JP2019137439A - ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、ステンレス鋼製飲料容器 - Google Patents

ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、ステンレス鋼製飲料容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、容器表面が保護されたステンレス鋼製飲料容器を提供する。【解決手段】ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法は、樹脂製のラベルを用意する工程と、ラベルをステンレス鋼製飲料容器の胴部に装着する装着工程とを具備する。ラベルは、ベース部と、ベース部からステンレス鋼製飲料容器に向かって突出する複数の凸部とを備える。複数の凸部は、ステンレス鋼製飲料容器に接触している。【選択図】図3

Description

本発明は、ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、ステンレス鋼製飲料容器に関する。
ビールの保管または輸送のために、ステンレス鋼製のビール樽を用いることが知られている。ステンレス鋼は、Feを50重量%以上、Crを10.5重量%以上含み、錆びにくい合金鋼である。ステンレス鋼においては、含有物であるクロムが酸素と結合することにより、ステンレス鋼表面に不動態被膜(換言すれば、酸化被膜)が形成されている。このため、耐食性が高い。
関連する技術として、特許文献1には、ステンレス鋼製の生ビール樽が記載されている。
特開平7−205981号公報
ステンレス鋼は、耐食性が高い。このため、ステンレス鋼製ビール樽の腐食が問題となることは少ない。しかし、ステンレス鋼製ビール樽が、風雨に晒された場合、特に、沿岸部において、塩分を含む水に晒された場合には、ステンレス鋼といえども腐食が進行する可能性がある。例えば、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面に、長期間、塩分を含む水が付着していた場合に、樽表面の腐食が進行する可能性がある。
また、ステンレス鋼製ビール樽には、別々に製造されたパーツ同士を溶接することにより形成された溶接部が含まれている。当該溶接部では、溶接時の熱影響によりクロム炭化物が生成されるため母材部の熱影響部分のクロム含有率が低くなる。このため、溶接部(溶接部の周辺を含む)においては、腐食が進行するリスクが相対的に高い。図1は、既存のステンレス鋼製ビール樽1の一例を示す概略断面図である。ステンレス鋼製ビール樽1は、上部パーツ2と、下部パーツ3とを含む。ステンレス鋼製ビール樽1は、上部パーツ2と下部パーツ3とが互いに溶接されることにより形成された溶接部4を含む。図2は、図1における溶接部4の周辺の領域Aを拡大して表示した、概略拡大断面図である。溶接部4は、クロム含有率が相対的に低い(換言すれば、溶接部4は、クロム欠乏層を含む)。溶接部4に、塩分を含む水が付着した場合には、溶接部4の腐食が進行するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、容器表面が保護されたステンレス鋼製飲料容器を提供することにある。
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
いくつかの実施形態におけるステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法は、樹脂製のラベル(30)を用意する工程と、前記ラベル(30)をステンレス鋼製飲料容器(11)の胴部(15)に装着する装着工程とを具備する。前記ラベル(30)は、ベース部(31)と、前記ベース部(31)から前記ステンレス鋼製飲料容器(11)に向かって突出する複数の凸部(32)とを備える。前記複数の凸部(32)は、前記ステンレス鋼製飲料容器(11)に接触している。
上記ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法において、前記装着工程は、前記ステンレス鋼製飲料容器(11)における溶接部(14)を、前記ラベル(30)によって覆うことを含んでいてもよい。
上記ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法において、前記複数の凸部(32)の密度は、3.57個/cm以上であってもよい。
上記ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法において、前記複数の凸部(32)の前記ベース部(31)からの高さ(H1)は、0.02mm以上0.23mm以下であってもよい。
上記ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法において、前記複数の凸部(32)の各々に通気孔(34)が設けられているか、あるいは、前記ベース部(31)に複数の通気孔(35)が設けられていてもよい。
上記ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法において、前記複数の凸部(32)の各々と前記ステンレス鋼製飲料容器(11)との間の接触面積は、0.25cm未満であってもよい。
