JP2008002302A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】ターボ分子ポンプにおいて、ロータ破壊によってケーシングに加わる急停止トルクを低減する。
【解決手段】ターボ分子ポンプ1は、複数段のロータ翼部2aを有し回転可能に支持されたロータ2、ロータ翼2aと交互に配置されたステータ翼3aと、ロータ2の下部円筒部に近接して対向配置され、その対向面にネジ溝加工が施されたネジステータ3bとを有するステータ3とを備える。ロータ2およびステータ3を内部に収納すると共に、上部に吸気口5aを有するケーシング5と、下部に排気口5bを有するベース6とを備える。ケーシング5に加わる急停止トルクを低減させるために、ネジステータ3bをベース6にボルト8で固定するためのボルト穴20を少なくとも1つ備え、このボルト穴20は、ネジステータ3bの円周方向に長い長穴を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、分析装置等において真空排気に用いられるターボ分子ポンプに関する。
図10は、従来のターボ分子ポンプの一般的な構造を説明するための断面図である。
ターボ分子ポンプは、ロータ102の上側外周部にロータ翼102aが多段に形成され、ケーシング105の内周側にはロータ翼102aと交互にステータ翼103aが配置され、ロータ翼102aとステータ翼103aによって翼排気部が形成される。ロータ102の下部の円筒部と近接するケーシング105の内周側には、ネジ溝が形成されたネジステータ103bが配置され、ネジ溝排気部が形成される。このネジ溝は、ステータ103側に限らずロータ側102に設けてもよい。
ロータ102をモータ(図示していない)によって高速回転させることにより、ケーシング105の上部に設けられた吸気口側105aを真空排気し、翼排気部およびネジ溝排気部により真空排気して気体を圧縮し、ポンプ下部に設けられた排気口105bから排気する。
図11は、従来のネジステータの一般的な形状を説明するための図である。ネジステータ103bは、円筒部分の内周面にネジ溝部112とネジ山部113が加工され、円筒部分の周縁にはフランジ103cが設けられている。このフランジ103cには、ケーシング105あるいはベースに固定するためのボルト穴111が設けられる。このボルト穴111は、キリ穴等の丸穴によって加工されている。
ターボ分子ポンプのロータは数万rpmの高速で回転しているため、ロータは運転時において常に強い遠心力を受けている。そのため、設計値を超える条件で駆動された場合には、ロータが遠心破壊するおそれがある。このようにロータが破壊された場合には、破壊したロータの破片は、ロータの周囲にあるネジステータやステータ翼、スペーサに衝突した後、さらにケーシングに衝撃を与える。このとき、ロータは高速回転状態で破壊するため、ケーシングに大きな急停止トルクが加えられる。
一般に、ロータが破壊する場合には、最下端部のネジ溝排気部に亀裂が生じ、上方のロータ翼102aに向かって進行する場合が多い(図10中のaで示す)。このような場合には、はじめにロータ102のネジ溝排気部と対向しているネジステータ103bに対して急停止トルクが加えられ(図10中のbで示す)、その後ケーシング105に伝達される(図10中のcで示す)。ケーシング105に与えられた衝撃トルクは、ポンプが取り付けられた機械装置120に伝わる(図10中のdで示す)。そのため、ターボ分子ポンプを取り付ける機械装置側では、このロータ破壊によって生じる衝撃トルクに耐えられる強度を確保するために、頑丈な構造とする必要がある。
従来、このようなロータ破壊によって生じる急停止トルクを低減させる構成が、例えば、特許文献1,2に提案されている。
特許文献1は、急停止トルクが発生した場合に、ステータ部材のポンプケーシングに対する拘束を解除する拘束解除機構を設けるものである。この拘束解除機構として、ステータ側に脆弱部分を設け、この脆弱部分が急停止トルクによって破壊されることによって拘束を解除する構造が示されている。また、特許文献1には、ロータからステータに異常トルクが作用したとき、翼排気部や溝排気部のステータを回転させるようにした摩擦低減構造や、ステータからポンプケーシングへの異常トルクが直接伝達されることを阻止する衝撃緩衝構造によって、ステータの回転を許容する構成が示されている。
また、特許文献2は、ネジ溝ポンプ段の外周に微小間隙のシールリングを設け、急停止トルクが作用した場合に、変形したネジ溝ポンプ段の外周をシールリングに接触させることで、ロータの運動エネルギをシールリングに吸収させ、さらに、このシールリングを取り付けるボルトを破断させることによって前記の運動エネルギを吸収させる構成が示されている。
