JP3761641B2 - 階段昇降装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段の昇降方向沿って設置され、荷物、車椅子さらには人体などを乗せて階段を昇降する階段昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の階段昇降装置としては、特開昭58−63676号公報に記載されたものが知られている。この階段昇降装置は、複数本のガイドレールが互いに平行に、且つ階段に対し昇降方向に沿った配置で側壁に固定され、荷物などを乗せる搬送体が、これに取り付けられたローラを各ガイドレールに転動自在に係合させることにより、ガイドレールに対しこれに案内されながら昇降するよう片持式に保持されている。さらに、搬送体の駆動機構として、ガイドレールに沿って設置されたラックと、搬送体に設けられてラックに噛み合わされたピニオンと、このピニオンの回転駆動源のモータとが設けられている。また、他の階段昇降装置としては、駆動源のモータおよびスプロケットを搬送体の外部に設けて、搬送体に固定されたチェーンをスプロケッの回送により牽引して搬送体を階段に沿って昇降させる構成となったものも存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の何れの階段昇降装置においても、搬送体は、側壁に固定されたガイドレールに対し階段上に吊り下げた状態で片持式に支持された構成になっている。そのため、搬送体は、上述のように片持式の支持構造で昇降することから、昇降移動中の振動や揺れが大きく、特に積載量が大きくなると不安定な状態となる。さらに、ガイドレールには、片持式の支持構造であることから、強いモーメントが作用するので、ガイドレール、ローラおよび側壁などの搬送体支持機構には高い強度が必要となる。特に、木造の階段では、側壁に所要の強度が得られない場合が多いことから、階段昇降装置を設置できなかった。さらに、搬送体は、強い曲げ応力が作用することから、高い剛性や強度が必要となり、重力が大きくなってコスト高となるだけでなく、大きな牽引力が必要となる。
【0004】
そこで、搬送体を両持式に支持しながら昇降させるために、側壁の他に階段上にもガイドレールを設置するとともに、搬送体の側壁とは反対側の箇所にローラなどの支持機構を設け、この支持機構のローラなどを階段上のガイドレールに転動させる構成とすることが考えられる。ところが、搬送体が上階または下階の踊り場の床面上に達したときには、搬送体の下方に突出している支持機構が踊り場の床面に当たってしまい、搬送体を踊り場の床面上に移動させることができなくなる。これに対し、搬送体支持機構を手動操作により踊り場に達する直前に位置補正できる構成にしても、搬送体の底板がこれの下方の支持機構の突出分だけ踊り場の床面より高くなり、荷物を乗せた台車や車椅子の乗り降り、さらには荷物の積み卸しが困難となる。
【0005】
そこで、本発明は、階段上に設置したガイドレールによって搬送体を両持式に支持しながら階段に沿って円滑に昇降させる構成としながらも、踊り場の床面上に達したときには搬送体の底板を踊り場の床面上に自動的に配置できる階段昇降装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る階段昇降装置は、階段に沿って傾斜し、且つ互いに平行な配置で側壁または支柱に設置された複数本のガイドレールと、水平状態を保持しながら前記各ガイドレールに沿って昇降するよう一端側を前記ガイドレールに支持された搬送体と、前記搬送体の他端側下方において前記搬送体の昇降方向の向きに配置して階段上に設置された支持ガイドレールと、前記支持ガイドレール上を転動する支持用ローラと、この支持用ローラが一端に取り付けられて他端が前記搬送体の下面に回動自在に取り付けられた支持用アームとを有し、前記搬送体が階段を昇降時に起立状態となる前記支持用アームにより搬送体の他端下面を前記支持ガイドレールで支持するとともに、前記搬送体が階段の踊り場に到達したときに前記支持用アームが傾動して水平に位置するよう作動する搬送体支持機構と、前記搬送体に対しこれを昇降させる駆動力を付与する搬送体駆動ユニットとを備えてなる階段昇降装置であって、前記搬送体支持機構は、搬送体の下面にこれの昇降方向に対し直交方向に配置して回動自在に取り付けられたシャフトと、このシャフトの一端に中間部を固定された作動用アームと、この作動用アームの一端に回動自在に取り付けられて搬送体が階段の踊り場に到達したときのみ踊り場の床面上を転動するガイド用ローラと、一端に支持用ローラを有して他端を前記シャフトの他端に固着された支持用アームとを備え、支持ガイドレールよりも厚みの薄い補助ガイドレールが、支持ガイドレールの下端から延びて階段の下階の踊り場の床面上に敷設されていることを特徴とする。
【0007】
上記の階段昇降装置では、搬送体がその両端部を複数のガイドレールと支持用アームとに両持式に支持されながら昇降するので、搬送体を振動や揺れの少ない安定した状態で昇降させることができる。それにより、各ガイドレールに作用するモーメントは格段に小さくなるので、ガイドレールなどの搬送体の支持機構はさほど高い強度を有する必要がなくなり、木造の階段に対しても設置することが可能となる。さらに、搬送体自体も高い強度や剛性を必要としないので、搬送体を軽量化してモータなどの駆動源の駆動力を低減でき、コストを低減できる。また、搬送体が斜面上を昇降中に下方に突出して搬送体を支持していた搬送体支持機構の支持用アームは、搬送体が下限位置まで下降した時点で自動的水平状態となるので、搬送体を例えば下階の踊り場の床面上に載置状態とすることができ、搬送体への荷物などの積み卸しが容易となる。
【0009】
また上記の階段昇降装置では、搬送体が上昇する場合、支持ローラは、補助ガイドレール上を転動して支持ガイドレールを上り始めるときに移動方向が変化することにより瞬間的に停止するので、支持アームは、斜め上方に上昇する搬送体により引き上げられながら支持用ローラを支点にして起立するよう回動する逆に、搬送体が下階の踊り場上に下降する場合、支持ローラは、傾斜している支持ガイドレールから水平な補助ガイドレールに達したときに移動方向が変化することにより瞬間的に停止するので、支持アームは斜め下方に下降する搬送体の荷重を受けて支持用ローラを支点に倒動方向に回動して水平状態となる。これにより、搬送体支持機構を簡単な構成により容易に実現することができる
【0010】
上記発明において、搬送体が階段の踊り場上から上昇するのに伴って水平状態から互いに連動して起立する作動用アームまたは支持用アームを当接させるストッパピンが、前記支持用アームを支持ガイドレールの直交方向に対し上部が僅かに下方へ傾斜する起立状態に保持させる位置に配して搬送体に設けられている構成とすることが好ましい。
【0011】
それにより、階段に沿って昇降中の搬送体から支持用アームへの荷重は支持ガイドレールの直交方向に加わわり、支持用アームの回動方向の思案点は支持ガイドレールの直交方向となるから、支持用アームは思案点に対し僅かに下方側に傾いた状態に保持されることになり、搬送体から支持用アームに作用するモーメントを可及的に小さくできるとともに、支持用アームは安定した状態で搬送体を支持することができる。
【0012】
さらに、上記発明において、作動用アームの他端部と搬送体との間に介設されて前記作動用アームに対しこれの中間部から一端部までの箇所が起立する方向に回動付勢する弾性体を備えている構成とすることが好ましい。
【0013】
それにより、搬送体が上昇を開始するときに、搬送体支持機構の作動用アームを、弾性体の付勢力により補助されてより確実、且つ迅速に起立状態とすることができる。
【0014】
さらに、上記発明において、階段の踊り場の床面上に設置されてガイド用ローラの転動を水平方向に規制する規制部材を備えている構成とすることが好ましい。
【0015】
