JP2008076523A - 反射型スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】反射型スクリーンにおいて、明光下の環境でもコントラストが良好となるようにする。
【解決手段】反射型スクリーン1の構成を、観察者側から、スクリーン表面を形成する機能性層101と、色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層103と、映像光3A、3Bを拡散する透光性拡散基材104と、映像光3Aを観察者側に向けて略平行光として反射するフレネルミラー105が順次接合されたスクリーン本体を備える構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】反射型スクリーン1の構成を、観察者側から、スクリーン表面を形成する機能性層101と、色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層103と、映像光3A、3Bを拡散する透光性拡散基材104と、映像光3Aを観察者側に向けて略平行光として反射するフレネルミラー105が順次接合されたスクリーン本体を備える構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、投影装置から投射される映像光を反射して映像を映し出す反射型スクリーンに関する。
従来、例えば、会議や映写会などにおいて、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)や、16mmや8mmフィルムを用いる映写機など、反射型スクリーンに映像を投影する投影装置が用いられている。
近年では、投影装置本体の小型化や価格の低下などに伴って、例えば、ホームシアターなどの投影システムが一般家庭に普及してきている。このような投影システムは、家庭のリビングスペースなどに設置されることが多く、外光や照明光などの環境光が入りやすくなっている。
そのため、例えば家庭用などの投影システムに用いる反射型スクリーンでは、明るい環境光の下でも良好な映像を表示できるようにすることが強く望まれている。
例えば、特許文献1には、反射型スクリーンに反射素面を備え、投影装置から投射される投射光を一定方向に反射させることにより、スクリーンの周辺輝度の低下が小さい反射型スクリーンが記載されている。
特許文献1に記載された構成としては、フレネルレンズに反射層を設けたフレネルミラーと、視野角を広げる光拡散層を備えるもの、その構成にさらに外光などの一部の偏光成分を吸収しコントラストを向上する偏光吸収層、外光などの映り込みを防止するアンチグレア層を備えるものが記載されている。
特開2005−134448号公報(図5、6)
近年では、投影装置本体の小型化や価格の低下などに伴って、例えば、ホームシアターなどの投影システムが一般家庭に普及してきている。このような投影システムは、家庭のリビングスペースなどに設置されることが多く、外光や照明光などの環境光が入りやすくなっている。
そのため、例えば家庭用などの投影システムに用いる反射型スクリーンでは、明るい環境光の下でも良好な映像を表示できるようにすることが強く望まれている。
例えば、特許文献1には、反射型スクリーンに反射素面を備え、投影装置から投射される投射光を一定方向に反射させることにより、スクリーンの周辺輝度の低下が小さい反射型スクリーンが記載されている。
特許文献1に記載された構成としては、フレネルレンズに反射層を設けたフレネルミラーと、視野角を広げる光拡散層を備えるもの、その構成にさらに外光などの一部の偏光成分を吸収しコントラストを向上する偏光吸収層、外光などの映り込みを防止するアンチグレア層を備えるものが記載されている。
しかしながら、上記のような従来の反射型スクリーンには以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、コントラストを向上する手段として偏光吸収層を用いているが、映像光の偏光成分を吸収しないようにするため、外光はせいぜい半減される程度であり、必ずしも十分なコントラストが得られるとは限らないという問題がある。
また、偏光吸収層は高価であり製造コストが増大するという問題もある。
特許文献1に記載の技術では、コントラストを向上する手段として偏光吸収層を用いているが、映像光の偏光成分を吸収しないようにするため、外光はせいぜい半減される程度であり、必ずしも十分なコントラストが得られるとは限らないという問題がある。
また、偏光吸収層は高価であり製造コストが増大するという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、明光下の環境でもコントラストが良好となる反射型スクリーンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、投影装置によって投射される映像光を観察者側に反射して映像を映し出す反射型スクリーンであって、前記観察者側から、スクリーン表面を形成する表面層と、色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層と、前記映像光を拡散する透光性拡散層と、前記映像光を前記観察者側に向けて略平行光として反射する反射部材とが順次接合されたスクリーン本体を備える構成とする。
この発明によれば、表面層に入射した映像光は、有色層を透過し、透光性拡散基材に入射して拡散され、反射部材により反射されて、観察者側に向かう略平行光とされる。そして、その反射光が、再度、透光性拡散基材に入射して拡散され、視野角を有する光が形成される。この反射光は、有色層を透過し、表面層から観察者側に向けて出射される。
