JP2006026945A - ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム、印刷層及び基材を有し、印刷した文字や図柄の鮮明性に優れており、食品用容器の蓋材や包装材として有用な積層体を提供する。
【解決手段】 上面から順に少なくともポリブチレンテレフタレートフィルムと、紙シート又は樹脂フィルムからなる基材とが積層されており、かつ上記基材の上面、並びに/又は上記ポリブチレンテレフタレートフィルムの一面及び両面のいずれかに印刷層を有する積層体であって、上記ポリブチレンテレフタレートフィルムの上面、又は上記ポリブチレンテレフタレートフィルム上の印刷層の上面に透明樹脂コーティング層を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品用容器の蓋材や包装材として有用なポリブチレンテレフタレートフィルム積層体及びその用途に関する。
従来、即席食品用容器の開口部を密封する蓋材としては、例えば即席麺用容器の場合、順にイージピール性シーラントフィルムと、アルミニウム箔と、紙とを積層してなるものが知られている。
アルミニウム箔層を有する蓋材は、水蒸気等のバリア性、熱等に対する寸法安定性、充填機適性(容器に内容物を充填し、シールする時の蓋材がカールしていないこと)、遮光性等に優れている。さらにアルミニウム箔層を有する蓋材は、容器からほぼ中心部まで剥がして持ち上げると、持ち上げた状態に維持される性質(デッドホールド性)を有する。デッドホールド性により、例えば即席ラーメン等では、剥がして半開きの状態のまま容易に熱湯を注ぐことができ、次いで蓋体を再封し即席麺が喫食可能な状態となるまで保持した後、再開封して食べることができる。
しかしアルミニウム箔を有する蓋材は、使用後の焼却処理において、アルミニウム箔の発熱量が多いために焼却炉が傷んだり、溶融一体化して焼却効率が低下したりする問題がある。そのため、環境保護の観点から、アルミニウム箔を有する蓋材をできるだけ使用しないのが望ましい。またカップラーメンのような即席食品の場合、食品安全性の観点から、容器内に金属系異物が混入していないかを検査する必要があるが、アルミニウム箔を有する蓋体を熱シールした後では金属探知機による検知が不可能であるので、蓋体を熱シールする前に検査しているのが現状である。また蓋体としてアルミニウム箔を用いた場合には、蓋体が重くなるといった問題もある。
アルミニウム箔を含まない蓋材として、例えば順に紙層/接着樹脂層/ポリエチレンテレフタレートフィルム層/易剥離樹脂層を有する積層フィルムが提案されている。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは、水蒸気のバリア性、熱に対する寸法安定性、充填機適性(カールがないこと)等の特性を有する。しかしながらPETフィルムは腰強度が大きいので、デッドホールド性に乏しい。そのため蓋体は開封後に簡単に閉じてしまい、熱湯が注ぎ難くいという問題がある。
デッドホールド性に優れ、軽量であるとともに、アルミニウムのような金属材を使用せず、密封後に金属探知機により容易に金属系異物を探知し得る即席食品用容器の蓋材として、特開2004-83099号(特許文献1)は、順にポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、紙シート及びシーラントフィルムを有する積層シートからなるものを提案している。
特開2004-83099号公報
しかしPBTフィルムは一般的に透明性が不十分であり、特許文献1に記載の蓋材のPBTフィルム又は紙シートに印刷層を設けても、印刷した文字や図柄の鮮明性が不十分であるという問題があった。
従って、本発明の目的は、少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム、印刷層及び基材を有し、印刷した文字や図柄の鮮明性に優れた積層体を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム、印刷層及び基材を有する積層体のポリブチレンテレフタレートフィルムの表面、又はポリブチレンテレフタレートフィルム上の印刷層の表面に、透明樹脂コーティング層を設けると、美麗かつ鮮明な印刷文字/図柄が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、上面から順に少なくともポリブチレンテレフタレートフィルムと、紙シート又は樹脂フィルムからなる基材とが積層されており、かつ前記基材の上面、並びに/又は前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの一面及び両面のいずれかに印刷層を有し、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの上面、又は前記ポリブチレンテレフタレートフィルム上の印刷層の上面に透明樹脂コーティング層を有することを特徴とする。
前記透明樹脂コーティング層はポリビニルアルコール系重合体からなるのが好ましい。前記透明樹脂コーティング層の厚さは1〜5μmであるのが好ましい。
