JP6184742B2 - インモールド成形用ラベル - Google Patents
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Description
該インモールド成形用ラベルを貼着させた樹脂成形品は、ラベル最外面にある基層(A)を剥離することにより現れる印刷可能層(B)に予め印刷された情報を見ることができる。このためインモールド成形用ラベルの表示面積を増加することができる。またインモールド成形用ラベルをクーポン、応募シール、改ざん防止ラベル等として利用することができる。
この動きに併せ、これら内容物を収容する樹脂成形品も小型化しているが、樹脂成形品のサイズの縮小に伴い、樹脂成形品に貼着できるラベルの面積も減少するため、ラベル中に表示する文字を小さくしたり、表示する内容を削除したりする必要が生じる。しかしながらラベルに記載すべき情報には、製品識別のための商標や商品名、出所表示や消費期限、取扱い上の注意点など、明瞭に読解でき、且つ削除することができないものも多い。
従来のインモールド成形用ラベルは、樹脂成形品から剥がれないよう強固に密着させることを目的に、1枚のシート基材を用いるものが主流であった。このラベルは表面にしか印刷できないため、上記のようなラベルの表示面積減少の問題に十分対応することが困難であった。
例えば、特許文献2には、印刷されたラベルの少なくとも一部分に接着剤を塗布して、その上に他の印刷されたラベルを積層したラベルが容器に貼着されているインモールドラベル付き容器が開示されおり、特許文献3には、印刷された複数枚の樹脂フィルムを剥離可能な紫外線硬化型及び/又は電子線硬化型の擬似接着樹脂層を介して積層したインモールド成形用ラベルが開示されている。また、特許文献4では、熱可塑性樹脂を含む基層(A)と、層間剥離を可能にする層(B)と、ヒートシール層(C)とを、この順に含むインモールド成形用ラベルが提案されている。ここでは、層間剥離を可能にする層(B)自体の層破壊によりラベルを剥離することが可能となっている。
また、特許文献4のように、熱可塑性樹脂を含む基層(A)と、層間剥離を可能にする層(B)と、ヒートシール層(C)とを、この順に含む構成の場合、層間剥離を可能にする層(B)内の凝集破壊により剥離が進行することから、ラベル剥離後の樹脂成形品上の表示は、破壊された層(B)の一部を介して視認することとなるため、やや不鮮明であり、意匠等は精細さに欠け、細かい文字等は認識することが難しい傾向があった。
また、特許文献5のようなインモールド成形用ラベルにおいては、リサイクルの要請から、リサイクル時に容器側に残る接着剤層を含む面側のフィルムは、印刷情報を有していなかった。
すなわち、従来技術においては、インモールド成形用ラベルの表示面積を増加させた場合、ラベル自体の薄層化が十分ではなく、基層(表面層)を剥離した後に視認し得る印刷情報を明瞭に認識することが困難であり、さらなる改善が求められていた。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
〔2〕前記印刷可能層(B)と前記ヒートシール層(C)間の接着強度が、1.6N/15mmを超えることを特徴とする〔1〕に記載のインモールド成形用ラベル。
〔3〕前記基層(A)および前記印刷可能層(B)の引張強さが、それぞれ1.6N/15mmを超えることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のインモールド成形用ラベル。
〔4〕前記基層(A)が、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂およびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(a)を含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔5〕前記印刷可能層(B)が、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、およびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(b)を含み、
前記熱可塑性樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)は異なる熱可塑性樹脂であることを特徴とする〔4〕に記載のインモールド成形用ラベル。
