JP2000017053A - 熱硬化性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその用途

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JP2000017053A JP18496198A JP18496198A JP2000017053A JP 2000017053 A JP2000017053 A JP 2000017053A JP 18496198 A JP18496198 A JP 18496198A JP 18496198 A JP18496198 A JP 18496198A JP 2000017053 A JP2000017053 A JP 2000017053A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)分子内に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂40−90重量部と(B)一般式
(1)で表わされる分子内に2個以上のカルボン酸を有
する化合物を単官能アルコールでエステル化したエステ
ル化合物10−60重量部との合計100重量部に対し
て(C)一般式(2)で表されるホスフィンオキシド化
合物0.01−10重量部を含有することを特徴とする
熱硬化性樹脂組成物。 【効果】 従来からの要求性能である耐熱性、密着性、
硬度、可視光透過率、長期信頼性を満足させ、かつ被着
体表面が平坦化されていない場合であっても高い表面平
坦化性の保護膜を形成するとともに長期保存安定性に優
れる熱硬化性樹脂組成物を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成
物およびその硬化物よりなる保護膜、特に液晶ディスプ
レイ用カラーフィルターの保護膜に関するものであり、
特に、硬化剤としてエステル基を有する化合物を使用
し、エポキシ基と速やかに反応させる触媒を組み合わせ
てなる熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物よりなる保
護膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、その製造工程中に、溶
剤、酸、アルカリ溶液等に浸漬処理が行われ、また、I
TO形成時にスパッタリングにより素子表面が局部的に
高温に曝される。このような条件から素子の劣化・損傷
を防止するために、これらに対する耐性を有する保護膜
の形成が行われている。このような保護膜は上記要求性
能の他、形成する被着体および保護膜上に形成される層
に対する接着性が良好であること、液晶表示の明るさを
低下させないために可視光透過率が高いこと、長期の使
用に対して着色、白化、黄変等の変化の無いこと、衝
撃、歪みなどに耐えられる強靱性を有することなどが挙
げられていたが、近年、液晶の応答速度の向上、コント
ラスト向上を目的としてセルギャップの均一性、即ち配
向膜の均一性が重要視されるようになり、保護膜に対し
て平坦化性が要求されている。また、従来保護膜として
使用されてきた樹脂系は保存安定性に欠けており、主剤
および硬化剤という二液を使用直前に混合するため作業
性を低下させるという問題もあった。
【0003】従来使用されている材料としては、アクリ
ル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂等が提案されているが、それぞれ欠点があり、全ての
要求特性を満足するというバランスのとれた材料は見当
たらない。例えば、アクリル系樹脂では耐熱性が不十分
であり、ITO等の蒸着時に膜の表面にシワやクラック
が生じるという問題がある。メラミン樹脂では耐熱性は
よいがガラス基板との密着性が極端に悪く、基板やフィ
ルター上でハジキを生じるという問題がある。エポキシ
樹脂は密着性と耐熱性の調整が難しく、密着性の良いも
のは耐熱性が不十分であり、耐熱性の良いものは密着性
やコーティング性が劣る。ポリイミド樹脂は耐熱性は良
いが透明性が不十分な上に樹脂の保存安定性に欠ける点
や、カラーフィルターを浸すような溶剤しか使用できな
いというような問題点がある。また、エポキシ基を有す
るアクリル樹脂やエポキシ樹脂を使用し適切な硬化剤を
選択することにより耐熱性、密着性、強靱性、変色性等
がバランスのとれた材料が提案されているが、平坦化性
および樹脂液の不安定性という問題は未だ解決されてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
からの要求性能である耐熱性、密着性、硬度、可視光透
過率、長期信頼性を満足させ、かつ被着体表面が平坦化
されていない場合であっても高い表面平坦化性の保護膜
を形成するとともに長期保存安定性に優れる熱硬化性樹
脂組成物を提供することにある。また、本発明のもう一
つの目的は、上記組成物を硬化せしめて得られる硬化物
及びその硬化物を用いた保護膜、特に液晶ディスプレイ
用カラーフィルター保護膜として好適な硬化物を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、以下に記載した組成
