(B)のみで構成されている場合、上記基層部の積層構成は、特に限定されないが、樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)に代えて、互いに組成等が異なる樹脂層(B)(樹脂層(B1)と樹脂層(B2))を用いて、上記と同様の構成となっていることが好ましい。なお、この場合、表面層は樹脂層(A)である。
上記構成のシュリンクフィルム(表面層が樹脂層(B)であり、基層部が樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)を交互に合計して5〜65層含む、上記好ましい構成のシュリンクフィルム)の場合、樹脂層(A1)、樹脂層(A2)、及び樹脂層(B)は、特に限定されないが、樹脂層(B)がポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)がポリスチレン系樹脂を主成分とする層であることが好ましく、より好ましくは、樹脂層(B)がポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)がポリスチレン系樹脂を主成分とする層であり、樹脂層(A1)と樹脂層(A2)のうちの、樹脂層(B)と隣接する一方がさらにポリエステル系樹脂を含有する層である。なお、樹脂層(A1)と樹脂層(A2)の両方がポリスチレン系樹脂を主成分とし且つポリエステル系樹脂を含む樹脂層であってもよいが、この場合、ポリエステル系樹脂の含有量が多い方の樹脂層(A)を基層部の最外層とすることが好ましい。この場合において、樹脂層(B)中のポリエステル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂層(B)の総重量(100重量%)に対して、90重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上である。
上記基層部が、樹脂層(A)及び樹脂層(B)のみで構成されている場合、上記基層部の積層構成は、特に限定されないが、交互に積層されていることが好ましく、他の層を介さずに、交互に直接積層されていることがより好ましい。即ち、上記基層部は、層として、樹脂層(A)及び樹脂層(B)を、交互に、合計して5〜65層含むことが特に好ましい。上記基層部の積層構成は、具体的には、他の層を介さずに、「樹脂層(A)/樹脂層(B)」を繰り返し単位として繰り返す積層構成(樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/・・・・/樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A))、(樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/・・・・/樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B))、又は、(樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/・・・・/樹脂層(A)/樹脂層(B))若しくは(樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/・・・・/樹脂層(B)/樹脂層(A))となっていることが好ましい。また、基層部の両面の最外層は、樹脂層(A)でもよいし、樹脂層(B)でもよい。
上記構成のシュリンクフィルム(基層部が、樹脂層(A)及び樹脂層(B)を、交互に、合計して5〜65層含む、上記好ましい構成のシュリンクフィルム)の場合、樹脂層(A)と樹脂層(B)の組み合わせは、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂を主成分とする層と、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層が好ましい。特に、ポリエステル系樹脂を層全体の50重量%以上含有し且つポリスチレン系樹脂を層全体の5〜45重量%含有する層と、ポリスチレン系樹脂を層全体の90重量%以上含有する層;ポリスチレン系樹脂を層全体の50重量%以上含有し且つポリエステル系樹脂を層全体の5〜45重量%含有する層と、ポリエステル系樹脂を層全体の90重量%以上含有する層;ポリエステル系樹脂を層全体の50重量%以上含有し且つポリスチレン系樹脂を層全体の5〜45重量%含有する層と、ポリスチレン系樹脂を層全体の50重量%以上含有し且つポリエステル系樹脂を層全体の5〜45重量%含有する層の組み合わせが好ましい。なお、この場合の表面層は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂又はポリエステル系樹脂を主成分とし、且つ当該主成分とする樹脂の含有量が表面層の総重量(100重量%)に対して、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上がより好ましい。
上記構成のシュリンクフィルム(基層部が、樹脂層(A)及び樹脂層(B)を、交互に、合計して5〜65層含む、上記好ましい構成のシュリンクフィルム)の場合、表面層は、特に限定されないが、樹脂層(A)であってもよいし、樹脂層(B)であってもよく、または他の層であってもよい。基層部中の樹脂層(A)が樹脂層(A1)である場合、表面層とする樹脂層(A)は、樹脂層(A1)であってもよいし樹脂層(A2)であってもよいが、樹脂層(A2)であることが好ましい。また、基層部中の樹脂層(B)が樹脂層(B1)である場合、表面層とする樹脂層(B)は、樹脂層(B1)であってもよいし樹脂層(B2)であってもよいが、樹脂層(B2)であることが好ましい。
上記構成のシュリンクフィルム(基層部が、樹脂層(A)及び樹脂層(B)を、交互に、合計して5〜65層含む、上記好ましい構成のシュリンクフィルム)である場合、基層部中の樹脂層(A)、樹脂層(B)、及び表面層は、特に限定されないが、下記の(iv)〜(vi)のいずれかであることが好ましい。(iv)基層部中の樹脂層(A)と樹脂層(B)の組み合わせが、ポリエステル系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリスチレン系樹脂を含有する)と、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリエステル系樹脂を含有する)であり、表面層がポリエステル系樹脂を主成分とする層である;(v)基層部中の樹脂層(A)と樹脂層(B)の組み合わせが、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリエステル系樹脂を含有する)と、ポリエステル系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリスチレン系樹脂を含有する)であり、表面層がポリスチレン系樹脂を主成分とする層である;(vi)基層部中の樹脂層(A)と樹脂層(B)の組み合わせが、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリオレフィン系樹脂を含有する)と、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする層(好ましくは、さらにポリスチレン系樹脂を含有する)であり、表面層がポリスチレン系樹脂を主成分とする層である。上記(vi)の場合において、ポリオレフィン系樹脂は、透明性の観点から、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