〔6〕前記基層(A)がオレフィン系樹脂を含み、前記印刷可能層(B)が、 スチレン系樹脂を含むことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔7〕前記基層(A)または前記印刷可能層(B)は、相溶化剤及び離型剤の少なくとも一方を含むことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔8〕前記基層(A)と前記印刷可能層(B)が、共押出成形、押出ラミネート成形、熱ラミネート成形のいずれかの手法により積層されることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔9〕前記基層(A)は、前記印刷可能層(B)と接しない面に、更に印刷情報を有することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔10〕前記基層(A)の不透明度は、80%以上であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔11〕前記印刷可能層(B)および前記ヒートシール層(C)は、ハーフカット線を有し、前記ハーフカット線は、前記ヒートシール層(C)面側から前記印刷可能層(B)と前記基層(A)の界面に至るように、面方向に対して垂直方向に一連に設けられていることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔12〕前記ヒートシール層(C)の表面の一部分には、糊殺し部が設けられていることを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
〔13〕〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベルをインモールド成形により樹脂成形品に貼着し一体化したラベル付き樹脂成形品。
〔14〕前記樹脂成形品がオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする〔13〕に記載のラベル付き樹脂成形品。
〔15〕〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のインモールド成形用ラベルと前記樹脂成形品との接着強度が、3.0N/15mmを超えることを特徴とする〔13〕または〔14〕に記載のラベル付き樹脂成形品。
〔16〕前記ラベル付き樹脂成形品から前記インモールド成形用ラベルを剥がす際に、基層(A)と印刷可能層(B)間の界面で剥離が進行し、インモールド成形用ラベルを剥がした後の樹脂成形品上には印刷情報を有する印刷可能層(B)とヒートシール層(C)が残ることを特徴とする〔13〕〜〔15〕のいずれかに記載のラベル付き樹脂成形品。
また、本発明のインモールド成形用ラベルは、薄層化されているためこれを用いてラベル付き樹脂成形品を成形した際に、ラベルの外観が悪化することもない。
なお、本発明において「〜」と表記するときは、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を指す。
また、本発明において、「(メタ)アクリル酸」と表記するときは、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を包含するものとする。
また、本発明において、「主成分」と表記するときは、対象とする組成物中に含まれる各成分の中で、質量基準で最も含有量が多い成分を指す。
本発明のインモールド成形用ラベルは、基層(A)、印刷可能層(B)およびヒートシール層(C)を含む。図1に示されているように、インモールド成形用ラベル10は、基層(A)1、印刷可能層(B)2、ヒートシール層(C)3をこの順に含むように積層したものである。また、図2に示されているように、本発明のインモールド成形用ラベル10においては、基層(A)1と印刷可能層(B)2との間の界面で剥離が可能である。
なお、インモールド成形用ラベル10は、基層(A)1、印刷可能層(B)2、ヒートシール層(C)3がこの順に隣接して積層されたものであってもよく、各層間や表面に他の層を有していてもよい。
ラベルへの印刷は通常基層(A)上に施すことができる。また、本発明では、印刷可能層(B)のヒートシール層(C)側の面に印刷情報を設けたことが特徴であり、基層(A)を剥離した後は、印刷可能層(B)を介して印刷可能層(B)に設けられた印刷情報(絵柄や文字等の情報)を視認することができる。この際、印刷情報の表示を明瞭とするために、印刷可能層(B)の不透明度は60%以下である。
基層(A)はインモールド成形用ラベルにおいて最外層となるものである。基層(A)は熱可塑性樹脂を含むフィルムであることが好ましい。
基層(A)に用いる熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。例えば、フィルム成形が可能な高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン系共重合樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン・環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂;アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ乳酸等のエステル系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の官能基含有ポリオレフィン樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のアミド系樹脂;およびポリカーボネートが挙げられる。これらの樹脂の中から、1種類もしくは2種類以上を混合して使用することができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、フィルムの加工性に優れる観点から、オレフィン系樹脂または官能基含有オレフィン系樹脂が好ましく、オレフィン系樹脂を用いることがより好ましい。
