JP2008074539A - 階段昇降運搬装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被運搬物を安全に運搬すること、簡易な構造で低コストであること、階段への設置が容易であること、装置を使用しないときに通常の階段使用の邪魔にならないこと、運搬台車で物を運搬しそのまま階段を昇降できることを実現する階段昇降運搬装置を提供する。
【解決手段】 階段200の左右両端に2本の軌道101,102を設置し、軌道101,102上を転動するキャスター10を有する運搬台車1を、ウインチ90と、一端が運搬台車1に接続され、他端がウインチ90に接続されたロープ95とにより軌道101,102に沿って昇降させる。ウインチ90は、階上踊場202の軌道102延長線上で運搬台車1の長さよりも高い位置に設置されている。運搬台車1は、枠体2、荷台部3、荷受部4、アーム5からなり、荷受部4は荷台部3に対して開角度調節可能である。
【選択図】 図4

Description

この発明は、建物(特に住宅)の階段に設置して、物(家具、大型荷物)、人間、車椅子等を階上又は階下に運ぶための階段昇降運搬装置に関する。
その種の装置としては、階段の両端に溝型レールを固着し、車椅子が乗る水平台車から2本の腕を階段の斜度に等しい斜度で突き出したくの字台車において、腕にそれぞれ2個の車輪を装着し、車輪は溝型レールの溝の部分に係合し、くの字台車は階段の上部床に固着したウインチによって昇降できるようにした介護用階段昇降装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、階段の両側壁にガイドレールを架設し、乗かご台車が台車枠、床板、及び台車枠の両縁に取り付けられた複数のローラを有し、このローラがガイドレールに案内されるように係合し、乗かご台車の牽引・駆動手段としてワイヤロープと巻上げ機を用いた階段用昇降装置がある(例えば、特許文献2参照)。
更に、階段に沿って設置されるガイド体と、ガイド体に着脱自在に設けられガイド体を階段上に保持する基台と、ガイド体の上端に設けられた動力部と、動力部によって回転しガイド体内の長手方向に沿って設けられた螺桿と、螺桿に螺合するとともにガイド体内をスライド自在に支持された移動体と、移動体に設けられた荷台部とを備えた傾斜リフトがある(例えば、特許文献3参照)。
更にまた、階段の傾斜に沿って取り付けられる固定部と、固定部に沿って移動する移動部と、被移動物を積載するため移動部の側方に設けられた荷台部とを備え、固定部は階段の傾斜に沿って固定される基台と、階段の傾斜と同一の傾斜で基台に設けられたラック及びガイドレールとを備え、移動部は基台に移動自在に配置されたフレームと、フレームに設けられた駆動手段と、駆動手段によって回転されるとともに、ラックに歯合されたピニオンと、ガイドレールを挟持する少なくとも一対のガイドローラとを備えた傾斜リフトがある(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−171948号公報 特開平7−61741号公報 特開2000−143200号公報 特開2002−87735号公報
上記特許文献1記載の発明では、水平台車から突出した2本の腕にそれぞれ設けた車輪が溝型レールの溝の部分に係合する構造であるため、人間が座った車椅子を含む水平台車の全荷重が曲げモーメントとして水平台車と腕との境界部分に加わり、その境界部分を堅牢にしておかないと、その境界部分で腕が折損し、水平台車が後方(階下方向)に倒れる恐れがある。このため、実用的に十分な安全性を確保するには境界部分を含む全体の強度を相当高くする必要があり、それだけコストが掛かる。また、水平台車を使用しない場合は、水平台車自体の移動が不便であり、例えば荷物を載せて運ぶことができないなど、その用途も限定される。
上記特許文献2記載の発明では、乗かご台車の台車枠の両縁に取り付けられた複数のローラが階段の両側壁に架設されたガイドレールに係合する構造であるため、人間が乗った乗かご台車の全荷重がローラを通じてガイドレールに掛かる。このため、ガイドレールを架設する階段の側壁の強度が十分でないと、ガイドレールが側壁からずれたり外れたりする可能性がある。しかしながら、一般に階段の側壁は、表側が化粧板で、この化粧板の内側の所々に柱が通った構造のものが多く、側壁全体が高強度であることは少なく、しかも階段の一方側には手摺が設けられている場合が多いので、どのような階段にも簡単に設置可能ではない。
また、ガイドレールを階段の両側壁に架設する際には、左右の取付位置に或る程度の精度が要求されるので、これも容易な設置の支障となる。すなわち、側壁に対するガイドレールの取付位置が左右でずれていると、乗かご台車がガイドレールに沿ってスムーズに昇降しなくなり、ずれの程度が大きいと乗かご台車が昇降不能になる場合もある。更には、乗かご台車を使用しない場合に、乗かご台車の移動が不便であることに加えて、乗かご台車をガイドレールにセットする(ローラをガイドレールに係合させる)のが面倒である外、乗かご台車をガイドレールから外した場合、乗かご台車にはそれ自体の用途はほとんど期待できない。
上記特許文献3記載の発明では、比較的低段数の階段等の斜面に設置することを前提としている。また、構造的には、螺桿に螺合した移動体は螺桿の横側に支持されているため、すなわち移動体に設けられた荷台部は当該荷台部の片側の移動体を介して支持されているため、移動体及び荷物や車椅子を乗せた荷台部の荷重が移動体と螺桿との支持部に加わり、支持部の十分な強度が必要である。
また、階段に沿って設置されるガイド体は、このガイド体を階段上に保持する基台に取り付けられるので、比較的低段数の階段であれば問題ないが、住宅の通常の階段に設置する場合は、それに応じた大きさの基台や長さのガイド体が必要であり、傾斜リフトが大掛かりになるばかりか、階段への設置も容易ではなくなる。何より、階段全体に存在する基台が邪魔になって階段を自由に使用することができなくなり、見栄えも悪く、ほとんど実用に適さなくなる。この他、移動体に対する荷台部の着脱が容易ではなく、荷台部だけの単独使用には適さない。
特許文献4記載の発明は、基本的に特許文献3記載の発明と同じであるため、同様の問題点がある。
従って、この発明は、上記種々の問題点に着目してなされたもので主に、
(1)被運搬物を安全に運搬すること、
(2)簡易な構造で低コストであること、
(3)階段への設置が容易であること、
(4)装置を使用しないときに通常の階段使用の邪魔にならないこと、
(5)運搬台車で物を運搬しそのまま階段を昇降できること(換言すると、装置を使用しないときに運搬台車で物を運搬できること)、
を実現する階段昇降運搬装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の階段昇降運搬装置は、階段の左右両端及び中央付近のうちのいずれか2箇所に階段上面に沿って階段の傾斜方向に配置した2本の軌道と、被運搬物(家具、大型荷物、人間、車椅子等)を載せて前記軌道上を当該軌道に沿って昇降することで、前記被運搬物を運搬する運搬台車と、前記運搬台車を前記軌道に沿って昇降させる駆動装置と、を備えてなることを特徴とする。
この階段昇降運搬装置において、運搬台車は、2本の軌道に沿うように回転可能に設けられた車が軌道上を転動することで軌道上を移動するものであることが好ましい。
また、駆動装置は、ウインチと、一端が運搬台車に接続され、他端がウインチに接続された連結具とからなるものであることが好ましい。この場合、ウインチは、階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置に設置するのが望ましい。この位置は、ウインチや連結具が運搬台車の昇降に邪魔にならない位置であり、しかもその位置では、運搬台車における横方向の荷重発生が少なくなり、運搬台車の車が効率良く回転できるからである。加えて、後記実施形態でも説明するように、ウインチが階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置にないと、運搬台車を階上踊場まで引き上げるのが困難になり、運搬台車に対して荷物の積み下ろし、人間や車椅子の乗り降りが難しくなるからである。
ウインチを階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置に設置する代わりに、連結具の方向を変換する中継具を、階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置に回転可能に設置し、ウインチは、その中継具の下方の階上踊場に設置しても構わない。
或いは、駆動装置は、運搬台車の軌道側に設置されたウインチと、一端が階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置に係止され、他端がウインチに接続された連結具とからなるものであってもよい。この場合も、連結具の一端を階上踊場の軌道延長線上で運搬台車の長さよりも高い位置に係止させるのは、前記と同じ理由による。
ウインチは、手動及び電動のいずれでもよく、手動の場合は例えばハンドルにより操作し、電動の場合はリモコンにより操作できるようにしておく。特に、リモコンであれば、ウインチを単独操作でき、例えば運搬台車で車椅子を運ぶときに、車椅子の人が座ったまま操作できるので至便である。手動の場合、ウインチが運搬台車に設置されているなら、この運搬台車で人間を運ぶときは、運搬台車に乗った人間自らがハンドルを操作する。
連結具は、耐久性に富み、高強度であることが望ましく、例えばザイル等のロープ、ワイヤロープ、ベルト、チェーンが挙げられる。中継具は、例えば連結具がロープ、ワイヤロープ、ベルトであるときは滑車を用い、連結具がチェーンであるときはスプロケットを用いる。
