JP7352334B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は活性エネルギー線の照射を含む工程により硬化し、塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性組成物に関する。詳しくは、タッチパネル用保護膜、タッチパネル用絶縁膜、フォトスペーサー用保護膜、カラーフィルター用保護膜及び半導体基板用絶縁膜等に好適な活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
タッチパネルはその動作原理によって、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波方式及び電磁誘導方式等に分類される。最近では誤作動が少なく低コストで液晶表示装置等に搭載可能な静電容量方式のタッチパネルがよく用いられている。静電容量方式の場合、基板上に形成された透明導電膜[例えばITO(Indium Tin Oxide)膜]を保護するために、高硬度で耐擦傷性を備え、かつ透明性及び基板との良好な密着性を有する保護膜が要望されている。
このような高硬度で耐擦傷性に優れ、透明性が高く導電膜との密着性に優れた保護膜を形成する樹脂組成物として、アルカリ可溶性樹脂、分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び感放射線性重合開始剤を含む樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、硬度を向上せるために、シリカ粒子や無機フィラー等の無機化合物を含有した樹脂硬化物は、フレキシブル回路基板用保護材料、層間絶縁膜及びカラーフィルター用保護膜等に広く用いられている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び2の組成物からなる硬化物は高硬度と良好な密着性の両立させる点においてその効果が十分でないという問題があった。
特開2010-027033号公報 特開2009-217037号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高い透明性及び高い硬度を有し、基板や透明電極膜等との密着性が良好である活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)を含有するアルコキシシラン成分(a)の部分加水分解縮合物であってアルコキシ基を有し、数平均分子量が500~10,000である縮合物(A)とシリカ微粒子(B)とカチオン重合開始剤(C)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物;前記活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物である。
-Si(OR4-n (1)
[式中、Rは一般式(2)又は一般式(3)で表される1価の基であり、複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、複数個あるRは同一でも異なっていてもよく、nは1又は2である。]
Figure 0007352334000001
[式中、Rは炭素数1~10のアルキレン基又は-R-O-R-で表される2価の基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~9のアルキレン基を表し、RとRの炭素数の合計は2~10である。]
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いることにより、ガラス基板への密着性に優れ、かつ高い透明性と高い硬度を有する硬化物を得ることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)を含有するアルコキシシラン成分(a)の部分加水分解縮合物であってアルコキシ基を有し、数平均分子量(以下、Mnと略記)が500~10,000である縮合物(A)とシリカ微粒子(B)とカチオン重合開始剤(C)とを含有する。
本発明における縮合物(A)は、一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)を含有するアルコキシシラン成分(a)の部分加水分解縮合物である。縮合物(A)がアルコキシ基を有し、そのMnが所定の範囲であることにより、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物に良好な密着性と高い硬度を与えることができる。(A)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
-Si(OR4-n (1)
一般式(1)におけるRは、一般式(2)又は一般式(3)で表される1価の基であり、複数個ある場合は同一でも異なっていてもよい。
Figure 0007352334000002
一般式(2)及び(3)におけるRは、炭素数1~10のアルキレン基又は-R-O-R-で表される2価の基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~9のアルキレン基を表し、RとRの炭素数の合計は2~10である。複数個あるRは同一でも異なっていてもよい。
炭素数1~10のアルキレン基としては、メチレン基及びエチレン基並びに直鎖又は分岐のプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ノニレン基及びデシレン基が挙げられる。
炭素数1~9のアルキレン基としては、メチレン基及びエチレン基並びに直鎖又は分岐のプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基及びノニレン基が挙げられる。
一般式(1)におけるRとして、重合性及び硬化物の硬度の観点から好ましいのは、一般式(3)で表される1価の基である。
一般式(1)におけるRは、炭素数が1~4のアルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基又はtert-ブチル基)を表す。
一般式(1)におけるnは、1又は2であり、加水分解の反応性の観点から好ましいのは1である。
一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)の具体例としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、8-グリドキシオクチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピル(エチル)トリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及び3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。(a1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるアルコキシシラン成分(a)は、一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)以外のアルコキシシラン(a2)を含有することができる。