本発明の積層体は、上面から順に少なくとも前記透明樹脂コーティング層、前記ポリブチレンテレフタレートフィルム、前記印刷層、前記基材及び熱シール性フィルムを有するのが好ましい。前記透明樹脂コーティング層と前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの間に透明接着剤層を有するのが好ましい。前記透明樹脂コーティング層は前記透明樹脂を溶剤に溶解又は分散した塗料を塗布後、乾燥することにより形成されたものであるのが好ましく、これによりポリブチレンテレフタレートフィルム積層体に前記透明樹脂コーティング層の収縮によるカール性を付与できる。このような層構成の積層体は、食品用容器の蓋材として有用である。
少なくともポリブチレンテレフタレートフィルム、印刷層及び基材を有し、かつポリブチレンテレフタレートフィルムの表面、又はポリブチレンテレフタレートフィルム上の印刷層の表面に透明樹脂コーティング層を有する積層体は、印刷した文字や図柄の鮮明性に優れている。このような特性を有する本発明のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は、食品用容器の蓋材、包装材、壁紙、紙容器用素材等の用途に好適に使用できる。本発明のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなる蓋体が使用できる食品用容器の内容物としては、カップラーメン;即席焼きそば;粉末シチュー;粉末状又は流動状の味噌汁やおしる粉やスープ;ジュースを始めとする飲料;ゼリー、プリン等の半固体状食品等多肢に亘る。
[1] ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の層構成
図1〜図6は本発明のポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム積層体1の好ましい層構成を例示する。図1に示す例では、最上面から順に透明樹脂コーティング層2と、PBTフィルム3と、透明接着剤層4と、印刷層5と、紙シート6とからなる。図2に示す例では、印刷層5をPBTフィルム3の裏面に設け、透明樹脂コーティング層2とPBTフィルム3の間に透明接着剤層4を設け、印刷層5と紙シート6との間にホットメルト層7及び押出ラミネーションされたポリエチレン層8からなる接着層を設けた以外図1に示す例と同じである。図3に示す例では、印刷層5をPBTフィルム3の上面に設けた以外図2に示す例と同じである。
PBTフィルム積層体1を、即席食品を始めとする食品用容器の蓋材として使用する場合、図4〜図6に示すように、紙シート6に外層1a及び内層1bを設けるのが好ましい。図4に示す例では、内層1bとして紙シート6側から順に樹脂フィルム9と、遮光性インク層10と、シーラントフィルム11とを設けた以外図1に示す例と同じである。なお紙シート6と樹脂フィルム9との間、及び遮光性インク層10とシーラントフィルム11との間には、それぞれポリエチレン層8からなる接着層がある。
図5に示す例では、内層1bが樹脂フィルム9を有さない以外図4に示す例と同じである。図6に示す例では、内層1bが遮光性付与層として遮光性インク層10の代わりにアルミニウム箔12を有する以外図5に示す例と同じである。以下、各層について詳述する。
(1) 透明樹脂コーティング層
PBTフィルム3の上面に透明樹脂コーティング層2を設けることにより、PBTフィルム3の微細な表面凹凸が吸収されるので、積層体1の表面は平滑化され、不透明性がなくなり、高鮮映性が得られる。このため美麗かつ鮮明な印刷文字/図柄が得られる。透明樹脂2は、透明性を有するものである限り特に制限されないが、無色透明なものが好ましい。透明樹脂2は公知の水溶性又は非水溶性のものでよいが、有機溶剤を使用しなくてよい点から水溶性のものが好ましい。水溶性透明樹脂として、例えばポリビニルアルコール系重合体、セルロース系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。ポリビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール;アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール変性物;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリ酢酸ビニル部分ケン化物等が挙げられる。セルロース系重合体としてはヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
中でも水溶性透明樹脂としてはポリビニルアルコール系重合体が好ましい。ポリビニルアルコール系重合体は安価で耐熱性に優れており、積層体1を食品用容器の蓋材として用いた場合に食品衛生上の問題がない。水分散液を調製した時にゲル化しにくい点から、ポリビニルアルコール系重合体の重合度は1,000以下であるのが好ましい。非水溶性透明樹脂としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、紫外線硬化性不飽和アクリル樹脂、紫外線硬化性不飽和エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