官能基含有オレフィン系樹脂としては、より具体的には、前記オレフィンモノマーの1種以上と、前記オレフィン系モノマーと共重合可能なモノマーの1種以上との共重合体が挙げられる。
グラフト変性率は、オレフィン系樹脂または官能基含有オレフィン系樹脂に対して、通常0.005〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
また、グラフト変性に使用される不飽和カルボン酸の誘導体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の酸無水物類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル等のエステル類;(メタ)アクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N’−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N’−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,N’−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N’−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のアミド類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
本発明において、後述する印刷可能層(B)及び印刷可能層(B)に印刷された印刷情報を隠蔽するためには、基層(A)は不透明であることが好ましい。基層(A)の不透明度は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
なお、基層(A)は無機微細粉末及び有機フィラーの少なくとも一方を0.1〜65質量%、好ましくは0.1〜60質量%を含むことが望ましい。
一方、基層(A)の主成分である熱可塑性樹脂と相溶しない樹脂を選択することがより好ましい。基層(A)の主成分である熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合は、有機フィラーとしては、上記列挙した樹脂に加えてポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられ、基層(A)の主成分である熱可塑性樹脂がプロピレン系樹脂の場合は、有機フィラーとしては、上記列挙した樹脂に加えて高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
本発明において、基層(A)には、必要に応じて熱安定剤(酸化防止剤)、光安定剤、分散剤または滑剤等を含有することができる。
熱安定剤としては、通常知られているヒンダードフェノール系、リン系、アミン系等の熱安定剤(酸化防止剤)の中から1種類もしくは2種類以上を適宜使用することができる。
光安定剤としては、通常知られているヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の光安定剤の中から1種類もしくは2種類以上を適宜使用することができる。
また、光安定剤と上記の熱安定剤を併用することも好ましい。
分散剤または滑剤としては、通常知られているシランカップリング剤;オレイン酸やステアリン酸等の炭素数が8〜24の脂肪酸およびその金属塩、アミド、炭素数が1〜6のアルコールとのエステル等;ポリ(メタ)アクリル酸およびその金属塩の中から1種類もしくは2種類以上を適宜使用することができる。
基層(A)は単層構造のものであってもよいし、2層以上の多層構造のものであってもよい。基層(A)の多層化により筆記性、印刷適性、耐擦過性、2次加工適性等の様々な機能の付加が可能となる。基層(A)が例えば2層構造の場合、基層(A)を構成する各層の延伸軸数は、無延伸/無延伸、無延伸/1軸、1軸/無延伸、無延伸/2軸、2軸/無延伸、1軸/1軸、1軸/2軸、2軸/1軸、2軸/2軸の組合せが挙げられる。
本発明のインモールド成形用ラベルは、基層(A)は、更に印刷情報を有することが好ましい。印刷情報は、基層(A)の表面であって、印刷可能層(B)と反対側の面に設けられることが好ましい。すなわち、基層(A)の表面は、印刷適性を有することが好ましい。
基層(A)の表面を印刷可能にする方法としては、表面酸化処理および表面塗工処理の少なくとも一方の処理が挙げられる。該処理後の基層(A)の表面物性は、水接触角が70度以下であることが好ましい。また、表面の濡れ張力は38mN/m以上が好ましい。