ステンレス鋼製ビール樽(11)の容器表面(21)を保護する方法は、樹脂製のフィルム(36)に表示層(37)を印刷する印刷工程と、前記印刷工程の後に、前記フィルム(36)にエンボス加工を施すエンボス加工工程とを備えていてもよい。また、前記エンボス加工工程により、前記複数の凸部(32)が形成されてもよい。
いくつかの実施形態におけるステンレス鋼製飲料容器は、ステンレス鋼製の胴部(15)と、前記胴部(15)に装着されるラベル(30)とを具備する。前記ラベル(30)は、ベース部(31)と、前記ベース部(31)から前記ステンレス鋼製飲料容器(11)に向かって突出する複数の凸部(32)とを備える。前記複数の凸部(32)は、前記胴部(15)に接触している。
本発明により、ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、容器表面が保護されたステンレス鋼製飲料容器を提供することができる。本発明では、ステンレス鋼製飲料容器の腐食を助長し得るラベルを、ステンレス鋼製飲料容器に敢えて装着しつつ、ラベルの構造を工夫することによりステンレス鋼製飲料容器の腐食を抑制している点において画期的である。
図1は、既存のステンレス鋼製ビール樽の一例を示す概略断面図である。 図2は、図1における領域A(溶接部の周辺)を拡大して表示した、概略拡大断面図である。 図3は、いくつかの実施形態におけるステンレス鋼製ビール樽を示す概略断面図である。 図4は、いくつかの実施形態におけるステンレス鋼製ビール樽を示す概略側面図である。 図5は、いくつかの実施形態におけるラベルの構造を模式的に示す図である。 図6は、溶液がラベルの凸部に集まる様子を模式的に示す図である。 図7は、試験期間中の環境データを示す表である。 図8Aは、実験で使用したラベルの構造を模式的に示す図である。 図8Bは、実験で使用したラベルの構造を模式的に示す図である。 図9は、第1試験の結果を示すテーブルである。 図10は、第1試験の結果を示すグラフである。 図11は、第2試験の結果を示すテーブルである。 図12は、第2試験の結果を示すグラフである。 図13は、実施形態におけるラベルの変形例を模式的に示す概略断面図である。 図14は、実施形態におけるラベルの変形例を模式的に示す概略断面図である。 図15は、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面を保護する方法の一例を示すフローチャートである。 図16は、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面を保護する方法の一工程を模式的に示す図である。 図17は、ラベルが装着されたステンレス鋼製ビール樽を模式的に示す図である。
以下、ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法、および、ステンレス鋼製容器に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材について、繰り返しの説明は省略される。なお、以下の実施形態では、ステンレス鋼製飲料容器が、ステンレス鋼製ビール樽である例について説明される。しかし、実施形態において、容器(樽)に収容される飲料は、ビールに限定されるものではない。例えば、容器(樽)に収容される飲料は、発泡酒、ホッピー(登録商標)、日本酒、ワイン等であってもよい。この場合、以下の実施形態において、「ビール」は「飲料(あるいはアルコール飲料)」に読み替えられ、「樽」は「容器」に読み替えられ、「樽表面」は、「容器表面」に読み替えられる。
(樽表面が保護されている状態の第1例)
まず、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面が保護されている状態の第1例について説明する。図3は、樽表面21が保護されている時の状態を示す概略断面図である。
ステンレス鋼製ビール樽11は、ビール樽本体部を有する。ビール樽本体部は、胴部15と、胴部の上側(一方側)に配置された第1端面17と、胴部の下側(他方側)に配置された第2端面18とを含む。第1端面17には、開口部17aが設けられており、当該開口部17aを介して、ビール樽内へのビールの注入、および、ビール樽外へのビールの注出が行われる。開口部17aには、図示しないフィッティング(fitting)が取り付けられていてもよい。
ビール樽本体部には、開口部17a等を保護する上部プロテクタ41が接合されている。上部プロテクタ41とビール樽本体部とは、例えば、溶接または接着によって接合される。また、ビール樽本体部には、ステンレス鋼製ビール樽11を起立姿勢に維持するための脚部42が接続されている。脚部42とビール樽本体部とは、例えば、溶接または接着により接合される。
図3に記載の例では、ステンレス鋼製ビール樽11のビール樽本体部は、上部パーツ12と、下部パーツ13とを含む。そして、上部パーツ12の一部と下部パーツ13の一部とによって、ビール樽の胴部15が構成されている。ビール樽本体部は、上部パーツ12と下部パーツ13とが互いに溶接されることにより形成された溶接部14を含む。溶接部14は、胴部15に設けられている。溶接部14は、ステンレス鋼製ビール樽11の長手方向中心軸L1を囲む環状形状を有する。なお、溶接部14は、例えば、アーク溶接によって形成された溶接部である。