それにより、踊り場上でのガイド用ローラの移動を強制的に水平方向に規制できるので、搬送体支持機構における作動用アームおよび支持用アームの起立状態と水平状態との一方から他方への変化をより確実に行わせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る階段昇降装置の全体構成を示す概略斜視図である。同図において、本発明の階段昇降装置は、階段1に平行に傾斜し、且つ互いに平行に配置されて階段1の一方の側壁(図示せず)に支柱(図示せず)を介して固定された2本のガイドレール2,3と、一端側を両ガイドレール2,3に係合して両ガイドレール2,3に水平状態に支持されながら階段1に沿って昇降される搬送体4と、この搬送体4の他端側に対向して階段1上に設置された支持ガイドレール7と、搬送体4の他端部下面を支持しながら支持ガイドレール7上を走行する搬送体支持機構(図示せず)と、上階の踊り場8上に設置され搬送体4を昇降駆動するためのモータなどを内蔵した搬送体駆動ユニット9と、下階の踊り場10上に設置されて搬送体駆動ユニット9との間に搬送体4の牽引用のチェーン(図示せず)が架け渡された受動ブロック体11を主構成要素として構成されている。搬送体支持機構などの詳細については後述する。
【0017】
図2は、上記階段昇降装置を詳細に示す斜視図であり、下階の踊り場10上に位置した状態を示してある。搬送体4は、荷物などを乗せるための底板12の3辺に、前側板13,左側板14および後側板17がそれぞれ蝶番18により回動自在に取り付けており、底板12の右辺には、取付板19の下端部が固定され、さらに、取付板19の外側に支持プレート20が固定されている。一方、両ガイドレール2,3は、階段1の側壁に固定された複数本(1本のみ図示)の支柱21に中間部を固着され、且つ各々の上端部は搬送体駆動ユニット9に固定されている。また、上ガイドレール2の下端は受動ブロック体11の上面に固定され、下ガイドレール3の下端は下階の踊り場10上の床面に固定されている。搬送体4の支持プレート20から突設された4個のガイドローラ22は、そのうちの2個ずつが上下のガイドレール2,3に対しそれぞれ下方および上方から転動自在に係合しているいる。それにより、搬送体4は、各ガイドローラ22を介して両ガイドレール2,3に水平状態に支持されているとともに、ガイドローラ22の転動により両ガイドレール2,3に沿って昇降される。
【0018】
搬送体駆動ユニット9の駆動側スプロケット23と受動ブロック体11の受動側スプロケット24とには、搬送体4の牽引用のチェーン27が両ガイドレール2,3の間でこれらに対し平行の配置で架け渡されており、このチェーン27の一部が固定部材28を介して搬送体4の支持プレート20に固着されている。また、搬送体駆動ユニット9には、チェーン27の駆動源のモータ29、このモータ29の回転を駆動側スプロケット23に伝達するウォームギャ等からなる歯車機構30およびモータ29の駆動操作用の押釦スイッチ(図示せず)等が設けられている。
【0019】
図3および図4は搬送体4の下面側に設けられた搬送体支持機構26を示す斜視図である。この搬送体支持機構26は、搬送体4の昇降方向UDに対し直交して配置され、2個の軸受31により底板12の下面に回転自在に取り付けられたシャフト32と、このシャフト32の両端に各々の中間部および一端部がそれぞれ固着された作動用アーム33および支持用アーム34と、作動用アーム33の一端部に回転自在に取り付けられたガイド用ローラ37と、支持用アーム34の他端部に回転自在に取り付けられた支持用ローラ38と、下階の踊り場10の床面上に設置されてガイド用ローラ37を転動自在に挿入させることのできる断面コ字形状の規制部材39と、作動用アーム33の他端部と支持プレート20の係止ピン40との間に懸架された引っ張りコイルスプリング41と、支持プレート20に設けられた作動用アーム33のストッパピン43とを備えている。支持用ガイドローラ38は、支持ガイドレール7並びにこの支持ガイドレール7から下階の踊り場10の床面上に延びた厚みの薄い補助ガイドレール42の各々の上面を転動するよう位置決めされている。
