JP2005280789A - ボトルのシュリンク包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボトルのシュリンクラベルによって覆われている部分が破損した場合に、その旨を容易に察知することが可能なボトルのシュリンク包装体を提供する。
【解決手段】ボトル1と、このボトル1の少なくとも胴体部10に外嵌装着された筒状のシュリンクラベル2とを備えている、ボトルのシュリンク包装体Aであって、シュリンクラベル2の少なくとも内面には皺が生じていることにより、このシュリンクラベル2の内面とボトル1の表面との間には、ボトル1の高さ方向に延び、かつボトル1が破損したときにこのボトル1から漏れた液体の通路となる複数条の空隙部4が形成されており、複数条の空隙部4の下部には、これら空隙部4の内部から外部への液体の漏出を可能とする開口部40が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、飲料用液などが内部に収容されたボトルにシュリンクラベルを外嵌装着させた構成を有するボトルのシュリンク包装体に関し、さらに詳しくは、ボトルの保護を図ることができるとともに、ボトルが万が一損傷したときにはその状況を的確に察知することができるようにされたボトルのシュリンク包装体に関する。
従来より、飲料用液などを収容したボトルにシュリンクラベルを外嵌装着することが多々なされている(たとえば、特許文献1〜3を参照)。このような構成によれば、シュリンクラベルを利用して商品名などを表示し、かつボトルを保護することができる。
シュリンクラベルは、熱収縮性を有するたとえば合成樹脂製フィルムからなり、従来では、このシュリンクラベルをボトルに外嵌させてから熱収縮させることにより、シュリンクラベルの内面全体をボトルの表面に密着させるようにしている。
しかしながら、上記した従来のものにおいては、次に述べるように、改善すべき点があった。
すなわち、たとえばガラス製のボトルを取り扱う際には、ボトルが強い衝撃を受けるなどして、ボトルのシュリンクラベルが装着されている部分にひび割れなどの破損を生じる場合がある。このような場合、シュリンクラベルは大きく破れることなくボトルの破損箇所がシュリンクラベルによって覆われたままとなる場合がある。従来のものにおいては、このような場合に、ボトル内に収容されている液体が破損個所から外部に漏れ難いものとなっていた。また、上記破損箇所がシュリンクラベルによって覆われていると、これを目視により気付く可能性も低い。このような理由から、従来技術においては、ボトルが破損しているにも拘わらず、消費者などがそのような事態を容易に察知することができない場合あった。このような事態は、できる限り解消することが要望される。
なお、特許文献2,3には、シュリンクラベルの外周面に皺を発生させたものが記載されている。ところが、これらの文献に記載のものでは、シュリンクラベルの緩衝機能を高めてボトルの保護強化を図ることはできるものの、上記した要望には的確に応えることができない。
特許第3422907号公報 実開平1−158465号公報 実開昭64−2780号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ボトルのシュリンクラベルによって覆われている部分が破損した場合に、その旨を容易に察知することが可能なボトルのシュリンク包装体を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるボトルのシュリンク包装体は、ボトルと、このボトルの少なくとも胴体部に外嵌装着された筒状のシュリンクラベルと、を備えている、ボトルのシュリンク包装体であって、上記シュリンクラベルの少なくとも内面には皺が生じていることにより、このシュリンクラベルの内面と上記ボトルの表面との間には、上記ボトルの高さ方向に延び、かつ上記ボトルが破損したときにこのボトルから漏れた液体の通路となる複数条の空隙部が形成されており、上記複数条の空隙部の下部には、これら空隙部の内部から外部への液体の漏出を可能とする開口部が設けられていることを特徴としている。
