JP7352334B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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また、硬度を向上せるために、シリカ粒子や無機フィラー等の無機化合物を含有した樹脂硬化物は、フレキシブル回路基板用保護材料、層間絶縁膜及びカラーフィルター用保護膜等に広く用いられている(例えば特許文献2参照)。
R1 n-Si(OR2)4-n (1)
[式中、R1は一般式(2)又は一般式(3)で表される1価の基であり、複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、R2は炭素数1~4のアルキル基を表し、複数個あるR2は同一でも異なっていてもよく、nは1又は2である。]
R1 n-Si(OR2)4-n (1)
炭素数1~9のアルキレン基としては、メチレン基及びエチレン基並びに直鎖又は分岐のプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基及びノニレン基が挙げられる。
一般式(1)におけるnは、1又は2であり、加水分解の反応性の観点から好ましいのは1である。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
化学量論的には(a)が有するアルコキシ基の量に対して等モルの水を用いることになるが、高分子量の縮合物を得る観点からは水を過剰量(特に化学量論量の倍の量)用いることが好ましい。
系中のアルコキシシラン成分(a)の濃度は、30~50重量%であることが好ましく、加水分解反応の温度は、好ましくは40~90℃、更に好ましくは70~80℃であり、反応時間は3~5時間であることが好ましい。
加水分解反応時に水が化学量論量反応する前に脱水縮合反応に移り、水を留去することで縮合物(A)にアルコキシ基を残存させることができる。また、使用する水の量を調整することで縮合物(A)のMnを制御することができる。具体的には、使用する水の量を多く入れることで縮合物(A)のMnを大きくすることが出来る。高分子量の縮合物を得る観点からは水を過剰量(特に化学量論量の倍の量)用いることが好ましい。
脱水縮合反応は、好ましくは40~90℃、更に好ましくは70~80℃で減圧下に行う。
シリカ微粒子(B)は、表面処理されていないものでもよいが、分散性向上のために有機物等で表面処理されたものを用いてもよい。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5-ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、トリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、イソプロピル(N-エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p-N-(β-アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等が挙げられる。
これらの内、硬化物の基材との密着性の観点から好ましいのはシランカップリング剤である。
増感剤としては、ケトクマリン、フルオレン、チオキサントン、アントラキノン、ナフチアゾリン、ビアセチル、ベンジル及びこれらの誘導体、ペリレン並びに置換アントラセン(9,10-ジブトキシアントラセン等)等が挙げられる。(F)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
増感剤(F)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.7~1.2重量%である。
レベリング剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤等が挙げられる。これらの内で塗布性の観点からはフッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤が好ましく、相溶性の観点からはオキシアルキル鎖を有する界面活性剤が好ましい。(G)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
レベリング剤(G)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.3~0.6重量%である。
特にシリカ微粒子(B)の分散性向上のために用いられる分散剤としては、SOLSPERSE 36000(Lubrizol社製)等の酸性のものが好ましい。(H)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
分散剤(H)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.7~1.2である。
有機溶剤(I)としては、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等)、エーテル溶剤(エーテルエステル溶剤及びエーテルアルコール溶剤を含む;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びメトキシブチルアセテート等)、エステル溶剤(酢酸ブチル及び乳酸エチル等)及びアルコール溶剤(ケトンアルコール溶剤を含む;1,3-ブチレングリコール及びジアセトンアルコール等)等が挙げられる。(I)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機溶剤(I)の使用量は(A)~(E)の重量を基準として好ましくは50~300重量%であり、更に好ましくは50~85重量%である。
硬化物の形成は、好ましくは以下(1)~(4)の工程で行われるが、これに限定されるものではない。
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコート及びスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
膜厚は、好ましくは0.5~100μmである。
乾燥温度としては、好ましくは20~120℃、更に好ましくは30~110℃である。乾燥時間は、好ましくは0.5~10分、更に好ましくは1~8分、特に好ましくは1~5分である。乾燥は減圧、常圧どちらでもよい。
活性光線としては、例えば、可視光線、紫外線及びレーザー光線が挙げられる。
光線源としては、例えば、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ及び半導体レーザーが挙げられる。
露光量とは、特に限定されないが、好ましくは20~300mJ/cm2、生産コストの観点から20~100mJ/cm2が更に好ましい。露光を行う工程においては、活性エネルギー線硬化性組成物中のエポキシ基を有する成分が光硬化反応する。
ポストベークの温度は、好ましくは50~280℃、更に好ましくは100~250℃、特に好ましくは120~240℃である。
ポストベークの時間は、好ましくは5分~3時間、更に好ましくは10分~2時間、特に好ましくは15分~1時間である。
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)[商品名:KBM-303 信越化学工業(株)製]100部、水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-1)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-1)のMnは1,500であった。
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(a1-2)[商品名:KBM-403 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A-2)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-2)のMnは1,000であった。
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-グリシドキシオクチルトリエトキシシラン(a1-3)[商品名:KBM-4803 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A-2)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-2)のMnは1,500であった。