胴部15には、ラベル30が装着されている。胴部15のうちラベル30が装着される部分(被装着部20)は、ステンレス鋼製ビール樽11の長手方向中心軸L1に沿う方向において、ビール樽の外径の変化が小さい部分であることが好ましい。例えば、被装着部20における外径の最大値をD1、被装着部20における外径の最小値をD2と定義する時、(D1−D2)/D1は、0.1以下である。ラベル30を外形の変化が小さな部分に装着する場合には、装着されたラベルに皺が生じにくい。なお、図3に記載の例では、被装着部20の上部に、環状の突出部22が存在し、被装着部20の下部に、環状の突出部23が存在する。このため、環状のラベル30が、被装着部20から脱落しにくく、かつ、環状のラベル30の位置ずれが生じにくい。
溶接部14(溶接部の周辺を含む)は、ステンレス鋼製ビール樽の他の部分(換言すれば、非溶接部)と比較して、クロム含有率が低い。このため、溶接部14は、ステンレス鋼製ビール樽11の中でも腐食しやすい部分である(錆びやすい部分である)。溶接部14にラベル30を装着する場合には、溶接部14とラベル30との間に入り込んだ水分が蒸発しにくい。このため、溶接部14にラベル30を装着する場合には、当該溶接部14が腐食し易くなる。よって、腐食の心配をするのであれば、溶接部14にラベル30を装着することは好ましくない。これに対し、いくつかの実施形態では、溶接部14にラベル30を敢えて装着している。これらの実施形態では、通常であれば腐食を助長し得るラベルを敢えて採用しつつ、腐食の進行の抑制を図っている点において画期的である。より具体的には、ラベル30に、ステンレス鋼製ビール樽11に向かって突出する複数の凸部32を設けることにより、腐食の進行が抑制される。腐食の進行が抑制されるメカニズムについては、後述される。
なお、単純に、ステンレス鋼製ビール樽の耐食性を向上させるのであれば、ステンレス鋼製ビール樽において汎用されている材料(例えば、SUS304)に代えて、より耐食性の高いステンレス鋼材料(例えば、SUS316等)を用いればよい。しかし、より耐食性の高いステンレス鋼材料(例えば、SUS316等)を用いる場合には、ステンレス鋼製ビール樽の製造コストが大幅に上昇する。これに対し、実施形態では、ステンレス鋼製ビール樽において汎用されている材料を使用しつつ、ビール樽の腐食の進行を抑制することが可能である。ただし、実施形態において、より耐食性の高いステンレス鋼材料(例えば、SUS316等)を用いることは排除されない。
図3に記載の例では、環状の溶接部14の全体が、ラベル30によって覆われている。その結果、腐食抑制の効果と、見栄え向上の効果(溶接部が隠されることによる見栄え向上の効果)とが、相乗的に奏される。また、ラベル30に、ビール樽の内容物等の情報が表示されている場合には、腐食抑制の効果と、見栄え向上の効果と、内容物等の把握が容易であるとの効果、すなわち、3つの効果が相乗的に奏される。さらに、環状のラベル30を用いる場合には、ラベル30自体の弾性力によって、ラベル30を胴部15の周囲に装着することが可能である。このため、ラベル30を、胴部15に接着させる必要がない。ラベル30を胴部15に接着させない場合には、上述の3つの効果に加え、ラベルの交換が容易であるという4つ目の効果が奏される。
(樽表面が保護されている状態の第2例)
ステンレス鋼製ビール樽の樽表面が保護されている状態の第2例について説明する。図4は、樽表面21が保護されている時の状態を示す概略側面図である。
上述の第1例では、2ピース樽(上部パーツ12と、下部パーツ13とで、ビール樽本体部が構成されているビール樽)の樽表面がラベル30によって保護されている状態を説明した。第2例では、ステンレス鋼製ビール樽11は、3ピース樽である。すなわち、ステンレス鋼製ビール樽11のビール樽本体部は、上部パーツ12と、下部パーツ13と、胴体パーツ16とを含む。上部パーツ12と胴体パーツ16とは、上側溶接部14aで溶接され、胴体パーツ16と下部パーツ13とは、下側溶接部14cで溶接されている。上側溶接部14aおよび下側溶接部14cの各々は、ステンレス鋼製ビール樽11の長手方向中心軸L1を囲む環状形状を有する。
図4に記載の例では、上部プロテクタ41と上部パーツ12とが、互いに接合されている。また、下部プロテクタ43と下部パーツ13とが、互いに接合されている。上部プロテクタ41は、ステンレス鋼製であってもよいし、ステンレス鋼以外の材料(ゴム等)で構成されていてもよい。同様に、下部プロテクタ43は、ステンレス鋼製であってもよいし、ステンレス鋼以外の材料(ゴム等)で構成されていてもよい。なお、下部プロテクタ43は、脚部としての機能を備えていてもよい。
図4に記載の例では、胴体パーツ16は、帯状のステンレス鋼の両端部を溶接することによって形成されている。このため、胴体パーツ16は、ステンレス鋼製ビール樽11の長手方向中心軸L1に平行な、直線状溶接部14bを含む。
図4に記載の例では、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部15に、ラベル30’が装着されている。胴部15のうちラベル30が装着される部分(被装着部20)は、ステンレス鋼製ビール樽11の長手方向中心軸L1に沿う方向において、ビール樽の外径の変化が小さい。例えば、被装着部20における外径の最大値をD1、被装着部20における外径の最小値をD2と定義する時、(D1−D2)/D1は、0.1以下である。ラベル30’を外形の変化が小さな部分に装着する場合には、装着されたラベルに皺が生じにくい。