このような構成によれば、ボトルのシュリンクラベルによって覆われている胴体部が破損すると、ボトル内に収容されていた液体は、破損箇所を通過してボトルの表面とシュリンクラベルの内面との間の空隙部に流出し、その後この空隙部の下部の開口部に到達することにより、ボトルおよびシュリンクラベルの外側に漏れることとなる。このような液体の漏れであれば、消費者などが容易に気付く。したがって、本発明によれば、ボトルに割れなどの損傷が発生していることを液体の漏れによって迅速に察知することができ、破損したままのボトルを使用し続けるといったことが的確に回避される。もちろん、ボトルが破損していない通常状態においては、シュリンクラベルによってボトルを保護する作用が得られる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の空隙部としては、上記シュリンクラベルの上端縁から下端縁まで一連に延びたものがあり、これら空隙部の下端は上記開口部とされている一方、これら空隙部の上端は、通気用の開口部となっている。このような構成によれば、ボトル内の液体が空隙部に流出してこの空隙部の下端に向けて流れるときに、この空隙部内にはその上端の通気用の開口部から空気を流入させることができる。したがって、空隙部内における液体の流れがスムーズとなり、ボトルが破損した際の液体の漏れが促進される。また、上記構成によれば、空隙部の下端および上端を、そのまま液体の漏出を可能とする開口部および通気用の開口部としており、シュリンクラベルに穴をあけるといった必要はなく、その製造は容易である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シュリンクラベルは、上記ボトルの高さ方向にそれぞれ延びる複数ずつの熱収縮部およびこの熱収縮部よりも熱収縮率が小さい非熱収縮部が上記ボトルの胴体部の周方向に交互に並んだストライプ状に設けられ、かつ上記熱収縮部が収縮していることにより上記皺が生じた構成とされており、上記ボトルの胴体部は、このボトルの底部寄りに位置する第1領域と、この第1領域の上部に繋がり、かつこの第1領域よりも小径または小幅の第2領域とを有し、上記各熱収縮部の上記周方向における幅は、上記第1領域に外嵌されている部分よりも上記第2領域に外嵌されている部分の方が大きくされている。このような構成によれば、ボトルの表面とシュリンクラベルの内面との間に位置する液体通過用の空隙部は、シュリンクラベルの熱収縮部と非熱収縮部との熱収縮差を利用して形成されているために、シュリンクラベルをボトルに装着する作業は、従来と同様に、筒状のシュリンクラベルをボトルに緩く外嵌してからこのシュリンクラベルを加熱するだけでよく、シュリンクラベルの装着作業が煩雑化するといった不具合はない。また、ボトルの胴体部の第2領域は、第1領域よりも小径または小幅であるのに対し、シュリンクラベルの各熱収縮部の幅は、上記第2領域に外嵌される部分の幅が大きくされていることにより、第1領域に外嵌される部分よりも熱収縮量が多くなる。したがって、シュリンクラベルをボトルの第1領域および第2領域のそれぞれに対して適切にフィットさせることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シュリンクラベルは、熱収縮性を有する筒状の外フィルムと、この外フィルムの内側に積層され、かつ上記外フィルムよりも熱収縮率が小さい内フィルムと、これら内フィルムおよび外フィルムを互いに接着させる接着剤と、を備えており、上記外フィルムおよび内フィルムのうち、上記接着剤を介して接着された領域が、上記非熱収縮部であるとともに、上記接着剤による接着がなされていない領域が、上記熱収縮部である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シュリンクラベルは、上記ボトルの底面部をも覆っており、かつ上記シュリンクラベルのうち、上記ボトルの胴体部を覆う部分には、上記複数の空隙部と連通する孔が形成されていることにより上記液体の漏出を可能とする開口部が設けられている。このような構成によれば、シュリンクラベルによってボトルの底面部の保護を図ることもできる。ボトルが破損した際にはボルトに収容されていた液体が上記開口部からシュリンクラベルの外面側に適切に漏れることとなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記シュリンクラベルは、上記ボトルの上部または上部に装着されたキャップの上面をも覆っており、かつ上記シュリンクラベルのうち、上記液体の漏出を可能とする開口部よりも上方の部分には、上記複数の空隙部と連通する通気用の開口部が設けられている。このような構成によれば、シュリンクラベルによってボトルの上部およびその近傍部分の保護を図ることもできる。空隙部と連通する通気用の開口部が設けられていることにより、ボトルに収容されていた液体が上記空隙部を介して外部に漏れる作用が促進される。
