JP2011095517A - インモールドラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インモールド成形により合成樹脂成形品の成形と同時に成形品の表面に貼付されるラベルにおいて、基材フィルムの一方の面にフレキソ印刷で印刷層を形成し、さらに該印刷層の形成された基材フィルムの裏面側に、ラベルの被貼着体である合成樹脂成形品に熱溶着可能な合成樹脂をフレキソ印刷で被覆して接着層とする。
【選択図】図1
Description
そして、ラベルを貼着する方法の一つとして、インモールド材として、所謂、インモールドラベルを予め金型内にセットし、成形品の成形と同時にこの成形品の表面にインモールドで貼着するインモールド成形法がある。
例えば、特許文献1には、インモールドラベル及びインモールドラベル二軸延伸ブロー成形品及びその製造方法に関する発明が記載されている。
このラベル111は、合成紙からなる不透明な基材フィルム112の表面にフレキソ印刷により印刷層113を形成し、この印刷層113を静電気の帯電を防止するための帯電防止剤を含有したニスコートによる保護層118で被覆しており、また裏面にはインモールド成形により合成樹脂成形品の表面に接着固定するヒートシール層121を積層している。インモールド成形中にパリソンとラベルの間の空気を逃がし、逃がし切れなかった空気を閉じ込めるためにヒートシール層121には層形成後にエンボス加工が施されている。
このラベル111は、ポリプロピレン(PP)樹脂製のキャストフィルム(CPPフィルム)からなる透明な基材フィルム112の裏面にグラビア印刷による印刷層113、ドライラミネート層120、そしてインモールド成形により合成樹脂成形品の表面に接着固定するエンボス加工した共重合系ポリプロピレン樹脂製フィルムからなる接着層115を積層している。
なお、基材フィルム112の表面には、静電気によるラベル間の密着を防ぎ、インモールド成形におけるラベルの金型内へのセットをスムーズに実施するため、また、ラベル表面への埃付き防止のため、静電気の帯電を抑制する目的で帯電防止剤層119を塗布するようにしている。
また、印刷層113が基材フィルム112の表面側に形成されるので、そのままでは擦れ等により外観が損なわれる虞があるため、通常、図3にあるように保護層118が必要となる。
また、印刷層113が形成された基材フィルム112と接着層115とをドライラミネート法により貼り合わせるが、この場合も大型な機械で大量に処理されるため、小ロット生産には不向きである。
また、印刷層113を形成する工程と、ドライラミネート層120を介し、基材フィルム112と接着層115とを貼り合わせる工程を別工程で実施する必要があり、コスト高となると云う問題がある。
また、ドライラミネートを硬化させるエージング工程に通常2日間以上を必要とするため、短納期対応が困難である。
インモールド成形により合成樹脂成形品の成形と同時に成形品の表面に貼付されるラベルであって、
基材フィルムの一方の面にフレキソ印刷法で印刷層を形成し、
さらに基材フィルムの裏面側に、ラベルの被貼着体である合成樹脂成形品に熱溶着可能な合成樹脂をフレキソ印刷法で被覆して接着層とする、と云うものである。
そして、上記構成によれば、インモールドラベルの製造において基材フィルムの
一方の面にフレキソ印刷法で印刷層を形成する工程と、さらに基材フィルムの裏面側に合成樹脂をフレキソ印刷法で被覆して接着層を積層する工程とを次の(1)、(2)に記載した工程に沿って、短時間で、一貫ラインで実施することが可能となり、被貼着体である合成樹脂成形品や、その使用目的に応じて基材フィルムや接着層を形成する合成樹脂を適宜選択することができ、その後、所定のラベル形状に打抜き加工することにより、小ロットでも低単価でのラベルの生産が可能となる。
(1)基材フィルムの一方の面にフレキソ印刷法で印刷層を形成する。
(2)基材フィルムの裏面側に合成樹脂をフレキソ印刷法で被覆して接着層とする。
ここで、上記構成、あるいは説明で基材フィルムの表面側、裏面側と云う語句を使用しているが、表面側、裏面側の区別はラベルの成形品に貼付される側を裏面側、その反対側を表面側と定義して使用するものである。
また、インモールド成形においてラベルを1枚毎スムーズに金型内へセットできるようにするために、あるいは静電気によるラベル表面への埃等の付着を防止するために、基材フィルムに帯電防止剤を分散しておくことが好ましく、これにより特に帯電防止剤層を塗布することなく静電気の帯電を効果的に抑制することが可能となる。
(1)一般的な合成樹脂
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、チレン・プロピレン共重合体、酸変性ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂
(2)ホットメルトタイプの合成樹脂
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩
(3)感熱接着剤タイプの合成樹脂
酢酸ビニル・エチレン共重合体エマルジョン、エチレン・アクリル酸共重合体エマルジョン
また、合成樹脂を被覆して接着層を形成する方法としては、溶融樹脂をコーティングする方法と、合成樹脂を有機溶媒等で希釈した溶液をコーティングする方法などがある。
接着層のエンボスパターンを印刷工程で形成できるため、接着層にエンボス加工を施したり、エンボス加工された接着層を積層したりする必要が無い。