このため、スクリーン上の透光性拡散基材の位置に、一定の視野角の範囲で観察できる映像を映し出すことができる。その際、透光性拡散基材の観察者側には、色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層が位置するので、映像光を良好に透過させつつ、外光を色味に応じて吸収し、映像の暗部が外光によりあまり影響を受けないようにすることができる。
ここで、暗色系の色味を出すための色材は、黒色であることが好ましい。
この発明によれば、表面層に入射した映像光は、有色層を透過し、透光性拡散基材に入射して拡散され、反射部材により反射されて、観察者側に向かう略平行光とされる。そして、その反射光が、再度、透光性拡散基材に入射して拡散され、視野角を有する光が形成される。この反射光は、有色層を透過し、表面層から観察者側に向けて出射される。
このため、スクリーン上の透光性拡散基材の位置に、一定の視野角の範囲で観察できる映像を映し出すことができる。その際、透光性拡散基材の観察者側には、色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層が位置するので、映像光を良好に透過させつつ、外光を色味に応じて吸収し、映像の暗部が外光によりあまり影響を受けないようにすることができる。
ここで、暗色系の色味を出すための色材は、黒色であることが好ましい。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記表面層の前記観察者側の表面にアンチグレア処理が施され、かつスクリーン本体の総厚さが0.2mm以上、1.0mm以下とされた構成とする。
この発明によれば、表面層の観察者側の表面にアンチグレア処理が施されているので、スクリーンの表面反射光が拡散され、スクリーンへの映り込みを低減することができる。
また、スクリーン本体の総厚さが、0.2mm以上、1.0mm以下とされるので、拡散が起こる面の距離差が最大限でも1.0mmとなり、拡散面が離間することによる二重像あるいは多重像を低減でき、許容できる程度に収めることができる。
この発明によれば、表面層の観察者側の表面にアンチグレア処理が施されているので、スクリーンの表面反射光が拡散され、スクリーンへの映り込みを低減することができる。
また、スクリーン本体の総厚さが、0.2mm以上、1.0mm以下とされるので、拡散が起こる面の距離差が最大限でも1.0mmとなり、拡散面が離間することによる二重像あるいは多重像を低減でき、許容できる程度に収めることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記反射部材が、略三角形断面の複数のプリズム部が配列されてなる凹凸面と、該凹凸面に対向する平坦面とを有するフレネルレンズの凹凸面側に、反射層を形成したフレネルミラーからなる構成とする。
この発明によれば、平坦面で透過性拡散基材を貼り合わせることができるので、製造が容易となる。このようなフレネルレンズは、例えば金型にUV硬化樹脂を充填して、紫外線を照射しUV硬化させるといった製造方法を用いることで、安価に製造することができる。
ここで、フレネルレンズは、投影装置と観察者の位置などの必要に応じて、複数のプリズム部が同心円状に配列されたサーキュラー・フレネルレンズでもよいし、複数のプリズム部が平行に配列されたリニア・フレネルレンズでもよい。
この発明によれば、平坦面で透過性拡散基材を貼り合わせることができるので、製造が容易となる。このようなフレネルレンズは、例えば金型にUV硬化樹脂を充填して、紫外線を照射しUV硬化させるといった製造方法を用いることで、安価に製造することができる。
ここで、フレネルレンズは、投影装置と観察者の位置などの必要に応じて、複数のプリズム部が同心円状に配列されたサーキュラー・フレネルレンズでもよいし、複数のプリズム部が平行に配列されたリニア・フレネルレンズでもよい。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の反射型スクリーンにおいて、前記スクリーン本体が、筒状に巻き取り可能な柔軟性を有する構成とする。
この発明によれば、スクリーン本体が巻き取り可能な柔軟性を有するので、スクリーン本体が折れたり割れたりして破損するおそれが少なくなり取り扱いが容易となる。
すなわち、反射型スクリーンがスクリーン本体のみからなる場合には、反射型スクリーンの収納時、設置時に取り扱いが容易となる。
また、スクリーン本体を柔軟性のない部材に接合して反射型スクリーンを構成する場合には、製造工程においてスクリーン本体の取り扱いが容易となる。
この発明によれば、スクリーン本体が巻き取り可能な柔軟性を有するので、スクリーン本体が折れたり割れたりして破損するおそれが少なくなり取り扱いが容易となる。
すなわち、反射型スクリーンがスクリーン本体のみからなる場合には、反射型スクリーンの収納時、設置時に取り扱いが容易となる。
また、スクリーン本体を柔軟性のない部材に接合して反射型スクリーンを構成する場合には、製造工程においてスクリーン本体の取り扱いが容易となる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の反射型スクリーンにおいて、前記スクリーン本体の前記反射部材側に、前記スクリーン本体に比べて剛性の高い支持基材を接合した構成とする。
この発明によれば、スクリーン本体を反射部材側にスクリーン本体に比べて剛性の高い支持基材に接合することにより、反射型スクリーンの剛性を調整し、必要に応じた自立性を付与することができるので、スクリーンの平面性を保った状態で設置したり、移動したりすることが容易となる。
この発明によれば、スクリーン本体を反射部材側にスクリーン本体に比べて剛性の高い支持基材に接合することにより、反射型スクリーンの剛性を調整し、必要に応じた自立性を付与することができるので、スクリーンの平面性を保った状態で設置したり、移動したりすることが容易となる。