また、図4に記載の例では、直線状溶接部14b(溶接部の周辺を含む)は、ステンレス鋼製ビール樽の他の部分(換言すれば、非溶接部)と比較して、クロム含有率が低い。このため、直線状溶接部14bは、ステンレス鋼製ビール樽11の中でも腐食しやすい部分である(錆びやすい部分である)。いくつかの実施形態では、当該直線状溶接部14bの全部あるいは少なくとも一部を覆うように複数の凸部を備えたラベル30’が装着されている。このため、複数の凸部を備えたラベル30’によって、ビール樽表面(例えば、直線状溶接部14b)の腐食が抑制される。
なお、図4に記載の例では、ラベル30’は、胴部15の周囲を囲むように配置された環状のラベルではない。換言すれば、ラベル30’は、胴部15の周長よりも長さが短いラベルである。このため、ラベル30’を胴部15に装着する際には、ラベル30’を胴部15に接着する必要がある。このため、ラベル30’を、他のラベルに交換する際に手間がかかる。
図4に示されたラベル30’は、図3に示された環状のラベル30によって置換されてもよい。環状のラベル30を用いる場合には、ラベル30自体の弾性力によって、ラベル30を胴部15の周囲に装着することが可能である。このため、環状のラベル30と、胴部15とを接着する必要がない。すなわち、環状のラベル30の裏面側に接着剤層を設ける必要がない。
図3および図4に記載の例では、腐食進行抑制機能を有するラベル(30、30’)が、溶接部を覆うように、ステンレス鋼製ビール樽の胴部に装着されている。代替的に、ラベル(30、30’)は、溶接部以外の部分に装着されてもよい。この場合には、溶接部14が、ラベルによって隠されない。他方、溶接部14が常に露出状態に維持される結果、溶接部14に水分が滞留するおそれがない。このため、溶接部14の腐食が進行するおそれがない。
(複数の凸部を備えたラベルによって、樽表面が保護されるメカニズム)
図5を参照して、複数の凸部32を備えたラベル30によって、樽表面が保護されるメカニズムについて説明する。図5は、いくつかの実施形態におけるラベル30の構造を模式的に示す図である。図5の左側には、ラベル30の一部分の展開図が示されている。また、図5の右側には、ステンレス鋼製飲料容器11に装着されたラベル30の概略縦断面図が示されている。
図5に記載の例では、ラベル30が複数の凸部32を備えるため、ラベルのベース部31と樽表面21との間には隙間Gが形成される。なお、本明細書において、ラベルのベース部31とは、ラベルのうち凸部32が設けられていない部分(領域)を意味する。
図5に記載の例では、ベース部31と樽表面21との間には隙間Gが存在するため、ラベル30と樽表面21との間の溶液(例えば、塩分を含む水)が、当該隙間Gを通って、ラベル30の下方(例えば、鉛直下方)に向けて排出される。このため、ラベル30と樽表面21との間の領域が速やかに乾燥状態となり、当該領域に、腐食の原因となる溶液(例えば、塩分を含む水)が滞留しにくい。
また、図5に記載の例では、ラベル30が複数の凸部32を備えているため、ラベル30と樽表面21との間の領域に滞留した溶液(例えば、塩分を含む水)が、表面張力によって各凸部32に集まる。よって、凸部32の数が多い場合には、ラベル30と樽表面21との間の領域に滞留した水が、複数の凸部32に分散して集まることとなる。このため、滞留した水が蒸発していく際の溶液の濃縮度が小さくて済む(図6(a)を参照)。これに対し、ラベル30に凸部が設けられない場合、あるいは、凸部32の密度が小さい場合には、滞留した水が蒸発していく際の溶液の濃縮度が大きくなる。例えば、図6(b)に記載の例では、広範囲にわたる溶液が1つ凸部32に集まるため、溶液の濃縮度が大きくなる。溶液の濃縮度が大きくなる場合には、樽表面21において局所的な腐食が進行し、樽が破損する(例えば、樽が穿孔する)おそれがある。
(実験結果)
図7乃至図12を参照して、実験結果について説明する。図7は、試験期間中の環境データを示す表である。図8Aおよび図8Bは、実験で使用したラベル30の構造を模式的に示す図である。図9は、第1試験の結果を示すテーブルである。図10は、第1試験の結果を示すグラフである。図11は、第2試験の結果を示すテーブルである。図12は、第2試験の結果を示すグラフである。
実験(下記の第1試験および第2試験)は、2017年5月28日〜11月10日の間、沖縄の暴露試験場において実施された。試験サンプルとしては、ステンレス鋼製ビール樽11を模擬したステンレス鋼製(より具体的には、SUS304製)の円筒体11’、および、ラベル30を模擬したポリエチレンフィルム30aが使用された。暴露試験前に、ステンレス鋼製の円筒体11’には、TIG溶接(タングステン−不活性ガス溶接)が施され、その後、酸洗浄等の表面処理が施され、更に、円筒体11’の外周に、環状のポリエチレンフィルム30a(ラベル30)が装着された。なお、ポリエチレンフィルム(ラベル)の構造(凸部32の形状、凸部32の密度、凸部32の高さ)として、試験サンプル毎(換言すれば、円筒体11’毎)に異なる構造が採用された。
なお、図7における試験期間中の環境データのうち、「NaCl(mdd)」は、ドライガーゼ法(JIS Z2382:1998)によって捕集されたNaClの量を意味し、単位は、mg/dm/day(100cmのガーゼに1日当たりに捕集されるNaClの量:mg)を意味し、「Cl(mg/l)」は、雨に含まれるClの量の平均値を意味し、「mm」は、各月の総雨量を意味し、「pH」は、各月の雨水のpH(酸性度)の平均値を意味する。
(第1試験)