エンボスパターンには格子柄、ドット柄等が適宜選択でき、目的のパターンを形成するように版を作製する。エンボスパターンの形状、厚さ、幅、線数、ピッチ等は、ラベルの供給適性、ブリスターの発生状況により適宜選択できる。
すなわち、本発明の主たる構成を有するインモールドラベルの特徴は、基材フィルムの一方の面にフレキソ印刷法で印刷層を形成すると共に基材フィルムの裏面側に、ラベルの被貼着体である合成樹脂成形品に熱溶着可能な合成樹脂をフレキソ印刷法で被覆して接着層とした点にあり、
基材フィルムの一方の面に印刷層を形成する工程と、さらに裏面側に合成樹脂を被覆して接着層とする工程の2つの工程の後、所定のラベル形状に打抜き加工することにより、短時間で、一貫ラインでラベルを製造することができるので、小ロットでも低単価で製造可能で、また貼着する合成樹脂成形品や使用目的に応じて基材フィルムや接着層を形成する合成樹脂を適宜選択することができ、最適なインモールドラベルを提供することができる。
図1は本発明のインモールドラベルの一実施例の層構成を示す断面図である。また、図2はこのラベル1をポリエチレン(PE)樹脂製のブロー成形壜体1の胴部2に貼付した例を示す正面図である。
基材フィルム12はポリプロピレン(PP)樹脂製キャストフィルム(以下、CPPフィルムと略記する。)から成る厚さが50ミクロンの透明性のフィルムで裏面側にはコロナ放電処理が施されている。
また、印刷層13はフレキソ印刷によるもので、接着層15は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する溶液をフレキソ印刷にて印刷し、乾燥・固化させ、形成する。接着層15は、線径1mm、間隔0.5mm、厚さ0.01mmの正方形格子状のエンボスパターンで形成される。このエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する溶液を乾燥・固化させた樹脂はPE樹脂製の壜体1に熱溶着する。
なお、静電気によるラベル間の密着を防ぎ、インモールド成形においてラベルを1枚毎スムーズに金型内へセットできるようにするため、さらにはラベル表面への埃付きを防止するため、静電気の帯電を抑制する目的で帯電防止剤を分散したCPPフィルムを基材フィルム12として使用している。
(1)フレキソ印刷機によりロール状から繰り出した基材フィルム12の裏面側にUV硬化型インキを使用し、文字等を印刷し、次いでUV照射によりUV硬化型インキを硬化させ、印刷層13を形成する。
(2)次いで、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する溶液を、線径1mm、間隔0.5mm、谷の深さ0.01mmの正方形格子状のエンボスパターンを形成するようにフレキソ印刷にて印刷し、乾燥・固化させる。
(3)フレキソ印刷上に設置したダイカットロールにて矩形状に打抜き加工し、集積する。
なお、後述するインモールド成形によるラベル11の貼付におけるエア溜り防止をより確実にするため、上記(2)と(3)の工程の間でラベル11に多数の刃を取り付けたロール等で貫通するスリットを設ける工程を設けても良い。
フレキソ印刷機上にラベル11にスリットを設ける装置を設置することにより、一貫ラインにてスリット付きラベルを製造することができる。
ここで、ラベル11の接着層15はエチレン・酢酸ビニル共重合体を含む樹脂から成り、上記したインモールド成形工程によりPE樹脂製の壜体1の胴部2の表面に熱溶着状に接着し、ラベル11はこの接着層15を介して胴部2の表面に強固に、また高品位に貼着される。
また、接着層15はエンボスパターンで形成されているため、ラベルの金型への供給が一枚一枚確実に行われ、さらにブロー成形時に溶融パリソンがラベルと熱圧着する際にラベルと溶融パリソンとの間の空気が容易に抜けるため、ブリスターの発生により外観を損ねることが無い。
たとえば、本発明のラベルはブロー成形によるPE樹脂製の合成樹脂成形品に限らず、様々な成形法による様々な合成樹脂製の成形品に利用することができる。
2 ;胴部
11、111;ラベル
12、112;基材フィルム
13、113;印刷層
15、115;接着層
114;接着剤層
118;保護層
119;帯電防止剤層
120;ドライラミネート層
121;ヒートシール層
Claims (3)
- インモールド成形により合成樹脂成形品の成形と同時に成形品の表面に貼付されるラベルであって、基材フィルム(12)の一方の面にフレキソ印刷法により印刷層(13)を形成し、さらに基材フィルム(13)の裏面側に、ラベルの被貼着体である合成樹脂成形品に熱溶着可能な合成樹脂をフレキソ印刷法により被覆して接着層(15)としたことを特徴とするインモールドラベル。
- 透明性を有する基材フィルム(12)の裏面側に印刷層(13)を形成し、さらに該印刷層(13)の形成された基材フィルム(13)の裏面側に、ラベルの被貼着体である合成樹脂成形品に熱溶着可能な合成樹脂をフレキソ印刷法により被覆して接着層(15)としたことを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル。
- 接着層(15)をエンボスパターンで形成したことを特徴とする請求項1または2記載のインモールドラベル。
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