JP6093971B2 - シュリンクラベル付き容器及びシュリンクラベル - Google Patents

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Description

本発明は、シュリンクラベルが装着されたシュリンクラベル付き容器とそれに用いられるシュリンクラベルに関する。
従来、キャップ付きの容器において、そのキャップをシュリンクラベルからなるキャップシールで覆うことにより、使用前の店頭等においてキャップが容易に開封されないようにすること、いわゆるタンパーエビデント機能を持たせることが行われている。また、そのキャップシールの下端部を下方に延ばして容器本体の胴部の略全体を覆うようにした、フルシュリンクとも称されるシュリンクラベル付き容器も存在する(下記特許文献1、2参照)。
このようなキャップシール等のシュリンクラベルには開封のためのミシン目が形成されている。開封用のミシン目の形態は種々あるが、何れの場合も、ミシン目に沿ってシュリンクラベルの所定部分を他の部分から切離除去して開封する。そして、シュリンクラベルを開封した後にキャップを開栓することになる。このようにシュリンクラベルの開封作業とキャップを容器本体から分離する開栓作業とを別々の動作として行う必要があり、使用開始時に要する作業が煩雑であるという問題がある。
実開昭62−76145号公報 特開昭64−9159号公報
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、使用開始時に要する作業を簡略化することができるシュリンクラベル付き容器及びシュリンクラベルを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係るシュリンクラベル付き容器は、容器本体の口部外周面にキャップが回転可能に取り付けられ、少なくともキャップの周壁の下端縁を覆うようにしてシュリンクラベルが装着されたシュリンクラベル付き容器であって、シュリンクラベルには、キャップの周壁の下端縁に対して上側の位置と下側の位置にそれぞれ開封用の横切離線が周設され、該シュリンクラベルは、キャップの回転動作によって上側の横切離線又は下側の横切離線で上下に分割される構成であり、上側の横切離線よりも下側の横切離線の方が切れやすく、上下の横切離線の間には、該上下の横切離線によってその間に区画形成された環状の帯状片を、開封後に上側の横切離線で切離する際にその切離始端部となる分断線が、下側の横切離線を起点として上側の横切離線に向けて傾斜するように延びており、該分断線は、下側の横切離線から所定長さ延びる切り込み部と、残る大部分を占めるミシン目部とから構成され、該分断線のミシン目部における切断部の長さは、上側の横切離線における切断部の長さよりも長く、シュリンクラベルの上側部分が上側の横切離線よりも上側の位置においてキャップに接着されていることを特徴とする。
該構成のシュリンクラベル付き容器を開封するにはキャップを回転させる。即ち、容器本体に対してキャップを回転させると、そのキャップと共にシュリンクラベルの上側部分も回転しようとしてそのシュリンクラベルの下側部分に対して捻られることになる。このようにキャップの回転動作に伴ってシュリンクラベルの上側部分が下側部分に対して捻られることにより、キャップの周壁の下端縁に対して上側に位置する上側の横切離線か、あるいは、キャップの周壁の下端縁に対して下側に位置する下側の横切離線が切断され、シュリンクラベルは上下に分断される。そしてそのまま引き続いてキャップを容器本体から離す。このようにシュリンクラベルの開封作業とキャップの開栓作業を一連の動作として行うことができる。
特に、シュリンクラベルの下側部分は容器本体に留まり、シュリンクラベルの上側部分はキャップと共に容器本体から離れることが好ましい。シュリンクラベルの下側部分が容器本体に留まることによってその下側部分を本体用ラベルとして使用することができる。また、シュリンクラベルの上側部分がキャップと共に容器本体から離れることで、その上側部分をキャップ用ラベルとして使用することができる。シュリンクラベルの上側部分をキャップ用ラベルとして使用すれば、キャップに直接印刷することなく、キャップ用ラベルによってキャップを加飾することができる。キャップに直接印刷する必要がなくなることで、汎用のキャップを使用することが可能となってコストダウンが図れる。また、本体用ラベルとキャップ用ラベルは元々は一つのシュリンクラベルであるため、キャップの装飾と容器本体の装飾を色合い等において容易且つ正確に合わせることができる。
