JP2006243153A - 紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
下記の成分を含有する紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物。
[A]エポキシ当量が500g/mol以下であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が3,000〜100,000であるエポキシ基を有する重合体
[B]多価カルボン酸化合物とビニルエーテルとを反応させて得られる潜在化多価カルボン酸
[C]ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上の有機系紫外線吸収剤
[D]平均粒径が10nm以下の酸化セリウム
【選択図】 なし
Description
このような固体撮像素子は近年、デジタル化が進み、ユーザーの高品位志向とも相俟ってさらに高画質が求められるようになった。デジタルカメラの画素数の増加などがその一例である。
固体撮像素子には白黒用およびカラー用があるが、そのうちカラー用固体撮像素子は、固体撮像素子が形成された基板上に3色のカラーフィルターを形成して製作される。固体撮像素子は、そのままでも使用されるが、さらに各固体撮像素子に対応した表面に凸型レンズ(マイクロレンズ)を備えて、感度(集光能力)を高めることが行われている(特許文献1参照)。
固体撮像素子にカラーフィルターやマイクロレンズを装備するには、感光性材料を使用したリソグラフィー技術を用いて、微細パターンを形成して行われる。
上記カラーフィルターやマイクロレンズの形成工程において、感光性材料を露光・パターニングする際、下地基板からの乱反射光により、露光したくない部分まで感光され、実際のパターンサイズは目的のサイズとは違ったものになる現象、すなわち「ハレーション」が発生するという問題があった。
しかしながら近年、高精度化に対応するために、カラーフィルターが顔料法で製造されるようになったため、その製造工程で180℃以上の高温が必要となってきた(特許文献1、2参照)。そのために、カラー固体撮像素子の製造で使用すされるハレーション防止膜は180℃以上の高温にも耐えうるものが必要になってきた。従来のハレーション防止膜用材料では、180℃以上の高温の工程を通過すると、ハレーション防止膜としての機能が低下する。これは、180℃を超えるような高温領域では、ハレーション防止膜用材料中に配合された有機系紫外線吸収剤が昇華して散逸および熱分解するために紫外線吸収能力が著しく低下することによるものと推定される。
しかしながら、放射線吸収剤は、触媒物質等、化学的活性の高い物質の共存下では、200℃以上の温度で著しく熱分解を起こすので、近年の高温化製造プロセスに対応することが難しく、また、長期間保存することで増粘したり、紫外線吸収剤の吸光特性の低下を招くという問題点があった。
また、特許文献5においては、加水分解性シリル基含有樹脂に代表される常温硬化性のバインダー樹脂に有機系紫外線吸収剤と酸化セリウムを添加し、耐光性に優れた硬化膜を形成可能な樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この開示技術では、室温での即硬化を特徴としているために、長期間保存した後の組成物の粘度変化を防止したり、保存後の組成物から得られる硬化膜の光線透過率の変化を防止したりすることができない。
〔1〕下記の[A]、[B]、[C]、[D]成分を、[A]10〜80重量%、[B]10〜70重量%、[C]1〜50重量%、[D]0.01〜10重量%の割合で含有する紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物。
[A]エポキシ当量が500g/mol以下であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が3,000〜100,000であるエポキシ基を有する重合体
[B]多価カルボン酸化合物とビニルエーテルとを反応させて得られる潜在化多価カルボン酸
[C]ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上の有機系紫外線吸収剤
[D]平均粒径が10nm以下の酸化セリウム
〔2〕さらに下記の[E]成分を3〜40重量%含有する、前記の〔1〕に記載の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物。
[E]一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂
〔4〕前記の〔3〕に記載の紫外線吸収性保護膜を用いた固体撮像素子。
さらに本発明の固体撮像素子は上記の紫外線吸収性保護膜を有するものであり、該紫外線吸収性保護膜上に形成されたカラーフィルターやマイクロレンズは所望の形状やサイズのものとなるため、本発明の固体撮像素子は信頼性に優れる。
[A]成分
本発明で用いられる重合体[A]は、エポキシ当量が500g/mol以下であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が3,000〜100,000であるエポキシ基を有する重合体である。エポキシ基を導く構成単位として好ましくは、下記の式(1)〜(3)で表される構成単位(a1)を例示することができる。
式(8)において、R14,およびR16として好ましいのは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、R15として好ましいのは−CH2O−基である。式(8)で表される単量体としては、具体的には、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル,α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテルを例示することができ、その中ではo−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルが入手性の面等から好ましい。
