JP2007535297A5 - - Google Patents

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連結ペプチドを含む改変された結合分子
(関連出願)
本出願は、2003年6月27日提出の発明の名称が「ポリペプチドの精製および優先的合成」であるUSSN60/483877号および2003年10月3日提出の発明の名称が「抗原結合ポリペプチドの精製および優先的合成」であるUSSN60/508,810号の優先権を主張する。本出願はまた、2003年10月28日提出の発明の名称が「連結ペプチドを含む修飾抗体分子」であるUSSN60/515,351号および2003年10月30日提出の発明の名称が「連結ペプチドを含む修飾抗体分子」であるUSSN60/516,030号の優先権を主張する。本出願はまた、2004年6月28日提出の発明の名称が「結合ポリペプチドの精製および優先的合成」であるUSSNXX/XXXXXX号に関連する。これらの出願の内容は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
(発明の背景)
抗体は二量体分子であり、二量体を構成する各単量体は1つの軽鎖および1つの重鎖を含む。抗体分子溶液は、ヒンジ不均一性に関連する2つの形態で存在する。精製Mab(MAb)のSDS−PAGE分析を使用して、典型的には、2つの形態は、2つのタンパク質バンド(主要なバンド(分子量約150〜160kDa)および主要でないバンド(分子量約75〜80kDa))として認められる。この後者の形態は、典型的には、精製IgG4調製物のSDS−PAGE分析後に認められるが、全てのIgGアイソタイプ(精製組換えMAbが含まれる)においてはるかに低頻度で同定することができる(非特許文献1;非特許文献2)。A型と呼ばれるより高い分子量のアイソタイプは、239位および242位(Kabatナンバリングシステム)(EUナンバリングシステムでは226位および229位)に対応する位置に共有結合性鎖間ジスルフィド結合を含む(非特許文献3)。非還元SDS−PAGE電気泳動で認められた75〜80kDaによって証明されるように、第2のアイソフォームであるB型は、2つの重鎖間に共有結合を含まず、かつ2つの隣接システイン残基間に鎖間ジスルフィド結合を含まないと考えられる。B型の2つの重鎖は、おそらく分子のCH3ドメインと会合した強固な非共有(例えば、イオン)相互作用によって連結している。これらのA型とB型との混合物は、インタクトなヒンジを含むがCH3ドメインを欠くMAbフラグメント(例えば、F(ab)フラグメントなど)の溶液中に存在しない。典型的には、遺伝子操作されたか酵素消化されたF(ab)MAb調製物は、分子が非共有相互作用(例えば、水素結合)の維持に必要なドメインを欠くため、B型を欠く。しかし、これらはCH3ドメインを含むMAb調製物(例えば、IgG4)、CH2ドメイン欠失MAbフラグメント(特許文献1などに記載)、およびミニボディ(minibody)(非特許文献4など)中に存在する。
タンパク質工学技術の治療抗体デザインへの適用によっても変化(いくつかの場合、力学的作用、生体分布、および活性プロフィールの改善)が示された多数の抗体形式が産生された。ヒンジ領域中のシステイン残基数が、1つのジスルフィド結合を形成することのみが必要である抗体分子のアセンブリを促進するために1つに減少させられた、いくつかの変化した抗体分子が作製されている。これはまた、ヒンジ領域の別のヒンジ領域またはエフェクター分子もしくはレポーター分子のいずれかへの結合のための特異的標的を提供する(特許文献2)。抗体ヒンジ中のシステイン残基数も増加している(特許文献2)。IgG1ヒンジ領域およびCH2ドメインがヒトIgG3ヒンジ領域に置換された他の変異抗体を構築した(特許文献3)。これらの分子は、チオール基を介した複数のハプテンの置換のための11個のスルフヒドリル基を含む。
CH2ドメイン欠失抗体の分子量は約120kDaであり、全長IgGよりも有意に良好に腫瘍に浸透することが示されている。CH2ドメインも欠失しているミニボディは、類似の特徴を有する。これらのドメイン欠失分子は、F(ab)’などの他のMAbフラグメントよりも有効に腫瘍部位に蓄積するが、インタクトなIgG抗体を使用して認められる好ましくない薬力学プロフィールがない。CH2ドメイン欠失抗体は、VLCL軽鎖ドメインおよびVH1重鎖ドメインならびにCH3ドメインと(直接または修飾ペプチドスペーサーを介して)遺伝子上融合したヒンジ領域(例えば、上部または中央のヒンジ)の一部からなる。例として、組換えCH2ドメイン欠失ddCC49(種々のヒト癌腫上で発現する腫瘍関連TAG72抗原を認識するドメイン欠失抗体)の生合成により、細胞培養物中で約50:50の分布比でAアイソフォームおよびBアイソフォームが産生される。CH2ドメイン欠失抗体(例えば、四価CH2ドメイン欠失抗体、ミニボディ、または四価ミニボディ)の別の形態を発現するように操作された細胞もAおよびBアイソフォームおよび/または単量体性半量体(monomeric half−mer)分子からなる混合物も発現する。
A型およびB型は、同一アミノ酸から構成され、それにより同一の分子量ならびに類似の物理的および化学的性質を有するため、MAb精製後でさえも分離が極めて困難である。これら、組換えMAbタンパク質を含む抗体分子を精製するために典型的に使用される標準的なゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィ、またはイオン交換クロマトグラフィによって分離することができない。現在の製造プロセスでは、産生された全抗体の少なくとも50%が破棄され、総収率に悪影響を与えている。さらに、2つのアイソフォームの存在により、後処理プロセスに必要な労力が増大する。したがって、A型とB型の分離方法または抗体の一方または他方の形態の生合成の増大が非常に有益である。
02/060955 A2 米国特許第5,677,425号明細書 国際公開第97/11370号パンフレット Angalら、「Mol.Immunol.」、1993、30:105 Norderhaugら、「Eur.J.Immunol.」、1990、21:2370 Kabat,E,Wu,TT,Perry,HM,Gottesman,KS,Foeller,C、「Sequences of Proteins of Immunological Interest.Bethesda」、US Department of Health and Human Services、NIH、1991 Huら、「Cancer Research」、1996、56:3055
(発明の要旨)
本発明は、少なくとも一部が、異なるアイソフォーム(分子画分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合した2つの重鎖部分(A型)を含み、分子の一部が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しない2つの重鎖部分(B型)を含む、2つの重鎖部分を含む分子)を含む二量体ポリペプチド分子の混合物を含む組成物において、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィを使用した分離またはA型もしくはB型が優先的に生合成される合成連結ペプチドの封入によって一方の形態または他方の形態を優先的に得ることができるという所見に基づく。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は四価である。本発明の連結ペプチドを、A型およびB型の両方を形成する傾向がある任意の二量体分子(例えば、抗体分子、ドメイン欠失抗体分子(例えば、CH2ドメインの全部または一部を欠く)、ミニボディ、二重特異性抗体、融合タンパク質など)に含めることができる。好ましい実施形態では、A型の形成が増強される。
別の実施形態では、本発明は、少なくとも4つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を含むポリペプチド二量体を含む組成物において、前記少なくとも2つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含み、約50%を超える前記二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する組成物に関する。
別の実施形態では、約90%を超える二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している。
別の実施形態では、少なくとも1つのポリペプチド鎖は、連結ポリペプチドを介してVLドメイン、VHドメイン、またはCH1ドメインに結合したCH3ドメインを含む。
別の実施形態では、ポリペプチド鎖は、CH2ドメインの全てまたは一部を欠く。
別の実施形態では、二量体は、2つまたはそれ以上の鎖間ジスルフィド結合を介して結合している。
別の実施形態では、重鎖部分は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4からなる群から選択されるアイソタイプの抗体に由来する。
別の実施形態では、重鎖部分は、γ1ヒンジ、γ2ヒンジ、γ3ヒンジ、およびγ4ヒンジからなる群から選択されるヒンジ領域に由来するアミノ酸配列を含む。
別の実施形態では、分子は二重特異性である。
別の実施形態では、分子は、可溶性リガンドに特異的な少なくとも1つの結合部位を含む。
別の実施形態では、分子は、細胞表面分子に特異的な少なくとも1つの結合部位を含む。
別の実施形態では、分子は、腫瘍細胞抗原に特異的な2つの結合部位およびプロドラッグに特異的な2つの結合部位を含む。
別の実施形態では、プロドラッグに特異的な結合部位は触媒性を示す。
別の実施形態では、合成連結ペプチドが、243位(Kabatナンバリングシステム)にプロリン残基を含む。
別の実施形態では、合成連結ペプチドは、244位(Kabatナンバリングシステム)にアラニン残基および245位(Kabatナンバリングシステム)にプロリン残基をさらに含む。
別の実施形態では、重鎖部分はキメラヒンジを含む。
別の実施形態では、合成連結ペプチドは、IgG1ヒンジドメインの少なくとも一部、IgG3ヒンジドメインの少なくとも一部を含む。
別の実施形態では、連結ペプチドは、配列番号8〜15および48からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
第2の態様では、本発明は、異なるアイソフォームを含む二量体ポリペプチド分子の混合物を含む組成物を治療されるように被験体に投与する工程であって、ここで、一方のアイソフォームまたは他方のアイソフォームが優先的に得られる工程を含む、抗原結合分子を使用した治療の恩恵を受ける被験体の治療方法を提供する。
1つの実施形態では、被験体は癌を罹患している。
別の実施形態では、被験体はリンパ腫を罹患している。
別の実施形態では、被験体は自己免疫疾患または障害を罹患している。
別の実施形態では、被験体は炎症性疾患または障害を罹患している。
第3の態様では、本発明は、一方の形態または他方の形態を優先的に得ることができるように、異なるアイソフォームを含むポリペプチド分子をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子(分子の画分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合した2つの重鎖部分を含み(A型)、分子の一部が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しない2つの重鎖部分を含む(B型)2つの重鎖部分を含む分子)を提供する。
