JP2008083421A - カラーフィルター保護膜用樹脂組成物、及びカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター保護膜用樹脂組成物、及びカラーフィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 作業安全性に優れ、戻りムラの幅が小さいカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を提供。
【解決手段】 下記の(A)、(B)、(C)および(D)成分からなるるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
(A)エチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有する単量体を用いて重合されたエポキシ基含有重合体
(B)下記式(1)で表される多価カルボン酸化合物(B1)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)を分子内脱水して得られるカルボン酸無水物(B2)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)とビニルエーテルとを反応させて得られる多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B3)からなる群より選ばれる硬化剤
(C)炭素数6のエステル溶剤
(D)沸点130〜170℃の直鎖アルキレングリコールのエーテルまたはエステル化化合物である溶剤
【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶表示装置(LCD)、固体撮像素子(CCD等)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)等に用いられるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いたカラーフィルターに関する。
従来より、液晶表示装置(LCD)、固体撮像素子(CCD等)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)等に用いられるカラーフィルター(以降、CFという場合がある。)には、RGBレジストの凹凸を平坦化する目的で、或いは、RGBレジストよりブリードアウトするイオン性物質より液晶等を保護する目的で、RGBレジストと、液晶配向膜またはITO層等との間に保護膜と呼ばれる層が設けられている。この保護膜は熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂といった硬化性樹脂組成物をCFに塗布後硬化させることによって形成されることが多い。(例えば特許文献1)
保護膜には透明性、耐薬品性、耐熱性、密着性、耐ITO形成プロセス性、平坦性等の性能が要求される。また保護膜塗工時に生じるの膜厚ムラを原因とする光干渉縞は、ディスプレイの表示性能を低下させるために極力低減させることが望まれる。膜厚ムラの中でも戻りムラやフリンジムラと呼ばれる樹脂塗工端辺のムラがある。このムラの幅が大きい場合には、ディスプレイ表示部に干渉縞が及ぶ事を防ぐため、端辺を切除する必要がある。このため、ガラスの有効利用ができないという問題があった。
この戻りムラを低減するために、樹脂組成物に沸点130℃以下の低沸点溶剤を添加すれば良いことが判明している。しかしながら、低沸点溶剤を樹脂組成物に添加した場合には、塗工作業中に大気中の揮発溶剤濃度が高くなり、火災が発生しやすくなる、臭気が強くなる、毒性が高くなる等の塗工作業上の不具合が指摘されている。
以上の問題や不具合を解決するために、保護膜用樹脂組成物の改良が強く求められている。
特開2001−350010号公報
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、作業安全性に優れ、かつ、戻りムラの幅が小さいカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、上記の優れたカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を適用して、表示装置や撮像素子の光学的性能やその信頼性を向上させたカラーフィルターを提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の樹脂組成物が優れた作業安全性を有し、かつ、保護膜塗工時に生じる戻りムラの幅が小さいことの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕および〔2〕である。
〔1〕 下記の(A)、(B)、(C)および(D)成分からなり、成分構成割合が(A)2〜35重量%、(B)1〜20重量%、(C)3〜60重量%、(D)20〜70重量%であるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
(A)重量平均分子量が3000〜100000であり、かつ、エポキシ当量が140〜1000g/molであり、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有する単量体を用いて重合されたエポキシ基含有重合体
(B)下記式(1)で表される多価カルボン酸化合物(B1)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)を分子内脱水して得られるカルボン酸無水物(B2)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)とビニルエーテルとを反応させて得られる多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B3)からなる群より選ばれる硬化剤
Figure 2008083421
(式中のkは2〜6の整数であり、6員環は芳香環または脂環式の炭化水素である。)
(C)下記式(2)で表される溶剤
COOR ・・・(2)
(式中のRは炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数3〜5のアルキル基であり、RとRの炭素数和は6である。)
(D)沸点130〜170℃の直鎖アルキレングリコールのエーテルまたはエステル化化合物
〔2〕 前記の〔1〕に記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層を有するカラーフィルター。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物は、作業安全性に優れる上に、近年要求されているように、戻りムラの幅が小さくすることが可能である。
また、本発明によれば、保護膜のムラが少ないため、ディスプレイの表示性能を向上させるカラーフィルターを得ることができる。
以下において本発明を詳しく説明する。
1.カラーフィルター保護膜用樹脂組成物
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物は、下記の(A)、(B)、(C)および(D)成分からなる。
(A)重量平均分子量が3000〜100000であり、かつ、エポキシ当量が140〜1000g/molであり、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有する単量体を用いて重合されたエポキシ基含有重合体