物とすることにより上記課題を解決できることを見いだ
し、本発明を完成させるに至った。本発明の熱硬化性樹
脂組成物は、(A)分子内に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂40−90重量部、(B)分子内に2
個以上のカルボン酸を有する化合物を単官能アルコール
でエステル化したエステル化合物(下記一般式(1)
[化3])10−60重量部および
【0006】
【化3】 (式中のR1は、炭素数1−35の脂肪族炭化水素類、
ベンゼンおよびナフタレン等の芳香族炭化水素類および
その誘導体、またはシクロペンタンおよびシクロヘキサ
ン等の脂環式炭化水素類およびその誘導体から構成され
る。Zは、単官能アルコールから水酸基が脱離して形成
される炭素数1−18の脂肪族炭化水素類、またはベン
ゼンおよびその誘導体から構成される置換基の中から選
択される少なくとも1種の置換体を表す。nは2以上の
整数を表す。)の合計100重量部に対して(C)下記
一般式(2)[化4]で表されるホスフィンオキシド化
合物(式中、R2は同種、または異種の水素原子または
炭素原子1−10個の炭化水素基である。)0.01−
10重量部を含有することを特徴とする熱硬化樹脂組成
物であり、好ましくは成分(A)エポキシ樹脂が重合性
単量体の合計100重量部中エポキシ基を有するエチレ
ン系不飽和単量体20−70重量部とその他共重合可能
な重合性単量体からなるポリスチレン換算重量平均分子
量(以下、重量平均分子量)が1000−30000の
共重合体であり、成分(C)式(1)で表されるホスフ
ィンオキシド化合物のR2が同種または異種のメチル基
またはエチル基である。
【0007】
【化4】 (式中、R2は同種、または異種の水素原子または炭素
原子1−10個の炭化水素基である。)本発明の用途
は、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる保護
膜であり、特に液晶ディスプレイ用カラーフィルターの
保護膜として好適である。
【0008】即ち、本発明は以下の(1)〜(6)を提
供するものである。 (1) (A)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂 40−90重量部と (B)下記一般式(1)[化5]で表わされる分子内に2個以上のカルボン酸を 有する化合物を単官能アルコールでエステル化したエステル化合物 10−60重量部
【0009】
【化5】 (式中のR1は、炭素数1−35の脂肪族炭化水素類、
ベンゼンおよびナフタレン等の芳香族炭化水素類および
その誘導体、またはシクロペンタンおよびシクロヘキサ
ン等の脂環式炭化水素類およびその誘導体から構成され
る。Zは、単官能アルコールから水酸基が脱離して形成
される炭素数1−18の脂肪族炭化水素類、またはベン
ゼンおよびその誘導体から構成される置換基の中から選
択される少なくとも1種の置換体を表す。nは2以上の
整数を表す。)との合計100重量部に対して (C)下記一般式(2)[化6]で表されるホスフィンオキシド化合物 0.01−10重量部
【0010】
【化6】 (式中、R2は同種、または異種の水素原子または炭素
原子1−10個の炭化水素基である。)を含有すること
を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【0011】(2) 成分(A)分子内に2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂が、エポキシ基を有する
重合性単量体 20−70重量部とその他共重合可能な
重合性単量体 30−80重量部とからなる重合性単量
体の合計100重量部を重合して得られる共重合体であ
ることを特徴とする(1)記載の熱硬化性樹脂組成物。
【0012】(3) 前記成分(A)の共重合体のポリ
スチレン換算重量平均分子量が、1000−30000
であることを特徴とする(1)又は(2)記載の熱硬化
性樹脂組成物。
【0013】(4) 成分(C)一般式(2)[化2]
で表されるホスフィンオキシド化合物のR2が、同種ま
たは異種のメチル基またはエチル基であることを特徴と
する(1)〜(3)のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組
成物。
【0014】(5) (1)〜(4)のいずれかに記載
の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
【0015】(6) (5)記載の硬化物よりなる保護
膜。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱硬化性樹脂組成
物についてさらに詳細に説明する。本発明の熱硬化性樹
脂組成物とは、(A)分子内に2個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂 40−90重量部と(B)一般式
(1)で表わされる分子内に2個以上のカルボン酸を有
する化合物を単官能アルコールでエステル化したエステ