1つの実施形態では、ポリペプチド二量体が4つのポリペプチド鎖を含み、そのポリペプチド鎖のうちの2つが少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含む。
別の実施形態では、核酸分子は、図8Bに示すヌクレオチド配列(配列番号17)を含む。
別の実施形態では、核酸分子は、図8Cに示すヌクレオチド配列(配列番号18)を含む。
別の実施形態では、核酸分子は、図10Bに示すヌクレオチド配列(配列番号23)を含む
別の実施形態では、核酸分子は、図12Aに示すヌクレオチド配列(配列番号26)を含む。
別の実施形態では、核酸分子は、図12Bに示すヌクレオチド配列(配列番号27)を含む。
別の実施形態では、核酸分子は、図14に示すヌクレオチド配列(配列番号30)を含む
別の実施形態では、核酸分子は、図15に示すヌクレオチド配列(配列番号31)を含む。
別の実施形態では、核酸分子はベクター中に存在する。さらに別の実施形態では、そのベクターは宿主細胞中に存在する。
第4の態様では、本発明は、一方の形態または他方の形態を優先的に得ることができるように、異なるアイソタイプを含むポリペプチド分子をコードするアミノ酸配列を含む結合分子(分子の画分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合した2つの重鎖部分を含み(A型)、分子の一部が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しない2つの重鎖部分を含む(B型)2つの重鎖部分を含む分子)を提供する。
1つの実施形態では、結合分子は、図9Bのアミノ酸配列(配列番号20)を含む
別の実施形態では、結合分子は、配列番号21のアミノ酸配列を含む
別の実施形態では、結合分子は、図11Bのアミノ酸配列(配列番号25)を含む。
別の実施形態では、結合分子は、図13Aのアミノ酸配列(配列番号28)を含む
別の実施形態では、結合分子は、図13Bのアミノ酸配列(配列番号29)を含む。
別の実施形態では、結合分子は、図16のアミノ酸配列(配列番号32)を含む。
別の実施形態では、結合分子は、図17のアミノ酸配列(配列番号33)を含む。
第5の態様では、本発明は、一方の形態または他方の形態を優先的に得ることができ、前記結合部位が、抗原結合部位、受容体のリガンド結合部分、およびリガンドの受容体結合部分からなる群から個別に選択される、異なるアイソフォームを含む二量体ポリペプチド分子(分子の画分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合した2つの重鎖部分を含み(A型)、分子の一部が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しない2つの重鎖部分を含む(B型)2つの重鎖部分を含む分子)の混合物を含む組成物を提供する。
1つの実施形態では、ポリペプチド鎖は、2B8、Lym 1、Lym 2、LL2、Her2、B1、MB1、BH3、B4、B72.3、CC49、5E8、B3F6、および5E10からなる群から選択される抗体に由来する少なくとも1つの結合部位を有する。
別の実施形態では、ポリペプチド二量体は四価のミニボディ分子である
別の実施形態では、ポリペプチド二量体は四価ドメイン欠失抗体分子である。
別の実施形態では、ポリペプチド二量体は二重特異性抗体である。
第6の態様では、本発明は、2つのポリペプチド鎖を含むミニボディ分子を含む組成物において、前記ポリペプチド鎖が重鎖部分および合成連結ペプチドを含み、前記ポリペプチド鎖がCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、約50%を超える前記分子が、ポリペプチド鎖の1つが少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する形態で存在する組成物を提供する。
1つの実施形態では、約90%を超える二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している。
別の実施形態では、少なくとも1つのポリペプチド鎖は、連結ペプチドを介してVLドメイン、VHドメイン、またはCH1ドメインに遺伝子上融合したCH3ドメインを含む。
別の実施形態では、ポリペプチド鎖は全CH2ドメインを欠く。
別の実施形態では、二量体は2つまたはそれ以上の鎖間ジスルフィド結合を介して結合している。
別の実施形態では、重鎖部分は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4からなる群から選択されるアイソタイプの抗体に由来する。
別の実施形態では、重鎖部分は、γ1ヒンジ、γ2ヒンジ、γ3ヒンジ、およびγ4ヒンジからなる群から選択されるヒンジ領域に由来するアミノ酸配列を含む。
別の実施形態では、結合部位は、抗原結合部位、受容体のリガンド結合部分、およびリガンドの受容体結合部分からなる群から個別に選択される。
別の実施形態では、分子は二重特異性である。
別の実施形態では、連結ペプチドは、243位(Kabatナンバリングシステム)にプロリン残基を含む。
別の実施形態では、合成連結ペプチドはキメラヒンジを含む。
別の実施形態では、合成連結ペプチドは、IgG1ヒンジドメインの少なくとも一部、IgG3ヒンジドメインの少なくとも一部を含む。
第7の態様では、本発明は、2つのポリペプチド鎖を含むミニボディ分子を含む組成物を治療されるように被験体に投与する工程を含む、抗原結合分子を使用した治療の恩恵を受ける被験体の治療方法において、前記ポリペプチド鎖が重鎖部分および合成連結ペプチドを含み、前記ポリペプチド鎖がCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、約50%を超える分子が、1つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する形態で存在する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、重鎖部分および合成連結ペプチドを含むポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子において、前記ポリペプチド鎖がCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、約50%を超える前記分子が、1つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する形態で存在する核酸分子を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、少なくとも4つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を有するポリペプチド二量体を含む組成物において、前記少なくとも2つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの重鎖部分を含み、かつCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、50%を超える前記ポリペプチド二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する組成物を提供する。
(発明の詳細な説明)
ヒト免疫グロブリン(Ig)(モノクローナル抗体(MAb)が含まれる)は、ヒンジの異種性に関連する2つの形態で存在し得る。天然の溶液では、これらの両形態は二量体タンパク質(各単量体は1つの重鎖および1つの軽鎖を含む)として存在する。一方の免疫グロブリン分子は、二量体が鎖間重鎖ジスルフィド結合によってつなぎ合わされた約150〜160kDaの安定な四鎖構築物を含み(A型)、他方は二量体が鎖間ジスルフィド結合を介して結合していない形態を含む(B型)。B型はまた天然条件下で安定な二量体を形成するが、変性非還元条件下で同定することができ、重鎖の解離によって75〜80kDaの分子が得られる。これらの形態は、MAbアフィニティ精製後でさえも分離が極めて困難である。
種々のインタクトなIgGアイソタイプ中のB型の出現頻度は、MAb分子のヒンジ領域のアイソタイプに関連する構造の相違に起因するが、これに限定されない。実際、ヒトIgG4ヒンジのヒンジ領域中の1アミノ酸置換によって、Bの出現ヒトIgG1ヒンジを使用して典型的に認められるレベルに有意に減少させ得る(Angal et al.1993.Molecular Immunology 30:105)。しかし、CH3ドメインが保持されるMAbフラグメントへのこの同一のアミノ酸置換の適用によって、調製物からB型は消失しなかった。典型的には、細胞培養物中で産生された全ての組換えCH2ドメイン欠失抗体により、ヒンジ中の類似の分子変異を介して修正されないヒンジの不均一性がしばしば得られる。
本発明は、例えば、第1および第2のポリペプチドが少なくとも2つのポリペプチド鎖を含み、少なくとも2つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの重鎖部分を含む、第2の二量体ポリペプチドからの第1の二量体ポリペプチドの分離方法の提供によって最先端技術に発展させる。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドはCH2ドメインの全てまたは一部を欠く。単量体は少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しており(本明細書中で「A型」という)、第2のポリペプチドの単量体は少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合していない(本明細書中で「B型」という)。これらの形態を、疎水性相互作用クロマトグラフィを使用して互いに分離することができる。さらに、本発明は、連結ペプチドを含むポリペプチドに関する。一定の連結ペプチドを含めることにより、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合するか少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合しないポリペプチド鎖を含むポリペプチド二量体が優先的に生合成される。
本発明のさらなる説明の前に、便宜上、一定の用語を以下で説明する。
(定義)
本発明のポリペプチドは、標的分子(抗原または結合パートナー)と特異的に結合する結合部位を含む少なくとも1つの結合ドメインを含む結合分子(すなわち、ポリペプチド分子またはこれらをコードする核酸分子)である。例えば、1つの実施形態では、本発明の結合分子は、免疫グロブリン抗原結合部位またはリガンド結合を担う受容体分子の一部、または受容体結合を担うリガンド分子の一部を含む。本発明の結合分子は、ポリペプチドまたはこれらをコードする核酸分子である。
1つの実施形態では、結合分子は、少なくとも2つの結合部位を含む。1つの実施形態では、結合分子は、2つの結合部位を含む。1つの実施形態では、結合分子は3つの結合部位を含む。別の実施形態では、結合分子は4つの結合部位を含む。
本発明のポリペプチドは多量体である。例えば、1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは二量体である。1つの実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一の単量体サブユニットを含むホモ二量体である。別の実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一でない単量体サブユニットを含むヘテロ二量体である。二量体のサブユニットは、1つまたは複数のポリペプチド鎖を含み得る。例えば、1つの実施形態では、二量体は少なくとも2つのポリペプチド鎖を含む。1つの実施形態では、二量体は2つのポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、二量体は、4つのポリペプチド鎖を含む(例えば、抗体分子の場合)。