透明樹脂コーティング層2の厚さは限定的ではないが、1〜5μmが好ましく、2〜4μmがより好ましい。この厚さを1μm未満とすると印刷文字/図柄の鮮明性向上効果が不十分となり、一方5μm超とするとコスト高になる。
(2) 透明接着剤層
透明樹脂コーティング層2とPBTフィルム3の接着性向上を目的として、必要に応じて透明樹脂コーティング層2とPBTフィルム3の間に透明接着剤層4を設けてもよい(図2参照)。またPBTフィルム3と紙シート6を接着する層としても透明接着剤4を用いるのが好ましい。透明接着剤4は透明性を有するものである限り特に制限されないが、例えばポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVA)、ポリビニルアセタール系樹脂(例えばポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB等)、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。透明接着剤層4は、上記のような透明接着剤を適当な溶剤に溶解又は分散し、これを塗布後、乾燥することにより設ければよい。透明接着剤層4の厚さは1μm以下であるのが好ましい。十分な接着性が得られる限り、透明接着剤層4の厚さの下限に制限はない。
(3) ポリブチレンテレフタレートフィルム
PBTフィルム3は積層体1にデッドホールド性、保香性、ガスバリア性及び耐熱性を付与できる。PBTフィルム3は、基本的に1,4-ブタンジオールとテレフタル酸とからなる飽和ポリエステルフィルムである。但し熱収縮性等の物性を損なわない範囲で、1,4-ブタンジオール以外のジオール成分、又はテレフタル酸以外のカンボン酸成分を共重合成分として含んでいてもよい。そのようなジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンメタノール等が挙げられる。またジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が挙げられる。PBTフィルム3を構成するPBT樹脂の具体例としては、例えば東レ(株)から商品名「トレコン」として市販されているホモPBT樹脂を挙げることができる。
PBTフィルム3は、単一樹脂成分からなるものに限定されず、複数の樹脂成分からなるものでもよい。樹脂成分の組合せとしては、複数のPBT樹脂の組合せの他に、一種又は二種以上のPBT樹脂に、その特性を損なわない範囲で他の樹脂を添加したものが挙げられる。他の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS);ポリアミド(PA);ポリイミド(PI);ポリアミドイミド(PAI);ポリエーテルサルフォン(PES);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリカーボネート;ポリウレタン;フッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。例えばフィルム原料であるPBT樹脂がポリエチレンを含有していると、フィルム製造時の成膜性が向上し、膜厚の均一性に優れたPBTフィルム3が得られる。他の樹脂を含有する場合、その割合はPBTフィルム3全体を100質量%として、5〜20質量%であるのが好ましく、5〜15質量%であるのがより好ましく、5〜10質量%であるのが特に好ましい。従って特に断りがない限り、本明細書において使用する用語「PBTフィルム」は、PBTの単体のみならず、PBT+他の樹脂からなる組成物を含むものと理解すべきである。
PBTフィルム3は、PBTフィルム積層体1の用途に応じて、公知の添加剤、すなわち消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、香料、マイナスイオン発生剤、酸化チタンや炭酸カルシウム等の体質顔料、可塑剤、酸化肪止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、染料や顔料等の着色剤、流動性の改善のための潤滑材、結晶化促進剤(核剤)、無機充填材等を適宜含有しても良い。
PBTフィルム3の厚さは実用的には約5〜50μmであるのが好ましい。PBTフィルム3の厚さを約5μm未満とするのは技術的に困難である。またPBTフィルム3の厚さを約50μm超にすると積層体1の引裂性が低下する。好ましくは10〜30μmである。約5〜50μmの厚さのPBTフィルム3は十分なデッドホールド性、保香性及びガスバリア性を有する。
PBTフィルム3の熱収縮率は、MD(機械方向)及びTD(幅方向)ともに2%以下であるのが好ましい。熱収縮率はPBTフィルム3を150℃に10分間加熱することにより測定したものである。熱収縮率が2%以下のPBTフィルム3は、空冷インフレーション成形法により製造できる。PBTフィルム3を空冷インフレーション成形法により製造する方法として、例えばWO 2004/026558に記載の方法を挙げることができる。
後述するように、PBTフィルム3に直線引裂性を付与するために、多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を形成してもよい。
