JP2008207859A - シュリンクラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体用容器の胴部外周面に装着して用いられるシュリンクラベルであって、少なくとも基材フィルム層と流路形成層とから構成され、前記流路形成層は、前記シュリンクラベルの内層を構成し、深さ4μm以上の凹部を有し、前記凹部面積が前記流路形成層の5〜90%であることを特徴とする、シュリンクラベルである。液体用容器の破損を肉眼または触感により容易に検出することができる。
【選択図】 図1
Description
また、液体用容器にシュリンクラベルを装着し、シュリンクトンネルでスチームによって熱処理する場合には、ボトルとラベル間に水が入り込み、液滴が溜まる場合があり、製品の黒ずみの原因となったり、その液滴が残存する場合には、カビが発生するおそれもある。なお、容器に収納した内容物を冷却する場合に、ラベル付容器ごと水に浸漬する場合があり、このような場合にも、容器とラベル間に水などの液体が侵入する。
このような状況下、従来の液体用容器の破損を容易に検出しうるシュリンクラベル装着液体用容器の開発が望まれる。
また、本発明シュリンクラベルを液体用容器に装着することで容易にシュリンクラベル装着液体用容器を得ることができる。
前記流路形成層は、前記凹部を前記ラベルの上下方向に縞状に構成したものや、前記凹部を不定形に構成したもので構成することができ、前記凹部は、ラベルの上下方向の全長に亘って連通していてもよく、前記凹部には、シュリンクラベルを貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
また、前記流路形成層は、隆起インキ、発泡インキ、または樹脂ビーズを含有するスウェード調インキを、基材フィルム層の内側にパターン状に印刷して凹部を形成することができる。
本発明のシュリンクラベルは、基材フィルム層のラベル内側にデザイン印刷層が形成されていてもよく、更に基材フィルム層のラベル表面側に外層が積層されていてもよい。
以下、本発明のシュリンクラベルおよびシュリンクラベル装着液体用容器について説明する。
本発明のシュリンクラベルは、図1(a)に示すように、少なくとも基材フィルム層(10)と流路形成層(20)とを有するが、図1(b)に示すように、基材フィルム層(10)のラベル内側にデザイン印刷層(30)を有していてもよく、更に図1(c)に示すように、基材フィルム層(10)のラベル外側に外層(40)を有していてもよい。なお、本発明における「流路形成層」とは、液体用容器が破損した場合に遺漏した内容物と接触し、遺漏した内容物を保持しうる凹部を有する、シュリンクラベルの内層である。また、本発明におけるサイズは、熱収縮した後のシュリンクラベルのサイズである。
図3(a)は、シュリンクラベルの流路形成層の平面図を示し、図3(b)はその横断面図である。図3に示すシュリンクラベルは、凹部がラベルの上下方向に縞状に構成されているため、液体用容器が破損して内容物が液体用容器の外部に遺漏した場合には、流路形成層(20)の凹部に内容物が保持され、次いで流路(R)を経て、ラベル下端部から内容物を遺漏させる。このため、肉眼および触感によって液体用容器の破損を検出することができる。なお、図3は、基材フィルム層(10)と流路形成層(20)とからなるシュリンクラベルであるが、図1に示すように、基材フィルム層と流路形成層との間にデザイン印刷層やその他の層を積層してもよく、基材フィルム層のラベル外側に外層やその他の層を有するものであってもよい。
また、図5(a)に示すように凹部が不定形に形成されていても、流路(R)がラベル上下方向に連通するものであれば、図3、図4で示すシュリンクラベルと同様にラベル端部から内容物が遺漏するため、液体用容器の破損を肉眼および触感で検出することができる。なお、図5(b)は、図5(a)のA−A’線の断面図を示す。
このような貫通孔は、凹部に存在すれば、例えば図8に示すように、ラベル上端部と下端部にそれぞれ液体用容器の横断面に沿って直線状に形成してもよい。なお、図8(b)は、図8(a)のA−A’線の断面図を示す。
なお、本発明のシュリンクラベルは、図示しないが、上記した貫通孔以外に、ラベルの上端から下端に向かうミシン目などの貫通孔を有していてもよい。このミシン目によってラベル離脱を容易に行うことができる。
なお、接着剤層は、基材フィルム層のラベル内側に形成され、接着剤層と基材フィルム層との間には、前記デザイン印刷層や流路形成層などが形成される必要はない。