【0020】
次に、上記階段昇降装置の動作を、図5ないし図9を参照しながら説明する。
【0021】
図5および図6はそれぞれ正面側(図2のA矢印側)から見た縦断面図を示し、図5は搬送体4が下階の踊り場10の床面上に位置した状態、図6は搬送体4が下階の踊り場10から僅かに上昇した状態である。また、図7ないし図9は動作説明のための概略左側面図であり、図2のB矢印方向から見た状態を示す。
【0022】
搬送体4が下階の踊り場10の床面上に位置した場合、搬送体支持機構26は、図3に示すように、作動用アーム33および支持用アーム34が共に水平状態となり、図5に示すように、シャフト32は床面に近接している。このシャフト32により下面を支持されている搬送体4は床面上に載置状態となる。ここで、前側板13または左側板14を蝶番18を介し外方に回動させて倒置すると、左側板13の倒置状態を示した図5から明らかなように、この倒置した前側板13または左側板14が床面から底板12へ架け渡された状態となり、荷物などの積み込みが容易となる。特に、車椅子、荷物を乗せた台車などは倒置した前側板13または左側板14上を通って搬送体4に容易、且つ迅速に乗り込ませることができる。荷物などの積み込みが終了したのちに、前側板13または左側板14を起こして図1および図2に示す元の状態に係止する。この係止手段としては、周知の種々の機構を利用することができる。
【0023】
搬送体4への積み込みが終了したならば、図1に示す上階の踊り場8の搬送体駆動ユニット9の押釦スイッチを操作すると、モータ29が正回転してチェーン27が回送駆動される。それにより、搬送体4は、チェーン27に牽引されて両ガイドレール2,3に案内されながら階段1に沿った昇降方向UDにおける斜め上方の上昇方向Uに向け上昇されていく。このとき、搬送体4は図3の状態から直ちに上昇方向Uへ向け上昇されていくのに対して、搬送体支持機構26における作動用アーム33のガイド用ローラ37は、規制部材39により水平方向Fへのみ移動可能に規制されているため、搬送体4の上昇に伴って徐々に水平方向Fに転動していく。
【0024】
したがって、搬送体支持機構26において、シャフト32が搬送体4と一体に上昇方向Uに向け上昇されるのに対してガイド用ローラ37が徐々に水平方向Fに向け転動していくので、図4に示すように、作動用アーム33は、引っ張りコイルスプリング41の回動付勢力を受けて恰もガイド用ローラ37を支点として同図の矢印方向に回動する。コイルスプリング41の付勢力以上の負荷がかかった場合には規制部材39の上端面にて、ガイドローラ37が回転方向に付勢される。それにより、作動用アーム37はシャフト32を介して支持用アーム34を一体に回動させる。すなわち、搬送体4が上昇していく高さ分だけ作動用アーム34および支持用アーム34が連動して回動しながら搬送体4の下方に突出状態となっていく。作動用アーム33はストッパピン43に当接した時点で回動を阻止される。次に、この搬送体支持機構26の動作を図7ないし図9を参照しながら詳述する。
【0025】
図7は搬送体4が下階の踊り場10上に位置している状態であり、搬送体支持機構26では作動用アーム33および支持用アーム34が水平に位置しており、搬送体4が踊り場10の床面上に載置した状態になっている。なお、同図には、理解を容易するために、便宜上、搬送体4が床面の僅かに上方に位置する状態に図示してある。次に、搬送体4が上昇し始めると、上述のように作動用アーム33および支持用アーム34が連動して回動しながら搬送体4の下方に突出状態となっていく。このとき、ガイド用ローラ37は規制部材39に案内されながら水平方向に転動していき、一方、支持用ローラ38は補助ガイドレール42上を転動していく。
【0026】