本発明のその他の特徴および利点については、以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明に係るボトルのシュリンク包装体の一例を示している。図1によく表われているように、本実施形態のボトルのシュリンク包装体Aは、ボトル1に筒状のシュリンクラベル2が外嵌装着され、かつこのシュリンクラベル2の内面とボトル1の外面との間には、複数の空隙部4が形成された構成を有している。
ボトル1は、ガラス製であり、その内部には水あるいはジュースなどの飲料用液が収容されている。このボトル1の胴体部10は、略円筒状の第1領域10aと、この第1領域10aの上部に繋がった第2領域10bとを有しており、第2領域10bは、上方に進むほど徐々に小径となるように、その外周面がテーパ面とされた形態を有している。胴体部10の上部には、首部11およびボトル1の最上部としての頭部12が繋がって設けられ、頭部12にはキャップ3が装着されている。
シュリンクラベル2は、図3によく表われているように、熱収縮性を有する筒状の外フィルム20の内側に、非熱収縮性の筒状の内フィルム21が積層され、かつこれらが接着剤22を介して接着された構成を有している。外フィルム20は、たとえば厚みが20〜80μm程度で、熱収縮率が50〜80%(90°C)の透明な熱収縮性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであり、その内面には商品名などの印刷(図示略)が施されており、この印刷は外部から目視できるようになっている。内フィルム21は、たとえば厚みが5〜50μm程度の非熱収縮性PETフィルムである。この内フィルム21の内面は、親水性を有していることが好ましい。親水性を有していると、この内フィルム21の内面に液体(水)が接触したときにこの内面に沿って液体が広がり易くなり、後述する液体の流出を促進するのに好適となる。親水性をもたせるための処理は、親水性樹脂のコーティング、あるいはコロナ放電処理などによって行なうことができる。接着剤22は、たとえば樹脂製フィルムを接着する場合に一般的によく用いられているいわゆるドライラミネート用の接着剤である。
外フィルム20は、本来的にはその全体が熱収縮可能であるものの、この外フィルム20のうち、接着剤22を介して内フィルム21と接着された部分は熱収縮が抑制された部分となる。このようなことにより、このシュリンクラベル2においては、接着剤22を介して外フィルム20と内フィルム21とが接着された領域は、熱収縮が抑制された非熱収縮部Saとなっている。それ以外の領域は、外フィルム20が内フィルム21に皺を生じさせながら熱収縮した熱収縮部Sbとなっている。
複数の空隙部4は、シュリンクラベル2が加熱されて、内フィルム21がボトル1の胴体部10の周方向に多数の皺を生じていることにより形成されたものである。これら空隙部4が形成される原理については後述する。図2によく表われているように、各空隙部4は、ボトル1の高さ方向に一連に延びており、各空隙部4の下端は、下向きに開口した液体漏出用の開口部40となっている。各空隙部4の上端は、上向きに開口した通気用の開口部41となっている。
シュリンクラベル2は、図4に示すように、矩形シート状のラベル2'を筒状に形成してから、これをボトル1に緩く外嵌させて加熱し、収縮させることにより作製されたものである。ラベル2'は、図5(a)に示すように、外フィルム20に接着剤22を介して内フィルム21を接着したものであり、この点はシュリンクラベル2と同様である。ただし、このラベル2'は未だ加熱されていないために、内フィルム21には未だ皺は発生していない。このラベル2'を加熱すると、外フィルム20のうちの熱収縮部Sbが矢印n1方向に収縮して非熱収縮部Saよりも多く収縮し、かつ内フィルム21が外フィルム20よりも収縮しない結果 (図3の仮想線で示す部分も参照)、内フィルム21の対応箇所には弛みが生じ、これが皺となる。このような作用を利用して、上記した空隙部4を発生させることができる。