図8Aまたは図8Bに示されるように、第1試験は、凸部32の高さH1が0.15mmであり(換言すれば、ポリエチレンフィルム30aのベース部31とステンレス鋼製の円筒体11’との間の距離が0.15mmであり)、凸部32の配置が千鳥配置であるとの条件で実行された。図9のテーブル1に示されるサンプル1乃至サンプル15では、凸部32の頂部形状(凸部と円筒体11’との接触部33aの形状)として、円形状(図8Aを参照)が採用された。この場合、凸部32の全体形状は、概ね、円錐台形状となる。また、テーブル1に示されるサンプル16乃至サンプル24では、凸部32の頂部形状(凸部と円筒体11’との接触部33bの形状)として、菱形形状(図8Bを参照)が採用された。この場合、凸部32の全体形状は、概ね、四角錐台形状となる。なお、図9のテーブル1において、「接触部サイズ」は、接触部33aの直径mm(接触部の形状が円形状である場合)、あるいは、接触部33bの長い方の対角線の長さmm×短い方の対角線の長さmm(接触部の形状が菱形形状である場合)を意味する。また、「凸部の密度(個/cm)」は、ポリエチレンフィルム30a(ラベル30)1cm当たりの凸部32の個数を意味する。また、「接触点1個当たりの濃縮面積(mm)」は、凸部1個に集まる溶液の面積(より具体的には、凸部32の密度(個/cm)の逆数の100倍)を意味する。「腐食の評価値」は、腐食の進行度合いを目視にて評価したものであり、評価値「1」は、錆びおよび変色が無かったことを意味し、評価値「2」は、僅かな変色があったことを意味し、評価値「3」は、変色があったことを意味し、評価値「4」は、強い変色があったことまたは孔食が発生したことを意味する。
図9のテーブル1に示されるとおり、凸部の密度が、7.11個/cm以上のときの評価が、「1」または「2」であった。他方、凸部の密度が、2.78個/cm以下のときの評価が、「3」または「4」であった。
図10(a)および図10(b)は、第1試験の結果をグラフ化したものである。図10(a)および図10(b)のグラフにおいて、横軸は、接触点1個当たりの濃縮面積(mm)であり、縦軸は、評価値である。なお、図10(a)のグラフは、凸部32の頂部形状が円形状である場合のグラフであり、図10(b)のグラフは、凸部32の頂部形状が菱形形状である場合のグラフである。
図10(a)のグラフから、凸部32の頂部形状が円形状である場合、濃縮面積が28mmの時の評価値が「2.5」(使用可能範囲)であり、濃縮面積が28mmよりも小さくなるにつれて、評価値が急速に「1」に近づいていくことが把握される。濃縮面積が28mmであることは、凸部32の密度が、3.57個/cm以上であることに対応する。よって、ステンレス鋼製のビール樽の腐食抑制の観点から、樽表面21に装着するラベル30の凸部32の密度を3.57個/cm以上にすればよいことが把握される。
図10(b)のグラフから、凸部32の頂部形状が菱形形状である場合、濃縮面積が28mmの時の評価値が「2.5」(使用可能範囲)であり、濃縮面積が28mmよりも小さくなるにつれて、評価値が急速に「1」に近づいていくことが把握される。濃縮面積が28mmであることは、凸部32の密度が、3.57個/cm以上であることに対応する。よって、ステンレス鋼製のビール樽の腐食抑制の観点から、樽表面21に装着するラベル30の凸部32の密度を3.57個/cm以上にすればよいことが把握される。
なお、二次元において、円の最高充填率は、0.906であるから、円の面積が0.25cm以上の円を、3.57個/cm以上の密度で配置することは物理的に不可能である。よって、ステンレス鋼製のビール樽の腐食抑制の観点から、樽表面21に装着するラベル30の1個の凸部32の頂部面積は、0.25cm未満であること、換言すれば、凸部32の直径は、5.6mm未満であることが好ましい。
(第1試験の結果についての考察)
凸部32の密度を高めることにより(より具体的には、密度を、3.57個/cm以上、あるいは、7.11個/cm以上にすることにより)、凸部1個当たりに集まる溶液(雨水)の量が十分に低減される。その結果、溶液(雨水)の濃縮度が高まることが抑制され、ステンレス鋼の局部腐食が抑制される。凸部32の接触部33(頂部)の面積が大きいと(より具体的には、凸部の面積が0.25cm以上になると)、凸部32の密度を十分に高めることができない。このため、凸部32の接触部33の面積は、0.25cm未満であることが好ましい。なお、凸部32の接触部33の形状が円形状であるか菱形形状であるかによって、腐食の評価値に有意な差はなかった。よって、凸部32の接触部33の形状としては、任意の形状を採用可能である。
(第2試験)
第2試験は、ポリエチレンフィルム30aの凸部32の高さH1をサンプル毎に異ならせるとともに、凸部32の配置が千鳥配置であるとの条件で実行された。図11のテーブル2に示されるサンプル31乃至サンプル57では、凸部32の頂部形状(凸部と円筒体11’との接触部33の形状)として、円形状が採用された。また、テーブル2に示されるサンプル58乃至サンプル62では、凸部32の頂部形状(凸部と円筒体11’との接触部33の形状)として、菱形形状が採用された。テーブル2に示されるサンプル63では、凸部なしのフィルム(平らなポリエチレンフィルム)が採用された。なお、図11のテーブル2において、「接触部サイズ」、「凸部の密度(個/cm)」、「接触点1個当たりの濃縮面積(mm)」、「腐食の評価値」は、それぞれ、図9のテーブル1に記載の「接触部サイズ」、「凸部の密度(個/cm)」、「接触点1個当たりの濃縮面積(mm)」、「腐食の評価値」と同義である。また、テーブル2において、「凸部の高さ(mm)」は、ポリエチレンフィルム30aのベース部31から凸部32の頂面までの高さ、換言すれば、ステンレス鋼製の円筒体11’とポリエチレンフィルム30aのベース部31と間の距離(図8Aおよび図8Bの「H1」を参照。)を意味する。