(B)下記式(1)で表される多価カルボン酸化合物(B1)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)を分子内脱水して得られるカルボン酸無水物(B2)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)とビニルエーテルとを反応させて得られる多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B3)からなる群より選ばれる硬化剤
Figure 2008083421
(式中のkは2〜6の整数であり、6員環は芳香環または脂環式の炭化水素である。)
(C)下記式(2)で表される溶剤
COOR ・・・(2)
(式中のRは炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数3〜5のアルキル基であり、RとRの炭素数和は6である。)
(D)沸点130〜170℃の直鎖アルキレングリコールのエーテルまたはエステル化化合物
なお本発明において、CF(カラーフィルター)保護膜とは、CFを有する表示装置、および固体撮像素子に用いられるものを広く意味し、より詳しくは、液晶表示装置(LCD)、固体撮像素子(CCD等)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)等に用いられるCFの、RGB画素と、液晶配向膜、ITO層、発光体、受光体等との間に形成される有機層を意味するものとする。一般的に保護膜と称されているものに特に限定されず、また、RGB画素に直接接していなくても、他の材料を介して間接的に保護する保護膜のような場合も含まれ、例えば、固体撮像素子のマイクロレンズとカラーフィルターの間に用いる中間膜、或いはカラーフィルターと電極の間に用いる中間膜も含まれる。
<エポキシ基含有重合体(A)>
本発明の樹脂組成物における、エポキシ基含有重合体(A)は、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有する単量体(以降、エポキシ基含有単量体という)を少なくとも用いて重合された重合体であって、エポキシ基を2個以上有する。エポキシ基含有重合体(A)は、エポキシ基含有単量体を単独で重合することにより、または、エポキシ基含有単量体と他の単量体とを共重合させることにより得ることができる。その分子形態としては、直鎖状であっても、分岐構造を持っていても良く、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等いずれの形態であっても良い。
本発明の樹脂組成物における、エポキシ基含有重合体(A)は、常法の重合法により共重合することができる。すなわち、重合方法は特に限定されず、ラジカル重合、イオン重合等の重合法を採ることができ、より具体的には重合開始剤の存在下、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法を採ることができる。重合方法によっては単量体が多量に残存する場合があるが、この単量体が塗工後の保護膜物性に影響を与える場合には、減圧留去法や再沈殿形成法等によって単量体を除去しても良い。
本発明の樹脂組成物において、エポキシ基含有重合体(A)は、例えば、分子量やコ単量体種の異なる重合体を混合して2種類以上混合して用いても良い。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ基含有重合体(A)は、構成単位として、下記の式(3)〜(5)で表される構成単位を有するものが好ましい例として挙げられる。
Figure 2008083421
(式中のRは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、p=1〜8の整数である。)
Figure 2008083421
(式中のRは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは−CHO−または−CH−、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、q=0〜7の整数である。)
Figure 2008083421
(式中のRは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、r=1〜8の整数である。)
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ基含有重合体(A)は、さらに、下記の式(5)〜(7)で表される構成単位を有していても良い。
Figure 2008083421
(式中のRは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、R10は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アリールオキシ基、または芳香族ポリアルキレングリコール残基である。)
Figure 2008083421
(式中のR11は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、シロキシアルキル基、または芳香族炭化水素基である。)
Figure 2008083421
(式中のR13は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、または芳香族炭化水素基である。)
前記式(3)〜(5)で表される構成単位は、それぞれ下記式(9)〜(11)で表されるエポキシ基含有単量体から誘導される。
Figure 2008083421
(式中、R、R、およびpはそれぞれ、式(3)におけるものと同じである。)
前記の式(3)および(9)において、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基であり、p=1〜8の整数、好ましくは1〜3の整数である。
式(9)で表される単量体としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、その中ではグリシジルメタクリレート(以下、GMA)が入手性の面等から好ましい。ここで、本発明における(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのいずれであっても良いことを意味する。
Figure 2008083421
(式中、R〜R、およびqはそれぞれ、式(4)におけるものと同じである。)
前記の式(4)および(10)において、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは−CHO−基または−CH−基、Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、q=0〜7の整数である。R16、およびR18として好ましいのは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R17として好ましいのは−CHO−基であり、qとして好ましいのは1〜3である。
式(9)で表される単量体としては、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルが入手性の面等から好ましい。
Figure 2008083421
(式中、R、およびrはそれぞれ、式(5)におけるものと同じである。)
前記の式(5)および(11)において、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、r=1〜8の整数である。Rとして好ましいのは、水素原子またはメチル基であり、rとして好ましいのは1〜3である。