一方、駆動装置がウインチ及び連結具、又はウインチ、連結具及び中継具からなるのとは全く別の構成として、駆動装置は、少なくとも1本の軌道に沿って張設された長尺状ネジロッドと、このネジロッドを回転させる回転駆動手段と、ネジロッドに取り付けられるとともに運搬台車に係脱可能であり、当該ネジロッドの回転に応じて当該ネジロッドに沿って移動する可動部とからなり、回転駆動手段によるネジロッドの回転により可動部が移動することで、可動部が係合した運搬台車が昇降するようにしても構わない。
この場合、可動部は、当該可動部の移動を安定させ摩擦抵抗を減らすため軌道上を転動する回転可能な車輪と、この車輪を回転可能に支持する支軸とを有することが好ましい。
また、ネジロッドは、間隔を置いて複数の非ネジ部を有し、この非ネジ部にそれぞれ可動部が設けられ、このネジロッドの回転による運搬台車の昇降に係る可動部が非ネジ部に達すると、当該運搬台車に係合していた可動部がその非ネジ部に待機していた可動部に切り替わり、今度は待機中の可動部が運搬台車に係合し移動することで、運搬台車が昇降を続けるようにしてもよい。この構成では、階段の長さにもよるが、1本のネジロッドで対応できない場合、複数本のネジロッドを連結して使用することになるが、この連結部を非ネジ部とすることで、可動部の中継に都合がよい。
ネジロッドを使用する場合、ネジロッドは、軌道延長線上の階上踊場の床面以上まで延び、運搬台車が階上踊場まで上昇するようにするのが好ましい。これは、駆動装置としてウインチ及び連結具(及び中継具)を用いる場合と同様の理由からである。
駆動装置がウインチ及び連結具(及び中継具)からなる場合、或いはネジロッド、回転駆動手段及び可動部からなる場合のいずれでも、階段に設置された手摺の直下の階段上面には、この手摺側に位置する軌道に沿って当該軌道の階段側壁側に案内板を付設し、運搬台車には、当該運搬台車の昇降に応じて案内板に接触・転動するガイド車を回転可能に設けるのが望ましい。運搬台車は積載時の重心が一定でないため、運搬台車を引き上げる高さにより横方向の荷重が変化して加わるが、この荷重の変化を案内板に接触・転動するガイド車で受け止めることにより、運搬台車の昇降時の姿勢安定性が増し、その移動がスムーズになる。
他方、運搬台車は、車を回転可能に取り付けた枠体と、この枠体に装着した荷台部と、この荷台部に当該荷台部に対する開角度を調節可能に取り付けた荷受部とを備えることが好ましい。
また、運搬台車は、一端が枠体又は荷台部に取り付けられ、他端が荷受部に取り付けられた伸縮自在のアーム、又は一端が枠体又は荷台部に位置を変更可能に取り付けられ、他端が荷受部に取り付けられたアームを備えることが好適である。このアームにより、運搬台車全体の強度が高まるとともに、荷台部に対して荷受部を所定の開角度位置でより強固に固定することができる。
また、荷台部は、少なくとも階段の傾斜方向に沿うほぼ半部分が階段のピッチに等しい間隔で開口する格子状であることが好ましい。これは、運搬台車を階段上に置いたままの状態でも、運搬台車がないときと同様に階段を上がり降りできるようにするためである。
また、荷台部は、組立により椅子を形成し得る互いにヒンジ連結した複数の板からなるようにしてもよい。この場合、普段は荷台部に荷物を載せて運搬し、組み立てた椅子に座したまま人間を運ぶことができる。
更にまた、枠体は、その前側から少なくとも2/3の長さまでの部分が当該枠体の残部分に折曲可能に連結され、荷台部は、階段に沿う方向の半部分が枠体の折曲可能部分に対応して回転可能であることが好ましい。この場合、運搬台車を階上踊場に上昇させるとき、枠体の上記2/3の部分が階上踊場上に位置した時点で、その2/3部分を踊場の床面に倒し、これに応じて荷台部の上記半部分も同方向に倒すことで、運搬台車に対する物の積み下ろしや人間の乗降を安全且つ容易に行うことができる。
この他、荷受部は、その両側部にそれぞれ設けられた長尺状板からなる車椅子載置部を有することが好適である。この場合、車椅子載置部に車椅子を押してそのまま載せるだけでよく、運搬台車を使用した車椅子の運搬が非常に楽になる。
或いはまた、運搬台車は、その幅を変更可能とする幅変更機構を備えることが望ましい。例えば、運搬台車を階段昇降用の椅子として使用する場合、予め椅子の幅に調節できるようにしておけば、椅子専用として運搬台車の幅を簡単に狭くすることができるだけでなく、階段を部分的に使用するだけで済む。
或いは、運搬台車が軌道上を転動する車を有していない場合(運搬台車を昇降専用として使用する場合)、2本の軌道は、当該軌道に沿って設けられたホイールコンベヤを有し、運搬台車は、その底面が接触したホイールコンベヤが回転することで、軌道に沿って昇降するようにしてもよい。この場合、2本の軌道は、ホイールコンベヤの上方にオーバーラップする上カバーを有することが好ましい。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が得られる。
(1)被運搬物を安全に運搬することができる。
(2)簡易な構造で低コストである。
(3)階段への設置が容易且つ確実である。
(4)装置を使用しないときは運搬台車を軌道から外しておけばよいので、運搬台車の撤去が容易であり、通常の階段使用の邪魔にならない。
(5)請求項2記載の発明によれば、運搬台車で物を運搬しそのまま階段を昇降できる。すなわち、室内で物の運搬にも用いることが可能な運搬台車を階段の昇降にもそのまま適用でき、汎用性が高い。
(6)請求項3,6記載の発明によれば、駆動装置の構造が簡単であり、コストも抑えることができる。
(7)請求項4,5,6記載の発明によれば、運搬台車を階上踊場まで引き上げるのが容易であり、運搬台車に対して荷物の積み下ろし、人間や車椅子の乗り降りが安全で簡単となる。
(8)請求項7記載の発明によれば、回転駆動手段によりネジロッドの回転を制御することで、運搬台車の移動・停止をより細かく制御できるだけでなく、異常時には直ちに停止することができる。
(9)請求項8記載の発明によれば、可動部の移動がより安定し、その移動がスムーズになる。
(10)請求項9記載の発明によれば、階段が長くて1本のネジロッドで対応できない場合、複数本のネジロッドを連結したときの連結部を非ネジ部とすることで、可動部の中継に都合がよい。また、非ネジ部を軌道の端部(ネジロッドの端部)に設けることで、可動部のオーバーランを防止できる。
(11)請求項10記載の発明によれば、運搬台車を階上踊場まで押し上げることができ、運搬台車に対して荷物の積み下ろし、人間や車椅子の乗り降りが簡単となる。
(12)請求項11記載の発明によれば、運搬台車の昇降時の姿勢が安定し、その移動がスムーズになる。
(13)請求項12記載の発明によれば、構造が簡単で軽量な運搬台車とすることができる。
(14)請求項13,14記載の発明によれば、運搬台車全体の強度が高まり、荷台部に対する荷受部の姿勢がより安定し、一層安全性が高くなる。
(15)請求項15記載の発明によれば、運搬台車を階段上に置いたままの状態でも、運搬台車がないときと同様に階段を上がり降りできるようになる。
(16)請求項16記載の発明によれば、普段は荷台部に荷物を載せて運搬し、荷台部に椅子を組み立てることにより、椅子に座したまま人間を運ぶことができる。
(17)請求項17記載の発明によれば、運搬台車を階上踊場に上昇させるとき、枠体の2/3の部分が階上踊場上に位置した時点で、その2/3部分を荷台部の半部分とともに踊場の床面に倒すことで、運搬台車に対する物の積み下ろしや人間の乗降を安全且つ容易に行うことができる。
(18)請求項18記載の発明によれば、車椅子載置部に車椅子を押してそのまま載せるだけでよく、運搬台車を使用した車椅子の運搬が非常に楽になる。また、昇降時に長尺状板の先端部を上方向に引き上げること(荷台部側に引き寄せること)により、車椅子の転落防止がより確実になり、より一層安全に車椅子を運搬することができる。
(19)請求項19記載の発明によれば、例えば運搬台車を階段昇降用の椅子として使用する場合、予め椅子の幅に調節できるようにしておけば、椅子専用として運搬台車の幅を簡単に狭くすることができるだけでなく、階段を部分的に使用するだけで済む。
(20)請求項20記載の発明によれば、装置全体をコンパクトにすることができるとともに、特に運搬台車の高さを低く抑えることができ、また構造も簡素になり、運搬台車が昇降し易くなる。
(21)請求項21記載の発明によれば、運搬台車の昇降時における引っ繰り返り、運搬台車の横ズレ、人が階段を通常に上り下りするときに誤って足を乗せたときの転落を防止することができる。
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。
一実施形態に係る階段昇降運搬装置における軌道を階段に設置した状態の概略斜視図を図1に示す。この図1では、階段200の左右両端の2箇所に階段上面に沿って階段の傾斜方向に2本の軌道101,102が配置されている。2本の軌道101,102は左右両端である必要はなく、1本は一点鎖線で示すように中央付近に配置した軌道103でもよい。この場合、左端の軌道101又は右端の軌道102と中央付近の軌道103との2本の軌道を使用することになる。特に手摺210側の軌道102と軌道101又は軌道103とするのが都合よい。
軌道101,102を階段200に取り付ける場合、図2の(a)に示すように、踏板205の先端角部205a上に軌道101をそのまま配置してもよい。図2の(a)では、軌道101の裏側に取付金具230を当て、取付金具230と軌道101を皿ネジ231で、取付金具230と先端角部205aを木ネジ232で固定する。