図11のテーブル2に示されるとおり、凸部32の高さH1が、0.05mm以上0.2mm以下の範囲であるときの評価が、「1」または「2」であった(サンプル61を除く)。他方、凸部32の高さH1が、0.01mm以下あるいは0.3mm以上であるときの評価が、「3」または「4」であった。
図12は、第2試験の結果をグラフ化したものである。図12のグラフにおいて、横軸は、凸部32の高さH1(mm)であり、縦軸は、評価値である。
図12のグラフ中、評価値の平均を示すグラフ(実線)から、凸部32の高さH1が、0.02mm以上0.23mm以下である時の評価値が「2.5」以下(使用可能範囲)であることが把握される。他方、凸部32の高さH1が、0.02mm未満または0.23mmより大きくなると、評価値が「2.5」より大きくなり、腐食の観点から使用が困難になることが把握される。
図12のグラフ中、評価値の最悪値(換言すれば、最高値)をプロットしたグラフから、凸部の高さH1が、0.04mm以上0.18mm以下である時の評価値が「2.5」以下(使用可能範囲)であることが把握される。他方、凸部32の高さH1が、0.04mm未満または0.18mmより大きくなると、評価値が「2.5」より大きくなり、腐食の観点から使用が困難になることが把握される。
(第2試験の結果についての考察)
凸部32の高さが小さい場合(より具体的には、凸部32の高さH1が、0.02mm未満、あるいは、0.04mm未満である場合)、フィルム(換言すれば、ラベル30)と円筒体11’との間に空気が進入し難いため、円筒体表面の乾燥が進まないものと思われる。その結果、円筒体11’(ステンレス鋼)の湿食が進行する。さらに、円筒体表面の乾燥が長時間かけて行われる結果、最終的な乾燥ポイントに局所的な溶液濃縮部が生じる。そして、当該溶液濃縮部において強い腐食が生じる。
凸部32の高さH1が大きい場合(より具体的には、凸部32の高さH1が、0.18mmより大きい場合、あるいは、0.23mmより大きい場合)、フィルム(換言すれば、ラベル30)と円筒体11’との間に空気が進入し易いため、円筒体表面の乾燥は速い。しかし、円筒体11’および凸部32の表面張力により、円筒体11’と凸部32との間に溶液(例えば、塩分を含む水)が滞留し易い。このため、滞留した溶液の水分が蒸発していく時に、局所的な溶液濃縮部が生じ、当該溶液濃縮部において強い腐食が生じる。この現象は、凸部32の密度が低いほど顕著となる。
凸部32の高さH1が最適範囲内の場合(より具体的には、凸部の高さが0.02mm以上0.23mm以下、あるいは、凸部の高さが0.04mm以上0.18mm以下である場合)、毛管現象により、フィルム(換言すれば、ラベル30)と円筒体11’との間の隙間を通って、溶液(例えば、塩分を含む水)が、フィルムと円筒体11’との間の領域の外部に流出する。その結果、フィルムと円筒体11’との間の滞留液がほとんどなくなる。また、仮に、滞留液があったとしても、滞留液の絶対量が少ないため、溶液の濃縮度が高まらない。このため、ステンレス鋼の腐食が進行しない。また、フィルムと円筒体11’との間の隙間に空気が進入し易いため、円筒体表面の乾燥が妨げられることもない。
なお、円筒体表面(換言すれば、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面21)の乾燥を促進する観点から、図13に示されるように、複数の凸部32の各々に通気孔34が設けられてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、円筒体表面の乾燥を促進する観点から、図14に示されるように、フィルム(換言すれば、ラベル30)のベース部31に複数の通気孔35が設けられてもよい。
(ステンレス鋼製ビール樽の樽表面を保護する方法の例)
図15乃至図17を参照して、ステンレス鋼製ビール樽11の樽表面を保護する方法の例を説明する。図15は、ステンレス鋼製ビール樽11の樽表面を保護する方法の一例を示すフローチャートである。図16は、図16は、ステンレス鋼製ビール樽の樽表面を保護する方法の一工程を模式的に示す図である。図17は、ラベル30が装着されたステンレス鋼製ビール樽11を模式的に示す図である。
第1ステップST1において、図16に示されるように、樹脂製のラベル30が用意される。樹脂製のラベル30は、例えば、樹脂フィルム36と、着色された表示層37とを含む。なお、ラベル30の全領域が着色されていてもよいし、ラベル30の一部領域が着色されていてもよい。
第1ステップST1は、ラベル30を製造することにより行われてもよいし、ラベル30を購入等により調達することにより行われてもよい。図16から把握されるように、ラベル30には、ステンレス鋼製ビール樽11の腐食を抑制するために、ベース部31から突出する複数の凸部32が設けられている。
なお、第1ステップST1(樹脂製のラベルを用意する工程)は、樹脂フィルム36に表示層37を印刷する印刷工程と、印刷工程の後に、樹脂フィルム36にエンボス加工を施すエンボス加工工程とを備えていてもよい。この場合、エンボス加工工程により、複数の凸部32が形成されることとなる。代替的に、エンボス加工工程の後に、印刷工程が実行されても構わない。
