JP2006276646A - インモールドラベル及びインモールドラベル付き合成樹脂製容器 - Google Patents

インモールドラベル及びインモールドラベル付き合成樹脂製容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 インモールドラベルの接着面に外観を損なうことなく凹凸をより効果的に形成することを技術的課題とし、ブロー成形品で胴部の肉厚が薄い等の厳しい条件下でもブリスターおよび皺の発生が無く、外観が良好で、ラベル自動供給適性に優れ、接着強度の高いインモールドラベル、およびこのラベルを貼付した合成樹脂製容器を提供する。
【解決手段】 インモールドラベルにおいて、透明な合成樹脂製フィルム製の基材2と、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルム製の接着層5を積層し、この接着層に印刷後両面エンボス加工で凸部6が規則的なパターンで配列されている構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器とラベルの界面にブリスターが発生するのを抑制し、インモールド成形時におけるラベルの金型への自動供給適性に優れるインモールドラベル、およびインモールドラベル付き合成樹脂製容器に関する。
従来より、合成樹脂製容器の壁面にインモールドでラベルを貼付する方法(以下インモールドラベル法と記す。)が実施されている。インモールドラベル法は、ラベルを予め成形用の金型のキャビティ面等に配設した状態で、成形と同時に接着、貼付する方法であり、ブロー成形、二軸延伸ブロー成形、熱成形、射出成形にて実施されている。
そしてインモールドラベル法は、成形と同時に容器の壁面にラベルによる印刷表示が達成されるため、印刷面の表面処理工程や印刷工程が短縮されるという工程面での長所を有する他、次のような長所を有する。すなわち、ラベルの表面を容器壁面と同一平面としてラベルを容器壁面の一部として見せることができ、容器との一体感が得られる。また壁面にスクリーン印刷等で直接印刷するのに比較し、平面状のフィルムにグラビア印刷などにより鮮明で高品質、かつ高速で大量に印刷することができ、多色印刷も可能となる。さらに容器壁面に広く貼付できるため、広範囲に加飾できる。
さらに、ブロー成形、あるいは熱成形による容器にあっては、胴部が薄肉である成形品が多く、変形しやすいため、後工程でラベルを貼付したり、印刷することが困難であり、インモールドラベル法はその効果をさらに発揮することができる。
一方、たとえばブロー成形の場合には、成形時に膨張変形する溶融状態のパリソンがラベルの一部から順にラベルに接触していかないと、ラベルと容器壁面との間の空気が抜け難く、その結果、ラベルと容器壁面との間に空気が残存し、ブリスターとなり、外観の点で商品性を著しく損なうことになる。特に容器壁が肉薄であったり、容器胴部の断面形状が円形であったり、壁面が扁平であったり、あるいは面積が大きなラベルを貼付する場合、膨張したパリソンが同時に複数箇所でラベルに接触し、ブリスターが発生し易くなる。特に容器壁が肉薄の場合、ダイスから押し出されたパリソンが円周方向に波状になりやすいため、その現象が顕著に現れる。また、熱成形の場合でも同様な問題が発生する。
このような、インモールドラベル(以下単にラベルと記す場合がある。)でのブリスターの発生を抑制する方法として、ラベルと容器壁面の間から空気を逃がすための手段として、たとえばラベルに貫通孔を形成する、ラベルの接着面に凹凸を形成する等の手段が公知となっている。このうち孔を形成する方法は、孔が小さいと成形時に孔が塞がり、大きいと外観を損ねる等の問題がある。
また、ラベルの接着面に凹凸を形成する手段は、インモールド成形中にパリソンとラベルの間の空気を瞬時に逃がし、逃がし切れなかった空気を閉じ込めることにより、ブリスターの発生を抑制することができる。特許文献1にはラベルの接着面に凹凸を形成する手段に係る発明が記載されている。凹凸のない樹脂フィルムにグラビア型のパターンよりなるエンボス加工を施したフィルムを積層し、延伸し、エンボス加工面に液状樹脂接着剤を塗布して凹凸を有する接着剤層を形成するという方法である。加飾のための印刷は延伸後、接着剤層とは逆の面に施行される。
特開平5−254528号公報
また、ラベル表面の帯電防止機能が不十分であると商品として陳列される場合等、ラベル表面に汚れや埃等が付着しやすく、容器の美観を損ね、商品価値を低下させることになる。このような問題を解決するため、ラベルの表面に液状の帯電防止剤を塗布し乾燥させたり、帯電防止剤が添加されたフィルムを基材として使用したりしている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、所謂片面エンボス加工であるため基材となるフィルムに形成される凹凸を大きくできず、さらに凹凸を接着剤で埋めるため、凹凸の程度を十分確保できず、この凹凸部分で残存した空気を十分吸収することができないため、容器壁が薄肉であったり、胴部の断面形状が円形であったり、貼付面積が大きい、あるいは容器壁面の起状が大きい等、インモールドでの貼付条件が厳しくなるとブリスターが発生してしまう。
