JP2718774B2

JP2718774B2 - 透明ラベル

Info

Publication number: JP2718774B2
Application number: JP22519989A
Authority: JP
Inventors: 洋三大庭; 昌月山中
Original assignee: 王子油化合成紙株式会社
Priority date: 1989-08-31
Filing date: 1989-08-31
Publication date: 1998-02-25
Anticipated expiration: 2013-02-25
Also published as: JPH0388579A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、シヤンプー容器、リンス容器、清涼飲料容
器、化粧品容器、フアンシー食品容器等の容器を熱可塑
性樹脂より射出成形や中空成形、真空成形、圧空成形で
製造する際、ラベルを金型内に静電気や減圧、粘着テー
プを利用して把持させて成形を行うことにより、容器の
成形と同時にラベルを容器に一体に融着させるインナー
モールド成形に用いる透明ラベルに関する。

〔従来技術〕

容器の成形と同時にラベルを容器に溶着させるインナ
ーモールド成形がシヤンプー容器、台所洗剤容器、フア
ンシー食品容器製造に実用化されている（特開昭59−13
46号、同61−259935号、同63−166514号、同63−170017
号、特開平１−45241号）。

従来、この種のインナーモールド成形用ラベルの素材
としては、無機微細粉末を含有するポリプロピレンの延
伸フイルムよりなる多孔性の不透明合成紙（特開昭58−
69015号）、前記合成紙に塗工剤を塗布した塗工紙、ア
ルミニウム蒸着樹脂フイルム、無機微細粉末含有ポリ塩
化ビニル（塩白）フイルム、アルミニウム箔、塗工剤コ
ートバルブ紙が使用されている。これら不透明ラベルの
中でも、最後に記載した塗工紙は耐水性が乏しいので前
五者の耐水性のあるラベルの使用が主流を占めている。

近時、容器の色彩に合せたラベルが一部使用され初
め、不透明の合成紙や塩白フイルムの表面を容器と同じ
色に印刷後、商品名、製造元、使用上の注意、成分等を
別色の印刷インクで印刷したインナーモールドラベルが
使用されている。

これらインナーモールドラベルにおいては容器の色と
同色にラベルの表面を印刷する必要があり、ラベルの製
造コストが高くなる。

従つて、ポリプロピレンの二軸延伸配向フイルム（OP
P）やポリプロピレンの無配向フイルム（CPP）の透明フ
イルムを用い、容器の地肌を利用することにより印刷を
商品名、製造元、使用上の注意、成分等の印刷のみとす
ることによりラベルのコストを下げることが実用化され
た。しかも、ラベル素材としてはCPPよりもOPPの方が剛
性があるのでOPPの方が主流となつている。このOPP使用
ラベルに於て、印刷は、容器と貼着されるラベル面にな
される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、OPPフイルムの肉厚は、キヤステイングシー
トの冷却性、延伸性の面から最大60ミクロンまでのもの
しか製造されておらず、高速成形が要求されるインナー
モールド成形分野（特開昭61−237620号、同63−130331
号、同63−166514号、同63−242613号、）においてラベ
ルマガジンよりラベルをロボツトの吸引パツドを用いて
中空成形用金型内壁面のラベル把用装置部分（通常は減
圧室に通じている）に供給する際、吸引パツドにラベル
が吸着されず、成形が中断されるとか、吸引パツドに吸
着されたラベルの位置が悪く、中空容器に貼着されたラ
ベル位置がづれている容器とかが、インナーモールド成
形された容器10,000個あたり、50〜200個の割合で生じ
る欠点が指摘されている。

通常、このインナーモールド成形は、洗剤メーカー、
食品メーカー、清涼飲料水メーカーとも自己の工場で自
製化しており、インナーモールド成形後、容器は消毒さ
れ、ついで内容物が充填され、栓または蓋がされた後、
光電管によりラベルが容器の決められた位置にあるか否
か検査され、不良品は取り除かれ、良品は梱包される。

従つて、ラベル貼着位置のづれの容器の発生は、容器
代金の損失に停まらず、内容物の商品の損失まで及び、
容器の成形損失率は商の販売価格にも影響を及ぼすの
で、ロボツトの吸引パツドによりラベルを金型内に供給
する際、ラベルが吸引パツドに正常に、しかも定位置に
吸引される透明ラベルの登場が望まれているのが実情で
ある。