式(11)で表される単量体としては3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを例示することができる。その中で3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートが硬度等の樹脂硬化物の層の物性の面から好ましい。
また前記式(6)〜(8)で表される構成単位は、下記式(12)〜(14)で表される単量体から誘導される。
Figure 2008083421
(式中、RおよびR10はそれぞれ、式(6)におけるものと同じである。)
前記の式(6)および(12)において、Rは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、R10は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アリールオキシ基、または芳香族ポリアルキレングリコール残基である。R10で表される主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基は、付加的な構造、例えば環内二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。Rとして好ましいのは水素またはメチル基であり、R10としては好ましいのは炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基、またはジシクロペンタニル基である。
式(12)で表される単量体としては、具体的には、シクロヘキシルメタクリレート、およびジシクロペンタニルメタクリレートが(C)成分と組み合わせた際の凝集力が小さくなり本発明の効果が得られやすくなる上に、硬度、耐熱性等の樹脂硬化物の層の物性の面から好ましい。
Figure 2008083421
(式中、R11およびR12はそれぞれ、式(7)におけるものと同じである。)
前記の式(7)および(13)において、R11は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシ基、シロキシアルキル基、または芳香族炭化水素基である。R11としては好ましいのは水素またはメチル基であり、R12としては好ましいのは炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基である。
式(13)で表される単量体としては、具体的には、スチレンが(C)成分と組み合わせた際の凝集力が小さくなり本発明の効果が得られやすくなる上に、他種単量体との共重合性、および入手性の面等から好ましい。
Figure 2008083421
(式中、R13は、式(8)におけるものと同じである。)
前記の式(8)および(14)において、R13は、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、または芳香族炭化水素基である。R13としては好ましいのはシクロヘキシル基、およびフェニル基である。式(14)で表される単量体としては、具体的には、N−シクロヘキシルマレイミド、およびN−フェニルマレイミドが硬度、および耐熱性等の樹脂硬化物の層の物性の面から好ましい。
本発明の樹脂組成物における、エポキシ基含有重合体(A)は、エポキシ当量が140〜1000g/molとなる範囲であれば、前記式(2)〜(4)で表されるエポキシ基含有構成単位のうち少なくとも1種類以上をエポキシ基含有重合体(A)中、10〜100重量%、さらに好ましくは、20〜100重量%有することが好ましい。エポキシ基含有構成単位が10重量%未満では塗工後の保護膜が強靭性に乏しいものになる可能性がある。
本発明の樹脂組成物におけるエポキシ基含有重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜100,000であり、好ましくは4,000〜80,000の範囲である。重量平均分子量(Mw)が3,000未満であると(C)成分が揮発した際の粘度の上昇が小さく本発明の効果が得られにくい。また、重量平均分子量が100,000を上回ると樹脂組成物の粘度や凝集力が高くなるため本発明の効果が得られにくくなる。なお、エポキシ基含有重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
また、本発明の樹脂組成物におけるエポキシ基含有重合体(A)のエポキシ当量は、140〜1000g/molであり、好ましくは140〜600g/mol、さらに好ましくは、260〜550g/molである。エポキシ当量が140g/mol未満であると塗工後の保護膜が強靭性を失う傾向があり、1000g/molを上回ると樹脂硬化物層の硬度の低下、およびITO形成プロセス適性欠如が発生する可能性がある。一方、エポキシ基含有重合体(A)のエポキシ当量が260g/mol以上であると、強靭性に優れ、プレッシャークッカーテスト後の密着性試験においても縁欠けが生じ難いほどの高い密着性が得られやすい。この際のエポキシ当量とは重合体についてのエポキシ基の当量を指し、JIS K 7236 :2001「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」に準じて測定される。
本発明の樹脂組成物において、エポキシ基を有する重合体(A)の配合割合は、2〜35重量%、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。エポキシ基含有共重合体(A)の配合割合が2重量%未満の場合には、保護膜の密着性等の性能が低下する場合があり、35重量%を上回ると固形分が高くなるため樹脂組成物の粘度が高くなり塗工性が低下する。
<硬化剤(B)>
本発明の樹脂組成物における、硬化剤(B)は、多価カルボン酸化合物またはその誘導体から選ばれる。多価カルボン酸の誘導体としては、カルボン酸無水物、多価カルボン酸化合物のアセタールエステル、多価カルボン酸化合物のケタールエステルおよび多価カルボン酸化合物のターシャリーブチルエステル等が具体的に挙げられ、中でも、カルボン酸無水物および多価カルボン酸化合物をモノビニルエーテルで潜在化したアセタールエステルがより好ましい例として挙げられる。
前記の多価カルボン酸化合物としては、アジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下、トリメリット酸)等の芳香族トリカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(以下、CHTA)などの脂環式トリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等の芳香族テトラカルボン酸;シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸;(メタ)アクリル酸やイタコン酸、無水マレイン酸等の重合体および他の単量体との共重合体等が挙げられる。さらには、グリセリンやポリビニルアルコール等の多価アルコールと無水フタル酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸−3,4−無水物(無水トリメリット酸)等の酸無水物との反応により得られるハーフエステル体;エチレングリコール等のジオールと無水ピロメリット酸等の酸無水物との交互重合体も好ましく挙げられる。なお、以上のカルボン酸の中では、硬化性に優れる硬化物が得られることから、ピロメリット酸、トリメリット酸またはCHTAのような炭素6員環構造を有する3または4価のカルボン酸化合物が、より好適に挙げられる。
