JP2001335739A - 硬化性塗料組成物及び硬化塗膜 - Google Patents

硬化性塗料組成物及び硬化塗膜

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐汚染性、汚染除去性に優れた上塗
り塗膜を形成することができ、貯蔵安定性に優れた硬化
性塗料組成物、及びその硬化塗膜を提供する。 【解決手段】(A)1分子中に1個以上のエポキシ基を
有するα,β‐不飽和単量体及びCH=CR−COO
−(CO)−R’(式中、Rは水素原子又はメ
チル基であり、R’はメチル基又はエチル基であり、n
は1〜30である。)で表されるα,β‐不飽和単量体
を共重合して得られるエポキシ基含有樹脂、(B)
(A)成分のエポキシ基含有樹脂と反応して架橋を形成
する架橋剤、及び(C)酸化アルミニウムゾル、酸化ケ
イ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾ
ルから選ばれる少なくとも1種の無機酸化物ゾルからな
る親水化剤を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性塗料組成物
及び硬化塗膜に関し、さらに詳しくは、耐汚染性、汚染
除去性に優れた上塗り塗膜を形成することができ、貯蔵
安定性に優れた硬化性塗料組成物、及びその硬化性塗料
組成物を塗布することにより得られる硬化塗膜に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】上塗り塗料は、被塗物に意匠性や外観性
を与えるために塗布されるものであり、これらの特性に
加えて、得られる塗膜には耐候性、耐水性、耐酸性、耐
アルカリ性、耐薬品性などの機能が求められてきた。と
ころが、近年、フッ素樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、ウ
レタン塗料などの高耐候性塗料が普及し、塗膜の長寿命
化が図られるに従って、塗膜に耐汚染性や汚染除去性と
いった汚染物質に対する抵抗性が求められるようになっ
た。この塗膜に耐汚染性や汚染除去性を与える技術とし
て、従来より界面活性剤やポリアルコキシポリシロキサ
ンオリゴマーなどの親水化剤を配合した塗料が用いられ
ている。しかしながら、これらの親水化剤は、塗膜中か
ら脱離し易く、耐汚染性が持続しない、塗膜の耐水性や
耐アルカリ性などの塗膜性能を低下させる、貯蔵安定性
が悪く塗料が増粘するなどの問題があった。また、従来
より、一般に用いられてきた、ポリオールとメラミン樹
脂を主成分とする熱硬化性塗料は、耐酸性が十分でな
く、酸性雨による侵食を受け、耐汚染性が低下する問題
点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、耐汚染性、汚染除去性に優れた塗膜を形成す
ることができ、良好な貯蔵安定性を有する硬化性塗料組
成物、及びその硬化性塗料組成物から得られる硬化塗膜
を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を開発すべく種々の検討を重ねた結果、樹脂として、
特定のアルコキシポリエチレングリコール基を有するエ
ポキシ基含有樹脂を用い、このエポキシ基含有樹脂と反
応して架橋を形成する架橋剤を組合せ、さらに、親水化
剤として、酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸
化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルから選ばれ
る少なくとも1種の無機酸化物ゾルを用いることによ
り、親水化剤の塗料中での安定化が可能で、また、塗膜
中からの脱離を防止することができることを見出し、こ
れらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(A)1分子中に1個以上のエポキ
シ基を有するα,β‐不飽和単量体及び一般式(1)
【0005】
【化3】 CH=CR−COO−(CO)−R’ (1)
【0006】(式中、Rは水素原子又はメチル基であ
り、R’はメチル基又はエチル基であり、nは1〜30
である。)で表されるα,β‐不飽和単量体を共重合し
て得られるエポキシ基含有樹脂、(B)(A)成分のエ
ポキシ基含有樹脂と反応して架橋を形成する架橋剤、及
び(C)酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化
ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルから選ばれる
少なくとも1種の無機酸化物ゾルからなる親水化剤を含
有することを特徴とする硬化性塗料組成物を提供する。
また、本発明は、(B)成分が、1分子中に一般式
(2)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRはたがいに結合して
Yをヘテロ原子とする複素環を形成していてもよく、Y
は酸素原子又はイオウ原子である)で表される官能基を
2個以上有する化合物であり、場合により(D)加熱時
に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有する上記の硬化性塗
料組成物を提供する。また、本発明は、(D)成分が、
ブレンステッド酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和
した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混
合物、ルイス酸とトリアルキルホスファイトの混合物、