式(9)において、R17として好ましいのは、水素原子またはメチル基である。式(9)で表される単量体としては(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルを例示することができる。その中でメタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルが硬度等、硬化後の紫外線吸収性保護膜の物性の面から好ましい。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸のいずれのエステルであっても良いことを意味する。
式(10)において、R19で表される主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基は、付加的な構造、例えば環内二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。
前記式(10)〜(12)で表される単量体を用いることにより、紫外線吸収性保護に充分な硬度、耐熱性および耐薬品性を付与することができる。
前記の式(11)において、R20としては好ましいのは水素またはメチル基であり、R21としては好ましいのはフェニル基である。式(11)で表される単量体としては、具体的には、スチレンが他種単量体との共重合性、および入手性の面等から好ましい。
前記式(12)において、R22としては好ましいのはシクロヘキシル基、およびフェニル基である。式(12)で表される単量体としては、具体的には、N−シクロヘキシルマレイミド、およびN−フェニルマレイミドが硬度、および耐熱性等、硬化後の紫外線吸収性保護膜の面から好ましい。
重合体[A]中の構成単位(a2)の含有量は、10〜90重量%であり、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは40〜55重量%である。含有量が10重量%未満であると、得られる硬化性組成物の保存安定性の低下や紫外線吸収性保護膜の硬化収縮の増加が起こるおそれがある。90重量%を越えると、硬化の反応点が少なくなって緻密な構造を有する硬化膜が得られなくなるおそれがある。
重合体[A]の含有量が10重量%未満であると、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがある。80重量%を越えると、硬化性組成物の保存安定性の低下や紫外線吸収性保護膜の硬化収縮の増加が起こるおそれがある。
[B]成分
本発明に用いる潜在化多価カルボン酸[B]は、多価カルボン酸化合物とビニルエーテルとを反応させて得られる、カルボキシル基を潜在化(保護)したキャップ体である。潜在化多価カルボン酸[B]は、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物の長期保存安定性を非常に高める。ここで言う長期保存安定性とは、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を長期保存した際に、増粘が起こらないということだけでなく、保存後でも、調製した直後に対して、形成した紫外線吸収性保護膜の紫外線吸収特性が変化しないことを言う。
本発明に用いられる[B]成分を用いない紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物においては、[B]成分に相当する硬化剤として、多塩基カルボン酸や酸無水物が用いられるが、これら自体と、これらが有効に機能するために汎用される塩基性の硬化触媒とによって、有機系の紫外線吸収剤は化学的な作用を受けやすい。これに対して、本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物に用いる[B]成分は、潜在化により化学的活性が抑制されており、さらに塩基性触媒を併用しなくても十分な硬化作用を発現する。したがって、長期間保存した後も、紫外線吸収能の変化を防止ないし抑制できるのである。
潜在化多価カルボン酸[B]は、多価カルボン酸化合物に下記式(7)で表されるビニルエーテルを反応させることによって得られる。
式(13)で表されるビニルエーテルの具体例としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル化合物が挙げられる。
潜在化多価カルボン酸[B]として具体的に好ましいものとしては、下記式(14)で表される芳香族カルボン酸誘導体が挙げられる。
式(14)で表される芳香族の潜在化多価カルボン酸は、下記式(16)で表される芳香族多価カルボン酸化合物をビニルエーテルを反応させて潜在化することにより得られる。
式(16)で表される芳香族の潜在化多価カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)などが挙げられる。
上記式(16)で表される芳香族の潜在化多価カルボン酸のなかでも、下記式(17)で表される単環芳香族の潜在化多価カルボン酸は特に好ましい。
式(17)で表される単環芳香族の潜在化多価カルボン酸は、下記式(18)で表される単環芳香族の多価カルボン酸化合物を潜在化することにより得られる。
前記の式(15)で表される官能基を2個以上有する潜在化多価カルボン酸[B]は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(18)で表される単環芳香族カルボン酸誘導体としては、上記式(16)で例示されたもののうちイソフタル酸、テレフタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)が該当し、その中でもカルボキシル基が3つある1,3,5−ベンゼントリカルボン酸および1,2,4−ベンゼントリカルボン酸が好ましい。重合体[A]中のエポキシ成分(式(2)の構成単位)としてメタクリル酸グリシジルを用いる場合には、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸を用いることによって優れた塗膜硬度が得られ、特に好ましい。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物において、潜在化多価カルボン酸[B]の含有量は、10〜70重量%、好ましくは20〜55重量%である。