上記(iv)の構成を有するシュリンクフィルムにおいて、表面層中のポリエステル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、表面層の総重量(100重量%)に対して、90重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上である。また、基層部の最外層は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂を主成分とする層、又はポリエステル系樹脂を主成分とし且つポリスチレン系樹脂を含有する層が好ましい。
上記(v)の構成を有するシュリンクフィルムにおいて、表面層中のポリスチレン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、表面層の総重量(100重量%)に対して、90重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上である。また、基層部の最外層は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層、又はポリスチレン系樹脂を主成分とし且つポリエステル系樹脂を含有する層が好ましい。
上記(vi)の構成を有するシュリンクフィルムにおいて、基層部の最外層は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層、又はポリスチレン系樹脂を主成分とし且つポリオレフィン系樹脂を含有する層が好ましい。
上記表面層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、1〜15μmが好ましく、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは2.5〜8μmである。上記厚みが15μm以下であると、表面層と基層部の間での層間剥離がより生じにくくなり、好ましい。なお、上記好ましい構成のシュリンクフィルム中の、基層部の両面側のそれぞれの表面層の厚みは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
上記基層部の厚みは、特に限定されないが、8〜90μmが好ましく、より好ましくは10〜45μm、さらに好ましくは11〜40μmである。
上記基層部中の各層の厚み(1層の厚み)は、特に限定されないが、0.2μm以上(例えば、0.2〜10μm)が好ましく、より好ましくは0.3μm以上(例えば、0.3〜5μm)である。なお、基層部中の複数の層の厚みは、それらのうちの全て又は一部が同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、表面層と接する、基層部の最外層となる層は、基層部内の層よりも薄くなっていてもよい。
上記好ましい構成のシュリンクフィルム中の、表面層の厚み(全ての表面層の厚みの合計)と基層部の厚みの比[(表面層の厚み):(基層部の厚み)]は、特に限定されないが、2:1〜1:10が好ましく、より好ましくは1:1〜1:4である。
本発明のシュリンクフィルムは、熱収縮性を発揮する観点から、少なくとも1軸方向に配向したフィルム(例えば、1軸、2軸又は多軸に配向したフィルム)であることが好ましい。さらに、樹脂層(A)、樹脂層(B)等の全てのフィルム層が少なくとも1軸方向に配向したフィルムであることが好ましい。シュリンクフィルムとしては、特に1軸方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は2軸方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、シュリンクラベルとしては、1軸配向フィルム(実質的に1軸延伸されたフィルム)が一般的に用いられる。特に幅方向に1軸配向したフィルムが好ましい。
上記少なくとも1軸方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも1軸方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも1軸方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを1軸方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを2軸方向に延伸することで得られる。なお、本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
本発明のシュリンクフィルム(シュリンク加工前)の、主配向方向の、90℃、10秒(温水処理)における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、45%以上(例えば、45〜80%)が好ましく、より好ましくは60%以上(例えば、60〜80%)である。熱収縮率(90℃、10秒)が45%未満の場合には、シュリンクラベルを容器に熱で密着させるシュリンク加工工程において、収縮が十分でないため、容器の形に追従困難となり、特に複雑な形状の容器に対して仕上がりが悪くなることがある。
なお、本発明のシュリンクフィルム(シュリンク加工前)の、主配向方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−5〜10%が好ましい。
本発明のシュリンクフィルムが透明である場合には、当該シュリンクフィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超えると、シュリンクフィルムの内側(シュリンクラベルを容器に装着した時に容器側になる面側)に印刷を施し、シュリンクフィルムを通して印刷を見せるシュリンクラベル(裏印刷シュリンクラベル)の場合、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、シュリンクフィルムを通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷シュリンクラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムを少なくとも有するシュリンクラベルである。本発明のシュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルム以外の層を有していてもよい。
(本発明のシュリンクフィルム以外の層)
本発明のシュリンクラベルに含まれる、本発明のシュリンクフィルム以外の層としては、特に限定されないが、印刷層、不織布や発泡シートなどの他のフィルム層、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、保護層、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、帯電防止層、アルミニウム蒸着層などが挙げられる。