本発明の反射型スクリーンによれば、有色層により映像光の透過率を損なうことなく外光の反射を低減することができるので、明光下の環境でもコントラストが良好となるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る反射型スクリーンについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る反射型スクリーンの模式的な斜視外観図である。図2は、本発明の実施形態に係る反射型スクリーンの厚さ方向の断面構成を示す模式的な断面図である。
なお、各図は模式図のため寸法比などは誇張されている(図3も同じ)。
図1は、本発明の実施形態に係る反射型スクリーンの模式的な斜視外観図である。図2は、本発明の実施形態に係る反射型スクリーンの厚さ方向の断面構成を示す模式的な断面図である。
なお、各図は模式図のため寸法比などは誇張されている(図3も同じ)。
本実施形態の反射型スクリーン1は、図1に示すように、例えば、OHPプロジェクタ、液晶プロジェクタや8mm映写機など、静止画像や動画映像を拡大投影する投影装置2から投射された映像光3Aを、観察者側に向かう略一定方向に反射するものである。
例えば、図1では、反射型スクリーン1は、スクリーン面がやや横長の矩形状とされ、投影装置2に対して、水平方向前方の点Pの上方に配置されている。図中の点Qは、反射型スクリーン1の矩形の中心を示す。
そして、反射型スクリーン1は、投影装置2の投射口が配置された点Oから斜め上方向に投射された映像光3Aを、投影装置2と同方向側の略水平方向に映像光3Bとして反射するようになっている。
映像光3Bは、観察者が所定の視野角の範囲で映像を観察することができるように、反射型スクリーン1上で、所定範囲に拡散されるとともに、反射型スクリーン1のレンズ作用により略平行光とされるようになっている。
図中の映像光3A、3Bの光線は、投影像の各画素の主光線を示している。
例えば、図1では、反射型スクリーン1は、スクリーン面がやや横長の矩形状とされ、投影装置2に対して、水平方向前方の点Pの上方に配置されている。図中の点Qは、反射型スクリーン1の矩形の中心を示す。
そして、反射型スクリーン1は、投影装置2の投射口が配置された点Oから斜め上方向に投射された映像光3Aを、投影装置2と同方向側の略水平方向に映像光3Bとして反射するようになっている。
映像光3Bは、観察者が所定の視野角の範囲で映像を観察することができるように、反射型スクリーン1上で、所定範囲に拡散されるとともに、反射型スクリーン1のレンズ作用により略平行光とされるようになっている。
図中の映像光3A、3Bの光線は、投影像の各画素の主光線を示している。
反射型スクリーン1の厚さ方向の断面構成について、図2を参照して説明する。図2の断面は、例えば、点P、Qを通る直線上のスクリーンの厚さ方向の断面の部分拡大図である。図示左側は不図示の観察者の側である。
反射型スクリーン1の概略構成は、観察者側から、機能性層101(表面層)、有色層103、透光性拡散基材104、およびフレネルミラー105(反射部材)が配列され、隣接する層または基材が接合されたものである。相互の接合は、必要に応じて、図示しない粘着層または接着層により接合されていてもよい。
ここで、機能性層101(表面層)、有色層103、透光性拡散基材104、およびフレネルミラー105(反射部材)は、反射型スクリーン1のスクリーン本体を構成する。すなわち、本実施形態は、反射型スクリーンがスクリーン本体のみからなる場合の例となっている。
反射型スクリーン1の概略構成は、観察者側から、機能性層101(表面層)、有色層103、透光性拡散基材104、およびフレネルミラー105(反射部材)が配列され、隣接する層または基材が接合されたものである。相互の接合は、必要に応じて、図示しない粘着層または接着層により接合されていてもよい。
ここで、機能性層101(表面層)、有色層103、透光性拡散基材104、およびフレネルミラー105(反射部材)は、反射型スクリーン1のスクリーン本体を構成する。すなわち、本実施形態は、反射型スクリーンがスクリーン本体のみからなる場合の例となっている。
機能性層101は、反射型スクリーン1の表面を構成する層状部材であり、十分な透光性を有するとともに観察者側の表面101aがアンチグレア処理されたものである。このように表面101aがアンチグレア処理されることで、外光による写り込みを低減してより見やすい映像を提供できるようになっている。
また機能性層101には、必要に応じて、スクリーンの表面性を改善する他の機能、例えば、表面101aの反射率を低減する反射防止機能、埃などの付着を防止する帯電防止機能、擦れ傷などが付きにくいようにする擦傷防止機能などを持たせてもよい。
これらは、例えば、表面101aに、反射防止膜コーティング、帯電防止膜コーティング、保護膜コーティングなどのコーティング処理を施すことによって実現することができる。
また機能性層101には、必要に応じて、スクリーンの表面性を改善する他の機能、例えば、表面101aの反射率を低減する反射防止機能、埃などの付着を防止する帯電防止機能、擦れ傷などが付きにくいようにする擦傷防止機能などを持たせてもよい。
これらは、例えば、表面101aに、反射防止膜コーティング、帯電防止膜コーティング、保護膜コーティングなどのコーティング処理を施すことによって実現することができる。
有色層103は、層内に分散された色材の濃度により暗色系に色味が調整された層からなる。本実施形態では、透明な粘着剤または接着剤に、暗色系の色味が得られる色材、例えば、黒色の色材であるカーボン粒子を分散させたものを採用している。そのため、有色層103は、機能性層101と透光性拡散基材104とを接合する粘着剤または接着剤を兼ねている。