ルイス酸とジアルキルスルフィドの混合物、スルホン酸
エステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物の群か
ら選ばれる少なくとも1種である上記の硬化性塗料組成
物を提供する。また、本発明は、(C)成分の親水化剤
が、平均粒径100nm以下の無機酸化物ゾルである上
記の硬化性塗料組成物を提供する。また、本発明は、
(C)成分の親水化剤が、表面をシランカップリング剤
で処理された無機酸化物ゾルである上記の硬化性塗料組
成物を提供する。さらに、本発明は、上記の硬化性塗料
組成物を塗布することにより得られることを特徴とする
硬化塗膜を提供する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】(A)成分のエポキシ基含有樹脂
を得るために使用される1分子中に1個以上のエポキシ
基を有するα,β‐不飽和単量体は、末端に不飽和基を
有し、かつ1分子中に1個以上のエポキシ基を有するも
のであれば、特に制限はない。不飽和基の数は、1分子
中に1個が好ましく、また、エポキシ基の数は1分子中
に1〜3個が好ましく、特に1個が好ましい。この1分
子中に1個以上のエポキシ基を有するα,β‐不飽和単
量体の具体例としては、例えばグリシジル(メタ)アク
リレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート単量体
が挙げられる。これらは一種単独で用いても、又は複数
種類用いてもよい。
【0010】(A)成分のエポキシ基含有樹脂を得るた
めに使用される一般式(1)で表されるα,β‐不飽和
単量体は、式中において、Rが水素原子又はメチル基で
あり、R’はメチル基又はエチル基であり、好ましくは
メチル基であり、nが1〜30であり、好ましくは3〜
20であり、特に好ましくは4〜15である。これらは
一種単独で用いても複数種類用いてもよい。(A)成分
のエポキシ基含有樹脂において、一般式(1)で表され
るα,β‐不飽和単量体の含有量は、全単量体中1〜9
5質量%の割合であることが望ましい。この含有量が1
質量%未満であると、親水化剤の塗料中での安定性が不
十分となり、一方、95質量%を超えると、得られる樹
脂に必要な架橋点を導入することができず、十分な耐候
性が得られない。親水化剤の塗料中での安定性を確保し
ながら、樹脂に適正な架橋点を導入するためには、一般
式(1)で表されるα,β‐不飽和単量体の含有量は、
全単量体中3〜75質量%の割合であることがより望ま
しく、全単量体中5〜50質量%の割合であることが特
に望ましい。
【0011】 (A)成分のエポキシ基含有樹脂は、上
記α,β‐不飽和単量体の他に、その他のα,β‐不飽
和単量体を共重合して得られるものが好ましい。その他
のα,β‐不飽和単量体としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシ
ャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレ
ート、ノルマルラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキ
ルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イ
ソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル
酸のシクロアルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸の芳香族炭化水素アルキ
ルエステル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸の複素環式炭化水素アルキ
ルエステル、2‐メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、3‐メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアル
コキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレ
ン等のビニル芳香族化合物、ビニルピロリドン等のビニ
ル複素環式化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリレートのアミノアルキルエ
ステル、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げら
れる。これらは一種単独で用いても複数種類用いてもよ
い。なお、(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキ
ルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、2〜14が
好ましく、4〜8が特に好ましい。その他のα,β‐不
飽和単量体は、(メタ)アクリル酸のC〜C18のア
ルキルエステル、(メタ)アクリル酸のシクロアルキル
エステル及びビニル芳香族化合物の3種から選ばれる2
種又は3種の組合せが好ましく、3種すべての組合せが
特に好ましい。(メタ)アクリル酸のC〜C18のア
ルキルエステルと(メタ)アクリル酸のシクロアルキル
エステルの含有比率は、1:9〜9:1が好ましく、
3:7〜7:3が特に好ましい。(メタ)アクリル酸の
〜C18のアルキルエステルとビニル芳香族化合物
の含有比率は、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜
7:3が特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸のシ
クロアルキルエステルとビニル芳香族化合物の含有比率
は、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3が特に
好ましい。
【0012】 (A)成分のエポキシ基含有樹脂におい
て、その他のα,β‐不飽和単量体の含有量は、全単量
体中10〜90質量%の割合であることがより好まし
く、全単量体中30〜70質量%の割合であることが特
に好ましい。(A)成分のエポキシ基含有樹脂は、上記
単量体を共重合することにより得られる。共重合は、例
えば溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合などの通
常の重合方法により、行えばよいが、溶液重合が好まし
い。溶液重合における溶媒は、後述する硬化性塗料組成
物における溶剤と同様なものが使用できる。共重合に際
しては、重合開始剤を使用することが望ましい。重合開
始剤としては、ラジカル重合開始剤などが好ましい。ラ
ジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シア
ノ吉草酸、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニ
トリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート
等のアゾ化合物、メチルエチルケトンペルオキシド、シ
クロヘキサノンペルオキシド、3,5,5−トリメチル
ヘキサノンペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、
t−ブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブ
チルクミルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、ラ
ウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジイ
ソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペル
オキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオ
キシネオデカネート、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、
t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、
ジ−t−ヘキシルペルオキシド等の有機過酸化物が挙げ
られる。(A)成分のエポキシ基含有樹脂のエポキシ当
量は、樹脂当たり200〜2000g/molが好まし
く、250〜1000g/molがより好ましく、30
0〜700g/molが特に好ましい。
【0013】 (B)成分は、(A)成分のエポキシ基
含有樹脂と反応して架橋を形成する架橋剤である。従っ
て、(B)成分は、(A)成分のエポキシ基と反応する
反応性官能基を1分子中に2個以上、好ましくは2〜5
0個有する。(B)成分の架橋剤の具体例としては、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン等のエチレンア
ミン類、イソホロンジアミン、1,3‐ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン等の環状脂肪族ポリアミン類、ジ
アミノジフェニルメタン、m‐キシレンジアミン等の芳
香族ポリアミン類、塗料用ポリアミド樹脂、1,3,5
‐トリアジン‐2,4,6‐トリス‐カルバミン酸エス
テル又はそのオリゴマー、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸等の芳香族ポリカルボン酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル
酸等の脂環式ポリカルボン酸、多価アルコールと酸無水
物のハーフエステル化合物、1分子中に2個以上のカル
ボキシル基を有するポリエステル樹脂、1分子中に2個
以上のカルボキシル基を有するアクリル樹脂等が挙げら
れる。1分子中に2個以上のカルボキシル基を有するア
クリル樹脂は、(1)アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸などの1分子中に1個以上のカルボ
キシル基を含有するα,β‐不飽和単量体と、その他の
α,β‐不飽和単量体を共重合させる、(2)2‐ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等の1分子中に1個以上の水酸基
を有するα,β‐不飽和単量体と、その他のα,β‐不
飽和単量体を共重合させて得られる重合体に酸無水物を
反応させてハーフエステル化させるなどの方法で得られ
る。本発明において、(B)成分は、1分子中に一般式
(2)
【0014】
【化5】
【0015】(式中のR、R及びRはそれぞれ水
素原子又は炭素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜
18の有機基であって、RとRは互いに結合してY
をヘテロ原子とする複素環を形成してもよく、Yは酸素
原子又はイオウ原子である。)で表される官能基2個以
上、好ましくは2〜50個を1分子中に有する化合物が
好ましい。この化合物は、前記の1分子中に2個以上の
カルボキシル基を有する化合物と一般式(3)
【0016】
【化6】
【0017】(式中のR、R、R、R及びY