(4) 印刷層
PBTフィルム積層体1は文字や図柄等を表す印刷層5を有する。印刷層5は基材6の上面、並びに/又はPBTフィルム3の一面及び両面のいずれかに設ける。図1に示すように印刷層5は基材6の上面に設けるのが好ましい。印刷層5は、グラビア印刷、インクジェット印刷等により設けることができる。印刷インキとしては、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等のベース熱可塑性樹脂に顔料や種々の添加剤を配合したものを用いることができる。二液型ポリウレタン樹脂系の印刷インキは耐水性に優れている。
(5) 基材
積層体1は基材6として、紙シート又は樹脂フィルムを有する。積層体1をカップラーメン、即席焼きそば等の即席食品用容器の蓋材として使用する場合、紙シートを使用するのが好ましい。積層体1をゼリー、プリン等の半固体状食品用容器の蓋材として使用する場合、樹脂フィルムを使用するのが好ましい。
(a) 紙シート
紙シート6は、積層体1にデッドホールド性を付与できる。紙の種類は限定されず、合成紙も含む。紙シート6の目付は、約60〜120 g/m2とするのが好ましく、約75〜110 g/m2とするのがより好ましい。紙シート6の目付が約60 g/m2未満であると、紙シート6の腰が弱すぎて、十分なデッドホールド性を付与することができない。一方、紙シート6の目付を約120 g/m2超にしても、コスト高になるだけで、さらなるデッドホールド性の向上は認められない。
(b) 樹脂フィルム
積層体1は用途に応じて、樹脂フィルムからなる基材6を有してもよい。樹脂フィルム6の材質に特に制限はないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。ポリエステルフィルムを使用すると、特に保香性やガスバリア性に優れた積層体1が得られる。ポリプロピレンフィルムを使用すると、保湿性に優れた積層体1が得られる。
ポリエステルフィルムとしては、上記ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等からなるフィルムが挙げられる。PETフィルムは市販品として安価に入手できる。特に積層体1の剛性を高めたい場合、樹脂フィルム6としてPETフィルムが好ましい。
PETフィルムは、基本的にエチレングリコールとテレフタル酸とからなる飽和ポリエステルフィルムである。但しPETフィルムの特性を損なわない範囲で、エチレングリコール以外のジオール成分、又はテレフタル酸以外のカンボン酸成分を共重合成分として含んでいてもよい。そのようなジオール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンメタノール等が挙げられ、またジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸等が挙げられる。PETフィルムは、例えば東レ(株)の「ルミラー」や、東洋紡績(株)の「東洋紡エステルフィルム」や、ユニチカ(株)の「エンブレットPC」等のように、通常二軸延伸フィルムとして市販されている。
PBTフィルム3について述べたのと同様に、PETフィルムは、単一樹脂成分からなるものに限定されず、複数の樹脂成分からなるものでもよい。樹脂成分の組合せとしては、複数のPET樹脂の組合せの他に、一種又は二種以上のPET樹脂に、その特性を損なわない範囲で上記のような他の樹脂を添加したものが挙げられる。従って、特に断りがない限り、本明細書において使用する用語「PETフィルム」は、PETの単体のみならず、PET+上記他の樹脂からなる組成物を含むものと理解すべきである。
樹脂フィルム6も、PBTフィルム3の場合と同じく、PBTフィルム積層体1の用途に応じて、添加剤を適宜含有しても良い。樹脂フィルム6の厚さも、PBTフィルム3の場合と同じ理由により約5〜50μmであるのが好ましい。
積層体1の引裂を容易にするために、樹脂フィルム6として一方向の易引裂性を有するものを用いるのが好ましい。一方向の易引裂性を有するフィルムとして、一軸配向又は配向度が異なる二軸配向のポリエステルフィルムが好ましい。配向度が異なる二軸配向のPETフィルムは、「エンブレットPC」(ユニチカ(株))として市販されている。後述するように、樹脂フィルム6に直線引裂性を付与するために、多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を形成してもよい。
(6) その他の層
PBTフィルム積層体1を即席食品用容器の蓋材として用いる場合、PBTフィルム3、印刷層5及び紙シート6以外に、以下に述べるその他の層を有するのが好ましい。
(a) 樹脂フィルム
基材6として紙シートを使用するPBTフィルム積層体1は、その剛性やガスバリア性を高めるために、樹脂フィルム9(図4参照)を有するのが好ましい。樹脂フィルム9は、上記の基材6として使用できるものと同じでよいので、説明を省略する。
(b) 遮光性付与層