特許第3359866号公報 特開2000−205183号公報
上記した先行技術では、拘束解除構造や衝撃吸収機構といった新たな構造部品を追加することによって、急停止トルクを低減させている。
しかしながら、例えば、拘束解除構造のようにステータ側に脆弱な部分を設けた構成では、破壊されたロータ片と共に、破壊された脆弱部分やステータ部材がケーシングに衝突することになり、さらには、吸気口から被排気チャンバ側に飛散する可能性がある。
また、衝撃吸収機構では、取り付けるボルトの破断によって運動エネルギを吸収させる構成であるため、破壊されたボルト片がケーシングに衝突し、さらに吸気口から被排気チャンバ側に飛散する可能性がある。
したがって、機械装置の構造を簡素化するためには、ロータ破壊による急停止トルクを小さくする必要があるが、このケーシングに加わる急停止トルクを低減させる構成において、新たな構造部品を追加することなく、既存の構成のままで実現することができる構成が求められている。
そこで、本発明は上記課題を解決して、ターボ分子ポンプにおいて、ロータ破壊によってケーシングに加わる急停止トルクを低減することを目的とし、さらに詳細には、ケーシングに加わる急停止トルクのピーク値を低減することを目的とする。
また、簡易な部品構成によって、ターボ分子ポンプのロータ破壊によってケーシングに付与される急停止トルクを低減させることを目的とする。
本発明は、ステータをケーシングに取り付けている、ネジステータのベースへの固定において、ロータ破壊による急停止トルクがステータに加わったときに、ネジステータがベースに対して所定角度分だけ回転可能とすることで、急停止トルクがベースを介してケーシングに伝達する時間を長くし、これによって、ケーシングに印加される急停止トルクのピーク値を低減させる。このネジステータをベースに対して所定角度分だけ回転可能にする構成は、ネジステータ部分が既に備えている固定用のボルト穴の形状によって実現することができるため、急停止トルクの低減を新たな部品構成を追加することなく行うことができる。
本発明のターボ分子ポンプは、複数段のロータ翼部を有し、回転可能に支持されたロータと、ロータ翼と交互に配置されたステータ翼と、ロータの下部円筒部に近接して対向配置され、その対向面にネジ溝加工が施されたネジステータとを有するステータとを備え、さらに、ロータおよびステータを内部に収納すると共に、上部に吸気口を有するケーシングと、下部に排気口を有するベースとを備える構成である。
本発明のターボ分子ポンプは、ケーシングに加わる急停止トルクを低減させるために、ネジステータに特徴的な形状を備える。本発明のネジステータは、このネジステータをベースにボルトで固定するためのボルト穴を少なくとも1つ備え、このボルト穴は、ネジステータの円周方向に長い長穴とする。
ネジステータが備えるベース固定用にボルト穴をネジステータの円周方向に長い長穴とすることによって、ロータ破壊による急停止トルクがステータに加わったときに、ネジステータがベースに対して、長穴に長さ分だけ所定角度分回転可能となる。
ネジステータは、ベース又はケーシングに対してボルトによって固定されるが、ボルト穴が円周方向に長穴となっているため、急停止トルクにより長穴の空間部分の円周方向の長さ分だけ回転することができる。これにより、ネジステータが回転している時間分だけ、ロータ片が破壊してから停止するまでの時間を長くすることができる。ネジステータがベースに対して回転することで、急停止トルクがネジステータからベースを介してケーシングに伝達する時間が長くなる。伝達時間が長くなることで、ケーシングに加えられる急停止トルクのピーク値が低下させることができる。
ケーシングに加わる急停止トルクのピーク値が下がることによって、ターボ分子ポンプに取り付けられる機械装置に対する過度な強度要求を低減させることができる。
また、本発明のネジステータに形成するボルト穴は、従来のネジステータが備えるボルト穴の穴形状を丸穴から長穴に変更するだけで実現することができるため、新たな部品構成の追加を不要とすることができる。
さらに、本発明のターボ分子ポンプは、長穴状のボルト穴にボルトが挿入された状態において、挿入されたボルトがボルト穴の長穴に沿って摺動可能とすることによって、ネジステータがベースに対して、長穴の周方向長さからボルト径を差し引いた長さ分だけ円周方向に回転可能とする回転促進機構を備える。この回転促進機構によって、ネジステータをベースに対して回転移動が可能な状態で固定する。