(印刷層)
上記印刷層としては、特に限定されず、例えば、シュリンクラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層としては、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の図やデザインなどの意匠印刷層(カラー印刷層等)、白などの単一色で形成された背景印刷層、フィルムや印刷層を保護するために設けられる保護印刷層、フィルムと印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー印刷層などが挙げられる。上記印刷層は、特に限定されないが、本発明のシュリンクフィルムの片面側のみに設けられていてもよいし、本発明のシュリンクフィルムの両面側に設けられていてもよい。また、上記印刷層は、本発明のシュリンクフィルムの表面(印刷層が設けられる側の表面)の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記印刷層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記印刷層は、特に限定されないが、バインダー樹脂を必須成分として含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、青、赤、黄、黒、白等の着色顔料や滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。上記バインダー樹脂等は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいてバインダー樹脂として用いられる樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂(ニトロセルロース系樹脂を含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂などが挙げられる。上記着色顔料としては、特に限定されず、例えば、公知乃至慣用の印刷層、印刷インキにおいて用いられる着色顔料を用いることができる。上記着色顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記着色顔料として、その他にも、光沢調整などの目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm未満では、印刷層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが10μmを超えると、印刷インキを多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、印刷層がもろくなり剥離しやすくなったりする場合や、シュリンク加工時にシュリンクフィルムの熱収縮に印刷層が追従しにくくなる場合がある。
図1及び図2は、それぞれ、本発明のシュリンクラベルの一例、特に、好ましい構成のシュリンクフィルムを有するシュリンクラベルを示す概略図(部分断面図)である。図1に記載の本発明のシュリンクラベル3は、本発明のシュリンクフィルム1と、本発明のシュリンクフィルム1の片面側に設けられた、印刷層2を含む。本発明のシュリンクフィルム1は、基層部12と、基層部12の両面側にそれぞれ1層ずつ設けられた表面層11とを含む。基層部12は、互いに異なる2つの層(樹脂層(E1)12aと樹脂層(E2)12b)が、交互に、合計9層積層されて形成されており、その最外層(表面層11と接する層)は樹脂層(E1)12aである。表面層11と基層部12とは他の層を介することなく直接積層されている。図2は、基層部12は、互いに異なる2つの層(樹脂層(E1)12aと樹脂層(E2)12b)が、交互に、合計17層積層されて形成されていること以外は、図1と同じ構成である。
図1及び図2において、基層部が樹脂層(A)又は樹脂層(B)のみで構成されている場合は、表面層11は樹脂層(B)であり、樹脂層(E1)12a及び樹脂層(E2)12bは樹脂層(A1)及び樹脂層(A2)であるか、又は、表面層11は樹脂層(A)であり、樹脂層(E1)12a及び樹脂層(E2)12bは樹脂層(B1)及び樹脂層(B2)であることが好ましい。基層部が樹脂層(A)及び樹脂層(B)のみで構成されている場合は、樹脂層(E1)12a及び樹脂層(E2)12bは樹脂層(A)及び樹脂層(B)であるか、又は樹脂層(B)及び樹脂層(A)であることが好ましい。この場合の表面層11は、特に限定されず、樹脂層(A)であっても、樹脂層(B)であっても、他の層であってもよい。
本発明のシュリンクラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜110μmが好ましく、より好ましくは15〜60μm、さらに好ましくは20〜50μmである。上記厚みが10μm以上であると、機械装着するためのラベルとしての必要な強度を有し、またラベルの落下耐性が向上し、好ましい。上記厚みが110μm以下であると、ラベルの引き裂き性がより向上し、好ましい。
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状シュリンクラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のシュリンクラベルとして用いることができる。本発明のシュリンクラベルは、上記の中でも、筒状シュリンクラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、筒状シュリンクラベルであることが好ましい。上記筒状シュリンクラベルを、「本発明の筒状シュリンクラベル」と称する場合がある。
上記筒状シュリンクラベルは、背景印刷層、意匠印刷層、及び本発明のシュリンクフィルムをこの順に有するシュリンクラベルを、上記背景印刷層が内側となるように筒状にし、シュリンクラベルの両端部(両端)を重ね合わせてシール部が形成された筒状シュリンクラベル(以下、「本発明の筒状シュリンクラベル」と称する場合がある)が好ましい。本発明の筒状シュリンクラベルにおいて、本発明のシュリンクフィルムは、筒状シュリンクラベルの少なくとも周方向に配向している(本発明のシュリンクフィルムの主配向方向が周方向となるように筒状に形成される)ことが好ましい。また、上記シール部は、溶剤又は接着剤で接合されていることが好ましい。また、本発明の筒状シュリンクラベルは、シール部の接着性の観点から、上記シール部では、本発明のシュリンクフィルム同士が溶剤又は接着剤で接合されていることが好ましい。上記シール部で本発明のシュリンクフィルム同士が接合されるようにするには、上記シール部の上記溶剤又は接着剤で接合される部分(上記シュリンクラベルの一方の端部)には上記背景印刷層及び上記意匠印刷層を有していないことが好ましい。特に、上記背景印刷層及び上記意匠印刷層を有していない部分において本発明のシュリンクフィルム同士を溶剤によって接着されているシール部を有することが好ましい。なお、上記両端部のうち、接合されない部分は、印刷層などを有していても接着性に影響はないため、上記背景印刷層や上記意匠印刷層を有していてもよい。