は、前記と同じ意味を持つ。)で表されるビニルエーテ
ル化合物、ビニルチオエーテル化合物あるいは酸素原子
又はイオウ原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合を
持つ複素環式化合物との反応により、容易に形成させる
ことができる。前記一般式(2)及び(3)におけるR
、R及びRは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜
18のアルキル基、アリール基、アルカリール基などの
有機基、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アリール
基、アルカリール基などの有機基であって、これらの有
機基は適当な置換基を有していてもよく、またRとR
は、互いに結合してYをヘテロ原子とする置換基を有
しない又は有する複素環を形成していてもよい。R
及びRの好ましいものとしては、水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基、アリール基、アルカリール基
であり、Rの好ましいものとしては、炭素数1〜10
のアルキル基、アリール基、アルカリール基である。
【0018】上記アルキル基の適当な具体例としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、
3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2
−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシ
ル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチ
ル、エチルヘプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n
−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘプタデシル、n
−オクタデシル基などが挙げられ、また、このアルキル
基には、シクロブチル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基も含まれる。好ましいアルキル基は、炭素
数1〜10のアルキル基であり、具体的には、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチル
ブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペン
チル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシ
ル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘ
プチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル及びシクロヘキシル基が挙げられる。
【0019】また、このアルキル基には、アラルキル基
も含まれる。その適当な具体例としては、ベンジル、1
−フェニルエチル、2−フェニルエチル、2−フェニル
プロピル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチ
ル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1
−(4−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフ
ェニル)エチル、2−メチルベンジルなどが挙げられ
る。上記アリール基及びアルカリール基の適当な具体例
としては、例えばフェニル、トリル、キシリル、ナフチ
ルなどのアリール基;4−メチルフェニル、3,4−ジ
メチルフェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2
−エチルフェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブ
チルフェニル、アミルフェニル、ヘキシルフェニル、ノ
ニルフェニル、2−tert−ブチル5−メチルフェニ
ル、シクロヘキシルフェニル、クレジル、オキシエチル
クレジル、2−メチル−4−tert−ブチルフェニ
ル、ドデシルフェニルなどのアルカリール基などが挙げ
られ、好ましくは炭素数6〜10のフェニル、トリル、
キシリル、4−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェ
ニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2−エチルフ
ェニル、n−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニ
ルなどのアリール基、アルカリール基が好ましい。
【0020】前記一般式(3)で表される化合物の具体
例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビ
ニルエーテル、secーブチルビニルエーテル、ter
tーブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの脂肪族
ビニルエーテル化合物及びこれらに対応する脂肪族ビニ
ルチオエーテル化合物、さらには2,3−ジヒドロフラ
ン、3,4−ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H
−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒ
ドロ−4,4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、
3,4−ジヒドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリウ
ムなどの環状ビニルエーテル化合物及びこれらに対応す
る環状ビニルチオエーテル化合物などが挙げられる。
【0021】本発明の硬化性塗料組成物は、前記(A)
成分及び(B)成分を必須成分としている。(A)成分
と(B)成分の混合比は、(A)成分中のエポキシ基
と、これと化学結合を形成しうる(B)成分中の反応性
官能基とが当量比0.2:1.0ないし1.0:0.2
の割合になるように各成分を含有させることが望まし
い。本発明の(B)成分の一般式(2)で表される官能
基は加熱下において、遊離カルボキシル基を再生し、
(A)成分のエポキシ基と化学結合を形成するものであ
るが、この反応の他に分子内分極構造に基き、(A)成
分のエポキシ基に直接付加反応を起こし得る。この際に
は、架橋反応時に脱離反応を伴わないため、揮発性有機
物質の排出低減にも貢献することができる。
【0022】(C)成分の親水化剤である無機酸化物ゾ
ルは、酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジ
ルコニウムゾル、酸化アンチモンゾルから選ばれる1種
以上の無機酸化物ゾルである。これらの無機酸化物ゾル
のうち、好ましいのは酸化ケイ素ゾルである。又、これ
らの無機酸化物ゾルは、一般に水系分散体として供給さ
れることが多く、有機溶剤系塗料の場合、所望の有機溶
媒中に相転換する方法を用いることができる。この相転
換の方法としては、例えば、水系分散体中に水可溶な有
機溶媒を添加し、水を留出させる操作を繰り返すことに
より、所望の有機溶媒中に相転換する方法等を用いるこ
とができる。有機溶媒としては、後述する硬化性塗料組
成物の溶剤と同様なものが挙げられる。酸化ケイ素ゾル
は、四ハロゲン化ケイ素を水中に加える、ケイ酸ナトリ
ウムに酸を加える等の方法で得ることができる。また、
市販品として、例えば、水分散体としてはスノーテック
スO、スノーテックスN(いずれも商品名、日産化学工
業(株)製)等が、有機溶媒分散体としては、スノーテ
ックスIPA−ST、スノーテックスMIBK−ST
(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等が挙げら
れる。これらの無機酸化物ゾルは1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】また、無機酸化物ゾルは、シランカップリ
ング剤で表面処理したものが好ましく、特に酸化ケイ素
ゾルをシランカップリング剤処理したものが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン等が挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられ
る。また、市販品としては、A‐162、A‐163、
AZ‐6122(いずれも商品名、日本ユニカー(株)
製)等が挙げられる。また、上記化合物の縮合体、例え
ば、市販品として、KR−9218、KR−9202
(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等もシランカ
ップリング剤として用いることができる。シランカップ
リング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0024】シランカップリング剤で表面処理を行う場
合、シランカップリング剤の配合量は、無機酸化物ゾル
の不揮発分に対して1〜100質量%が好ましく、5〜
50質量%がより好ましい。また、処理温度は、特に制
限ないが、通常20〜100℃の温度範囲で行われるこ
とが好ましく、特に30〜90℃の範囲で行われること
が好ましい。また、無機酸化物ゾルの平均粒径は、10
0nm以下が好ましく、50nm以下が特に好ましい。
本発明においては、(C)成分の無機酸化物ゾルの含有
割合は、該無機酸化物ゾルの不揮発分として(A)成
分、(B)成分及び(C)成分の合計の不揮発分に対し
て1〜60質量%が好ましく、5〜40質量%が特に好
ましい。ここで、(C)成分が1質量%未満の場合、充
分な耐汚染性、汚染除去性が得られないため好ましくな
く、また、(C)成分が60質量%を超える場合には、
塗料の貯蔵安定性が低下するため好ましくない。
【0025】本発明の硬化性塗料組成物には、必要に応
じて、酸触媒を含有させることができる。酸触媒として
は、例えばハロゲノカルボン酸類、スルホン酸類、硫酸
モノエステル類、リン酸モノ及びジエステル類、ポリリ
ン酸エステル類、ホウ酸モノ及びジエステル類などのプ
ロトン酸、BF、FeCl、SnCl、AlCl
、ZnClなどのルイス酸等を挙げることができ
る。酸触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を組合せて使用してもよい。また、(B)成分が1分子
中に一般式(2)で表される官能基を2個以上有する化
合物である場合は、酸触媒の代わりに(D)成分として
加熱時に活性を示す熱潜在性酸触媒を含有させることが
好ましい。(D)成分の熱潜在性酸触媒としては、ブレ
ンステッド酸あるいはルイス酸をルイス塩基で中和した
化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合
物、ルイス酸とトリアルキルホスファイトの混合物、ル
イス酸とジアルキルスルフィドの混合物、スルホン酸エ