上記の回転促進機構は、ネジステータの長穴のフランジ上面に形成するテーパ部と、このネジステータのテーパ部と対向する、ボルトに取り付けられるワッシャに形成されたテーパ部とで構成することができる。ネジステータ側に設けたテーパ部とワッシャ側に設けたテーパ部とは対向しており、対向面は所定の抵抗を有した滑走面を形成する。ネジステータに急停止トルクが加えられると、ネジステータのテーパ部はワッシャ側のテーパ部に沿って、所定の摩擦抵抗を受けながら移動し、ネジステータにベースに対する回転移動が可能となる。
この両テーパ部は、ネジステータとベースとが噛み合って回転が困難となるといった状態を避けると共に、所定の摩擦抵抗が生じるようにして、破壊されたロータが持つ運動エネルギがネジステータからベースを介してケーシングに伝達するまでの時間幅を延ばし、これによってケーシングに伝達する急停止トルクのトルクピーク値を低下させる。
なお、このテーパ部は、ネジステータ側については、ネジステータのボルト穴のフランジ上面のエッジ部分を面取りすることで形成することができ、ワッシャ側については、ネジステータのテーパ部と対向する面のエッジ部分を面取りすることで形成することができる。
また、ネジステータおよびベースの両方に、円周方向の位置合わせ用の合いマークを備える構成としてもよい。ネジステータをベースに取り付ける場合には、ボルトが長穴のロータ回転方向に端部となるように位置を合わせる必要がある。この取り付けの際に、ネジステータとベースの両方に設けた合いマークを目安として円周方向で位置合わせすることよって、所定位置に取り付けることができる。
本発明の構成によれば、ターボ分子ポンプを構成する部品に新たに追加することなく、ネジステータのボルト穴を長穴状とするという簡易な構成によって実現することができる。また、前記した先行技術の構成のように、例えば、脆弱部等の構造を設けることなく、急停止トルクのピークを低減させることができるため、脆弱部が破壊されて発生する破片の飛び出し等の問題や、装置側への被害を軽減させることができる。
本発明によれば、ターボ分子ポンプにおいてロータ破壊によって、ケーシングに加わる急停止トルクを低減することができる。
また、より詳細には、ケーシングに加わる急停止トルクのピーク値を低減することができる。
また、本発明によれば、ターボ分子ポンプのロータ破壊によってケーシングに付与される急停止トルクの低減を、簡易な部品構成によって実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のターボ分子ポンプの一構成例を説明するための図であり、図1(a)はターボ分子ポンプを吸気口側から見た平面図であり、図1(b)は断面図である。
ターボ分子ポンプ1は、ロータ2とステータ3とを備える。ロータ2は、吸気口側の上部において回転可能に支持された複数段のロータ翼2aと、排気口側の下部に設けられた円筒部材2bとを備える。また、ステータ3は、ロータ翼2aと交互に配置される複数段のステータ翼3aと、ロータ2の円筒部材2bを内周側で対向し、その対向面にネジ溝が形成されたネジステータ3bとを備える。
ロータ翼2aとステータ翼3aとは翼排気部を構成し、ロータ2の円筒部材2bとステータ3のネジステータ3bとはネジ溝排気部を構成する。ステータ翼部3aは、スペーサ5を介してケーシング5内に収納される。また、ステータ3は、ベース6に対してボルト8によって固定される。ロータ2をモータ9によって高速回転させると、ケーシング5の上部に設けられた吸気口側5aを真空排気し、翼排気部およびネジ溝排気部は真空排気して気体を圧縮し、ポンプ下部に設けられた排気口6aから排気する。なお、吸気口5aにはネット7が設けられ、ロータ翼2a内への異物の侵入を防止する。
ロータ2のロータ軸16は、磁気軸受11によってラジアル方向に非接触支持され、磁気軸受12によってスラスト方向に非接触支持される。ロータ軸16にはラジアル方向の変位を検出するためにギャップセンサ13が設けられ、スラスト方向の変位を検出するためにギャップセンサ14が設けられる。磁気軸受11、12は、ギャップセンサ13、14で検出したロータ軸16との距離を用いてフィードバック制御し、ロータ軸16を非接触で支持する。
また、ロータ軸16には保護ベアリング15が設けられる。保護ベアリング15は、磁気軸受11、12による磁気浮上が不調となった場合に、ロータ軸を支持してロータ軸がベース等の部材と直接に接触しないように保護する。
また、ケーシング5の吸気口5a側は吸気口フランジ5bを構成し、この吸気口フランジ5bによって外部装置に取り付けることができる。
ネジ溝排気部は、ロータ2の円筒部材2bとステータ3のネジステータ3bとによって構成され、円筒部材2bあるいはネジステータ3bの対向する面には、ネジ溝部21およびネジ溝部22が設けられる。以下では、ネジステータ3bの面には、ネジ溝部21およびネジ溝部22が設けられる例について説明する。