シュリンクラベルを構成する基材フィルム層を構成するフィルムとしては、熱処理によって収縮できるものを広く使用することができ、更には、機械的、物理的、化学的強度、印刷適性を有するフィルムを使用することが好ましい。このようなフィルムは、シュリンクラベルの用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリ乳酸系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルム、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、低密度直鎖状ポリエチレンフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体等の樹脂から製膜された等の延伸ポリオレフィンフィルム、ポリエステル−ポリスチレン多層フィルム、不織布と収縮フィルムとのラミネートフィルム、ポリエステル−ポリスチレン共押出フィルム、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレンなどの樹脂から製膜された変性ポリオレフィンフィルム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の樹脂から製膜されたフィルム、アクリル系樹脂フィルム等が使用できる。
一方、本発明のラベルが、シュリンクラベルとしての効果を奏するには、延伸方向に対する熱収縮率が5〜60%であることが好ましい。なお、本発明における熱収縮率とは、テンター方式で基材フィルムの流れに対して一軸延伸した場合、その直角方向(幅方向)の熱収縮率が、100℃の沸騰水による熱収縮率とし、その算出は下記式に従うものとする。
(数1)
熱収縮率(%)=((加熱前の寸法−加熱後の寸法)/(加熱前の寸法))×100
更に、上記の基材フィルム層には、必要に応じて、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。また、基材フィルム層の表面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理を施してもよい。
本発明のシュリンクラベルにおいて、流路形成層の素材や凹部の形成方法に制限はない。しかしながら、シュリンクラベルとしての特性を発揮するためには、流路形成層が隆起インキ、発泡インキ、または樹脂ビーズを含有するスウェード調インキなどのコーティング材料によって形成されることが好ましい。このようなコーティング材料によって凹部を形成する場合には、印刷技術によって流路を形成することができ、かつ既存の印刷装置を使用することができるからである。
流路形成層をラベルの内側にコーティングするパターンとしては、前記図3〜8に例示した態様に限定されず、深さ4μm以上の凹部からなり、前記凹部面積が前記流路形成層の5〜90%であれば、特に限定はない。従って、上記以外に、流路形成層の全範囲に均等に形成される網状や格子状のパターンや、ランダムなドットのパターン等であってもよい。更に、凹部によってラベル全域に亘る文字や絵などの図柄を形成してもよい。この図柄は、例えばドットの集合によって形成したものであってもよい。このパターンを形成する格子のピッチ等は、適宜変更することができ、例えば、前記ドットの大きさは、等価円に換算して150〜250μmで絵柄を構成することができる。なお、凹部は深さ4μm以上であり、より好ましくは4〜150μm、特に好ましくは5〜60μmである。
例えば、速乾性の溶剤としては、トルオール、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エタノール、イソプロピルアルコール等があり、遅乾性の溶剤としては、キシロール、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ブチルアルコール等のなかから、バインダーの種類による溶解性や、印刷手段とにより適宜選択して使用することができる。
また、発泡インキのバインダーが、合成樹脂ディスパージョン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、澱粉等の水溶性の場合は、溶媒を水を主体にすることができる。
そして、その膨張倍率は、20〜70倍のものである。これを含むインキは、発泡剤の膨張倍率が20〜70倍(厚さに換算すれば、2.7〜4.1倍)の高倍率である。なお、発泡インキのバインダー溶液に、例えば、熱分解型発泡剤を分散させて作製することができる。
