JP2004124005A - 硬化性樹脂組成物および保護膜 - Google Patents

硬化性樹脂組成物および保護膜 Download PDF

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JP2004124005A
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Yujiro Kawaguchi
川口 裕次郎
Toshiyuki Hasegawa
長谷川 俊之
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Abstract

【課題】沈殿物が生成しにくく、工業的に取り扱う上で十分な保存安定性を示すとともに、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れた保護膜を与える硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A):エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体を付加重合して得られる重合体
(B):無水トリメリット酸および/またはトリメリット酸
(C):下記一般式(1)で表される1−置換イミダゾール化合物
Figure 2004124005

(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはシアノエチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ニトロ基または炭素数1〜20のアシル基を表す。)
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、液晶表示用素子、固体撮像素子およびカラーフィルターにおける平坦化膜、保護膜、反射防止膜、絶縁材に好適な硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置用カラーフィルターにおけるオーバーコート材などの絶縁用保護膜として、ポリグリシジルメタクリレートと、芳香族カルボン酸無水物と、イミダゾール類とからなる硬化性樹脂組成物を塗工、熱硬化して得られる保護膜が提案されている。具体的には、グリシジルメタクリレート・アクリレート共重合体の2−エトキシエチルアセテート溶液に、無水トリメリット酸および/またはトリメリット酸、ならびに2−置換イミダゾール化合物を含むジエチレングリコールジメチルエーテル溶液を添加して組成物を調製し、塗工、熱硬化して得られる保護膜が耐アルカリ性に優れていることが報告されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特許2893875号公報(第4頁右欄2行目〜第5頁 実施例5〜7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、グリシジルメタクリレート・メタクリレート共重合体、無水トリメリット酸およびイミダゾール化合物からなる組成物、具体的には、グリシジルメタクリレート・メタクリレート共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという)の溶液に、2−置換イミダゾール化合物のPGMEA溶液および無水トリメリット酸のPGMEA溶液を順次添加したところ、無水トリメリット酸を添加した段階でただちに沈殿物が生成したり、あるいは、得られた組成物を5℃にて2週間保存した段階で沈殿物が生成し、工業的に取扱うには保存安定性が十分ではないことが明らかになった。
本発明の目的は、沈殿物が生成しにくく、工業的に取り扱う上で十分な保存安定性を示すとともに、耐アルカリ性などの耐薬品性に優れた保護膜を与える硬化性樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物および該樹脂組成物を塗工し、熱硬化してなる保護膜である。
(A):エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体を付加重合して得られる重合体
(B):無水トリメリット酸および/またはトリメリット酸
(C):下記一般式(1)で表される1−置換イミダゾール化合物
Figure 2004124005
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはシアノエチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ニトロ基または炭素数1〜20のアシル基を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)成分は、エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体を付加重合して得られる重合体であり、エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体としては、例えば、下記一般式(2)
R−X−CH−E   (2)
(式中、Rは炭素数2〜12程度のアルケニル基を表し、Xはカルボニルオキシ基またはメチレンオキシ基などを表し、Eは下記
Figure 2004124005
から選ばれるエポキシ基を表す。)
で表される単量体が挙げられる。
【0007】
一般式(2)で表される単量体として具体的には、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエステル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどの飽和環状脂肪族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(2)で表される単量体として、2種類以上の一般式(2)で表される単量体を用いてもよい。
一般式(2)で表される単量体としては、中でも、不飽和グリシジルエステルおよび飽和環状脂肪族エポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、とりわけ、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートが好適である。
【0008】
(A)成分としては、さらに、(メタ)アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体を付加重合させてもよい。