ル化合物 10−60重量部との合計100重量部に対
して(C)一般式(2)で表されるホスフィンオキシド
化合物 0.01−10重量部を含有する熱硬化性樹脂
組成物である。
【0017】[成分(A)]本発明における(A)分子
内に2個以上エポキシ基を有するエポキシ樹脂、好まし
くはエポキシ基を有する重合性単量体 20−70重量
部とその他共重合可能な重合性単量体 30−80重量
部とからなる重合性単量体の合計100重量部を重合し
て得られる共重合体について詳細に説明する。
【0018】本発明おいて使用する共重合体は、重合性
単量体の合計100重量部中エポキシ基を有する(エチ
レン系不飽和)重合性単量体20−70重量部とその他
共重合可能な重合性単量体を重合して得られる共重合体
である。
【0019】エポキシ基を有する(エチレン系不飽和)
重合性単量体としては、エポキシ基および(エチレン
系)不飽和二重結合を実質的に併せ有する化合物であれ
ば特に制限されない。具体例としては、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、3、4−エポキシブチル
(メタ)アクリレート、4、5−エポキシペンチル(メ
タ)アクリレート、5、6−エポキシヘキシル(メタ)
アクリレート、6、7−エポキシヘプチル(メタ)アク
リレート、α−エチルグリシジルアクリレート、α−n
−プロピルグリシジルアクリレート、α−n−ブチルグ
リシジルアクリレート、α−エチル−6、7−エポキシ
ヘプチルアクリレート、β−メチルグリシジルアクリレ
ート、β−メチルグリシジルメタクリレート、N−グリ
シジルアクリル酸アミド、アリルグリシジルエーテル、
ビニルスルフォン酸グリシジル等が挙げられる。この中
では、特にグリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートが好ましい。これらの重合性単量体は単独でま
たは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】これらエポキシ基を有する(エチレン系不
飽和)重合性単量体の使用量は、重合性単量体の100
重量部中に、20−70重量部であることが好ましく、
25−60重量部であればより好ましい。これら重合性
単量体の使用量が20重量部に満たない場合、得られる
保護膜の架橋密度が低くなり易く、ITOスパッタリン
グ時の耐熱性、パネル製造工程時および使用時の耐衝撃
性、さらに耐溶剤性等の塗膜特性に問題が生じ易い傾向
にある。一方、重合性単量体の使用量が70重量部を超
えた場合には、得られる保護膜の架橋密度が過剰で密着
性および塗膜表面の平滑性に問題を生じ易い傾向にあ
る。
【0021】本発明においてその他共重合可能な重合性
単量体、即ちエポキシ基を有する(エチレン系不飽和)
重合性単量体以外の構成単位を導入するための単量体と
しては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、tert−ブチルスチレン、
ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼ
ン、クロルスチレン等のような芳香族不飽和炭化水素
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレートのような(メ
タ)アクリル酸誘導体、
【0022】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類、マレイン酸、イタコン酸などのジカルボ
ン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル等のニトリル類、(メタ)アクリルアミド、ビニル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジア
セトン(メタ)アクリルアミド、等のアミド類、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、モノクロロトリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロプ
レン等のハロゲン化エチレン系不飽和単量体類、エチレ
ン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、炭素原子数
4−20のα−オレフィン又はジエン類、ラウリルビニ
ルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ビニルピロ
リドン、4−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル類など
を含むエチレン系不飽和単量体が挙げられ、これらの重
合性単量体は単独でまたは2種類以上を組み合わせて用
いることができる。
【0023】本発明の成分(A)として使用される共重
合体としては、重合平均分子量が1000−30000
であることが好ましく、より好ましくは、特に分子量が
1000−6000である共重合体を使用することによ
り、平坦化性の高い表面を有する保護膜が得られる。重