高分子バインダーとしては、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)、ポリ(エチレンイミン−尿素)のエチレンイミン付加物、ポリアミンポリアミド、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、およびオキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等、加えて、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体樹脂、塩素化エチレン樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、ニトロセルロース樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
表面処理剤の塗工は、基層(A)の成形ライン中でフィルム成形と併せ実施しても良く、既に成形された基層(A)のフィルムに別ラインで実施しても良い。必要に応じてオーブン等を用いた乾燥工程を経て余分な溶媒を除去し、表面塗工処理層を形成する。
本発明のインモールド成形用ラベルにおいて、印刷可能層(B)は基層(A)とヒートシール層(C)に挟まれた位置にあり、基層(A)と印刷可能層(B)とが、両者間で界面剥離することが可能なものである。
基層(A)と印刷可能層(B)との界面剥離強度は、JIS Z 1707:1997(「食品包装用プラスチックフィルム通則」)に準拠して、つかみ移動速度300±30mm/分で測定したヒートシール強さを指し、この値が0.4〜1.6N/15mmである。
また、印刷可能層(B)の不透明度は、JIS P 8149:2000(「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」)に準拠して測定した不透明度を指し、この値が60%以下である。
基層(A)と印刷可能層(B)の界面剥離強度は、0.4N/15mm以上であることが好ましく、0.6N/15mm以上であることがより好ましい。界面剥離強度がかかる値をとることにより、インモールド成形用ラベルに印刷、印字、断裁等の二次加工を行う際に剥離しにくい傾向となる。また、インモールド成形の際に基層(A)が浮き上がりにくく、製品外観が良好になる傾向となる。一方、前記界面剥離強度は、1.6N/15mm以下であることが好ましく、1.4N/15mm以下であることがより好ましい。界面剥離強度がかかる値をとることにより、手で両者をスムーズに剥離することが容易で実用上好ましい。
基層(A)と印刷可能層(B)に用いる熱可塑性樹脂を夫々選定することによって基層(A)と印刷可能層(B)の界面剥離強度を0.4〜1.6N/15mmの範囲に調整することが好ましい。
基層(A)と印刷可能層(B)の間で界面剥離を可能とするためには、両者の界面剥離強度のみならず、基層(A)と印刷可能層(B)が剥離の際にそれ自体が破断をしない程度の基材強度を有することが好ましい。より具体的には基層(A)および印刷可能層(B)のそれぞれの基材強度が前記界面剥離強度の値以上であることが好ましい。基材強度は、JIS Z 1707:1997(「食品包装用プラスチックフィルム通則」)が引用するJIS K 7127:1999(「プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件」)に準拠してつかみ移動速度300±30mm/分で測定した引張強さで表す。基層(A)および印刷可能層(B)のそれぞれの引張強さは、1.6N/15mmを超えるものであることが好ましく、3.0N/15mm以上であることがより好ましい。基層(A)および印刷可能層(B)のそれぞれの引張強さは、熱可塑性樹脂の選定や、層内部に形成する空孔の量、層の厚さ等によって調整することができる。
なお、各層間の接着強度や層内の凝集力は、JIS K 6854−2:1999に準拠し、測定した平均剥離力で表すことができる。
印刷可能層(B)は、熱可塑性樹脂をフィルム状に成形したものであることが好ましい。
印刷可能層(B)に用いる熱可塑性樹脂は、上記基層(A)と同じくフィルム成形が可能な熱可塑性樹脂が使用可能であるが、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン系共重合樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、スチレン−マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ乳酸等のエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のアミド系樹脂;およびポリカーボネートが挙げられる。これらの樹脂の中から、1種類もしくは2種類以上を混合して使用することができる。
さらに、基層(A)と印刷可能層(B)とが界面剥離する必要から、基層(A)の樹脂組成物と、印刷可能層(B)の樹脂組成物とは、異なるものを使用することが好ましい。
基層(A)と印刷可能層(B)との剥離強度は、2つの層に用いる熱可塑性樹脂の組み合わせによる影響が大きいが、基層(A)および印刷可能層(B)の少なくとも一方に、添加剤を添加し、上記剥離強度を調整することができる。