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)[商品名:KBM-303 信越化学工業(株)製]90部、テトラエトキシシラン(a2-1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]10部及び水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-3)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-4)のMnは5,000であった。
撹拌機、冷却管、吹き込み管及び温度計を備えた反応容器に、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(a1-4)[商品名:KBM-402 信越化学工業(株)製]50部、テトラエトキシシラン(a2-1)[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]50部及び水21.9部を仕込み30分間撹拌した後、酢酸アンモニウム[東京化成工業(株)製]3.12部、メチルエチルケトン100部及びエタノール20部を仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、系内を減圧にし、空気を吹き込みながら、80℃で2時間かけて水、メチルエチルケトン、エタノール及び生成したメタノールを留去した後、濃度が30%になるようにメチルエチルケトンを加えて縮合物(A-5)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A-5)のMnは8,000であった。
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(a1-1)を3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(a2-3)[商品名:KBM-5103 信越化学工業(株)製]に代える以外は製造例1と同様にして、縮合物(A’-1)の30%メチルエチルケトン溶液を得た。(A’-1)のMnは1,200であった。
表1の配合部数(部)に従い、ガラス製の容器に、製造例1で製造した縮合物(A)の溶液、シリカ微粒子(B)の溶液、重合開始剤(C)、多官能エポキシ化合物(D)、シランカップリング剤(E)、増感剤(F)、レベリング剤(G)及び有機溶剤を仕込み、均一になるまで撹拌し、実施例1~13及び比較例1~3の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
尚、比較例1では縮合物(A)の溶液を使用せず、比較例3ではシリカ微粒子(B)の溶液を使用しなかった。
(B-1)の溶液:「MEK-ST-40」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン40%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:40.3nm]
(B-2)の溶液:「MEK-EC-2130Y」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン30%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:11.2nm]
(B-3)の溶液:「MEK-EC-6150P」[シリカ微粒子のメチルエチルケトン30%分散液:日産化学(株)製:本実施例で使用したものの体積平均粒子径:33.2nm]
(C-1):[p-(フェニルメルカプト)フェニル]ジフェニルスルホニウム[トリ(パーフルオロエチル)]トリフルオロホスフェート
(C-2):ベンジル-メチル-4-ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロ[トリス(ペンタフルオロエチル)]ホスフェート
(C’-1):「イルガキュアー 819」[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド:BASF(株)製)]
(D-1):「KR-470」[4官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]
(D-2):「X-40-2678」[2官能エポキシ環状シロキサン化合物:信越化学(株)製]
(D-3):「デナコールEX612」[ソルビトールポリグリシジルエーテル:旭化成(株)製]
(D-4):「EOCN 104S」[クレゾールノボラックエポキシ:日本化薬(株)製]
(D-5):「TEPIC-UC」[エポキシ変性イソシアヌル:日産化学(株)製]
(E-1):「KBM-303」[エポキシ基含有シランカップリング剤:信越化学(株)製]
(E-2):「KBM-403」[エポキシ基含有シランカップリング剤:信越化学(株)製]
(F-1):「アントラキュアーUVS-1331」[増感剤:川崎化成(株)製]
(G-1):「BYK-333」[シリコン系表面調整剤:ビックケミー・ジャパン(株)製]
(H-1):「SOLSPERSE 36000」「カルボキシル基含有ポリマー分散剤:Lubrizol社製」
(I-1):メチルエチルケトン
10cm×10cm四方のガラス基板(商品名:イーグルXG コーニング社製)上に乾燥膜厚が4.5μmとなるようにスピンコーターを用いて活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、85℃にセットされたホットプレート上で5分間加熱した。得られた塗膜に対し、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm2照射した(i線換算で照度22mW/cm2)し、更に220℃、50分間加熱して、密着性評価用の試験板を作製した。
上記で得られた試験板の硬化膜部分にJIS K 5600-5-6に準拠して、100個(10個×10個)のマスができるよう1mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、透明感圧付着テープで剥離試験を行い密着性を評価する。評価結果は「試験後に基材上に残ったマス目/100」で表す。
上記で得られた試験板について、JIS K 7105に準拠して、全光線透過率測定装置[商品名「haze-gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
上記で得られた試験板について、JIS K 5600-5-4に準じて、鉛筆硬度を測定した。
Claims (4)
- 一般式(1)で表されるアルキルアルコキシシラン(a1)を含有するアルコキシシラン成分(a)の部分加水分解縮合物であってアルコキシ基を有し、数平均分子量が500~10,000である縮合物(A)とシリカ微粒子(B)とカチオン重合開始剤(C)と多官能エポキシ化合物(D)とカップリング剤(E)とを含有してなり、前記多官能エポキシ樹脂(D)が、エポキシ基を2個以上有しアルコキシ基を有しないポリシロキサン化合物であって、エポキシ基を2個以上有する環状シロキサン化合物であり、カチオン重合開始剤(C)が光カチオン重合開始剤(C1)であって、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計重量を基準として、(A)を15-80重量%、(B)を5-40重量%、(C)を光カチオン重合開始剤(C1)について、0.2-10重量%、(D)を10-65重量%、(E)を0.01-10重量%含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
R1 n-Si(OR2)4-n (1)
[式中、R1は一般式(2)又は一般式(3)で表される1価の基であり、複数個ある場合は同一でも異なっていてもよく、R2は炭素数1~4のアルキル基を表し、複数個あるR2は同一でも異なっていてもよく、nは1又は2である。]
- 前記シリカ微粒子(B)の体積平均粒子径が、5~40nmである請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記カップリング剤(E)が、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種のカップリング剤である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1~3のいずれか記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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