図3及び図4は、それぞれ、本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図である。図3に記載の本発明の筒状シュリンクラベル4は、矩形状に形成された本発明のシュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部41が形成されている。本発明の筒状シュリンクラベルは、本発明のシュリンクフィルムを含み、本発明のシュリンクフィルムは、本発明の筒状シュリンクラベルの周方向Dに少なくとも配向し、当該方向に熱収縮可能である。なお、本発明の筒状シュリンクラベルは、周方向が主配向方向となるように装着されていることが好ましい。
図4は、図3におけるA−A’の断面の、シール部付近の拡大図であり、シール部41では、シュリンクラベルの両端部が溶剤又は接着剤53で接合されている。具体的には、本発明のシュリンクラベル3は、本発明のシュリンクフィルム1の一方の面(筒状の内面側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いて意匠印刷層52、背景印刷層51の順に積層されている。本発明のシュリンクラベル3の他端部の端から所定幅の領域は、背景印刷層51及び意匠印刷層52が形成されておらず、本発明のシュリンクフィルム1が露出し、フィルム露出面が形成され、シール部41は、本発明のシュリンクラベル3の他端部の内面側に形成されたフィルム露出面と、一端部の外面(フィルム露出面)とを、溶剤又は接着剤53によって接合されている。即ち、シール部41では、本発明のシュリンクフィルム1同士が溶剤又は接着剤53で接合されていることが好ましい。なお、上記両端部のうち、接合されない部分は、背景印刷層、意匠印刷層等の印刷層などを有していても接着性に影響はないため、印刷層を有していてもよい。
上記意匠印刷層は、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等を表示した層が挙げられる。上記意匠印刷層としては、特に限定されないが、例えば、上記印刷層などが使用できる。より具体的には、意匠印刷層は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されている。上記意匠印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。
上記背景印刷層は、本発明の筒状シュリンクラベルを筒の外側から観察したときの意匠印刷層の背景となる印刷層である。上記背景印刷層としては、特に限定されないが、例えば、上記印刷層などが使用できる。中でも、意匠印刷層の背景となる観点から、着色顔料として酸化チタンを20〜60重量%含有する白色の印刷層などの背景印刷層が好ましい。上記背景印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましい。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、1〜10mmが好ましく、より好ましくは2〜4mmである。
本発明のシュリンクフィルムは、樹脂層(A)と樹脂層(B)が隣接する積層構成を少なくとも有し、樹脂層(A)及び樹脂層(B)それぞれの主成分とする樹脂の組み合わせが、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂、又はポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂である。そして、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが隣接して形成される界面の、90℃における180°方向の層間剥離強度が2N以上であることにより、本発明のシュリンクラベルは、落下耐性を低下させずに、90℃における180°方向の層間剥離強度を高くすることによってシュリンク加工時の層間剥離を従来よりも生じにくくすることができる。また、常温における180°方向の層間剥離強度が0Nを超えて1N未満であることにより、ラベルの落下耐性と引き裂き性を向上させた。これは、定かではないが、常温における180°方向の層間剥離強度が上述の範囲内であると、ラベル落下時にかかる応力は、層間剥離させる力へ分散され、ラベルが破れにくくなり、他方、引き裂く際の応力は、適度に接着された各層に分散されることなくかかるため、各層を引き裂きやすくなることによるものと推測される。このため、シュリンク加工の条件の調整を厳密に行う必要がなく、条件の調整にあまり時間をとられることがない。また、筒状シュリンクラベルをシュリンク加工させて容器等に装着する際においても、シュリンクフィルム(又はシュリンクラベル)が層間剥離することなく容易に容器等に装着することができる。さらには、ラベルの落下耐性及び引き裂き性が優れるため、ラベル付き容器が落下したときに、その落下による衝撃によってラベルが破断しにくいにもかかわらず、意識的にはラベルを切り取りやすく、容易に容器から分離することができる。
[本発明のシュリンクラベルの製造方法]
本発明のシュリンクラベルの製造方法は、本発明のシュリンクフィルムを作製する工程を少なくとも含む。本明細書では、上記「本発明のシュリンクフィルムを作製する工程」を「フィルム作製工程」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルの製造方法は、さらに、本発明のシュリンクフィルム以外の層を形成する工程などの他の工程(上記フィルム作製工程以外の工程)を含んでいてもよい。
(フィルム作製工程)
上記フィルム作製工程において、本発明のシュリンクフィルムは、溶融製膜などの慣用の方法によって作製することができる。中でも、溶融製膜法(特に、Tダイ法)が好ましい。また、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法(フィードブロック法、マルチマニホールド法等)、ドライラミネート法などを用いることができる。中でも、共押出法が好ましく、フィードブロック法が好ましい。なお、本発明のシュリンクフィルムが多層構成である場合(例えば、上記好ましい構成のシュリンクフィルムの場合)は、さらに、レイヤー・マルチプライヤー(layer multiplier)を用いて、特にフィードブロックとレイヤー・マルチプライヤーを組み合わせて用いて多層化を行うことが好ましい。上記レイヤー・マルチプライヤーは、フィルム層を多層化する装置である。上記レイヤー・マルチプライヤーでフィルム層を多層化する方法としては、特に限定されないが、フィルム層を幅方向に分割した後、分割したフィルム層を厚み方向に積層する方法が挙げられる。本明細書では、上記「レイヤー・マルチプライヤー」を、単に「マルチプライヤー」と称する場合がある。上記マルチプライヤーは、例えば、EDI社、クローレン社より入手できる。