図2は、本発明のネジステータ3bを説明するための平面図である。ネジステータ3bは、ベース6に対してボルト8によって固定される。図2は、ベース6に固定される面を示している。ネジステータ3bの内周部分には、ロータ2の円筒部材2bと共にネジ溝排気部を構成するネジ溝部21およびネジ溝部22が形成され、一方、ネジステータ3bの外周部分にはベース6に固定するためのフランジ3cが設けられる。フランジ3cには、ベース6と固定するためのボルト8(図2には示していない)を通すためのボルト穴20が形成されている。このボルト穴20は、ネジステータ3bの円周方向の長穴であり、ネジステータ3bが回転することによって、ベース6に取り付けられたボルト8がこの長穴を円周方向に移動可能としている。
図3は、ネジステータ3bのボルト穴20内にボルト8を通した状態を示している。図3に示して状態は、ネジステータ3bをベース6に取り付けた初期状態であって、ロータの破損による急停止トルクによってネジステータ3bがベース6に対して回転移動する前の状態を示している。
この初期状態では、急停止トルクによってネジステータ3bがベース6に対して回転移動が可能となるように、ネジステータ3bのボルト穴20の一方の端部がボルト8の位置となる回転位置に取り付ける。つまり、ボルト穴20の長穴において、ネジステータ3bの回転方向の先端側にボルト8が位置するように取り付ける。これによって、急停止トルクが発生した場合には、ネジステータ3bはボルト穴20の長穴の円周方向の長さ分だけベース6に対して回転移動する。図4は、ネジステータ3bがベース6に対して回転し、ボルト穴20の長穴がボルト8に対して回転して状態を示している。
ネジステータ3bは、ボルト穴20の長穴の円周方向の長さ分だけ回転移動した後は、長穴の回転方向の先端部がボルト8と当接するため、それ以上は回転することはできず、ネジステータ3bの回転トルクは、当接したボルト8を介してベース6に伝達されるが、ボルト穴20を移動する時間分だけ急停止トルクのピーク値を下げることができる。
仮に、長穴の端部の位置関係を逆とし、長穴において、ネジステータ3bの回転方向の後端側にボルト8が位置するように取り付けた場合には、ネジステータ3bのボルト穴20の長穴の後端がボルト8と直ぐに接触するため、急停止トルクはベース6に時間をおくことなく直ぐに伝わるため、急停止トルクのピーク値は大きなままでベース6に伝達することになる。
次に、本発明のターボ分子ポンプが備える回転促進機構について、図5〜図7を用いて説明する。回転促進機構30は、ネジステータをベースに対して回転移動が可能な状態で固定する。長穴状のボルト穴20にボルト8が挿入された状態において、挿入されたボルト8がボルト穴20の長穴に沿って摺動可能とすることによって、ネジステータ3bがベース6に対して、長穴の周方向長さからボルト径を差し引いた長さ分だけ円周方向に回転可能とする。
回転促進機構30は、ネジステータ3bの長穴のフランジ上面に形成するテーパ部20aと、ワッシャ10側に設けられるテーパ部10aとで構成することができる。ネジステータ3b側に設けたテーパ部20aとワッシャ10側に設けたテーパ部10aとは対向し、その対向面は所定の抵抗を有した滑走面を形成する。ネジステータ3bに急停止トルクが加えられると、ネジステータ3bのテーパ部20aはワッシャ10側のテーパ部10aに沿って、所定の摩擦抵抗を受けながら移動し、ネジステータ3bをベース6に対して回転移動可能とする。
なお、テーパ部10aはワッシャ10の角部分の面をカットして面取りすることで形成することができ、また、テーパ部20aについてもネジステータ3bの長穴のフランジ上面をカットして面取りすることで形成することができる。
図5は、ネジステータ3b側に設けたテーパ部20aとワッシャ10側に設けたテーパ部10aを示している。また、図6は、図5中においてAで示す部分であって、円周方向の断面を示し、図7は、図5中においてBで示す部分であって、径方向の断面を示している。
図6(a)は、回転移動を行う前の状態を示し、図6(b)は、回転移動した後の状態を示している。図6において、ネジステータ3bはベース6に対して、図中のdで示す長さ分だけ回転移動が可能となる。図6(a)に示す回転移動前の状態では、ネジステータ3bは、そのボルト穴20の回転方向の先端(図中の左端)位置にある。この状態において、ネジステータ3bの急停止トルクが加わると、ネジステータ3bはベース6に対してdで示す長さ分だけ回転移動し、ネジステータ3bは、そのボルト穴20の回転方向の後端(図中の右端)位置に移動して、図6(b)に示す状態となる。