例えば、相溶化剤を添加すると、上記剥離強度を向上することができる可能性がある。ポリエチレンとポリプロピレンの組み合わせの場合、相溶化剤としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーや、オレフィン系接着性樹脂、官能基含有オレフィン系樹脂、カップリング剤等が挙げられる。
一方、離型剤を添加すると上記剥離強度を低下することができる可能性がある。離形剤としては、オレイン酸やステアリン酸等の炭素数が8〜24の脂肪酸、またはその脂肪酸アミド、および炭素数が1〜6のアルコールとのエステル等が挙げられる。
印刷可能層(B)に透明度が高い熱可塑性樹脂を用いたり、無機微細粉末や有機フィラーのような不透明度を上昇させる成分の配合量を抑制したりすることによって、印刷可能層(B)の低い不透明度を達成することができる。
印刷可能層(B)には印刷適性を有することが好ましい。印刷可能層(B)の表面を印刷可能にする方法としては、表面酸化処理を施すことが好ましい。
表面酸化処理の方法は基層(A)において行う方法を適用することができる。
基層(A)を、熱可塑性樹脂を含むフィルムとして形成する方法は特に限定されず、公知の種々の方法が使用できる。具体例としては、スクリュー型押出機に接続されたTダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、円形ダイを使用し溶融樹脂をチューブ状に押し出し内部の空気圧力で膨張させるインフレーション成形、混練された材料を複数の熱ロールで圧延しシート状に加工するカレンダー成形、圧延成形などが挙げられる。
印刷可能層(B)も上記の基層(A)の成形方法と同様の方法で成形することができる。
本発明のインモールド成形用ラベルにおいて、印刷情報は印刷可能層(B)上に設けられるものである。
印刷情報はインモールド成形用ラベルにおいて意匠や情報を与えることを目的に、インモールド成形用ラベル内部に予め設けられるものである。本発明のラベル付き樹脂成形品において、基層(A)を剥離して除去した後、印刷可能層(B)を介して視認される印刷情報により、インモールド成形用ラベルにおける表示面積の増加が可能となる。
印刷情報はラベル付き樹脂成形品から基層(A)を剥離する際に、印刷情報が印刷可能層(B)から剥離しないよう、これと接する印刷可能層(B)やヒートシール層(C)と十分に密着していることが好ましい。印刷情報が印刷可能層(B)に密着するものであれば、印刷情報を印刷する際に使用する印刷インキの種類や量、および印刷方法は特に限定されない。
更に印刷情報の印刷には、上記印刷のみならず、各種プリンターによる可変情報の印字;ホットスタンプ、コールドスタンプ等の箔押し;エンボス等によるホログラムの付与等の、従来からラベルに付与される公知の装飾を含むものであってもよい。
印刷可能層(B)と印刷情報(印刷インキ)の接着強度を高めることを目的に、印刷する前に印刷可能層(B)の表面に予めコロナ放電処理等の表面活性化処理やアンカーコートを施すこともできる。
本発明のインモールド成形用ラベルにおいて、ヒートシール層(C)は基層(A)とは反対側の最外層となるものである。ヒートシール層(C)は熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物をフィルム状に成形したものであることが好ましい。
ヒートシール層(C)は、樹脂成形品の成形時の熱により活性化して、基層(A)、印刷可能層(B)、および印刷情報を含む積層体と、樹脂成形品とを接合する接着剤の働きを有するものである。
インモールド成形用ラベルと樹脂成形品との接着強度は、JIS Z 1707−2:1997(「食品包装用プラスチックフィルム通則」)に規定するヒートシール強度の測定に準拠して測定した平均剥離力を試験片幅15mmに換算した値を指す。該換算は、平均剥離力の測定値を試験片幅(mm)で除し、15を乗ずることにより行う。
インモールド成形用ラベルと樹脂成形品との接着強度は、各層の原料、成形条件および厚さによって前記条件に調整することができる。
(糊殺し部)
本発明のインモールド成形用ラベルには、そのヒートシール層(C)の表面に樹脂成形品との接着力を調整する処理を施したものであってもよく、図3に示すようにヒートシール層(C)3の表面の一部分には、糊殺し部7が設けられていてもよい。インモールド成形用ラベルに糊殺し部を設けることにより、ラベルがインモールド成形された際に、ヒートシール層(C)と樹脂成形品との熱融着を抑制し、ラベルを樹脂成形品から剥離する際の剥離の開始を容易にすることができる。これらはラベルの端部の一部分に、通常指でつまむことができる程度の面積で設けることが好ましいことから、糊殺し部の面積は、10mm2以上が好ましく、30mm2以上がより好ましく、50mm2以上がさらに好ましい。一方、通常の運搬や使用時にラベルの端部から剥がれないようにする観点から、糊殺し部の面積は、4500mm2以下が好ましく、2000mm2以下がより好ましく、700mm2以下がさらに好ましい。