本発明のポリペプチドは、免疫グロブリンドメイン由来の少なくとも1つのアミノ酸配列を含む。指定されたタンパク質「に由来する」ポリペプチドまたはアミノ酸配列は、ポリペプチドの起源をいう。好ましくは、特定の出発ポリペプチドまたはアミノ酸配列由来のポリペプチドまたはアミノ酸配列は、出発配列または少なくとも10〜20個のアミノ酸、好ましくは少なくとも20〜30個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも30〜50個のアミノ酸からなるか当業者によって出発配列中にその起源を有することが同定可能なその一部と本質的に同一のアミノ酸配列を有する。
好ましい結合ポリペプチドは、ヒトアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を含む。しかし、結合ポリペプチドは、別の哺乳動物種由来の1つまたは複数のアミノ酸を含み得る。例えば、霊長類の重鎖部分、ヒンジ部分、または結合部位を、被験体中の結合ポリペプチドおよび/または連結ポリペプチドに含めることができる。あるいは、1つまたは複数のマウスアミノ酸は、結合ポリペプチド(例えば、結合分子の抗原結合部位)中に存在することができる。本発明の好ましい結合分子は、免疫原性ではない。
本発明の結合分子(例えば、被験者のポリペプチドの重鎖部分もしくは軽鎖部分または結合部分)をこれらが由来する天然に存在する免疫グロブリン分子とアミノ酸配列が異なるように修飾することができることも当業者に理解される。例えば、保存的置換または「非必須」アミノ酸残基の変化を行うヌクレオチドまたはアミノ酸の置換を行うことができる。
免疫グロブリン由来のポリペプチド(例えば、免疫グロブリンの重鎖部分または軽鎖部分)の非天然変異型をコードする単離核酸分子を、1つまたは複数のアミノ酸の置換、付加、または欠失がコードされたタンパク質に導入されるような免疫グロブリンのヌクレオチド配列への1つまたは複数のヌクレオチドの置換、付加、または欠失によって作製することができる。変異は、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発などの標準的な技術によって導入することができる。好ましくは、1つまたは複数の非必須アミノ酸残基において保存的アミノ酸置換を行う。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基と置換されることである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは当該分野で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、免疫グロブリンポリペプチド中の非必須アミノ酸残基を、同一の側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基と置換することが好ましい。別の実施形態では、アミノ酸の鎖を、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または組成が異なる類似の構造の鎖と置換することができる。
あるいは、別の実施形態では、飽和変異誘発などによって免疫グロブリンコード配列の全部または一部に無作為に変異を導入することができ、得られた変異体を本発明のポリペプチドに組み込み、所望の抗原に結合する能力についてスクリーニングすることができる。
本明細書中で使用される、用語「重鎖部分」は、免疫グロブリン重鎖由来のアミノ酸配列を含む。重鎖部分を含むポリペプチドは、少なくとも1つのCH1ドメイン、ヒンジ(例えば、上部、中央、および/または下部のヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはその変異型もしくはフラグメントを含む。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、およびCH2ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH1ドメインおよびCH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH1ドメイン、ヒンジドメインの少なくとも一部、およびCH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH3ドメインを含むポリペプチド鎖を含む。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、CH2ドメインの少なくとも一部(例えば、CH2ドメインの全てまたは一部)を欠く。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、完全なIg重鎖を含む。上記のように、これらのドメイン(例えば、重鎖部分)を天然に存在する免疫グロブリン分子とアミノ酸配列が異なるように修飾することができることが当業者に理解される。
1つの実施形態では、本発明の結合分子の少なくとも2つのポリペプチド鎖は、抗体または免疫グロブリン分子由来の少なくとも1つの重鎖部分を含む。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドの少なくとも2つの重鎖部分は、異なるポリペプチド鎖上に存在し、例えば、少なくとも1つのジスルフィド結合(A型)または非共有結合性相互作用(B型)を介して相互作用して二量体ポリペプチド(二量体の各単量体は少なくとも1つの重鎖部分を含む)を形成する。
1つの実施形態では、二量体の一つのポリペプチド鎖の重鎖部分は、二量体の第2のポリペプチド鎖の重鎖部分と同一である。1つの実施形態では、本発明の二量体の単量体(または半量体)は、互いに同一である。別の実施形態では、これらは同一ではない。例えば、各単量体は異なる標的結合部位を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の二量体は、共有結合性相互作用(例えば、ジスルフィド結合)によってつなぎ合わされている。1つの実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数のジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは2つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは3つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは4つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは5つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは6つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは7つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは8つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは9つのジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。別の実施形態では、本発明の二量体は1つまたは複数、好ましくは10個のジスルフィド結合によってつなぎ合わされている。さらなる実施形態では、本発明の二量体はジスルフィド結合によってつなぎ合わされていないが、例えば、共有結合性相互作用によってつなぎ合わされている。
本発明のポリペプチドの重鎖部分は、異なる免疫グロブリン分子に由来し得る。例えば、ポリペプチドの重鎖部分は、IgG1分子由来のCH1ドメインおよびIgG3分子由来のヒンジ領域を含み得る。別の例では、重鎖部分は、一部がIgG1分子に由来し、一部がIgG3分子に由来するヒンジ領域を含み得る。別の例では、重鎖部分は、一部がIgG1分子に由来し、一部がIgG4分子に由来するキメラヒンジを含み得る。本明細書中で使用される、用語「軽鎖部分」は、免疫グロブリン軽鎖由来のアミノ酸配列を含む。好ましくは、軽鎖部分は、少なくとも1つのVLドメインまたはCLドメインを含む。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、Ig分子に由来しないアミノ酸配列または1つまたは複数の部分を含む。例示的修飾を、以下により詳細に記載する。例えば、1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、可撓性リンカー配列を含み得る。別の実施形態では、機能的部分(例えば、PEG、薬物、または標識)を付加するためにポリペプチドを修飾することができる。
1つの実施形態では、本発明の結合ポリペプチドは融合タンパク質である。融合タンパク質は、少なくとも1つの標的結合部位および少なくとも1つの重鎖部分を含む結合ドメインを含むキメラ分子である。1つの実施形態では、融合タンパク質は、合成連結ペプチドをさらに含む。
「キメラ」タンパク質は、事実上天然に結合していない第2のアミノ酸配列に結合した第1のアミノ酸配列を含む。そのアミノ酸配列は、通常、融合ポリペプチド中に集まった個別のタンパク質中に存在し得るか、通常、同一タンパク質中に存在するが融合ポリペプチド中で新規の配置で存在する。例えば、化学合成またはペプチド領域が所望の関係でコードされるポリヌクレオチドの作製および翻訳によってキメラタンパク質を作製することができる。例示的キメラポリペプチドには、本発明の融合タンパク質およびキメラヒンジ連結ペプチドが含まれる。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに適用される、用語「異種」は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが比較される残りの物質と遺伝的に異なる部分に由来することを意味する。例えば、異種ポリヌクレオチドまたは抗原は、異なる種の起源、異なる細胞型、または異なる個体の同一の細胞型に由来し得る。
本明細書中で使用される、用語「リガンド結合ドメイン」または「受容体のリガンド結合部分」は、任意の天然の受容体(例えば、細胞表面受容体)または少なくとも質的リガンド結合能力、好ましくは対応する天然の受容体の生物活性を保持するその任意の領域もしくは誘導体をいう。
本明細書中で使用される、用語「受容体結合ドメイン」または「リガンドの受容体結合部分」は、任意の天然のリガンドまたは少なくとも質的受容体結合能力、好ましくは対応する天然のリガンドの生物活性を保持するその任意の領域もしくは誘導体をいう。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は融合タンパク質である。本発明の融合タンパク質は、結合ドメイン(少なくとも1つの結合部位を含む)および二量体化ドメイン(少なくとも1つの重鎖部分を含む)を含むキメラ分子である。重鎖部分は、任意の免疫グロブリン(IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4サブタイプ、IgA、IgE、IgD、またはIgMなど)に由来し得る。