第2ステップST2において、ラベル30がステンレス鋼製ビール樽11の胴部に装着される。図17に記載の例では、ラベル30の複数の凸部32が、ステンレス鋼製ビール樽11の樽表面21に接触するように、ラベル30がステンレス鋼製ビール樽11の胴部に装着される。
第2ステップST2(換言すれば、装着工程)は、例えば、ステンレス鋼製ビール樽11における溶接部14を、ラベル30によって覆うことを含む。溶接部14が、複数の凸部32を有するラベル30で覆われることにより、樽表面21の腐食が抑制される。また、溶接部14が、複数の凸部32を有するラベル30で覆われることにより、溶接部14が隠されて見栄えが向上する。溶接部14が環状の溶接部である場合には、環状のラベル30によって、環状の溶接部の全体が覆われることが好ましい。
なお、ステンレス鋼製ビール樽は、図3に例示された2ピース樽であってもよいし、図4に例示された3ピース樽であってもよいし、その他の形態のビール樽であってもよい。また、凸部32の形状、サイズ、密度、または、高さは、上述の第1試験および/または第2試験において、少なくとも評価値が「3」以下、より好ましくは、「2.5」以下あるいは「2」以下となるような形状、サイズ、密度、または、高さであることが好ましい。
上述の第2ステップST2において、ラベル30が、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部の周囲に環状に配置される場合、換言すれば、ラベル30が、環状のラベルである場合について想定する。この場合、ラベル30を、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部の周囲に環状に配置する工程は、以下の3つの工程を含んでいてもよい。
すなわち、帯状ラベルの1つの端部を、帯状ラベルの他の部分に溶着して、第1の直径を有する環状ラベルを形成する第1工程と、環状ラベルを、第2の直径になるように引き延ばしつつ、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部の周囲に配置する第2ステップと、引き延ばされた環状ラベルが元の第1の直径に戻ろうとする弾性力を利用して、環状ラベル(30)をステンレス鋼製ビール樽11の胴部に装着する第3工程とを含んでいてもよい。代替的に、ラベル30を、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部の周囲に環状に配置する工程は、以下の4つの工程を含んでいてもよい。すなわち、帯状ラベルを引き延ばしつつ、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部の周囲に配置する第1工程と、帯状ラベルの1つの端部と、帯状ラベルの他の部分とを互いに重ね合わせて第2の直径を有する環状ラベルを形成する第2ステップと、環状ラベルの重ね合わせ部を溶断する(環状ラベルの重ね合わせ部を溶着しつつ、環状ラベルを帯状ラベルの繰り出し側から分離する)第3工程と、引き延ばされた環状ラベルの径が、弾性力によって、第2の直径よりも小さくなることにより、ラベル30をステンレス鋼製ビール樽11の胴部に装着する第4工程と、を含んでいてもよい。なお、帯状ラベルの1つの端部と、帯状ラベルの他の部分との間の溶着は、例えば、汎用の溶着機によって行われる。また、環状ラベルまたは帯状ラベルの引き延ばしは、任意の機械によって行うことができる。例えば、当該引き延ばしは、複数の棒状部材を互いに離間する方向に移動させることによって行われてもよい。
ラベル30が、環状ラベルである場合には、ラベルをステンレス鋼製ビール樽11の胴部に接着することは不要である。しかし、実施形態では、環状ラベルを、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部に接着することは排除されない。換言すれば、必要に応じて、環状ラベルを、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部に接着してもよい。ただし、環状ラベルを、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部に接着しない方が、ラベルの交換が容易である。ステンレス鋼製ビール樽11の製品寿命は、数年から数十年である。このため、1つのステンレス鋼製ビール樽11に対して、ラベルの交換が多数回(場合によっては、100回以上)行われることが想定される。このため、ラベルの交換は容易であることが好ましい。
なお、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部15に装着されるラベルが、図4において例示されたラベル30’である場合には、ラベル30’は、汎用のラベル貼付機を用いて、ステンレス鋼製ビール樽11の胴部に装着される。
(ラベル30の材質)
ラベル30を構成する樹脂フィルム36の材質に特に制限はない。樹脂フィルム36の材質は、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リニア低密度ポリエチレン(L−LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PST)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンと酢酸ビニルの共重合体(EVA)、ナイロン(あるいは、ポリアミド(PA))、ビニロン(あるいは、ポリビニルアルコール(PVA))、ポリエチレンナフタレート(PEN)、または、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。