量平均分子量が1000に満たない場合には、得られる
保護膜の耐熱性、硬度に問題を生じ易い傾向にある。一
方、重量平均分子量が30000を超える場合には、得
られる保護膜表面が平坦化されにくい傾向にある。
【0024】本発明の成分(A)を得るための重合方法
としては周知のラジカル溶液重合でよく、特に限定され
ない。
【0025】本発明の成分(A)を得るための重合に使
用される溶剤としては、特に限定されないが、具体的に
は、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、
メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒド
ロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールメチルエーテル等、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等
のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート等のセルソルブアセテート類などが
挙げられる。
【0026】本発明の成分(A)を得るための重合に使
用される重合開始剤としては特に限定されず、一般的な
ラジカル溶液重合に使用されるものであればよく、具体
的には、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、te
rt−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸
化水素等が挙げられ、過酸化物と組み合わせてレドック
ス型の重合開始剤としてもよい。
【0027】また成分(A)共重合体を所定の分子量に
調整するために分子量調整剤を使用することができ、具
体的には、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オ
クチルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン
等のメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサ
ントゲン類、α−メチルスチレンダイマー、ターピノー
レン等が挙げられる。
【0028】本発明の成分(A)を構成する分子内に2
個以上エポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、1分
子内にエポキシ基を2個以上有するものであればよく、
特に制限されない。当該エポキシ樹脂としては、具体的
には、まず前記したエポキシ基を有する(エチレン系不
飽和)重合性単量体として、エポキシ基および(エチレ
ン系)不飽和二重結合を実質的に併せ有する化合物を使
用して前記の如く重合して得られたエポキシ樹脂等が挙
げられる。
【0029】この他に使用可能な分子内に2個以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂の具体例としては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹
脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙
げられるが、耐熱性および密着性の点からフェノールノ
ボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ
樹脂が好ましく使用できる。
【0030】本発明の組成物において、成分(A)の使
用量は、成分(A)及び成分(B)の合計100重量部
中、40−90重量部である。
【0031】[成分(B)]本発明において下記一般式
(1)で表わされる分子内に2個以上のカルボン酸を有
する化合物を単官能アルコールでエステル化したエステ
ル化合物について詳細に説明する。
【0032】本発明の(B)成分である分子内に2個以
上のカルボン酸を有する化合物を単官能アルコールでエ
ステル化したエステル化合物は、下記一般式(1)[化
7]に示した化合物として表わされる。
【0033】
【化7】 (式中のR1は、炭素数1−35の脂肪族炭化水素類、
ベンゼンおよびナフタレン等の芳香族炭化水素類および
その誘導体、またはシクロペンタンおよびシクロヘキサ
ン等の脂環式炭化水素類およびその誘導体から構成され
る。Zは、単官能アルコールから水酸基が脱離して形成
される炭素数1−18の脂肪族炭化水素類、またはベン
ゼンおよびその誘導体から構成される置換基の中から選
択される少なくとも1種の置換体を表す。nは2以上の
整数を表す。)
【0034】分子内に2個以上のカルボン酸を有する化
合物の具体的な例としては、例えば、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシ
リン酸等の直鎖二塩基酸類、フタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸類、1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−シクロ
ヘキサントリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸類が
挙げられる。
【0035】また、単官能アルコールの具体的な例とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、オクタノール等の脂肪族アルコール
類、フェノール等類が挙げられる。
【0036】これらの組み合わせよりなるエステル化合
物の具体例としては、例えば、アジピン酸ジオクチル、
アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等の直鎖二塩
基カルボン酸エステル類、フタル酸ジメチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ブチルベンジル等の芳香族二塩基カルボン
酸エステル類、トリメリット酸トリブチル、トリメリッ
ト酸トリオクチル等の芳香族三塩基カルボン酸エステル
類、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸メチル、1,
3,5−シクロヘキサントリカルボン酸メチル等の脂環
式カルボン酸エステル等類が挙げられる。これらの化合
物は単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いること
ができる。
【0037】成分(B)は、単独ではもちろんのこと、
成分(A)および成分(C)の存在下においても25℃
における経日で粘度が一定であり、長期保存が可能であ
る。また、成分(B)は常温(25℃)で液体であるこ
とから、粘度一定の制限下において該組成物の固形分を
高くすることが可能となる。即ち、成分(B)の添加に
より、組成物中の有機溶剤を減少させることができるた
め、有機溶剤の蒸発による保護膜表面の凹凸形成を抑制
し、保護膜表面をより平坦にすることが可能となる。
【0038】成分(B)の使用量は、成分(A)および
成分(B)の合計100重量部に対して10−60重量
部が好ましく、より好ましくは15−50重量部であ
る。成分(B)の使用量が10重量部に満たない場合に
は、得られる保護膜の耐熱性、硬度が十分得られない傾
向にあり、保護膜表面が平坦化になりにくい傾向にあ
る。一方、60重量部を超える場合には、未反応の成分
(B)が保護膜中に残存し易く、保護膜の密着性、耐溶
剤性が低下し易い傾向にある。
【0039】[成分(C)]本発明において下記一般式
(2)で表されるホスフィンオキシド化合物について詳
細に説明する。本発明における(C)成分であるホスフ
ィンオキシド化合物は、下記一般式(2)[化8]に示
した化合物として表わされる(式中、R2は同種、また
は異種の水素原子または炭素原子1−10個の炭化水素
基である。)。
【0040】
【化8】 (式中、R2は同種、または異種の水素原子または炭素
原子1−10個の炭化水素基である。)
【0041】ここで、本発明における(C)成分は、成
分(A)と成分(B)の硬化促進剤として作用するもの
である。式中、R2の具体的な例としては、例えば、水
素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチ
ル基、2−メチル−1−ブチル基、イソペンチル基、t
ert−ペンチル基、3−メチル−2−ブチル基、ネオ
ペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチ
ル基、シクロペンチル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチ
ル基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−
1−ヘキシル基、ノニル基またはデシル基の直鎖、分岐
または環状のアルキル基、フェニル基等のアリール基、
トルイル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基または
2−フェニルエチル基等のアラルキル基が挙げられ、好
ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基またはシクロヘキシル基のよう
な炭素数1−6のアルキル基であり、さらに好ましくは
メチル基、エチル基である。
【0042】ホスフィンオキシド化合物は、G.N.Koian
et al. Journal of GeneralChemistry of The USSR, 5
5, 1453(1985)に記載されているようにオキシ三塩化リ
ンに3分子のイミノトリアミノ(無置換、一置換、二置
換)ホスホランを反応させて合成することができる。更
に精製が必要であればカラムクロマトグラフィー、蒸
留、再結晶等の方法で精製することができる。このよう
にして得られるホスフィンオキシド化合物は通常固体で
ある。
【0043】これらは単独でまたは2種類以上を組み合
わせて用いることができ、その使用量は、成分(A)お
よび成分(B)合計100重量部に対して、0.01−
10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.