上記共押出法(フィードブロック法)においては、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に、各樹脂層(樹脂層(A)、樹脂層(B)など)を形成する原料(樹脂又は樹脂組成物)をそれぞれ投入し、Tダイ、サーキュラーダイなどから溶融押出(共押出)する。この際、マニホールドやフィードブロックを用いて、所定の層構成とすることが好ましい。また必要に応じて、ギアポンプを用いて供給量を調節してもよく、さらにフィルターを用いて、異物を除去するとフィルム破れが低減できるため好ましい。なお、押出温度は、用いる原料の種類によっても異なり、特に限定されないが、各樹脂層を形成する原料の成型温度領域が近接していることが好ましい。即ち、各樹脂層の押出温度は近接していることが好ましい。具体的には、樹脂層(A)を形成する原料の押出温度は150〜260℃が好ましく、樹脂層(B)を形成する原料の押出温度は150〜260℃が好ましい。また、合流部やダイの温度は200〜260℃とすることが好ましい。上記共押出したポリマーを、冷却ドラム(冷却ロール)などを用いて急冷することにより、未延伸積層フィルム(シート)を得ることができる。
本発明のシュリンクフィルムが上記好ましい構成のシュリンクフィルムの場合、上記共押出法において、例えば、それぞれ所定の温度に設定した複数の押出機に、基層部を形成する原料、表面層を形成する原料をそれぞれ投入し、Tダイから共押出する。この際、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いて、基層部を多層化し、所定の積層構成とすることが好ましい。なお、押出温度は、用いる原料の種類によっても異なり、特に限定されないが、150〜260℃が好ましい。
上記フィルム作製工程は、特に限定されないが、基層部が、異なる2の樹脂層(樹脂層
(E1)及び樹脂層(E2))のみから形成される場合、樹脂層(E1)を構成する原料(「原料(e1)」と称する場合がある)と、樹脂層(E2)を構成する原料(「原料(e2)」と称する場合がある)と、上記表面層を構成する原料(「原料(c)」と称する場合がある)とをそれぞれ溶融(又は溶融混練)する第1の段階;上記第1の段階で溶融(又は溶融混練)された、原料(e1)と、原料(e2)とを積層して、また、必要に応じてさらに多層化して積層体を形成する第2の段階;及び、上記第2の段階で形成された積層体の両面側に、上記第1の段階で溶融された、原料(c)を積層する第3の段階を少なくとも含むことが好ましい。さらに、他の段階(第1の段階、第2の段階、及び第3の段階以外の段階)を含んでいてもよい。上記他の段階は、例えば、第1の段階の前、第3の段階の後、第1の段階と第2の段階との間、第2の段階と第3の段階との間などのいずれの位置に設けられてもよい。なお、上記表面層、上記樹脂層(E1)、上記樹脂層(E2)のうちのいずれかに樹脂層(A)及び樹脂層(B)を用いることができる。例えば、表面層を樹脂層(A)とする場合、上記原料(c)として、樹脂層(A)を構成する原料(「原料(a)」と称する場合がある)を用いることができる。また、例えば、上記樹脂層(E1)を樹脂層(B)とする場合、上記原料(e1)として、樹脂層(B)を構成する原料(「原料(b)」と称する場合がある)を用いることができる。
上記第1の段階においては、公知乃至慣用の押出機を用いて、原料(e1)、原料(e2)、原料(c)をそれぞれ、溶融(又は溶融混練)することが好ましい。例えば、それぞれ所定の温度に設定した3台の押出機に、原料(e1)、原料(e2)、原料(c)をそれぞれ投入して、溶融(又は溶融混練)を行うことができる。押出温度は、特に限定されないが、150〜260℃が好ましい。
上記第2の段階において、上記第1の段階において溶融(又は溶融混練)された、原料(e1)と、原料(e2)とを積層し、形成される積層体は、特に限定されないが、例えば、上記溶融された原料(e1)と原料(e2)とを順次積層して、あるいはフィードブロックを用いて同時に積層して形成することができる。他に、上記積層体としては、上記の順次積層あるいは共押出(同時積層)して形成した積層体を、マルチプライヤーを用いてさらに多層化して形成された積層体であってもよい。上記積層には、特に限定されないが、フィードブロックとマルチプライヤーを組み合わせて用いることが好ましい。上記フィードブロックやマルチプライヤーは、それぞれ、1のみを用いてもよいし、2以上を用いてもよい。上記積層体において、原料(e1)から形成された層の層数と原料(e2)から形成された層の層数の合計は5〜65層が好ましく、より好ましくは5〜33層、さらに好ましくは9〜33層である。上記第2の段階において得られた積層体は、上記好ましい構成のシュリンクフィルムの基層部を形成する。
上記第2の段階において、原料(e1)と、原料(e2)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(e1)及び原料(e2)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)]の構成を有する積層体(「積層体1」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体1を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/・・・・/原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)]の構造を有する積層体(「積層体2」と称する場合がある)を得ることができる。
他に、上記第2の段階において、原料(e1)と、原料(e2)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(e1)及び原料(e2)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)]の構成を有する積層体(「積層体3」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体3を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)/原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)/・・・・/原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)]の構造を有する積層体(「積層体4」と称する場合がある)を得ることもできる。
他に、上記第2の段階において、原料(e1)と、原料(e2)を積層し、さらに多層化された積層体は、具体的には、例えば、上記第1の段階で溶融された原料(e1)及び原料(e2)を、フィードブロックを用いて押出し、[原料(e1)/原料(e2)]の構成を有する積層体(「積層体5」と称する場合がある)を作製し、次いで上記積層体5を1つの単位として、マルチプライヤーを用いて積層し、[原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)/・・・・/原料(e1)/原料(e2)]の構造を有する積層体(「積層体6」と称する場合がある)を得ることができる。なお、上記積層体6は、逆から追えば、[原料(e2)/原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/・・・・/原料(e2)/原料(e1)]の構造を有する積層体でもある。