日光や紫外線による即席食品の変質を防止するために、積層体1は遮光性インク層10又はアルミニウム箔12を有するのが好ましい。遮光性インクは、例えばカーボンブラックのような黒色もしくは暗色の顔料又は染料を含むインクであれば、特に限定されない。遮光性インク層10は、焼却処理時に環境への悪影響がないという利点を有するとともに、密封した容器内の金属系異物の探知を金属探知機により行うことができるという利点もある。従って、即席食品の安全性がいっそう高まるだけでなく、金属探知機の利用により検査コストを著しく低減できる。アルミニウム箔12は優れた遮光性、ガスバリア性、保香性等を有する。
遮光性インク層10の厚さはインク中の黒色顔料又は染料の濃度に依存するが、一般に紫外線及び可視光線を十分に遮断できる程度であれば良い。アルミニウム箔12の厚さは3〜15μmが好ましく、7〜12μmがより好ましい。
(c) 熱シール層
即席食品用容器の本体の上端フランジ部に熱シールする層はシーラントフィルム11又はホットメルト層である。シーラントフィルム11は、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム等により形成できる。また蓋材を容器本体から容易に剥離できるように、シーラントフィルム11はイージーピール性を有するのが好ましい。そのために、シーラントフィルム11は比較的弱い熱接着性を有するのが好ましい。ホットメルトは公知のものを用いることができる。
シーラントフィルム11として、例えば紙シート6側から順にポリエチレンベースフィルムと低分子量ポリエチレンフィルムとを有する積層フィルムを使用できる。このポリエチレンベースフィルムの厚さは約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。また低分子量ポリエチレンフィルムの厚さは約5〜20μmが好ましく、約7〜15μmがより好ましい。このような積層ポリエチレンフィルムは、例えば760FD(東レ合成フイルム(株)製)として市販されている。またシーラントフィルム11としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)とポリエチレンとの混合物からなるフィルムも使用できる。この混合物からなるフィルムにおいて、ポリエチレンとしては線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。この混合物からなるフィルムの厚さも約10〜40μmが好ましく、約20〜30μmがより好ましい。またホットメルト層の厚さは10〜50μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
シーラントフィルム11として、エチレンと炭素数3〜18のα-オレフィンとを共重合して得られた直鎖状エチレン・α-オレフィン共重合体[密度(JIS K6922):0.870〜0.910 g/cm、MFR(JIS K6921、190℃、2.16kg荷重):1〜100 g/10分]及びポリスチレンを含む樹脂組成物からなるシーラントフィルム(特開2004-26190号)が挙げられる。このシーラントフィルムからなる熱シール層を有する蓋体を容器本体に熱シールすると、密封性と易開封性を両立できる。
積層体1に優れた直線引裂性を付与するために、シーラントフィルム11に、多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を形成してもよい。
(7) 各フィルムの予備加工
(a) 線状痕の形成
積層体1の易裂性を一層高めるために、PBTフィルム3、樹脂フィルム(6,9)及びシーラントフィルム11の少なくとも一つに、以下に述べる方法により多数の実質的に平行な線状痕を形成してもよい。
フィルム強度と良好な直線的易裂性を両立するために、線状痕の深さは各フィルムの厚さの1〜40%であるのが好ましく、具体的には0.1〜10μmであるのが好ましい。線状痕の幅は0.1〜10μmであるのが好ましく、線状痕同士の間隔は10〜200μmであるのが好ましい。
各フィルム3,6,9及び11に線状痕を形成するには、例えばWO 03/091003に開示の方法を採用することができる。この方法では、多数のモース硬度5以上の微粒子を表面に有するロール又はプレートに、連続走行するフィルムを押し付けながら摺接させることにより、フィルムに多数の実質的に平行な線状痕を形成する。微粒子としてはダイヤモンド微粒子が好ましい。フィルムをロール又はプレートに押し付ける手段としては、空気を吹き付ける手段、又はフィルムに摺接するブラシが好ましい。この方法により得られた線状痕はフィルムを貫通していないため、線状痕を形成したポリエステルフィルムを樹脂フィルム(6,9)として用いても、十分な保香性及びガスバリア性を確保することができる。
線状痕は各フィルム3,6,9及び11の少なくとも一面に全体的に形成するのが好ましい。これにより、各フィルム3,6,9及び11は、フィルム自体の配向性に関わらず一方向の直線的易裂性が付与され、任意の部位から線状痕に沿って直線的に裂くことができる。
(b) 微細孔の形成
積層体1の易裂性を高めるために、PBTフィルム3、樹脂フィルム(6,9)及びシーラントフィルム11の少なくとも一つに、以下に述べる方法により多数の微細孔を全面に形成してもよい。
