JP2014105031A - インモールドラベル付き容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インモールドラベルをインサート材としたインモールド成形より合成樹脂製の容器の表面にラベルを貼付したインモールドラベル付き容器において、インモールドラベルは、貼着面側の所定領域に容器の周壁へのインモールド成形による接着固定を不能に構成した非接着性領域を配設したものとし、インモールドラベルが、非接着性領域を除く接着性領域では周壁に接着固定した状態で、また非接着性領域では容器の周壁から離反した状態若しくは周壁に剥離可能に密着、積層した状態で容器の表面に貼着する構成とする。
【選択図】図1
Description
そして、ラベルを貼着する方法の一つとして、インサート材として、所謂、インモールドラベルと称されるラベルを予め金型内にセットし、容器の成形と同時にこの容器の表面にラベルを貼着する、所謂、インモールド成形法がある。
たとえば、特許文献1には、インモールドラベル及びインモールドラベル付きブロー成形品及びその製造方法に関する発明が記載されている。
このラベル111は、合成紙からなる不透明な基材フィルム112の表面側にフレキソ印刷により印刷層113を形成し、この印刷層113を静電気の帯電を防止するための静防剤を含有したニスコートによる保護層118で被覆しており、また貼着面側にはインモールド成形により合成樹脂成形品の表面に接着固定する接着層15としてヒートシール層115aを積層している。
インモールドラベルをインサート材としたインモールド成形より合成樹脂製の容器の表面にラベルを貼付したインモールドラベル付き容器において、
インモールドラベルは、貼着面側の所定領域に容器の周壁へのインモールド成形による接着固定を不能に構成した非接着性領域を配設したものとし、
インモールドラベルが、非接着性領域を除く接着性領域では周壁に接着固定した状態で、また非接着性領域では容器の周壁から離反した状態若しくは周壁に剥離可能に密着、積層した状態で容器の表面に貼着する構成とする、と云うものである。
そして金型から取り出した後では、ラベルの剛性や以下に述べる非接着性領域の形成方法によって、非接着性領域がそのまま周壁に剥離可能に密着、積層した状態を保持させるように構成することも可能であるし、自然に周壁から剥離して離反状態となるよう構成することも可能である。
上記したように容器製品を商品棚に陳列するような場合に、強制的に指先等で非接着性領域を剥離させてアイキャッチ効果を発揮させることができる。
(1)ラベルの貼着面側の所定の領域に容器の周壁と接着しないインキまたはコート剤を塗布・乾燥することで非接着性領域を形成する等、ラベルの貼着面側の所定の領域に容器の周壁と接着しない非接着層を積層することにより非接着性領域を形成する。
(2)ラベルの貼着面側にヒートシール性樹脂を主成分としたヒートシール剤を塗布して接着層を積層する際、ヒートシール剤を塗布しない領域を設ける等、所定の領域に接着層を積層しないことにより非接着性領域を形成する。
(3)ラベルを、基材層と接着性フィルムを紫外線(UV)硬化型接着剤等の接着剤で貼り合わせ状に積層したものとし、この接着剤をフレキソ印刷で塗布する際に、所定の領域を非塗布領域とすることで非接着性領域を形成する等、基材層と接着層の間で非接着性領域を形成する。
また、(3)の例はラベルの基材層と接着層の間で非接着性領域を形成する例であり、この場合には、インモールド成形によりラベルの非接着性領域ではラベルの一部である接着層は容器の周壁に接着するものの、基材層は離反若しくは、接着層を介して剥離可能に密着、積層した状態となる。
ラベルに配設した非接着性領域を利用して、貼付したラベルを、容器の大きさや形状に拘わらず、広い範囲に平坦状に広げて見せることができ、商品に対するアイキャッチ効果を十分に発揮させることができる。
図1〜図4は本発明のラベル付き容器の第1実施例を説明するためのものであり、図1(a)はラベル付き容器の正面図、図1(b)は(a)中のA−A線に沿った平断面図、図2は容器1の正面図、図3はラベル11を貼着面側から見た平面図、そして図4は図3中のB−B線に沿ったラベル11の断面図である。
容器1は、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂製のダイレクトブロー成形品で、口筒部2、肩部3、楕円筒状の胴部4、底部5を有し、高さが150mm、容量が450mlの壜体状のものである。
保護層18/印刷層13/基材層12/接着層15/マスキング層17、と云う層構成を有する。
さらに詳述すると、基材層12はポリプロピレン(PP)樹脂キャストフィルム(CPP)製で、この基材層12の表面側にフレキソ印刷により印刷層13を形成し、この印刷層13を静電気の帯電を防止するための帯電防止剤を含有したニスコートによる保護層18で被覆している。
さらに左右端部の領域では、インモールド成形でのヒートシール層15aの容器1の周壁への接着機能をマスキングするように、エポキシ系のコート剤を塗布してマスキング層17を積層し、当該マスキング層17を積層した領域を非接着性領域Rn、マスキング層17の積層のない左右中央の領域を接着性領域Raとしている。
なお、図3の平面図ではラベル11の左右端部に位置する非接着性領域Rnを、判り易いようにクロスハッチングを施して示している。