なお、本発明では基材フィルム層は液体用容器に装着した後に熱収縮工程を経るものである。このため、前記発泡インキは、シュリンクラベルを熱収縮させる際の加熱条件で発泡できることが好ましく、シュリンクラベルに使用する基材フィルムの材質により、その熱収縮温度が異なるため一律ではないが、発泡温度、50〜120℃の範囲が好ましく、70〜100℃の範囲がより好ましい。
前記芯物質の低沸点炭化水素としては、例えば、n−ブタン、イソブタン、シクロペンタン、n−ペンタン、プロパンなどを使用することができる。このようなマイクロカプセルによる発泡剤は、例えば、粒径10〜30μmのもので最高膨張倍率を20〜70倍とすることができる。
バインダーとしては、一般的に包装材料において使用されている樹脂を使用でき、例えば、ニトロセルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂等を使用することができる。
スウェード調インキに含有させる樹脂ビーズ(マット剤)としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の微粒子や、バインダーの溶剤に溶解しない樹脂の微粒子等を使用することができる。
また、前記の樹脂ビーズをバインダー中に分散させたマット剤の添加量としては、10〜20質量%程度が好ましく、17質量%程度がより好ましい。マット剤の添加量が、上記の範囲内にあると、コーティングを容易に行うことができる。
なお、上記流路形成層は、前記インキを用いて通常の印刷法でできるが、多色(9〜11色)のグラビア印刷機等を使用することにより、色彩による絵柄を形成することもできる。
また、貫通孔は、シュリンクラベルの少なくとも1の前記凹部に設けられていればよく、全ての凹部に貫通孔が設けられている必要は無い。また、凹部の数も特に制限されるものではなく、凹部以外の場所に貫通孔が設けられていてよい。従って、図8に示すように、ラベルの上端近傍や下端近傍、その他にミシン目状に貫通孔を形成してもよく、更に、ミシン目などのように貫通孔を線状に設けた場合に限定されず、任意の箇所に貫通孔を形成してもよい。なお、操作性の点から、ミシン目によって貫通孔を形成することが簡便である。
本発明のシュリンクラベルは、基材フィルム層と前記流路形成層との間にデザイン印刷層が積層されていてもよい。また、本発明では、シュリンクラベルの全長に亘って印刷層を形成してもよいが、ラベル両端に接着部にはデザイン印刷層を設けず接着剤層のみを形成してもよい。
印刷方法に限定はなく、例えばグラビア印刷で印刷層を形成することができる。印刷層としては、樹脂と溶媒から通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を調製し、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の助剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整して得たインキ組成物を使用することができる。
このようなインキビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他などの1種または2種以上を併用することができる。インクビヒクルは、版から被印刷物に着色剤を運び、被膜として固着させる働きをする。
上記は、グラビア印刷で説明したが、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式であってもよい。また、印刷は、裏印刷でも、表印刷でもよい。
本発明のシュリンクラベルは、前記基材フィルム層の表面側に更に外層を設けてもよい。このような外層としては、シュリンクラベルの用途や意匠性などによって適宜選択することができ、ラベル表面の滑り性を付与する場合にはOPニスを、ラベルを触ったときの触感を付与する場合にはスエードインキによる印刷層を、マット感を付与する場合にはマットOPなどを使用することが好ましい。
本発明には、上記シュリンクラベルのいずれかの層の形成に先立ち、予め表面処理を行った後に他の層を形成し、または積層してもよい。このような表面処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理などがある。また、このような表面処理として、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤等を任意に塗布し、表面処理としてもよい。
本発明において、ラベル両端に接着剤層を形成することができる。接着剤層としては、従来、シュリンクラベルに使用される溶剤や接着剤、その他を使用することができる。