本発明の別の実施形態では、結合分子は、「抗体−融合タンパク質キメラ」である。このような分子は、抗体の少なくとも1つの結合ドメインと少なくとも1つの融合タンパク質とを組み合わせた分子を含む。好ましくは、2ポリペプチド間の界面は、免疫グロブリン分子のCH3ドメインである。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、「抗体」または「免疫グロブリン」分子(例えば、天然に存在する抗体もしくは免疫グロブリン分子または抗体分子と類似の様式で抗原に結合する遺伝子操作抗体分子)である。本明細書中で使用される、用語「免疫グロブリン」は、任意の関連する特異的免疫反応性の有無を問わず2つの重鎖と2つの軽鎖との組み合わせを有するポリペプチドを含む。「抗体」は、目的の抗原(例えば、腫瘍関連抗原)に対して有意な公知の特異的免疫反応活性を有するこのようなアセンブリをいう。抗体および免疫グロブリンは、その間に鎖間共有結合を有するか有さない軽鎖および重鎖を含む。脊椎動物系における基本的な免疫グロブリン構造は比較的十分に理解されている。
以下でより詳細に考察されているように、一般的用語「免疫グロブリン」は、生化学的に区別することができる5つの異なる抗体クラスを含む。5つ全ての抗体クラスは明確に本発明の範囲内であり、以下の考察は、一般に、免疫グロブリン分子のIgGクラスに関する。IgGに関して、免疫グロブリンは、分子量が約23,000ダルトンの2つの同一の軽鎖ポリペプチド鎖および分子量が53,000〜70,000の2つの同一の重鎖を含む。4つの鎖はジスルフィド結合によって「Y」配置に結合し、軽鎖と重鎖がひとくくりになっており、「Y」の入り口部から始まって可変領域まで続いている。
軽鎖および重鎖は共に構造的および機能的な相同性領域に分割されている。用語「定常」および「可変」を機能的に使用する。これに関して、軽鎖部分(VL)および重鎖部分(VH)の両方の可変ドメインが抗原認識および特異性を決定することが認識される。逆に、軽鎖(CL)および重鎖(CH1、CH2、またはCH3)の定常ドメインは、分泌、経胎盤移動性、Fc受容体結合、および補体結合などの重要な生物学的性質を付与する。慣例により、定常領域ドメインのナンバリングは、抗体の抗原結合部位またはアミノ末端から遠くなるほど増加する。N末端は可変領域であり、C末端は定常領域であり、CH3およびCLドメインは実際はそれぞれ重鎖および軽鎖のカルボキシ末端を含む。
軽鎖はカッパまたはガンマ(κ、λ)に分類される。各重鎖クラスを、κまたはλ軽鎖のいずれかと結合することができる。一般に、軽鎖および重鎖は互いに共有結合し、2つの重鎖の「テール」部分は、免疫グロブリンがハイブリドーマ、B細胞、または遺伝子操作宿主細胞のいずれかによって生成された場合、共有結合性ジスルフィド結合および非共有結合性によって互いに結合している。重鎖では、アミノ酸配列は、Y形状のフォーク形の末端のN末端から各鎖の下のC末端まで伸びている。当業者は、重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロン(γ、μ、α、δ、ε)として分類され、これらにはいくつかのサブクラス(例えば、γ1〜γ4)が存在することを認識している。この鎖の性質によって抗体の「クラス」がそれぞれIgG、IgM、IgA、IgG、またはIgEに決定される。免疫グロブリンサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgAなど)は十分に特徴づけられており、機能的特異性を付与することが公知である。当業者は本開示を考慮してこれらの各クラスおよびアイソタイプの修飾異形(version)を容易に識別可能であるため、これらは本発明の範囲内である。
上記のように、可変領域により、抗体は抗原上のエピトープを選択的に認識して特異的に結合することが可能である。すなわち、抗体のVドメインとVドメインとを組み合わせて三次元抗原結合部位を定義する可変領域を形成する。この四要素抗体構造は、Yの各アームの末端に存在する抗原結合部位を形成する。より詳細には、抗原結合部位は、各V鎖およびV鎖上の3つの補体決定領域(CDR)によって定義される。
本明細書中で使用される、用語「結合部位」または「結合ドメイン」は、目的の標的分子(例えば、抗原、リガンド、受容体、基質、またはインヒビター)への選択的結合を担うポリペプチド領域を含む。例示的結合ドメインには、抗体可変ドメイン、リガンドの受容体結合ドメイン、受容体のリガンド結合ドメイン、または酵素ドメインが含まれる。
1つの実施形態では、結合分子は、減少または消失のために標的化される分子(例えば、細胞表面抗原または可溶性抗原)に特異的な少なくとも1つの結合部位を有する。
好ましい実施形態では、結合ドメインは抗原結合部位である。抗原結合部位は、あるポリペプチドが別のポリペプチドへ変化する可変領域によって形成される。本発明のポリペプチドは、少なくとも2つの抗原結合部位を含む。本明細書中で使用される、用語「抗原結合部位」には、抗原(例えば、細胞表面または可溶性抗原)と特異的に結合する(免疫反応する)部位が含まれる。抗原結合部位には、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の可変領域が含まれ、これらの可変領域によって形成された結合部位が抗体の特異性を決定する。1つの実施形態では、本発明の抗原結合分子は、抗体分子の少なくとも1つの重鎖または軽鎖CDR(例えば、その配列は当該分野で公知であるか本明細書中に記載されている)を含む。別の実施形態では、本発明の抗原結合分子は、1つまたは複数の抗体分子由来の少なくとも2つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の抗原結合分子は、1つまたは複数の抗体分子由来の少なくとも3つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の抗原結合分子は、1つまたは複数の抗体分子由来の少なくとも4つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の抗原結合分子は、1つまたは複数の抗体分子由来の少なくとも5つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の抗原結合分子は、1つまたは複数の抗体分子由来の少なくとも6つのCDRを含む。本発明の抗原結合分子に含めることができる少なくとも1つのCDRを含む例示的抗体分子は当該分野で公知であり、例示的分子を本明細書中に記載する。
本明細書中に開示の2つの重鎖部分を含むポリペプチドを結合させて2つの会合したYを形成し、それによって「四価」分子を形成する4つの結合部位が存在する(例えば、WO02/096948A2を参照のこと)。別の実施形態では、四価ミニボディまたはドメイン欠失抗体を作製することができる。
用語「特異性」は、所与の標的と特異的に結合する(例えば、免疫反応する)潜在的な結合部位数を含む。ポリペプチドは単一特異的であって標的と特異的に結合する1つまたは複数の結合部位を含み得るか、ポリペプチドは多特異的であって同一または異なる標的と特異的に結合する2つまたはそれ以上の結合部位を含み得る。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、二重特異性分子(例えば、1つを超える分子(例えば、1つを超える抗原または同じ抗原上の1つを超えるエピトープ)に結合特異性を有する抗体、ミニボディ、ドメイン欠失抗体、または融合タンパク質)である。1つの実施形態では、二重特異性分子は、減少または消失のためにターゲティングされた分子に特異的な少なくとも1つの標的結合部位および細胞上のターゲティング分子を有する。別の実施形態では、二重特異性分子は、減少または消失のためにターゲティングされた分子に特異的な少なくとも1つの標的結合部位および薬物に特異的な少なくとも1つ標的結合部位を有する。さらに別の実施形態では、二重特異性分子は、減少または消失のためにターゲティングされた分子に特異的な少なくとも1つの標的結合部位およびプロドラッグに特異的な少なくとも1つの標的結合部位を有する。好ましい実施形態では、二重特異性分子は1つの標的に特異的な2つの標的結合部位および第2の標的に特異的な2つの標的結合部位を有する四価抗体である。四価二重特異性分子は、各特異性について二価であり得る。二重特異性分子を以下でさらに説明する。
本明細書中で使用される、用語「価数」は、ポリペプチド中の潜在的標的結合部位数をいう。各標的結合部位は、標的分子上の1つの標的分子または特異的部位と特異的に結合する。ポリペプチドが1つを超える標的結合部位を含む場合、各標的結合部位は、同一または異なる分子と特異的に結合し得る(例えば、異なるリガンドもしくは異なる抗原または同一抗原上の異なるエピトープに結合することができる)。
天然に存在する抗体では、抗体は水性環境でその三次元形状を呈するように、各単量体抗体上に存在する6つのCDRは、抗原結合部位を形成するように特異的に配置された短い不連続なアミノ酸配列である。残りの重鎖および軽鎖可変ドメインは、アミノ酸配列中での分子内可変性が低く、フレームワーク領域と呼ばれる。フレームワーク領域は、大部分がβシート配座を取り、CDRはβシート構造に連結し、いくつかの場合、その一部を形成するループを形成する。したがって、これらのフレームワーク領域は、鎖間非供給結合性相互作用によって正確な方向で6つのCDRを配置する足場を形成するように作用する。配置されたCDRによって形成された抗原結合部位は、免疫反応性抗原上のエピトープに相補的な表面を定義する。この相補性表面は、免疫反応性抗原エピトープへの抗体の非共有結合を促進する。当業者は、CDRの位置を容易に同定することができる。
前述のように、種々の免疫グロブリンクラスの定常領域のサブユニット構造および三次元形状は周知である。本明細書中で使用される、用語「VHドメイン」には、免疫グロブリン重鎖のアミノ末端可変ドメインが含まれ、用語「CH1ドメイン」には、免疫グロブリン重鎖の第1の(ほとんどのアミノ末端)定常領域ドメインが含まれる。CH1ドメインはVHドメインに隣接し、免疫グロブリン重鎖分子のヒンジ領域に対してアミノ末端側に存在する。
本明細書中で使用される、用語「CH2ドメイン」には、例えば、従来のナンバリングスキームを使用して抗体の残基約244〜残基360(Kabatナンバリングシステムでは残基244〜360、EUナンバリングシステムでは残基231〜340(Kabat EA et al.Sequences of Proteins of Immunological Interest.Bethesda,US Department of Health and Human Services,NIH.1991))に及ぶ重鎖分子の一部が含まれる。別のドメインと密接に対合しないという点でCH2ドメインは独特である。むしろ、2つのN結合分岐炭水化物鎖は、インタクトな天然のIgG分子の2つのCH2ドメインの間に介入する。また、CH3ドメインはCH2ドメインからIgG分子のC末端までに及び、約108個の残基を含むことが十分に報告されている。
本明細書中で使用される、用語「ヒンジ領域」には、CH1ドメインをCH2ドメインに連結する重鎖分子の一部が含まれる。このヒンジ領域は、約25残基を含みかつ可撓性を示すため、2つのN末端抗原結合領域は独立して動くことが可能である。ヒンジ領域を以下の3つの異なるドメインにさらに分割することができる:上部、中央、および下部のヒンジドメイン(Roux et al.J.Immunol.1998 161:4083)。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は連結ペプチドを含む。本発明の連結ペプチドは合成である。本明細書中で使用される、ポリペプチドに関する用語「合成」には、天然に存在しないアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれる。例えば、天然に存在するポリペプチドの修飾形態(例えば、付加、置換、または欠失などの変異を含む)であるか、アミノ酸の線状配列中で事実上天然に結合しない第2のアミノ酸配列(天然であってもなくても良い)に結合する第1のアミノ酸配列(天然であってもなくても良い)を含む天然に存在しないポリペプチド。