潜在化多価カルボン酸[B]の含有量が10重量%未満であると、硬化の反応点が少なくなって架橋密度が低くなるおそれがある。70重量%を越えると、得られる硬化性組成物の保存安定性の低下や紫外線吸収性保護膜の硬化収縮の増加が起こるおそれがある。
本発明に用いる有機系紫外線吸収剤[C]は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上の有機系紫外線吸収剤である。400nm未満の波長、特に、365nmの光(i線)を吸収し、可視光領域の波長は吸収しないもので、かつ、溶剤類に可溶のものが好ましい。
例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等;
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾエート、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等;
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジ−フェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3’−ジ−フェニルアクリレート等
が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物において、紫外線吸収剤[C]の含有量は、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
紫外線吸収剤[C]の含有量が1重量%未満であると、硬化後の紫外線吸収性保護膜の紫外線吸収性が低下し、50重量%を越えると、可視光線領域の透過率が低下するので不適である。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物には、平均粒径が10nm以下の酸化セリウム[D]が用いられる。平均粒径としては、好ましくは1〜10nm、より好ましくは2〜10nmである。平均粒径が10nmを越えると、樹脂組成物中の分散安定性が低下し、本発明の目的の紫外線吸収効果が得られない。また、平均粒径が1nm未満であると、酸化セリウム自体の紫外線吸収の効率が落ち、配合量を増やす必要が出てくるので好ましくない。
本発明において、酸化セリウムの平均粒径とは、レーザー式の動的光散乱法に従う粒度分布測定計により測定されるメジアン径の値をいう。このような測定装置としては、例えば、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子(株)製)や、サブミクロン粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製)等が挙げられる。
平均粒径が10nm以下のものであれば、各種溶剤や水に分散したものもしくは粉末状のものの何れについても使用可能である。具体的には、多木化学(株)製のニードラールP−10、ニードラールU−15(水分散体)、ニードラールW−100(粉末、以上商品名)が挙げられる。これらの中でも、配合時に、他の成分との相溶性に優れた粉末状および溶剤分散体のものが好ましい。
酸化セリウム自体は非常に高い触媒作用を示し、硬化剤成分等の変性を招くので、これを避けるために表面が他の酸化物等で被覆された酸化セリウムも市販されているが、これらは、表面上に他の酸化物が存在することで、紫外線吸収性が劣る。本発明においては、硬化剤成分である潜在化多価カルボン酸[B]は、酸化セリウムの触媒作用による変性を受けないので、これらの表面被覆型の酸化セリウムを特に選択的に用いる必要はない。
本発明において、平均粒径が10nm以下の酸化セリウム[D]は、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物の耐光性や耐熱性に寄与する。本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物が優れた耐光性や耐熱性を供する理由は定かではないが、平均粒径が10nm以下の酸化セリウム[D]が光および熱エネルギーを吸収することにより、有機系紫外線吸収剤[C]の光および熱エネルギーによる昇華や分解を抑制し、相乗的な効果を発揮しているためと考えられる。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物において、平均粒径が10nm以下の酸化セリウム[D]の含有量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
平均粒径が10nm以下の酸化セリウム[D]の含有量が0.01重量%未満であると、硬化後の紫外線吸収性保護膜の耐光性や耐熱性が低下する。10重量%を越えると、硬化後の紫外線吸収性保護膜の可視光線透過率や外観が低下する。
本発明において紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物には、さらに一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂[E]を添加するのが好ましい。重合体[A]には、エポキシ基(グリシジル基)が式(2)で表される構成単位によって導入されているが、重合体[A]の分子内に導入できるエポキシ基の量には限界がある。紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物に、一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂[E]を添加すると、樹脂組成物中にエポキシ基が補充されてエポキシの反応点密度が増加し、緻密な硬化構造を有する紫外線吸収性保護膜を得ることができる。