また、凹凸のない樹脂フィルムにエンボス加工を施した後さらにフィルムを延伸する必要があること、凹凸が完全に埋まらないように液状樹脂接着剤を塗布する必要があること等により、製造工程が複雑で、技術的な難度が高く、生産性を向上させることが困難であり、製造コストが高くなってしまう。また、容器等の被着体に貼付する場合、容器とラベルとを強固に接着させるためには、該容器等の被着体とラベル基材との双方に接着する前記液状樹脂接着剤を選択しなければならない。また、印刷インキおよび接着剤の密着性を向上させるため、基材の両面にコロナ放電処理が必要な場合もある。
また、一般に前記のように帯電防止機能をラベルに付加するため、ラベルの表面に液状の帯電防止剤を塗布し乾燥させたり、帯電防止剤が添加されたフィルムを基材として使用したりしているが、前者は帯電防止効果の持続が長期間続かず、また、後者は特に夏場等に長期保管すると帯電防止剤が印刷面にブリードし、印刷適性が低下してしまう問題があった。
また、成形時においてラベル自動供給装置を使用してラベルを金型内に挿入する際に束ねられたラベルがブロッキングし、ラベルが取り出せず、金型内に挿入できなかったり、または複数枚金型内に挿入されたり、位置ずれが生じたりする問題が発生する。
また、特にブロー成形の場合、ラベルが熱融着により容器壁面に強固に接着するため、成形後の容器の収縮により、ラベル端部と容器との間に溝(ノッチ)が生じ、ラベル面を下に容器を落下させるとこの部分を起点にして容器が破損してしまう場合がある。特に容器が薄肉の場合、その現象が顕著に現れる。
そこで、本発明は接着面に凹凸をより効果的に、簡単でかつ低コストで生産性の高い工程で形成し、接着剤塗布工程を必要とせず、印刷適性を低下させることがなく、ラベルの金型への自動供給適性に優れたインモールドラベルを得ることを技術的課題とし、容器の肉厚が薄い、容器胴部の断面形状が円形である等の厳しい条件下でもブリスターおよび皺の発生が無く、そして接着強度の高いインモールドラベル、およびこのラベルを貼付し、外観が良好で、ラベル面に汚れや埃が付着しにくく、耐落下強度に優れた合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決する本発明のうち、請求項1記載の発明の手段は、インモールドラベルにおいて、透明な合成樹脂製フィルムからなる基材と、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルムからなる接着層とを積層してなること、この接着層に印刷後両面エンボス加工で凸部が規則的なパターンで配列されていること、にある。
請求項1の上記構成により、接着層を、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルムであり、両面エンボス加工で凸部が規則的なパターンで配列されているものとすることにより、接着面に接着剤を塗布する必要が無く、両面エンボス加工により凸部を接着層に形成するため、凹凸を大きくすることができ、接着層の凸部と容器の壁面との間によって形成される空間が有効に機能して、インモールド成形の際、パリソンの壁面とラベルとの間の空気を効果的に逃がすことができると共に、凸部によって形成される空間の吸収能力を大きくして、逃げ切れなかった空気を凸部に十分に取り込んで吸収することができる。そしてブロー成形、あるいは熱成形で、薄肉容器にラベルを貼付する場合や胴部の断面形状が円形の容器にラベルを貼付する場合、あるいは大きな面積のラベルを貼付する場合等の厳しい条件下でも、ブリスター、および皺の発生を十分抑制することができる。
また、ブリスターの抑制の難易等によって両面エンボス加工による凸部の配列パターン(形状、深さ、幅、ピッチ等)を選択することができる。
また、両面エンボス加工により接着層に形成される凸部により、基材と、接着層を形成するフィルムが薄肉であっても、ラベルとしての面剛性を大きくし、所謂腰の強いものとすることができ、凸部によりラベル同士のブロッキングをなくすことができることも相俟って、インモールド成形時におけるラベルの金型へのインサート適性に優れる。また、ラベル自体の薄肉化が容易であり、凸部による緩衝効果も加わり、耐落下強度(容器壁に貼付したラベルのラベル端部から破損する。)が向上する。さらに両面エンボスによる凹凸により成形時の熱の影響によるラベルの皺の発生が防止できる。
また、接着層にエンボス加工する前に印刷するので、グラビア印刷等で鮮明で、高品位な印刷により加飾効果を付与することができる。また、基材を積層するので、優れた光沢を有し、印刷面が露出することがなく、印刷が摩擦等により剥離したり、色落ちしたりする心配がない。基材には透明なフィルムを使用し、基材と接着層は通常ドライラミネート法で積層する。また、接着層への印刷は、通常は上面であるが用途に応じて下面でも可能である。
また、接着層、および基材自体は通常単層であるが、用途によって積層とすることもできる。接着層を積層して構成する場合には、少なくとも接着面を形成する最下層を、ラベルを貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製とする。