また、上側の横切離線よりも下側の横切離線の方切れやすくなっている。このように構成すれば、上述のようにキャップを回転させた際に下側の横切離線が切れることになる。上下の横切離線によってその間には環状の帯状片が区画形成されているが、該帯状片は、開封時にシュリンクラベルが下側の横切離線で分割されることにより、シュリンクラベルの上側部分の一部となってキャップと共に容器本体から離れることになる。帯状片を開封後もシュリンクラベルの上側部分にそのまま残しておくこともできるが、上側の横切離線に沿って帯状片をシュリンクラベルの上側部分から切離除去すると良好な美観のキャップ用ラベルが得られるため好ましい。帯状片がシュリンクラベルの上側部分に位置すると、その帯状片の下部がキャップの周壁の下端縁から所定量下方に突出することになる。従って、容器本体側に留まっているシュリンクラベルの下側部分に帯状片が位置する場合に比して、帯状片を上側の横切離線に沿って容易に切離除去することができる。
また、上下の横切離線の間には、該上下の横切離線によってその間に区画形成された環状の帯状片を、開封後に上側の横切離線で切離する際にその切離始端部となる分断線が形成されている。上述のように開封後に帯状片を切離除去すると良好な美観が得られるため、帯状片を開封後に切除する際にその切離始端部となる分断線を上下の横切離線の間に形成しておくのであるが、開封後に帯状片を切除する際に、分断線が切離始端部となってその分断線の位置を始点として帯状片を上側の横切離線に沿って周方向に容易に切離除去することができる。
更に、分断線は、下側の横切離線を起点として上側の横切離線に向けて傾斜するように延びている。例えば、キャップが右ネジであって容器本体に螺着されている場合には、ネジを緩める方向である平面視反時計回りにキャップを回転させて開栓する。即ち、この場合のキャップの開栓方向は平面視反時計回りであり、開栓方向上流側は正面視において向かって左側となる。従って、この場合には、分断線は、切れやすい下側の横切離線を起点としてキャップの開栓方向上流側である左上方に向かって傾斜して延びるようにすることが好ましい。このように分断線が下側の横切離線から上側の横切離線に向かって傾斜して延びていると、キャップを開栓する際において下側の横切離線が切断すると共に分断線も下側の横切離線を起点として容易に切断する。分断線が開封時に切断されていると、分断線に面した帯状片の周方向の一端部を容易に指先で摘むことができるため、そこから帯状片を周方向に容易に切離除去することができる。尚、キャップが右ネジであっても、開栓動作の初期において一旦ネジを締め込む方向である平面視時計回りに所定角度回転させ、この回転によってキャップによる容器口部の密閉状態が解除され、その後、ネジを緩める方向である平面視反時計回りに回転させてキャップを容器本体から離間させるという開栓構造のものもある。このような開栓構造の場合には、開栓方向上流側は正面視において向かって右側となる。従って、この場合には、分断線は、切れやすい下側の横切離線を起点としてキャップの開栓方向上流側である右上方に向かって傾斜して延びるようにすることが好ましい。更にまた、キャップがネジ式ではなく容器本体に対して空転するように一定の高さに留まりつつ回転して、キャップを上側に引っ張ることで容器本体から外れる構成のものもある。この場合には平面視反時計回りに回転させても平面視時計回りに回転させてもよく、分断線の傾斜方向は左右何れの向きでもよいが、左側に傾斜した分断線と右側に傾斜した分断線を一対設けておくことが好ましい。更に、分断線は、下側の横切離線から所定長さ延びる切り込み部と、残る大部分を占めるミシン目部とから構成され、該分断線のミシン目部における切断部の長さは、上側の横切離線における切断部の長さよりも長い。これによりキャップを回転させた際に、下側の横切離線と共に分断線も切断されやすくなる。
特に、分断線が帯状片を斜めに横断していることが好ましい。この場合には、開封時に下側の横切離線と分断線が切断して上側の横切離線まで達する。従って、開封後に帯状片を切除する際に上側の横切離線に沿って確実に切除することができる。
また、シュリンクラベルの上側部分が上側の横切離線よりも上側の位置においてキャップに接着されている。該構成とすれば、開封時に下側の横切離線がスムーズに切断し、また、キャップを容器本体から離した開栓後においてもシュリンクラベルの上側部分が確実にキャップに保持されてキャップ用ラベルとして確実に使用することができる。