ステル類、リン酸エステル類、オニウム化合物等が挙げ
られる。熱潜在性酸触媒は、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を組合せて使用してもよい。酸触媒又は
(D)成分の含有割合は、(A)成分と(B)成分の不
揮発分の合計量100質量部に対して0.1〜10質量
部が好ましく、0.2〜5質量部が特に好ましい。
【0026】 また、本発明の硬化性塗料組成物には、
上記成分以外に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
トリアジン系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線
吸収剤等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤
等の光安定剤、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止
剤、有機樹脂微粒子、脂肪酸アマイド系ワックス、ポリ
アマイド系ワックス、ポリエチレン系ワックス、酸化ポ
リエチレン系ワックス、シリカ、有機ベントナイト、尿
素化合物系粘性調整剤等の粘性調整剤、シリコーン系表
面処理剤、ビニル化合物系表面調整剤等の表面調整剤、
シリコーン系消泡剤、ビニル化合物系消泡剤等の消泡剤
等の添加剤を適宜配合することができる。また、着色顔
料として、酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄、赤色酸化
鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料、フタロシア
ニンブルー、スレンブルー、フタロシアニングリーン、
不溶性アゾ、溶性アゾ、ペリレン、キナクリドンレッ
ド、チオインジゴレッド、ジオキサジンバイオレット、
アンスラピリミジンイエロー、キノフタロンイエロー等
の有機系着色顔料、光輝剤としてアルミニウム紛、ニッ
ケル紛、パールマイカ等を適宜配合することができる。
また、親水化剤として、無機酸化物ゾルに加えて、ポリ
アルコキシポリシロキサン(アルキルシリケートオリゴ
マー)等を併用することもできる。
【0027】 さらに、本発明の硬化性塗料組成物に
は、有機溶剤を配合することができる。有機溶剤の具体
例としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、芳香族石油ナフサ、ソルベッソ#100(エクソ
ン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150(エクソ
ン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ
キサン等の脂環式炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢
酸イソブチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、酢酸メトキシブチル、プロピオン酸n‐ブチ
ル、プロピオン酸n‐ペンチル等のエステル及びエーテ
ルエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサ
ノン、イソホロン、メチルイソアミルケトン、エチル正
ブチルケトン、エチルアミルケトン、ジイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプ
ロピルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。有機溶
媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて
用いてもよい。
【0028】溶剤の配合量は、硬化性塗料組成物を塗布
できる粘度に調整するように適宜選定すればよい。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計不揮発分
100質量部に対して0〜300質量部が好ましく、有
機溶媒を使用する場合の下限量は1質量部以上が好まし
い。本発明の硬化性塗料組成物の硬化に要する温度及び
時間については、適宜選定すればよいが、通常50〜3
00℃の範囲の温度で、5秒ないし1時間程度加熱する
ことにより、硬化が完了する。
【0029】 本発明の硬化性塗料組成物は、金属素
材、樹脂素材等の被塗物に塗布する上塗り塗料に用いる
ことができる。本発明の硬化性塗料組成物は、被塗物上
に上塗り塗料としてそのまま塗布されるか、あるいは下
塗り、中塗り塗膜上に塗布される。塗布仕様としては、
単独での1コート塗装、ベースコートとの組み合わせで
の2コート塗装、3コート塗装あるいは、上塗り塗膜上
のオーバーコート塗装が可能である。本発明の硬化性塗
料組成物は、クリヤー塗料として、また、顔料あるいは
光輝剤を含むエナメル塗料として使用することができ
る。
【0030】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら
制限されるものではない。
【0031】(製造例1及び2) (A)成分の化合物A‐1溶液及び化合物A‐2溶液の
製造 撹拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反
応容器に、それぞれ反応溶剤としてキシレン790質量
部を仕込み、撹拌下で加熱して、140℃を保った。次
に140℃の温度で、表1記載の組成(質量部)の単量
体、重合開始剤を2時間かけて滴下ロートより滴下し
た。滴下終了後140℃の温度を2時間保ったところで