ここで、(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルなどの炭素数1〜20程度の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチルなどの炭素数3〜20程度の分枝状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどの炭素数5〜20程度の飽和環状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリルニトリルなどの(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体として、2種類以上の(メタ)アクリル系単量体を用いてもよい。
(メタ)アクリル系単量体としては、中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、とりわけ、直鎖あるいは分枝状の炭素数1〜4程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、または、飽和環状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【0009】
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。スチレン系単量体として、2種類以上の(メタ)アクリル系単量体を用いてもよい。
スチレン系単量体としては、中でも、スチレンが好適である。
【0010】
(A)成分が、(メタ)アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体を付加重合する場合、(メタ)アクリル系単量体およびスチレン系単量体に由来する構造単位の合計は、(A)成分を構成する全ての構造単位100mol%に対し、通常、5〜95mol%程度であり、好ましくは、25〜65mol%程度、さらに好ましくは40〜50mol%程度である。
(メタ)アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体を5〜95mol%付加重合して得られた(A)成分は、得られる保護膜の脆化を抑制する傾向にあることから好ましい。
【0011】
(メタ)アクリル系単量体及びスチレン系単量体以外の(A)成分の原料として用い得る単量体としては、分子内に付加重合し得る二重結合を少なくとも1個含有し、かつ、カルボン酸基やアミノ基などのようにエポキシ基と反応し得る官能基を含有しない脂肪族単量体などが例示される。具体的には、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのアルキル酸ビニルエステル;塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類などが例示される。
【0012】
(A)成分の製造方法としては、例えば、有機溶媒に、使用する単量体およびラジカル発生剤を混合せしめ、さらに必要に応じて、連鎖移動剤を混合せしめて、60〜120℃程度にて共重合する方法などが挙げられる。
硬化性樹脂組成物の溶媒として使用される有機溶媒を(A)成分の製造に使用すると、組成物を調製する後工程で重合体を溶解する工程が省略できるため好ましい。
【0013】
ここで、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
有機溶媒として、2種類以上の有機溶媒を使用してもよい。
有機溶媒の中でも、遊離カルボキシル基、アミノ基、アミド基などのような環状エーテル基と反応し得る官能基を含有しないものが好ましい。
【0014】
有機溶媒の中でも、取扱い性の容易さから、ケトン類、エーテル類およびエステル類が好ましく、とりわけ、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好適である。
【0015】
また、(A)成分のエポキシ当量としては、通常、128g/当量以上であり、好ましくは150〜500g/当量程度である。
さらに、本発明に用いられる重合体の重量平均分子量としては、通常、3,000〜1,000,000程度であり、好ましくは10,000〜300,000程度である。
(A)成分として、例えば、ブレンマーCP−50M(登録商標、グリシジルメタクリレート・メチルメタクリレート共重合体、日本油脂(株)製)、ブレンマーCP−50S(登録商標、グリシジルメタクリレート・スチレン共重合体、日本油脂(株)製)などの市販品を使用してもよい。
【0016】
本発明の硬化性樹脂組成物を調製する際および保存する際に、沈殿物が生じない限り、(A)成分として、エポキシ基とオレフィン性二重結合を含有する単量体を付加重合して得られる重合体とは異なるエポキシ樹脂を混合せしめてもよい。具体的には、芳香族エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添型芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、カルボン酸のグリシジルエステル、スピロ環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを混合せしめてもよい。
【0017】
(A)成分に含有させ得る芳香族エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0018】
水添型芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0019】
脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジエーテルなどが挙げられる。
【0020】
カルボン酸のグリシジルエステルとしては、例えば、ネオデカン酸グリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどが挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2:8,9−ジエポキシリモネンなどが挙げられる。
【0021】
(A)成分に混合し得るエポキシ樹脂の含有量としては、通常、(A)成分に含有されるエポキシ基と二重結合を含有する単量体を付加重合して得られる重合体の同重量程度以下、好ましくは、(A)成分すべての重量に対して、0〜20%程度である。
【0022】
本発明に用いられる(B)成分は無水トリメリット酸および/またはトリメリット酸である。
(B)成分には無水フタル酸、無水テトラブロモフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート(新日本理化(株)製 商品名TMEG)、グリセロールトリストリメリテート(新日本理化(株)製 商品名TMTA)などの無水トリメリット酸以外の芳香族多価カルボン酸およびその無水物を含有させてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対し、通常、5〜100重量部程度である。
【0023】
本発明の(C)成分は、下記一般式(1)で表される1−置換イミダゾール化合物である。
Figure 2004124005