本発明のラベルには、基層(A)と印刷可能層(B)の界面で剥離を生じさせるために、印刷可能層(B)とヒートシール層(C)にハーフカット線を設けることが好ましい。このようなハーフカット線は、糊殺しをした部分に沿って設けられることがより好ましい。図3に示されているように、ハーフカット線11はヒートシール層(C)3の面側から印刷可能層(B)2と基層(A)1の界面に至るように、面方向に対して垂直方向に一連に設けられていることが好ましい。
図4に示されているように、インモールド成形用ラベル10において、ハーフカット線11を設けることにより、基層(A)1と印刷可能層(B)2との間の界面で界面剥離を容易に生じさせることができる。これは、ハーフカット線を設けることにより、糊殺し部分を掴んで剥離する場合にヒートシール層(C)にかかる応力を減らすことができるためである。また、ハーフカット線を設けることによって、基層(A)に応力がかかる傾向になり、基層(A)と印刷可能層(B)間での界面剥離が生じやすくなるため、所期の性能を確実に発揮することができる。
ハーフカット線は、ダイカットロール、マグネットシリンダー等を使用した円筒抜き;トムソン刃、ゼンマイ刃、彫刻刃、腐食刃、PMC等を使用した平抜き、またはレーザーカットによる抜き加工と同様に行うことができる。
印刷としてはグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、電子写真印刷などの手法を用いて、基層(A)および印刷可能層(B)上に絵柄、バーコード、製造元、販売会社名、キャラクター、商品名、使用方法などの意匠や情報を付与することができる。
また、基層を剥離した後は、印刷可能層(B)を通して印刷可能層(B)の表面に印刷した絵柄や文字、バーコード等の情報を認識することができるようになる。そのため、印刷可能層(B)側の印刷は鏡像印刷にして、印刷可能層(B)を通して観察したときに正しく認識できるように印刷する方法により、ラベル付き樹脂容器の偽造防止や再利用防止、剥がしたラベルのクーポン券等への二次利用など、更なる機能を付与することが可能となる。
本発明は、上述したようなインモールド成形用ラベルをインモールド成形により樹脂成形品に貼着し一体化したラベル付き樹脂成形品に関するものでもある。
本発明のインモールド成形用ラベルは、溶融樹脂のパリソンを圧空により膨らませて金型内壁に押し付け金型形状を付形する中空成形用のインモールドラベルとして特に好適に使用できる。このようにして製造されたラベル付き樹脂成形品は、ラベルが金型内で固定された後に、ラベルと樹脂成形品が一体に成形されるので、ラベルの変形もなく、成形品本体とラベルの接着強度が強固であり、ブリスターもなく、ラベルにより加飾された外観が良好な成形品となる。
また本発明のインモールド成形用ラベルは、差圧成形用のインモールドラベルとしても使用できる。この際、該ラベルは差圧成形金型の下雌金型の内面にラベルの印刷面が接するように設置した後、該ラベルは吸引により金型内壁に固定され、次いで容器成形材料樹脂シートの溶融物が下雌金型の上方に導かれ、常法により差圧成形され、ラベルが成形品外壁に一体に融着されたラベル付き樹脂成形品が成形される。差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれの手法も採用できるが、両者を併用し、かつプラグアシストを利用した手法が好ましい。
なお、ここで、インモールド成形用ラベルと樹脂成形品が「一体化」するとは、樹脂成形品を構成する樹脂成分の一部と、インモールド成形用ラベルのヒートシール層(C)を構成する樹脂成分の一部がこれらの界面で混ざり合った状態で接着されている状態を意味する。このような一体化は、インモールド成形によりラベル付き樹脂成形品を形成することにより実現できる。
また各製造例の積層樹脂フィルムの製造にあたって、使用した材料の種類と配合割合(質量%)、延伸の有無、および各層の厚さを表2にまとめて示す。同表中に記載される材料No.は、表1に記載される材料No.に対応している。
表1に記載の材料を表2に記載の割合で配合した配合物[A]および配合物[B]を、250℃に設定した押出機で溶融混練して、これらを共押出ダイスを介して積層しフィルム状に押出し、次いで冷却装置にて70℃まで冷却し、配合物[A]からなる基層(A)([A]層)、および配合物[B]からなる印刷可能層(B)([B]層)を有する2層構造の無延伸フィルムを得て、それぞれ製造例1〜5、7〜9の積層樹脂フィルムとした。
表1に記載の材料を表2に記載の割合で配合した配合物[A]を、250℃に設定した押出機で溶融混練して、これをダイスを介してシート状に押出し、次いで冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸フィルムを得た。
この無延伸フィルムを145℃に加熱した後、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍に延伸して縦一軸延伸フィルムを得た。
別に、表1に記載の材料を表2に記載の割合で配合した配合物[B]を、250℃に設定した押出機で溶融混練して、これを直接ダイスを介してシート状に押出し、前記縦一軸延伸フィルムの一方の表面に積層して積層体を得た。