(a1)以外のアルコキシシラン(a2)としては、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン等のアルコキシ基のみを有するアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及び7-オクテニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するアルコキシラン;p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するアルコキシシラン;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及び8-(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン;3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン及びN-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基を有するアルコキシシラン;3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン及び3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン原子を有するアルコキシシランが挙げられる。(a2)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アルコキシシラン成分(a)中のアルキルアルコキシシラン(a1)の含有量は、(a)の重量を基準として硬化物の硬度及び密着性の観点から、好ましくは50~100重量%、更に好ましくは80~100重量%である。
本発明における縮合物(A)のMnは、500~10,000であり、硬化物の密着性及び硬度の観点から好ましくは1,000~3,000である。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における縮合物(A)の含有量は、硬化物の密着性及び硬度の観点から、(A)、(B)、(C)、後述の(D)及び後述の(E)の合計重量[以下、(A)~(E)の合計重量と記載]を基準として、好ましくは15~90重量%であり、更に好ましくは25~80重量%である。
本発明における縮合物(A)は、必須成分としてのアルキルアルコキシシラン(a1)及び任意成分としての(a1)以外のアルコキシシラン(a2)とからなるアルコキシシラン成分(a)を水により部分的に加水分解物して縮合させることにより得られる。
加水分解反応と縮合反応は、一般的なゾルゲル法の条件で行うことができる。例えば、アルコキシシラン成分(a)、後述の有機溶剤(I)(好ましいのはメチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエタノール)及び水とを反応容器に仕込み、まず、部分的な加水分解反応を行う。
化学量論的には(a)が有するアルコキシ基の量に対して等モルの水を用いることになるが、高分子量の縮合物を得る観点からは水を過剰量(特に化学量論量の倍の量)用いることが好ましい。
系中のアルコキシシラン成分(a)の濃度は、30~50重量%であることが好ましく、加水分解反応の温度は、好ましくは40~90℃、更に好ましくは70~80℃であり、反応時間は3~5時間であることが好ましい。
加水分解反応時に水が化学量論量反応する前に脱水縮合反応に移り、水を留去することで縮合物(A)にアルコキシ基を残存させることができる。また、使用する水の量を調整することで縮合物(A)のMnを制御することができる。具体的には、使用する水の量を多く入れることで縮合物(A)のMnを大きくすることが出来る。高分子量の縮合物を得る観点からは水を過剰量(特に化学量論量の倍の量)用いることが好ましい。
脱水縮合反応は、好ましくは40~90℃、更に好ましくは70~80℃で減圧下に行う。
この加水分解反応と縮合反応は、触媒の存在下で行うことが好ましい。触媒としては(a1)が有するエポキシ基の安定性の観点から酸と塩基からなる塩が好ましく、更に好ましいのは弱酸と弱塩基からなる中性塩(酢酸アンモニウム塩及び炭酸アンモニウム塩等)である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、シリカ微粒子(B)を含有することにより、硬化物の硬度が向上する。(B)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
シリカ微粒子(B)は、表面処理されていないものでもよいが、分散性向上のために有機物等で表面処理されたものを用いてもよい。
表面処理されていないシリカ微粒子の市販品としては、メタノールシリカゾル(体積平均粒子径10-15nm)、MA-ST-M(体積平均粒子径20-25nm)、IPA-ST(体積平均粒子径10-15nm)、IPA-ST-L(体積平均粒子径40-50nm)、IPA-ST-ZL(体積平均粒子径70-100nm)、IPA-ST-UP(体積平均粒子径9-15nm)、EG-ST(体積平均粒子径10-15nm)、NPC-ST-30(体積平均粒子径10-15nm)、PGM-ST(体積平均粒子径10-15nm)、DMAC-ST(体積平均粒子径10-15nm)、MEK-ST-40(体積平均粒子径70-100nm)、MEK-ST-L(体積平均粒子径40-50nm)、MEK-ST-ZL(体積平均粒子径70-100nm)、MEK-ST-UP(体積平均粒子径9-15nm)、MIBK-ST(体積平均粒子径10-15nm)、MIBK-ST-L(体積平均粒子径40-50nm)、CHO-ST-M(体積平均粒子径20-25nm)、EAC-ST(体積平均粒子径10-15nm)、PMA-ST(体積平均粒子径10-15nm)及びTOL-ST(体積平均粒子径10-15nm)[いずれも日産化学(株)製]等が挙げられる。
有機物等で表面処理されたシリカ微粒子の市販品としては、MEK-AC-2140Z(体積平均粒子径10-15nm)、MEK-AC-4130Y(体積平均粒子径40-50nm)、MEK-AC-5140Z(体積平均粒子径70-100nm)、PGM-AC-4130Y(体積平均粒子径10-15nm)、MIBK-AC-2140Z(体積平均粒子径10-15nm)、MIBK-SD-L(体積平均粒子径10-15nm)、MEK-EC-2130Y(体積平均粒子径10-15nm)、MEK-EC-6150P(体積平均粒子径30-40nm)、MEK-EC-7150P(体積平均粒子径50-60nm)、EP-M2130Y(体積平均粒子径10-15nm)、EP-M6140P(体積平均粒子径20-25nm)及びEP-M7145P(体積平均粒子径50-60nm)[いずれも日産化学(株)製]等が挙げられる。
本発明におけるシリカ微粒子(B)の体積平均粒子径は、透明性の観点から、好ましくは5~100nm、更に好ましくは10~50nmである。
本発明における体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置[マイクロトラック(日機装株式会社製)]を用いて測定される。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中のシリカ微粒子(B)の含有量は、硬化物の硬度の観点から、(A)~(E)の合計重量を基準として、好ましくは5~40重量%、更に好ましくは10~35重量%である。
本発明におけるカチオン重合開始剤(C)としては、可視光線、紫外線、遠赤外線、荷電粒子線及びX線等の活性エネルギー線の露光により、(A)が有する一般式(2)又は一般式(3)で表される官能基による重合を開始しうるカチオンを発生する化合物であればどのようなものでも使用可能である。
カチオン重合開始剤(C)としては、必須成分としての光により酸を発生する光カチオン重合開始剤(C1)及び任意成分としての熱により酸を発生する熱カチオン重合開始剤(C2)等が挙げられる。熱カチオン重合開始剤(C2)は、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる工程に、プリべーク工程やポストべーク工程がある場合に特に有用であり、熱により硬化反応が促進されて硬度等が向上させることができる。カチオン重合開始剤(C)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
光カチオン重合開始剤(C1)としては、光により酸を発生するスルホニウム塩(C11)及びヨードニウム塩(C12)等が挙げられる。