微細孔は、0.5〜100μmの平均開口径及び約500個/cm2以上の分布密度を有するのが好ましい。微細孔の分布密度が約500個/cm2未満であると、引裂性が不十分である。フィルム強度の観点から、微細孔の分布密度は1×103〜1×104個/cm2であるのがより好ましく、1×103〜5×103個/cm2であるのが特に好ましい。
各フィルム3,6,9及び11に微細孔を形成するのに、例えば日本国特許第2063411号及び特開2002-59487号に開示の方法を採用することができる。例えば日本国特許第2063411号の方法では、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の微粒子が表面に付着した第一のロール(上記線状痕形成用ロールと同じ)と、表面が平滑な第二のロールとの間を均一な押圧力を受けながらフィルムが通過するので、フィルムに微細孔が多数形成される。第二ロールとしては、Niメッキ、Crメッキ等を施した鉄系ロール、ステンレス系ロール、特殊鋼ロール等を用いることができる。
微細孔をシーラントフィルム11に形成する場合、微細孔は貫通孔又は未貫通孔のいずれでも良い。微細孔をPBTフィルム3又は樹脂フィルム(6,9)に設ける場合、容器の密封性の観点から微細孔は未貫通孔であるのが好ましい。第一ロール及び第二ロール間の押圧力を調節することにより、貫通孔及び未貫通孔の一方又は両方を形成することができる。
[2] ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体の製造方法
例えば図4に示す積層体1を形成する場合、一面に印刷層5を形成した長尺の紙シート6に透明接着剤層4及びポリエチレン層8を形成し、PBTフィルム3を積層するとともに、他方の面に樹脂フィルム9と遮光性インク層10とシーラントフィルム11との積層フィルムを積層する。透明樹脂コーティング層2は、予めPBTフィルム3に設けてもよいし、積層後に設けてもよい。透明樹脂コーティング層2は、透明樹脂を適当な溶剤に溶解又は分散して塗料を調製し、これをPBTフィルム3の表面に塗布し、乾燥することにより形成する。塗布方法に特に制限はないが、例えばロールコーティング法、バーコーター法、エアナイフコーティング法、リップ法、ブレードコーティング法、ロッドコーティング法、グラビアコーティング法等が挙げられる。各フィルム3,6,9又は11には、必要に応じて予め多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を設けても良い。各フィルム3,6,9及び11の易裂性方向は長尺紙シート6の長手方向と一致させる。
透明樹脂の塗料をPBTフィルム3に塗布し、乾燥することにより透明樹脂コーティング層2を形成すると、積層体1にカール性を付与できる。これは乾燥による溶剤の揮発に伴って透明樹脂コーティング層が収縮することによるものと推定される。PBTフィルム積層体1がカール性を有すると、PBTフィルム積層体1を即席ラーメン等の即席食品用容器の蓋材として使用した場合に、熱シールした蓋体を容器本体から剥離した時に容易にカールした状態にでき、容易に熱湯を注ぐことができるという利点がある。
上記塗料を塗布後、乾燥することにより形成した透明樹脂コーティング層2を有する積層体1は、PBTフィルム3側に反るカール性を有するので、PBTフィルム3を外側にして巻回する。これにより、巻き戻したときに積層体1は実質的にカールしない(もちろん積層体1は経時的にはカールする)。積層体1はしばらく平坦なままであるので、蓋体を形成する際の打ち抜き/熱シールの作業に支障がない。熱シールした蓋体を容器本体から剥離すると、蓋体はカールした状態になる。
PBTフィルム3を紙シート6に積層する際、PBTフィルム3に弾性変形領域(1〜3%の伸度)内のMD方向延伸を施した状態で紙シート6に接着するのが好ましい。これによっても、積層体1にカール性を付与できる。
1〜3%の延伸を行うには、PBTフィルム3に10〜20 kgf/m幅の張力をかければよい。PBTフィルム3を延伸せずに紙シート6と接着する場合、PBTフィルム3にかける張力は5kgf/m幅以下である。もちろんPBTフィルム3に張力をかけながら紙シート6と接着してなる積層体1は、上記のようにPBTフィルム3を外側にして巻回する。
PBTの形状記憶性を利用して積層体1にカール形状を記憶させることができる。カール形状を記憶したPBTフィルム積層体1を作製するには、例えばWO 2004/026577に記載の2通りの方法を採用することができる。
第一の方法は、(a) PBTフィルム積層体1を、カール形状に保持しながらPBTのガラス転移温度Tg以下の温度T1で賦形処理(冷間加工)し、(b) PBTフィルム積層体1を、Tgを超える温度T2で平坦な形状に変形し、(c) Tg以下の温度T3まで冷却して平坦な形状に固定することからなる。また第二の方法は、(a) (i) PBTフィルム積層体1をカール形状に保持しながらTg超〜融点未満の温度T4で賦形処理するか、(ii) PBTフィルム3をカール形状に保持しながら温度T4で賦形処理した後、紙シート6を含むフィルム積層体(積層体1を形成した際に内層1bとなる層+紙シート6からなる積層体)と積層することによりカール形状を有する積層体1を作製し、(b) 賦形積層体1をTg以下の温度T5まで冷却してカール形状に固定し、(c) 賦形積層体1をTg超〜T4未満の温度T6で平坦な形状に変形し、(d) Tg以下の温度T7まで冷却して平坦な形状に固定することからなる。これらの方法で作製した形状記憶PBTフィルム積層体1は平坦であるが、それから打ち抜き加工/熱シールした蓋体はカール性を回復しているので、容器本体から剥離すればカールする。