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、接着層を、貼付する容器の壁面と同系の材質の合成樹脂製フィルムとすること、にある。
請求項2の上記構成により、接着層を容器と同系の材質の合成樹脂製フィルムとすることにより、インモールド成形においてラベルを直接容器の壁面に熱融着することができるが、熱融着により同系の材質の樹脂同士が接着するので接着強度を大きくすることができ、たとえば胴部をスクイズして使用する容器にも適用することができ、大きな変形によりラベルが剥がれてしまうこともない。
ここで、接着層としては容器壁面に熱融着すればよく、高密度ポリエチレン(以下HDPEと記す。)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと記す。)樹脂製のフィルム、無延伸および2軸延伸したポリプロピレン樹脂製フィルム(以下それぞれCPP、OPPと記す。)、PET樹脂製フィルム等からなるフィルムを使用することができる。
請求項3記載の発明の手段は、請求項1、2記載の発明において、基材と接着層を共に無延伸フィルム製としたこと、にある。
延伸したフィルムを使用すると、容器の壁面との熱融着後の冷却工程でラベルと容器壁との収縮差が大きく、この収縮差により、特に容器壁が薄肉の場合には容器壁自体が大きく変形してしまうが、請求項3記載の上記構成により、熱融着後の容器壁との収縮差を小さくすることができ、冷却後の容器の変形を防ぐことができる。またラベル自体が大きくカールすることなく取り扱いが容易である。
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2、または3記載の発明において、基材を、帯電防止剤が練り込まれている合成樹脂製フィルムとしたこと、にある。
請求項4記載の上記構成により、基材フィルムに帯電防止剤が練り込まれているため、ラベル表面の帯電防止機能が発揮され、商品として陳列される場合等、ラベル表面に汚れや埃等が付着しにくく、容器の美観を損ねることがない。
さらに、フィルムに帯電防止剤を添加しているため、帯電防止効果が長期間持続する。また、印刷は基材フィルムではなく、両面エンボス加工前に接着層に行われるため、夏場等の長期保管により基材フィルム表面に帯電防止剤がブリードしたとしても、接着層への印刷適性には何ら影響しない。
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明において、インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合を10%〜90%とし、かつ、インモールドラベルの表面積1cmあたりの接着層の両面エンボス加工によって配列された凸部によって形成される空間の体積を、0.0001〜0.005cmとしたこと、にある。
請求項5記載の上記構成により、両面エンボス加工による凸部によって形成される空間が機能して、インモールド成形の際、容器の壁面とラベルの間の空気を効果的に逃がすことができると共に、凸部によって形成される空間の吸収能力を大きくして、逃げ切れなかった空気を空間に十分に取り込んで吸収することができる。そしてブロー成形、あるいは熱成形で、薄肉容器にラベルを貼付する場合や胴部の断面が円形状の容器にラベルを貼付する場合、あるいは大きな面積のラベルを貼付する場合等の厳しい条件下でも、ブリスターの発生を十分抑制することができる。
ここで、「凸部の総表面積」とは、使用するインモールドラベルにおいて両面エンボス加工によって規則的なパターンで配列された凸部の面積の合計をいい、「インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合」とは上記の凸部の総表面積を含むインモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合である。
「接着層の両面エンボス加工によって配列された凸部によって形成される空間」とは、両面エンボス加工後の接着層フィルムを平滑な面に平らに置いた際にその平滑な面と凸部との間の接着面側に形成される空間をいう。
インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合が10%未満、またはインモールドラベルの表面積1cmあたりの接着層の両面エンボス加工によって配列された凸部によって形成される空間の体積が0.0001cm未満であると、インモールド成形の際、パリソンの壁面とラベルの間の空気を効果的に逃がすことができず、また、逃げ切れなかった空気を吸収する体積が不足するため、特に薄肉容器にラベルを貼付する場合や断面形状が円形の容器にラベルを貼付する場合、あるいは大きな面積のラベルを貼付する場合等の厳しい条件下ではブリスターが発生する。
また、インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合が90%を超える場合、またはインモールドラベルの表面積1cmあたりの接着層の両面エンボス加工によって配列された凸部によって形成される空間の体積W
が0.005cmを超える場合、容器に貼付した後、エンボス加工によって配列された凸部のパターンが基材を介して目立ちやすくなり、また、印刷が不鮮明になるため、外観が劣る。また、接着面積が小さくなるため、容器との接着力が低下する。