上記第3の段階において、上記第2の段階で形成された積層体(例えば、積層体2、4、又は6)の両面側に、上記第1の段階で溶融(又は溶融混練)された、原料(c)を積層する際には、フィードブロックを用いることが好ましい。積層された原料(c)は、上記好ましい構成のシュリンクフィルムの表面層を形成する。上記第3の段階により、上記第2の段階において形成された積層体の両面側に、上記第1の段階において溶融(又は溶融混練)された、原料(c)が積層された、多層構造体が得られる。
特に限定されないが、上記第1の段階、第2の段階、及び第3の段階を経て形成された積層体をTダイから共押出し、冷却ドラムなどを用いて急冷することにより、積層未延伸フィルム(シート)を得ることができる。
なお、[原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)/・・・・/原料(e1)/原料(e2)/原料(e1)]の構造を有する上記積層体2は、[樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/・・・・/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、積層体2の同一素材を積層した[原料(e1)/原料(e1)]から形成される[樹脂層(E1)/樹脂層(E1)]の部分は界面が見えなくなり1つの樹脂層(E1)となるため、[樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/・・・・/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)]の構造を有する基層部となる。同様に、上記積層体4の同一素材を積層した[原料(e2)/原料(e2)]から形成される[樹脂層(E2)/樹脂層(E2)]の部分は界面が見えなくなり1つの樹脂層(E2)となるため、上記積層体4に由来する基層部は、[樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/・・・・/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)]の構造を有する基層部となるはずであるが、実際は、[樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/・・・・/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)]の構造を有する基層部となる。
上記他の段階としては、特に限定されないが、延伸を行う段階、表面処理を行う段階などが挙げられる。例えば、上記第3の段階で作製された上記積層未延伸フィルムは、その後さらに、延伸を行う段階を有する。なお、表面層と基層部の最外層の層(樹脂層)とが同一の樹脂組成物を原料とする層である場合はその界面が見えなくなり、表面層と基層部の最外層の層とが1つの層(表面層)となる。
上記延伸を行う段階(延伸段階)は、長手方向(フィルムの製造ライン方向。MD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。TD方向とも称する)の2軸延伸、長手方向又は幅方向の1軸延伸等を用いることができる。延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。2軸延伸する場合には、同時に2軸に延伸してもよく、逐次に2軸に延伸してもよい。より具体的には、例えば、ロール方式により長手方向に延伸温度65〜100℃、延伸倍率1.05〜1.50倍で延伸した後、テンター方式により幅方向に延伸温度70〜100℃、延伸倍率3〜8倍(好ましくは4〜7倍)で延伸する。
上記表面処理を行う段階としては、例えば、本発明のシュリンクフィルムの表面にコロナ放電処理やプライマー処理、フレーム処理等の慣用の表面処理を行う段階が挙げられる。
上記フィルム作製工程では、基層部が樹脂層(E1)と樹脂層(E2)のみから形成される例を説明したが、樹脂層(E1)及び樹脂層(E2)以外の層を含む場合も、同様の工程により基層部及び積層未延伸フィルムを作製することができる。また、上記フィルム作製工程は、3種の原料を溶融(又は溶融混練)して用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、2つの原料(例えば、原料(e1)と原料(e2))を溶融(又は溶融混練)する第1段階と、当該第1段階で溶融(又は溶融混練)された、2種の原料(例えば、原料(e1)と原料(e2))を隣接して積層し、積層体を形成する第2段階とを有するものであってもよく、この場合は第3段階が設けられず、第2段階の積層体の最外層が表面層となる。
(他の工程)
本発明のシュリンクラベルの製造方法において、特に限定されないが、フィルム作製工程以外の工程(他の工程)として、印刷層を設ける工程、保護層を設ける工程などを有していてもよい。
上記印刷層を設ける工程では、本発明のシュリンクフィルムの少なくとも一方の表面上に、印刷インキを塗布し、乾燥等によって固化させる印刷段階を単数又は複数行うことにより印刷層が形成される。例えば、単数又は複数の印刷段階を行い、意匠印刷層を形成した後、単数又は複数の印刷段階を行い、背景印刷層を形成することができる。上記の印刷層を設ける工程は、周知慣用の印刷方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷法又はフレキソ印刷法が好ましい。
上記印刷インキは、例えば、上記バインダー樹脂、上記着色顔料、溶剤及びその他添加剤などを、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパーなどのミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミルなどのミル、ニーダーなどの混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、着色顔料、溶剤、その他の添加剤)は、それぞれ、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
上記溶剤(溶媒)としては、印刷インキに通常用いられる有機溶剤等を用いることができる。上記溶剤としては、例えば、酢酸エステル(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等)などのエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステルなどが挙げられる。上記溶剤は、印刷インキを本発明のシュリンクフィルムに塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶剤(溶媒)は、「分散媒」の意味も含む。
(筒状シュリンクラベルの製造方法)