また、本発明に係るシュリンクラベルは、容器本体の口部外周面にキャップが回転可能に取り付けられた容器に、少なくともキャップの周壁の下端縁を覆うようにして装着されるシュリンクラベルであって、容器への装着状態においてキャップの周壁の下端縁に対して上側となる位置と下側となる位置にそれぞれ開封用の横切離線が周設され、キャップの回転動作によって上側の横切離線又は下側の横切離線で上下に分割される構成であり、上側の横切離線よりも下側の横切離線の方が切れやすく、上下の横切離線の間には、該上下の横切離線によってその間に区画形成された環状の帯状片を、開封後に上側の横切離線で切離する際にその切離始端部となる分断線が、下側の横切離線を起点として上側の横切離線に向けて傾斜するように延びており、該分断線は、下側の横切離線から所定長さ延びる切り込み部と、残る大部分を占めるミシン目部とから構成され、該分断線のミシン目部における切断部の長さは、上側の横切離線における切断部の長さよりも長く、上側の横切離線よりも上側の位置の内面に接着剤が塗布されていることを特徴とする。
以上のように、本発明に係るシュリンクラベル付き容器にあっては、キャップを回転させることによってシュリンクラベルを開封できるので、使用開始時に要する作業が簡略化される。
本発明の一実施形態におけるシュリンクラベル付き容器を示す斜視図。 同シュリンクラベル付き容器におけるシュリンクラベルの要部を示す正面図であって、(a)は開封前の状態を示し、(b)は開封直後の状態を示す。 同シュリンクラベル付き容器においてキャップを開栓したときの状態を示す斜視図。 同シュリンクラベル付き容器におけるキャップから帯状片を除去した状態を示す斜視図。 本発明の他の実施形態におけるシュリンクラベル付き容器に使用される偏平状態のシュリンクラベルを示し、(a)は重ね合わせ部とは反対側から見た図であり、(b)は重ね合わせ部側から見た図である。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態におけるシュリンクラベル付き容器に使用されるシュリンクベルの要部を示す正面図。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態におけるシュリンクラベル付き容器に使用されるシュリンクベルの要部を示す正面図。 (a)及び(b)は本発明の他の実施形態におけるシュリンクラベル付き容器に使用されるシュリンクベルの要部を示す正面図。
以下、本発明の一実施形態に係るシュリンクラベル付き容器について図1〜図4を参酌しつつ説明する。図1に示すシュリンクラベル付き容器は、上方に開口する有底筒状の容器本体2と、該容器本体2の開口を密閉すべくその口部外周面に螺着されたキャップ3とを備えたキャップ付きの容器に、シュリンクラベル1が装着されたものである。
キャップ付きの容器は、合成樹脂製のものやボトル缶とも称される金属製のもの等、種々の形態があるが、本実施形態では容器本体2とキャップ3が何れも合成樹脂製のものである。容器本体2は、底部20と胴部21と口部22とを備えており、図3にも示しているように、口部22は胴部21よりも小径であってその外周面には雄ネジ部23が形成されている。
キャップ3は円形の天板31と該天板31の周縁から垂直下方に垂下する筒状の周壁32とから構成された上端閉塞下端開口の構造であり、周壁32の内周面に容器本体2の雄ネジ部23と螺合する図示しない雌ネジ部が形成されている。尚、キャップ3は通常の右ネジタイプであり、平面視において反時計回りに回転させると緩み、逆の時計回りに回転させると締まる。つまり、キャップ3の開栓方向は平面視において反時計回りであって、その上流側は正面視において左側である。図1乃至図4において紙面の向かって左側が開栓方向上流側であり、向かって右側が開栓方向下流側である。図1及び図2には開栓方向を矢印Xで示している。
図1に示すように筒状のシュリンクラベル1はキャップ付きの容器をその略全高に亘って覆った、いわゆるフルシュリンクの構造である。即ち、シュリンクラベル1はキャップ3の周壁32の全体を覆うと共にその上端部1aはキャップ3の天板31の上側に回り込んで天板31の周縁部を覆っている。また、図1においてキャップ3の周壁32の下端縁32aが破線で示されているが、該周壁32の下端縁32aをシュリンクラベル1が覆うと共にそこからシュリンクラベル1は更に下方の容器本体2側に延びていて容器本体2の胴部21の全体を覆っている。