また、上述のようにして積層した後、必要に応じて、カレンダー加工を施すことにより、表面平滑性及び鮮映性に一層優れた積層体1が得られる。カレンダー加工は、例えばカレンダーロールを使用して、加熱軟化させた透明樹脂コーティング層2を加圧し、透明樹脂コーティング層2の表面にカレンダーロールの鏡面仕上げ肌を転写する方法である。
上述のようにして積層した後、積層体1の用途に応じて、エンボス加工を施してもよい。エンボス加工は、例えば熱プレス方式の枚葉又は輪転式エンボス機を使用して、加熱し軟化させた透明樹脂コーティング層2の表面にエンボス版を押圧し、エンボス版表面の凹凸形状を賦形することにより凹凸模様を形成する方法である。必要に応じてPBTフィルム3にもエンボス加工を施してもよい。ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルムは、デッドホールド性(成形後の形状を維持できる性質)に優れているため、他のポリエステルフィルムに比べてエンボス加工性が格段に優れている。このためPBTフィルム3は深く且つ細かいエンボス加工が可能である。
積層体1はエンボス加工性に優れたPBTフィルム3を有するため、PBTフィルム3の厚さを選択することにより、エンボス深さを1000μm程度にすることも可能である。通常エンボス深さは100〜500μmであるのがより好ましく、150〜400μmであるのが特に好ましい。エンボス加工温度は100〜160℃であるのが好ましい。エンボス加工温度を160℃超とすると、紙シート6が変色する恐れがある。一方エンボス加工温度を100℃未満とすると、エンボス加工が不十分となる。この温度は、110〜140℃とするのがより好ましい。エンボス圧力は196〜2,942 kPa(2〜30 kgf/cm2)であるのが好ましく、490〜2,452 kPa(5〜25 kgf/cm2)であるのがより好ましい。エンボス加工により形成する凹凸模様としては、木目導管溝、木目木肌、石材表面凹凸、布帛の表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン等を表現したもの、又はそれらを組み合わせたものが挙げられる。
積層体1を壁紙として使用する場合、上述のようにして積層化した後、透明樹脂コーティング層2及びPBTフィルム3に、上記微細な貫通孔及び未貫通孔を形成するのが好ましく、これにより壁紙に通気性、透湿性、湿度調整機能等を付与できるだけでなく、PBTフィルム3及び/又は基材6が抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、香料、マイナスイオン発生剤等の添加剤を含む場合に、これら添加剤の機能を効果的に発現させることができる。貫通孔及び未貫通孔の平均分布密度は上記の通りでよい。
[3] 蓋体の製造方法
PBTフィルム積層体1からなる容器用蓋体の製造方法について説明する。積層体1を透明樹脂コーティング層2側を上にして載置し、複数のパンチにより打ち抜き/ハーフカット加工を行うと、一度に複数の蓋体を製作することができる。打ち抜き/ハーフカット加工自体は公知の方法により行うことができる。
[4] 容器本体への熱シール
PBTフィルム積層体1からなる蓋体を容器本体に熱シールする方法について、蓋体を形成した後に熱シールする場合を例にとって説明する。内容物(例えば乾燥麺、粉末スープ及び具材等)を容器本体に収容した後、容器本体の上端フランジ部に蓋体をシーラントフィルム層11を下にして当接し、熱シールする。イージーピール性を付与するために、熱シール温度は120〜160℃程度であるのが好ましい。
もちろん打ち抜き加工と容器本体への熱シールとを同時に行っても良い。特に形状を記憶したPBTフィルム積層体1は熱シール時の熱によりカール形状を回復するので、打ち抜き加工と容器本体への熱シールを同時に行うのが好ましい。
容器本体は、例えば紙、発泡スチロール等の合成樹脂により形成できる。紙製容器本体の場合、焼却が容易であるのみならず、焼却時に環境に悪影響を及ぼすガスが発生しないという利点がある。また発泡スチロール製容器本体の場合、保温性に優れているという利点がある。
以上の通り図面を参照して本発明を説明したが、本発明はそれらに限定されず、本発明の趣旨を変更しない限り種々の変更を加えることができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
PBTフィルム: PBT樹脂[商品名「トレコン1200S」(東レ(株)製)、融点:220℃、ガラス転移温度:22℃]から作製した厚さ40μmの空冷インフレーションフィルム。
紙シート:目付100 g/m2
ポリビニルアルコール:商品名「ゴーセノール」(日本合成化学工業(株)製)。