有色層103に用いる粘着剤、または接着剤としては、例えば、アクリル系、シリコン系、またはゴム系などの材質を好適に採用することができる。
有色層103の透過率は、有色層103を透過する光の光路長や分散される色材の量によって決まるが、輝度が良好な映像を観察するためには、70%以上の透過率を備えることが好ましい。すなわち、観察者に到達する映像光3Bの輝度が、映像光3Aに比べて著しく低下すると、例えば明るい室内などの明光下で良好に観察することができなくなるので、観察者に到達する映像光3Bの輝度は、映像光3Aの少なくとも40%程度は確保する必要がある。有色層103の透過率を70%以上とすれば、有色層103を2回透過した光の透過率は49%となり、他の部材の透過率、反射率を考慮しても、映像光3Bを元の輝度の40%以上の輝度で反射することができる。
一方、有色層103の色味、あるいは色の濃さは、光を吸収する色材の濃度によって決まるので、色材量が一定であれば、薄層中に分散した方がより暗い(濃い)有色層を形成することができる。
例えば、透過率を70%以上として、コントラストが向上する色味を出すためには、有色層103の厚さの範囲は、10μm以上、50μm以下とすることが好適である。
有色層103に用いる粘着剤、または接着剤としては、例えば、アクリル系、シリコン系、またはゴム系などの材質を好適に採用することができる。
有色層103の透過率は、有色層103を透過する光の光路長や分散される色材の量によって決まるが、輝度が良好な映像を観察するためには、70%以上の透過率を備えることが好ましい。すなわち、観察者に到達する映像光3Bの輝度が、映像光3Aに比べて著しく低下すると、例えば明るい室内などの明光下で良好に観察することができなくなるので、観察者に到達する映像光3Bの輝度は、映像光3Aの少なくとも40%程度は確保する必要がある。有色層103の透過率を70%以上とすれば、有色層103を2回透過した光の透過率は49%となり、他の部材の透過率、反射率を考慮しても、映像光3Bを元の輝度の40%以上の輝度で反射することができる。
一方、有色層103の色味、あるいは色の濃さは、光を吸収する色材の濃度によって決まるので、色材量が一定であれば、薄層中に分散した方がより暗い(濃い)有色層を形成することができる。
例えば、透過率を70%以上として、コントラストが向上する色味を出すためには、有色層103の厚さの範囲は、10μm以上、50μm以下とすることが好適である。
透光性拡散基材104は、フレネルミラー105に入射する映像光3Aとフレネルミラー105とによって反射された映像光3Bを拡散させることで、映像光3Bに視野角を付与するためのものである。
反射型スクリーン1としての視野角の大きさは、半値角で30°以上とすることが好ましい。そのためには、映像光を2回透過させる透光性拡散基材104の拡散角は一回の透過で半値角15°以上となるように設定する。
また、透光性拡散基材104は、映像光の反射面に近いことが好ましく、映像光の拡散位置の差を低減するために、厚さを薄くすることが好ましい。
本実施形態では、このような条件を満たすため、透光性拡散基材104を作成するバインダーとフィラーの屈折率差を大きくすることで達成している。
例えば、透光性拡散基材104の厚さは、二重像あるいは多重像などの発生を抑制するために、0.1mm以上、0.8mm以下とすることが好ましい。このとき、半値角15°以上を達成するためには、バインダーとフィラーの屈折率差を0.02以上とすることが好適である。
反射型スクリーン1としての視野角の大きさは、半値角で30°以上とすることが好ましい。そのためには、映像光を2回透過させる透光性拡散基材104の拡散角は一回の透過で半値角15°以上となるように設定する。
また、透光性拡散基材104は、映像光の反射面に近いことが好ましく、映像光の拡散位置の差を低減するために、厚さを薄くすることが好ましい。
本実施形態では、このような条件を満たすため、透光性拡散基材104を作成するバインダーとフィラーの屈折率差を大きくすることで達成している。
例えば、透光性拡散基材104の厚さは、二重像あるいは多重像などの発生を抑制するために、0.1mm以上、0.8mm以下とすることが好ましい。このとき、半値角15°以上を達成するためには、バインダーとフィラーの屈折率差を0.02以上とすることが好適である。
フレネルミラー105は、図1に示すように、例えば水平面から斜め上方に拡大投影される映像光3Aを、一定方向、本実施形態では観察者側の略水平方向に、略平行光として反射するための反射部材である。
本実施形態では、光軸OPがスクリーン面の中心Qから偏心したサーキュラー・フレネルレンズ105a(フレネルレンズ)に、反射層部105b(反射層)を形成された構成を備える。
本実施形態では、光軸OPがスクリーン面の中心Qから偏心したサーキュラー・フレネルレンズ105a(フレネルレンズ)に、反射層部105b(反射層)を形成された構成を備える。
サーキュラー・フレネルレンズ105aは、図2に示すように、観察者側と反対の側に、光軸OPに同軸に設けられた複数のプリズム部107が配列され、断面鋸歯状の凹凸面が形成されている。そしてそれら凹凸面と対向する側に平坦面106が形成されている。
サーキュラー・フレネルレンズ105aの材質としては、適宜の透明樹脂を採用することができるが、本実施形態では、金型に充填して紫外線硬化させることで容易に製造できるUV硬化樹脂を採用している。
サーキュラー・フレネルレンズ105aの材質としては、適宜の透明樹脂を採用することができるが、本実施形態では、金型に充填して紫外線硬化させることで容易に製造できるUV硬化樹脂を採用している。