本発明の連結ペプチドは、本発明の結合分子の2つのドメイン(例えば、結合ドメインおよび二量体化ドメイン)連結する。例えば、連結ペプチドは、重鎖部分を結合部位を含む結合ドメインに連結させる。1つの実施形態では、連結ペプチドは、ポリペプチド鎖の線状アミノ酸配列中の2つの重鎖定量領域ドメイン(CH1ドメインとCH2ドメイン;CH1ドメインとCH3ドメイン;ヒンジとCH1ドメイン;ヒンジとCH3ドメイン;VHとヒンジドメイン;またはCH3ドメインと非免疫グロブリンポリペプチドなど)を連結する。好ましくは、このような連結ペプチドは、ポリペプチド分子に可撓性を与え、ジスルフィド結合を介した二量体化を容易にする。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドを使用して、1つまたは複数の重鎖ドメイン(例えば、ドメイン欠失構築物中の定常領域ドメインの少なくとも一部(例えば、CH2ドメインの少なくとも一部)および/またはヒンジ領域の少なくとも一部(例えば、下部のヒンジ領域ドメインの少なくとも一部))を置換する。例えば、1つの実施形態では、連結ペプチドを介してVHドメインをCH3ドメインに融合する(連結ペプチドのC末端をCH3ドメインのN末端に結合し、連結ペプチドのN末端をVHドメインのC末端に結合する)。別の実施形態では、連結ペプチドを介してVLドメインをCH3ドメインに融合する(連結ペプチドのC末端をCH3ドメインのN末端に結合し、連結ペプチドのN末端をVLドメインのC末端に結合する)。別の実施形態では、連結ペプチドを介してCH1ドメインをCH3ドメインに融合する(連結ペプチドのC末端をCH3ドメインのN末端に結合し、連結ペプチドのN末端をCH1ドメインのC末端に結合する)。
1つの実施形態では、合成連結ペプチドは、定常領域ドメインの一部を含む。例えば、1つの実施形態では、CH2ドメインを置換する連結ペプチドは、CH2ドメインの一部を含み得る。
1つの実施形態では、連結ペプチドは、gly−serリンカーを含むかこれからなる。本明細書中で使用される、用語「gly−serリンカー」は、グリシンおよびセリン残基からなるペプチドをいう。例示的なgly/serリンカーは、アミノ酸配列GGGSSGGGSG(配列番号1)を含む。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、上部ヒンジ領域の少なくとも一部(例えば、IgG1、IgG3、またはIgG4分子由来)、中央のヒンジ領域の少なくとも一部(例えば、IgG1、IgG3、またはIgG4分子由来)、および一連のgly/serアミノ酸残基(例えば、GGGSSGGGSG(配列番号1)などのgly/serリンカー)を含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、天然に存在するIgG1またはIgG3ヒンジ領域と比較して1つまたは複数のアミノ酸が置換されている。別の実施形態では、連結ペプチドは、WO02/060955などに記載のアミノ酸配列を含む。連結ペプチドを、以下により詳細に記載する。
本明細書中で使用される、用語「ジスルフィド結合」には、2つの硫黄原子間に形成された共有結合が含まれる。アミノ酸システインは、ジスルフィド結合を形成するか第2のチオール基と架橋することができるチオール基を含む。ほとんどの天然に存在するIgG分子では、CH1およびCL領域はジスルフィド結合によって結合し、2つの重鎖はKabatナンバリングシステムを使用して239および242(EUナンバリングシステムでは226位および229位)に対応する位置で2つのジスルフィド結合によって結合する。
定常領域がいくつかのエフェクター機能を媒介することが当該分野で公知である。例えば、補体のC1成分の抗体への結合によって補体系が活性化する。補体の活性化は、細胞病原体のオプソニン作用および溶解で重要である。補体の活性化は炎症反応を刺激することもでき、自己免疫性過敏症にも関与し得る。さらに、抗体は、Fc領域を介して細胞に結合し、抗体Fc領域上のFc受容体部位が細胞上のFc受容体(FcR)に結合する。異なる抗体クラスに特異的な多数のFc受容体が存在し、IgG(γ受容体)、IgE(ε受容体)、IgA(α受容体)、およびIgM(μ受容体)が含まれる。細胞表面上のFc受容体への抗体の結合により、多数の重要かつ多様な生物反応(抗体被覆粒子の飲み込みおよび破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆標的細胞の溶解(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(または、ADCC)と呼ばれる)、炎症メディエーターの放出、胎盤通過、ならびに免疫グロブリン産生の制御が含まれる)を誘発する。
1つの実施形態では、Fc部分を、当該分野で公知の技術を使用して、エフェクター機能を減少させるように変異することができる。例えば、定常領域ドメインの(点変異または他の手段による)欠失または不活化によって、循環修飾抗体のFc受容体結合が減少し、それによって腫瘍局在化が増加し得る。他の場合、本発明と一致する定常領域の修飾によって補体結合を抑制し、それによって血清半減期および抱合し細胞毒素の非特異的会合を減少させるかもしれない。定常領域のさらに別の修飾を使用してジスルフィド結合またはオリゴサッカリド部分を修飾し、抗原特異性または抗体可撓性の増加によって局在化が増加させられ得る。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載のように修飾された抗体は、容易に認識することができてもできなくてもよい多数のわずかな効果を発揮し得ることを認識する。しかし、得られた生理学的プロフィール、生物学的利用能、および修飾の他の生化学的効果(腫瘍局在化、生体分布、および血清半減期など)を、実験をやり直すことなく周知の免疫学的技術を使用して容易に測定および定量することができる。
1つの実施形態では、抗体の修飾形態を、当該分野で公知の技術を使用して全前駆体または親抗体から作製することができる。例示的技術は、以下により詳細に記載する。特に好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドの可変領域および定常領域は共にヒトである。1つの実施形態では、当該分野で公知の技術を使用して、完全なヒト抗体を作製することができる。例えば、特定の抗原に対する完全なヒト抗体を、抗原の攻撃に反応してこのような抗体を産生するように改変されているが、その内因性遺伝子座が無効にされたトランスジェニック動物への抗原の投与によって調製することができる。抗体を作製するために使用することができる例示的技術は、米国特許第6,150,584号、同第6,458,592号、同第6,420,140号に記載されている。他の技術が当該分野で公知である。
重鎖部分を含むポリペプチドは、免疫グロブリン分子に由来しない他のアミノ酸配列または部分を含んでいても含んでいなくても良い。このような修飾を、以下により詳細に記載する。例えば、1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、可撓性リンカー配列を含み得る。別の実施形態では、PEGなどの機能的部分を付加するようにポリペプチドを修飾することができる。
本発明のポリペプチドは、ポリペプチドを選択された標的分子と会合する少なくとも2つの結合部位を含む。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、抗体分子(例えば、インタクトな抗体分子)または抗体分子のフラグメントを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は修飾されているか合成抗体分子である。1つの実施形態では、本発明の結合分子は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、または組換え産生された抗体の全部または一部(例えば、これら由来の少なくとも1つの抗原結合部位、少なくとも1つのCDR、少なくとも1つの重鎖部分)を含む。
結合分子が抗体または修飾抗体である実施形態では、抗原結合部位および重鎖部分は、同一の免疫グロブリン分子に由来する必要はない。これに関して、可変領域は、液性応答が増加するように誘導して所望の抗原に対する免疫グロブリンを生成することができる任意の動物型に由来し得る。したがって、ポリペプチドの可変領域は、例えば、哺乳動物起源(例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(カニクイザル、マカクザルなど)、オオカミ、ラクダ科動物(ラクダ、ラマ、および関連種))であり得る。別の実施形態では、可変領域は、軟骨魚類(condricthoid)(例えば、サメ)起源であり得る。
本発明のポリペプチドを、当該分野で公知の技術を使用して作製することができる。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、「組換え産生された」(すなわち、組換えDNAテクノロジーを使用して産生した)抗体分子である。例示的な抗体分子の作製技術を、以下でより詳細に考察する。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、修飾抗体である。本明細書中で使用される、用語「修飾抗体」には、天然に存在しないように変化した合成形態の抗体(例えば、少なくとも2つの重鎖部分を含むが、2つの完全な重鎖を含まない抗体(ドメイン欠失抗体またはミニボディなど));2つまたはそれ以上の異なる抗原または単一抗原上の異なるエピトープに結合するように変化した多特異性形態の抗体(例えば、二重特異性、三重特異性など);scFv分子に連結した重鎖分子などが含まれる。scFv分子は当該分野で公知であり、例えば、米国特許第5,892,019号に記載されている。さらに、用語「修飾抗体」には、多価形態の抗体(例えば、3つまたはそれ以上の同一抗原のコピーに結合する三価、四価などの抗体)が含まれる。別の実施形態では、本発明の結合分子は、CH2ドメインを欠く少なくとも1つの重鎖部分を含み、かつリガンドおよびその受容体の1つのメンバーの結合部分を含むポリペプチドの結合ドメインを含む融合タンパク質である。
1つの実施形態では、本発明の用語、「修飾抗体」には、完全な変化していないほぼ同一の免疫原性を示す抗体と比較した場合に1つまたは複数の定常領域ドメインの少なくとも一部分が欠失しているか、非共有結合によって二量体化する能力、腫瘍部位に局在化する能力の増加、または血清半減期の減少などの所望の生化学的特徴が得られるように変化した免疫グロブリン、抗体、またはその免疫反応性フラグメントもしくは組換え体が含まれる。好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖に類似のポリペプチド鎖を含むが、1つまたは複数の重鎖ドメインの少なくとも一部を欠くドメイン欠失抗体である。より好ましくは、修飾抗体の定常領域の1つの全ドメインが欠失しており、さらにより好ましくは、CH2ドメインの全てまたは一部が欠失している。