(表示層の機能)
表示層37の機能について説明する。表示層37は着色されている。ステンレス鋼製ビール樽11を使用する使用者は、当該着色部分を見ることにより、ステンレス鋼製ビール樽11に関する情報、例えば、ビール樽内の内容物の種類、ビールの製造会社等を把握することができる。加えて、表示層37は、溶接部14を隠すことができる。
(実施形態におけるステンレス鋼製飲料容器)
図3、図4、あるいは、図17に示されるように、実施形態におけるステンレス鋼製ビール樽11は、胴部15と、胴部に装着されるラベル30とを具備する。ラベル30は、ベース部31と、ベース部31からステンレス鋼製ビール樽11に向かって突出する複数の凸部32とを備える。そして、複数の凸部32は、胴部15に接触している。凸部32の密度、および、凸部32の高さH1は適度に設定されており、ラベル30のベース部31とステンレス鋼製ビール樽11との間の隙間をとおって、溶液(例えば、塩分を含んだ水)が下方に流出可能である。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態にも適用可能である。さらに、各実施形態における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
1 :ステンレス鋼製ビール樽
2 :上部パーツ
3 :下部パーツ
4 :溶接部
11 :ステンレス鋼製ビール樽
11' :円筒体
12 :上部パーツ
13 :下部パーツ
14 :溶接部
14a :上側溶接部
14b :直線状溶接部
14c :下側溶接部
15 :胴部
16 :胴体パーツ
17 :第1端面
17a :開口部
18 :第2端面
20 :被装着部
21 :樽表面
22 :突出部
23 :突出部
30 :ラベル
30' :ラベル
30a :ポリエチレンフィルム
31 :ベース部
32 :凸部
33、33a、33b:接触部
34、35:通気孔
36 :樹脂フィルム
37 :表示層
41 :上部プロテクタ
42 :脚部
43 :下部プロテクタ
A :領域
G :隙間
H1 :高さ
L1 :長手方向中心軸

Claims (8)

  1. 樹脂製のラベルを用意する工程と、
    前記ラベルをステンレス鋼製飲料容器の胴部に装着する装着工程と
    を具備し、
    前記ラベルは、
    ベース部と、
    前記ベース部から前記ステンレス鋼製飲料容器に向かって突出する複数の凸部と
    を備え、
    前記複数の凸部は、前記ステンレス鋼製飲料容器に接触している
    ステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  2. 前記装着工程は、前記ステンレス鋼製飲料容器における溶接部を、前記ラベルによって覆うことを含む
    請求項1に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  3. 前記複数の凸部の密度は、3.57個/cm以上である
    請求項1または2に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  4. 前記複数の凸部の前記ベース部からの高さは、0.02mm以上0.23mm以下である
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  5. 前記複数の凸部の各々に通気孔が設けられているか、あるいは、前記ベース部に複数の通気孔が設けられている
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  6. 前記複数の凸部の各々と前記ステンレス鋼製飲料容器との間の接触面積は、0.25cm未満である
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  7. 樹脂製のフィルムに表示層を印刷する印刷工程と、
    前記印刷工程の後に、前記フィルムにエンボス加工を施すエンボス加工工程と
    を備え、
    前記エンボス加工工程により、前記複数の凸部が形成される
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のステンレス鋼製飲料容器の容器表面を保護する方法。
  8. ステンレス鋼製の胴部と、
    前記胴部に装着されるラベルと
    を具備し、
    前記ラベルは、
    ベース部と、
    前記ベース部から前記胴部に向かって突出する複数の凸部と
    を備え、
    前記複数の凸部は、前記胴部に接触している
    ステンレス鋼製飲料容器。


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JP2008207859A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Dainippon Printing Co Ltd シュリンクラベル

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