本発明に用いられる一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂[E]の、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物中の添加量としては、3〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物は有機溶剤で希釈して用いることができる。その際、有機溶剤は、含有すべき各配合成分を溶解または分散させてから加えてもよい。
本発明の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を希釈するのに用いる有機溶剤としては、例えば、酢酸3−メトキシブチル、プロピオン酸3−エトキシエチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、二塩基酸ジメチルエステルの混合物(商品名DBE、デュポン社製)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを例示できる。有機溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の添加量としては、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物100重量部に対して、5〜2000重量部、好ましくは10〜900重量部である。
塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法、ダイコート法などの適宜の方法を採用することができる。
ここで塗膜の厚さは、溶媒除去後の膜厚として、通常0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmである。
加熱温度としては、通常150〜250℃である。加熱時間は使用する加熱機器の種類等により適宜に設定することができるが、加熱機器として例えばホットプレートを使用する際には3〜15分間程度、クリーンオーブンを使用する場合には15〜30分間程度とすることができる。
〈製造例A−1:重合体[A]の合成〉
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、酢酸3−メトキシブチルを40.0重量部仕込み、攪拌しながら加熱して80℃に昇温した。次いで、80℃の温度で表1に記載した組成の単量体、重合開始剤、および、酢酸3−メトキシブチルの混合物(滴下成分)60.0重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、80℃の温度を5時間保ったところで反応を終了することにより、重合体(A−1)の酢酸3−メトキシブチル溶液が得られた。その特性を表1に示す。
GMA:メタクリル酸グリシジル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
*2)性状:目視による外観を示す。
*3)加熱残分:JIS K 5601−1−2:1999「塗料成分試験方法−第1部:通則−第2節:加熱残分」の方法により試験を行った。
*4)エポキシ当量:過剰の0.2N・塩酸ジオキサン溶液でエポキシ基の開環反応を行った後、未反応の塩酸を0.1N・KOHエタノール溶液にて逆滴定し、エポキシ当量を算出した。
*5)E型粘度計で測定した。
*6)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表2に示す配合割合に従って、溶剤、原料(多価カルボン酸化合物)、潜在化剤(ビニルエーテル)を仕込み、攪拌しながら加熱し70℃に昇温した。次いで、70℃の温度を保ちながら攪拌し続け、混合物の酸価が5以下になったところで反応を終了し、溶剤および過剰のビニルエーテルを真空ポンプで留去することにより、潜在化多価カルボン酸(B−1)および(B−2)が得られた。その特性を表2に示す。
*2)潜在化率:溶液の酸価より、固形分換算し算出した。
*3)潜在化多価カルボン酸固形分:脱溶剤後の重量測定により算出した。
*4)溶液の酸当量:水・メタノール溶液にて潜在化剤を解離後、酸価を測定した。
*5)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
*3)固形分濃度は、全成分に対しての、希釈溶剤を除いた成分の小計の百分率である。
また、表3中の略号は以下の通りである。
S203: 末端に架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリオキシプロピレン重合体、鐘淵化学工業(株)製、商品名「MSポリマーS203」
TMAH: トリメリット酸無水物
V590: 2−(2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、共同薬品(株)製、商品名「Viosorb590」
V510: 2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、同「Viosorb510」
T327: 2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名TINUVIN
327」
V105: 2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、共同薬品(株)製、商品名「Viosorb105」
V80: 4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−t−ブチル、同「Viosorb80」V930: 2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、同「Viosorb930」
Ep−157: ビスフェノールAノボラック型エポキシ基含有樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート157S70」、エポキシ当量210g/mol