1−5重量部である。
【0044】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、これまで
に説明したように成分(A)、成分(B)及び成分
(C)を必須成分とするものであるが、その他の成分と
して、有機溶剤、界面活性剤、シランカップリング剤等
を使用することができる。
【0045】本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用する有
機溶剤とは、希釈剤として使用するものであり、以下そ
の有機溶媒について詳細に説明する。
【0046】本発明に使用する有機溶剤としては、成分
(A)、成分(B)および成分(C)を均一に溶解し、
各成分と反応しないものを使用する。これら有機溶剤の
具体的な例としては、例えばメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−
メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノ
ール等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテ
ート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エ
チルエトキシプロピオラート等のエチレングリコールエ
ーテルアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4
−ヒドロキシー4−メチル−2−ペンタノン等のケトン
類、
【0047】酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸
メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチ
ル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒ
ドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブ
チル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロ
キシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸
プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒ
ドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸
メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、
メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢
酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチ
ル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプ
ロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピ
ル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプ
ロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、
2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロ
ピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3
−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオ
ン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−
エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン
酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エ
トキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類が挙げられる。
【0048】これらの中では、成分(A)、成分(B)
および成分(C)の溶解性および反応性の点から、グリ
コールエーテル類、エチレングリコールエーテルアセテ
ート類、エステル類が選択されるが、毒性の点も考慮す
るとエステル類、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メト
キシブタノール等が好ましい。これら有機溶剤の使用量
は特に限定されず、塗布適性および保護膜表面の平滑性
の調整に応じてその量を選定する。
【0049】本発明の熱硬化性樹脂組成物に添加する界
面活性剤とは、塗布適性を付与するために使用するもの
であり、具体的には、例えば、トーレシリコーンDC3
PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21P
A、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA
(以上、いずれも商品名:トーレシリコーン(株)
製)、TSF−4300、TSF−4440、TSF−
4445、TSF−4446、TSF−4452、TS
F−4460(以上、いずれも商品名:東芝シリコーン
(株)製)等の商品名で市販されているシリコン系界面
活性剤およびBM−1000、BM−1100(以上、
いずれも商品名:BM Chemie社製))、メガフ
ァックF142D、同F172、同F173、同F18
3(以上、いずれも商品名:大日本インキ化学工業
(株)製)等の商品名で市販されているフッ素系界面活
性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単
独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。これらの界面活性剤の使用量は、通常成分(A)お
よび成分(B)100重量部に対して0.001−0.
5重量部の範囲で使用される。
【0050】本発明の熱硬化性樹脂組成物に添加するシ
ランカップリング剤とは、例えばその用途である保護膜
としてカラーフィルターへの密着性を付与するために使
用するものであり、具体的には、例えば、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルジエトキシシラン等のアルコキシ
シラノ基とエポキシ基とを有する化合物を挙げることが
できる。これらのシランカップリング剤は、単独でまた
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これ
らのシランカップリング剤の使用量は、通常成分(A)
および成分(B)100重量部に対して0.01−10
0重量部の範囲で使用される。
【0051】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には必
要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加して使用
される。
【0052】本発明の熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化し
てなる硬化物は、ガラス、金属、プラスチック等の種々
の材料に対して優れた密着性を有し、平坦化性、耐熱
性、耐溶剤性、透明性、強靱性に優れていることから、
各種保護膜として有用である。
【0053】特に液晶ディスプレイ用カラーフィルター
保護膜として、ゼラチン、グリュー、ポリビニルアルコ
ール、アクリル系樹脂等の各種バインダーを染料で染色
して得られる染色法によるカラーフィルター、バインダ
ー樹脂に顔料分散して得られる顔料法によるカラーフィ
ルターおよびインクジェット法により得られるカラーフ
ィルターの表面保護層として有用である。
【0054】ここで、液晶ディスプレイ用カラーフィル
ター保護膜として使用する場合は、通常スピンコート法
により塗布が行われ、加熱硬化後の膜厚が0.1−10
μmに、好ましくは0.3−7μmになるように該組成
物溶液を塗布して加熱硬化させる。この際、塗布作業を
効率的に行う為、該組成物溶液の粘度を25℃において
3−30mPa・s、好ましくは5−15mPa・sに
なるように調整するが、通常、有機溶剤の使用量により
調整する。加熱条件は組成物中の成分比および種類によ
って異なるが、通常、150−250℃で0.5−1.