(式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはシアノエチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ニトロ基または炭素数1〜20のアシル基を表す。)
【0024】
(C)成分としては中でも、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールが好適である。
【0025】
本発明の硬化性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、通常、0.05〜30重量部程度、好ましくは0.5〜10重量部程度の含有量である。
(C)成分の1−置換イミダゾール化合物として、2種類以上の1−置換イミダゾール化合物を用いてもよい。
【0026】
硬化性樹脂組成物から沈殿物を生じせしめないために、1−無置換イミダゾール化合物(一般式(1)の置換基Rが水素原子である化合物)の含有量としては、通常、(B)成分の遊離カルボキシ基1モルに対し、0.01モル未満であり、好ましくは、硬化性樹脂組成物に実質的に1−無置換イミダゾール化合物を含有せしめないことが好ましい。
【0027】
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機溶媒に溶解して使用される。
本発明の硬化性樹脂組成物を長時間保存すると、該組成物の溶液粘度が増加したり、ゲル化を起こしやすい傾向があるので、通常、(A)成分を有機溶媒に溶解した主剤と、(B)成分および(C)成分を有機溶媒に溶解した硬化剤の二液に分けて調整・保存することが好ましい。そして、二液を混合したら、速やかに保護膜を製造することが推奨される。
主剤の製造方法としては、例えば、有機溶媒中で(A)成分を製造し、そのまま主剤とする方法;(A)成分を製造し、脱溶媒して一旦重合体を得た後、有機溶媒に溶解する方法などが挙げられる。
硬化剤の製造方法としては、(B)成分および(C)成分を同時に有機溶媒に溶解する方法;(B)成分と(C)成分を逐次、有機溶媒に溶解する方法;(B)成分および(C)成分を個別に有機溶媒に溶解した後、混合する方法;などが挙げられる。
【0028】
ここで有機溶媒としては、(A)〜(C)のいずれの成分を溶解し得るものが好ましく、前記に例示されたアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素などが例示される。具体的には3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが好適に使用できる。
有機溶媒として、2種類以上の有機溶媒を用いてもよい。
【0029】
有機溶媒の中でも、取扱い性の容易さから、ケトン類、エーテル類およびエステル類が好ましく、とりわけ、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好適である。
【0030】
主剤に使用する有機溶媒と、硬化剤に使用する有機溶媒には、同じものを使用してもよいし、異なっていてもよい。また、それぞれに2種類以上の有機溶媒を用いてもよい。
有機溶媒は、(A)〜(C)成分いずれも溶解し得る量が用いられ、具体的には、主剤においては(A)成分が5〜50重量%程度、好ましくは、10〜30重量%程度になるように有機溶媒が用いられる。硬化剤においては、(B)成分が1〜40重量%程度、好ましくは、5〜25重量%程度、(C)成分が0.1〜10重量%程度、好ましくは、0.5〜5重量%程度になるように有機溶媒が用いられる。
【0031】
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、通常、フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤、その他のシリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を用いる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(大日本インキ化学工業(株)製)などがあげられる。
その他のシリコーン系界面活性剤としては、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。
【0032】
フッ素系界面活性剤としてはフロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(新秋田化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM  Chemie社製)などがあげられる。これらの界面活性剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
硬化性樹脂組成物には、沈殿物が生じない範囲で有機溶媒および界面活性剤の他に、例えば、シランカップリング剤、消泡剤、チキソトロピー性付与剤、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有せしめてもよい。
【0034】
かくして得られた硬化性樹脂組成物を、ガラス基板、カラーフィルター基板など、保護する必要のある基体に塗工し、続いて加熱することにより、本発明の保護膜を得ることができる。
ここで、塗工方法としては、例えば、スピンコーター、スリットコーター、バーコーター、スプレーコーター、ロールコーター、フレキソ印刷、オフセット印刷などを用いる方法、スリット&スピン、バー&スピンなど、二種類以上の塗工方法を組み合わせた方法などが挙げられる。
【0035】
加熱方法としては、例えば、ホットプレート、クリーンオーブン、赤外線加熱装置などを用い、通常、100℃〜220℃で10分〜120分間加熱する方法などが挙げられる。
また、得られる保護膜の厚みとしては、通常、0.07μm〜20μm程度であり、この範囲であると、保護膜の物性、特に平坦化および表面強度が向上する傾向にある。
【0036】
本発明の硬化性樹脂組成物を支持基材に塗工し、有機溶媒を留去して、接着性を有するフィルムを作成し、保護する必要のある基体に貼り合せたのち、熱硬化し、本発明の保護膜として得ることもできる。支持基材は、基体に熱硬化したのち、あるいは熱硬化する前に剥離させてもよい。ここで、支持基材としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン共重合体からなるフィルムなどのポリオレフィン系フィルム、酢酸セルロースフィルム、硬化性樹脂組成物からなる層に接する面にシリコーン系離型剤あるいはフッ素系離型剤が塗布された離型紙および離型ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが挙げられる。
また、熱硬化する前の保護膜に、さらに必要に応じて、他の樹脂や基体を積層してもよい。
【0037】