そして、ガイド用ローラ37が規制部材39から抜け出たのちに、図8に示すように、支持用ローラ38が補助ガイドレール42と支持ガイドレール7との境界に達する。このとき、補助ガイドレール42と支持ガイドレール7との境界が「く」字形状になっているので、支持用アーム34は、瞬間的に停止する支持用ローラ38を支点として僅かに回動し、図9に示すように、作動用アーム33の他端部がストッパピン43に当接した状態で停止する。
【0027】
そののちに、支持用ローラ38は、搬送体4の上昇に伴って支持ガイドレール7上を転動していく。したがって、支持用ローラ38が支持ガイドレール7上を僅かに転動して上昇した状態を示す図6および図9のように、搬送体4は、一端側を一対のガイドレール2,3により支持されるとともに、その他端側を支持用アーム34および支持用ローラ38を介して支持ガイドレール7に支持される。
【0028】
すなわち、搬送体4は両持式に支持されて階段1に沿いながら上昇されていく。
【0029】
このとき、ガイド用ローラ37は、図6に明示するように、階段1の角部に対し支持ガイドローラ7の厚み相当分だけ上方に離間して浮いた状態で支障なく移動される。
【0030】
上述のように、搬送体4は、両持式に支持されながら上昇されていくので、振動や揺れの少ない安定した状態で斜め上方へ向かって走行されていく。このように搬送体4を両持式に支持する構成となっているので、両ガイドレール2,3に作用するモーメントは従来の片持式の支持構造に比較して格段に小さくなるので、ガイドレール2,3、ガイドローラ22、支柱21および側壁はさほど高い強度を有する必要がなく、木造の階段に対しても設置することが可能となる。さらに、搬送体4も高い強度や剛性を必要としないので、搬送体4を軽量化してモータ29の駆動力を低減できる。
【0031】
支持用ローラ38が支持ガイドレール7上を転動し始めるときには、作動用アーム33がストッパピン43に当接した状態に保持されて、図9に示すように、支持用アーム34が支持ガイドレール7の直交方向に対し僅かに下方へ回動した状態となる。このとき、階段1に沿って斜め上方へ上昇されていく搬送体4から支持用アーム34への荷重は支持ガイドレール7の直交方向に加わるので、支持用アーム34の回動方向の思案点は支持ガイドレール7の直交方向となり、支持用アーム34は思案点に対し上部が僅かに下方に傾いた状態でに保持されることになる。そのため、搬送体4から支持用アーム34に作用するモーメントが可及的に小さくなるとともに、支持用アーム34は安定した状態で搬送体4を支持することができる。しかも、支持用アーム34は、搬送体4からの荷重と引っ張りコイルスプリング41の回動付勢力とにより図9の反時計方向への回動力を受けているので、上記の安定した状態を確実に保持する。
【0032】
なお、搬送体4の上限位置は底板12が上階の踊り場8の床面よりも僅かに高くなる高さに設定されている。したがって、搬送体4が上限位置に停止したのちに、後側板17を回動させて倒置させれば、この後側板17が底板12と上階の踊り場8の床面との間に架け渡されるので、荷物等の積み卸し作業を容易に行うことができる。
【0033】
次に、搬送体4を上限位置から下降するよう搬送体駆動ユニット9の押釦スイッチを操作すると、搬送体4は、両ガイドレール2,3と図9に示す安定した状態の支持用アーム34とにより両持式に支持されながら階段に沿って下降していく。そして、図8に示すように、支持用ローラ38が支持ガイドレール7と補助ガイドレール42との境界に達すると、支持用ローラ38の転動は、移動方向が斜め下方から水平方向に変わるために瞬間的に停止し、このときに、支持用アーム34は搬送体4の荷重により支持用ローラ38を恰も支点として回動して、思案点に対し下方側へ回動可能な位置へ変位する。
【0034】
