JP2008081301A - スタッカクレーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多段配置された収納棚に沿って設けられた軌道上を走行するとともに、荷物を収容するケージを立設される一組のマスト間において昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、上記ケージは、上記荷物が載置されるメインフレームと、該メインフレームの両端部の各々に対して設けられ、上記駆動装置に昇降ワイヤを介して吊られ、かつ、上記マストに対して当接された状態で昇降される一対のサイドフレーム431と、 上記メインフレームに対し、接続する一対のサイドフレームのうち、いずれか一方のサイドフレーム431と上記メインフレームとの接続部との間のみに設置される緩衝手段49,413とを備える。
【選択図】図7
Description
このようなスタッカクレーンでは、ケージの重量や駆動装置の駆動力に起因する力が昇降ワイヤを介してマスト伝達されることによって、マストの中央部が内側(ケージ側)に撓む場合がある。このようにマストの中央部が内側に撓むと、マスト間隔が上下方向において変位することとなり、中央部のマスト間隔が上下のマスト間隔よりも狭くなる。
従来のスタッカクレーンでは、ケージを強固に設計し、マスト間隔が狭くなった部位を、ケージよって押し広げながらケージを昇降させることによってマストの撓みに対応していた。
そこで、特許文献1には、マストを摺動面とするガイドローラが、緩衝器を介してケージに固定されたスタッカクレーンが記載されている。このようなスタッカクレーンによれば、緩衝器によって、上記応力が低減されるため、ケージな円滑な昇降を実現できるとともにケージの損傷を防止することができる。
また、マストとケージのサイドフレームに挟まれた微小な空間にしか、バネ付きのガイドローラを組み込むことができないので、大きな応力がかかる場合に、上記理由によってバネ定数の大きなバネを適用することが難しかった。
さらに、クリーンルームに適用する場合には、その周囲を物理的に可能な限り、カバーする必要がある。しかし、ガイドローラ以外に余分なバネ等の部品を取り付けると、ケージとマスト間隔が広がり、カバーがより複雑な構造となったり、かつ、隙間を塞ぎ難くなり、かつ、マストとケージに挟まれた空間であるために、カバー等の取り付け取り外し等のメンテナンス作業がしにくくなる等の欠点があった。
したがって、本発明によれば、ケージとガイドローラとの間に緩衝器を介入することなく、マスト間隔が変化することに起因してケージに加わる応力を低減させることが可能となる。
また、ケージのメインフレームとケージのサイドフレームとの接続部という広い空間に、バネ等の付勢できる緩衝手段を組み込むことができるので、大きな応力がかかる場合に、バネ定数の大きなバネを適用することが容易になる。
さらに、クリーンルームに適用する場合には発塵する虞があるが、バネ等の緩衝手段の周囲にはマスト等の他の構造部材がないため、構造の簡素なカバーを取り付けることができる。それゆえ、そのカバー等の取り付け及び取り外しが容易になり、メンテナンス作業がしやすくなる。さらに荷物の移載精度が向上する。
これらの図に示すように、自動倉庫Sは、スタッカクレーンCと、該スタッカクレーンCの軌道であるレールRを挟んで対向配置されるラックT1,T2とを備えており、ラックT1,T2にスタッカクレーンCによって荷物を搬送して保管するものである。また、自動倉庫Sは、荷物を入庫するための入庫用コンベヤ(不図示)と荷物を出庫するための出庫用コンベヤ(不図示)とを備えており、スタッカクレーンCによって、入庫用コンベヤ及び出庫用コンベヤとの間にて荷物の受け渡しを行うことが可能とされている。
なお、本実施形態において、荷物はガラス基板を複数収納したカセットXであり、ラックT1,T2及びスタッカクレーンCは、例えばクリーン度10000レベルのクリーンルームCL1内に設置されている。
なお、以下の説明において、収納棚Tの水平方向の配列方向をX方向とし、X方向と直交する水平方向をY方向、X−Y面と直交する垂直方向をZ方向として説明する場合がある。
また、スタッカクレーンCは、昇降されるケージ40を備えており、ケージ40上に設置された移載装置100(例えば、フォークリフト装置)によって、ケージ40と収納棚Tとの間、ケージ40と入庫用コンベヤとの間及びケージ40と出庫用コンベヤとの間にてカセットXの受け渡しを行う。
図3は、スタッカクレーンCの斜視図である。また、図4はスタッカクレーンCの正面図である。なお、図3及び図4においては、図面の視認性を向上させるために、スタッカクレーンCが備える車輪1、モータ2、ガイドローラ1b及び移載装置100の図示を省略している。
これらの図に示すように、スタッカクレーンCは、下部フレーム10と、マスト20と、上部フレーム30と、ケージ40と、駆動装置50と、制御装置60とを備えている。
このマスト20は、角柱形状を有しており、各側面がX方向あるいはY方向と平行となるように立設されている。
この上部フレーム30の略中央部には、上記レールR3を狭持することによって、スタッカクレーンCのY方向の傾動を抑止するためのガイドローラ(不図示)が設置されている。
図6は、サイドフレーム43単体の斜視図である。この図に示すように、サイドフレーム43は、後述する接続部48を頂点とする略三角形に形状設定されている。そして図5に示すように、その底辺部43aにて2つのメインフレーム41を接続している。また、サイドフレーム43は、底辺部43a及び頂部43bからマスト20方向に突出するガイド部44を備えている。ガイド部44は、支持部45によってサイドフレーム43に固定されている。
ガイド部44には、マスト20を狭持するガイドローラ46、及び、マスト20のY方向と平行な側面に当接される小型のガイドローラ47が設置されている。ガイドローラ46は、マスト20のX方向と平行な側面に当接されている。ガイドローラ46,47は、マスト20の側面を摺動面としている。つまり、サイドフレーム43は、これらのガイドローラ46,47を介してマスト20に当接された状態で昇降される。そして、これらのガイドローラ46,47にガイドされることによってサイドフレーム43、さらにはケージ40がマスト20に沿って、上下方向(Z方向)に移動可能とされている。