5時間である。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。成分(A)および成分(B)の重量平均分子量の
測定は、Shodex GPC system21(昭
和電工製)を用いて測定した。また、組成物の粘度測定
は、Visconic ELD型(東京計器製)により
25℃にて測定を行った。
【0056】[成分Aの合成] 合成例1 窒素雰囲気中、キシレン100重量部をリフラックス
下、グリシジルメタクリレート40重量部、メチルメタ
クリレート30重量部、スチレン30重量部および分子
量調整剤としてn−ドデシルメルカプタン2重量部から
なる混合溶液と重合開始剤としてdi−tert−ブチ
ルパーオクタノエイト4重量部を4時間で連続添加した
後、3時間重合を行う。冷却した後、n−ヘキサンとキ
シレンにより凝固−溶解を2回繰り返して再度n−ヘキ
サン中で凝固させた共重合体を濾過し、乾燥を40℃・
24時間行い、成分A−1を得た。成分A−1の重量平
均分子量は3200であった。
【0057】合成例2 分子量調整剤としてn−ドデシルメルカプタンを1重量
部を用いる以外は合成例1と同様にして、成分A−2を
得た。成分A−2の重量平均分子量は6000であっ
た。
【0058】合成例3 単量体としてグリシジルメタクリレート20重量部、メ
チルメタクリレート40重量部、スチレン40重量部を
用いること以外は合成例1と同様にして、成分A−3を
得た。成分A−3の重量平均分子量分子量は3600で
あった。
【0059】合成例4 単量体としてグリシジルメタクリレート70重量部、メ
チルメタクリレート15重量部、スチレン15重量部を
用いること以外は合成例1と同様にして、成分A−4を
得た。成分A−4の重量平均分子量は3000であっ
た。
【0060】合成例5 重合開始剤としてdi−tert−ブチルパーオキオク
タノエイト1重量部を使用し、分子量調整剤を使用しな
いこと以外は合成例1と同様にして、成分A−5得た。
成分A−5の重量平均分子量分子量は60000であっ
た。
【0061】合成例6 単量体としてグリシジルメタクリレート10重量部、メ
チルメタクリレート45重量部、スチレン45重量部を
用いること以外は合成例1と同様にして、成分A−6を
得た。成分A−6の重量平均分子量は3700であっ
た。
【0062】合成例7 単量体としてグリシジルメタクリレート90重量部、メ
チルメタクリレート10重量部を用いること以外は合成
例1と同様にして、成分A−7を得た。成分A−7の重
量平均分子量は2900であった。
【0063】実施例1 有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート 144重量部に成分A−1共重合体 7
6重量部、成分(B)としてトリメリット酸トリブチル
24重量部、成分(C)としてホスフィンオキシド化
合物(式(2)(式中、R2はメチル基))、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン4.5重量部、メ
ガファックF142D(大日本インキ化学工業(株)
製) 0.01重量部を添加し、攪拌−溶解することに
より組成物1を得た。組成物1の粘度は8.5mPa・
sであった。
【0064】[樹脂溶液の保存安定性]組成物1を25
℃一定で保存し経日で粘度の測定を行った。その結果、
7日後においても組成物1の粘度は8.5mPa・sで
あり、変化は認められなかった。
【0065】[保護膜形成] 保護膜形成例1 ガラス基板上にゼラチンと重クロム酸カリウム溶液を用
いて染色法により三色(赤、緑、青)のカラーフィルタ
ーを形成した。このカラーフィルターのストライプ幅
は、150μmとし、凹凸は、サーフコーダSE−30
D表面粗さ測定器(小坂研究所製)で測定した結果1.