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または5記載の発明において、ラベル全体の平均厚さを30〜70μmとしたこと、にある。
請求項6記載の上記構成により、ラベルが熱融着により容器壁面に強固に接着するが、ラベルの厚さが薄いため、成形後の容器の収縮により生じるラベル端部と容器との間の溝(ノッチ)が小さく、ラベル面を下に容器を落下させてもこの部分を起点にして容器が破損しにくい。特に容器が薄肉の場合、上記構成による効果が大きい。また、ラベルを構成する基材フィルム、接着層フィルムが薄いため、コスト面でも有利となる。
しかしながらラベル全体の平均厚さが30μm未満ではラベルに剛性がなく、インモールド成形時におけるラベルの金型への自動供給適性が劣る。また、ブロー成形の場合、パリソンの熱によりラベルに皺や歪みが発生しやすくなる。
請求項7記載の発明の手段は、壁面にインモールドラベルを貼付した合成樹脂製容器において、前記インモールドラベルが、透明な合成樹脂製フィルムからなる基材と、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルムからなる接着層を積層してなり、この接着層に印刷後両面エンボス加工で凸部が規則的なパターンで配列されたものであり、このインモールドラベルを、前記接着層を容器の壁面に直接熱融着させて貼付したこと、にある。
請求項7記載の上記構成により、ラベルの貼付に際し接着剤を塗布することのない構成であり、両面エンボス加工により接着層に形成された凸部が有効に機能して、インモールド成形の際、容器の壁面とラベルとの間の空気を効果的に逃がすことができると共に、凸部によって形成される空間の吸収能力を大きくして、逃げ切れなかった空気を該空間に十分に取り込んで吸収することができる。そしてラベルをブリスター、および皺のない状態で容器壁と一体化して、高品位な加飾性を有する容器を提供することができる。
また、接着層に配列された凸部によって、ラベルとしての面剛性を大きくし、所謂腰の強いものとすることができ、さらにラベル同士のブロッキングをなくすことができるため、インモールド成形時におけるラベルの金型への自動供給適性に優れる。また、ラベル自体の薄肉化が容易であり、凸部による緩衝効果も加わり、耐落下強度(容器壁に貼付したラベルのラベル端部から破損する。)が向上する。さらに両面エンボスによる凹凸により成形時の熱の影響によるラベルの皺の発生が防止できる。
また、接着層にエンボス加工する前に印刷するので、グラビア印刷等で鮮明で、高品位な印刷により加飾効果を付与することができる。また基材を積層するので、優れた光沢を有し、印刷面が露出することがなく、印刷が摩擦等により剥離したり、色落ちしたりする心配がない。基材には透明なフィルムを使用し、基材と接着層は通常ドライラミネート法で積層する。両面エンボス加工した接着層に透明な合成樹脂製フィルムからなる基材が積層しているので、接着層の凹凸が目立つことなく外観を損なうことがない。また、接着層への印刷は、用途に応じて上面でも下面でも適宜に選択することができる。
容器は、ブロー成形、二軸延伸ブロー成形、熱成形あるいはインジェクション成形等従来の成形法にて得ることができる。
また、ラベルが容器の壁面に直接熱融着して接着しているので、強固な接着が得られる。
請求項8記載の発明の手段は、請求項7記載の発明において、容器が、容器の胴部の平均肉厚が0.1〜0.4mmであるブロー成形品、あるいは熱成形品であること、にある。
ブロー成形、あるいは熱成形では、合成樹脂の溶融体、あるいは半溶融体が金型キャビティ面に配設されたインモールドラベルに接触しながら膨張変形が進行するが、特に容器胴部の肉厚が薄い場合、その変形が不規則となり、エンボス加工による従来の微小な凹凸では合成樹脂の溶融体、あるいは半溶融体とラベルとの間に入った空気を全て逃がすことはできず、ブリスターおよび皺のない状態でラベルを貼付することは困難であった。請求項8記載の構成により、たとえば容器の胴部の平均肉厚が0.1〜0.4mmの肉厚が薄いブロー成形品、あるいは熱成形品であっても広い領域にブリスターおよび皺のない状態でラベルを貼付することができ、高品位の加飾を、低コストで実現することができる。
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。請求項1記載の発明にあっては、接着層に形成された凹凸が有効に機能して、インモールドでのラベル貼付過程で逃げ切れなかった空気を凹部に十分に取り込んで吸収することができ、ブロー成形、あるいは熱成形で肉厚の薄い容器にラベルを貼付する場合、胴部の断面が円形状の容器にラベルを貼付する場合、あるいは大きな面積のラベルを貼付する等の厳しい条件下でも、ブリスター、および皺の発生を十分抑制することができる。
また、エンボス加工による凹凸によりラベル同士のブロッキングをなくすことができると共に、ラベルとしての面剛性を大きくでき、ラベルを1枚ずつ確実に金型内に自動供給することができ、インモールド成形時におけるラベルの金型への自動供給適性に優れる。また、ラベル自体の薄肉化が容易でありエンボスによる緩衝効果も加わり、耐落下強度が向上する。