かかるシュリンクラベル1の所定位置には開封用の横切離線11,12が上下一対形成されている。上下の横切離線11,12は互いに平行であって、上側の横切離線11はキャップ3の周壁32の下端縁32aよりも上側に位置し、下側の横切離線12はキャップ3の周壁32の下端縁32aよりも下側に位置している。従って、上下の横切離線11,12の間にキャップ3の周壁32の下端縁32aが位置することになる。また、上下の横切離線11,12は周方向に沿って全周に亘って形成されており、従って、キャップ3の周壁32の下端縁32a近傍には、上下の横切離線11,12によって環状の帯状片16が区画形成される。即ち、シュリンクラベル1は、環状の帯状片16と、上側の横切離線11よりも上側の領域である上側ラベル部15と、下側の横切離線12よりも下側の領域である下側ラベル部17の三つの領域に区画される。上下の横切離線11,12間の離間寸法即ち帯状片16の幅(上下方向の寸法)は、帯状片16がキャップ3の周壁32の下端縁32aを覆うことができる程度の寸法であればよいが、例えば数十mm程度、一例としては15mm〜30mm程度である。
上下の横切離線11,12はキャップ3を開ける方向に回転させることによって切断されるように構成されていて何れもミシン目として構成されているが、上側の横切離線11よりも下側の横切離線12の方が切断されやすく形成されている。下側の横切離線12を相対的に切断されやすくするための手法は種々あるが、例えばミシン目における切断部の長さと未切断部の長さの比率によって調整可能である。即ち、下側の横切離線12においては切断部の長さの割合を相対的に大きくし、上側の横切離線11においては切断部の長さの割合を相対的に小さくする。その一例としては、下側の横切離線12では切断部の長さと未切断部の長さの比率を2:1とし、上側の横切離線11ではその比率を1:1とすることができる。換言すれば、下側の横切離線12における未切断部の長さに対する切断部の長さの割合を、上側の横切離線11におけるその割合よりも大きくすることによって、下側の横切離線12が相対的に切断されやすいように設定できる。
また、上下の横切離線11,12を周方向の所定位置で上下に橋渡しして繋ぐように分断線18が一箇所形成されている。該分断線18は図2(a)に示すように所定角度で傾斜していて帯状片16を斜めに横断しており、正面視において下側の横切離線12から上側の横切離線11に向かって、開栓方向の上流側である左側に傾斜しつつ延びている。分断線18の下側の横切離線12に対する傾斜角度αは、60度以下が好ましく、特に20〜30度程度が好ましい。かかる分断線18は、その全長がミシン目から構成されてもよいが、本実施形態では下側の横切離線12から所定長さ延びる切り込み部18aと、残る大部分を占めるミシン目部18bとから構成されている。尚、分断線18のミシン目部18bにおける切断部と未切断部の比率は例えば1:1とする。ミシン目部18bにおける切断部の長さは、上側の横切離線11における切断部の長さよりも長いことが好ましい。これによりキャップ3を回転させた際に、下側の横切離線12と共に分断線18も切断されやすくなる。このような分断線18を形成する箇所は周方向の任意の箇所でよいが、分断線18を一箇所形成する場合には重ね合わせ部10以外の箇所に形成する。この分断線18は、例えば筒状にする前の長尺状のシュリンクフィルムの段階においてレーザー等により形成することができる。
尚、シュリンクラベル1は、上側の横切離線11よりも上側の位置において接着剤によりキャップ3に接着されている。即ち、シュリンクラベル1の上側ラベル部15がキャップ3に接着されており、具体的にはキャップ3の周壁32に周方向に間隔をおいて複数箇所で接着されたり、周壁32に全周に亘って連続して接着されたりしている。接着剤の塗布はキャップ3側に行ってもよいが、好ましくはシュリンクラベル1の内面に塗布しておくことが好ましい。シュリンクラベル1の内面に接着剤を塗布しておく場合には、例えばシュリンクさせる際の熱によって活性化して粘着力を発揮し、冷却後一定期間その粘着力が持続するディレード型の接着剤を、筒状にする前の長尺状のシュリンクフィルムの段階においてグラビア印刷等によって塗工しておく。
尚、シュリンクフィルムのフィルム基材としてはポリエステル系樹脂やポリスチレン系樹脂等の種々の公知のものが使用できるが、特にPETフィルムが好ましい。フィルム基材の周方向の熱収縮率は、80℃の温水中に10秒間浸漬した際において約30%以上、特に約40%以上が好ましい。