好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、ヒトにおいて有害な免疫応答を誘発しない。本発明に適合する定常領域の修飾は、1つまたは複数のドメイン中の1つまたは複数のアミノ酸の付加、欠失、または置換を含む。すなわち、本明細書中に開示の本発明のポリペプチドは、3つの重鎖定常領域(CH1、CH2、またはCH3)および/または軽鎖定常領域ドメイン(CL)のうちの1つまたは複数を変化または修飾することができる。
1つの実施形態では、本発明は、少なくとも1つのCC49結合部位(Tag72に特異的)を含む修飾抗体分子に関する。例えば、図8A(配列番号16)は、sc(Fv)2重鎖四価CHドメイン欠失huCC49遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図8B(配列番号17)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むsc(Fv)2重鎖四価CHドメイン欠失huCC49遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図8C(配列番号18)は、sc(Fv)2軽鎖CHドメイン欠失huCC49の一本鎖DNA配列を示す。図9A(配列番号19)は、重鎖sc(Fv)2四価CHドメイン欠失huCC49のアミノ酸配列を示す。図9B(配列番号20)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CHドメイン欠失sc(Fv)2huCC49のアミノ酸配列を示す。配列番号21は、軽鎖CHドメイン欠失sc(Fv)2huCC49のアミノ酸配列を示す。図10A(配列番号22)は、四価CHドメイン欠失2sc(Fv)2huCC49ミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図10B(配列番号23)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む四価CHドメイン欠失sc(Fv)2huCC49ミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図11A(配列番号24)は、四価CHドメイン欠失sc(Fv)2huCC49ミニボディのアミノ酸配列を示す。図11B(配列番号25)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む四価CHドメイン欠失sc(Fv)2huCC49ミニボディのアミノ酸配列を示す。別の実施形態では、本発明は、少なくとも1つのp5E8結合部位(CD23に特異的)を含む修飾抗体分子に関する。図12A(配列番号26)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8sc(Fv)2抗体遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図12B(配列番号27)は、軽鎖四価CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8sc(Fv)2遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図13A(配列番号28)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8sc(Fv)2抗体のアミノ酸配列を示す。図13B(配列番号29)は、軽鎖四価CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8sc(Fv)2抗体のアミノ酸配列を示す。図14(配列番号30)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8VL/VHミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図15(配列番号31)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8VH/VLミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。図16(配列番号32)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8VL/VHミニボディのアミノ酸配列を示す。図17(配列番号33)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8VH/VLミニボディのアミノ酸配列を示す。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドを、当該分野で認識されている技術を使用して、その免疫原性を減少させるように修飾することができる。例えば、本発明の抗体またはポリペプチドを、ヒト化、脱免疫化(deimmunized)するか、キメラ抗体を作製することができる。これらの抗体型は、親抗体の抗原結合特性を保持するか実質的に保持しているが、ヒトにおける免疫原性が低い非ヒト抗体(典型的には、マウス抗体)に由来する。種々の方法((a)キメラ抗体を作製するためのヒト定常領域への全非ヒト可変ドメインのグラフティング、(b)重要なフレームワーク残基を保持しているか保持していないヒトフレームワークおよび定常領域への1つまたは複数の非ヒト相補性決定領域(CDR)の少なくとも一部のグラフティング、または(c)全非ヒト可変ドメインが移植されているが、表面残基の置換によってヒト様部分で「覆う」ことが含まれる)によって、これを行うことができる。このような方法は、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−5(1984);Morrison et al.,Adv.Immunol.44:65−92(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534−1536(1988),Padlan,Molec.Immun.28:489−498(1991);Padlan,Molec.Immun.31:169−217(1994)、および米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、および同第5,693,762号(その全体が本明細書中で参考として援用される)に開示されている。
脱免疫化(de−immunization)を使用して、抗体の免疫原性を減少させることもできる。本明細書中で使用される、用語「脱免疫化」には、T細胞エピトープを修飾するための抗体の変化が含まれる(例えば、WO9852976A1、WO0034317A2を参照のこと)。例えば、出発抗体由来のVHおよびVL配列を分析し、ヒトT細胞エピトープを、各V領域から「マッピング」し、これは相補性決定領域(CDR)および配列内の他の重要な残基に対するエピトープの位置を示す。最終抗体の活性を変化させるリスクの低い別のアミノ酸置換を同定するために、T細胞エピトープ地図由来の各T細胞エピトープを分析する。アミノ酸置換の組み合わせを含むVHおよびVL配列の別の範囲をデザインし、その後これらの配列を一定範囲の本発明のポリペプチドに組み込み、機能について試験する。典型的には、12〜24個の変異抗体を作製し、試験する。次いで、修飾V領域およびヒトC領域を含む完全な重鎖および軽鎖の遺伝子を発現ベクターにクローン化し、全抗体の産生のためにプラスミドを細胞株に導入する。次いで、抗体を適切な生化学アッセイおよび生物学的アッセイで比較し、最適な変異型を同定する。1つの実施形態では、結合分子はキメラ抗体を含む。本出願の文脈では、用語「キメラ抗体」は、免疫反応性領域または部位が第1の種から得るかこれに由来し、定常領域(インタクトであるか、一部であるか、本発明によって修飾することができる)を第2の種から得た任意の抗体を意味する。好ましい実施形態では、標的結合領域または部位は、非ヒト供給源(例えば、マウス)に由来し、定常領域はヒトである。好ましくは、重鎖および軽鎖中の両可変ドメインを、1つまたは複数のCDRの少なくとも部分的置換、必要に応じて部分的フレームワーク領域の置換および配列の変更によって変化させる。CDRはフレームワーク領域が由来する抗体と同一のクラスまたはさらにサブクラスの抗体に由来し得るにも関わらず、CDRは、異なるクラスの抗体、好ましくは異なる種由来の抗体に由来すると予想される。ある可変ドメインの抗原結合能力を別の可変ドメインに移動させるために全てのCDRをドナー可変領域由来の完全なCDRに置換する必要はない。むしろ、標的結合部位の活性を維持するために必要な残基を移動することのみが必要であり得る。米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、および同第5,693,762号に記載の説明を考えると、免疫原性が減少した機能的抗体を得るための日常的実験または試験および誤差試験は、当業者の能力の範囲内である。
本明細書中で使用される、用語「適切に折り畳まれたポリペプチド」には、ポリペプチドを含む全ての機能的ドメインが明らかに活性であるポリペプチド(例えば、抗体などの抗原結合分子)が含まれる。本明細書中で使用される、用語「不適切に折り畳まれたポリペプチド」には、ポリペプチドの少なくとも1つの機能的ドメインが不活性であるポリペプチドが含まれる。1つの実施形態では、適切に折り畳まれたポリペプチドは少なくとも1つのジスルフィド結合によって結合したポリペプチド鎖を含み、逆に不適切に折り畳まれたポリペプチドは少なくとも1つのジスルフィド結合によって結合していないポリペプチド鎖を含む。
本明細書中で使用される、用語「悪性腫瘍」は、非良性腫瘍または癌をいう。本明細書中で使用される、用語「癌」には、無秩序または無制御の細胞増殖によって特徴づけられる悪性腫瘍が含まれる。例示的な癌には、癌腫、肉腫、白血病、およびリンパ腫が含まれる。用語「癌」には、原発性悪性腫瘍(例えば、その細胞が元の腫瘍部位以外の被験体の体内の部位に移動しないもの)および続発性悪性腫瘍(例えば、転移(元の腫瘍部位と異なる第2の部位への腫瘍細胞の移動)によるもの)が含まれる。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、腫瘍細胞に結合する。腫瘍細胞上に発現した抗原に結合する抗原結合部位を含む例示的抗体は当該分野で公知であり、このような抗体由来の1つまたは複数のCDRを、本発明の結合分子中に含めることができる。例示的抗体には、2B8、Lym 1、Lym 2、LL2、Her2、B1、MB1、BH3、B4、B72.3、5E8、B3F6、および5E10が含まれる。好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、CD20に結合するC2B8抗体である。別の好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、TAG72を認識するCC49抗体である。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、自己免疫性または炎症性疾患または障害の治療で有用な分子に結合する。