上記の溶剤としては、特に制限されないが、例えば、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系等の有機溶剤を使用することができる。ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、非晶性ポリオレフィン系樹脂を積層したフィルムなどの場合には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶剤、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤などの1種、又は2種以上の混合溶剤などの有機溶剤が例示される。溶剤によって接着することで、接着部の厚みを薄くでき、しかも熱収縮を阻害しないこため好ましい。
本発明において、ホットメルト接着剤の粘着付与剤は、粘着剤の粘着性能を向上させるものである。例えばテルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンおよびそれらのグリセリン、ペンタエリスリト−ル等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)が挙げられる。
上記固形可塑剤、熱可塑性樹脂および粘着性付与剤は、熱可塑性樹脂の粒子(固体粒子または液滴)が水中に乳化分散されているエマルション、または、熱可塑性樹脂が有機溶剤に溶解または分散して、単独あるいは2種類以上の混合物で使用することができる。また、必要に応じて分散剤や消泡剤、増粘剤等を使用することもできる。
本発明のシュリンクラベルが、図1(b)に示すように、基材フィルム層のラベル内側にデザイン印刷層を有する場合には、デザイン印刷層と共に、前記流路形成層をインラインで印刷してもよい。これにより生産効率よく生産できる。なお、図1(c)に示すように、基材フィルム層のラベル外側に外層を有する場合には、予め基材フィルム層にデザイン印刷層、流路形成層を形成した後に反転させて、例えば硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、これらの2種類以上を混合した樹脂などの透明ニスなどによる印刷を行うことで形成することができる。このような外層は、0.5〜5μmで十分である。
なお、本発明において接着剤層の形成は、シュリンクラベル原反ロールを所定サイズに切断した後に接着剤層を形成してもよく、接着剤層を形成した後に所定サイズに切断してもよい。
本発明のシュリンクラベルを装着しうる容器としては特に制限はない。本発明のシュリンクラベルが適用される被着体としては、ガラス容器;PETなどの合成樹脂性製容器;セラミックボトルなどの無機物容器;アルミや鉄、SUSなどの金属製容器;ガラス、合成樹脂、セラミック、金属、紙などを含む複合材からなる容器がある。
一方、前記容器が合成樹脂製容器である場合には、該容器を構成する熱可塑性樹脂層としては、ポリエステル樹脂を使用することが、軽量で、機械的強度、耐熱性、ガス遮断性、耐薬品性、保香性、衛生性等に優れるため好ましい。容器は、ポリエステル樹脂を射出成形、真空成形、圧空成形等することにより製造することができる。
上記のポリエステル樹脂は、固有粘度が0.5〜1.5の範囲のものを使用でき、0.55〜0.85の範囲のものを使用することが好ましい。また、このようなポリエステルは、溶融重合で製造され、180〜250℃の温度下で減圧処理または不活性ガス雰囲気で熱処理されたもの、または固相重合して低分子量重合物であるオリゴマーやアセトアルデヒドの含有量を低減させたものが好ましい。
また、本発明に係る容器は、上記熱可塑性樹脂層の単層からなるものであってもよいが、ガスバリア性や遮光性を確保するために、多層構造としてもよい。
またガスバリア性と水分バリア性の両方に優れたものとしては、テレフタル酸、エチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールからなるポリエチレンコポリマー(PETG)と、エチレンビニルアルコール共重合体とのブレンドポリマーや、上記PETGとポリビニルアルコールとのブレンドポリマー等を使用することができる。
中でも、ナイロンMXD−6は、遷移金属化合物を触媒量添加して使用することにより、酸素を遮断し、かつ酸素を捕捉することができるので、ボトル容器内の酸素を実質的にゼロにできるので内容物の酸化防止性に優れる点で好ましい。
上記のナイロンMXD−6に添加する遷移金属系触媒は、酸素との反応性高めるために必要であり、具体的に、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム等を使用でき、中でもコバルトを使用することが好ましい。