前記のカルボン酸無水物としては、無水コハク酸等の脂肪族カルボン酸無水物;1,3,4−ベンゼントリカルボン酸−3,4−無水物(以下、無水トリメリット酸)等の芳香族トリカルボン酸無水物;1,3,4−シクロヘキサントリカルボン酸−3,4−無水物(以下、無水CHTA)などの脂環式トリカルボン酸無水物;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−3,4−無水物(無水ピロメリット酸)等の芳香族テトラカルボン酸無水物;無水シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸無水物等が挙げられる。なお、以上のカルボン酸無水物の中では、硬化性に優れる硬化物が得られることから、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸または無水CHTAのような炭素6員環構造を有するカルボン酸無水物が、より好適に挙げられる。カルボン酸無水物はカルボン酸化合物に比べ本発明で用いられる溶剤(C)への溶解度が若干高いため、より多量の硬化剤を配合することが可能であり、得られる保護膜が高架橋密度で耐熱性等に優れるものとなる。
本発明の樹脂組成物における、硬化剤(B)は、多価カルボン酸化合物のアセタールエステル(B’)が最も好適に挙げられる。このような場合には、樹脂組成物の凝集力、粘度が低くなる上に、(C)成分が揮発した際の粘度変化がより顕著になるために、本発明の効果がより顕著に現れることとなる。多価カルボン酸のヘミアセタールエステル(B’)は、多価カルボン酸化合物(b1)のカルボキシル基が下記式(15)で表されるビニルエーテル化合物(b2)(ビニル基およびエーテル基含有化合物)によって潜在化(以降、ブロック化ということがある。)されたアセタールエステルを有する化合物である。多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)は、カルボキシル基が潜在化されているために、組成物の保存安定性が著しく向上する。また、本発明の樹脂組成物における溶剤(C)への溶解性がカルボン酸化合物やカルボン酸無水物と比べて顕著に高いため、長期間保存しても沈殿物が生成しない上に、より多量の硬化剤を配合することが可能であり、密着性や耐ITO形成プロセス性、耐熱性が著しく向上する。
Figure 2008083421
(式中のR14は炭素数1〜10の炭化水素基である。)
カルボキシル基はビニル基と下記式(16)のような反応をすることによって潜在化される。この反応は比較的容易であるため、多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)は収率良く得られる。従って、多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)は、カルボン酸が潜在化された構造を有している。
Figure 2008083421
(式中、R14は式(15)におけるものと同じであり、nは多価カルボン酸化合物(b1)の価数を表す。)
本発明の樹脂組成物における、多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)の原料である多価カルボン酸化合物(b1)としては、アジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下、トリメリット酸)等の芳香族トリカルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸(以下、CHTA)などの脂環式トリカルボン酸;1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等の芳香族テトラカルボン酸;シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環式テトラカルボン酸;(メタ)アクリル酸やイタコン酸、無水マレイン酸等の重合体および他の単量体との共重合体等が挙げられる。さらには、グリセリンやポリビニルアルコール等の多価アルコールと無水フタル酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸−3,4−無水物(無水トリメリット酸)等の酸無水物との反応により得られるハーフエステル体;エチレングリコール等のジオールと無水ピロメリット酸等の酸無水物との交互重合体も好ましく挙げられる。なお、以上のカルボン酸の中では、硬化性に優れる硬化物が得られることから、ピロメリット酸、トリメリット酸またはCHTAのような炭素6員環構造を有する3または4価のカルボン酸化合物が、より好適に挙げられる。
一方、本発明の樹脂組成物における多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)の原料である、前記式(14)で表されるビニルエーテル化合物(b2)としては、例えばイソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類が挙げられる。本発明の樹脂組成物に好適に用いることができるビニルエーテル化合物(b2)としては、n−プロピルビニルエーテルおよびイソブチルビニルエーテルが挙げられ、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)は、前記のカルボン酸(b1)と、前記のビニルエーテル化合物(b2)とを室温ないし150℃の範囲の温度で反応させることにより得ることができる。ブロック化反応は平衡反応であるため、カルボン酸(b1)に対しビニルエーテル化合物(b2)を若干多く使用すると反応が促進され、収率を向上させることができる。具体的には、カルボン酸(b1)のカルボキシル基に対するビニルエーテル化合物(b2)のビニル基のモル当量比[(ビニル基/カルボキシル基)のモル当量比]は、1/1〜2/1であることが望ましい。このモル当量比が2/1を越える場合、反応温度を上げることができず、反応速度が著しく低い場合がある。
ブロック化反応を行う際、反応を促進させる目的で酸触媒を使用することも出来る。そのような触媒としては例えば、下記式(17)で表される酸性リン酸エステル化合物が挙げられる。
Figure 2008083421
(式中のR15は炭素数3〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、kは1または2である。)
また、ブロック化反応を行う際、反応系を均一にし、反応を容易にする目的で有機溶剤も使用してもよい。この際に使用する有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素、エーテル類、エステルおよびエーテルエステル類、ケトン類、リン酸エステル類、ニトリル類、非プロトン性極性溶媒、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類等が挙げられる。より好ましくは、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。当該有機溶剤としては、アルコールまたはイオン性溶剤を除く有機溶剤であることが好ましい。アルコールまたはイオン性溶剤に関しては脱ブロック反応を進行させる場合があることが知られており、樹脂組成物の保存安定性を著しく低下させ、本発明の効果を得ることが難しくなる場合があるからである。さらに、上記の溶剤のうち沸点が130℃未満のものに関しては、本発明の保護膜用樹脂組成物中に5重量%以上混入すると、樹脂組成物の引火性が高くなる等本発明の効果が充分に得られなくなるため、減圧留去等で分離する必要がある。