サイドフレーム43の頂部43bから突出するガイド部44aには、後述する駆動装置50が備える昇降ワイヤ51が接続される接続部48が設置されている。
軸受412は、軸受411のようなバネ部414や長穴413を持たない。したがって、軸受411の近傍であるサイドフレーム431にある付勢手段(1系統と呼ぶ)により、軸受412の近傍であるサイドフレーム432は、その近傍のマスト20b側に向かって付勢され、サイドフレーム432側のガイドローラ47aは常にマスト20bに当接されている状態となる。ゆえに、マスト20b側基準で、荷物のX軸方向の移載位置が一定になる利点がある。すなわち、荷物Xの収納棚Tへの移載精度が向上する。
ここで、仮に、上述のような付勢手段(バネ部414)と緩衝手段(長穴413等)が、サイドフレーム431とサイドフレーム432との各々(すなわち2系統)に存在していたとすると、サイドフレーム431側の付勢手段の軸受411とサイドフレーム431側の長穴413との当接部での摺動抵抗、及びサイドフレーム432側の付勢手段の軸受とサイドフレーム432側の長穴413との当接部での摺動抵抗のいずれかが大きいかによって、サイドフレーム431側とサイドフレーム432側とで構成される直列2系統の付勢手段と緩衝手段によって挟まれたメインフレーム41は、そのX軸方向位置がばらつく可能性がある。さらに、1系統であれ2系統であれ、外的条件が同じならばガイドローラ47aがマスト20から受ける反力は同じであるから、直列2系統のバネ定数は同じであり、直列2系統になった分、メインフレーム41の可動範囲が2倍となり、ゆえに荷物のX軸方向の移載位置が不安定になりやすくなる。
本実施形態のスタッカクレーンCでは、上記不安定要素を取り除くべく、付勢手段と緩衝手段とを、片側であるサイドフレーム431側のみに取り付けている。
昇降ワイヤ51は、ケージ40のサイドフレーム43が備えるガイド部44の接続部48に一端が接続されるとともに、ドラム52に他端が巻回されている。また、昇降ワイヤ51としては、マスト20a側に位置するサイドフレーム431のガイド部44aに接続される昇降ワイヤ51aと、マスト20b側に位置するサイドフレーム432のガイド部44aに接続される昇降ワイヤ51bとが存在するが、いずれの昇降ワイヤ51a,51bも他端がドラム52に巻回されている。
なお、マスト20aの頂部及びマスト20bの頂部には、昇降ワイヤ51を案内するためのシーブ55が設置されている。マスト20aの頂部に設置されたシーブ55aは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51aをサイドフレーム431から突出するガイド部44aに案内するとともに、昇降ワイヤ51bをマスト20bの頂部に設置されたシーブ55bに案内するものである。マスト20bの頂部に設置されたシーブ55bは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51bをサイドフレーム432から突出するガイド部44aに案内するものである。
モータ53は、減速器54を介してドラム52と接続されており、減速器54を介してドラム52を回転する。なお、モータ53及び減速器54は、ドラム52の両端に各々設置されている。
これに対し、本実施形態のスタッカクレーンCでは、軸受411の長穴413における移動、すなわちピン部49の長穴413における移動によって、上記横応力を吸収することができる。つまり、本実施形態においては、ピン部49及び長穴413が本発明の緩衝手段として機能している。
したがって、マスト20の中央部がケージ40側に撓んでいる場合であっても、サイドフレーム43及びメインフレーム41に強い横応力が加わることがなく、該横応力に耐えるためにサイドフレーム43及びメインフレーム41を厚く形成する必要がない。
したがって、本実施形態のスタッカクレーンCによれば、ケージ40とガイドローラ46,47との間に緩衝器を介入することなく、マスト20a,20b間隔が変化することに起因してケージ40に加わる横応力を低減させることが可能となる。
Claims (5)
- 多段配置された収納棚に沿って設けられた軌道上を走行するとともに、荷物を収容するケージを、立設される一組のマスト間において昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、
前記ケージは、
前記荷物が載置されるメインフレームと、
該メインフレームの両端部の各々に対して設けられ、前記駆動装置に昇降ワイヤを介して吊られ、かつ、前記マストに対して当接された状態で昇降される一対のサイドフレームと、
前記メインフレームに対し、接続する一対のサイドフレームのうち、いずれか一方のサイドフレームと前記メインフレームとの接続部との間のみに設置される緩衝手段と
を備えることを特徴とするスタッカクレーン。 - 前記緩衝手段は、
前記メインフレームあるいは前記サイドフレームのいずれか一方に形成される長穴と、
前記メインフレームあるいは前記サイドフレームの他方から突出形成されるとともに前記長穴の延在方向に移動可能なように前記長穴に嵌合される摺動ピンと
を備えることを特徴とする請求項1記載のスタッカクレーン。 - 前記サイドフレームを前記メインフレームから遠ざける方向に前記摺動ピンを付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載のスタッカクレーン。
- 前記付勢手段は、バネ部あるいはゴム部であることを特徴とする請求項3記載のスタッカクレーン。
- 前記緩衝手段または前記付勢手段からの発塵を防止するカバーを備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のスタッカクレーン。
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