また、エンボス加工前の平滑なフィルムに印刷を施すため、グラビア印刷等で鮮明で、高品位な印刷により加飾効果を付与することができる。また、基材を積層するので、優れた光沢を有し、印刷面が露出することがなく、印刷が摩擦等により剥離したり、色落ちしたりする心配がない。両面エンボス加工した接着層に透明な合成樹脂製フィルムの基材を積層するので、接着層の凹凸が目立つことなく外観を損なうことがない。
請求項2記載の発明にあっては、接着層を貼付する容器の壁面と同系の材質にすることにより、ラベルが容器壁面に熱融着するため高い接着強度が得られる。
請求項3記載の発明にあっては、基材および接着層を無延伸フィルムとすることにより、熱融着後の容器壁との収縮差を小さくすることができ、冷却後の容器の変形を防ぐことができる。
請求項4記載の発明にあっては、基材フィルムに帯電防止剤が練り込まれているので、ラベル表面の帯電防止機能が発揮され、商品として陳列される場合等、ラベル表面に汚れや埃等が付着しにくく、容器の美観を損ねることがない。
また、フィルムに帯電防止剤を添加しているため、帯電防止効果が長期間持続する。また、基材フィルムではなく、両面エンボス加工前に接着層に印刷されるため、夏場等の長期保管により基材フィルム表面に帯電防止剤がブリードしたとしても、接着層への印刷適性には何ら影響しない。
請求項5記載の発明にあっては、インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合を10%〜90%とし、かつ、インモールドラベルの表面積1cmあたりの接着層の両面エンボス加工によって配列された凸部によって形成される空間の体積を、0.0001〜0.005cmとしているので、インモールド成形の際、容器の壁面とラベルの間の空気を効果的に逃がすことができると共に、凸部の空間の吸収能力を大きくして、逃げ切れなかった空気を凸部の空間に十分に取り込んで吸収することができる。そしてブロー成形、あるいは熱成形で、薄肉容器にラベルを貼付する場合や胴部の断面が円形状の容器にラベルを貼付する場合、あるいは大きな面積のラベルを貼付する場合等の厳しい条件下でも、ブリスター、および皺の発生を十分抑制することができる。
請求項6記載の発明にあっては、ラベルが熱融着により容器壁面に強固に接着するが、ラベルの厚さが薄いので、成形後の容器の収縮により生じるラベル端部と容器との間のノッチ状の溝が小さく、容器の耐落下強度が向上し、ラベル面を下に容器を落下させても容器が破損しにくい。
請求項7記載の発明にあっては、成形品の広い領域にブリスターおよび皺のない状態でラベルを貼付することができ、高品位の加飾性を有する合成樹脂製容器を提供することができる。
また、ラベルが容器壁に直接熱融着して接着しているので、スクイズタイプのブロー成形壜体のように大きな変形が繰り返し加えられる用途においても、剥離することなく安心して使用することができる。また落下強度が向上した合成樹脂製容器を提供することができる。
請求項8記載の発明にあっては、広い領域にブリスターおよび皺のない状態でラベルを貼付することができ、高品位の加飾を、低コストで実現することができる、容器の胴部の平均肉厚が0.1〜0.4mmと肉厚の薄いブロー成形品、あるいは熱成形品を提供できる。
以下本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で実施例1および比較例1と比較例2はラベルに係る実施例と比較例であり、実施例11および比較例11と比較例12はこれらラベルをインモールド成形で貼付したラベル付き合成樹脂製容器に係る実施例と比較例である。
図1は本発明のラベル1の実施例1を示す縦断面図であり、図2は図1のラベル1を構成する接着層5を示す縦断面図であり、(a)は両面エンボス加工前、(b)は両面エンボス加工後の状態を示す。また図3は図2(b)の状態の接着層5の平面図である。なお、ラベル1の縦断面図である図1、図2では層構成を明確にするため、ラベル1の厚み方向を大きく拡大して示している。
本実施例のラベル1は透明なCPPフィルム製の基材2と、HDPE製無延伸フィルム製で、上記図2(b)の状態(エンボス加工後)の接着層5をドライラミネート法により接着剤層4で積層したものである。ここで基材2の厚さは20μm、接着層5の厚さは30μmであり、ラベル全体の平均厚さTは55μmである。
基材2には帯電防止剤が練り込まれている。帯電防止剤は通常合成樹脂製フィルムに使用される種々公知のものが使用できる。例えば、N−Nビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミンの脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン系のもの、アルキルスルホン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート等のアニオン系のもの、テトラアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系のもの、アルキルベタイン、イミダゾリン型両性等の両性系のもの等が挙げられる。