従つて、本発明は、吸引パツドに連続的に正常に、し
かも定印置に吸引される透明ラベルを提供することを目
的とする。

〔課題を解決する具体的手段〕本発明においては、ラベルを延伸配向させることによ
り剛性を向上させる点は従来のOPPフイルムと同じであ
る。更に、ラベルの肉厚を厚くしてラベルの剛性を高め
るため、二軸延伸フイルム（OPP）のみでは肉厚が高々
約60ミクロンであつたのを、ラベルのフィルム構造を１
軸延伸フイルム/2軸延伸配向フイルム/1軸延伸フイルム
の積層構造とすることにより２軸方向への延伸性を容易
可能ならした。

即ち、本発明は、熱可塑性樹脂の２軸延伸配向フイル
ムよりなる基材層の表裏面に熱可塑性樹脂の１軸延伸フ
イルムが貼着された肉厚が80〜200ミクロンの透明な積
層樹脂フイルムの表面層に、製造メーカー、商品名、成
分、使用上の注意等が印刷され、裏面層には空気逃げ用
のエンボス模様が施こされたインナーモールド成形用透
明ラベルを提供するものである。

以下、インナーモールド成形用透明ラベルについてさ
らに詳細に説明するために、本発明の一実施例として中
空成形容器用透明ラベルについて以下に具体的に説明す
る。

第１図は、本発明の一例の中空成形用インナーモール
ド成形用透明ラベルの断面図を示し、図中、１はラベ
ル、２は熱可塑性樹脂二軸延伸配向フイルムよりなる基
材層、３は一軸延伸フイルムよりなる表面層、４は一軸
延伸フイルムよりなるヒートシール性樹脂裏面層、５は
該ヒートシール性樹脂裏面層にエンボス加工によりドツ
ド状の絞模様を付与された絞（点状）の頂上を示す。６
は絞の谷部、７は印刷である。

第２図は、そのラベル１のヒートシール性樹脂裏面層
４側（ラベルの裏面側）の部分平面図である。第３図
は、第１図に示すラベルを得る複層構造フイルムの延伸
前および印刷前の断面図であり、第４図は第３図に示す
複層構造フイルムの部分拡大図である。

この第３図に示す複層構造フイルムのエンボス模様
は、例えば１インチ（2.54cm）あたり、点または線の数
が５〜200個、好ましくは15〜120個となる数設ける。こ
のような１インチ当りの点（ドツト）や線の数を線数と
いい、エンボス模様の精粗の目安となる。

エンボス模様の谷の深さ（ｈ）は、ヒートシール樹脂
層４の肉厚（h₀）の1/3以上、好ましくは1/2以上であ
り、基材層２内にくい込んでもよい（ｈ＞h₀）。

このエンボス加工された複層構造フイルムを少くとも
一方向に４〜12倍延伸することにより複層構造フイルム
の肉厚も減じ、また、エンボス模様も広がるとともにエ
ンボスの谷間の深さも浅くなる。ヒートシール性樹脂裏
面層の表面平滑度（JIS Ｐ−8119）は１〜1000秒、平
均表面粗さ（Ra）は0.5〜５ミクロンであるのが好まし
い。

容器用透明ラベルの基材層２としては、ポリプロピレ
ン、直鎖線状ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミドなどの融点が122〜264
℃の熱可塑性樹脂が用いられる。

これらの基材層の樹脂フイルム裏面（樹脂容器と接す
る側）に、低密度ポリエチレン、酢酸ビニル・エチレン
共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体
の金属塩等の、融点が80〜145℃のヒートシール性樹脂
のフイルム層４が設けられる。また、他方の面にはこれ
らヒートシール性樹脂又は高融点樹脂の一軸延伸フイル
ムよりなる表面層が設けられる。基材層の表裏面に設け
るのはラベルのカールを防止するためである。

裏面層のヒートシール性樹脂フイルム層４は、金属ロ
ールとゴムロールによりエンボス加工される。このヒー
トシール性樹脂裏面層によりラベルと樹脂容器の接着を
より強固にすることができる。