或いは、図2の(b)のように、先端角部205aを階段200の斜度に応じて切除し、軌道101の一部を切除部に埋め込むように配置してもよい。この場合、軌道101を踏板205の切除部に木ネジ233で固定する。図2の(b)のような取り付け方は、踏板205の欠けを無くし、軌道101の横ズレを防止できるだけでなく、特に後記軌道にネジロッド45を収容する場合に有効である。
また、図1のように、階段200には上がり降りの安全のために片側に手摺210が設けられていることが多いが、手摺210は階段200側に突出しているので、後記運搬台車1の昇降に手摺210が邪魔にならないように、手摺210の突出分だけ手摺側の軌道102は中央寄りに配置するのがよい。この場合の一例を図3に示す。図3では、手摺210の直下の階段200の上面に軌道102が配置され、更に軌道102に沿って軌道102の階段側壁222側に案内板105が付設されている。案内板105は、後記運搬台車1のガイド車11が接触・転動するためのものである。
図3において、案内板105と階段側壁222との間にスペース225が生じるので、このスペース225に、階段200から取り外した軌道101,102や後記ウインチ90のリモコン用ケーブル等を収納しておくことができる。
駆動装置がウインチ及び連結具からなる場合の装置の設置例を図4に示す。図4において、ウインチ90は階上踊場202の軌道102延長線上で運搬台車1(荷台部3)の長さよりも高い位置に設置されている。連結具としてのロープ95は、一端が運搬台車1に接続され、他端がウインチ90に接続されている。ロープ95と運搬台車1との接続は、例えばロープ95の一端にフック96を取り付け、このフック96を運搬台車1の係合部22(図11及び図12参照)に引っ掛けることにより行う。
運搬台車1は、6個の車(例えばキャスター)10を回転可能に取り付けた枠体2(図4では示さず、図9及び図12参照)と、この枠体2に装着した荷台部3と、この荷台部3に開角度調節可能に取り付けた荷受部4と、荷台部3に対する荷受部4の開角度位置を固定する2本のアーム5とを備える。また、運搬台車1の枠体2の両側(軌道101,102側)には、運搬台車1の昇降に応じて前記案内板105に接触・転動する4個(図4では2個のみ示す)のガイド車11が回転可能に設けられている。
運搬台車1のキャスター10は、片側(左右)に3個ずつ(前後に3列)設けられているが、これは次の理由によるものである。運搬台車1を軌道101,102に図4のようにセットし、運搬台車1の後部のキャスター10が階下に着床しているとき、前の2列(前部及び中部)のキャスター10が軌道101,102上に位置していることが重要である。これにより、運搬台車1が上昇し始めると、後部のキャスター10が軌道101,102上に無理なく乗ることができる。仮にキャスター10が前後に2列(前部及び後部)だけしかないと、荷台部3が軌道101,102に当たり、後部のキャスター10を軌道101,102上に案内できなくなる。このため、キャスター10は少なくとも前後に3列(計6個)必要である。なお、運搬台車1のその他の詳細については後述する。
この運搬台車1は、キャスター10が2本の軌道101,102上を転動することにより昇降し、これにより被運搬物を運搬することができる。この昇降時に、ガイド車11が案内板105に接触・転動するので、運搬台車1の横方向の荷重変化がガイド車11で受け止められ、運搬台車1の姿勢が安定し、その移動がスムーズになる。
駆動装置がウインチ、連結具及び中継具からなる場合の装置の設置例を図5に示す。図5において、中継具としての滑車91は、階上踊場202の軌道102延長線上で運搬台車1(荷台部3)の長さよりも高い位置に回転可能に設置され、ウインチ90は、滑車91の下方の階上踊場202に設置されている。ロープ95は、前記と同様に一端のフック96が運搬台車1の係合部22に引っ掛けられ、他端が滑車91を介してウインチ90に接続されている。
駆動装置がウインチ及び連結具からなる場合の装置の他の設置例を図6に示す。図6では、ウインチ90は、運搬台車1の荷台部3の軌道102側に設置されている。ロープ95は、その一端のフック96が階上踊場202の軌道102延長線上で運搬台車1(荷台部3)の長さよりも高い位置に取り付けられた係止金具240に係止され、他端がウインチ90に接続されている。この例によると、特にウインチ90が手動式である場合、運搬台車1の荷台部3(後記椅子)に座った人がウインチ90をハンドルにより操作することができる。なお、図6において、係止金具240の取付位置に滑車91を回転可能に設置し、係止金具240を滑車91の下方位置に取り付けてもよい。
軌道101(及び102)は、運搬台車1のキャスター10が軌道から外れないようにキャスター10を案内する形状であることが好ましい。具体的には、図7及び図8に示すような形状である。図7の(a)の軌道101Aは両側に側板101aを有するもので、図7の(b)の軌道101Bは内側(階段200の中央側)に側板101bを有するものである。図8の(a)の軌道101Cは外側に側板101cを有するものである。図8の(b)では、キャスター10Aが双輪型であり、これに応じて軌道101Dは中央(双輪の間)に位置する凸部101dを有するものである。
図8の(c)の軌道101Eは、2つの軌道101e1,101e2からなるものである。軌道101e1は階段200にネジ245で固定され、軌道101e2は軌道101e1上に両面テープ246で固着される。この軌道101Eによると、敷設後に軌道101e2の表面にネジ245の頭部が現れないので、体裁が綺麗である。また、右図に示すように軌道101e1,101e2を重ね合わすことで、例えば前記図3のスペース225にコンパクトに収納することができる。
なお、運搬台車1のキャスター10は、全部同じタイプのものを使用する必要はなく、所望により異なるタイプのものを用いてもよい。この例を図9に示す。図9の(a)の回転自在双輪型のキャスター10Aは、荷台部3の前部又は後部のいずれか一方のみ、或いは前部及び後部の両方に使用することで、運搬台車1の方向転換が容易になり、小回りが効くようになる。図9の(b)のキャスター10は、荷台部3の前部及び後部以外の部分に使用する。図9の(a)、(b)から明らかなように、軌道101,102はキャスター10A,10よりも余裕を持って広幅である。また、軌道101側のガイド車11は階段側壁221に接触し、軌道102側のガイド車11は案内板105に接触している。
図4〜図6に概略的に示すように、運搬台車1は、基本構成としてキャスター10を有する枠体2、枠体2に装着した荷台部3、荷台部3に開角度調節可能に取り付けた荷受部4を備え、更に荷台部3に対する荷受部4の開角度位置を固定するアーム5が両側に取り付けられている。この運搬台車1は、耐久性や高強度が確保できるのであれば、材質には木材、合成樹脂、金属類は問わない。また、荷台部3及び荷受部4は単純な構造として共に平板であってもよいが、利便性から色々な機構を取り入れた構造とすることもできる。
その様々な機構を採用した運搬台車について、複数例を参照して説明する。まず図10において、運搬台車1Aは、荷受部4が5枚の板4a,4b,4c,4d,4eからなる。板4a,4b,4cは階段の傾斜方向に沿うほぼ半部分が椅子に組み立てられており、板4cが座部に相当し、着座時は荷台部3が背もたれ部になる。残部分を構成する板4d,4eはヒンジ20で連結されており、板4eは図示のように板4d上に折り畳むことができる。このようにすることで、後記のように椅子への着座や椅子からの立上りが容易となり、特に階上踊場での椅子(すなわち運搬台車1A)に対する乗り降りが簡単になる。
図11(正面斜視図)及び図12(底面斜視図)に示す運搬台車1Bでは、荷台部3において、階段の傾斜方向に沿うほぼ半部分が階段のピッチに等しい間隔で開口する格子状になっている。ここでは、枠体2に4枚の板31〜34が取り付けられることで、格子が形成される。また、枠体2には8個のキャスター10が回転可能に取り付けられているとともに、荷台部3には上記ロープ95のフック96を引っ掛けるための係合部22が固定されている。この係合部22には、ウインチ90を取り付けることができる。ウインチ90を荷台部3に取り付ける場合、係合部22のボスにウインチ90を引っ掛け、ネジにより固定する。
一方、荷受部4は、その両側部にそれぞれ設けられた長尺状板4a,4bからなる車椅子載置部を有する。この車椅子載置部を有する荷受部4は枠体2にヒンジ24で連結され、荷台部3に対して開角度を調整できるようになっている。この開角度調整の詳細については後述する。
この運搬台車1Bによると、例えば階段下部に置いたままであっても、荷台部3の格子状の部分を利用することで、運搬台車1Bが邪魔にならずに階段の昇降を無理なく行うことができる。また、階下で車椅子を荷受部4の車椅子載置部に載せるときは、荷受部4を床に接触するまで倒し、車椅子を長尺状板4a,4bに載せる。この後、荷台部3と荷受部4との角度が90度程度になるまで荷受部4の開角度を調整した上で、運搬台車1Bの上昇を開始する。この場合、車椅子載置部(長尺状板4a,4b)に車椅子を押してそのまま載せるだけでよく、運搬台車1Bを使用した車椅子の運搬が非常に楽になる。
図13(概略平面図)及び図14(各部の開角度調整を示す概略側面図)に示す運搬台車1Cは、荷台部3が4枚の板3f,3g,3h,3iからなり、荷受部4が一対の長尺状板4a,4bからなる車椅子載置部を有するものである。荷台部3において、板3fの一端部(先端部)はヒンジ29で荷台部3の前側に連結され、他端部は板3gの一端部にヒンジ29で連結され、板3gの他端部は自由端である。これにより、図14の(a)のように板3f,3gを引き起こし、板3gの自由端を図13の点線位置で枠体2に嵌め込むこと(機構は示さず)で、板3fを座部とする椅子を形成することができる。
