JP2000047588A

JP2000047588A - インモールド成形用ラベル

Info

Publication number: JP2000047588A
Application number: JP10227513A
Authority: JP
Inventors: Takatoshi Nishizawa; 孝利西澤; Maki Shiina; 真樹椎名
Original assignee: Yupo Corp
Current assignee: Yupo Corp
Priority date: 1998-07-29
Filing date: 1998-07-29
Publication date: 2000-02-18

Abstract

(57)【要約】【課題】ブリスターの発生がなく、ラベルの容器への
融着強度が高いラベル貼合容器を与え、給排紙性に優れ
たインモールド成形用ラベルを提供する。【解決手段】表面または裏面に印刷を施したポリエス
テル系樹脂フィルム基材層（Ｉ）の裏面にヒートシール
性樹脂層（ＩＩ）を設け、該ヒートシール性樹脂層の表
面に中心線平均粗さ（ＳＲａ）が１〜１５μｍとなるよ
うにエンボス加工を施したインモールド成形用ラベル、
及びその際、ポリエステル系樹脂フィルム基材層（Ｉ）
が透明、若しくは不透明であるインモールド成形用ラベ
ル。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイレクトブロー
成形、延伸ブロー成形によって製造されるポリエステル
系樹脂容器に容器成形と同時に貼着されるラベル（ブラ
ンクを含む）に用いられるインモールド成形用ラベルに
関し、特に給排紙性及びインキ密着性等の印刷適性やラ
ベル打ち抜き加工時の作業性に優れ、かつインモールド
成形における幅広い成形条件下においてもラベルのブリ
スターが発生し難いインモールド成形用ラベルに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、天然水、清涼飲料水、食用油等の
容器として延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用
したプラスチックボトルが多数採用されている。このプ
ラスチック容器にラベルを成形と同時に一体化するに
は、金型内に予めラベルをインサートさせた後、該金型
内にポリエチレンテレフタレート樹脂を直接供給してパ
リソンを形成し、該金型内でパリソンを横方向に延伸さ
せるダイレクトブロー成形とプリフォームを縦横方向に
延伸させるブロー成形が採用されている。このような成
形方法に適したインモールドラベルとしてはグラビア印
刷された樹脂フィルム、オフセット印刷された合成紙、
あるいはアルミニウム箔を裏面にラミネートした樹脂フ
ィルムが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラスチック容器にラベルを延伸成形と同時に一体化す
る方法は、近年の高速成形機の発展によりラベルと溶融
容器間の空気の逃げが十分でなく、該容器とラベルとの
間にところどころにブリスターが発生することが見出さ
れた。本発明は、ブリスターの発生がなく、ラベルの容
器への融着強度が高いラベル貼合容器を与え、給排紙性
に優れたインモールド成形用ラベルの提供を目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する為に鋭意検討を加えた結果、インモールド成
形用ラベルのヒートシール性樹脂層の表面に特定粗さの
エンボス加工を施すことにより、ブリスターの発生がな
く、ラベルと容器との融着強度が高く、且つ給排紙性に
優れたインモールド成形用ラベルが得られることを見出
し、その知見に基づいて本発明を完成させた。

【０００５】即ち本発明は、表面または裏面に印刷を施
したポリエステル系樹脂フィルム基材層（Ｉ）の裏面
に、ヒートシール性樹脂層（ＩＩ）を設けたインモール
ド成形用ラベルであって、ヒートシール性樹脂層（Ｉ
Ｉ）の表面に中心線平均粗さ（ＳＲａ）が１〜１５μｍ
となるようにエンボス加工を施すことを特徴とするイン
モールド成形用ラベル、を提供するものである。またそ
の際、ポリエステル系樹脂フィルム基材層（Ｉ）が透明
であっても、不透明であっても良い

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明のインモールド成形用ラベ
ルについてさらに詳細に説明する。〔Ｉ〕インモールド成形用ラベル（１）ラベルの構造図１は、本発明の基材層表面に印刷を施したインモール
ド成形用ラベルの断面の部分拡大図であり、図中、１は
インモールド成形用ラベル、２はポリエステル系樹脂フ
ィルム基材層（Ｉ）、３は印刷、４はヒートシール性樹
脂層（ＩＩ）である。ヒートシール性樹脂層（ＩＩ）
は、表面にエンボス加工を施こし、それによりラベル貼
合容器のラベルのブリスターの発生を防ぐことができ
る。５はエンボス模様の谷を、６はエンボス模様の山を
示す。図２は、本発明の基材層裏面に印刷を施したイン
モールド成形用ラベルの断面の部分拡大図である。