当該金属塩の添加量としては、当該樹脂組成物に対して0.001%〜1%程度で使用することが好ましい。
本発明において、口部に装着されるキャップ本体は、耐熱性、耐圧性、耐水性、遮光性を有することが必要である。前記のキャップ本体は、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、ポリアセタ−ル系樹脂、その他等の耐熱性等に富む樹脂を使用し、射出成形法等を利用して製造することができる。上記において、ピルファープループ性機能を有する環状体を設けたキャップ等であってもよい。この場合も、上記のような樹脂を使用し、その形状に合致した成形金型等を使用し、射出成形法等を利用して製造することができる。また、上記のキャップには、酸素ガスバリア性を付与するために、アルミニウム等の金属製、あるいは上記の耐熱性等に富む樹脂層の内面側に酸素ガスバリア性樹脂層を設けた構造からなるプラスティック製キャップを使用することができる。また、プラスチックキャップの仕様としては、酸素ガス吸収性樹脂層をインシェルモールドによりキャップ内面側に形成する1ピース仕様のものでも良く、あるいは、同機能を有するシート、いわゆるライナーを内面側に貼り合わせる2ピース仕様のものでも良い。
本発明では、例えば、前記シュリンクラベルの両端の接着剤層を介して筒状に張り合わせ、これを液体用容器に装着し、その後、ラベルを熱収縮させることでシュリンクラベル装着液体用容器を製造することができる。本発明のシュリンクラベルは、流路形成層を有する点に特徴があり、他は従来のシュリンクラベルと共通するため、従来のラベル貼着装置を使用して、シュリンクラベル装着液体用容器を製造することができる。
本発明のシュリンクラベル装着液体用容器は、従来のシュリンクラベルと比べて流路形成層の凹凸部によって構成される厚みがあるため、液体用容器の保護作用があり、そもそも液体用容器の破損を効率的に抑制することができる。一方、液体用容器が破損した場合には、内容物が液体用容器とシュリンクラベルとの間に遺漏するため、シュリンクラベルの外側から内容物に液体用容器からの浸出が肉眼で目視できる場合には、目視によって液体用容器の破損を確認することができる。一方、目視による確認が容易でない場合であっても、流路形成層の凹部がラベル上下方向に亘る縦縞状に形成される場合には、ラベル端部から遺漏する内容物によって目視または触感により液体用容器の破損を検出することができる。更に、流路形成層が不定形の凹部によって形成される場合でも、凹部に貫通孔を有する場合には、該貫通孔から内容物を遺漏させることで、液体用容器の破損を検出することができる。
基材フィルムとして、厚さ45μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。前記の1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端の接着剤層以外の箇所にグラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷してデザイン印刷層を形成した。
次に、平均粒径約20μmのアクリル樹脂ビーズをアクリル樹脂からなるバインダーに分散させたスウェード調インキ(大日精化株式会社製、製品名「OS−MスエードOPニス」、添加剤:VYS、スウェードDP添加剤)を、前記デザイン印刷層の上に、版深60μmのグラビアコーティングにて凹部の深さ12μm、凹部面積がデザイン印刷層の30%となるように塗工して流路形成層を形成した。
次いで、フィルムを反転し、前記基材フィルム層のラベル外側に、厚さ3μmのOPニス層を形成した。
得られた広巾印刷フィルムを4列にスリットし、同時にミシン刃を使用して貼り合わせ部を挟んで12mm間隔で2本、1mmの孔と1mmのつなぎのピッチでミシン目を入れた。その後、シロキサンを塗布してラベル両端を筒状に貼り合わせており径114mmのラベルを作成した。
得られたロール状ラベルをラベル貼着機に装着し、ロータリー式カッターで160mmピッチでカットし、同時に上から20mm、下から20mmの位置に1mm孔と1mmつなぎのピッチで孔を入れた。次いで、このラベルを、直径60mm、長さ160mmの円筒状液体用容器に外嵌し、および熱収縮処理を行ってシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ12μm、デザイン印刷層(流路形成層)の30%の面積の凹部が形成されていた。