本発明の筒状シュリンクラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状の本発明のシュリンクフィルムに、任意で印刷層などを設けた後、所定の幅にスリットして、本発明のシュリンクラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、主配向方向(即ち、本発明のシュリンクフィルムの主配向方向)が周方向となるように、他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定の幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得ることができる。この長尺筒状シュリンクラベルを長手方向が所定の長さとなるように幅方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状シュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を得ることができる。
なお、筒状シュリンクラベルにラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を縦方向(周方向と直交する方向)に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、上記印刷層を設ける工程の後や、筒状に加工する工程の前後など、適宜選択できる。
[ラベル付き容器]
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、飲料用容器などの容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。例えば、本発明のシュリンクラベル(特に、筒状シュリンクラベル)を容器の周りに、本発明のシュリンクラベルが筒状となるように配置し、熱収縮させることによって容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料などの食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレーなどの化学製品の容器、トイレタリー用の容器、カップ麺容器などが含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプなどの様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PETなどのプラスチック、ガラス、金属などが挙げられる。
上記ラベル付き容器は、例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線などの輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、シュリンクフィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。本発明のシュリンクフィルムは、特に高温で加熱処理を行うことができるため、高収縮を要する容器に対する使用が可能となる。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
以下に、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、表1に、表面層用原料(原料(c))、樹脂層(E1)用原料(原料(e1))、樹脂層(E2)用原料(原料(e2))の組成、実施例及び比較例で作製したシュリンクフィルムの構成、及び評価結果などを示した。
実施例1
(原料)
表面層を構成する原料(表面層用原料)として、ポリエステル系樹脂A(Eastman Chemical社製、商品名「EMBRACE 21214」)を100重量%用いた。
樹脂層(E1)を構成する原料(樹脂層(E1)用原料)として、ポリスチレン系樹脂A(スタイロルーション社製、商品名「スタイロルクス T」、ブタジエンに由来する構成単位の含有量:26重量%)を100重量%用いた。
樹脂層(E2)を構成する原料(樹脂層(E2)用原料)として、ポリスチレン系樹脂Aを11重量%、ポリスチレン系樹脂B(スタイロルーション社製、商品名「スタイロルクス S」、ブタジエンに由来する構成単位の含有量:12重量%)を45重量%、回収原料を44重量%(ポリスチレン系樹脂A:9重量%、ポリスチレン系樹脂B:13重量%、ポリエステル系樹脂A:22重量%)とし、メルトブレンドして用いた。
(シュリンクフィルム)
220℃に加熱した押出機xに上記樹脂層(E1)用原料、220℃に加熱した押出機yに上記樹脂層(E2)用原料、220℃に加熱した押出機zに上記表面層用原料を投入した。上記3台の押出機を用いて、溶融、押出を行った。溶融した樹脂層(E1)用原料及び樹脂層(E2)用原料を、合流方式が2種3層型のフィードブロックと4分割のマルチプライヤーとを組み合わせた積層装置を用いて、樹脂層(E1)用原料/樹脂層(E2)用原料/樹脂層(E1)用原料の2種3層構成をひとつの繰り返し単位として分割・合流・積層させ、積層体(I)(前記2種3層構成が4つ積層(繰り返し数4)されたもの)とし、溶融した表面層用原料を、上記積層体(I)の両面側に、フィードブロックを用いて合流・積層させ、積層体(II)とした。さらに、上記積層体(II)を、Tダイより押出した後、25℃に冷却したキャスティングドラム上で急冷して、基層部の両面側にそれぞれ表面層が設けられた積層未延伸フィルムを得た。
次に、上記積層未延伸フィルムを、長手方向に76℃で1.2倍にロール延伸し、次いで幅方向に85℃で5倍にテンター延伸することにより、幅方向に主に延伸され、当該方向に熱収縮性を有する延伸フィルム(シュリンクフィルム)の長尺体を得た。
上記シュリンクフィルムは、[表面層/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/表面層]の11層構成となっている。なお、上記シュリンクフィルムにおいて、基層部は、2種3層構成の繰り返し単位を繰り返し数4で積層しているため12層となるが、実際は樹脂層(E1)用原料同士が重なる部分は、層間の界面が見えなくなり、重なって1つの層となる。このため、基層部は、[樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)/樹脂層(E2)/樹脂層(E1)]の9層構成となっており、基層部の最外層は樹脂層(E1)となっている。なお、上記表面層はポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、上記樹脂層(E1)及び上記樹脂層(E2)は、互いに原料組成が異なるポリスチレン系樹脂を主成分とする層である。また、表面層と基層部の最外層である樹脂層(E1)とで形成される界面は、界面[A/B]である。
(筒状シュリンクラベル)
上記で得られたシュリンクフィルムの長尺体をグラビア印刷機によって長手方向に搬送しながら、シュリンクフィルムの片面に、プロセスカラーの印刷インキを用いて意匠印刷層を形成した後、シール部とする部分を除いて、白色の印刷インキを用いて背景印刷層を形成することにより、厚み約3μmの印刷層を形成して、シュリンクラベルの長尺体を得た。