スルホニウム塩(C11)としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ-p-トリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリ-p-トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート及び[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスフェート等が挙げられる。
ヨードニウム塩(C2)としては、ヨードニウム(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]-ヘキサフルオロホスフェート(BASFジャパン(株)製「DAROCUR 250」)、ヨードニウム[ビス(4-t-ブチルフェニル)]ヘキサフルオロホスフェート、ヨードニウム[ビス(4-t-ブチルフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート、ヨードニウム[ビス(4-メトキシフェニル)]トリフルオロ[トリス(パーフルオロエチル)]ホスフェート及びヨードニウム[ビス(4-メトキシフェニル)][テトラキス(パーフルオロフェニル)]ボラート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤(C1)の内、光に対する感度(硬化速度)の観点から、スルホニウム塩(C1)が好ましく、更に好ましいのは[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート及び[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスフェート、特に好ましいのは[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスフェートである。
熱カチオン重合開始剤(C2)としては、熱によって酸を発生するスルホニウム塩(C21)、ヨードニウム塩(C22)、ベンゾチアゾニウム塩(C23)、アンモニウム塩(C24)及びホスホニウム塩(C25)等が挙げられる。但し、スルホニウム塩(C11)又はヨードニウム塩(C12)で挙げられた化合物は含まれない。
スルホニウム塩(C21)としては、(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(4-ヒドロキシフェニル)(2-メチルベンジル)メチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(4-ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4-ヒドロキシフェニル)(2-メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4-ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4-ヒドロキシフェニル)(4-メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジル-メチル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロ[トリス(ペンタフルオロエチル)]ホスフェート、(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(4-ヒドロキシフェニル)(2-メチルベンジル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(4-ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(4-ヒドロキシフェニル)(4-メチルベンジル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(4-ヒドロキシフェニル)(2-メチルベンジル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4-アセトフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4-ベンジルオキシカルボニルオキシフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4-ベンゾイルオキシフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、(4-アセトキシフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセナート及び(4-ベンゾイルオキシフェニル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセナート等が挙げられる。
ヨードニウム塩(C22)としては、ジフェニルヨードニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド及び(p-ニトロフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
ベンゾチアゾニウム塩(C23)としては、アニオンとして(SbF-)を有するもの[3-ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート、3-(4-メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート、2-メチルスルファニル-3-ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート及び5-クロロ-3-ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモナート等];アニオンとして(PF6-)を有するもの(3-ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等);アニオンとして(BF4-)を有するもの(3-ベンジルベンゾチアゾニウムテトラフルオロボラート等)等が挙げられる。
アンモニウム塩(C24)としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6-ジフルオロフェニル)ボラート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p-クロロフェニル)ボラート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3-トリフルオロメチルフェニル)ボラート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6-ジフルオロフェニル)ボラート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p-クロロフェニル)ボラート及びベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3-トリフルオロメチルフェニル)ボラート等が挙げられる。
ホスホニウム塩(C25)としては、例えば、(4-メチルフェニル)ジフェニルホスホニウムトリフラート等が挙げられる。
これらの熱カチオン重合開始剤(C2)の内、硬化速度の観点から、スルホニウム塩(C21)が好ましく、更に好ましいのはベンジル-メチル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロ[トリス(ペンタフルオロエチル)]ホスフェートである。