0μmであった。このカラーフィルターを形成した基板
上に組成物1をスピンコーターを使用して1000rp
mで30秒間塗布し膜厚を2.0μmとした。その後ク
リーンオーブン中にて200℃で1時間加熱硬化させて
カラーフィルター保護膜を得た。
【0066】保護膜形成例2 ガラス基板上に組成物1を塗布すること以外は形成例1
と同様にして、保護膜を得た。
【0067】[保護膜の評価]以下の試験方法により評
価を行い、その結果を表1に示す。 1.平坦化性試験 保護膜形成例1で得られたカラーフィルター保護膜表面
の凹凸をサーフコーダSE−30D表面粗さ測定器(小
坂研究所製)で測定した実測値を示す。
【0068】2.密着性試験 保護膜形成例1で得られたカラーフィルター保護膜をJ
IS K−5400(1900)8.5.2の碁盤目テ
ープ試験に従い評価した。保護膜上にカッターナイフに
て碁盤目を100個を形成し、密着性試験を行い、剥離
した碁盤目の数を示す。
【0069】3.耐熱性試験 保護膜形成例2で得られた保護膜を使用し、250℃に
て1時間、クリーンオーブン中で加熱処理前後の外観変
化および380−800nmの可視光スペクトルの透過
率の低下を示す。
【0070】4.表面硬度試験 保護膜形成例2で得られた保護膜を使用し、JIS K
−5400.8.4.1の鉛筆引っかき試験に従い保護
膜表面の硬度評価を行った。
【0071】5.耐溶剤性 保護膜形成例2で得られた保護膜を使用し、トルエンに
30℃で24時間浸漬、20重量%塩化水素水溶液中に
40℃で10分間浸漬、10重量%水酸化ナトリウム水
溶液に40℃で1時間浸漬前後の表面状態の変化をそれ
ぞれ観察した。
【0072】実施例2−12 成分A、成分B、成分Cおよびその他の成分を表1に示
す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして、粘
度測定、保護膜評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】比較例1−3 成分A、成分B、成分Cおよびその他の成分を表2に示
す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして、粘
度測定、保護膜評価を行った。その結果を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明の硬化剤としてエステル基を有す
る化合物を使用し、エポキシ基と速やかに反応させる触
媒を組み合わせてなる熱硬化性樹脂組成物及びその硬化
物並びに硬化物よりなる保護膜によれば、従来からの保
護膜の要求性能である耐熱性、密着性、硬度、可視光透
過率、長期信頼性を満足させ、かつ被着体表面が平坦化
されていない場合であっても高い表面平坦化性の保護膜
の形成に最適な組成物、特に液晶ディスプレイ用カラー
フィルターの保護膜の形成に最適な組成物を形成すると
ともに長期保存安定性に優れる保護膜、特にカラーフィ
ルター保護膜用組成物を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H048 BB37 4J036 AA01 AA02 AB07 AC13 AD08 AF06 AF08 AG00 AH00 AK11 CA21 CA22 CB18 CB21 CC05 DA05 DB09 DC48 DD07 4J038 CA061 CA081 CB061 CB091 CC011 CC061 CC071 CC081 CC091 CC101 CD081 CD091 CD101 CD121 CE051 CF071 CG071 CG141 CG151 CG161 CH031 CH041 CH071 CH081 CH091 CH121 CK021 CK031 DB041 DB061 DB071 DB091 DB231 GA07 JA56 JA59 JA60 JA61 JC27 KA04 MA07 PA19 PB08 PB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂 40−90重量部と (B)下記一般式(1)[化1]で表わされる分子内に2個以上のカルボン酸を 有する化合物を単官能アルコールでエステル化したエステル化合物 10−60重量部 【化1】 (式中のR1は、炭素数1−35の脂肪族炭化水素類、
    ベンゼンおよびナフタレン等の芳香族炭化水素類および
    その誘導体、またはシクロペンタンおよびシクロヘキサ
    ン等の脂環式炭化水素類およびその誘導体から構成され
    る。Zは、単官能アルコールから水酸基が脱離して形成
    される炭素数1−18の脂肪族炭化水素類、またはベン
    ゼンおよびその誘導体から構成される置換基の中から選
    択される少なくとも1種の置換体を表す。nは2以上の
    整数を表す。)との合計100重量部に対して (C)下記一般式(2)[化2]で表されるホスフィンオキシド化合物 0.01−10重量部 【化2】 (式中、R2は同種、または異種の水素原子または炭素
    原子1−10個の炭化水素基である。)を含有すること
    を特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A)分子内に2個以上のエポキシ
    基を有するエポキシ樹脂が、エポキシ基を有する重合性
    単量体 20−70重量部とその他共重合可能な重合性
    単量体 30−80重量部とからなる重合性単量体の合
    計100重量部を重合して得られる共重合体であること
    を特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(A)の共重合体のポリスチレ
    ン換算重量平均分子量が、1000−30000である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 成分(C)一般式(2)[化2]で表さ
    れるホスフィンオキシド化合物のR2が、同種または異
    種のメチル基またはエチル基であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化
    性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の硬化物よりなる保護膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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