反射層部105bは、サーキュラー・フレネルレンズ105aの凹凸面を高反射率の内部反射面とするためのものであり、サーキュラー・フレネルレンズ105aの凹凸面側に、反射性材料が蒸着されたものである。
反射層部105bは、高反射率を得るために、高反射率の金属あるいは合金から構成することが好ましい。
例えば、凹凸面上に、反射層として、ニッケル・クロムの合金層、アルミニウム、または銀などの単層の反射層を形成したもの、あるいはアルミニウムまたは銀で反射層を形成し、さらにその上にニッケル・クロムの合金層を設けた多層の反射層の構成などを好適に採用することができる。
また、これら反射層の最上面(図2の右側面)に、耐察性を向上させるための反射層保護層を形成すれば、反射層の耐久性を向上できるのでより好ましい。
反射層部105bは、高反射率を得るために、高反射率の金属あるいは合金から構成することが好ましい。
例えば、凹凸面上に、反射層として、ニッケル・クロムの合金層、アルミニウム、または銀などの単層の反射層を形成したもの、あるいはアルミニウムまたは銀で反射層を形成し、さらにその上にニッケル・クロムの合金層を設けた多層の反射層の構成などを好適に採用することができる。
また、これら反射層の最上面(図2の右側面)に、耐察性を向上させるための反射層保護層を形成すれば、反射層の耐久性を向上できるのでより好ましい。
次に、このような反射型スクリーン1の好ましい製造方法の一例について説明する。
本方法の概略の製造工程は、フレネルレンズ形成工程、接合工程、反射層形成工程をこの順に行うものである。
本方法の概略の製造工程は、フレネルレンズ形成工程、接合工程、反射層形成工程をこの順に行うものである。
フレネルレンズ形成工程では、サーキュラー・フレネルレンズ105aを成形する。この工程は、例えば、複数のプリズム部107を形成する凹凸形状が形成された金型に、UV硬化樹脂を充填し、紫外線を照射してUV樹脂を硬化させ、プリズム部107に対向する側に平坦面106を形成し脱型するといった工程を採用することができる。
接合工程は、機能性層101、有色層103、透光性拡散基材104、サーキュラー・フレネルレンズ105aがこの順に配置されるように接合する工程である。
これらの接合順序や接合手段は、必要に応じて適宜選択することができる。
例えば、一例として、次のような工程により接合していくことができる。まず、接着剤により、サーキュラー・フレネルレンズ105aの平坦面106と透光性拡散基材104とを接着しておく。そして、透光性拡散基材104の表面に有色層103を一定厚さに形成し、有色層103の粘着剤または接着剤により機能性層101の平坦面101bと接合する。
これらの接合順序や接合手段は、必要に応じて適宜選択することができる。
例えば、一例として、次のような工程により接合していくことができる。まず、接着剤により、サーキュラー・フレネルレンズ105aの平坦面106と透光性拡散基材104とを接着しておく。そして、透光性拡散基材104の表面に有色層103を一定厚さに形成し、有色層103の粘着剤または接着剤により機能性層101の平坦面101bと接合する。
本実施形態の接合形態は、このようにそれぞれの平坦面同士の間に粘着層や接着層を介在させて接合する形態でもよいし、接合する層自体が粘着層、接着層を兼ねている形態でもよい。また、基材や層は、例えばコーティングや蒸着などの連続的な層形成手段により、平坦面上に積層して形成されることで、形成と同時に接合されていてもよい。
反射層形成工程では、接合工程により接合された状態で、サーキュラー・フレネルレンズ105aの凹凸面に反射層部105bを形成する。すなわち、反射層を形成し、次に、必要に応じて反射層保護層を形成する。
この場合、反射層部105bは、各層、各基材が接合され、サーキュラー・フレネルレンズ105a単品に比べて剛性が向上した状態で形成することができるので、部材の保持や移動が容易であり、製造効率が向上する。
また、凹凸面の形状に歪みなどがない安定した状態で反射層部105bを形成するので、例えば、反射層を蒸着する場合、蒸着ムラなどが低減され、蒸着後の変形による欠陥なども生じにくくなり、高品質な反射層部105bを形成することができる。
この場合、反射層部105bは、各層、各基材が接合され、サーキュラー・フレネルレンズ105a単品に比べて剛性が向上した状態で形成することができるので、部材の保持や移動が容易であり、製造効率が向上する。
また、凹凸面の形状に歪みなどがない安定した状態で反射層部105bを形成するので、例えば、反射層を蒸着する場合、蒸着ムラなどが低減され、蒸着後の変形による欠陥なども生じにくくなり、高品質な反射層部105bを形成することができる。
次に、本実施形態の反射型スクリーン1の作用について光路に沿って説明する。
投影装置2から放射された映像光3Aが、反射型スクリーン1に投射されると、各画素に対応する光束が、図2の矢印のように機能性層101に入射し屈折されて有色層103に到達する。有色層103を透過した映像光3Aは、透光性拡散基材104に入射し、透光性拡散基材104の拡散特性に応じた拡散光としてサーキュラー・フレネルレンズ105aに入射する。
そして、映像光3Aの入射方向に応じて、例えば、反射面108に到達し、図示水平左方向に映像光3Bとして反射される。そして、透光性拡散基材104に再入射し、再び拡散される。このとき、透光性拡散基材104は、平坦面106に接合されているため、M104と反射面108とは十分近接されており、透光性拡散基材104を透過する映像光3Bは、透光性拡散基材104を1回透過する場合の拡散角の約2倍の拡散角で拡がる光となる。
そして、透光性拡散基材104を透過した映像光3Bは、有色層103、機能性層101をそれぞれ再度透過して、観察者側に向けて進む。
このため、反射型スクリーン1からは、透光性拡散基材104を2回透過することで、拡散角の半値角が30°以上となった映像光3Bが、略平行光として観察者側に出射される。