流路形成層として、凹部面積がデザイン印刷層の60%となるように塗工する以外は実施例1と同様に操作してシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ9μm、デザイン印刷層(流路形成層)の60%の面積の凹部が形成されていた。
流路形成層として、凹部面積がデザイン印刷層の90%となるように塗工する以外は実施例1と同様に操作してシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ4μm、デザイン印刷層(流路形成層)の90%の面積の凹部が形成されていた。
基材フィルムとして、厚さ40μmのフィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名「DL301s」、ポリエチレンテレフタレート樹脂・ポリスチレン樹脂共押出し多層フィルム)の熱収縮フィルムを準備した。
前記の積層フィルムの裏面に、両端の接着剤層以外の箇所にグラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷してデザイン印刷層を形成した。
次に、ウレタン樹脂系の盛り上げインキ(製品名「KKBキュアUマットメジウム」、大日精化株式会社製)を、前記デザイン印刷層の上に、グラビアコーティングにて凹部の深さ12μm、凹部面積がデザイン印刷層の30%となるように塗工して流路形成層を形成した。
得られた広巾印刷フィルムを4列にスリットし、同時にミシン刃を使用して貼り合わせ部を挟んで12mm間隔で2本、1mmの孔と1mmのつなぎのピッチでミシン目を入れた。その後、シロキサンを塗布してラベル両端を筒状に貼り合わせており径114mmのラベルを作成した。
得られたロール状ラベルをラベル貼着機に装着し、ロータリー式カッターで160mmピッチでカットし、同時に上から20mm、下から20mmの位置に1mm孔と1mmつなぎのピッチで孔を入れた。次いで、このラベルを、直径60mm、長さ160mmの円筒状液体用容器に外嵌し、および熱収縮処理を行ってシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ12μm、デザイン印刷層(流路形成層)の30%の面積の凹部が形成されていた。
流路形成層として、凹部面積がデザイン印刷層の60%となるように塗工する以外は実施例4と同様に操作してシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ9μm、デザイン印刷層(流路形成層)の60%の面積の凹部が形成されていた。
流路形成層として、凹部面積がデザイン印刷層の90%となるように塗工する以外は実施例4と同様に操作してシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
この液体用容器に装着されるラベルの流路形成層には、深さ4μm、デザイン印刷層(流路形成層)の60%の面積の凹部が形成されていた。
上記実施例1〜6で得たシュリンクラベル付液体用容器に水を封入した後、落下により破損させ、液体用容器破損後に内容物がラベルの外部へ遺漏するかについて観察した。
上記実施例1〜6のシュリンクラベル付液体用容器は、いずれも内容物をラベル外部に遺漏することが判明した。
基材フィルムとして、厚さ45μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡株式会社製、製品名「S7542」)を準備した。前記の1軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの裏面に、両端の接着剤層以外の箇所にグラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷してデザイン印刷層を形成した。
次いで、フィルムを反転し、前記基材フィルム層のラベル外側に、厚さ3μmのOPニス層を形成した。
得られた広巾印刷フィルムを4列にスリットし、同時にミシン刃を使用して貼り合わせ部を挟んで12mm間隔で2本、1mmの孔と1mmのつなぎのピッチでミシン目を入れた。その後、シロキサンを塗布してラベル両端を筒状に貼り合わせており径114mmのラベルを作成した。
得られたロール状ラベルをラベル貼着機に装着し、ロータリー式カッターで160mmピッチでカットし、同時に上から20mm、下から20mmの位置に1mm孔と1mmつなぎのピッチで孔を入れた。次いで、このラベルを、直径60mm、長さ160mmの円筒状液体用容器に外嵌し、および熱収縮処理を行ってシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