以上のように構成されたシュリンクラベル付き容器は、シュリンクラベル1がキャップ3の周壁32の全体を覆うと共に該周壁32の下端縁32aよりも下方に延びて容器本体2の胴部21を覆っていることにより、店頭等で悪戯等でキャップ3が開栓されるということが防止されてタンパーエビデント機能が発揮されることとなる。
そして、開封するには、シュリンクラベル1の上からキャップ3を把持してそのままキャップ3を開けるように回転させる。このキャップ3の回転動作(開栓動作)によって、シュリンクラベル1の上側部分は下側部分に対して平面視において反時計回りに捻られることになる。この捻れによって図2(b)のように下側の横切離線12が切断されると同時に分断線18も切断されて、分断線18の上端から左側に続けて上側の横切離線11の所定領域も切断される。図2(b)において実線で示している部分が開封によって切断した箇所であり、上側の横切離線11のうち切断された領域を符号11aで示している。この開封においては、上側の横切離線11よりも下側の横切離線12の方が相対的に切断されやすくなっているので、下側の横切離線12は全周に亘って完全に切断される。その一方、上側の横切離線11は分断線18から続く所定領域のみ切断される。また、分断線18が下側の横切離線12から上側の横切離線11に向けて左上方に傾斜して延びているので、下側の横切離線12から続けて分断線18も切断される。特に、下側の横切離線12から続く切り込み部18aを分断線18に設けているので、下側の横切離線12から分断線18へと連続して切断されることになる。更に、分断線18が上側の横切離線11まで達しているので、そのまま上側の横切離線11の一部まで切断される。また、キャップ3の周壁32にシュリンクラベル1の上側ラベル部15が接着されているので、キャップ3を回転させた際にシュリンクラベル1の上側ラベル部15もそれに確実に追従し、下側の横切離線12及び分断線18に確実に破断力が作用してスムーズに切断される。
このようにキャップ3を開ける方向に回転させることで同時にシュリンクラベル1を開封することができるので、使用開始時の作業が極めて簡易である。そして、下側の横切離線12が切断されることでシュリンクラベル1は上下に分割され、図3に示すように、シュリンクラベル1の上側部分はキャップ3と共に容器本体2から分離し、シュリンクラベル1の下側部分は容器本体2にそのまま残留することになる。容器本体2に残ったシュリンクラベル1の下側部分は下側ラベル部17であってそのまま本体用ラベルとなる。その一方、キャップ3側に保持されたシュリンクラベル1の上側部分は上側ラベル部15と帯状片16とからなり、帯状片16の下部はキャップ3の周壁32の下端縁32aから所定量下方に突出した状態にある。帯状片16はそのままの状態としておくことも可能であるが、帯状片16を切除することにより良好な美観が得られる。それには上側の横切離線11を利用して帯状片16を上側ラベル部15から周方向に切離する。また、上述した開封時において分断線18が既に切断されているため、開封前には環状で周方向に連続していた帯状片16は開封後においては分断線18において左右に分断された状態にある。従って、帯状片16の周方向の一端部16aを指先で容易に摘んで引っ張ることができ、帯状片16をその周方向の一端部16aから他端部16bへと上側の横切離線11に沿って容易に切離することができる。特に、分断線18が上側の横切離線11まで達しているので、帯状片16はその位置で左右に完全に分かれており、しかも、分断線18に連続して上側の横切離線11の一部も開封時に切断されているので、帯状片16の周方向の一端部16aの摘み代が大きく、それを容易に摘んで切離作業を行うことができると共に、帯状片16を上側の横切離線11に沿って綺麗に切離することができる。特にフィルム基材がPETフィルムである場合には帯状片16が周方向に引き裂けやすいので、分断線18が帯状片16を横断して上側の横切離線11まで達していることが好ましい。
図4にシュリンクラベル1の上側部分から帯状片16を全周に亘って切離した状態を示している。このように帯状片16を切除することにより、キャップ3にはシュリンクラベル1の上側ラベル部15だけが残り、この上側ラベル部15がそのままキャップ用ラベルとなる。上側ラベル部15をキャップ用ラベルとして使用することができるので、キャップ3に直接印刷して加飾する必要がなく、内容物の種類等に関わらず汎用のキャップ3を使用することができ、コストダウンが図れる。また、キャップ用ラベルと本体用ラベルは、開封前においては一つのシュリンクラベル1であるので、デザインや色合い等の統一性も容易に得られる。更に、上側ラベル部15はキャップ3に接着されているので、使用中にキャップ3から上側ラベル部15が上方に抜けて外れるということもない。