板3hの一端部(先端部)は自由端で、他端部は板3iの一端部にヒンジ連結され、図14の(a)の二点鎖線で示す位置(後記短アーム5bを倒した位置)まで回転させることができる。このため、階下においては荷受部4を床板に着け、板3hを荷受部4側に倒すことで、椅子の座部(板3f)に着座し易くなり、階上踊場では、後記図14の(b)のように板3hを枠体2の2/3部分2aとともに床板に倒すことで、椅子から降り易くなる。また、階下において荷受部4を床板に着け、板3hを荷受部4側に倒すことで、板3hがあったところに階段が現れるので、運搬台車1Cが邪魔にならずに階段を上がり降りすることができる。
図14の(b)に概略的に示すように、枠体2は、その前側から少なくとも2/3の長さまでの部分2aが当該枠体2の残部分2bに折曲可能に連結されている。荷台部3の板3hは、荷台部3の階段に沿う方向の半部分に相当し(図13参照)、上記の通り枠体部分2aに対応して回転可能である。この運搬台車1Cを階上踊場まで上昇させるとき、枠体部分2aまでが階上踊場の床面まで達した時点で、枠体部分2aを床面に倒し、荷台部3の板3hも同様に倒すことで、椅子に座った人が板3hを踏台として使用することができるので、椅子の横に降り易くなる。
ところで、荷台部3と荷受部4はヒンジ24で連結されているので、荷台部3に対する荷受部4の開角度を調整できるが、この開角度調整に際しては荷台部3と荷受部4とに架設された長アーム5aと短アーム5bの長さ調整も必要であり、この長さ調整機構も種々の態様がある。図14では、例えば長アーム5a及び短アーム5bは外側アームと内側アームの2重構造で、外側アーム内に螺合された内側アームを回して、外側アームからの内側アームの突出長さを調整できるようになっている。これにより、荷台部3に対する荷受部4の開角度調整に伴い、長アーム5a及び短アーム5bの長さをそれに対応する長さに調節できる。
なお、長アーム5a及び短アーム5bは、いずれも運搬台車1Cの両側部に設けられてもよいし、側部の一方に長アーム5aを、他方に短アーム5bを設けてもよい。
その他のアームの長さ調整機構としては、図15〜図17(概略側面図)に示すものがある。図15では、荷台部3(又は枠体2でもよい)の側部の2箇所に設けた係合部26a,26bにより、アーム5の先端に取り付けたフック25を引っ掛ける位置を選択できるようになっている。この場合、当該運搬台車1Dを昇降させるために荷台部3に対する荷受部4の開角度を90度程度にするときは(図15の実線の状態)、フック25を先端の係合部26aに引っ掛け、荷受部4に荷物や車椅子を載せるために荷受部4を後方に倒すときは(図15の二点鎖線の状態)、フック25を内寄りの係合部26bに引っ掛ける。
図16では、荷台部3(又は枠体2)に対するアーム5の位置は固定され、荷台部3と荷受部4との開角度は90度に固定されている。荷受部4は2枚の板4c,4dからなり、板4cは荷台部3に対して垂直位置で固定され、板4dは板4cに支軸28により回転可能に連結されている。この場合、荷台部3に荷物を積むときは、板4dを回転させて階下201(又は階上踊場202)に着けることで、荷物の積み下ろしが容易になり、また例えばこの運搬台車1Eの収納時には、板4dを板4cの内側に接触するまで回転させることで、運搬台車1E(荷受部4)の高さが半分になり、省スペースとなる。
図17では、アーム5は大径の外側アーム5cと小径の内側アーム5dからなる伸縮自在のもので、外側アーム5cの荷台部3側の端部が荷台部3(又は枠体2)の係合部26に取り付けられ、内側アーム5dの荷受部4側の端部が荷受部4に取り付けられている。内側アーム5dは外側アーム5cの内部に螺合されており、内側アーム5dを回転することで、外側アーム5cからの突出長さを調整できる。
椅子に座ることができるように構成した運搬台車1A,1Cの場合で、ウインチ90を用いて運搬台車を引き上げるときは、椅子への安全な乗降を確保するためには階上踊場での運搬台車の姿勢が重要となるが、これについて図18(模式図)を参照して説明する。
図18において、人間が椅子の座部32に座った運搬台車1Gが階上踊場202の上方に設置されたウインチ90でロープ95を介して引き上げられていると想定する。運搬台車1Gのキャスター10(後輪)が軌道101,102の最上部に達した状態から、運搬台車1Gが更に引き上げられると、キャスター10が階上踊場202上まで乗り上げ、そのまま運搬台車1Gが引っ張られるのに従って、運搬台車1Gは、その荷台部3が階上踊場202に対して倒立し、荷受部4が階上踊場202に接触した状態になる。この状態は、運搬台車1Gが通常の椅子と変わりない様態であり、椅子への乗降を楽に安全に行うことができる。
このため、座部32は軌道101,102上を移動しているときは、二点鎖線で示すような平行四辺形であり、運搬台車1Gが階上踊場202で倒立状態になったときに四角形になれば、階上踊場202上では、座部32に座った人の姿勢が階上踊場202に対して自然に水平になり、椅子への乗降が容易になる。
また、運搬台車1Gが階上踊場202で倒立状態となる点を考慮して、運搬台車1の駆動装置としてウインチ90(図4参照)、ウインチ90と滑車91(図5参照)、又はウインチ90と係止金具240(図6参照)を利用する場合、ウインチ90、滑車91又は係止金具240は、運搬台車1(すなわち荷台部3)が階上踊場202で倒立状態と成り得るような高さ位置hに設置することが肝要である。
上記実施形態では、駆動装置がウインチ90及び連結具(ロープ95)からなる場合、又はウインチ90、連結具(ロープ95)及び中継具(滑車91)からなる場合を説明したが、次に駆動装置の別形態について説明する。
図19は、その形態の概略側面図を示す。ここでは詳細な構造は省略するが、駆動装置は、少なくとも軌道101内に軌道101に沿って張設された長尺状ネジロッド45(図21参照)と、このネジロッド45を回転させる回転駆動手段としてのギア付きモータ42と、ネジロッド45に取り付けられるとともに運搬台車1に係脱可能であり、当該ネジロッド45の回転に応じて当該ネジロッド45に沿って移動する可動部40とからなる。
モータ42は階下の階段1段目の下に沿うように設置されている。なお、軌道102にも同じ駆動手段を設ける場合は、モータ42で両軌道101,102のネジロッドを駆動してもよいし、各ネジロッドごとにモータを設け、モータの作動を同期させてネジロッドを回転駆動してもよい。軌道101,102は、階上踊場202の床面よりも上方まで延びており、この延長部分は支柱250により支えられている。
図19において、階下から階上に荷物を運搬する場合、前記荷受部4の開角度調整機構により荷受部4を階下201(床板)に倒した状態で荷台部3に荷物を載せる。このとき、まだ可動部40は運搬台車1には係合していない。また、前部2列のキャスター10は軌道101,102上に位置し、後部のキャスター10は階下201に着床している。
図20のように荷受部4を荷台部3に対して垂直になる状態にした後、運搬台車1と可動部40を係合させてからモータ42をONにすると、ネジロッド45が回転するのに伴って、運搬台車1は可動部40の上昇とともに軌道101,102に沿って階段200上を上昇する。運搬台車1の上昇開始時から軌道101,102の上部付近までは、可動部40は運搬台車1の前部に係合しているが、運搬台車1が軌道101,102の延長部分に達する時には、可動部40は運搬台車1の後部に係合している。
可動部40及び可動部40と運搬台車1との係合機構の一例について、図21(一部破断概略側面図)及び図22(概略横断面図)を参照して説明する。ここでの軌道101は、後記可動部40の車輪47が転動する基板110aと、基板110aの内側に取り付けられた支持板110bと、支持板110b上に取り付けられ、運搬台車1のキャスター10が転動する案内板110cとからなる。可動部40は、ここでは6角形状を呈しており、内側の雌ネジによりネジロッド45に螺合しているとともに、両側に支軸46により回転可能に支持された車輪47を有する。車輪47が軌道101の基板110a上を転動することで、可動部40だけの場合に比べて可動部40の移動がより安定する。
可動部40には、図示のような形状の引掛け金具50が取り付けられている。引掛け金具50は、可動部40に固定された基部51を有し、この基部51から軌道101の案内板110c上に突出している。また、引掛け金具50は、その先端部に運搬台車1の底部に突設された係合金具60が嵌合する切欠き部52を有する。
ネジロッド45の回転により可動部40が移動するのに伴って、引掛け金具50が運搬台車1の係合金具60に当たって係合金具60を押すと、係合金具60が引掛け金具50の切欠き部52に嵌合することで、可動部40が引掛け金具50及び係合金具60を介して運搬台車1に係合する。
このようなネジロッド45と可動部40による駆動機構は、軌道101(又は軌道102)だけに設けても、或いは軌道101,102の両方に設けてもよく、その形態については後述する。また、引掛け金具50と係合金具60による係合機構の詳細についても後述する。更に、軌道敷設の手間は掛かるが、軌道101のうち、基板110a及び支持板110bまでは階段200に埋め込んでもよい。
軌道101の端部におけるネジロッド45の回転支持機構は、例えば図23のような構造である。図23の例(軌道101の案内板110cより上の部分及び引掛け金具50は省略)では、軌道101の基板110a及び支持板110bの端部に端板110dが取り付けられ、軌道101(基板110a及び支持板110b)内において端板110dに近接して、ネジロッド45の非ネジ部45aを回転可能に支持する軸受48が設けられ、更に軸受48に接するようにバネ性のウェーブワッシャ49が配置されている。ウェーブワッシャ49はネジロッド45の非ネジ部45aを惰性で移動してきた可動部40を緩衝する作用と、可動部40をネジロッド45のネジ部に押圧する作用とを担う。なお、ウェーブワッシャ49の代わりにスプリングコイルでもよい。