接着層5はエンボス加工前の平坦な状態でその上面にグラビア印刷し(図2(a)参照)、その後、雄型および雌型からなるロールを組み合せてなる両面エンボスロールを通過させてフィルムの表裏両面にエンボス加工したものである(図2(b)参照)。印刷時には接着層5は平坦であり、グラビア印刷の他、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、熱転写印刷、電子写真印刷等さまざまな方法で印刷することができる。中でもグラビア印刷により印刷することができ、鮮明な高品位の印刷ができる。
帯電防止剤は基材フィルムに練り込まれ、印刷は接着層に行われるため、基材フィルム、接着層フィルムともにロール状等で長期間保管されても帯電防止剤のブリードによる印刷適性低下が起こりえない。
また、本実施例におけるエンボス加工による凸部の配列パターンは、正方形状の平坦部8を囲うようにして、格子状に凸部6が形成されている(図2(b)および図3参照)。隣接する凸部6間の距離L1は2mm、凸部6の頂部の幅L2は0.5mmであり、その平均高さHは略30μmである。この場合、ラベル全体の表面積に対する凸部6の総表面積の割合は36%であり、ラベルの表面積1cmあたりの接着層5の両面エンボス加工によって配列された凸部6によって形成される空間7の体積は、約0.001cmである。
そして、図3中のハッチングをした円は印刷層3の一例を示すものであり、直径が略10mmの円が印刷された状態を示す。基材2とエンボス加工された接着層5の積層フィルムが打抜加工により所定の形状、大きさのラベルに分断される。
図4は、本発明のラベル付き合成樹脂製容器の一例であるラベル付きのHDPE樹脂製ブロー成形壜体11を成形する工程の一例を示す概略説明図である。ダイス21から円筒状のHDPE樹脂製パリソン22を押し出し、その上下をブロー成形割金型23で挟んだ状態である。
また、ラベル1は胴部高さの略2/3の高さ、そしてパーティングラインPL間の略半周に亘る幅を有する大きな面積を有するものであり(後述する図5の胴部平断面図も参照)、吸気通路24により割金型23のキャビティ面に吸着された状態で配設される。なお、ブロー成形される壜体11は、高さが150mm、直径が65mmの胴部の断面形状が円形であり、円筒状の胴部を有する、400ml用のもので、胴部の平均肉厚は0.3mmと薄肉容器である。
この状態で、ブローエアを吹き込むとパリソン22は膨張し(図4中の矢印方向参照)キャビティの形状に賦形され(図4中の2点鎖線の状態参照)あらかじめ配設しておいたラベル1と胴壁12が一体化され、インモールドラベル法によるブロー成形壜体11が成形される。図5はこのように成形されたブロー成形壜体11の胴部平断面を示すものであり、ラベル1はパーティングラインPL間の略半周に亘って、胴壁12内に挿入(インサート)され、胴壁12表面と同一平面の状態に配設位置し、胴壁12の一部として見せることができる。
図6は、実施例1のラベルと後述する比較例1、および比較例2のラベルを用いて、上記したインモールド成形で成形したインモールドラベル付きHDPE樹脂製ブロー成形壜体の実施例および比較例について、ブリスターの発生の有無、ラベルの接着強度、スクイズ試験後の剥離の有無、壜体の耐落下強度、容器の変形の有無、およびラベルのインサート適性に係る観察、あるいは測定を以下の方法にて実施し、その結果をまとめて表として示したものである。
(1)ブリスター発生の有無
目視にてラベルとブロー成形壜体との界面のブリスターの有無をラベルの皺の発生の有無も含めて観察する。
(2)ラベルの接着強度
ラベル貼付部の15mm幅の接着強度(180°剥離)を測定する。(引っ張り速度:300mm/分)
(3)スクイズ試験後の剥離の有無
ブロー成形壜体のラベル貼付部を100回スクイズした後、ラベルの剥離の有無を観察する。
(4)壜体の耐落下強度
横倒し姿勢でラベル貼付面を下にした状態で1mの高さからコンクリート床に5回落下させ、破損の有無を観察する。
(5)容器の変形の有無
目視にて容器の変形の有無を観察する。
(6)ラベル自動供給適性
インサートブロー成形時におけるラベルの金型へ自動供給状態を観察し、その適性の優劣を判断する。
ここで、図6の表で示されているように壜体に係る実施例は10番台の符号で示され、実施例11は実施例1のラベルを用いた壜体であり、比較例11および比較例12は比較例1および比較例2のラベルを用いた壜体である。
たとえば実施例11の例で表中のラベルの構成の表記方法を説明する。実施例11は実施例1のラベルを使用したものであり、そのラベル構成がCPP(20)/DL//印刷/HDPE(30)(両面エンボス)で示されているが、左から右にラベルの表面から裏面(貼付面)に向けての層構成を表している。CPPが基材2、HDPEが接着層5、DLはドライラミネート加工による接着材層4を示す。また、DL//印刷/HDPEなる表記は、層界面を”/”と”//”で区別して、印刷層3が基材2、若しくは接着層5のどの面に形成されているかを表すものであり、本例では”/”で隣接するHDPE樹脂製接着層5の上面に印刷がされていることを示す。ここで(20)、(30)は基材2あるいは接着層5の厚さをμm単位で示し、また、(両面エンボス)は接着層5が両面エンボス加工されていることを示す。