エンボス加工後の複層構造フイルムの延伸は、基材層
の樹脂の融点よりも低い温度であつてヒートシール性樹
脂の融点以上の温度である。延伸により基材層は配向
し、ヒートシール層は配向しない。

基材層２は単層であつても二層以上の複層構造であつ
てもよい。

延伸後の複層構造透明フイルムは、必要あればコロナ
放電加工、火炎処理、プラズマ処理等によつて表面の印
刷性、接着性を改善しておくことができる。

印刷は、グラビア印刷、オフセツト印刷、フレキソ印
刷、スクリーン印刷などの手段があり、バーコード、製
造元、販売会社名、キヤラクター、商品名、使用方法な
どを印刷する。

印刷及びエンボス加工された前記容器用ラベル１は、
打抜加工により必要な形状寸法のラベルに分離される。
このラベルは容器表面の一部に貼着される部分的なもの
であつてもよいが、通常はカツプ状容器の側面を取巻く
ブランクとして、中空成形では瓶状容器の表及び裏に貼
着されるラベルとして製造される。

以上の例は成形時のラベルにかかる圧力が１〜8kg/cm
²G、または−100〜650mmHgの中空成形、差圧成形に用い
るインナーモールド成形用ラベルであり、ヒートシール
層４の一軸延伸フイルムは配向していなく、成形時のラ
ベルの熱収縮がない利点を有する。

しかし、射出成形のように射出圧力が50〜200kg/cm²
と高く、成形時間が0.5〜10秒と極めて短い場合は、ラ
ベルが熱収縮するひまもなく射出された樹脂と貼着し、
冷却されるので表裏層の延伸フイルムは配向していても
配向していなくても良く、表裏層用樹脂としてポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の
高融点の樹脂の使用も可能となる。

容器と接着する側のラベルのヒートシール層４（裏面
層）は、エンボス加工されて成形時にラベルにブリスタ
ーが発生するのを防止するが、エンボス加工は、フイル
ムの延伸前に施すのが好ましい。

延伸配向後の透明な積層樹脂フイルムにエンボス加工
を施こすと、エンボスの凹凸の深さｈは深くなり易く、
延伸により高めたラベルの腰強度が若干低下するのでラ
ベルの肉厚を若干厚く設定する必要が生じる。

従つて、本発明のラベルの素材の透明な積層樹脂フイ
ルムを製造するのに好ましい態様は、熱可塑性樹脂の基
材層用シート２を該樹脂の融点より低い温度でロール群
の周速差を利用して縦方向に3.5〜８倍延伸し、つい
で、表面層３用の熱可塑性樹脂フイルムおよびヒートシ
ール性裏面層４用の熱可塑性樹脂フイルムをそれぞれ別
々の押出機、ダイを用いて前記縦延伸された基材層２用
シートの表裏面に溶融積層したのち、この積層シートを
一旦、80℃以下に冷却し、ついでヒートシール性裏面層
４側をエンボス加工したのち、該エンボス加工された積
層シートを基材層の樹脂の融点よりも低い温度であつ
て、表面層４の樹脂の融点よりは高い温度でテンターを
用い横方向に４〜12倍延伸し、必要によりアニーリング
処理、コロナ放電処理したものが好ましい。

この透明ラベル用延伸積層フイルムの表面層３に製造
メーカー、キヤラクターマーク、商品名、使用上の注
意、成分等を印刷７し、打抜加工してラベルとする。

ラベルの印刷されていない部の霞み度は０〜10％であ
る。ラベルの肉厚はロボツトの吸着パツドへの供給性か
ら80〜200ミクロンである。基材層の肉厚は、ラベル１
の肉厚の40〜95％を占める。表面層３とヒートシール裏
面層４の肉厚は、ラベルのカール防止の面からほぼ同肉
厚であることが好ましい。

ラベルは、ラベル１を差圧成形金型の下雌金型のキヤ
ビテイ内に印刷側が金型のキヤビテイ面に接するように
設置した後、金型の吸引により金型内壁に固定され、次
いで容器成形材料樹脂のシールの溶融物が下雌金型の上
方に導かれ、常法により差圧成形され、ラベルが容器外
壁に一体に融着された容器が成形される。

