JP5648164B2 - ラベル付き容器 - Google Patents
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Description
また、宣伝広告や商品の注意書きなどが表示された熱収縮性筒状ラベルを、容器に熱収縮によって装着したラベル付き容器も広く用いられている。この熱収縮した熱収縮性筒状ラベルは、それ自身の収縮力(締付け力)によって、容器の外面に強く密着している。そのため、容器にひび割れが生じていても、熱収縮性筒状ラベルの締付け力によって容器が実際には割れない。従って、容器のひび割れが発見し難いという問題点がある。
すなわち、特許文献1のラベル付き容器は、ガラス瓶の胴部と底部との間に面取り部が形成され、この面取り部又は底部にシュリンクラベルの下端が係止され、ガラス瓶の胴部に複数の縦溝が形成され、この縦溝の上端がシュリンクラベルの上端よりも下方に位置し且つ縦溝の下端がシュリンクラベルの下端よりも上方に位置し、シュリンクラベルには、縦溝内と外部とを連通する連通孔が、縦溝の下端近傍位置と該下端近傍位置から所定距離上方の上方位置とに形成されている。
このシュリンクラベルには、周方向に延びる横ミシン目が上下2箇所形成されており、シュリンクラベルの上端から上側横ミシン目にまで縦方向に延びる縦ミシン目が一対形成されている。
そして、特許文献1には、容器にひびが生じた場合、液体が容器の縦溝から下方に流れ、シュリンクラベルの挿通孔を通じて外部に漏れ出るので、この漏れ出た液体によって、容器のひび割れを発見できると記載されている。
好ましくは、第1及び第2縦切断用補助線が、それぞれ前記筒状体の下縁にまで形成されており、前記横切断用補助線、筒状体の上縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の全体が、前記容器の外面に接着されていない。
かかる上方領域及び帯状領域を除去することにより、熱収縮性筒状ラベルが完全に分断されるので、容器に対する熱収縮性筒状ラベルの締付け力が解除される。かかる締付け力の解除によって、もし容器にひび割れが生じている場合には、容器が実際に割れるので、容器のひび割れを容易に発見できる。
また、熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して容器の外面に接着されているので、上記のように上方領域及び帯状領域を除去した後でも、熱収縮性筒状ラベルの残る部分が容器から外れることがない。
上記好ましいラベル付き容器においては、第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、肉厚なセンターシール部を挟んで形成されている。このため、熱収縮性筒状ラベルを切り取る際に生じる切断線が第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線から外れても、センターシール部の両側端縁に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベルを確実に分断できる。
上記他の好ましいラベル付き容器においては、傾斜切断用補助線の貫通孔部がセンターシール部の側端縁に跨って形成されているので、この貫通孔部がセンターシール部を切断する切断起点となる。このため、傾斜切断用補助線に従ってセンターシール部を横切って切断できる。
ただし、用語の接頭語として、「第1」、「第2」などを用いるが、これは、用語を区別するために付するものであり、その優劣、順序などを意味するものではない。また、方向を示す用語として、「上」は、自立状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面から鉛直方向へ離れる方向を指す。「下」は、同状態のラベル付き容器を基準として、自立させた面に近づく方向を指す。「上下方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準として、熱収縮性筒状ラベルの軸線方向を指し、「周方向」とは、同状態のラベル付き容器を基準にして、熱収縮性筒状ラベルの軸線周り方向を指す。
第1縦切断用補助線、第2縦切断用補助線、横切断用補助線及び傾斜切断用補助線を総称する場合には、単に切断用補助線と記す。
また、本明細書における「甲〜乙]という記載は、甲以上乙以下を意味する。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体31を有する。その筒状体31の面内には、上下方向に延びる一対の縦切断用補助線(第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42)と、周方向に延びる横切断用補助線5と、傾斜して延びる傾斜切断用補助線6と、がそれぞれ形成されている。
熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮によって容器2に装着されているが、さらに、熱収縮性筒状ラベル3の内面に設けられた接着部7を介して、容器2の外面に部分接着されている。