以下、図6中に記載のある実施例11、および比較例11、12について、関連する実施例1および比較例1、2を含めて順次説明する。
1)実施例11
図6の最上段に実施例1のラベル1を用いてインモールド成形された実施例11の壜体の観察、および測定結果が示されているが、実施例1のラベル1を用いた場合には、膨張したパリソン22がラベル1に接触し熱融着する際に(図4参照)、パリソン22とラベル1の間に存在する空気を、ラベル1の裏面、凸部6に対向する位置に形成されている空間7(図1参照)によって、逃がすことができ、また逃がし切れなかった空気をこの空間7内に閉じ込めるようにして吸収でき、図5に示されるように、薄肉の壜体11胴部の略半周に亘る幅を有する大きなラベル1をブリスターや皺を発生させることなく接着することができる。
また、ラベル1の接着層5がHDPE樹脂製の無延伸フィルム、そしてブロー成形壜体11がHDPE樹脂製と両者が同系の材質の樹脂で形成されているので、溶融状態で高温のパリソン22をラベル1の接着層5にブローエアの圧力で押し付けて、両者を熱融着させることができ、このため大きな接着強度を得ることができ、上記の接着強度試験方法においてラベルを剥がそうとしても剥離せず、強固に接着していており強度の測定が不可能であった。また、胴部のラベル1貼付部分を手で100回スクイズ状に押圧変形操作する試験を実施したがラベル1の剥離はなかった。
また、通常はラベルが熱融着により容器壁面に強固に接着するため、ラベル端部と容器との間に溝(ノッチ)が生じ、容器を、ラベル面を下に落下させるとこの部分を起点にして容器が破損してしまう場合があり、特に容器が薄肉の場合、その現象が顕著に現れるが、基材が厚さ20μm、接着層が厚さ30μmの薄いフィルムを使用したため、上記の溝が小さく、壜体の落下試験において壜体の破損はなかった。
さらに基材2と接着層5を無延伸のフィルム製としたのでラベル1と壜体11胴壁12の収縮率の差に伴なう胴壁12の変形は観察されなかった。また、基材に帯電防止剤が添加されているため、ラベルの帯電防止機能が優れ、さらにエンボス加工による凹凸により、ラベル1同士のブロッキングがなく、ラベル1の面剛性が大きいので自動機によるラベル1のブロー割型23への供給は位置のズレも無く、スムーズに実施することができ自動供給適性は優れたものであった。また、基材表面の帯電防止機能が優れているため、容器を屋外に長期間放置してもラベル面に汚れ、埃等が付着することはなかった。
なお、実施例1の構成のラベル1において、印刷を接着層5の下面にすることもできる。ここで、接着層5の下面のラベル1周縁部に沿って印刷するようにすると、この印刷により形成される周縁部の印刷層3のため、ラベル1周縁部で、容器壁に対する接着強度が低くなり、成形後、ラベル1端部位置で容器壁面に形成される、小さな溝(ノッチ)の形状が緩和され、耐落下強度をより向上させることができる。
比較例11(比較例1)
図6の表中に示される比較例11に使用される比較例1のラベル1は、OPP/印刷//ヒートシール剤なるラベル構成であり、60μmの透明なOPPフィルムを基材2とし、この基材2の下面にグラビア印刷を施し、さらに壜体11胴壁12に熱圧着するためのヒートシール剤層を積層したものである。
図6の表中の、比較例11の壜体の観察、および測定結果に示されるように、この比較例11の壜体では様々な不良現象が見られた。すなわちラベルの裏面(貼付面)に凹凸がないため、パリソン22とラベル1の間の空気を十分逃がすことができず、また逃がし切れなかった空気を吸収することができず、ブリスターおよび皺の発生が数多く見られ、またヒートシール剤での熱圧着であるため接着強度が低く、スクイズ試験では剥離があり、基材2が延伸フィルムであるOPPフィルム製のため成形後の壜体11胴壁12との熱収縮差により胴壁12の変形が見られ、ラベル1同士のブロッキング性が高く、また面剛性が低く、ラベル自動供給適性も劣るものであった。
比較例12(比較例2)
図6の表中に示される比較例12に使用される比較例2のラベル1の構成は、HDPE樹脂製無延伸フィルム製で下面に印刷を施した基材2と、同じくHDPE樹脂製無延伸フィルムで、エンボス加工していない接着層5をドライラミネート法により接着剤層4で積層したものである。ここで基材2は厚さ80μm、接着層5は厚さ30μmである。
図6の表中の、比較例12の壜体の観察、および測定結果に示されるように、この比較例12の壜体では、ラベル1にエンボス加工による凹凸がないため、ブリスターおよび皺の発生が数多く見られ、ラベルが厚いため落下試験でラベル1の端部からの破損があり、また、耐ブロッキング性が十分でなくラベル自動供給適性も劣るものであった。
以上、上記実施例と比較例の説明から判るように本発明においては、ラベルを透明な合成樹脂製フィルムからなる、帯電防止剤を添加した基材と、両面エンボス加工を施した接着層とを積層したものとし、接着層で容器の壁面に直接熱融着する構成とすることにより、鮮明で高品位の印刷による加飾性を保持した状態で、容器の胴部が薄肉であっても容器ラベル貼付部分にブリスターや皺の発生のない、容器変形のない、そして接着強度、耐落下強度、ラベル自動供給適性、帯電防止機能に優れたインモールドラベル付き合成樹脂製容器の提供ができるようになった。