図5(b)は、矩形シート状のラベル2'の非熱収縮部Sa(網点模様が付された部分)および熱収縮部Sbの正面視形状を模式的に示している。同図に示すように、非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbは、このラベル2'の幅方向(左右方向)に交互に並んだストライプ状であり、いずれもラベル2'の上端縁から下端縁まで一連に延びるように形成されている。ラベル2'の高さ方向中間部および下部寄りの領域Laにおいては、非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbの幅s1,s2はそれぞれ一定である。これに対し、ラベル2'の上部寄りの領域Lbにおいては、ラベル2'の上端寄りになるほど非熱収縮部Saの幅が狭くなる一方、熱収縮部Sbの幅が広くなるように形成されている。ちなみに、それらの幅の一例を示すと、s1は、10mm程度であり、幅s2は、4mm程度である。非熱収縮部Saの最上端の幅s3は、4mm程度であり、熱収縮部Sbの最上端の幅s4は、10mm程度である。領域Laは、ボトル1の胴体部10の第1領域10aに外嵌される部分であり、領域Lbは、胴体部10の第2領域10bに外嵌される部分である。ラベル2'の幅方向両端部分は、このラベル2'を筒状に形成する際の接着代となる部分である。
図1〜図3に示したシュリンクラベル2は、加熱処理による熱収縮が既になされたものであるために、ラベル2'とは非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbのサイズおよび内フィルム21に皺を生じている点が相違するものの、非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbの基本的な平面視形状や配列態様などについては同様である。本実施形態のボトルのシュリンク包装体Aにおいては、それら複数の非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbがボトル1の胴体部10の外周面に沿って交互に並び、このことによって上記した複数の空隙部4が形成されている。
次に、上記したボトルのシュリンク包装体Aの作用について説明する。
まず、ボトル1の胴体部10は、シュリンクラベル2によって覆われて保護されているために、他の物品類との衝突などに起因して容易に破損することが抑制される。とくに、内フィルム21には複数の空隙部4を生じさせる複数の皺が発生しているために、これらの空隙部4や皺が優れた緩衝作用を発揮することとなって、ボトル1の破損抑制効果がより高められる。
次いで、胴体部10に大きな衝撃が付与されるなどして、胴体部10が破損した場合において、シュリンクラベル2がその破損箇所を覆っていると、その破損個所からボトル1内の液体が空隙部4に流出する。すると、この液体は、その後この空隙部4内をその下方に流れて開口部40からボトル1およびシュリンクラベル2の外側に漏れる。このような液体の漏れは、たとえば消費者にとって発見し易く、この漏れを発見することによりボトル1が破損していることを迅速かつ的確に察知することができる。もちろん、シュリンク包装体Aの工場における製造・出荷段階、その後の流通段階、および店頭での販売段階においても、ボトル1に破損があれば、液体の漏れによってその旨を的確に察知し、適切な処置を採ることができる。液体が空隙部4内を流れる際には、通気用の開口部41からこの空隙部4内に外部の空気が流入し、上記液体の排出が促進される。したがって、開口部40から漏れる液体の量を多くして、ボトル1が破損している際にその旨を消費者などにより判り易くする効果も得られる。