このように、拡散角が適切に設定され、スクリーンの各位置から略同方向に向けて高輝度の映像光3Bが反射されるので、観察者は、輝度バラツキの少ない映像を半値角が30°以上の視野角の範囲で観察することができる。
投影装置2から放射された映像光3Aが、反射型スクリーン1に投射されると、各画素に対応する光束が、図2の矢印のように機能性層101に入射し屈折されて有色層103に到達する。有色層103を透過した映像光3Aは、透光性拡散基材104に入射し、透光性拡散基材104の拡散特性に応じた拡散光としてサーキュラー・フレネルレンズ105aに入射する。
そして、映像光3Aの入射方向に応じて、例えば、反射面108に到達し、図示水平左方向に映像光3Bとして反射される。そして、透光性拡散基材104に再入射し、再び拡散される。このとき、透光性拡散基材104は、平坦面106に接合されているため、M104と反射面108とは十分近接されており、透光性拡散基材104を透過する映像光3Bは、透光性拡散基材104を1回透過する場合の拡散角の約2倍の拡散角で拡がる光となる。
そして、透光性拡散基材104を透過した映像光3Bは、有色層103、機能性層101をそれぞれ再度透過して、観察者側に向けて進む。
このため、反射型スクリーン1からは、透光性拡散基材104を2回透過することで、拡散角の半値角が30°以上となった映像光3Bが、略平行光として観察者側に出射される。
このように、拡散角が適切に設定され、スクリーンの各位置から略同方向に向けて高輝度の映像光3Bが反射されるので、観察者は、輝度バラツキの少ない映像を半値角が30°以上の視野角の範囲で観察することができる。
一方、反射型スクリーン1に入射する外光は、機能性層101から入射し、透光性基材102を透過して、有色層103に到達する。機能性層101は、本実施形態ではアンチグレア処理されているので、機能性層101の表面反射光は散乱され、観察者にとって目立たないものとなる。
有色層103に到達した外光は、有色層103の色味に応じて吸収され、残りがスクリーン表面側に反射される。
したがって、外光が照射された反射型スクリーン1は、映像光3Aが入射されない状態では、観察者側ではスクリーンの表面が暗色系の色味を帯びた有色層103の色を持つものとして観察される。また、表面101aのアンチグレア処理により、外光の表面反射によって表面が白っぽく見えたり、外光による画像が写り込んだりする程度が低減されている。
そのため、映像光3Aが反射型スクリーン1に投射されると、画像の黒部では、外光の存在下でも、有色層103の色味に応じて暗部が形成され、観察者はコントラストが高い映像を観察することができる。
有色層103に到達した外光は、有色層103の色味に応じて吸収され、残りがスクリーン表面側に反射される。
したがって、外光が照射された反射型スクリーン1は、映像光3Aが入射されない状態では、観察者側ではスクリーンの表面が暗色系の色味を帯びた有色層103の色を持つものとして観察される。また、表面101aのアンチグレア処理により、外光の表面反射によって表面が白っぽく見えたり、外光による画像が写り込んだりする程度が低減されている。
そのため、映像光3Aが反射型スクリーン1に投射されると、画像の黒部では、外光の存在下でも、有色層103の色味に応じて暗部が形成され、観察者はコントラストが高い映像を観察することができる。
このように、本実施形態の反射型スクリーン1は、透光性拡散基材104の厚さを適切に設定することにより、拡散面が離間することによる二重像あるいは多重像を許容できる程度に収めることができるが、表面101aにおけるアンチグレア処理による拡散も二重像あるいは多重像の原因となる場合がある。そのため、透光性拡散基材104の厚さのみならず、機能性層101を含めた反射型スクリーン1の総厚さも適切な範囲に収めることが好ましい。例えば、後述する評価結果などから、総厚さを、0.2mm以上、1.0mm以下とすることが好ましい。
反射型スクリーン1は、このように薄型とするため、機能性層101、有色層103、透光性拡散基材104、フレネルミラー105の材質は、ある程度柔軟性を備えることにより、例えば、一般のロールスクリーンのように巻き取り収納が可能となるような剛性、強度を有する材質を採用することが好ましい。それにより、収納や、設置の取り扱いが容易となるという利点がある。
また、反射型スクリーン1は、保管時、使用時の安全性を向上するために、難燃性を有することが好ましい。
このような条件を満たす材質として、例えば、難燃性PE(ポリエチレン)樹脂、難燃性PP(ポリプロピレン)樹脂、難燃性PS(ポリスチレン)樹脂、難燃性PC(ポリカーボネート)樹脂、または難燃性PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などを採用することができる。
また、反射型スクリーン1は、保管時、使用時の安全性を向上するために、難燃性を有することが好ましい。
このような条件を満たす材質として、例えば、難燃性PE(ポリエチレン)樹脂、難燃性PP(ポリプロピレン)樹脂、難燃性PS(ポリスチレン)樹脂、難燃性PC(ポリカーボネート)樹脂、または難燃性PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などを採用することができる。
次に、上記実施形態の二重像あるいは多重像の低減効果について、具体的なサンプルを作製して評価した結果について説明する。
評価に用いる3種類の反射型スクリーン1を以下のような条件で製作した。
機能性層101として、表面がアンチグレア処理された50μm厚のARを形成した。
有色層103は、カーボンからなるティントを分散させ、透過率70%に調整した40μmの粘着層とした。粘着剤としては、アクリル系を採用した。