塗布液:ポリビニルアルコール/イソプロピルアルコール=30/70(質量比)。
文字及び絵柄を印刷した上記紙シートの印刷面に、ポリウレタン樹脂系透明接着剤を介して上記PBTフィルムをドライラミネーションにより接着した後、PBTフィルムの表面に透明接着剤(商品名「ロックボンドRU-40」、ロックペイント(株)製)を塗布後、乾燥して接着層を形成した。次いで上記塗布液をコートロールにより塗布後、乾燥し(乾燥膜厚:2μm)、ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を作製した。得られた積層体の写真を図7に示す。
比較例1
ポリビニルアルコールからなる透明樹脂コーティング層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体を形成した。得られた積層体の写真を図8に示す。
図7及び図8から、比較例1(図8)に比較して実施例1(図7)では、印刷した文字及び絵柄の鮮明度が明らかに優れている。これは、PBTフィルム表面にポリビニルアルコールからなる透明樹脂コーティング層を設けたことにより、PBTフィルムに起因する不透明性が解消されたためであると推定される。
本発明のPBTフィルム積層体の層構成例を示す断面図である。 本発明のPBTフィルム積層体の別の層構成例を示す断面図である。 本発明のPBTフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。 本発明のPBTフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。 本発明のPBTフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。 本発明のPBTフィルム積層体のさらに別の層構成例を示す断面図である。 実施例1のPBTフィルム積層体の表面を示す写真である。 比較例1のPBTフィルム積層体の表面を示す写真である。
符号の説明
1・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体
2・・・透明樹脂コーティング層
3・・・ポリブチレンテレフタレートフィルム
4・・・透明接着剤層
5・・・印刷層
6・・・基材
7・・・ホットメルト層
8・・・ポリエチレン層
9・・・樹脂フィルム
10・・・遮光性インク層
11・・・シーラントフィルム
12・・・アルミニウム箔

Claims (8)

  1. 上面から順に少なくともポリブチレンテレフタレートフィルムと、紙シート又は樹脂フィルムからなる基材とが積層されており、かつ前記基材の上面、並びに/又は前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの一面及び両面のいずれかに印刷層を有する積層体であって、前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの上面、又は前記ポリブチレンテレフタレートフィルム上の印刷層の上面に透明樹脂コーティング層を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  2. 請求項1に記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記透明樹脂はポリビニルアルコール系重合体からなることを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  3. 請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記透明樹脂コーティング層の厚さは1〜5μmであることを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、上面から順に少なくとも前記透明樹脂コーティング層、前記ポリブチレンテレフタレートフィルム、前記印刷層、前記基材及び熱シール性フィルムを有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記透明樹脂コーティング層と前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの間に透明接着剤層を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体において、前記透明樹脂コーティング層は前記透明樹脂を溶剤に溶解又は分散した塗料を塗布後、乾燥することにより形成されたものであり、前記ポリブチレンテレフタレートフィルム積層体は前記透明樹脂コーティング層の収縮によるカール性を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートフィルム積層体。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレートフィルム積層体からなることを特徴とする蓋材。
  8. 請求項7に記載の蓋材からなる蓋体を有することを特徴とする食品用容器。
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