この積層体を158℃に加熱した後、テンター延伸機を用いて横方向に9倍に延伸し、配合物[A]の2軸延伸フィルムからなる基層(A)([A]層)、および配合物[B]の1軸延伸フィルムからなる印刷可能層(B)([B]層)を有する2層構造の逐次延伸されたフィルムを得て、これを製造例6の積層樹脂フィルムとした。
製造例1〜9で得た積層樹脂フィルムから、それぞれ長さ150mm×幅15mmの試験片を2枚切り出し、[A]層と[B]層との間の界面剥離強度(N/15mm)、[A]層および[B]層の厚さ(μm)、[B]層の不透明度(%)、[A]層および[B]層の引張強さ(N/15mm)をそれぞれ評価した。各試験例の詳細は以下に示すとおりである。結果をまとめて表2に示す。
JIS Z 1707に準拠し、試験片の一端を[A]層と[B]層に剥離し、それぞれの層の一端を引っ張り試験機の両つかみ具に取り付け、試験速度300mm/分で引張応力を加え、完全に剥離するまでの最大応力を測定した。試験は2回行い、その平均値を求め、界面剥離強度とした。
JIS K 7130:1999(「プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法」)のA法に従って、試験片ごとに界面剥離試験後の[A]層と[B]層をそれぞれマイクロメーター(商品名:PG−01J、(株)テクロック製)で各1回測定し、全ての平均値を求め、厚さとした。
JIS P 8149:2000(「紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法」)に準拠し、厚さを測定した後の[B]層の試験片ごとにカラーメーター(商品名:SMカラーコンピューター、スガ試験機(株)製)で各1回測定し、全ての平均値を求め、不透明度とした。
JIS Z 1707が引用するJIS K 7127:1999に準拠し、界面剥離試験後の[A]層と、不透明度試験後の[B]層の試験片ごとにそれぞれの両端を引っ張り試験機の両つかみ具に取り付け、試験速度300mm/分で引張応力を加え、破断するまでの最大応力を測定し、全ての平均値を求め、引張強さとした。
上記で得られた製造例1〜9の積層樹脂フィルムの印刷可能層(B)と印刷層情報の接着強度を高めるために印刷可能層(B)の表面にコロナ放電処理を施した。これの印刷可能層(B)側の表面上に、フレキソ印刷にて評価用の文字(MSゴシック、6〜20ポイント)を含む絵柄の鏡像を印刷して、印刷情報を設けた。
更に印刷情報を含む印刷可能層(B)側の表面上に、エチレン・酢酸ビニル系共重合体を含むヒートシール剤(商品名:アドコート1790、東洋モートン(株)製)を塗工し、80℃で加熱して溶媒分を揮発させて、肉厚5μmのヒートシール層(C)(融点78℃)を設けて、実施例1〜6および比較例1〜3のインモールド成形用ラベルを得た。
更に、樹脂成形品材料を高密度ポリエチレンからプロピレンランダム共重合体(商品名:ノバテックPP「EG8」、日本ポリプロ(株)製、融点143℃、表3中「r−PP」と表記)に変更した以外は上記と同様にして、ラベル付き樹脂成形品を得た。
実施例1〜6、比較例1〜3より得た各ラベル付き樹脂成形品をそのまま用い、ラベルの貼着性、ラベルの剥離性、転写文字の見え方を評価した。また、各ラベル付き樹脂成形品から、試験片の一端から10mm以内に糊殺し部およびハーフカット部が存在するように長さ100mm×幅15mmの試験片を2点切り出し、インモールド成形用ラベルと樹脂成形品との接着強度評価の評価に供した。各試験例の詳細は以下に示す通りである。実用評価結果をまとめて表3に示す。
各実施例、比較例より得たラベル付き樹脂成形品を目視観察し、次の2段階で評価した。
○ : ラベルと樹脂成形品の間に皺や空気が確認されないもの(良好)
× : 皺や空気の存在が確認されたもの(不良)
各実施例、比較例より得たラベル付き樹脂成形品の基層(A)と印刷可能層(B)間に爪を入れて部分的に界面剥離させ、そこから手で基層(A)のみをラベル付き樹脂成形品から剥離した際の状態を目視観察し、次の2段階で評価した。
○ : (A)層のみが綺麗に剥離するもの(良好)
× : ラベル付き樹脂成形品を作製した時点で既に(A)層と(B)層の界面で部分的に剥がれていたり、(A)層を剥がそうとした際に抵抗が大きく剥離後の(B)層と印刷情報、又は(B)層と(C)層の間に浮きができたりするもの(不良)
各実施例、比較例より得たラベル付き樹脂成形品から基層(A)を剥離した後の状態を目視観察し、樹脂成形品上に残る印刷情報の文字の見え方を目視観察し、次の3段階で評価した。
○ : 全ての文字を鮮明に視認できる。(良好)
△ : 鮮明ではないが、全ての文字を判読できる。(可)
× : 細かい文字を判読できない。(不良)
JIS Z 1707:1997に準拠し、各ラベル付き樹脂成形品から切り出した試験片から、基層(A)をはがした状態の試料を作成し、該試料の樹脂成形品側を引っ張り試験機の固定側のつかみ具に取り付け、試験片の印刷可能層(B)を引っ張り試験機の自動調心側のつかみ具に取り付け、180度剥離試験で測定した平均剥離力を試験片幅15mmに換算した値から、全ての平均値を求め、印刷可能層(B)と樹脂成型品間の接着強度とした。