基体の材料としては、通常、本発明の保護膜と接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属、ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料、メラミン系樹脂、アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
【0038】
基体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。
また、基体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、本発明以外の樹脂組成物からなる塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
基体として、合成高分子材料及び金属の複合材料である集積回路、プリント配線板、液晶表示用素子、固体撮像素子、カラーフィルターなどの電子・電気部品等が好ましく用いられる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部は、特に断らないかぎり重量部を意味する。
【0040】
(実施例1〜5、比較例1〜13)
(A)成分としてブレンマーCP−50M(グリシジルメタクリレート・メチルメタクリレート共重合体、日本油脂(株)製)、(B)成分として無水トリメリット酸、(C)として表1に記載のイミダゾール化合物(いずれも商品名 キュアゾール、四国化成製)、有機溶媒としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を使用した。
【0041】
【表1】
Figure 2004124005
【0042】
主剤として、ブレンマーCP−50M(20部)とPGMEA(80部)を混合し、無色透明の均一な溶液を得た。
この溶液を5℃のインキュベーターに2週間密栓保管したところ、外観上の変化は生じていなかった。
【0043】
硬化剤の調整は以下のように順次、溶解性を確認しながら行なった。
(I)PGMEA溶解性
PGMEA(78部)に(C)成分(2部)を混合したときに、溶解して透明で均一な溶液が得られたものを◎と評価した。このときの(C)成分の濃度は2.5%である。
PGMEA(79部)に(C)成分(1部)を混合したときに、溶解して透明で均一な溶液が得られたものを○と評価した。このときの(C)成分濃度は1.25%である。
PGMEA(119部)に(C)成分(1部)を混合したときに、溶解して透明で均一な溶液が得られたものを△、溶解しなかったものを×と評価した。このときの(C)成分濃度は0.83%である。
【0044】
(II)(B)成分:無水トリメリット酸の添加
(I)の溶解性が◎および○になったサンプルについて、さらに(B)成分として無水トリメリット酸(20部)を溶解し、硬化剤を得た。硬化剤の(B)成分の濃度は20%、(C)成分の濃度は2%であり、○と評価された試料では(B)成分の濃度は20%、(C)成分の濃度は1%であった。
これら硬化剤が、透明で均一な溶液が得られたものを○、それ以外を×として評価した。
【0045】
(III)5℃保存安定性
(II)の評価が○であった硬化剤を5℃のインキュベーターに密栓保管し、2週間後の外観を確認した。
外観上、変化を生じなかったものを○、沈降物が生成して溶液が白濁したものを×と評価した。
(I)〜(III)の結果を表2にまとめた。
【0046】
<保護膜の製造例>
前項で得られた硬化剤であって、5℃保存安定性が○であった試料に関して、主剤100部と硬化剤20部を混合して硬化性樹脂組成物を作製した。
主剤と硬化剤を混合後、4時間以内に組成物をスライドグラスにスピンコートし、85℃の加熱硬化炉で2分間ベークして脱溶媒した後、230℃の加熱硬化炉で40分間加熱したのち、保護膜を得た。該保護膜を接触式膜厚計により膜厚を測定したところ1.5〜2.5μmであった。
【0047】
(耐薬品性試験)
前項で得られた保護膜を3つ用意した。次に、表2に記載された浸漬液に、表2に記載の時間、浸漬したのち、それぞれ浸漬した後の保護膜の膜厚を測定し、下記式(2)で表される残膜率を求め、耐酸性、耐アルカリ性および耐NMP性を評価した。
(残膜率)=100×(浸漬後の膜厚)/(浸漬前の膜厚)  (2)
判定は残膜率が±4%以下しか変化しなかったものは○、±4%を超えて変化したものを×とした。結果を表3にまとめた。
【0048】
【表2】
Figure 2004124005
【0049】
【表3】
Figure 2004124005
【0050】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物は、沈殿物が生成しにくく、保存安定性に優れ、工業的に容易に取り扱うことができる。また、該組成物を塗工し、熱硬化して得られる保護膜は、耐アルカリ性に優れる上、さらに、耐酸性、耐NMP性などの他の耐薬品性にも優れる。
かかる保護膜は、液晶表示用素子、固体撮像素子およびカラーフィルターにおける平坦化膜、保護膜、反射防止膜に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    (A):エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有する単量体を付加重合して得られる重合体
    (B):無水トリメリット酸および/またはトリメリット酸
    (C):下記一般式(1)で表される1−置換イミダゾール化合物
    Figure 2004124005
    (式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはシアノエチル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ニトロ基または炭素数1〜20のアシル基を表す。)
  2. (A)成分が、さらに、(メタ)アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体を付加重合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (C)成分が、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも一種の1−置換イミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物が、有機溶媒を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  5. 有機溶媒が、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を塗工し、熱硬化してなる保護膜。
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