尚、本実施形態では分断線18を一箇所形成したが、複数箇所に形成してもよい。分断線18を複数箇所に形成する場合には、図5のように扁平状態のシュリンクラベル1に厚み方向に刃物で型押しすることによって一方の面に一箇所、他方の面にそれに対向して一箇所形成することができる。尚、図5には、キャップ3の周壁32の下端縁32aに対応した位置を二点鎖線にて示している。この二箇所の分断線18,19は、刃物の押圧によって一度に形成することから表裏対称形状となっており、図5(a)に示した一方の分断線18は図2に示したものと同様のものであり、図5(b)に示した他方の分断線19はそれとは裏表の関係にあるため傾斜方向が左右逆向きとなっている。このように刃物の押圧によって分断線18,19を表裏対称に形成する場合には、他方の分断線19が図5(b)のように重ね合わせ部10に形成されるようにする。具体的には、他方の分断線19が重ね合わせ部10を左右に跨ぐようにすることが好ましい。他方の分断線19は右ネジのキャップ3に対しては傾斜方向が逆となっているため開封時に切断されにくいが、更に、フィルムが二重となっている重ね合わせ部10を他方の分断線19が左右に跨ぐようにすればより一層他方の分断線19が切断されにくくなる。従って、他方の分断線19の少なくとも一部が重ね合わせ部10に形成されるように形成箇所を設定することが好ましい。但し、他方の分断線19は、平面視時計回りに回転させるキャップに対しては十分に機能を果たすので、右ネジのキャップ3のみならず平面視時計回りに回転させるキャップにも適用できるようにして汎用性を高めたい場合には、他方の分断線19を重ね合わせ部10以外の箇所に形成してもよい。
また、分断線18の形状についても種々の変更が可能であって、図2のように直線状に傾斜しているものの他、例えば図6(a)や図6(b)のように湾曲しながら傾斜している形状であってもよい。
更に、分断線18が下側の横切離線12から上側の横切離線11まで連続して形成していない形態であってもよい。例えば図7(a)のように分断線18が上側の横切離線11まで到達せずに途中で止まっている形態であってもよく、また、図7(b)のように中途部において分断線18が一部途切れて形成されていない領域を設けるようにしてもよい。図7(a)及び図7(b)の何れの場合であっても、開封時に分断線18が切断されることで帯状片16は少なくとも下側の横切離線12から上方に途中の位置まで切断されることになる。従って、開封後に分断線18の箇所を切離開始部とすることができ、帯状片16の周方向の一端部16aを摘んで容易に帯状片16を切除できる。
また更に、図8(a)のように分断線18を傾斜させずにシュリンクラベル1の軸線方向即ち上下方向に形成してもよい。この場合には分断線18が傾斜している場合に比して開封時に切断されにくくなるが、開封後において別途分断線18を手で切断すれば帯状片16を左右に分断できる。即ち、この場合も分断線18の箇所を切離開始部とすることができ、帯状片16の周方向の一端部16aを摘んで帯状片16を周方向に沿って切離することができる。尚、このように分断線18を上下方向に形成する場合においても図7に示した傾斜したものと同様に上下方向に連続して形成していない形態であってもよい。例えば、下側の横切離線12から上側に向けて所定長さの切り込みのみを形成したり、あるいは、上側の横切離線11まで達しない範囲でミシン目と切り込みを形成したりすることができる。
尚、右ネジのキャップ3であっても、開栓動作の初期において一旦ネジを締め込む方向である平面視時計回りに所定角度回転させ、この回転によってキャップ3による口部22の密閉状態が解除され、その後、ネジを緩める方向である平面視反時計回りにキャップ3を回転させて容器本体2から離間させるという開栓構造においては、図8(b)の符号Xが開栓方向となり、その開栓方向の上流側は正面視において向かって右側となるので、分断線18を逆向きに傾斜させる、即ち、図5(b)と同様に下側の横切離線12から右斜め上方に向けて傾斜させることが好ましい。