すなわち、ウェーブワッシャ49は、可動部40が軌道101の端部に移動してきたときは可動部40を緩衝的に受け止め、可動部40が当該端部から他方の端部に向かって移動するときは、可動部40がネジロッド45の回転により移動するように可動部40を非ネジ部45aからネジ部に螺合させる。
ネジロッド45と可動部40による駆動機構の別例を図24、図25(概略断面図)に示す。図24の例は、運搬台車1がキャスターを備えていない場合で、運搬台車1単独で荷物等を運搬するのには適用しておらず、予め運搬台車1と可動部40との係合状態が保持されたものである。
この例では、軌道102側にだけネジロッド45及び可動部40が配置されている。軌道102側では、四角形状の可動部40には保持板55が取り付けられ、保持板55の上部に頭部球形の結合ピン56が突設されている。軌道101側では、支持部58に保持板55が取り付けられ、同様に保持板55の上部に結合ピン56が突設されている。この結合ピン56に対応して、運搬台車1の枠体2には溝(符号は付せず)が形成されており、結合ピン56が溝に嵌合し、更に嵌合状態が止めリング57でロックされることで、可動部40と運搬台車1との係合状態が維持される。
図25の例は、運搬台車1がキャスター10を備える場合で、運搬台車1単独で荷物等を運搬することができる。この例でも、軌道102側にだけネジロッド45及び可動部40が配置されている。軌道102は、図示のような形状の基板111a、支持板111b、案内板111cからなる。案内板111cは車輪47の上方位置からネジロッド45及び可動部40の内側まで延在し、ネジロッド45及び可動部40の上側位置で車輪47の転動を案内し、その内側位置でキャスター10の転動を案内する。可動部40には同形状の2枚の保持板54aが取り付けられ、この2枚の保持板54aでL字状の引掛け金具53が挟持されている。
軌道101は、図示のような形状の基板110a、案内板110cからなり、案内板110c上をキャスター10及び車輪47が転動する。支持部58に保持板54bが取り付けられる一方、他方の支軸46に保持板54cが取り付けられ、この2枚の保持板54b,54cでL字状の引掛け金具53が挟持されている。両軌道101,102から突出する引掛け金具53は、後述するように運搬台車1の係合金具61に係脱可能である。
次に、可動部40側の引掛け金具と運搬台車1側の係合金具とによる係合機構について説明する。ここでは、ネジロッド45が非ネジ部45aを有し、この非ネジ部45aで運搬台車1を移動させる可動部40を切り替える場合である。
その係合機構の一例に係る要部横断面図を図26に、図26の線A−Aにおける断面図を図27に示す。ここでの軌道102は外板112aと内板112bからなり、内板112bの底面に6角形状の可動部40の移動を案内するM字形の案内板113が配置されている。可動部40の一方側(図26の左側)には、図27のような引掛け金具70が取り付けられ、他方側(図26の右側)には、同様形状の引掛け金具71が反対向きに取り付けられている。引掛け金具70,71の位置がずれているのは、可動部40を切り替えるときに、引掛け金具70,71同士が当たらないようにするためである。
引掛け金具70,71は、それぞれ基部70a,71aが可動部40に例えばネジにより固定され、先端部に係合金具62が嵌合する切欠き部70b,71b〔図28の(a)、図30の(b)〕を有する。
図26において、運搬台車1の枠体2には、係合金具62がバネ受けピン63により下方に突設されており、係合金具62は上下方向に変移可能である。バネ受けピン63にはコイルバネ64が嵌装されており、係合金具62はコイルバネ64により枠体2側に付勢されている。
図27に示すように、ネジロッド45の非ネジ部45aの長さdは可動部40Bの長さよりも若干長く設定されており、この非ネジ部45aで可動部40Bが待機する。待機中は、可動部40Bの雌ネジがネジロッド45に螺合していないので、ネジロッド45が回転しても、可動部40Bは非ネジ部45aの位置に停止したままである。係合金具62が引掛け金具71の切欠き部71bに嵌合した可動部40Aが矢印方向に移動する場合、可動部40Aがネジロッド45の非ネジ部45aに近づくと、係合金具62は引掛け金具71との係合から可動部40Bの引掛け金具70との係合に切り替わり、以降は可動部40Bにより運搬台車1が移動する。
その係合の切り替わり作用について図28〜図30を参照して説明する。但し、図28〜図30では、可動部40Bから可動部40Aに切り替わる様子を示している。つまり、運搬台車1が可動部40Bにより移動し、可動部40Aが非ネジ部45aで待機している場合である。
図28において、係合金具62が引掛け金具70の切欠き部70bに嵌合した可動部40Bが矢印方向に移動し、引掛け金具70が引掛け金具71に接近すると、引掛け金具71の先端が係合金具62に当たる〔図28の(a)〕。更に引掛け金具70が引掛け金具71側に移動すると、係合金具62は引掛け金具71の先端により押され、コイルバネ64の付勢力に抗して下がる〔図28の(b)〕。
引掛け金具70が引掛け金具71に更に近づくと、両金具70,71の切欠き部70b,71bが重なり合い〔図29の(a)〕、重なり合った瞬間に係合金具62は切欠き部70b,71bに嵌まり込もうとする〔図29の(b)〕。
ところで、係合金具62が引掛け金具71に当たった時点〔図28の(a)〕から、可動部40Aは引掛け金具71を介して矢印方向に押されるので、可動部40Aは非ネジ部45aからネジ部に螺合し、可動部40Bが移動してきた方向に移動し始める。このため、係合金具62は引掛け金具71のフック状の先端で矢印方向に引っ張られる〔図30の(a)〕とともに、引掛け金具70のフック状の先端から外れようとする。
引掛け金具71が矢印方向に更に移動すると、係合金具62は引掛け金具70から完全に離れ、引掛け金具71の切欠き部71bに嵌合する〔図30の(b)〕。このとき、非ネジ部45aには可動部40Bが位置するので、可動部40Bは推進力を失って非ネジ部45aで停止(待機)することになる。これにより、可動部40Bから可動部40Aへの切り替えが完了し、運搬台車1は今度は可動部40Aにより移動することになる。
上記可動部40A,40Bの切り替えは、ネジロッド45の非ネジ部45aで行われるが、階段の長さによっては1本のネジロッド45では足りない場合がある。この場合は、複数本のネジロッドを連結して対応することとなる。この連結構造の一例を図31(軌道102を省いた状態の縦側面図)及び図32(縦断側面図)に示す。
この連結構造では、一方のネジロッド45Aの非ネジ部45aの先端部45bが6角形状に形成されており、この先端部45bが連結ボルト80の頭部80aの6角穴に嵌合される。他方のネジロッド45Bの非ネジ部45aの先端部45bも6角形状に形成され、この先端部45bが回転継ぎ81の6角穴に嵌合される。連結ボルト80の先端部80bは4角形に形成され、この先端部80bが回転継ぎ81の4角穴に嵌合される。連結ボルト80は角形連結金具82のボルト挿通孔に挿通され、この連結金具82の端部と連結ボルト80の頭部80aとの間に軸受83が設けられている。なお、図32の符号84はワッシャを示している。
また、連結金具82にはネジ孔82aが設けられ、このネジ孔82aに軌道102の外側からネジ86(図33参照)が螺合されることで、連結金具82と軸受83が軌道102に固定される。これにより、ネジロッド45A,45Bの連結部が連結金具82及び軸受83により回転可能に支持され、ネジロッド45A,45Bは連結ボルト80及び回転継ぎ81を介して一体に回転する。勿論、前記したように、ネジロッド45A,45Bの非ネジ部45aでは、可動部40は停止することになる。
上記のようなネジロッドの連結構造において、可動部40側の引掛け金具と運搬台車1側の係合金具とによる係合機構の別例について、図33(ネジロッドの連結部における縦断側面図)、図34(同連結部における横断面図)、図35(同連結部における縦断平面図)を参照して説明する。
ここでの軌道102は、図25に示す軌道102の変形であり、可動部40Bの下側に
一方の保持板54aが取り付けられるとともに、他方の保持板131を兼ねる引掛け金具130が取り付けられている。この保持板54aと保持板131により、4つの支軸46及び車輪47が支持される。
引掛け金具130に対応して、運搬台車1の枠体2には支軸145が取り付けられ、この支軸145に2つの係合金具140,141が揺動可能に懸架されている。但し、ここでは2つの係合金具140,141が設けられているが、係合金具は1つでもよく、例えば係合金具141は無くてもよく、これについては後述する。
ネジロッド45A,45Bの連結構造は図31、図32に示したものの変形である。すなわち、ここでは連結ボルト80が使用されておらず、回転継ぎ81によりネジロッド45A,45Bが連結されている。また、連結金具82を有する金具本体85がネジ86により軌道102に固定されている。
図34の線B−Bにおける断面図を示す図36の(a)において、係合金具140(及び141)は、図示のような形状を呈し、支軸145に揺動可能に懸架されている。この係合金具140は、引掛け金具130が押し上げるときに当接する傾斜面140aと、引掛け金具130が係合状態を維持して押すときに当接する傾斜面140bとを有する。傾斜面140aは引掛け金具130が当接状態でスライドし易いように鏡面仕上であることが好ましい。枠体2の係合金具140に対応する位置には開口2dが形成されており、通常は係合金具140は自重により開口2dから下方向に突出している(実線の状態)。後記のように、係合金具140は、引掛け金具130が当たって押し上げられると枠体2内に引っ込む(二点鎖線の状態)。