このシュリンク包装体Aにおいては、空隙部4を形成する手段として、収縮性が異なる外フィルム20と内フィルム21とを積層したシュリンクラベル2に複数の非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbを形成し、両フィルム20,21の熱収縮差を利用して内フィルム21に皺を生じさせており、このシュリンクラベル2の装着作業としては、既述したとおり、ボトル1へのラベル外嵌作業および加熱作業を行なうだけでよい。したがって、特殊な装置類を用いたり、あるいは従前の作業と比べて余分な作業を追加実行するような必要はなく、装着作業性も良い。外フィルム20の全体の収縮量については、その厚みや材質にもよるが、加熱の度合いを高めることによって大きくすることができるために、シュリンクラベル2がボトル1から脱落しないようにこのシュリンクラベル2をボトル1に対してしっかりと装着させておくこともできる。また、外フィルム20については大きな皺が生じないようにすることができ、しかもこの外フィルム20によって内フィルム21の皺を覆い隠すことができるために、このシュリンクラベル2の見栄えもよく、シュリンク包装体Aの商品価値を高めるのに好適となる。さらに、ボトル1の胴体部10は、その直径が一定ではなく、第2領域10bは、上方に進むほど小径となっているのに対し、シュリンクラベル2のその部分に対応する領域Lbは、熱収縮部Sbの幅が上方に進むほど大きく、熱収縮量が大きくなるように構成されている。したがって、それら第2領域10bに対してもシュリンクラベル2の内面部をしっかりと圧接させて、シュリンクラベル2がボトル1の表面から剥離した状態とならないようにすることができる。
図6〜図10は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図6に示すボトルのシュリンク包装体は、ボトル1の胴体部10の第1領域10cと、この第1領域10cの直径D1よりも小さい直径D2の第2領域10dとに跨ってシュリンクラベル2Aが外嵌装着されている。シュリンクラベル2Aは、上記したシュリンクラベル2と同様に、熱収縮性の外フィルムの内側に接着剤を介して非熱収縮性の内フィルムが接着され、複数の非熱収縮部および熱収縮部が設けられた構成を有している。ただし、それら非熱収縮部および熱収縮部は、上記実施形態とは異なる構成とされている。すなわち、図7は、シュリンクラベル2Aを加熱する前の平面状に展開した状態における非熱収縮部Saおよび熱収縮部Sbの構成を模式的に示している。非熱収縮部Saとしては、このシュリンクラベル2Aの幅方向に一定間隔で並び、かつこのシュリンクラベル2Aの上端から下端まで一連に延びた複数の第1の非熱収縮部Sa1と、これら第1の非熱収縮部Sa1間に位置する複数の第2の非熱収縮部Sa2とがある。第2の非熱収縮部Sa2は、シュリンクラベル2Aの下部寄り領域Lcのみに設けられ、上部寄り領域Ldには設けられていない。このため、各熱収縮部Sbは、下部寄り領域Lcにおいては第2の非熱収縮部Sa2を挟む細い2つの筋状に分岐しており、これらの部分のそれぞれの幅s5の合計値は、上部寄り領域Ldにおける幅s6よりも小さくなっている。シュリンクラベル2Aの下部寄り領域Lcは、図6に示すボトル1の第1領域10cに外嵌される部分であり、また上部寄り領域Ldは、第2領域10dに外嵌される部分である。
このような構成によれば、シュリンクラベル2Aのうち、第1領域10cに外嵌されている部分よりも、第2領域10dに外嵌されている部分の方が、熱収縮部Sbの幅が大きくされ、熱収縮量を多くすることができる。したがって、第1領域10cおよび第2領域10dのそれぞれに対してシュリンクラベル2Aの内面部をしっかりと圧接させ、シュリンクラベル2Aの適切な装着を行なうことができる。本実施形態および上記実施形態から理解されるように、本発明において、シュリンクラベルに複数の非熱収縮部および熱収縮部を設けた場合には、シュリンクラベルが外嵌装着されるボトルの胴体部の直径または幅が一定ではなく、直径または幅が大小相違する部分が存在する場合に、これに対応させてシュリンクラベルの非熱収縮部および熱収縮部の幅を相違させることにより、シュリンクラベル全体をボトルの胴体部に対してより適切に装着することができる効果が得られる。胴体部は、円筒状である必要はなく、角筒状などの他の形状であってもかまわないことは勿論である。
図8に示すボトルのシュリンク包装体は、シュリンクラベル2の下部24が、ボトル1の底面部13の下に廻り込んでおり、底面部13の周縁部を覆った構成を有している。シュリンクラベル2の胴体部10の外周面を覆う領域の下部には、複数の開口部40Aが設けられている。これらの開口部40Aは、シュリンクラベル2の厚み方向に貫通した複数の孔をミシン目状に設けることにより形成されたものであり、空隙部4と連通している。