次いで、上記シュリンクラベルの長尺体を、スリットして所定幅とし、シュリンクラベルの一端部と他端部にそれぞれ1条ずつ、複数のカット部分と非カット部分(カット部分の長さ:0.5mm、非カット部分の長さ:3.5mm)を交互に設けて、長手方向(収縮方向と直交する方向)に伸びるミシン目を形成した後、幅方向が周方向となるように一端部と他端部とを重ね合わせて筒状にし、当該一端部と他端部のシュリンクフィルム面同士を溶剤でシールし、シュリンクラベルの筒状長尺体を得た。さらに、上記シュリンクラベルの筒状長尺体(ラベル連続体)を、個々のラベルサイズにカットして、筒状シュリンクラベルを得た。
(ラベル付き容器)
次いで、上記筒状シュリンクラベルを、容器(東洋製罐(株)製、500ml丸形PET製容器、目付23g)に外嵌した後、90℃のスチームトンネルを通過させて筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、ラベル付き容器を得た。
実施例2、3、比較例1、2
表1に示すとおり、原料(e1)、原料(e2)、原料(c)の組成や成分比などを変更して、実施例1と同様にして、シュリンクフィルム、筒状シュリンクラベル、及びラベル付き容器を得た。なお、原料(e1)、原料(e2)、原料(c)のうち、混合樹脂を用いた原料については、複数の樹脂をメルトブレンドしたものを用いた。
なお、実施例2及び比較例1、2において、上記表面層はポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、上記樹脂層(E1)及び上記樹脂層(E2)は、互いに原料組成が異なるポリスチレン系樹脂を主成分とする層である。また、表面層と基層部の最外層である樹脂層(E1)とで形成される界面は、界面[A/B]である。
そして、実施例3において、上記表面層及び上記樹脂層(E1)は、互いに原料組成が異なるポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、上記樹脂層(E2)はポリスチレン系樹脂を主成分とする層である。また、樹脂層(E1)と樹脂層(E2)とで形成される界面は、上記界面[A/B]であり、当該界面[A/B]は基層部中に存在する。
(評価)
実施例及び比較例で得られたシュリンクフィルムについて、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。
(1)90℃における180°方向の層間剥離強度
実施例及び比較例で得られたシュリンクフィルム(シュリンク加工前)から、シュリンクフィルムの主配向方向に200mm、主配向方向と直交する方向に15mmの長方形のフィルム片を切り出し、測定用サンプル(長辺方向200mm×短辺方向15mm)とした。
上記測定用サンプルについて、層間剥離強度を測定する界面[A/B](実施例1、2、比較例1、2では表面層と基層部とで形成される界面、実施例3では基層部中の樹脂層(E1)と樹脂層(E2)とで形成される界面)を、測定用サンプルの長辺方向(シュリンクフィルムの主配向方向)の一方の端部から長辺方向に15mm以上の長さまで部分的に剥離して、剥離部及び被剥離部を形成した。
上記測定用サンプルの被剥離部(シュリンクラベルの厚みの厚い側)の剥離された側とは反対側の全面に両面粘着テープを貼付し、該両面熱着テープを介して上記測定用サンプルをガラス板に固定した。その後、ガラス板に固定された測定用サンプルを、ガラス板側がヒーターと接するようにヒーターに固定した。そして、ヒーターを90℃に設定し、90℃になっていることを確認してから、上記ガラス板に固定された測定用サンプルの、ヒーターに固定されていない側の剥離部分を、引張試験機(島津製作所(株)製「オートグラフ AGS−50G」、ロードセル500N)を用いて、剥離前の方向から180°の方向に引っ張り速度200mm/minで引っ張り、90℃における180°方向の層間剥離強度を測定した。そして、測定結果を表1に示した。
(2)常温における180°方向の層間剥離強度
実施例及び比較例で得られたシュリンクフィルム(シュリンク加工前)から、シュリンクフィルムの主配向方向に200mm、主配向方向と直交する方向に15mmの長方形のフィルム片を切り出し、測定用サンプル(長辺方向200mm×短辺方向15mm)とした。
上記測定用サンプルについて、層間剥離強度を測定する界面[A/B](実施例1、2、比較例1、2では表面層と基層部とで形成される界面、実施例3では基層部中の樹脂層(E1)と樹脂層(E2)とで形成される界面)を、測定用サンプルの長辺方向(シュリンクフィルムの主配向方向)の一方の端部から長辺方向に15mm以上の長さまで部分的に剥離して、剥離部及び被剥離部を形成した。
上記測定用サンプルの被剥離部(シュリンクラベルの厚みの厚い側)の剥離された側とは反対側の全面に両面粘着テープを貼付し、該両面熱着テープを介して上記測定用サンプルをガラス板に固定した。その後、ガラス板が動かないように固定し、常温(23℃)の環境下で、上記ガラス板に固定された測定用サンプルの、ガラス板に固定されていない側の剥離部分を、引張試験機(島津製作所(株)製「オートグラフ AGS−50G」、ロードセル500N)を用いて、剥離前の方向から180°の方向に引っ張り速度200mm/minで引っ張り、常温における180°方向の層間剥離強度を測定した。そして、測定結果を表1に示した。
(3)シュリンク加工時の層間剥離
実施例及び比較例で得られた扁平状の筒状シュリンクラベル(折りたたんだ状態の幅方向の長さ:108.5mm、高さ方向の長さ:106mm)を、300gアルミ製丸型ボトル缶に外嵌した後、90℃の温浴層に30秒間浸漬させて筒状シュリンクラベルを熱収縮(シュリンク加工)させた際の、シール部における外側の端面の層間剥離の有無を目視で観察した。なお、同一の10個の筒状シュリンクラベルを作製し、10個それぞれについて上記熱収縮及び観察を行った(n=10)。そして、シュリンク加工時の層間剥離を、以下の基準で判断した。そして、測定結果を表1に示した。
良好(○) : 10回中、1回も層間剥離が観測されない
不良(×) : 10回中、層間剥離が1回以上観測された
(4)ラベルの落下耐性
実施例及び比較例で得られたラベル付き容器を、作製してから1日放置した後、600mmの高さから容器底面が当たるように、コンクリート面に落下させた。これを、容器1本当たり5回繰り返して、ラベルの破れの有無を目視で確認した。そして、ラベルの落下耐性を以下の基準で評価した。なお、測定結果を表1に示した。
ラベルの落下耐性が良好(○) :ラベルの破れが確認されなかった
ラベルの落下耐性が不良(×) :ラベルの破れが確認された
(5)ラベルの引き裂き性
実施例及び比較例で得られたラベル付き容器について、ラベルをミシン目に沿って、収縮方向と直交する方向に引き裂いた。そして、ラベルの引き裂き性を確認し、以下の基準で評価した。
引き裂き性が良好(○) :容易に引き裂き可能
引き裂き性が使用可能レベル(×) :引き裂きにくい
表1からもわかるとおり、本発明のシュリンクラベル(実施例1〜3)は、シュリンク加工時においても層間剥離が起こらなかった。さらに、ラベルの落下耐性及び引き裂き性に優れていた。一方、界面[A/B]の90℃における180°方向の層間剥離強度が2N未満であるシュリンクラベル(比較例1)は、シュリンク加工時に層間剥離が生じることがあった。また、界面[A/B]の常温における180°方向の層間剥離強度が1N以上であるシュリンクラベル(比較例2)は、ラベルの落下耐性が低下した。