Ep−828: ビスフェノールA型エポキシ基含有樹脂、同「エピコート828」、エポキシ当量190g/mol
Ep−1001: ビスフェノールA型エポキシ基含有樹脂、同「エピコート1001」、エポキシ当量500g/mol
LC−1: ルイス酸系酸触媒、日本油脂(株)製、商品名「ノフキュアーLC−1」
U−220: ジブチル錫アセチルアセトナート、日東化成(株)製、商品名「ネオスタンU−220」
A171: ビニルトリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製、商品名「A171」
A1120: N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、同「A1120」
〈粘度および貯蔵後粘度〉
E型粘度計を用いて紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物の25℃における粘度を測定した。また、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を25℃で3ヶ月貯蔵した後に同じ方法で粘度を測定して、これを貯蔵後粘度とした。
〈光線透過率〉
日本電気硝子(株)製「OA−10」基板に、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を2μmの膜厚になるようにスピンコートし、230℃で2分間ホットプレート上でポストベークした。さらに、この基板を250℃で1時間、クリーンオーブン中で追加加熱(オーバーベーク)した。オーバーベーク前後についてそれぞれ保護膜の紫外線領域から可視光線領域にわたっての光線透過率を測定した。
日本電気硝子(株)製「OA−10」基板に、25℃で3ヶ月貯蔵した紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を2μmの膜厚になるようにスピンコートし、230℃で2分間ホットプレート上でポストベークした。
この基板を促進耐候性試験機(光源:60mW/cm2メタルハライドランプ)中に50時間放置した。さらに、この基板を250℃のクリーンオーブン中で1時間、追加加熱(オーバーベーク)した。オーバーベーク前後についてそれぞれ保護膜の紫外線領域から可視光線領域にわたっての光線透過率を測定した。
日本電気硝子(株)製「OA−10」基板に、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を2μmの膜厚になるようにスピンコートし、230℃で2分間ホットプレート上でポストベークした。
この基板を促進耐候性試験機(光源:60mW/cm2メタルハライドランプ)中に50時間放置した。さらに、この基板を250℃で1時間、クリーンオーブン中で追加加熱(オーバーベーク)した。オーバーベーク前後についてそれぞれ保護膜の紫外線領域から可視光線領域にわたっての光線透過率を測定した。
シリコン基板に、紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を2μmの膜厚になるようにスピンコートし、200℃で6分間もしくは230℃で2分間ホットプレート上でポストベークした。この基板上に、マイクロレンズ材料を2.5μmの膜厚になるようにスピンコートし、70℃で3分間ホットプレート上でプレベークした。得られた塗膜に4.0μmドット・2.0μmスペースパターンを有するパターンマスクを介してニコン(株)製縮小投影露光装置(NA=0.5、γ=365nm)で2,200mJ/m2の露光量にて露光を行い、1重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて23℃、1分間揺動浸漬法にて現像した。次いで23℃にて超純水で30秒間流水リンスし、乾燥して基板パターンを形成した。
パターン形成後,SEMにより所望の寸法になっているか否かを確認した。良否はパターンマスクとパターンとのサイズの比較および断面形状(図1)に従って判定した。サイズについては、形成されたパターンがパターンマスクのサイズに近いほど良好である。また、断面形状については[A]では、ハレーションによる影響がなく良好である。一方(B)では、ハレーションによる影響により断面形状が十分に制御されていない。
紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物および紫外線吸収性保護膜の性能評価結果を表4、5および6に示した。
Claims (4)
- 下記の[A]、[B]、[C]、[D]成分を、[A]10〜80重量%、[B]10〜70重量%、[C]1〜50重量%、[D]0.01〜10重量%の割合で含有する紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物。
[A]エポキシ当量が500g/mol以下であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が3,000〜100,000であるエポキシ基を有する重合体
[B]多価カルボン酸化合物とビニルエーテルとを反応させて得られる潜在化多価カルボン酸
[C]ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上の有機系紫外線吸収剤
[D]平均粒径が10nm以下の酸化セリウム - さらに下記の[E]成分を3〜40重量%含有する、請求項1に記載の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物。
[E]一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂 - 請求項1または2に記載の紫外線吸収性保護膜用樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の層を有する紫外線吸収性保護膜。
- 請求項3に記載の紫外線吸収性保護膜を用いた固体撮像素子。
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