光重合開始剤(C)の使用量は、(C1)及び(C2)のそれぞれについて、(A)~(E)の合計重量を基準として硬化性及び硬化物の着色の観点から、好ましくは0.2~10重量%、更に好ましくは0.5~5重量%、特に好ましくは0.7~5重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、多官能エポキシ化合物(D)を含有することができる。多官能エポキシ化合物(D)としては、芳香族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、イソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂及びエポキシ基を2個以上有しアルコキシ基を有しないポリシロキサン化合物等が挙げられる。(D)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
芳香族エポキシ樹脂としては、多価フェノールのグリシジルエーテル体、グリシジル芳香族ポリアミン及びその他の芳香族エポキシ樹脂等が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5-ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N-ジグリシジルアニリン及びN,N,N’,N’-テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
その他の芳香族エポキシ樹脂としては、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、グリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー及びビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシド又はプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、トリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル体、脂肪酸多価カルボン酸のポリグリシジルエステル体及びグリシジル脂肪族アミン等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。脂肪酸多価カルボン酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルアジペート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’-テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また、本発明における脂肪族エポキシ樹脂には、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含まれる。
脂環式エポキシ樹脂としては、分子中に脂環基を含有するエポキシ樹脂が挙げられ、例えばビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート及び3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂には、芳香族エポキシ樹脂の核水添化物も含まれ、例えば多価フェノールの核水添化物のグリシジルエーテル体(水添ビスフェノールAのグリシジルエーテル体等)等が挙げられる。
イソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、トリグリシジルイソシアヌレート(商品名:TEPIC-S、TEPIC-L、TEPIC-VL、TEPIC-UC、TEPIC-PAS B22、いずれも日産化学工業株式会社製)等が挙げられる。
エポキシ基を2個以上有しアルコキシ基を有しないポリシロキサン化合物としては、市販品としての「KR-470」[4官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]及び「X-40-2678」[2官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]等が挙げられる。
これらの内、カチオン重合性の観点から好ましくは、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、イソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂及びエポキシ基を2個以上有しアルコキシ基を有しないポリシロキサン化合物である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中の多官能エポキシ化合物(D)の含有量は、硬化物の硬度の観点から、(A)~(E)の合計重量を基準として、好ましくは10~65重量%、更に好ましくは20~45重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、カップリング剤(E)を含有することができる。(E)を含有することにより、硬化物の基材との密着性が向上する。(E)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
カップリング剤(E)としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、前記一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)及び(a1)以外のアルコキシシラン(a2)として例示したものと同様のものが挙げられる。
チタンカップリング剤としては、イソプロピル(N-エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p-N-(β-アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、Zr-アセチルアセトネート、Zr-メタクリレート、Zr-プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m-アミノフェニル)ジルコネート及びアンモニウムジルコニウムカーボネート等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、Al-アセチルアセトネート、Al-メタクリレート及びAl-プロピオネート等が挙げられる。
これらの内、硬化物の基材との密着性の観点から好ましいのはシランカップリング剤である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中のカップリング剤(E)の含有量は、硬化物の基材との密着性の観点から、(A)~(E)の合計重量を基準として、好ましくは0.01~10重量%、更に好ましくは0.1~7重量%、特に好ましくは1.7~3重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、増感剤(F)を含有することができる。
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン(9,10-ジブトキシアントラセン等)等が挙げられる。(F)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
増感剤(F)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.7~1.2重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、レベリング剤(G)を含有することができる。
レベリング剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤等が挙げられる。これらの内で塗布性の観点からはフッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤が好ましく、相溶性の観点からはオキシアルキル鎖を有する界面活性剤が好ましい。(G)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
レベリング剤(G)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.3~0.6重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、分散剤(H)を含有することができる。