例えば、容器2は、筒状の胴部21と、胴部21の上方に形成された首部22と、首部22に着脱自在であり且つ容器2の開口部を塞ぐキャップ部23と、を有する。図2に示すように、図示した容器2は、胴部21及び首部22が円筒状で且つ首部22が胴部21よりも小径な形状であると共に、キャップ部23がねじ作用によって首部22に取り付けられる。もっとも、容器2の形状は、これに限定されない。例えば、三次元曲面の胴部を有する容器(例えば胴部が外側に膨らんだ達磨型又は瓢箪型の容器など)に本発明を適用できる。本発明においては、熱収縮性筒状ラベルを容器に装着しつつその締付け力を解除して容器のひび割れを発見できるので、紙ラベルやタックラベルでは従来添付できなかった3次元曲面を有する胴部へのラベル表示が可能となる。
容器2に充填される充填物は、特に限定されず、ジュースなどの飲料、ジャムなどのゲル状食品、シャンプーなどのサニタリー品、医薬品、化粧品、顆粒状の洗剤などの粒状体などが挙げられる。
かかる熱収縮性フィルムの表面又は/及び裏面には、印刷によって意匠印刷層(図示せず)が設けられている。
熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は他方向)の元の長さ)−(幅方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜100μmである。
ここで、本発明においては、切断用補助線としては、ミシン目線、ハーフカット線などが用いられる。
ミシン目線は、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部と、非貫通部と、を交互に有する線であり、切込み線(ミシン目線の貫通孔部が複数繋がったような、長い切り目)が含まれていてもよい。
ハーフカット線は、フィルムの一面を厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み線である。
ミシン目線は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目線に従ってフィルムが切れ易くなることから、1つの貫通孔部の形状は、図6に示すように、細長い直線状が好ましい。前記ミシン目線の貫通孔部の長さは、例えば、0.3〜2mmであり、ミシン目線の非貫通部の長さは、例えば、0.3〜1mmである。
ミシン目線は、ミシン刃、レーザーなどの手段を用いてフィルムに形成できる。
具体的には、第1縦切断用補助線41は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xであって、その第1側端縁321の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
第2縦切断用補助線42は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yであって、その第2側端縁322の近傍で且つそれと略平行に形成されている。
さらに、第2縦切断用補助線42は、第1縦切断用補助線41よりもセンターシール部32に近い位置に形成されている。
第2縦切断用補助線42とセンターシール部32の第2側端縁322の間の幅は、できるだけ小さいことが好ましく、例えば、0.5mm〜7mm程度が挙げられる。第1縦切断用補助線41とセンターシール部32の第1側端縁321の間の幅は、特に限定されないが、例えば、2mm〜20mm程度が挙げられる。
傾斜切断用補助線6の下端部は、横切断用補助線5の第1端部51に繋がっている。なお、この傾斜切断用補助線6の下端部が横切断用補助線5の第1端部51に繋がっているとは、上記横切断用補助線5の端部が第1縦切断用補助線41又は第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているという意味と同義である。
詳しくは、この傾斜切断用補助線6は、その下端部からセンターシール部32を横切って上向き傾斜状に延び、傾斜切断用補助線6の上端部は、筒状体31の上縁に至っている。この傾斜切断用補助線6は、センターシール部32を横切っており、従って、傾斜切断用補助線6の下端部は、センターシール部32の第1側端縁321よりも周方向一方側Xに位置し、且つ傾斜切断用補助線6の上端部は、センターシール部32の第2側端縁322よりも周方向他方側Yに位置している。
この傾斜切断用補助線6の貫通孔部を比較的長い切り目(切込み線)とし、この貫通孔部(切込み線)をセンターシール部の第1側縁部321から第2側縁部322にかけて形成してもよい。このような貫通孔部は、センターシール部32を上下2つに完全に分断している。従って、かかる貫通孔部を有する傾斜切断用補助線6が形成された熱収縮性筒状ラベル3は、センターシール部32に邪魔されずに、傾斜切断用補助線6に従って確実に切断できるので好ましい。
この接着部7を介して熱収縮性筒状ラベル3は容器2の外面に接着されている。
接着剤としては、水系接着剤、溶剤型接着剤、感熱性接着剤などを用いることができる。水系接着剤は、水分塗布又は高湿状態において粘着性を発揮し、乾燥後に被着体に接着する剤である。溶剤型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解され、溶剤の揮発によって被着体に接着する剤である。感熱性接着剤は、常温で粘着性を示さず且つ加熱によって粘着性を示し、冷却後に被着体に接着する接着剤である。