差圧成形は真空成形、圧空成形のいずれも採用できる
が、一般には両者を併用し、かつプラグアシストを利用
した差圧成形が用いられる。また、ラベルは溶融樹脂パ
リソンを圧空により金型内壁に圧着する中空成形にも適
用可能である。

このようにして成形された容器は、ラベル１が金型内
で固定された後に、ラベルと樹脂容器が一体に成形され
るので、ラベル１の変形もなく、容器本体４とラベル１
の密着強度が強固であり、ブリスターもなく、ラベルに
より加飾された外観が良好な容器である。

実施例１ MFRが0.8のホモポリプロピレン（融点164〜167℃）を
270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押
し出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得
た。このシートを145℃に加熱した後、縦方向に５倍延
伸した。

一方、MFRが4.2のエチレン（4.2重量％）・プロピレ
ンランダム共重合体（融点142〜145℃）を260℃で別々
の押出機を用い溶融混練し、別々のダイよりフイルム上
に押し出し、前記縦延伸シートの表裏面に逐次溶融ラミ
ネートするが、表面層（印刷面層）はクロムメツキされ
たミラーロールでラミネートされ、逆に裏面層（ヒート
シール層）は金属ロールとゴムロールよりなるエンボス
ロールに通し、積層シートの裏面層側に0.3mm間隔（80
線）、谷の深さ30μｍのドツトをラミネートと同時にエ
ンボス加工した。

次いで、この複層構造フイルムを約155℃まで再加熱
した後、横方向に７倍延伸し、両面を60℃でコロナ放電
処理した後、耳部をスリツトし、表裏の１軸延伸フイル
ムの肉厚が各々20ミクロン、基材層の２軸延伸配向フイ
ルムが60ミクロンの三層構造の配向フイルムを得た。

この三層構造の配向フイルムの表面層側にオフセツト
印刷を施し、次いで、これを打抜加工して中空成形用ラ
ベル（横60mm、縦110mm）とした。このラベルのクラー
ク剛度（JIS Ｐ−8143）はラベルの縦延伸（MD）方向
が25、横延伸（CD）方向が50であつた。

ブラコー（株）のインナーモールド用高速中空成形機
を用い、該成形機のロボツトの吸引パツドを用い、ラベ
ルマガジンに収納されたラベルをブロー成形用割型の一
方に真空を利用して印刷面側（７）が金型と接するよう
に固定した後、高密度ポリエチレン（融点134℃）のパ
リソンを190℃で溶融押出し、ついで割型を型締した
後、4.2kg/cm²の圧空をパリソン内に供給し、パリソン
を膨張させて容器状とするとともにラベルと融着させ、
次いで型を冷却し、型開きをして中空容器を得た。

この中空容器は印刷の退色もなく、ラベルの収縮やブ
リスターの発生も見受けられなかつた。また、自動ラベ
ル給紙装置に依るブロー成形用割型へのラベルの供給は
100枚連続で行つたがミス（型よりのラベルの落ち等）
は１回もなかつた。また、位置のズレもなかつた。

参考例市販の肉厚が60ミクロンのホモポリプロピレンの二軸
延伸フイルム（OPP）のラベルのクラーク剛度はMD方向
が10、TD方向が21であつた。

このものを実施例１と同一の装置を用い中空成形した
ところ、100枚中、ラベルの落等は５回で、また、ラベ
ルの位置ズレは30個であつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はラベルの断面図、第２図はラベルの裏面からみ
た平面図、第３図は延伸前のエンボス加工された積層構
造シートの断面図、第４図は、第３図の積層構造シート
の部分拡大図である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】熱可塑性樹脂の２軸延伸配向フイルムより
なる基材層の表裏面に、熱可塑性樹脂の１軸延伸フイル
ムが貼着された肉厚が80〜200ミクロンの透明な積層樹
脂フイルムの前記表面層に、製造メーカー、商品名、成
分、使用上の注意等が印刷され、裏面層には空気逃げ用
のエンボス模様が施こされたインナーモールド成形用透
明ラベル。