本発明の樹脂組成物において、硬化剤(B)の配合割合は1〜20重量%である。硬化剤(B)が多価カルボン酸化合物の場合の好ましい配合割合は1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%であり、20重量%以上配合した場合には沈殿を生じる可能性が高く本発明の効果が得られない。硬化剤(B)がカルボン酸無水物の場合の好ましい配合割合は2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%であり、20重量%以上配合した場合には沈殿を生じる可能性が高く本発明の効果が得られない。硬化剤(B)が多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)の場合の好ましい配合割合は2〜20重量%、より好ましくは5〜20重量%であり、1重量%未満配合した場合には架橋密度の低い保護膜しか得られないため本発明の効果を発揮することができない。
硬化剤が多価カルボン酸誘導体の場合には、より多くの硬化剤を配合することが可能であるため、架橋密度の高い保護膜を得ることが可能である。この場合には、エポキシ基含有共重合体(A)と多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)の配合量の比は、以下の範囲であることが好ましい。多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)のビニルエーテル化合物の脱離(脱潜在化、脱ブロック)後に生成するカルボキシル基のモル濃度と、エポキシ基含有重合体(A)のエポキシ基のモル濃度との比(カルボキシル基/エポキシ基)が0.2/1.0〜1.6/1.0になるような配合量にすることが好ましく、より好ましいモル濃度比は0.4/1.0〜1.2/1.0である。
また、エポキシ基含有重合体(A)以外のエポキシ基含有化合物を含有する場合には、前記エポキシ基含有共重合体(A)とエポキシ基含有化合物の合計配合量と多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)の配合量の比は、以下の範囲であることが好ましい。多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)のビニルエーテル化合物の脱離(脱潜在化、脱ブロック)後に生成するカルボキシル基のモル濃度と、エポキシ基含有重合体(A)とエポキシ基含有化合物のエポキシ基の合計モル濃度との比(カルボキシル基/エポキシ基)が0.2/1.0〜1.6/1.0になるような配合量にすることが好ましく、より好ましいモル濃度比は0.4/1.0〜1.2/1.0である。
カルボキシル基とエポキシ基とのモル濃度比が0.2/1.0未満であると、硬化後にエポキシ基が多量に残留するため、架橋密度が低くなり、本発明の効果が得られなくなる可能性がある。また、カルボキシル基とエポキシ基とのモル濃度比が1.6/1.0を上回ると、カルボキシル基が過剰となり、多くの場合樹脂物性が低下する。なお、本発明の樹脂組成物における必須成分である上記(A)、(B1)、(E)に含まれない追加成分として、カルボキシル基、およびエポキシ基を含むカルボキシル基と反応しうる官能基を含む化合物を添加する際には、組成物中のカルボキシル基の合計モル濃度と、エポキシ基を含むカルボキシル基と反応しうる官能基の合計モル濃度との比が、上記範囲となるように配合することが好ましい。
なおここで、カルボキシル基のモル濃度は、簡便には化合物構造式(分子量)と配合濃度とから算出され、より正確には、JIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物の試験方法」に準じて測定された酸当量より算出される。
<溶剤(C)>
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に用いる溶剤(C)は、下記式(18)で表される。
Figure 2008083421
(式中のRは炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数3〜5のアルキル基であり、RとRの炭素数和は6である。)
式(1)で表される化合物の中でも、Rで表される置換基の炭素数が5であるものが、揮発時の樹脂粘度上昇率が高いため、本発明の効果が顕著に現れ好適である。式中のRで表される置換基としては、ペンチル基、3−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基が挙げられ、臭気や毒性、戻りムラの点から3−メチルブチル基が最も好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物においては、溶剤(C)は1種単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。また、酢酸アミルと総称される混合溶剤を用いても良い。
本発明の樹脂組成物において、溶剤(C)の配合割合は、樹脂組成物の固形分中に、3〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは5〜45重量%である。溶剤(C)の配合割合が3重量%未満の場合には、戻りムラ改善効果が低下する可能性があり、50重量%を上回ると臭気が問題になる可能性がある。
<溶剤(D)>
本発明の樹脂組成物における、直鎖アルキレングリコールのエーテルまたはエステル化合物(D)は、本発明の効果を損なわないような沸点130〜170℃の有機溶剤である。このような有機溶剤としては下記式(21)で表される化合物が挙げられる。このような構造を有する溶剤は、(A)成分との混合時の粘度が比較的高く、(C)成分揮発に伴う樹脂粘度上昇率が高くなるため本発明の効果を得ることができる。
Figure 2008083421
(式中のR16は炭素数2〜5の2価の炭化水素基、R17およびR18はそれぞれ独立に炭素数1〜3の炭化水素基、pおよびqはそれぞれ独立に0または1である。)
式(18)の中でも、p≠qであるエーテルエステル溶剤が好ましく、R16が2または3、R17およびR18がそれぞれ独立に1または2であることが好ましい。このような溶剤を選択すれば、(C)成分揮発時の樹脂粘度上昇率が高いため、本発明の効果が顕著に現れ好適である。
本発明に用いる溶剤(D)は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物中に、20〜70重量%配合される。また、溶剤(D)は、本発明に用いられる溶剤(C)に対して、重量比0.5〜10の範囲であることが好ましい。
<必須成分以外の添加剤>
次に、本発明の樹脂組成物に添加することが可能な添加剤やフィラーに関して説明する。これらの添加剤やフィラーの添加は本発明の保護膜用樹脂組成物に対し10重量%未満の配合に抑えることが好ましい。
<エポキシ基含有化合物>
本発明の樹脂組成物には、(A)成分とは異なる、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ基含有化合物を添加して使用してもよい。
このようなエポキシ基含有化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型またはビキシレノール型のエポキシ樹脂またはそれらの混合物、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂およびその誘導体、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、DPP(ジ−n−ペンチルフタレート)型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族ポリグリシジルエーテル;
アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の炭素数2〜50の脂肪族ポリジグリシジルエステル;
フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル等の炭素数2〜50の芳香族ジグリシジルエステル;
N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン等の芳香族アミン系エポキシ樹脂、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等の炭素数1〜50の脂肪族モノグリシジルエーテル;
フェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド等の芳香族モノグリシジルエーテル;
ラウリン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル等の炭素数2〜50の脂肪族モノグリシジルエステル、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル等の芳香族グリジジルエーテル類;
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、各種芳香族グリシジルエーテル類の水添または半水添エポキシ樹脂、その他脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル等の脂肪族グリジジルエーテル類(より具体的には、エチレングリコールールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル等);
フタル酸ジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジル等の芳香族グリジジルエステル類;
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2,3−エポキシプロピル)エステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、3級カルボン酸グリシジルエステル等の脂肪族グリジジルエステル類;
1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変成3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,1−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプチル3−)−スピロ[1,3−ジオン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の脂環式エポキシ化合物;
N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルジアミノフェニルメタン、アニリンジグリシジルエーテル、N−(2−メチルフェニル)−N−(オキシラニルメチル)オキシランメタンアミン、N−グリシジルフタルイミド等のグリジジルアミン類;
トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;
その他に、ブタジエンの単独重合体または共重合体のエポキシ基含有化合物等が挙げられる。
これらのエポキシ基含有化合物のうち、流動性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、低分子の脂環式エポキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
エポキシ基含有化合物は、単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に対して、エポキシ基含有化合物を添加して使用する場合に、エポキシ基含有化合物の分子量は、通常180〜12,000、好ましくは185〜11,000、より好ましくは250〜8,000である。エポキシ基含有化合物の分子量が180未満であると、保護膜の硬度が低下する可能性があり、12,000を上回ると塗工後の外観が低下する可能性がある。
また、エポキシ基含有化合物のエポキシ当量としては60〜4,000g/molであることが好ましく、より好ましくは、90〜3,500g/molである。エポキシ基含有化合物のエポキシ当量が60g/mol未満であると、架橋密度が高くなり保護膜の強靭性、特に硬度が低下する可能性があり、4,000g/molを上回ると保護膜の架橋密度が低くなり保護膜の硬度が著しく低下する可能性がある。
<密着性向上助剤>
本発明の樹脂組成物には、樹脂組成物を硬化させてなる保護膜と基材との密着性を向上させるための助剤として、シラン系カップリング剤を添加することもできる。添加し得るシラン系カップリング剤としては、例えば、エポキシ基を有するシラン系カップリング剤、アミノ基を有するシラン系カップリング剤、(メタ)アクリロイル基を有するシラン系カップリング剤またはその重合物等を挙げることができる。これらのシラン系カップリング剤は1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて添加することができる。
前記のシラン系カップリング剤を用いる場合は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、通常1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは3〜20重量%である。シラン系のカップリング剤の配合量が1重量%未満であると樹脂組成物を硬化して得られる保護膜の基材への密着性の向上効果が不充分である。また、シラン系カップリング剤が30重量%を越えると保護膜の硬度等の性能が低下する。
<表面調整剤>
本発明の樹脂組成物には、本発明の樹脂組成物を硬化させてなる保護膜の外観を向上させる目的で、表面調整剤を添加することもできる。表面調整剤は1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。また、表面調整剤は本発明の(A)〜(D)の必須成分をはじめとする各成分の相溶性を向上させる目的で添加される場合もある。
前記の表面調整剤を用いる場合は、本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、通常0.001〜3重量%添加するのが好ましい。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物には、さらに、粘度調整の目的で、増粘剤、チキソ剤等の粘度調整剤を添加しても良い。また、赤外線や紫外線吸収剤を添加しても良い。
また、線膨張係数の調整、平坦性向上、表面硬度の向上、粘度調整、屈折率の調整、所定波長の光線吸収、密着性の向上等の目的で、本発明の樹脂組成物に任意量フィラーを添加することができる。この際用いられるフィラーとしては、透明性を妨げるものでなければ特に限定されないが、シリカゾル、シリカゲル、酸化チタン、酸化アルミ、酸化セリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が例として挙げられる。これらのフィラーは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、炭酸ガス発生防止剤、可撓性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、表面処理剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レベリング剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、各種ゴム、有機ポリマービーズ、硝子ビーズ、揺変性付与剤、表面張力低下剤、消泡剤、光拡散剤、抗酸化剤、蛍光剤等の添加剤を配合することができる。