そののちに、ガイド用ローラ37は、規制部材39内に入り込んで搬送体4の下降に応じて水平方向に徐々に転動しながら移動していく。そのため、作動用アーム33は、両ガイドレール2,3に案内されながら階段1に沿って下降する搬送体4の荷重を受けて、恰もガイド用ローラ37を支点として引っ張りコイルスプリング43の付勢力に抗して傾倒方向に回動されていき、且つ、作動用アーム33がシャフト32を介し作動用アーム33に連動して傾倒方向に回動していく。そして、搬送体4が下限位置まで下降して時点では、図2,図3および図7にそれぞれ示すように、作動用アーム33および支持用アーム34が水平状態となって搬送体4が下階の踊り場10の床面上に載置される。このように、搬送体4が斜面上を昇降中に下方に突出して搬送体4を支持していた搬送体支持機構26の支持用アーム34は、踊り場10上に到着したときに水平状態に倒置されるので、荷物などの積み卸しを容易に行える。
【0035】
なお、支持ガイドレール7もしくは搬送体支持機構26を複数個設ければ、搬送体4をさらに安定に支持することができる。また、引っ張りコイルスプリング43のばね力を強くすれば、規制部材39を省略して、搬送体支持機構26を上記のように支障無く作動させることが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に係る階段昇降装置によれば、搬送体を複数のガイドレールと支持用アームとにより両持式に支持しながら階段に沿って昇降させる構成としたので、搬送体を振動や揺れの少ない安定した状態で昇降させることができる。また、搬送体を両持式に支持することによって各ガイドレールに作用するモーメントが格段に小さくなるので、ガイドレールなどの搬送体の支持機構はさほど高い強度を有する必要がなくなり、木造の階段に対しても設置することが可能となる他に、搬送体は、高い強度や剛性を必要としないことから軽量化でき、モータなどの駆動源の駆動力を低減してコストを低減できる。さらに、搬送体が斜面上を昇降中に下方に突出して搬送体を支持していた搬送体支持機構の支持用アームを搬送体が下限位置まで下降して時点で水平状態となる構成としたので、搬送体を踊り場の床面上に載置状態として搬送体への荷物などの積み卸しを容易に行える。
【0037】
また、前記階段昇降装置によれば、搬送体が上昇する場合、支持ローラが補助ガイドレールから支持ガイドレールに当たって瞬間的に移動を停止するときに、支持アームを斜め上方に上昇する搬送体により支持用ローラを支点にして起立するよう回動させることができる。一方、搬送体が下階の踊り場上に下降する場合、支持ローラが傾斜している支持ガイドレールから水平な補助ガイドレールに当たって瞬間的に移動を停止するときに、支持アームが斜め下方に下降する搬送体の荷重を受けて支持用ローラを支点に倒動方向に回動させ、水平状態とできる。したがって、搬送体支持機構を簡単な構成により所期の動作を行わせることができる。
【0038】
また、本発明の請求項2に係る階段昇降装置によれば、起立する支持用アームを、ガイドストッパに当接させて支持ガイドレールの直交方向に対し上部が僅かに下方へ傾斜する起立状態に保持させる構成としたので、搬送体の昇降中は支持用アームを思案点に対し僅かに下方側に傾いた状態に保持することができ、搬送体から支持用アームに作用するモーメントを可及的に小さくできるとともに、支持用アームは安定した状態で搬送体を支持することができる。
【0039】
また、本発明の請求項3に係る階段昇降装置によれば、作動用アームの他端部と搬送体との間に介設されて前記作動用アームに対しこれの中間部から一端部までの箇所が起立する方向に回動付勢する弾性体を備えている構成としたので、搬送体が上昇を開始するときに、搬送体支持機構の作動用アームを弾性体の付勢力による補助によってより確実、且つ迅速に起立状態とすることができる。
【0040】