【０００７】（２）基材層（Ｉ）インモールド成形用ラベルのポリエステル系樹脂フィル
ム基材層（Ｉ）の素材であるポリエステル系樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリナフタレンテレフタレート等が使用で
き、更に二種以上のポリステル系樹脂をブレンドして用
いても良い。また、無機または有機微細粉末を３〜６５
重量％含有させたポリエチレンテレフタレートを延伸し
て得られる不透明な延伸フィルム、あるいは、前記樹脂
フィルムの表面上に無機充填剤含有ラテックス（ピグメ
ント塗工剤）を塗工した塗工フィルム、あるいは、前記
フィルムにアルミニウム蒸着したもの、もしくは、前記
フィルムにアルミニウム箔を貼着したもの等も用いられ
る。このような基材層（Ｉ）は単層であっても、あるい
は、二層以上が積層された構造であっても良い。基材層
（Ｉ）の肉厚は２０〜２００μｍ、好ましくは４０〜１
５０μｍの範囲である。

【０００８】（３）ヒートシール性樹脂層（ＩＩ）前記基材層（Ｉ）の裏面側（樹脂容器と接する側）に
は、ヒートシール層（ＩＩ）となる酢酸ビニル・エチレ
ン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン
・メタクリル酸共重合体の金属塩、ポリエステル系接着
剤（例えば、東洋モートン社製のＡＤ−３３ＡＳ３５
Ａ、ＭＨＳ−３２３７（商品名）など）などを積層す
る。また、これら樹脂のエマルジョン、水や溶剤に溶か
した溶液を各種のロールコーターやグラビア印刷機、オ
フセット印刷機により、乾燥後の膜厚が１〜１０ｇ／ｍ
²になるように塗工しても良い。

【０００９】（４）エンボス加工前記ヒートシール層（ＩＩ）の表面形状は、シートでの
印刷性、ラベルの金型への挿入適性、インモールド成形
時のブリスターの発生防止の目的で、表面に中心線平均
粗さ（ＳＲａ）が１〜１５μｍのエンボス加工を施され
たものであり、、その際、表面のベック平滑度（ＪＩＳ
Ｐ−８１１９）は１〜１０００秒が好ましい。

【００１０】表面の中心線平均粗さ（ＳＲａ）が１μｍ
より小さくては、エンボスの効果が小さくブリスターの
発生が見られ、１５μｍを越えてはエンボス加工後の印
刷時に印刷ムラが発生する。エンボス加工は、深度が２
〜５０μｍのピラミッド型、台形型、斜線型などのエン
ボス模様が１インチ当たり５０〜５００個（線）形成さ
れた金属ロールと、ゴムロールによってエンボス加工が
施される。エンボス加工は、前記のヒートシール層（Ｉ
Ｉ）の積層（塗工）と同時に行っても、積層（塗工）後
に行っても良い。

【００１１】（５）その他の処理これらのインモールド成形用ラベルの基材層（Ｉ）に
は、必要に応じてコロナ放電加工等の処理によって表裏
面の印刷性を改善しておくことができる。印刷は基材層
（Ｉ）の表面、または裏面に、グラビア印刷、オフセッ
ト印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの印刷を施
して、バーコード、製造元、販売会社名、キャラクタ
ー、商品名、使用方法などが印刷されたものを使用する
ことができる。印刷及びエンボス加工されたラベル
（１）は、打抜加工により必要な形状寸法のラベルに分
離される。

【００１２】〔ＩＩ〕インモールド成形このインモールド成形用ラベルは、該ラベルを差圧成形
金型の下雌金型のキャビティ内にラベルの基材層（Ｉ）
側が金型のキャビティ面に接するように設置した後、金
型吸引などにより金型内壁に固定され、次いで容器成形
材料のポリエステル系樹脂シートの溶融物が下雌金型の
上方に導かれ、常法により差圧成形され、ラベルが容器
外壁に一体に融着されたラベル貼合容器が成形される。

【００１３】差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれ
も採用できるが、一般には両者を併用し、かつプラグア
シストを利用した差圧成形が好ましい。また、このラベ
ルは、溶融樹脂パリソンを圧空により金型内壁に圧着す
る中空成形（ブロー成形）にも適用することが可能であ
る。このようにして製造されたラベル貼合容器は、ラベ
ル（１）が金型内で固定された後に、ラベルと樹脂容器
が一体に成形されるので、ラベル（１）の変形もなく、
容器本体とラベル（１）の密着強度が強固であり、ブリ
スターもなく、ラベルにより加飾された外観が良好な容
器となる。

【００１４】

【実施例】以下に実施例及び比較例よりなる本発明を更
に具体的に説明する。〔Ｉ〕物性の測定方法と評価方法実施例及び比較例における評価は、以下に示す方法によ
って実施した。（１）ブリスター：横６０ｍｍ、縦１１０ｍｍの寸法に
打抜いたラベルのラベル貼着状況を次に示す５段階に分
類した。５：全面貼着。４：ラベルの１００％未満〜９０％が貼着している。３：ラベルの９０％未満〜７０％が貼着している。２：ラベルの７０％未満〜５０％が貼着している。１：ラベルの５０％未満が貼着する。（２）ラベルの容器への融着強度：容器に貼着したラベルを１５ｍｍ幅に切り取り、ラベル
と容器との間の融着強度を、島津製作所製の引張試験機
「オートグラフＡＧＳ−Ｄ形」を用い、３００ｍｍ／
分の引張速度でＴ字剥離することにより求めた。