特にシリカ微粒子(B)の分散性向上のために用いられる分散剤としては、SOLSPERSE 36000(Lubrizol社製)等の酸性のものが好ましい。(H)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
分散剤(H)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.7~1.2である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、有機溶剤(I)を含有することができる。
有機溶剤(I)としては、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エーテル溶剤(エーテルエステル溶剤及びエーテルアルコール溶剤を含む;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びメトキシブチルアセテート等)、エステル溶剤(酢酸ブチル及び乳酸エチル等)及びアルコール溶剤(ケトンアルコール溶剤を含む;1,3-ブチレングリコール及びジアセトンアルコール等)等が挙げられる。(I)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤(I)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは50~300重量%であり、更に好ましくは50~85重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、更に、使用目的に合わせて、重合禁止剤、粘着性付与剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を含有することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば、プラネタリーミキサー等の公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。活性エネルギー線硬化性組成物は、室温で液状であることが好ましく、その粘度は25℃で好ましくは1~200mPa・s、更に好ましくは2~150mPa・sである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物から硬化物を得る好ましい工程は、活性エネルギー線硬化性組成物を基板上に塗布後、活性エネルギー線を照射し、更にポストベークを行う工程である。
硬化物の形成は、好ましくは以下(1)~(4)の工程で行われるが、これに限定されるものではない。
(1)基板の上に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を塗布する工程:
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコート及びスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
膜厚は、好ましくは0.5~100μmである。
(2)塗布された活性エネルギー線硬化性組成物層を、必要に応じて熱を加えて乾燥させる(プリベーク)工程:
乾燥温度としては、好ましくは20~120℃、更に好ましくは30~110℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5~10分、更に好ましくは1~8分、特に好ましくは1~5分である。乾燥は減圧、常圧どちらでもよい。
(3)所定のフォトマスクを介して、活性光線により活性エネルギー線硬化性組成物層の露光を行う工程:
活性光線としては、例えば、可視光線、紫外線及びレーザー光線が挙げられる。
光線源としては、例えば、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ及び半導体レーザーが挙げられる。
露光量とは、特に限定されないが、好ましくは20~300mJ/cm、生産コストの観点から20~100mJ/cmが更に好ましい。露光を行う工程においては、活性エネルギー線硬化性組成物中のエポキシ基を有する成分が光硬化反応する。
(4)後加熱(ポストベーク)工程:
ポストベークの温度は、好ましくは50~280℃、更に好ましくは100~250℃、特に好ましくは120~240℃である。
ポストベークの時間は、好ましくは5分~3時間、更に好ましくは10分~2時間、特に好ましくは15分~1時間である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。なお、以下において、実施例1、9、12~15、17、19を、それぞれ参考例1~8とする。
製造例1 [縮合物(A-1)の製造]
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)[商品名:KBM-303 信越化学工業(株)製]100部、水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-1)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-1)のMnは1,500であった。
製造例2 [縮合物(A-2)の製造]
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(a1-2)[商品名:KBM-403 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A-2)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-2)のMnは1,000であった。
製造例3 [縮合物(A-3)の製造]
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-グリシドキシオクチルトリエトキシシラン(a1-3)[商品名:KBM-4803 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A-2)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-2)のMnは1,500であった。
製造例4 [縮合物(A-4)の製造]
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)[商品名:KBM-303 信越化学工業(株)製]90部、テトラエトキシシラン(a2-1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]10部及び水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-3)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-4)のMnは5,000であった。
製造例5 [縮合物(A-5)の製造]
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(a1-4)[商品名:KBM-402 信越化学工業(株)製]50部、テトラエトキシシラン(a2-1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]50部及び水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-5)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-5)のMnは8,000であった。
比較製造例1
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(a2-3)[商品名:KBM-5103 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A’-1)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A’-1)のMnは1,200であった。