また、印刷可能層(B)に無機顔料を含まない実施例2に対し、無機顔料を含む実施例5および比較例3では印刷可能層(B)の不透明度が高くなり、不透明度が60%以下である実施例5では、転写文字の見え方は可(△)レベルであったのに対し、印刷可能層(B)の不透明度が60%を越える比較例3では転写文字の見え方は不良(×)レベルであった。
また本発明のインモールド成形用ラベルによれば、ラベルの表示面積の増加以外にも、ラベル付き樹脂成形品の偽造防止や再利用防止が可能であり、また剥がしたラベルのクーポン券等への二次利用も可能である。
2 印刷可能層(B)
3 ヒートシール層(C)
7 糊殺し
10 ラベル
11 ハーフカット線
P 印刷情報
Claims (13)
- 基層(A)、印刷可能層(B)およびヒートシール層(C)をこの順に含むインモールド成形用ラベルであって、
前記印刷可能層(B)の不透明度は60%以下であり、
前記印刷可能層(B)は、前記ヒートシール層(C)側の面に印刷情報を有し、
前記基層(A)と前記印刷可能層(B)間の界面剥離強度が0.4〜1.6N/15mmであり、
前記基層(A)の引張強さ、前記印刷可能層(B)の引張強さ、前記印刷可能層(B)と前記ヒートシール層(C)間の接着強度、前記印刷可能層(B)の凝集力および前記ヒートシール層(C)の凝集力が、それぞれ1.6N/15mmを超えており、
前記インモールド成形用ラベルがインモールド成形により樹脂成形品に貼着し一体化したときに、前記ヒートシール層(C)と前記樹脂成形品との接着強度が、1.6N/15mmを超えていることを特徴とするインモールド成形用ラベル。 - 前記基層(A)が、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂およびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(a)を含むことを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記印刷可能層(B)が、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、およびポリカーボネートからなる群より選択される少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(b)を含み、
前記熱可塑性樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)は異なる熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のインモールド成形用ラベル。 - 前記基層(A)がオレフィン系樹脂を含み、前記印刷可能層(B)が、スチレン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記基層(A)または前記印刷可能層(B)は、相溶化剤及び離型剤の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記基層(A)と前記印刷可能層(B)が、共押出成形、押出ラミネート成形、熱ラミネート成形のいずれかの手法により積層されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記基層(A)は、前記印刷可能層(B)と接しない面に、更に印刷情報を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記基層(A)の不透明度は、80%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 前記印刷可能層(B)および前記ヒートシール層(C)は、ハーフカット線を有し、
前記ハーフカット線は、前記ヒートシール層(C)面側から前記印刷可能層(B)と前記基層(A)の界面に至るように、面方向に対して垂直方向に一連に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。 - 前記ヒートシール層(C)の表面の一部分には、糊殺し部が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベルをインモールド成形により樹脂成形品に貼着し一体化したラベル付き樹脂成形品。
- 前記樹脂成形品がオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項11に記載のラベル付き樹脂成形品。
- 前記ラベル付き樹脂成形品から前記インモールド成形用ラベルを剥がす際に、基層(A)と印刷可能層(B)間の界面で剥離が進行し、インモールド成形用ラベルを剥がした後の樹脂成形品上には印刷情報を有する印刷可能層(B)とヒートシール層(C)が残ることを特徴とする請求項11または12に記載のラベル付き樹脂成形品。
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