<樹脂組成物の製造方法>
以下に本発明の樹脂組成物の配合、攪拌、分散手法に関して説明する。
本発明の樹脂組成物において、上記(A)〜(D)の必須成分をはじめとする各成分を一括配合しても良いし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合しても良い。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じては各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗工時)にこれらの溶液を混合して樹脂組成物として調製してもよい。
本発明の樹脂組成物において、上記(A)〜(D)の必須成分をはじめとする各成分混合後の攪拌に関しては、羽根形撹拌機、デソルバー、ニーダー、ボールミル混和機、ロール分散機等を用いて撹拌をおこなってもよいし、各成分をガロン瓶等の容器に配合してから容器ごとミックスローターで回転させて攪拌してもよい。混合および攪拌の温度は、配合成分にもよるが、通常、結露や溶剤の揮散を避けるために、10〜60℃が好ましい。
本発明の樹脂組成物に粘度調整剤やフィラーを添加する場合には、モーターミル、シェイカー等の高シェア分散機を用いた分散を行っても良い。この際には、本発明における上記(A)〜(C)の必須成分をはじめとする各成分をバインダーとしたマスターバッチを予め作製しておき、使用時に配合するなどといった手法も取ることができる。ただし、本発明の多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)は熱により脱ブロック反応が進行するため、多価カルボン酸のアセタールエステル(B’)を含む組成物を分散する際には、80℃以上に加熱しないよう配慮が必要となる。
本発明によれば、エポキシ基含有重合体(A)と硬化剤(B)により、透明性、耐熱性、耐薬品性等に優れる保護膜用樹脂組成物が得られる上で、溶剤(C)と(D)により調整される樹脂組成物の揮発性や凝集性のバランスが良く、戻りムラの非常に小さい保護膜用樹脂組成物が得られる。さらには、戻りムラが著しく改善されているにもかかわらず、低沸点溶剤を含まないため、引火点が低くなる、臭気が強くなる、毒性が高くなる等の塗工作業上の不具合が発生することはない。
さらに、溶剤(C)が酢酸イソペンチルである場合には、酢酸イソペンチルの低揮発性、低毒性、低不快臭性、低吸水性、低引火性により、本発明の作業安定性の効果が著しく向上するという利点を有している。
2.カラーフィルター
本発明のカラーフィルターは、上記本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層を有する。
上記カラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層は、一般的に保護膜と称されているものに特に限定されず、例えば、カラーフィルターの基板上に形成されたRGB画素と、液晶配向膜、ITO層、発光体、または受光体等との間に形成される樹脂硬化物の層をいう。また、RGB画素に直接接していなくても、他の材料を介して間接的に保護する保護膜のような場合も含まれ、例えば、固体撮像素子のマイクロレンズとカラーフィルターの間に用いる中間膜、或いはカラーフィルターと電極の間に用いる中間膜も含まれる。
本発明のカラーフィルターは、上記本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層を有するので透明性や耐熱性、耐薬品性といった基本性能を備えた上で、保護膜のムラが少ないため、ディスプレイの表示性能を向上させるカラーフィルターを得ることができる。
カラーフィルターは、一例として、透明基板に所定のパターンで形成されたブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックス間に所定のパターンで形成した画素部と、当該画素部を覆うように形成された保護膜を備えている。保護膜上に必要に応じて液晶駆動用の透明電極が形成される場合もある。また、ブラックマトリックス層が形成された領域に合わせて、透明電極板上若しくは画素部上若しくは保護膜上に柱状スペーサーが形成される場合もある。
上記本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層は、上記本発明のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を適宜粘度調整して塗工液とし、まず、それを例えばカラーフィルターの着色層を形成した側の表面に塗布する。
本発明の樹脂組成物を塗布する方法に関しては、特に限定されるものではなく、通常用いられる塗布手法として、例えば、スピンコーター塗布法、浸漬塗布法、スプレーコーター塗布法、ロールコーター塗布法、スクリーン印刷塗布法、オフセット印刷塗布法、スリットコーター塗布法、ダイコーター塗布法等の単独または組み合わせにより、基材に塗布することができる。
次に、得られた塗膜を乾燥し、さらに必要に応じて予備加熱(以下、プリベーク)を行った後、本硬化加熱(以下、ポストベーク)を経て樹脂硬化物の層を形成する。この際には、プリベーク条件として40〜140℃、0〜1時間、ポストベーク条件として150〜280℃、0.2〜2時間が好ましい条件として挙げられる。また、この際の加熱手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の硬化装置を採用することができる。加熱源は特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等の方法で行うことができる。
加熱硬化以外にも、本発明の樹脂組成物に光酸発生剤等を添加した場合には、光線によって樹脂組成物を硬化させ保護膜を得ることができる。この際に選択しうる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。これらの市販品としては、サンエイド SI−L85、同SI−L110、同SI−L145、同SI−L150、同SI−L160(三新化学工業(株)製商品名)などが挙げられる。
なお、本発明の樹脂硬化物の層は、塗工後の膜厚は0.2〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜4μmである。塗工後の膜厚が0.2μm未満の場合には、バリア性、平坦性等の保護膜に要求される性能を得ることが難しく、5μmを上回ると透明性、耐ITO形成プロセス性等の性能が低下するおそれがあり好ましくない。ただし、高い平坦性が望まれる用途に関しては、塗工後の膜厚が5〜20μmであっても良い。
このようにして得られる本発明の樹脂硬化物の層は、カルボン酸化合物とエポキシ基を含有する化合物による架橋樹脂であるため、透明性や耐薬品性、耐熱性(加熱による膜減りや変色の程度など)に優れている。さらに、保護膜のムラが少ないため、ディスプレイの表示性能を向上させるカラーフィルターを得ることができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
以下に本実施例および比較例で用いた測定方法、評価方法を示す。
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K−801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定してポリスチレン換算により求めた。
<粘度>
粘度は、循環式恒温水浴を装備したB型粘度計(東機産業(株)製)を用いて温度20℃で測定した。
<エポキシ当量>