反応を終了し、化合物A‐1溶液及び化合物A‐2溶液
を得た。
【0032】
【表1】
【0033】注 1)表中の略号は以下の通りである。 St:スチレン CHMA:シクロヘキシルメタクリレート n-BMA:n−ブチルメタクリレート n-BA:n−ブチルアクリレート GMA:グリシジルメタクリレート PME‐400:プレンマーPME‐400(商品名、
日本油脂(株)製、メトキシポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、CH=C(CH)−COO−
(CO)−CH(n≒9)) TBPB:ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート
【0034】(製造例3) (B)成分の化合物B−1溶液の製造 撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、ト
リメチロールプロパン140質量部、キシレン240質
量部、無水コハク酸310質量部を混合し、140℃で
8時間加熱した。50℃まで冷却し、n‐ブチルビニル
エーテル310質量部を加え、50℃で8時間保持し、
980質量部の化合物B‐1を得た。
【0035】(製造例4) (C)成分の酸化ケイ素ゾルC−1の製造 撹拌機、温度計、ディーン・スタークトラップ付きの還
流冷却器及び滴下ロートを備えた反応容器に、スノーテ
ックスMIBK−ST(商品名、日産化学工業(株)
製、酸化ケイ素ゾルの分散体(平均粒径:30nm、固
型分:30質量%、溶媒:メチルイソブチルケトン)1
000質量部およびA‐163(商品名、日本ユニカー
(株)製、シランカップリン剤、メチルトリメトキシシ
ラン)40質量部を仕込み、加熱して80℃で8時間保
持することにより、シランカップリング剤で表面処理さ
れた酸化ケイ素ゾルC−1(平均粒径:32nm)10
20質量部を得た。
【0036】(実施例1、2及び比較例1、2)表2に
記載の原材料・配合(質量部)でクリヤー塗料を作成し
た。2Lのステンレススチール製容器に、表2の原材料
を順に仕込み、ディスパーで15分間撹拌し、クリヤー
塗料を得た。
【0037】
【表2】
【0038】注1)表中の略号は以下の通りである。 MIBK‐ST:スノーテックスMIBK‐ST(商品
名、日産化学工業(株)製、オルガノシリカゾル) MS−56:商品名、三菱化学(株)製、ポリアルコキ
シポリシロキサン ネイキュア2500X:商品名、米国キングインダスト
リーズ社製、スルホン酸系硬化触媒 チヌビン400:商品名、チバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製、紫外線吸収剤 チヌビン123:商品名、チバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製、紫外線吸収剤 ポリフローNo.85:商品名、共栄社化学(株)製、
レベリング剤
【0039】<貯蔵安定性>クリヤー塗料の貯蔵安定性
について以下の方法で評価を行い、その評価結果を表3
に示した。 (1)貯蔵安定性試験(20℃保管3カ月):容量30
0mlの蓋付きガラス容器に、200gの塗料を入れ、
20℃の恒温槽に3カ月静置した。3ヶ月後、塗料の状
態を観察した。 (2)貯蔵安定性試験(40℃保管1カ月):容量30
0mlの蓋付きガラス容器に、200gの塗料を入れ、
40℃の恒温槽に1カ月静置した。1ヶ月後、塗料の状
態を観察した。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例3、4及び比較例3、4)上記実
施例1、2及び比較例1、2で得た各塗料組成物をソル
ベッソ100(商品名、エクソン化学(株)社製、芳香
族炭化水素系有機溶剤)で粘度25秒(フォードカップ
No.4/20℃)に調整して、上塗り用クリヤー塗料
を調製した。調製した上塗りクリヤー用塗料を用いて、
2コート1ベーク仕様による上塗り塗膜を以下にように
形成した。厚さ0.8mmのリン酸亜鉛化成処理鋼鈑
に、エポキシ系カチオン電着塗料を乾燥膜厚が約20μ
mとなるように電着塗装し、170℃で30分間焼付を
行った後、自動車用中塗り塗料を乾燥膜厚が約30μm
となるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間
焼付を行って中塗り塗装鋼鈑を作成し、試験用素材とし
た。この中塗り塗装鋼鈑に、自動車用上塗りベースコー
ト塗料「ベルコートNo.6010ホワイト」(商品
名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚約15μmとなるよ
うにエアスプレー塗装し、室温で5分間放置した後、上
記の上塗りクリヤー用塗料組成物を乾燥膜厚が約40μ
mとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30
分間焼付を行い、上塗り塗膜を形成した。上記の方法で
得られた上塗り塗膜の塗膜性能試験を以下の手法で行っ
た。
【0042】<塗膜特性の評価方法> (3)耐汚染性 屋外において、南向き、水平から30度の角度に試験板
を設置し、曝露した。試験前及び6ヶ月後の試験板の色
を色差計(スガ試験機(株)製、SM‐7‐CH型)で
Lab値を測定し、曝露後のLab値から未曝露時のL
ab値を引くことにより色差ΔE値を算出し、耐汚染性
を判定した。このΔE値が0に近いほど耐汚染性に優れ
る。 (4)汚染除去性 屋外において、南向き、水平から30度の角度に試験板
を設置し曝露した。3ヶ月間の曝露の後、試験板を洗浄
した。洗浄は、5kg/cmに加圧した水を、口径1
mmのノズルから噴射させることにより行った。水の噴