上記比較例1で得たシュリンクラベル付液体用容器に水を封入した後、落下により破損させ、液体用容器破損後に内容物がラベルの外部へ遺漏するかについて観察した。
上記比較例1のシュリンクラベル付液体用容器は、落下による破瓶時にラベルと液体用容器との間に液溜まりが生じ、かつシュリンクラベルによってひび割れ部分が覆われて、液体用容器の割れが生じているにもかかわらず、外観上は割れを確認できなかった。
基材フィルムとして、厚さ45μmのフィルム(三菱樹脂株式会社製、製品名「DL301s」、ポリエチレンテレフタレート樹脂・ポリスチレン樹脂共押出し多層フィルム)の熱収縮フィルムを準備した。
前記の積層フィルムの裏面に、両端の接着剤層以外の箇所にグラビア印刷インキを使用し、グラビア印刷方式にて、文字、記号、図形、絵柄等からなる所定の印刷を裏刷り印刷してデザイン印刷層を形成した。
得られた広巾印刷フィルムを4列にスリットし、同時にミシン刃を使用して貼り合わせ部を挟んで12mm間隔で2本、1mmの孔と1mmのつなぎのピッチでミシン目を入れた。その後、シロキサンを塗布してラベル両端を筒状に貼り合わせており径114mmのラベルを作成した。
得られたロール状ラベルをラベル貼着機に装着し、ロータリー式カッターで160mmピッチでカットし、同時に上から20mm、下から20mmの位置に1mm孔と1mmつなぎのピッチで孔を入れた。次いで、このラベルを、直径60mm、長さ160mmの円筒状液体用容器に外嵌し、および熱収縮処理を行ってシュリンクラベル付液体用容器を調製した。
上記比較例2で得たシュリンクラベル付液体用容器に水を封入した後、落下により破損させ、液体用容器破損後に内容物がラベルの外部へ遺漏するかについて観察した。
上記比較例2のシュリンクラベル付液体用容器は、落下による破瓶時にラベルと液体用容器との間に液溜まりが生じ、かつシュリンクラベルによってひび割れ部分が覆われて、液体用容器の割れが生じているにもかかわらず、外観上は割れを確認できなかった。
20・・・流路形成層
30・・・デザイン印刷層
40・・・外層
R・・・流路
Claims (9)
- 液体用容器の胴部外周面に装着して用いられるシュリンクラベルであって、
少なくとも基材フィルム層と流路形成層とから構成され、
前記流路形成層は、前記シュリンクラベルの内層を構成し、深さ4μm以上の凹部を有し、前記凹部面積が前記流路形成層の5〜90%であることを特徴とする、シュリンクラベル。 - 前記流路形成層は、前記凹部を前記ラベルの上下方向に縞状に構成したものである、請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記流路形成層は、前記凹部を不定形に構成したものである、請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記凹部は、ラベルの上下方向の全長に亘って連通することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシュリンクラベル。
- 前記凹部は、シュリンクラベルを貫通する貫通孔を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のシュリンクラベル。
- 前記流路形成層は、隆起インキ、発泡インキ、または樹脂ビーズを含有するスウェード調インキを、基材フィルム層の内側にパターン状に印刷して凹部を形成したものである、請求項1〜5のいずれかに記載のシュリンクラベル。
- 前記基材フィルム層は、延伸ポリエステル系フィルム、延伸ポリスチレン系フィルム、延伸ポリオレフィン系フィルム、ポリ乳酸系フィルム、発泡ポリオレフィン系フィルム、発泡ポリスチレン系フィルム、ポリエステル−ポリスチレン多層フィルム、不織布と収縮フィルムとのラミネートフィルムおよび延伸ポリエステル−ポリスチレン共押出しフィルムからなる群から選択される1種以上のフィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載のシュリンクラベル。
- 更に、基材フィルム層のラベル内側にデザイン印刷層が形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のシュリンクラベル。
- 前記基材フィルム層は、基材フィルム層のラベル表面側に更に外層が積層されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のシュリンクラベル。
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