さらに、横切断用補助線5の第2端部52は、第2縦切断用補助線42の上端部に繋がっているので、切断線が横切断用補助線5の第2端部52に至ると、横切断用補助線5よりも上方の熱収縮性筒状ラベル3の上方領域Aが容器2から除去される。
第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42は、肉厚なセンターシール部32を挟んで形成されているので、2つの切断線が第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42から外れても、センターシール部32の両側端縁321,322に沿って切れるので、熱収縮性筒状ラベル3の帯状領域Bを確実に除去できる。
なお、熱収縮性筒状ラベル3は上記接着部7において容器2に接着しているため、熱収縮性筒状ラベル3の上方領域A及び帯状領域Bを除去した後でも、熱収縮性筒状ラベル3の残る部分が容器2から外れることがない。従って、これらの領域を除去した後でも、意匠表示(商品名、説明書き、賞味期限など)が容器2に残ったままとなり、ラベルの表示機能は損なわれない。
前記領域の一部分に接着部7を設ける場合(前記領域の全体に接着部7を設けない場合)、その接着部7の形成部分は、特に限定されず、例えば、接着部7が、前記領域において周方向に帯状に且つこれが上下にストライプ状に設けられていてもよい。
例えば、図13(a)に示すように、傾斜切断用補助線6の下端部が、横切断用補助線5の第1端部51の近傍であってこの第1端部51よりも周方向一方側に離れた位置において横切断用補助線5に繋がるように、傾斜切断用補助線6が形成されていてもよい。
なお、図13においては、第1縦切断用補助線41及び第2縦切断用補助線42の間にセンターシール部32が図示されていないが、上記実施形態と同様に、これらの間にセンターシール部32が位置していてもよい。
さらに、上記実施形態では、傾斜切断用補助線6は、1本からなるが、図14(b)に示すように、傾斜切断用補助線6は、2本の第1及び第2傾斜切断用補助線61,62から構成されていてもよい。この場合、第1及び第2傾斜切断用補助線61,62は、略平行に且つ近接して設けられる。なお、傾斜切断用補助線6は、3本以上の補助線から構成されていてもよい。このように、傾斜切断用補助線6が複数本の補助線から構成されている場合、切断線が傾斜切断用補助線6から外れ難く、傾斜切断用補助線6に従って確実に切り取ることができる。
上記において補助線に関する様々な実施形態を示したが、1つ又は2つ以上の実施形態の構成をそれ以外の実施形態に示した構成に適宜組み合わすことも可能である。
Claims (5)
- 熱収縮性フィルムを筒状に成形した筒状体を有し、且つ前記筒状体の面内に横切断用補助線、傾斜切断用補助線並びに一対の第1及び第2縦切断用補助線がそれぞれ形成されている熱収縮性筒状ラベルと、前記熱収縮性筒状ラベルが熱収縮装着された容器と、を備え、
前記第1及び第2縦切断用補助線は、前記筒状体の面内中途部から下方部にかけて上下方向にそれぞれ延びており、
前記横切断用補助線は、筒状体の周方向に形成された有端の線であって、その第1端部が前記第1縦切断用補助線の上端部に繋がり、その第1端部から筒状体の周方向一方側に延びていると共に、その第2端部が前記第2縦切断用補助線の上端部に繋がっており、
前記傾斜切断用補助線は、その下端部が前記横切断用補助線の第1端部に繋がっている又は前記横切断用補助線の第1端部の近傍に位置し、その下端部から筒状体の周方向他方側へ上向きに傾斜して延びており、
前記横切断用補助線、筒状体の下縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の一部分又は全体が、接着剤を介して前記容器の外面に接着されていることを特徴とするラベル付き容器。 - 前記筒状体が、熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて接着したセンターシール部を有し、
前記第1縦切断用補助線及び第2縦切断用補助線が、センターシール部を挟んで形成されている請求項1に記載のラベル付き容器。 - 前記傾斜切断用補助線が、複数の貫通孔部と非貫通部を交互に有するミシン目線であり、
前記傾斜切断用補助線の貫通孔部の1つが、前記筒状体の周方向他方側におけるセンターシール部の側端縁に跨って形成されている請求項2に記載のラベル付き容器。 - 前記接着剤が、前記第1縦切断用補助線の近傍及び前記第2縦切断用補助線の近傍における内面に少なくとも設けられている請求項1〜3の何れかに記載のラベル付き容器。
- 第1及び第2縦切断用補助線が、それぞれ前記筒状体の下縁にまで形成されており、
前記横切断用補助線、筒状体の上縁、第1及び第2縦切断用補助線によって囲われた領域内における前記熱収縮性筒状ラベルの内面の全体が、前記容器の外面に接着されていない請求項1〜4の何れかに記載のラベル付き容器。
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