透光性拡散基材104は、バインダーとして、屈折率が1.59の難燃性PC樹脂を採用し、フィラーの屈折率を1.55として分散し、拡散層の厚さが、0.5mm、0.8mm、1.0mmのサンプルを作製した。
フレネルミラー105は、紫外線硬化型樹脂製のサーキュラー・フレネルレンズ105aに、ニッケル・クロム合金で反射層を形成し、さらにその最外面に紫外線硬化型樹脂による保護層を形成した。
このような構成により、スクリーン本体である反射型スクリーン1の総厚さは、それぞれ0.7mm、1.0mm、1.2mmとなっている。
また比較のため、スクリーン本体の総厚さが、1.0mmのものにおいて、機能性層101を同じ厚さ、材質で、反射防止コーティングのみで、表面が平滑面(グロス状)とされたものに置き換えたサンプルを製作した。
評価は、評価者50人の官能評価によって行った。
評価に用いる3種類の反射型スクリーン1を以下のような条件で製作した。
機能性層101として、表面がアンチグレア処理された50μm厚のARを形成した。
有色層103は、カーボンからなるティントを分散させ、透過率70%に調整した40μmの粘着層とした。粘着剤としては、アクリル系を採用した。
透光性拡散基材104は、バインダーとして、屈折率が1.59の難燃性PC樹脂を採用し、フィラーの屈折率を1.55として分散し、拡散層の厚さが、0.5mm、0.8mm、1.0mmのサンプルを作製した。
フレネルミラー105は、紫外線硬化型樹脂製のサーキュラー・フレネルレンズ105aに、ニッケル・クロム合金で反射層を形成し、さらにその最外面に紫外線硬化型樹脂による保護層を形成した。
このような構成により、スクリーン本体である反射型スクリーン1の総厚さは、それぞれ0.7mm、1.0mm、1.2mmとなっている。
また比較のため、スクリーン本体の総厚さが、1.0mmのものにおいて、機能性層101を同じ厚さ、材質で、反射防止コーティングのみで、表面が平滑面(グロス状)とされたものに置き換えたサンプルを製作した。
評価は、評価者50人の官能評価によって行った。
まず、表面が、アンチグレア処理された形態と、グロス状の反射防止層のみの形態と比べてみたところ、明室環境下(200lx)においては、天井への映像の映りこみは同等であったが、スクリーン正面で観察した際の外光の映り込みについて、50人中35人が、表面をアンチグレア処理した形態の方が良好であると判定した。
一方、暗室環境下で正面の映り込みは同程度であったが、天井への反射光は、50人全員がアンチグレア処理した形態の方が良好(映り込みが少ない)と評価した。
一方、暗室環境下で正面の映り込みは同程度であったが、天井への反射光は、50人全員がアンチグレア処理した形態の方が良好(映り込みが少ない)と評価した。
多重像に関する評価では、同様の明室環境下で、透光性拡散基材104の層厚の違いにより総厚さが異なる3種類の反射型スクリーン1に映像を映写して多重像の見え方を官能評価してもらった。
その結果、拡散層0.5mm(総厚0.7mm)で43人、拡散層0.8mm(総厚1.0mm)で27人、そして拡散層1.0mm(総厚1.2mm)の形態で14人が、多重像が良好(気にならない)と回答した。すなわち、拡散層の厚さが増えるとともに、多重像が気になりやすくなっていることが分かる。
多重像の見え方を許容できる限度として、過半数の観察者が気にならないレベルを採用すると、本結果より、透光性拡散基材104の層厚で、0.8mm以下、スクリーン本体の総厚で、1.0mm以下が、多重像が許容できる条件範囲となる。
なお、透光性拡散基材104の層厚の下限値は、十分な視野角を得るための拡散角を形成する条件から規定される。
その結果、拡散層0.5mm(総厚0.7mm)で43人、拡散層0.8mm(総厚1.0mm)で27人、そして拡散層1.0mm(総厚1.2mm)の形態で14人が、多重像が良好(気にならない)と回答した。すなわち、拡散層の厚さが増えるとともに、多重像が気になりやすくなっていることが分かる。
多重像の見え方を許容できる限度として、過半数の観察者が気にならないレベルを採用すると、本結果より、透光性拡散基材104の層厚で、0.8mm以下、スクリーン本体の総厚で、1.0mm以下が、多重像が許容できる条件範囲となる。
なお、透光性拡散基材104の層厚の下限値は、十分な視野角を得るための拡散角を形成する条件から規定される。
以上に説明したように、本実施形態の反射型スクリーン1によれば、明光下の環境でも良好なコントラストを得ることができ、しかも、多重像なども許容範囲に収めることができる。
次に、本発明の変形例について説明する。
図3は、本発明の実施形態の変形例に係る反射型スクリーンの厚さ方向の断面構成を示す模式的な断面図である。
図3は、本発明の実施形態の変形例に係る反射型スクリーンの厚さ方向の断面構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の反射型スクリーン10は、図3に示すように、上記実施形態の反射型スクリーン1のフレネルミラー105側に、反射型スクリーン1の平面性を保つための支持体201(支持基材)を配置し、反射型スクリーン1を支持体201の表面に沿って接合したものである。
支持体201は、フレネルミラー105の裏面側、すなわち観察者と反対側に配置するので、その材質は、平面性を保つための剛性を有していれば適宜の材質でよく、例えば透光性や反射性の有無などの光学的な特性とは無関係に選択することができる。
支持体201の剛性は、反射型スクリーン1の高剛性とし、スクリーンの平面性を保つことができるようにする。例えば、反射型スクリーン10を立てたとき、支持枠などに沿って立て掛けた状態で座屈を起こさない程度の自立性が得られる剛性を備えるようにする。