引掛け金具130は、枠体2側への突出部分の平面図を示す図36の(b)から明らかなように四角形を呈し(図35も参照)、枠体2の下方において係合金具140に対し垂直方向に突出している。なお、一点鎖線で示す部分を有する引掛け金具130´としてもよく、この引掛け金具130´では、一点鎖線部分が係合金具140に係る部分に、斜線部分が係合金具141に係る部分となり、係合金具141を設けるときはそのような形状の引掛け金具130´とするのが好ましいが、これについては後述する。
その引掛け金具130と係合金具140とによる係合の切り替わり作用について図37〜図39を参照して説明する。但し、図37〜図39では、図の左側から右側に向かって可動部が移動する場合(運搬台車1が矢印方向に前進する場合)で、可動部40Aから可動部40Bに切り替わる様子を示している。つまり、図33では、運搬台車1が可動部40Aにより移動し、可動部40Bが非ネジ部45aで待機している場合である。
図37の(a)において、可動部40Aの引掛け金具130Aが枠体2の開口2dから突出した係合金具140の傾斜面140bに係合した状態で、可動部40Aが右方向に移動していくと、待機中の可動部40Bの引掛け金具130Bが係合金具140の傾斜面140aに当たる〔図37の(b)〕。すると、可動部40Aはネジロッド45Aの非ネジ部45aに達するので、非ネジ部45aで停止する。しかしながら、運搬台車1は慣性によりそれまでの移動を続けるので、係合金具140は引掛け金具130Bにより押し上げられ、開口2dから枠体2内に入り込み始める〔図38の(a)〕。
運搬台車1が更に右方向に進行すると、係合金具140は枠体2内に入り込む〔図38の(b)〕。この状態のとき、運搬台車1が右方向に移動することで、引掛け金具130Bが係合金具140の下を通過する。更に運搬台車1が右方向に移動すると、引掛け金具130Bが係合金具140の左側に位置するとともに、係合金具140が自重により開口2dから下方向に突出する〔図39の(a)〕。
この時点で、可動部40Bは係合金具140により引掛け金具130Bを介して右方向に押され、ネジロッド45Bの非ネジ部45aからネジ部に螺合するので、可動部40Bは右方向に移動し始める。すると、引掛け金具130Bが係合金具140の傾斜面140bに当接・係合し〔図39の(b)〕、係合金具140は引掛け金具130Bにより右方向に押され、運搬台車1は次に可動部40Bにより移動することになる。
上記係合の切り替わり作用は、運搬台車1の枠体2に1つの係合金具140だけ設けられた場合であるが、2つの係合金具140,141を設けた場合は、前記のように一点鎖線部分を有する引掛け金具130´を用いる〔図36の(b)〕。この引掛け金具130´では、一点鎖線部分が根元部(可動部40側)になり、斜線部分が先端部になる。この場合、引掛け金具130´を単純な平面視四角形にすると、図37〜図39の切り替わり作用が係合金具140,141で同時に起こるだけである。しかしながら、引掛け金具130´や係合金具140,141の精度等により、両係合金具140,141で作用にずれが生じることがある。このようなずれを解消し、確実に切り替わり作用を行うために、図36の(b)のような形状の引掛け金具130´とするのが望ましい。
引掛け金具130´の場合、先に先端部(斜線部分)が係合金具141に当たり、これに遅れて根元部(一点鎖線部分)が係合金具140に当たり、更に先に先端部と係合金具141とが仮係合状態となる。切り替わり完了後は、根元部が係合金具140の傾斜面140bに当接・係合した本係合状態となり、先端部は係合金具141とは非係合状態となる。つまり、引掛け金具130´を使用することで、切り替わり作用にタイムラグが生じ、それにより可動部40の切り替わりを確実に行うことができる。
次に、2本のネジロッドを連結した場合における運搬台車1の階下から階上への移動について、図40及び図41のタイミングチャートを参照して説明する。図40及び図41において、運搬台車1は階下にあり、運搬台車1と可動部40Aが上記のような係合金具及び引掛け金具との係合により連係状態にある。ここでは運搬台車1の後部(荷受部4側)にも上記のような係合金具が設けられている。更に、可動部40Aのほぼ半分の長さの案内部41が可動部40Aに隣接して設けられている。この案内部41は最初に運搬台車1の後部を安定して案内するものであり、内側に雌ネジを有する。
また、位置S、T1、T2は非ネジ部で、位置Sの非ネジ部は位置T1,T2の非ネジ部のほぼ半分の長さである。ここでは1本のネジロッドを使用した場合であるが、2本以上のネジロッドを連結する場合は、上記の通り連結部を非ネジ部とすればよい。時系列Aにおける可動部40A及び案内部41は非ネジ部に位置する。1本のネジロッドを有する軌道は、階上で運搬台車1に対する荷物の積み下ろしや人間の乗降を安全に無理なく行うことができるように、ほぼ階段2段分だけ階上まで設置されている。
まず、時系列Aでは、運搬台車1が階下にあり、その後部が着床し、可動部40Aが運搬台車1に係合した状態にある。時系列Bで、ネジロッドが回転すると、可動部40Aが移動し始め、これに伴って運搬台車1が階上に向かって上昇を始める。時系列Cになると、案内部41が運搬台車1の後部に係合し、後部が案内部41により案内される(時系列D)。時系列Dでは、可動部40Aが位置Sに達するが、可動部40Aは位置Sの非ネジ部の長さより長いので、位置Sをそのまま通過する。
時系列Eでは、案内部41が位置Sに達し、運搬台車1との係合が外れ、案内部41は位置Sに停止する。時系列Fにおいては、可動部40Aが位置T1に到達し、前記のように可動部40Aから位置T1で待機中の可動部40Bへの切り替わりが行われ(時系列G)、今度は可動部40Bが運搬台車1に係合し、運搬台車1は可動部40Bにより移動し、可動部40Aは位置T1に停止する(時系列H)。
時系列Iでは、可動部40Bが位置T2に到達するとともに、運搬台車1の後部が位置T1に達する。次の時系列Jでは、可動部40Bから位置T2で待機中の可動部40Cへ切り替わり、可動部40Cが運搬台車1に係合するとともに、位置T1で停止していた可動部40Aが運搬台車1の後部に係合する。これにより、運搬台車1は、その前部の可動部40Cと後部の可動部40Aにより移動し、可動部40Bは位置T2に停止する。
時系列Kになると、可動部40Aが位置T2に達し、可動部40Aから位置T2で待機中の可動部40Bへ切り替わり、可動部40Bが運搬台車1の後部に係合する。これにより、運搬台車1は、その前部の可動部40Cと後部の可動部40Bにより移動し、可動部40Aは位置T2に停止する(時系列L)。
時系列Mにおいては、可動部40Cが軌道の上端部に到達して停止し、可動部40Bの移動も停止する。この時点では、運搬台車1は荷物の積み下ろしや人間の乗降を安全に行い得るよう階上まで上がっている。
一方、運搬台車1の階上から階下への移動は、上記時系列A〜Mを反対(M→Aの順)にしたのと同様になる。
上記実施形態では、運搬台車1をウインチ90等で移動させる場合、及びネジロッド45と可動部40等で移動させる場合について説明したが、そのような駆動機構とは別に図42〔概略側面図(a)、要部概略拡大図(b)〕に示すような駆動機構を用いてもよい。図42の例は、運搬台車1がキャスター10(車)を有していない場合、すなわち運搬台車1を昇降専用として使用する場合である。
この例では、運搬台車1の荷受部4の背面下部に、モータ150と、モータ150により回転駆動される歯車151とを取り付け、少なくとも一方の軌道101(又は102、両方でもよい)上に歯車151に歯合するラック152を配置し、歯車151の回転をラック152により運搬台車1の移動に変換する。この場合、歯車151とラック152が確実に歯合するように、すなわち運搬台車1の後部が浮き上がらないように、歯車151とラック152を挟持する浮き上がり防止用の車輪155が軌道101に沿って転動するようにするのが好ましい。図42の駆動機構によると、長い軌道でも容易に対応できる利点がある。
図42の駆動機構において、歯車151の代わりにウォームを用いてもよい。ウォームの場合は、ウォームの回転が止まれば、その時点で運搬台車1が停止した状態を維持するので、運搬台車1の自然下降がなく、より安全となる。
更に別の実施形態を図43(部分省略概略側面図)及び図44(部分省略拡大断面図)に示す。図43及び図44の例も、運搬台車1を昇降専用として使用する場合である。この例は軌道101,102がホイールコンベヤ262を有するものである。軌道101,102の内部にはそれぞれホイールコンベヤ262が配置され、ホイールコンベヤ262は軌道101,102とともに木ネジ263により階段200(踏板)に固定されている。ホイールコンベヤ262は一定間隔でホイール軸261を有し、各ホイール軸261には、ホイール260が軌道101,102から上方に部分的に突出するように回転可能に嵌装されている。なお、階上側の最上位のホイール260aは軌道101(102)から幾分食み出しているが、これは運搬台車1を階上踊場に確実に移動させるためである。
軌道101,102上において、ホイール260にオーバーラップするようにL字形の上カバー265が、軌道101側では階段側壁221に、軌道102側では案内板105に、それぞれネジ266で取り付けられている。この上カバー265は、運搬台車1の枠体2の両側部がホイール260と当該上カバー265との間に位置することで、運搬台車1が昇降時に引っ繰り返るのを防止すること、運搬台車1の横ズレを防止すること、人が階段200を通常に上り下りするときに誤って足を乗せて転落するのを防止すること(安全カバーとして利用すること)のためのものである。なお、図43に示すように、上カバー265の内面と運搬台車1の枠体2の4隅2fを滑り易い面取り加工することで、ガイド車が不要になる。