このような構成によれば、ボトル1の胴体部10が破損し、ボトル1内の液体が空隙部4に流出したときに、この液体は開口部40Aからシュリンクラベル2の外面側に漏れることとなる。シュリンクラベル2の下部を底面部13の下に廻り込ませた場合には、この部分において空隙部4が潰れてしまい、空隙部4の端部から液体が漏れなくなる虞れがあるが、上記構成によれば、開口部40Aから液体が漏れるために、ボトル1が破損した旨を消費者などに察知させることの確実化が図られる。また、上記構成によれば、ボトル1の底面部13もシュリンクラベル2によって保護される。
図9示すボトルのシュリンク包装体は、シュリンクラベル2が胴体部10よりも上方に延びたサイズとされ、その上部25はボトル1のキャップ3の上に廻り込んだ構成を有しており、この点が図8に示すものとは相違している。また、シュリンクラベル2の胴体部10を覆う部分よりも上方には、複数の通気用の開口部41Aが設けられている。これらの開口部41Aは、開口部40Aと同様に、ミシン面状に並んでおり、複数の空隙部4と連通している。
このような構成によれば、ボトル1の全体または略全体がシュリンクラベル2によって覆われるために、ボトル1の全体の保護を図るとともに、特異なデザインの包装形態を醸し出すことができる。また、複数の空隙部4の上端がキャップ3の上において潰れている場合であっても、ボトル1が破損して液体が空隙部4に流出したときには、通気用の開口部41Aから空隙部4内に空気を適切に流入させることができるために、上記液体が開口部40Aから漏れることが適切に促進される。通気用の開口部41Aが胴体部10よりも上方に設けられていれば、胴体部10の上部が破損して液体が漏れる場合に、この開口部41Aが液体の漏れ口とならないようにし、空隙部4に空気を適切に流入させることが可能であるので好ましい。ただし、シュリンクラベル2のうち、胴体部10に外嵌される部分に通気用の開口部41Aを設けた構成としてもかまわない。尚、通気用の開口部は、例えば、針穴のような穴をシュリンクラベル2の全面に多数設けたものでも良い。
図10に示すシュリンクラベル2Bは、熱収縮性フィルム23の片面23aに非熱収縮性の塗工剤22が塗布された構成を有している。ただし、熱収縮性フィルム23には、非熱収縮性のフィルムがラミネートされておらず、この点が上述したシュリンクラベル2,2Aとは相違している。片面23aは、商品名などの印刷(図示略)が施される面であり、この印刷の上から塗工剤22が塗布される。また、このシュリンクラベル2Bをボトル1に装着する際には、塗工剤22がボトル1の胴体部10の外面に接触する向きとされる。
上記構成においては、熱収縮性フィルム23に対する塗工剤22の相対的な厚みを大きめにすると、熱収縮性フィルム23のうち、塗工剤22が塗布された部分の熱収縮を抑制することが可能である。したがって、このシュリンクラベル2Bにおいては、塗工剤22が塗布されている領域は、非熱収縮部であるとともに、それ以外の塗工剤22が塗布されていない領域は、熱収縮部となる。これら非熱収縮部および熱収縮部は、たとえば図5(b)や図7を参照して説明したのと同様な態様に設ければよい。このシュリンクラベル2Bを加熱すると、熱収縮性フィルム23のうち、塗工剤22が塗布されていない領域は収縮するのに対し、塗工剤22が塗布されている領域については塗工剤22によってその収縮が妨げられ、非収縮となる結果、皺が発生し易く、その結果本発明が意図する液体通過用の空隙部をボトルの外面との間に形成することが可能である。本発明においては、このような構成のシュリンクラベルを用いてかまわない。
本発明の内容は、上述した実施形態に限定されない。本発明に係るボトルのシュリンク包装体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明は、ボトルを広い面積で覆う場合により優れた効果を奏することとなるが、その面積の割合などは限定されない。ボトルの胴体部の少なくとも一部分にシュリンクラベルが外嵌装着された構成であれば、本発明を適用することができる。