また、本発明の請求項4に係る階段昇降装置によれば、階段の踊り場の床面上に設置されてガイド用ローラの転動を水平方向に規制する規制部材を備えている構成としたので、踊り場上でのガイド用ローラの移動を強制的に水平方向に規制できるので、支持用アームを強制的に回動し、搬送体を支持するとともに搬送体支持機構における作動用アームおよび支持用アームの起立状態と水平状態との一方から他方への変化をより確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る階段昇降装置の全体構成を示す概略斜視図。
【図2】同上装置の搬送体とガイレドレールとの係合状態を示す斜視図。
【図3】同上装置における搬送体が下階の踊り場上に位置した状態の搬送体支持機構を示す斜視図。
【図4】同上装置における搬送体が階段を昇降中の搬送体支持機構を示す斜視図。
【図5】同上装置における搬送体が下階の踊り場上に位置した状態の切断正面図。
【図6】同上装置における搬送体が階段を昇降中の状態の切断正面図。
【図7】同上装置における搬送体が下階の踊り場上に位置した状態の概略左側面図。
【図8】同上装置における搬送体支持機構が支持ガイドレール上に乗り上げる直前状態の概略左側面図。
【図9】同上装置における搬送体が階段を昇降中の状態の概略左側面図。
【符号の説明】
1 階段
2,3 ガイドレール
4 搬送体
7 支持ガイドレール
8 上階の踊り場
9 搬送体駆動ユニット
10 下階の踊り場
21 支柱
22 ガイドローラ
22 搬送体支持機構
32 シャフト
33 作動用アーム
34 支持用アーム
37 ガイド用ローラ
38 支持用ローラ
39 規制部材
41 引っ張りコイルスプリング(弾性部材)
42 補助ガイドレール
43 ストッパピン

Claims (4)

  1. 階段に沿って傾斜し、且つ互いに平行な配置で側壁または支柱に設置された複数本のガイドレールと、
    水平状態を保持しながら前記各ガイドレールに沿って昇降するよう一端側を前記ガイドレールに支持された搬送体と、
    前記搬送体の他端側下方において前記搬送体の昇降方向の向きに配置して階段上に設置された支持ガイドレールと、
    前記支持ガイドレール上を転動する支持用ローラと、この支持用ローラが一端に取り付けられて他端が前記搬送体の下面に回動自在に取り付けられた支持用アームとを有し、前記搬送体が階段を昇降時に起立状態となる前記支持用アームにより搬送体の他端下面を前記支持ガイドレールで支持するとともに、前記搬送体が階段の踊り場に到達したときに前記支持用アームが傾動して水平に位置するよう作動する搬送体支持機構と、
    前記搬送体に対しこれを昇降させる駆動力を付与する搬送体駆動ユニットとを備えてなる階段昇降装置であって、
    前記搬送体支持機構は、搬送体の下面にこれの昇降方向に対し直交方向に配置して回動自在に取り付けられたシャフトと、このシャフトの一端に中間部を固定された作動用アームと、この作動用アームの一端に回動自在に取り付けられて搬送体が階段の踊り場に到達したときのみ踊り場の床面上を転動するガイド用ローラと、一端に支持用ローラを有して他端を前記シャフトの他端に固着された支持用アームとを備え、
    支持ガイドレールよりも厚みの薄い補助ガイドレールが、支持ガイドレールの下端から延びて階段の下階の踊り場の床面上に敷設されていることを特徴とする階段昇降装置。
  2. 搬送体が階段の踊り場上から上昇するのに伴って水平状態から互いに連動して起立する作動用アームまたは支持用アームを当接させるストッパピンが、前記支持用アームを支持ガイドレールの直交方向に対し上部が僅かに下方へ傾斜する起立状態に保持させる位置に配して搬送体に設けられている請求項1に記載の階段昇降装置。
  3. 作動用アームの他端部と搬送体との間に介設されて前記作動用アームに対しこれの中間部から一端部までの箇所が起立する方向に回動付勢する弾性体を備えている請求項1または2に記載の階段昇降装置。
  4. 階段の踊り場の床面上に設置されてガイド用ローラの転動を水平方向に規制する規制部材を備えている請求項1ないし3の何れかに記載の階段昇降装置。
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