この状態で、ブローエアを吹き込むとパリソン22は膨張し(図5中の矢印方向参照)キャビティの形状に沿って賦形され(図5中の2点鎖線の状態参照)、容器1が成形されるが、この成形と同時に、予め型面に減圧吸気路24により固定配設しておいたラベル11は金型内で胴部4の周壁4wに沿って貼着される。
そして、金型から取出した場合にも、この非接着性領域Rnは、図1(b)の平断面図中、二点鎖線に示したように周壁4wに密着状に積層した状態にあるが、
成形収縮による残留歪みのため周壁4wとマスキング層17の界面には剪断応力が作用しており、指先等でラベル11の左右の端縁を強制的に剥離するようにすることにより、この端縁を起点として非接着性領域Rnの剥離を容易に進行させることができ、非接着性領域Rnが、図1(b)中の矢印で示されるように、周壁4wから離反し、ラベル11の面剛性も相俟って、ラベル11の左右端部を正面から見た胴部4の左右の外周縁を越えて平坦状に広げることができ、
ラベル11による商品に対するアイキャッチ効果を十分に発揮させることができる。
また、本実施例のラベル11は図7に示されるように縦長矩形状で、その基本的な層構成は第1実施例のラベル11と略同様で、図8に示されるように、表面側から貼着面側(図8中では左側から右側)にかけて、
保護層18/印刷層13/基材層12/接着層15/マスキング層17、と云う層構成を有する。
また、マスキング層17によりラベル11の上端部を非接着性領域Rnとしている。
さらに詳述すると、ラベル11の接着性領域Raは左右中央部で上方向に湾曲状に突出するように配設されており、この突出部分で肩部3の周壁3wにも接着固定し、図6(b)に示されるように、ラベル11の非接着性領域Rnが前方に倒れこまないようにし、起立状のラベル11の貼着姿勢が保持されるようにしている。
この点、本実施例のラベル付き容器に使用する図6〜図8に示されるラベル11では、前述したように接着性領域Raを左右中央部で上方向に湾曲状に突出するように配設した構成とし、肩部3の周壁3wと接着固定する領域を左右中央部に限定すると共に、接着層15となる押出しラミネート層15bの貼着面側にエンボス加工により、前述したように多数の凹部19を規則的に形成することによりラベル11を曲面に沿って変形し易くし、ラベル11と容器1の周壁の間のエアを逃がすような構成とし、インモールド成形時における皺やエア溜りの発生を抑制できるようにしている。
図4、8に示したラベル11の層構成はいずれも、基材層12の貼着面側の全領域に接着層15を積層し、この接着層15の一部にマスキング層17を積層して非接着性領域Rnを形成するものであるが、
図9(a)に示す例は、図4に示す層構成において、基材層12の貼着面側に接着層15としてLDPE樹脂を主成分としたヒートシール剤を塗布してヒートシール層15aを積層する際、左右端部をヒートシール剤を塗布しない領域として、非接着性領域Rnとするものである。
たとえば、印刷層13の印刷性を良好にするため、基材層12表面にアンカーコート層を積層する、基材層12を透明性のものとして基材層12の貼着面側に印刷層13を積層する等、上記した非接着性領域Rnを形成するための層構成のバリエーションの他にも必要に応じてさまざまなバリエーションの中から適宜選択することができる。
勿論、各層の材質や積層方法も使用目的や生産性を考慮して適宜選択することができる。
また、ラベルをインサート材としたインモールド成形についても、実施例で説明したHDPE樹脂を使用したダイレクトブロー成形の他にも、さまざまな種類の合成樹脂を使用した2軸延伸ブロー成形、射出成形、熱成形等の成形方法を選択することができる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
3w;(肩部の)周壁
4 ;胴部
4w;(胴部の)周壁
5 ;底部
11、111;ラベル
12、112;基材層
13、113;印刷層
15、115;接着層
15a、115a;ヒートシール層
15b;押出しラミネート層
15c;接着性フィルム
16;接着剤層
17;マスキング層
18、118;保護層
19;凹部
21;ダイス
22;パリソン
23;ブロー割型
24;減圧吸気路
Ra;接着性領域
Rn;非接着性領域
Claims (4)
- インモールドラベルをインサート材としたインモールド成形により合成樹脂製の容器の表面にラベルを貼着したものであり、前記インモールドラベル(11)は貼着面側の所定領域に、インモールド成形による容器(1)の周壁への接着固定を不能に構成した非接着性領域(Rn)を配設したものとし、前記インモールドラベル(11)が、前記非接着性領域(Rn)を除く接着性領域(Ra)では前記周壁に接着固定した状態で、また前記非接着性領域(Rn)では容器(1)の周壁から離反した状態若しくは前記周壁に剥離可能に密着、積層した状態で前記容器(1)の表面に貼着する構成としたインモールドラベル付き容器。
- インモールドラベル(11)の端部に非接着性領域(Rn)を配設した請求項1記載のインモールドラベル付き容器。
- インモールドラベル(11)の非接着性領域(Rn)が、容器の周壁に強制的な剥離が可能に密着、積層する構成とした請求項1または2記載のインモールドラベル付き容器。
- インモールドラベル(11)の非接着性領域(Rn)を容器(1)の周壁から離反させた状態で、該非接着性領域(Rn)の少なくとも一部が、容器(1)を正面から見た、該容器(1)の外周縁から外側にはみ出して位置する構成とした請求項1、2または3記載のインモールドラベル付き容器。
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