なお、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。たとえば本発明の作用効果は通常のブロー成形品に限定されるものではなく、2軸延伸ブロー成形品、熱成形品、インジェクション成形品等にも同様に発揮されるものである。また本実施例では容器の材質をHDPE製としたが、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等様々な材質が使用できる。
また、ラベルの基材、および接着層は上記実施例の材質のフィルムに限定されず、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂製のフィルム、PET樹脂製フィルム等の合成樹脂フィルムが使用できる。
基材と接着層との接着はドライラミネート法に限らず、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出ラミネート法(サンドイッチラミネート法)等、従来のラミネート法が採用できる。
また、容器は単層品としたが、必要に応じて積層品を使用することができ、その際には、ラベルを貼付する壁面がラベルと熱融着可能な合成樹脂製であれば良い。また、両面エンボス加工によって配列される凸部の形状は正方形状の格子状に限らず、ブリスター発生抑制の難易、エンボスによる凸部のパターンの目立ちやすさ、貼付後の印刷の鮮明度等も含めた外観等により、ラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合を10%〜90%とし、かつ、ラベルの表面積1cmあたりの凸部によって形成される空間の体積が0.0001〜0.005cmとなる範囲内で凸部のパターン(形状、深さ、幅、ピッチ等)を適宜選択できる。
以上説明したように本発明のラベルは、薄肉ブロー成形壜体等に、面積の大きなインモールドラベルを、ブリスターや皺の発生のない状態で高い接着強度で貼付することができ、このラベルを貼付した容器はラベル面の帯電防止機能が優れ、高品位に加飾された容器としてさまざまな用途での展開が期待される。
本発明のラベルの実施例1を示す縦断面図である。 図1のラベルを構成する接着層であって(a)はエンボス加工前、(b)加工後の状態を示す。 図2(b)の状態の接着層の平面図である。 本発明のラベル付き合成樹脂製容器を成形するための工程の一例を示す概略説明図である。 図4の工程で成形した壜体胴部の平断面図である。 ラベル付き容器に係る各実施例および比較例についての試験結果をまとめて示した表である。
符号の説明
1 ;(インモールド)ラベル
2 ;基材
3 ;印刷層
4 ;ドライラミネート剤層
5 ;接着層
6 ;凸部
7 ;空間
8 ;平坦部
11;(ブロー成形)壜体
12;胴壁
21;ダイス
22;パリソン
23;ブロー割型
24;減圧吸気路
t ;肉厚
T ;ラベル全体の平均厚さ
H ;高さ
PL;パーティングライン
L1;隣接する凸部間の距離
L2;凸部の頂部の幅

Claims (8)

  1. 透明な合成樹脂製フィルムからなる基材(2)と、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルムからなる接着層(5)とを積層してなり、該接着層(5)に印刷後両面エンボス加工で凸部(6)が規則的なパターンで配列されていることを特徴とするインモールドラベル。
  2. 接着層(5)を、貼付する容器の壁面と同系の材質の合成樹脂製フィルムとした請求項1記載のインモールドラベル。
  3. 基材(2)と接着層(5)を共に無延伸フィルム製とした請求項1または2記載のインモールドラベル。
  4. 基材(2)を帯電防止剤が練り込まれている合成樹脂製フィルムとした請求項1、2または3記載のインモールドラベル。
  5. インモールドラベル全体の表面積に対する凸部の総表面積の割合を10%〜90%とし、かつ、インモールドラベルの表面積1cmあたりの接着層(5)の両面エンボス加工によって配列された凸部(6)によって形成される空間(7)の体積を、0.0001〜0.005cmとした請求項1、2、3または4記載のインモールドラベル。
  6. ラベル全体の平均厚さ(T)を30〜70μmとした請求項1、2、3、4または5記載のインモールドラベル。
  7. 壁面にインモールドラベル(1)を貼付した合成樹脂製容器において、前記インモールドラベル(1)が、透明な合成樹脂製フィルムからなる基材(2)と、貼付する容器の壁面と直接熱融着可能な合成樹脂製フィルムからなる接着層(5)を積層してなり、該接着層(5)に印刷後両面エンボス加工で凸部(6)が規則的なパターンで配列されたものであり、該インモールドラベル(1)を、前記接着層(5)を容器の壁面に直接熱融着させて貼付したことを特徴とするインモールドラベル付き合成樹脂製容器。
  8. 容器が、容器の胴部の平均肉厚が0.1〜0.4mmであるブロー成形品、あるいは熱成形品であることを特徴とする請求項7記載のインモールドラベル付き合成樹脂製容器。
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