【００１５】（実施例１）ダイアホイルヘキスト（株）
製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム（Ｔ６０
０：商品名、厚み７５μｍ）の表面にグラビア印刷を施
し、印刷面にポリエステル系ヒートシール剤（東洋モー
トン社製、商品名ＡＤ−３３ＡＳ−３５Ａ）を＃１４番
手のメイヤバーを用いたロッドコーターで塗工し、１２
０℃に設定したオーブンで乾燥しヒートシール層を形成
した。塗工量は６ｇ／ｍ²であった。

【００１６】次に１インチ当たりの線数が、３００線、
深度が１８μｍのピラミッド型のドットが彫刻された金
属ロールを７０℃に加熱し、前記フィルムのヒートシー
ル層が金属ロールに接するようにゴムロールにより加圧
・通過させてエンボス加工を施した。このフィルムのヒ
ートシール層を表面粗さ計（（株）小坂研究所製、サー
フコーダＳＥ−３０（商品名））にて測定したところ中
心線平均粗さは４μｍであり、平滑度（ＪＩＳＰ８１
１９）は１００秒であった。次いで、これを断裁及び打
ち抜き加工して、インモールド成形用ラベル（１）（横
６０ｍｍ、縦１１０ｍｍ）を得た。

【００１７】又、このインモールド成形用ラベル（１）
を自動ラベル供給装置を用いてブロー成形用割型の一方
に真空を利用して基材層面側が金型と接するように固定
した後、ポリエチレンテレフタレート（融点２３５℃）
のパリソンを２５０℃で溶融押出し、次いで割型を型締
めした後、４．２ｋｇ／ｃｍ²の圧空をパリソン内に供
給し、パリソンを膨張させて型に密着させて容器状とす
ると共にインモールド用ラベルと融着させ、次いで該型
を冷却した後、型開きをしてラベルが貼着した中空容器
を取り出した。得られた中空容器は印刷の退色もなく、
ラベルの収縮やブリスターの発生も見受けられなかっ
た。また、自動ラベル供給装置によるブロー成形用割型
へのラベルの供給は１００枚連続で行ったがミス（型よ
りラベルが落ちるなど）は１回もなかった。ブリスター
の発生の有無の評価、ラベルの融着強度を表１に示す。

【００１８】（実施例２）実施例１において、フィルム
表面にグラビア印刷を施した後、印刷と反対面にヒート
シール層を形成し、エンボス加工に使用した金属ロール
の形状を、２４０線、深度が２５μｍの台形型のドット
が彫刻されたものに変更し、エンボス加工し、実施例１
と同様にしてインモールド成形用ラベルを得た。このも
のの中心線平均粗さは８μｍであり、ベック平滑度は６
０秒であった。評価結果を表１に示す。

【００１９】（実施例３）実施例２において、基材層に
ダイアホイルヘキスト（株）製不透明ポリエチレンテレ
フタレートフィルム（Ｗ４００：商品名、厚み７５μ
ｍ、不透明度９５％）を使用した以外は、実施例２と同
様にしてインモールド成形用ラベルを得た。このものの
中心線平均粗さは８μｍであり、ベック平滑度は５０秒
であった。評価結果を表１に示す。

【００２０】（比較例１）実施例１において、エンボス
加工を施さない以外は実施例１と同様にしてインモール
ド成形用ラベルを得た。このものの中心線平均粗さは
０．５μｍであり、ベック平滑度は２５００秒であっ
た。評価結果を表１に示す。

【００２１】

【表１】

【００２２】

【発明の効果】本発明のインモールド成形用ラベルは、
金型内への挿入が容易であり、ブリスターの発生がな
く、ポリエステル樹脂容器とラベルの融着力の高いラベ
ル貼合容器を与える。

【図面の簡単な説明】

【図１】表面に印刷を施したインモールド成形用ラベル
の断面の部分拡大図である。

【図２】裏面に印刷を施したインモールド成形用ラベル
の断面の部分拡大図である。

【符号の説明】

１インモールド成形用ラベル２熱可塑性樹脂フィルム基材層（Ｉ）３印刷４ヒートシール性樹脂層（ＩＩ）５エンボス模様の谷６エンボス模様の山

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表面または裏面に印刷を施したポリエス
テル系樹脂フィルム基材層（Ｉ）の裏面に、ヒートシー
ル性樹脂層（ＩＩ）を設けたインモールド成形用ラベル
であって、ヒートシール性樹脂層（ＩＩ）の表面に中心
線平均粗さ（ＳＲａ）が１〜１５μｍとなるようにエン
ボス加工を施すことを特徴とするインモールド成形用ラ
ベル。
【請求項２】ポリエステル系樹脂フィルム基材層
（Ｉ）が透明であることを特徴とする請求項１記載のイ
ンモールド成形用ラベル。
【請求項３】ポリエステル系樹脂フィルム基材層
（Ｉ）が不透明であることを特徴とする請求項１記載の
インモールド成形用ラベル。