この実施形態によれば、運搬台車1(枠体2)は、その平坦な底面が接触するホイール260が回転することで軌道101,102に沿って昇降する。この実施形態の利点としては、装置全体をコンパクトにすることができるとともに、特に運搬台車1の高さを低く抑えることができ、また構造も簡素になり、運搬台車1が昇降し易くなる。
図43及び図44に示す実施形態では、軌道101,102にホイールコンベヤ262が設けられているが、運搬台車1にホイールコンベヤを設けた例を図45(部分省略拡大断面図)及び図46(運搬台車の概略底面図)に示す。運搬台車1の枠体2には一定間隔で複数本のホイール軸271が取り付けられ、各ホイール軸271には、ホイール270が枠体2から下方に部分的に突出するように回転可能に嵌装されている。軌道101,102上には、ホイール270が接触・転動する平坦な路板275が取り付けられている。
この実施形態によれば、運搬台車1のホイール270が路板275上を転動することで、運搬台車1が昇降する。
次に、運搬台車がその幅を変更可能とする幅変更機構を備える形態例について説明する。その一形態に係る運搬台車の概略側面図を図47に、幅を小さくする前の状態の背面図を図48の(a)、幅を小さくした状態の背面図を図48の(b)に示す。
この運搬台車1Hは、上記運搬台車1Cに類似するもので、予め荷台部3上に座部となる板3pが斜めに立てられた状態で固定され、荷受部4が一対の長尺状板4a,4bからなる車椅子載置部を有するものである。座部としての板3pは長尺状板4b側に配置されている。アーム5は荷台部3(又は枠体2でもよい)の側部の2箇所に設けた係合部26a,26bにより、当該アーム5の先端に取り付けたフックを引っ掛ける位置を選択できる。枠体2の長尺状板4a側には複数本の縦棒281が立てられ、縦棒281の上端部に横棒282が取り付けられている。
この運搬台車1Hは、折り畳み式の幅変更機構を備えることが特徴である。この幅変更機構では、枠体2にはほぼ1/2幅の位置でヒンジ280が前後方向に取り付けられている。枠体2は、ヒンジ280を挟んで長尺状板4a側の部分2gと長尺状板4b側の部分2hとに分かれ、部分2gを折り畳むことができるようになっている。
枠体2の部分2gを折り畳む前の広幅状態〔図48の(a)〕では、枠体2の下側に補強バー285がネジ286で固定されている。この広幅状態から、枠体部分2gをヒンジ280を支点にして引き上げるとともに、この引き上げた枠体部分2gに縦棒281を沿わせるようにして折り畳んだ狭幅状態〔図48の(b)〕では、枠体部分2gの幅だけ運搬台車1Hの幅が小さくなり、一対の長尺状板4a,4bは接近する。また、狭幅状態では、補強バー285は外しておき、ネジ286は折り畳んだ枠体部分2gを縦棒281とともに固定しておくのに利用する。
別の幅変更機構を備える運搬台車の形態例について説明する。その運搬台車の概略側面図を図49に、幅を小さくする前の状態の平面図(上面図)を図50に、幅を小さくした状態の平面図(上面図)を図51に、幅を小さくする前の状態の部分省略拡大断面図を図52に、幅を小さくした状態の部分省略拡大断面図を図53に示す。
この運搬台車1Iは、スライド式の幅変更機構を備えるものである。運搬台車1Iは、上記運搬台車1Cに類似し、荷台部3が5枚の板3j,3k,3l,3m,3nからなり、荷受部4が一対の長尺状板4a,4bからなる車椅子載置部を有するものである。荷台部3において、板3kの一端部(先端部)はヒンジ29で板3jに連結され、他端部は板3lの一端部にヒンジ29で連結され、板3lの他端部は自由端である。板3k,3lを引き上げ、板3lの自由端を図50の点線位置で枠体2に嵌め込んで固定することで、板3kを座部とする椅子が形成される。
この運搬台車1Iは、板3n側を板3j,3k,3l,3m側に移動させることができる。図52及び図53に示すように、枠体2の下側において、板3j,3k,3l,3mに相対する箇所には、内部空洞の外プレート290が取り付けられ、板3nに相対する箇所には、外プレート290に対してスライド出入可能な内プレート291が取り付けられている。
この運搬台車1Iにおいて、内プレート291を外プレート290から引き出した広幅状態(図52)と、内プレート291を外プレート290内に押し込んだ狭幅状態(図53)とでは、いずれもその位置で外プレート290と内プレート291をネジ292により固定できるようになっている。但し、狭幅状態では、内プレート291側の枠体2を移動させるので板3nを取り外しておく。
この場合、図52の広幅状態では、軌道101側のガイド車11は階段側壁221に接触し、軌道102側のガイド車11は案内板105に接触している。しかしながら、図53の狭幅状態では、運搬台車1Iの幅変更に応じて、軌道101を階段の中央側に敷設し直すとともに、その軌道101の外横に別の案内板105´を付設する。これにより、狭幅状態の運搬台車1Iの軌道101側のキャスター10が軌道101に乗り、軌道101側のガイド車11が案内板105´に接触するようになる。
上記運搬台車1H,1Iは、いずれも上記の通り幅を容易に小さくすることができるので、運搬台車1H,1Iを椅子に腰掛けた人を運搬する用途にだけ利用する場合は、幅を狭くすることで省スペースとなり、階段を全幅にわたって使用する必要がなくなる。
一実施形態に係る階段昇降運搬装置における軌道を階段に設置した状態の概略斜視図である。 同階段昇降運搬装置における軌道を階段に取り付ける場合の設置の一例を示す部分拡大側面図(a)、及び別例を示す部分拡大側面図(b)である。 同階段昇降運搬装置における軌道を階段に取り付ける場合で、手摺を考慮したときの設置例を示す部分拡大正面図である。 同階段昇降運搬装置における駆動装置がウインチ及び連結具からなる場合の装置の設置の一例を示す概略斜視図である。 同階段昇降運搬装置における駆動装置がウインチ、連結具及び中継具からなる場合の装置の設置の一例を示す概略斜視図である。 同階段昇降運搬装置における駆動装置がウインチ及び連結具からなる場合の装置の設置の別例を示す概略斜視図である。 同階段昇降運搬装置における軌道と運搬台車のキャスター(車)との形状及び位置関係の一例を示す要部概略正面図(a)、及び別例を示す要部概略正面図(b)である。 同階段昇降運搬装置における軌道と運搬台車のキャスター(車)との形状及び位置関係の更に別例を示す要部概略正面図(a)、更に別例を示す要部概略正面図(b)、及び軌道の形態の更に別例を示す要部概略正面図(c)である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車のキャスターが異なるタイプのものである場合で、荷台部の前部又は後部のいずれか一方のみ、或いは前部及び後部の両方に使用するキャスターの要部拡大図(a)、及び荷台部の前部及び後部以外の部分に使用するキャスターの要部拡大図(b)である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の一例を示す正面斜視図である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の別例を示す正面斜視図である。 図11に示す運搬台車の底面斜視図である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の更に別例を示す概略平面図である。 図13に示す運搬台車の概略側面図(a)、及び枠体の2/3部分を折曲したときの概略側面図(b)である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の更に別例を示す概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の更に別例を示す概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車の更に別例を示す概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における運搬台車をウインチで階上踊場まで引き上げるときの様子を示す模式図である。 同階段昇降運搬装置における駆動装置の別形態を示し、運搬台車が階下に着床しているときの概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における駆動装置の別形態を示し、運搬台車が階下から幾分上昇したとき及び軌道の上部に達したときの概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における可動部及び可動部と運搬台車との係合機構の一例を示す一部破断概略側面図である。 同階段昇降運搬装置における可動部及び可動部と運搬台車との係合機構の一例を示す概略横断面図である。 同階段昇降運搬装置における軌道端部でのネジロッドの回転支持機構の構造例を示す概略平面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドと可動部による駆動機構の別例を示す概略断面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドと可動部による駆動機構の更に別例を示す概略断面図である。 同階段昇降運搬装置における可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具とによる係合機構の一例に係る要部横断面図である。 図26の線A−Aにおける断面図である。 