射は、ノズル先端を試験板に対して垂直から45度の角
度で、10cmの距離に保ち、30秒間行った。試験前
および洗浄前および洗浄後の試験板の色(Lab値)
を、色差計(スガ試験機(株)製、SM‐7‐CH型)
で測定し、試験前と洗浄前の色差ΔEと試験前と洗浄
後の色差ΔEとから、汚染除去率を算出した。この汚
染除去率の値が大きいほど、汚染除去性に優れる。 汚染除去率(%)=100−{(試験前と洗浄後の色差
ΔE)÷(試験前と洗浄前の色差ΔE)×100}
【0043】(5)塗膜硬度 JIS K5600‐5.4 引っかき硬度(鉛筆法)
に基づき塗膜硬度を測定した。 (6)外観性 変角光沢計(スガ試験機(株)製、UGV‐50型)に
より、60度光沢値を測定した。 (7)耐候性 キセノン耐候性試験で1,500時間の促進耐候性試験
を行い、試験前の60度光沢値と試験後の60度光沢値
の値から、光沢保持率を算出した。 (光沢保持率(%)=試験後の光沢値÷試験前の光沢値
×100) なお、キセノン耐候性試験の試験条件は、放射照度18
0W/m、照射時温度63±3℃(ブラックパネル温
度)、照射時湿度50±5%RH、降雨時温度28±3
℃(雰囲気温度)、降雨時湿度95%RH以上、降雨サ
イクル360分間照射中に24分間で行った。表4に塗
膜性能評価結果を示した。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明の熱硬化性組成物は、耐汚染性、
汚染除去性に優れた上塗り塗膜を形成することができ、
かつ優れた貯蔵安定性を有するという効果を得ることが
できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AK08 AK10 AK11 DB17 DB18 DB21 DB22 DB23 DB24 DC02 DC06 DC09 DC14 DC45 FA03 FA05 GA06 GA19 GA20 JA01 4J038 CC021 CC081 CG141 CG161 CG171 CH031 CH041 CH071 CH081 CH131 CH141 CH171 CH201 CJ031 CJ151 CK031 DB221 DD001 DF041 GA07 HA166 HA446 JA39 JA41 JB04 JB05 JB07 JB23 JC14 KA03 KA04 KA06 MA10 NA05 NA06 NA26 PA07 PA19 PB07 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に1個以上のエポキシ基
    を有するα,β‐不飽和単量体及び一般式(1) 【化1】 CH=CR−COO−(CO)−R’ (1) (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、R’はメチ
    ル基又はエチル基であり、nは1〜30である。)で表
    されるα,β‐不飽和単量体を共重合して得られるエポ
    キシ基含有樹脂、(B)(A)成分のエポキシ基含有樹
    脂と反応して架橋を形成する架橋剤、及び(C)酸化ア
    ルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾ
    ル及び酸化アンチモンゾルから選ばれる少なくとも1種
    の無機酸化物ゾルからなる親水化剤を含有することを特
    徴とする硬化性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分が、1分子中に一般式(2) 【化2】 (式中、R、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭
    素数1〜18の有機基、Rは炭素数1〜18の有機基
    であって、RとRはたがいに結合してYをヘテロ原
    子とする複素環を形成していてもよく、Yは酸素原子又
    はイオウ原子である)で表される官能基を2個以上有す
    る化合物であり、場合により(D)加熱時に活性を示す
    熱潜在性酸触媒を含有する請求項1記載の硬化性塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】 (D)成分が、ブレンステッド酸あるい
    はルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸と
    トリアルキルホスフェートの混合物、ルイス酸とトリア
    ルキルホスファイトの混合物、ルイス酸とジアルキルス
    ルフィドの混合物、スルホン酸エステル類、リン酸エス
    テル類、オニウム化合物の群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項2記載の硬化性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 (C)成分の親水化剤が、平均粒径10
    0nm以下の無機酸化物ゾルである請求項1〜3のいず
    れかに記載の硬化性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分の親水化剤が、表面をシラン
    カップリング剤で処理された無機酸化物ゾルである請求
    項1〜4のいずれかに記載の硬化性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性
    塗料組成物を塗布することにより得られることを特徴と
    する硬化塗膜。
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