尚、キャップ3の周壁32にシュリンクラベル1の上側ラベル部15を接着していたが、キャップ3の天板31に接着してもよい。また、容器本体2に下側ラベル部17を接着してもよい。
また、上記実施形態では容器本体2の胴部21の下端までシュリンクラベル1で覆われた、いわゆるフルシュリンクの構成であったが、これに限定されるものではなく、容器本体2の胴部21のうち上側所定領域のみが覆われる構成であってもよい。少なくともキャップ3の周壁32の下端縁32aをシュリンクラベル1が覆う構成であればよい。
更に、開封後に上側ラベル部15と下側ラベル部17がそれぞれキャップ3と容器本体2に残留してキャップ用ラベルと本体用ラベルになる場合について説明したが、何れか一方のみが残留する構成であってもよく、双方共に残留せずに開封と共に除去されるものであってもよい。何れにしても、少なくともキャップ3の周壁32の下端縁32aをシュリンクラベル1が覆う構成として、上下の横切離線11,12の一方あるいは双方がキャップ3の回転動作によって切断されてシュリンクラベル1が上下に分割される構成とすれば、使用開始時の作業が簡略化されることとなる。
1 シュリンクラベル
1a 上端部
2 容器本体
3 キャップ
10 重ね合わせ部
11 上側の横切離線
11a 切断された領域
12 下側の横切離線
15 上側ラベル部
16 帯状片
16a 一端部
16b 他端部
17 下側ラベル部
18 分断線
18a 切り込み部
18b ミシン目部
19 分断線
20 底部
21 胴部
22 口部
23 雄ネジ部
31 天板
32 周壁
32a 下端縁

Claims (5)

  1. 容器本体の口部外周面にキャップが回転可能に取り付けられ、少なくともキャップの周壁の下端縁を覆うようにしてシュリンクラベルが装着されたシュリンクラベル付き容器であって、
    シュリンクラベルには、キャップの周壁の下端縁に対して上側の位置と下側の位置にそれぞれ開封用の横切離線が周設され、
    該シュリンクラベルは、キャップの回転動作によって上側の横切離線又は下側の横切離線で上下に分割される構成であり、
    上側の横切離線よりも下側の横切離線の方が切れやすく、
    上下の横切離線の間には、該上下の横切離線によってその間に区画形成された環状の帯状片を、開封後に上側の横切離線で切離する際にその切離始端部となる分断線が、下側の横切離線を起点として上側の横切離線に向けて傾斜するように延びており、
    該分断線は、下側の横切離線から所定長さ延びる切り込み部と、残る大部分を占めるミシン目部とから構成され、
    該分断線のミシン目部における切断部の長さは、上側の横切離線における切断部の長さよりも長く、
    シュリンクラベルの上側部分が上側の横切離線よりも上側の位置においてキャップに接着されていることを特徴とするシュリンクラベル付き容器。
  2. 分断線は、二箇所に形成されており、そのうちの一方の分断線はシュリンクラベルの重ね合わせ部を左右に跨ぐように設けられている請求項記載のシュリンクラベル付き容器。
  3. 分断線は、帯状片を斜めに横断している請求項1又は2記載のシュリンクラベル付き容器。
  4. 分断線は、上側の横切離線まで到達せずに途中で止まっている請求項1又は2記載のシュリンクラベル付き容器。
  5. 容器本体の口部外周面にキャップが回転可能に取り付けられた容器に、少なくともキャップの周壁の下端縁を覆うようにして装着されるシュリンクラベルであって、
    容器への装着状態においてキャップの周壁の下端縁に対して上側となる位置と下側となる位置にそれぞれ開封用の横切離線が周設され、
    キャップの回転動作によって上側の横切離線又は下側の横切離線で上下に分割される構成であり、
    上側の横切離線よりも下側の横切離線の方が切れやすく、
    上下の横切離線の間には、該上下の横切離線によってその間に区画形成された環状の帯状片を、開封後に上側の横切離線で切離する際にその切離始端部となる分断線が、下側の横切離線を起点として上側の横切離線に向けて傾斜するように延びており、
    該分断線は、下側の横切離線から所定長さ延びる切り込み部と、残る大部分を占めるミシン目部とから構成され、
    該分断線のミシン目部における切断部の長さは、上側の横切離線における切断部の長さよりも長く、
    上側の横切離線よりも上側の位置の内面に接着剤が塗布されていることを特徴とするシュリンクラベル。
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