同階段昇降運搬装置における可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具との係合の切り替わり作用(移動中の可動部から待機中の可動部への切り替り作用)を説明する図(a)、(b)である。 図28に続く説明図(a)、(b)である。 図29に続く説明図(a)、(b)である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドの連結構造の一例を示す縦側面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドの連結構造の一例を示す縦断側面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドの連結部において、可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具とによる係合機構の別例を示す縦断側面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドの連結部において、可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具とによる係合機構の同別例を示す横断面図である。 同階段昇降運搬装置におけるネジロッドの連結部において、可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具とによる係合機構の同別例を示す縦断平面図である。 図34の線B−Bにおける断面図(a)、及び引掛け金具の枠体側への突出部分の平面図(b)である。 同階段昇降運搬装置における可動部側の引掛け金具と運搬台車側の係合金具とによる係合の切り替わり作用(移動中の可動部から待機中の可動部への切り替り作用)を説明する図(a)、(b)である。 図37に続く説明図(a)、(b)である。 図38に続く説明図(a)、(b)である。 同階段昇降運搬装置における2本のネジロッドを連結した場合の運搬台車の階下から階上への移動に係るタイミングチャートである。 図40に続くタイミングチャートである。 同階段昇降運搬装置における駆動機構の更に別例を示す概略側面図(a)、及び要部概略拡大図(b)である。 別実施形態に係る階段昇降運搬装置の部分省略概略側面図である。 図43の階段昇降運搬装置の部分省略拡大断面図である。 更に別実施形態に係る階段昇降運搬装置の部分省略拡大断面図である。 図45の階段昇降運搬装置に適用する運搬台車の概略底面図である。 同階段昇降運搬装置において、幅変更機構の一形態を備える運搬台車の概略側面図である。 図47の運搬台車の幅を小さくする前の状態の背面図(a)、及び幅を小さくした状態の背面図(b)である。 同階段昇降運搬装置において、幅変更機構の別形態を備える運搬台車の概略側面図である。 図49の運搬台車の幅を小さくする前の状態の平面図(上面図)である。 図49の運搬台車の幅を小さくした状態の平面図(上面図)である。 図49の運搬台車の幅を小さくする前の状態の部分省略拡大断面図である。 図49の運搬台車の幅を小さくした状態の部分省略拡大断面図である。
符号の説明
1(A〜I) 運搬台車
2 枠体
2a 枠体の2/3部分(折曲可能部分)
3 荷台部
4 荷受部
5 アーム
10 キャスター(車)
11 ガイド車
40(A〜C) 可動部
42,150 モータ
45(A,B) ネジロッド
45a 非ネジ部
50,53,70,71,130 引掛け金具
60〜62,140,141 係合金具
90 ウインチ
91 滑車(中継具)
95 ロープ(連結具)
101,102(A〜E) 軌道
105 案内板
200 階段
201 階下
202 階上踊場
240 係止金具
260,270 ホイール
262 ホイールコンベヤ

Claims (21)

  1. 階段の左右両端及び中央付近のうちのいずれか2箇所に階段上面に沿って階段の傾斜方向に配置した2本の軌道と、
    被運搬物を載せて前記軌道上を当該軌道に沿って昇降することで、前記被運搬物を運搬する運搬台車と、
    前記運搬台車を前記軌道に沿って昇降させる駆動装置と、
    を備えてなることを特徴とする階段昇降運搬装置。
  2. 前記運搬台車は、前記2本の軌道に沿うように回転可能に設けられた車が前記軌道上を転動することで前記軌道上を移動するものであることを特徴とする請求項1記載の階段昇降運搬装置。
  3. 前記駆動装置は、ウインチと、一端が前記運搬台車に接続され、他端がウインチに接続された連結具とからなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の階段昇降運搬装置。
  4. 前記ウインチは、階上踊場の前記軌道延長線上で前記運搬台車の長さよりも高い位置に設置されたことを特徴とする請求項3記載の階段昇降運搬装置。
  5. 前記連結具の方向を変換する中継具を、階上踊場の前記軌道延長線上で前記運搬台車の長さよりも高い位置に回転可能に設置し、前記ウインチは、その中継具の下方の階上踊場に設置されたことを特徴とする請求項3記載の階段昇降運搬装置。
  6. 前記駆動装置は、前記運搬台車の軌道側に設置されたウインチと、一端が階上踊場の前記軌道延長線上で前記運搬台車の長さよりも高い位置に係止され、他端がウインチに接続された連結具とからなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の階段昇降運搬装置。
  7. 前記駆動装置は、少なくとも1本の前記軌道に沿って張設された長尺状ネジロッドと、このネジロッドを回転させる回転駆動手段と、前記ネジロッドに取り付けられるとともに前記運搬台車に係脱可能であり、当該ネジロッドの回転に応じて当該ネジロッドに沿って移動する可動部とからなり、前記回転駆動手段による前記ネジロッドの回転により前記可動部が移動することで、前記可動部が係合した前記運搬台車が昇降することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の階段昇降運搬装置。
  8. 前記可動部は、当該可動部の移動を安定させ摩擦抵抗を減らすため前記軌道上を転動する回転可能な車輪と、この車輪を回転可能に支持する支軸とを有することを特徴とする請求項7記載の階段昇降運搬装置。
  9. 前記ネジロッドは、間隔を置いて複数の非ネジ部を有し、この非ネジ部にそれぞれ前記可動部が設けられ、このネジロッドの回転による前記運搬台車の昇降に係る可動部が非ネジ部に達すると、当該運搬台車に係合していた可動部がその非ネジ部に待機していた可動部に切り替わり、今度は待機中の可動部が前記運搬台車に係合し移動することで、前記運搬台車が昇降を続けるようにしたことを特徴とする請求項7又は請求項8記載の階段昇降運搬装置。
  10. 前記ネジロッドは、前記軌道延長線上の階上踊場の床面以上まで延び、前記運搬台車が階上踊場まで上昇するようにしたことを特徴とする請求項7、請求項8又は請求項9記載の階段昇降運搬装置。
  11. 階段に設置された手摺の直下の階段上面には、この手摺側に位置する前記軌道に沿って当該軌道の階段側壁側に案内板を付設し、前記運搬台車には、当該運搬台車の昇降に応じて前記案内板に接触・転動するガイド車を回転可能に設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9又は請求項10記載の階段昇降運搬装置。
  12. 前記運搬台車は、前記車を回転可能に取り付けた枠体と、この枠体に装着した荷台部と、この荷台部に当該荷台部に対する開角度を調節可能に取り付けた荷受部とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の階段昇降運搬装置。
  13. 前記運搬台車は、一端が前記枠体又は荷台部に取り付けられ、他端が前記荷受部に取り付けられた伸縮自在のアームを備えることを特徴とする請求項12記載の階段昇降運搬装置。
  14. 前記運搬台車は、一端が前記枠体又は荷台部に位置を変更可能に取り付けられ、他端が前記荷受部に取り付けられたアームを備えることを特徴とする請求項12記載の階段昇降運搬装置。
  15. 前記荷台部は、少なくとも階段の傾斜方向に沿うほぼ半部分が階段のピッチに等しい間隔で開口する格子状であることを特徴とする請求項12、請求項13又は請求項14記載の階段昇降運搬装置。
  16. 前記荷台部は、組立により椅子を形成し得る互いにヒンジ連結した複数の板からなることを特徴とする請求項12、請求項13又は請求項14記載の階段昇降運搬装置。
  17. 前記枠体は、その前側から少なくとも2/3の長さまでの部分が当該枠体の残部分に折曲可能に連結され、前記荷台部は、階段に沿う方向の半部分が前記枠体の折曲可能部分に対応して回転可能であることを特徴とする請求項12、請求項13又は請求項14記載の階段昇降運搬装置。
  18. 前記荷受部は、その両側部にそれぞれ設けられた長尺状板からなる車椅子載置部を有することを特徴とする請求項12、請求項13、請求項14、請求項15、請求項16又は請求項17記載の階段昇降運搬装置。
  19. 前記運搬台車は、その幅を変更可能とする幅変更機構を備えることを特徴とする請求項12、請求項13又は請求項14記載の階段昇降運搬装置。
  20. 前記2本の軌道は、当該軌道に沿って設けられたホイールコンベヤを有し、前記運搬台車は、その底面が接触したホイールコンベヤが回転することで、前記軌道に沿って昇降することを特徴とする請求項1記載の階段昇降運搬装置。
  21. 前記2本の軌道は、ホイールコンベヤの上方にオーバーラップする上カバーを有することを特徴とする請求項20記載の階段昇降運搬装置。
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