エポキシ当量は、JIS K 7236:2001「エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方」によって規定される方法によって測定した。
(製造例B:多価カルボン酸誘導体(B−4)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、PGMEA37重量部、三菱瓦斯化学(株)製ピロメリット酸25重量部、n−プロピルビニルエーテル38重量部を仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が2.0mgKOH/g以下になったところで反応を終了し、溶液の酸価0.84mgKOH/gのブロック化されたカルボキシル基を2個以上有する硬化剤溶液(B−4)が得られた。
なお、酸価および全酸当量は、JIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物の試験方法」の加水分解酸価測定によって測定した。
<引火点の測定>
各塗工液の引火点を「原油および石油製品引火点試験方法」(JIS K2265−1980)に準拠して測定を行った。表3に結果を示す。評価は引火点が21℃未満のものを×で、それ以外を○で表す。
<臭気の評価>
各塗工液の臭気の有無に直接匂いをかぐことによって確認した。評価は匂いの強いものを×で、それ以外を○で表す。
<保存安定性>
保存安定性は、樹脂組成物の溶液を密閉容器中に入れ、25℃の恒温漕で120日間保管した後の粘度の上昇率(/初期粘度)を観測することにより評価した。粘度は上記の手法で測定した。評価は120日間保管した際に粘度が初期の3倍以上になったものを○で、粘度が初期の3倍未満であったものを◎で表す。
<戻りムラの評価>
各樹脂組成物を孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過した後、スピンコーターを用いてガラス基板(日本電気硝子(株)製;商品名;OA−10、無アルカリガラス)に800rpmで回転塗布した。塗布後、ガラス基板を80℃のクリーンオーブン中にて5分間乾燥処理後、230℃のクリーンオーブン中にて30分間処理し、塗膜を硬化させた。硬化させた塗膜をナトリウムランプにて観測し、端部から戻りムラの無くなる点までの長さを測定した。単位はmmである。
<硬度の評価>
上記戻りムラの評価の際に得られた塗膜について、鉛筆硬度の試験を行った。評価は鉛筆硬度が2H未満のものを×で、2H以上4H未満のものを○で、4H以上のものを◎で表す。
<製造例A:エポキシ基含有重合体(A)の合成>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた容量500mLの4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEA)を160重量部仕込み、攪拌しながら加熱して80℃に昇温した。次いで、80℃の温度でグリシジルメタクリレート100重量部、スチレン100重量部、日本油脂(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO(;商品名、純度93%)」6重量部、およびPGMEA34重量部を予め均一混合したもの(滴下成分)を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、98℃の温度を7時間維持した後、反応を終了した。重量平均分子量(Mw)31,000、固形分53%、粘度6.2Pa・s(20℃)および溶液のエポキシ当量590g/molのエポキシ基を有する重合体溶液(エポキシ基含有重合体のエポキシ当量310g/mol)を得た。
<実施例1〜7>
表1に示す配合割合で、各成分を混合後、十分に攪拌し樹脂組成物を得た。併せて、評価結果を表1に示す。
<比較例1〜7>
表2に示す配合割合で、各成分を混合後、十分に攪拌し樹脂組成物を得た。併せて、評価結果を表2に示す。
なお、表中の略号は以下の通りである。
なお、表中の略号は以下の通りである。
AA:アジピン酸
MH700:メチルヘキサヒドロフタル酸
TMAn:無水トリメリット酸
B−PMA:ピロメリット酸とn−プロピルビニルエーテルとの反応物(製造例B)
iPrAc:酢酸イソペンチル
PrAc:酢酸ペンチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
3MBA:3−メチル−3−メトキシブチルアセテート
BuAc:酢酸ブチル
MEK:メチルエチルケトン
Ep828:エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製)
Figure 2008083421
Figure 2008083421
表の結果より、本発明の樹脂組成物を用いた実施例1〜7の場合は、得られた組成物は引火点も低く臭気も低い上で、戻りムラが著しく小さいことがわかる。さらに、多価カルボン酸のアセタールエステルであるB−PMA(ピロメリット酸とn−プロピルビニルエーテルとの反応物)を用いた実施例6および7では、保存安定性が向上することがわかる。また、環状多価カルボン酸およびその誘導体を用いた実施例2〜7においては硬度が向上していることがわかる。
比較例1および2は(C)成分を含まないため、戻りムラが大きいことがわかる。比較例3においては、(C)成分の量が60重量%より大きくなるため、戻りムラが若干大きくなるだけでなく、酢酸ペンチル由来の臭気が強くなる。比較例4および5(D)成分の代わりに沸点の低い溶剤を用いているため、戻りムラは小さいものの、引火点および臭気の点で問題がある。比較例6は(A)成分の代わりに低分子のエポキシ樹脂を用いているため、戻り斑が大きくなるだけでなく、硬度も低下している。比較例7は(D)成分の代わりに沸点の低い溶剤を用いているため、戻りムラは小さいものの、引火点および臭気の点で問題があり現実的な使用に適わない。

Claims (2)

  1. 下記の(A)、(B)、(C)および(D)成分からなり、成分構成割合が(A)2〜35重量%、(B)1〜20重量%、(C)3〜60重量%、(D)20〜70重量%であるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
    (A)重量平均分子量が3000〜100000であり、かつ、エポキシ当量が140〜1000g/molであり、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有する単量体を用いて重合されたエポキシ基含有重合体
    (B)下記式(1)で表される多価カルボン酸化合物(B1)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)を分子内脱水して得られるカルボン酸無水物(B2)、前記の多価カルボン酸化合物(B1)とビニルエーテルとを反応させて得られる多価カルボン酸ヘミアセタールエステル(B3)からなる群より選ばれる硬化剤
    Figure 2008083421
    (式中のkは2〜6の整数であり、6員環は芳香環または脂環式の炭化水素である。)
    (C)下記式(2)で表される溶剤
    COOR ・・・(2)
    (式中のRは炭素数1〜3のアルキル基、Rは炭素数3〜5のアルキル基であり、RとRの炭素数和は6である。)
    (D)沸点130〜170℃の直鎖アルキレングリコールのエーテルまたはエステル化化合物
  2. 請求項1のカラーフィルター保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層を有するカラーフィルター。
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