すなわち、本変形例は、反射型スクリーンが相対的低剛性のスクリーン本体と相対的高剛性の支持基材とが接合されてなる場合の例となっている。
これにより、例えば錘を付けて重力でヨレを矯正したり、剛直な外枠などにテンションをかけたりするといった手段を用いることなく平面性を保つことができるようになっている。
このような自立性を得るためには、スクリーンの大きさなどにもよるが、例えば、800mm×600mm程度のスクリーンであれば、支持体201を含めたスクリーンの厚さが、全体として、2.0mm以上の厚さを有することが好ましい。
支持体201は、フレネルミラー105の裏面側、すなわち観察者と反対側に配置するので、その材質は、平面性を保つための剛性を有していれば適宜の材質でよく、例えば透光性や反射性の有無などの光学的な特性とは無関係に選択することができる。
支持体201の剛性は、反射型スクリーン1の高剛性とし、スクリーンの平面性を保つことができるようにする。例えば、反射型スクリーン10を立てたとき、支持枠などに沿って立て掛けた状態で座屈を起こさない程度の自立性が得られる剛性を備えるようにする。
すなわち、本変形例は、反射型スクリーンが相対的低剛性のスクリーン本体と相対的高剛性の支持基材とが接合されてなる場合の例となっている。
これにより、例えば錘を付けて重力でヨレを矯正したり、剛直な外枠などにテンションをかけたりするといった手段を用いることなく平面性を保つことができるようになっている。
このような自立性を得るためには、スクリーンの大きさなどにもよるが、例えば、800mm×600mm程度のスクリーンであれば、支持体201を含めたスクリーンの厚さが、全体として、2.0mm以上の厚さを有することが好ましい。
本変形例によれば、支持体201の板厚、材質などを適宜設定することで、反射型スクリーン10の剛性を調整し、必要に応じた自立性を付与することができるので、スクリーンの平面性を保った状態で設置したり、移動したりすることが容易となる。
また、支持体201に接合する前の反射型スクリーン1は、柔軟性を有するので、製造工程における反射型スクリーン1の取り扱いが容易となるので、製造効率を向上することができる。
また、支持体201に接合する前の反射型スクリーン1は、柔軟性を有するので、製造工程における反射型スクリーン1の取り扱いが容易となるので、製造効率を向上することができる。
なお、上記の説明では、表面層の観察者側の表面にアンチグレア処理を施した場合の例で説明したが、例えば反射防止コーティングなどにより、十分に外光の映り込みが抑制される場合には、アンチグレア処理を施さない構成としてもよい。
また、上記の説明では、反射部材が、内部反射を用いたフレネルミラーからなる例で説明したが、表面反射を用いたフレネルミラーを用い、その表面反射面が透光性拡散基材と対向するようにしてもよい。
また、上記の説明では、反射型スクリーンが、筒状に巻き取り可能な柔軟性を有する場合の例で説明したが、取り扱い上の問題がなければ、筒状に巻き取り可能でないような柔軟性あるいは剛性を備える構成としてもよい。
1、10 反射型スクリーン
2 投影装置
3A、3B 映像光
101 機能性層(表面層)
101a 表面
101b 平坦面
103 有色層
104 透光性拡散基材
105 フレネルミラー(反射部材)
105a サーキュラー・フレネルレンズ
105b 反射層部(反射層)
106 平坦面
107 プリズム部
108 反射面
201 支持体(支持基材)
2 投影装置
3A、3B 映像光
101 機能性層(表面層)
101a 表面
101b 平坦面
103 有色層
104 透光性拡散基材
105 フレネルミラー(反射部材)
105a サーキュラー・フレネルレンズ
105b 反射層部(反射層)
106 平坦面
107 プリズム部
108 反射面
201 支持体(支持基材)
Claims (5)
- 投影装置によって投射される映像光を観察者側に反射して映像を映し出す反射型スクリーンであって、
前記観察者側から、
スクリーン表面を形成する表面層と、
色材の濃度により暗色系に色味が調整された有色層と、
前記映像光を拡散する透光性拡散層と、
前記映像光を前記観察者側に向けて略平行光として反射する反射部材とが順次接合されたスクリーン本体を備えることを特徴とする反射型スクリーン。 - 前記表面層の前記観察者側の表面にアンチグレア処理が施され、
かつスクリーン本体の総厚さが0.2mm以上、1.0mm以下とされたことを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。 - 前記反射部材が、
略三角形断面の複数のプリズム部が配列されてなる凹凸面と、該凹凸面に対向する平坦面とを有するフレネルレンズの凹凸面側に、反射層を形成したフレネルミラーからなることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型スクリーン。 - 前記スクリーン本体が、筒状に巻き取り可能な柔軟性を有する構成とされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射型スクリーン。
- 前記スクリーン本体の前記反射部材側に、前記スクリーン本体に比べて剛性の高い支持基材を接合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射型スクリーン。
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-
2006
- 2006-09-19 JP JP2006253022A patent/JP2008076523A/ja not_active Withdrawn
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