この回転移動において、ネジステータ3bのフランジ部分に形成したテーパ部20aは、ボルト8が通されたワッシャ10に形成したテーパ部10aに対して、ボルト穴20の長穴の長さ方向に摺動する。
次に、図8を用いて、ネジステータとベースとの組み立て時における円周方向の位置合わせについて説明する。図8において、ネジステータ3bのフランジ3c部分には、けがきやノット等によって位置合わせ用の合いマーク9を設ける。ネジステータ3bをベース上に取り付けて組み立てを行う際には、このフランジ3c部分に設けた合いマーク9を、ベースに設けた合いマーク(図示していない)に合わせる。これによって、ネジステータ3bをベースに対して所定位置に位置合わせすることができる。
また、ネジステータをベースに固定するためのボルト穴20は、図1中のCに示すように、ネジステータ3bのネジ溝排気部の上方位置とする他、ネジステータ3bのネジ溝排気部の下方位置において、図9中のDに示すようにロータの円筒部材2bよりも内側部分、あるいは、図9中のEに示すようにロータの円筒部材2bよりも外側部分としてもよい。
本発明のターボ分子ポンプの一構成例を説明するための図である。 本発明のネジステータを説明するための平面図である。 本発明のネジステータのボルト穴内にボルトを通した状態を示す図である。 本発明のネジステータがベースに対して回転し、ボルト穴がボルトに対して回転して状態を示す図である。 本発明のネジステータ側およびワッシャ側に設けたテーパ部を示す図である。 本発明のネジステータ側およびワッシャ側に設けたテーパ部を示す断面図である。 本発明のネジステータ側およびワッシャ側に設けたテーパ部を示す断面図である。 本発明のネジステータとベースとの組み立て時における円周方向の位置合わせを説明するための図である。 本発明のネジステータの固定位置を説明するための図である。 従来のターボ分子ポンプの一般的な構造を説明するための断面図である。 従来のネジステータの一般的な形状を説明するための図である。
符号の説明
1…ターボ分子ポンプ、2…ロータ、2a…ロータ翼、2b…円筒部材、3…ステータ、3a…ステータ翼、3b…ネジステータ、3c…フランジ、4…スペーサ、5…ケーシング、5a…吸気口、5b…吸気口フランジ、6…ベース、6a…吸気口、7…ネット、8…ボルト、9…モータ、10…ワッシャ、10a…テーパ部、11,12…磁気軸受、13,14…ギャップセンサ、16…ロータ軸、20…ボルト穴、20a…テーパ部、21…ネジ溝部、22…ネジ山部、30…回転促進機構、102…ロータ、102a…ロータ翼、103…ステータ、103a…ステータ翼、103b…ネジステータ、103c…フランジ、105…ケーシング、105a…吸気口側、105b…排気口、111…ボルト穴、112…ネジ溝部、113…ネジ山部。

Claims (4)

  1. 複数段のロータ翼部を有し、回転可能に支持されたロータと、
    前記ロータ翼と交互に配置されたステータ翼と、前記ロータの下部円筒部に近接して対向配置され、その対向面にネジ溝加工が施されたネジステータとを有するステータと、
    前記ロータおよびステータを内部に収納すると共に、上部に吸気口を有するケーシングと、下部に排気口を有するベースとを備えるターボ分子ポンプおいて、
    前記ネジステータは、当該ネジステータをベースにボルトで固定するためのボルト穴を少なくとも1つ備え、
    前記ボルト穴は、ネジステータの円周方向に長い長穴であることを特徴とする、ターボ分子ポンプ。
  2. 前記ボルトが前記長穴状のボルト穴に挿入された状態において、ボルトがボルト穴の長穴に沿って摺動可能とすることで、前記ネジステータが前記ベースに対して、前記長穴の周方向長さからボルト径を差し引いた長さ分だけ円周方向に回転可能とする回転促進機構を備え、前記ネジステータを前記ベースに対して回転可能に固定することを特徴とする請求項1に記載のターボ分子ポンプ。
  3. 前記回転促進機構は、
    前記ネジステータの長穴のフランジ上面に形成するテーパ部と、
    前記ボルトに取り付けられるワッシャに形成される、前記テーパ部と対向するテーパ部とで構成されることを特徴とする、請求項2に記載のターボ分子ポンプ。
  4. 前記ネジステータおよび前記ベースの両方に、円周方向の位置合わせ用の合いマークを備えることを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載のターボ分子ポンプ。
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