実施例1~19及び比較例1~3
表1の配合部数(部)に従い、ガラス製の容器に、製造例1で製造した縮合物(A)の溶液、シリカ微粒子(B)の溶液、重合開始剤(C)、多官能エポキシ化合物(D)、シランカップリング剤(E)、増感剤(F)、レベリング剤(G)及び有機溶剤を仕込み、均一になるまで撹拌し、実施例1~13及び比較例1~3の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
尚、比較例1では縮合物(A)の溶液を使用せず、比較例3ではシリカ微粒子(B)の溶液を使用しなかった。
また、表1中の記号で表した原料の詳細は以下の通りである。
(B-1)の溶液:「MEK-ST-40」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン40%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:40.3nm]
(B-2)の溶液:「MEK-EC-2130Y」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン30%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:11.2nm]
(B-3)の溶液:「MEK-EC-6150P」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン30%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:33.2nm]
(C-1):[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスフェート
(C-2):ベンジル-メチル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロ[トリス(ペンタフルオロエチル)]ホスフェート
(C’-1):「イルガキュアー 819」[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド:BASF(株)製)]
(D-1):「KR-470」[4官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]
(D-2):「X-40-2678」[2官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]
(D-3):「デナコールEX612」[ソルビトールポリグリシジルエーテル:旭化成(株)製]
(D-4):「EOCN 104S」[クレゾールノボラックエポキシ:日本化薬(株)製]
(D-5):「TEPIC-UC」[エポキシ変性イソシアヌル:日産化学(株)製]
(E-1):「KBM-303」[エポキシ基含有シランカップリング剤:信越化学(株)製]
(E-2):「KBM-403」[エポキシ基含有シランカップリング剤:信越化学(株)製]
(F-1):「アントラキュアーUVS-1331」[増感剤:川崎化成(株)製]
(G-1):「BYK-333」[シリコン系表面調整剤:ビックケミー・ジャパン(株)製]
(H-1):「SOLSPERSE 36000」「カルボキシル基含有ポリマー分散剤:Lubrizol社製」
(I-1):メチルエチルケトン
Figure 0007352334000003
実施例1~19及び比較例1~3の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の密着性、透明性及び硬度を以下の試験法により測定又は評価した結果を表1に示す。
<評価用試験板の作製>
10cm×10cm四方のガラス基板(商品名:イーグルXG コーニング社製)上に乾燥膜厚が4.5μmとなるようにスピンコーターを用いて活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、85℃にセットされたホットプレート上で5分間加熱した。得られた塗膜に対し、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)し、更に220℃、50分間加熱して、密着性評価用の試験板を作製した。
<密着性の評価>
上記で得られた試験板の硬化膜部分にJIS K 5600-5-6に準拠して、100個(10個×10個)のマスができるよう1mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、透明感圧付着テープで剥離試験を行い密着性を評価する。評価結果は「試験後に基材上に残ったマス目/100」で表す。
<透明性(ヘイズ)の測定>
上記で得られた試験板について、JIS K 7105に準拠して、全光線透過率測定装置[商品名「haze-gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
<硬度の評価>
上記で得られた試験板について、JIS K 5600-5-4に準じて、鉛筆硬度を測定した。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、高い透明性と高い硬度を有し、基板や透明電極膜等との密着性が良好であるため、タッチパネル用保護膜、タッチパネル用絶縁膜、フォトスペーサー要保護膜、カラーフィルター用保護膜及び半導体基板用絶縁膜等として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)を含有するアルコキシシラン成分(a)の部分加水分解縮合物であってアルコキシ基を有し、数平均分子量が500~10,000である縮合物(A)とシリカ微粒子(B)とカチオン重合開始剤(C)と多官能エポキシ化合物(D)とカップリング剤(E)とを含有してなり、前記多官能エポキシ樹脂(D)が、エポキシ基を2個以上有しアルコキシ基を有しないポリシロキサン化合物であって、エポキシ基を2個以上有する環状シロキサン化合物であり、カチオン重合開始剤(C)が光カチオン重合開始剤(C1)であって、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量を基準として、(A)を15-80重量%、(B)を5-40重量%、(C)を光カチオン重合開始剤(C1)について、0.2-10重量%、(D)を10-65重量%、(E)を0.01-10重量%含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
    -Si(OR4-n (1)
    [式中、Rは一般式(2)又は一般式(3)で表される1価の基であり、複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数1~4のアルキル基を表し、複数個あるRは同一でも異なっていてもよく、nは1又は2である。]
    Figure 0007352334000004
    [式中、Rは炭素数1~10のアルキレン基又は-R-O-R-で表される2価の基を表し、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~9のアルキレン基を表し、RとRの炭素数の合計は2~10である。]
  2. 前記シリカ微粒子(B)の体積平均粒子径が、5~40nmである請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 前記カップリング剤(E)が、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のカップリング剤である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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