シュリンクラベルの具体的な材質、印刷の有無なども限定されない。また、本発明でいう非熱収縮性と熱収縮性とは相対的な概念である。したがって、本発明でいう非熱収縮性とは、熱収縮率がゼロである意味ではなく、対比対象となる熱収縮性の部材よりも熱収縮率が低いことを意味している。接着剤(塗工剤)22の塗布領域(非熱収縮部Sa)は、上述の実施形態では、ボトルの形状(シュリンクラベルの熱収縮量)に合わせて図5(b)や図7のようにしたが、上端から下端までを略均一な幅のストライプ状にしてもよい。この場合、最大の収縮量に合わせて熱収縮部と非熱収縮部との割合を定めればよい。また、液漏れが発生する際に液体と直接接触を行なうシュリンクラベルの内面については、親水処理を行なうことが好ましいことは既に述べたとおりであるが、ボトルに油性液体が収容されている場合には、シュリンクラベルの内面に親油性をもたせることが好ましい。
液漏れを生じさせるための空隙部は、ボトルの高さ方向に延びている必要があるものの、多少は斜めに傾いていてもかまわない。また、空隙部は、水などの液体が通過可能なサイズであればよく、その具体的なサイズは限定されない。さらに、空隙部は、シュリンクラベルの上端縁から下端縁にわたって一連に延びた形態に設けることが好ましいものの、やはりこれに限定されない。たとえば、シュリンクラベルの上端縁近傍には空隙部を設けることなく、シュリンクラベルの高さ方向中間位置からその下方に向けて空隙部が延びた構成とすることもできる。
ボトルがガラス製の場合には破損を生じ易いために、ガラス製のボトルを包装する場合に本発明は最適である。ただし、ボトルがたとえば樹脂製などの他の材質の場合であっても損傷する場合があり、ボトルの材質も問うものではない。もちろん、ボトルの具体的な形状やサイズも限定されない。
本発明に係るボトルのシュリンク包装体の一実施形態を示す斜視図である。 図1のII−II断面図である。 図2のIII −III 断面図である。 図1ないし図3に示すボトルのシュリンク包装体の作成手順を示す斜視図である。 (a)は、シュリンクラベルが加熱される前の展開状態の構成の一例を示す要部断面図であり、(b)は、その模式的正面図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図である。 図6に示す実施形態に用いられているシュリンクラベルが加熱される前の展開状態の構成の模式的正面図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。 本発明の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態を示す要部断面図である。
符号の説明
A ボトルのシュリンク包装体
Sa 非熱収縮部
Sb 熱収縮部
1 ボトル
2,2A シュリンクラベル
4 空隙部
10 胴体部
20 外フィルム
21 内フィルム
22 接着剤
40,40A 開口部
41,41A 開口部

Claims (3)

  1. ボトルと、このボトルの少なくとも胴体部に外嵌装着された筒状のシュリンクラベルと、を備えている、ボトルのシュリンク包装体であって、
    上記シュリンクラベルの少なくとも内面には皺が生じていることにより、このシュリンクラベルの内面と上記ボトルの表面との間には、上記ボトルの高さ方向に延び、かつ上記ボトルが破損したときにこのボトルから漏れた液体の通路となる複数条の空隙部が形成されており、
    上記複数条の空隙部の下部には、これら空隙部の内部から外部への液体の漏出を可能とする開口部が設けられていることを特徴とする、ボトルのシュリンク包装体。
  2. 上記複数の空隙部としては、上記シュリンクラベルの上端縁から下端縁まで一連に延びたものがあり、これら空隙部の下端は上記開口部とされている一方、これら空隙部の上端は、通気用の開口部となっている、請求項1に記載のボトルのシュリンク包装体。
  3. 上記シュリンクラベルは、上記ボトルの高さ方向にそれぞれ延びる複数ずつの熱収縮部およびこの熱収縮部よりも熱収縮率が小さい非熱収縮部が上記ボトルの胴体部の周方向に交互に並んだストライプ状に設けられ、かつ上記熱収縮部が収縮していることにより上記皺が生じた構成とされており、
    上記ボトルの胴体部は、このボトルの底部寄りに位置する第1領域と、この第1領域の上部に繋がり、かつこの第1領域よりも小径または小幅の第2領域とを有し、
    上記各熱収縮部の上記周方向における幅は、上記第1領域に外嵌されている部分よりも上記第2領域に外嵌されている部分の方が大きくされている、請求項1または2に記載のボトルのシュリンク包装体。
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