本明細書中で使用される、用語「自己免疫疾患または障害」は、免疫系が身体の細胞を攻撃して組織が破壊される被験体の障害または病態をいう。自己免疫疾患には、全身性自己免疫疾患(すなわち、自己免疫反応が多数の組織で同時に起こる)または器官特異的自己免疫疾患(すなわち、自己免疫反応が単一の器官を標的する)が含まれる。本発明の方法および組成物によって診断、防止、または治療することができる自己免疫疾患の例には、クローン病;炎症性腸疾患(IBD);全身性紅斑性狼瘡;潰瘍性大腸炎;関節リウマチ;グッドパツチャー症候群;グレーブス病;橋本甲状腺炎;尋常性天疱瘡;重症筋無力症;強皮症;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性血小板減少性紫斑;多発性筋炎および皮膚筋炎;悪性貧血;シェーグレン症候群;強直性脊椎炎;血管炎;I型真性糖尿病;神経障害、多発性硬化症、および自己免疫疾患の結果として発症する続発疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される、用語「炎症性疾患または障害」には、炎症(例えば、血流の増加、浮腫、免疫細胞の活性化(例えば、増殖、サイトカイン産生、または食作用の増加))によって発症するか少なくとも一部が悪化する疾患または障害が含まれる。例示的な障害には、炎症または炎症因子(例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、一酸化窒素(NO)、TNF、インターロイキン、血漿タンパク質、細胞防御系、サイトカイン、脂質代謝産物、プロテアーゼ、有毒ラジカル、ミトコンドリア、アポトーシス、接着分子な)が異常量(例えば、変化する(例えば、被験体を有利にする)のに有利であり得る量)で領域内に含まれるか存在する障害が含まれる。炎症過程は、生体組織の損傷への応答である。炎症の原因は、物理的損傷、化学物質、微生物、組織の壊死、癌、または他の作用因子に起因し得る。急性炎症は持続時間が短く、数日しか持続しない。しかし、より長く持続する場合、慢性炎症ということができる。
炎症性障害には、急性炎症性障害、慢性炎症性障害、および再発性炎症性障害が含まれる。急性炎症性障害は、一般に、持続時間が比較的短く、約数分から1〜2日間であるが、数週間持続することもあり得る。急性炎症性障害の主な特徴には、血流の増加、流動物および血漿タンパク質の滲出(浮腫)、および白血球(好中球など)の移動が含まれる。慢性炎症性障害は、一般に、持続時間がより長く、例えば、数週間、数ヵ月から数年またはさらにそれ以上持続し、組織学的にリンパ球およびマクロファージの存在ならびに血管および結合組織の増殖に関連する。再発性炎症性障害には、一定期間後に再発するかまたは周期的な障害が含まれる。再発性炎症性障害の例には、喘息および多発性硬化症が含まれる。いくつかの障害は、1つまたは複数のカテゴリーに分類され得る。
炎症性障害は、一般に、高熱、潮紅、腫脹、痛み、および機能喪失によって特徴づけられる。炎症性障害の原因の例には、微生物感染(例えば、細菌、ウイルス、および真菌の感染)、物理的因子(例えば、火傷、放射線、および外傷)、化学的因子(例えば、毒素および腐食性物質)、組織の壊死、および種々の免疫反応型が含まれるが、これらに限定されない。炎症性障害の例には、変形性関節症、関節リウマチ、急性および慢性感染症(細菌、ウイルス、および真菌);急性および慢性気管支炎、副鼻腔炎、および他の呼吸器感染(感冒が含まれる);急性および慢性胃腸炎および大腸炎;急性および慢性膀胱炎および尿道炎;急性呼吸窮迫症候群;嚢胞性線維症;急性および慢性皮膚炎;急性および慢性結膜炎;急性および慢性漿膜炎(心膜炎、腹膜炎、滑膜炎、胸膜炎、および腱炎);尿毒症性心膜炎;急性および慢性胆嚢炎;急性および慢性膣炎;急性および慢性ブドウ膜炎;薬物反応;および火傷(熱、化学物質、および電気)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される、用語「疎水性相互作用に基づいてポリペプチドを分離する媒体」には、マトリクスに共有結合した疎水性リガンド(例えば、アルキル基またはアリール基)を含む媒体が含まれる。このような媒体を使用して、溶媒およびポリペプチド表面上のアクセスしやすい非極性基と媒体の疎水性リガンドとの間の相互作用に基づいてポリペプチドを分離することができる。例示的媒体は、Tosoh BioscienceのPhenyl 5PW−HRである。
本明細書中で使用される、用語「伝導率」には、μシーメンス/cm(正式にはマイクロモー/cm)で測定した溶液の電気伝導率が含まれる。溶液のイオン含有率が高いほど、溶液の伝導率が高くなる。伝導率を、当該分野で周知の技術(例えば、2電極間を流れる電流の測定)を使用して容易に測定することができる。
本発明の分離方法を、酸性から中性のpH範囲(例えば、約pH3.5からほぼ中性)の溶液を使用して使用することができる。本明細書中で使用される、用語「ほぼ中性pH」には、約pH7が含まれる。例えば、1つの実施形態では、本発明の分離方法を、pHが約3、約4、約5、約6、約7、または約8の溶液(例えば、緩衝液)を使用して行うことができる。好ましくは、溶液のpHは約6または約7である。1つの実施形態では、溶液のpHは、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、または約8.0である。
本明細書中で使用される、用語「アフィニティマトリクス」には、アフィニティリガンドが結合するアガロース、空隙制御ガラス(controlled pore glass)、またはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどのマトリクスが含まれる。アフィニティリガンドは、所望のポリペプチドに結合し、夾雑ポリペプチドはアフィニティリガンドに結合しない。公知のプロトコールを使用して、所望のポリペプチドをアフィニティマトリクスから溶離することができる。
本明細書中で使用される、用語「操作された」には、合成手段(例えば、組換え技術、in vitroペプチド合成、ペプチドの酵素的もしくは化学的カップリング、またはこれらの技術のいくつかの組み合わせ)による核酸またはポリペプチド分子の操作が含まれる。好ましくは、本発明の結合分子を、例えば、本発明の連結ペプチドを発現するように操作する。
本明細書中で使用される、用語「結合した」、「融合した」、または「融合」を、交換可能に使用する。これらの用語は、任意の手段(化学的抱合または組換え手段が含まれる)による2つを超える要素または成分の結合をいう。「インフレーム融合」は、元のORFの正確な読み枠を維持する様式で連続的なより長いORFを形成するための2つまたはそれ以上の読み取り枠(ORF)の結合をいう。したがって、得られた組換え融合タンパク質は、元のORFによってコードされるポリペプチドに対応する2つまたはそれ以上のセグメント(セグメントは通常天然ではこのように結合していない)を含む単一のタンパク質である。このようにして読み枠が融合セグメントを通して連続になるにもかかわらず、セグメントを、例えば、インフレームリンカー配列によって物理的または空間的に分離することができる。
ポリペプチドの文脈では、「直線の配列」または「配列」は、配列中の隣接残基がポリペプチドの一次構造において連続するポリペプチド中のアミノ酸のアミノ末端からカルボキシル末端への順序である。
本明細書中で使用される、句「結合分子の投与から恩恵を受ける被験体」には、例えば、結合分子によって認識される抗原の検出(例えば、診断手順)のために使用される結合分子の投与および/または結合分子によって認識される標的を減少または消失するための結合分子を使用した治療から恩恵を受ける哺乳動物被験体などの被験体が含まれる。例えば、1つの実施形態では、被験体は、循環もしくは血清由来の可溶性もしくは特定の分子(例えば、毒素または病原体)の減少もしくは消失または標的を発現する細胞集団(例えば、腫瘍細胞)の減少もしくは消失から恩恵を受けることができる。本明細書中にさらに詳細に記載するように、結合分子を非抱合形態で使用することができるか、例えば、薬物、プロドラッグ、または同位体に抱合することができる。
(II.合成連結ペプチド)
本発明の二量体の少なくとも1つのポリペプチド鎖は、本発明の合成連結ペプチドを含み得る。1つの実施形態では、本発明の二量体の少なくとも2つの鎖は連結ペプチドを含む。好ましい実施形態では、本発明の二量体の2つの鎖は連結ペプチドを含む。
1つの実施形態では、連結ペプチドを使用して、単一のポリペプチド鎖中にインフレームで2つの重鎖部分を結合することができる。例えば、1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドを使用して、ヒンジ領域(または合成ヒンジ領域)にCH3ドメイン(または合成CH3ドメイン)を融合することができる。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドを使用して、CH1ドメイン(または合成CH1ドメイン)にCH3ドメイン(または合成CH3ドメイン)を融合することができる。さらに別の実施形態では、連結ペプチドは、ヒンジ領域(または合成ヒンジ領域)とCH2ドメイン(または合成CH2ドメイン)との間のペプチドスペーサーとして作用することができる。
別の実施形態では、CH3ドメインを、細胞外タンパク質ドメイン(例えば、VLドメイン(または合成ドメイン)、VHドメイン(または合成ドメイン)、CH1ドメイン(または合成ドメイン)、ヒンジドメイン(または合成ドメイン)、受容体のリガンド結合部分、またはリガンドの受容体結合部分)に融合することができる。例えば、1つの実施形態では、VHまたはVLドメインを、連結ペプチドを介してCH3ドメインに融合する(連結ペプチドのC末端をCH3ドメインのN末端に結合し、連結ペプチドのN末端をVHまたはVLドメインのC末端に結合する)。別の実施形態では、CH1ドメインを、連結ペプチドを介してCH3ドメインに融合する(連結ペプチドのC末端をCH3ドメインのN末端に結合し、連結ペプチドのN末端をCH1ドメインのC末端に結合する)。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドを使用して、ヒンジ領域(または合成ヒンジ領域)またはその一部にCH3ドメイン(または合成CH3ドメイン)を融合することができる。さらに別の実施形態では、連結ペプチドは、ヒンジ領域(または合成ヒンジ領域)とCH2ドメイン(または合成CH2ドメイン)との間のペプチドスペーサーとして作用することができる。
1つの実施形態では、連結ペプチドは、gly/serスペーサーを含むかそれからなることができる。例えば、CH2ドメインおよび下部ヒンジ領域を短いアミノ酸スペーサーGGSSGGGGSG(配列番号1)で置換したドメイン欠失CC49構築物(CC49.ΔCH2[gly/ser])を使用することができる。別の実施形態では、連結ペプチドは、アミノ酸配列IGKTISKKAK(配列番号36)を含む。
別の実施形態では、連結ペプチドは、免疫グロブリンヒンジ領域の少なくとも一部を含み得る。例えば、異なる抗体アイソタイプ由来のヒンジエレメントを組み合わせたキメラヒンジドメインを構築することができる。1つの実施形態では、連結ペプチドは、IgG1ヒンジ領域の少なくとも一部を含む。別の実施形態では、連結ペプチドは、IgG3ヒンジ領域の少なくとも一部を含み得る。別の実施形態では、連結ペプチドは、IgG1ヒンジ領域の少なくとも一部およびIgG3ヒンジ領域の少なくとも一部を含み得る。1つの実施形態では、連結ペプチドは、IgG1の上部および中央のヒンジならびに単一のIgG3の中央のヒンジ反復モチーフを含み得る。
免疫グロブリンヒンジ領域由来のアミノ酸配列を含むこのような連結ペプチド中の各アミノ酸のナンバリングが連結ペプチドの長さによって変化し得るため、これらの分子中のアミノ酸の位置のナンバリングを、Kabatナンバリングを使用して示す(例えば、表2を参照のこと)。表1は、IgG1、IgG3、およびIgG4分子の天然に存在するヒンジ配列を示す。表2は、これらのヒンジ分子の一部についてのKabatナンバリングを示し、この表に示す連結ペプチドのアミノ酸残基についてのKabatナンバリングも示す。
1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、天然に存在しない免疫グロブリンヒンジ領域ドメイン(例えば、ヒンジ領域ドメインを含むポリペプチド中に天然に見出されないヒンジ領域ドメインおよび/または天然に存在する免疫グロブリンヒンジ領域ドメインとアミノ酸配列が異なるように変化したヒンジ領域ドメイン)を含む。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドを作製するようにヒンジ領域ドメインを変異させることができる。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、天然に存在するシステイン数を含まないヒンジドメインを含む(すなわち、連結ペプチドは天然に存在するヒンジ分子よりもシステイン数が少ないか多い)。好ましい実施形態では、(例えば、天然に存在しないシステイン数を含む)連結ペプチドのポリペプチドへの組み込みによって、50%、60%、70%、80%、または90%を超える二量体分子が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して2つの重鎖部分が結合した形態で存在する組成物が得られる。
本発明の1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムでアミノ酸243位(EUナンバリングシステムでは230位)に対応するアミノ酸位にプロリン残基を含むヒンジ領域ドメインを含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムで244位(EUナンバリングシステムでは246位)に対応するアミノ酸位にアラニン残基を含む。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドは、245位(Kabatナンバリングシステム;EUナンバリングシステムでは247位)に対応するアミノ酸位にプロリン残基を含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムで239位(EUナンバリングシステムでは226位)に対応するアミノ酸位にシステイン残基を含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムで239位(EUナンバリングシステムでは226位)に対応するアミノ酸位にセリン残基を含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムで242位(EUナンバリングシステムでは229位)に対応するアミノ酸位にシステイン残基を含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、Kabatナンバリングシステムで242位(EUナンバリングシステムでは229位)に対応するアミノ酸位にセリン残基を含む。
1つの実施形態では、ポリペプチドの特定のアイソフォームが優先的に合成されるように連結ペプチドを選択することができる(例えば、2つの重鎖部分がジスルフィド結合を介して結合しているか、ジスルフィド結合を介して結合していない)。例えば、例に記載するように、G1/G3/Pro243+[gly/ser]リンカー(配列番号8)、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[gly/ser]リンカー(配列番号9)、Pro243+[gly/ser]リンカー(配列番号15)、およびPro243Ala244Pro245+[gly/ser]リンカー(配列番号14)、B型を検出不可能なA型CH2ドメイン欠失抗体のみが産生される連結ペプチド。対照的にCH2ドメイン欠失Cys242Ser:Pro243(配列番号12)およびCH2ドメイン欠失Cys242Ser:Pro243Ala244Pro245(配列番号13)の両方によってB型アイソフォームが優先的に得られた。したがって、これらの合成ヒンジ領域連結ペプチドは、A型またはB型のアイソフォーム優先的合成に有用である。これは、4つ全てのヒトアイソタイプのCH3ドメイン間の高い相同性に基づいて任意の抗体のアイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)について真である。(同一および保存されたアミノ酸残基が含まれ、IgG1のCH3ドメインはIgG2のCH3と98.13%相同であり、IgG3のCH3と97.20%相同であり、IgG4のCH3と96.26%相同である)。本発明の連結ペプチドおよび種々の結合分子をいう括弧は、他で示さない限り、等価な専門用語を示す。
1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、ヒンジ領域ドメインの後に可撓性gly/serリンカーを含む。例示的な連結ペプチドを、表2ならびに配列番号8〜15、48、および49に示す。これらの例示的な連結ペプチドの変異形態を、1つまたは複数のアミノ酸の置換、付加、または欠失が連結ペプチドに移入されるように連結ペプチドをコードするヌクレオチド配列に1つまたは複数のヌクレオチドを置換、付加、または欠失することによって作製することができると理解される。例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介性変異誘発などの標準的な技術によって変異を移入することができる。好ましくは、A型またはB型の合成を優先的に増強する連結ペプチドの能力を変化させないように、1つまたは複数の非必須アミノ酸残基に保存的アミノ酸置換を行う。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ残残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されたものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該分野で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。したがって、免疫グロブリンポリペプチド中の非必須アミノ酸残基を、同一の側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基と置換することが好ましい。別の実施形態では、アミノ酸の鎖を、側鎖ファミリーメンバーの順序および/または組成が異なる類似の構造の鎖と置換することができる。
本発明の連結ペプチドは種々の長さであり得る。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約15〜約50アミノ酸長である。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約20〜約45アミノ酸長である。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約25〜約40アミノ酸長である。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約30〜約35アミノ酸長である。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約24〜約27アミノ酸長である。別の実施形態では、本発明の連結ペプチドは、約40〜約42アミノ酸長である。
当該分野で公知の技術を使用して、連結ペプチドをポリペプチド配列に入することができる。例えば、1つの実施形態では、重複伸長スプライシング(Splicing by Overlap Extension)(SOE)法(Horton,R.M.1993 Methods in Molecular Biology,Vol 15:PCR Protocols:Current Methods and applications.Ed.B.A.White)を使用することができる。DNA配列分析によって修飾を確認することができる。ポリペプチド産生の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用して宿主細胞を形質転換することができる。
1つの実施形態では、ポリペプチドへの1つの本発明の連結ペプチドの取り込みによって、少なくとも2つのポリペプチド鎖が合成連結ペプチドを含み、50%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する、少なくとも2つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を有するポリペプチド分子を含む組成物が得られる。別の実施形態では、60%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、70%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、80%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、90%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。
1つの実施形態では、IgG4分子への1つの本発明の連結ペプチドの取り込みによって、95%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する組成物が得られる。
(III.結合分子)
本発明のポリペプチドは、目的の標的分子に結合する少なくとも2つの結合部位を含む。例示的結合部位には、例えば、抗原に結合する部位(抗原結合部位)、受容体に結合する部位(受容体結合部位)、またはリガンドに結合する部位(リガンド結合部位)が含まれる。1つの実施形態では、結合分子は少なくとも2つの結合部位を含む。1つの実施形態では、結合分子は2つの結合部位を含む。1つの実施形態では、結合分子は3つの結合部位を含む。別の実施形態では、結合分子は4つの結合部位を含む。
1つの実施形態では、結合分子は、生物学的作用を媒介する(例えば、細胞の活性化を調整し(例えば、細胞表面受容体への結合およびそれによる活性化シグナルまたは阻害シグナルの伝達または阻害による)、それによって細胞が死滅するか(例えば、補体結合または結合分子上に存在する負荷量への曝露による)、被験体の疾患または障害を調整する(例えば、フィブリン塊の溶解の促進もしくは血塊形成の促進または生物学的に利用可能な物質量の調整(例えば、被験体中のTNFαなどのリガンドの量の増減による)による))分子に特異的な少なくとも1つの標的結合部位を有する。
1つの実施形態では、結合分子は、減少または消失のためにターゲティングされた分子(例えば、細胞表面抗原または可溶性抗原)に特異的な少なくとも1つの標的結合部位を有する。1つの実施形態では、標的への結合分子の結合によって、例えば、組織または循環由来の標的が減少または消失する。別の実施形態では、結合分子は、標的分子の存在を検出する(例えば、夾雑物を検出するか病態または障害を診断する)ために使用することができる分子に特異的な少なくとも1つの結合部位を有する。さらに別の実施形態では、本発明の結合分子は、結合分子を被験体中の特定の部位にターゲティングする少なくとも1つの結合部位を含む(例えば、腫瘍細胞または血塊)。
本発明の結合分子の結合ドメイン中に含むことができる例示的結合部位には、リガンドの受容体結合部分、受容体のリガンド結合部分、酵素の基質結合部分、基質の酵素結合部分、または抗体の1つまたは複数の抗原結合部分が含まれる。
1つの実施形態では、結合分子(例えば、抗体分子、二重特異性抗体、または修飾抗体)の少なくとも1つの標的結合部位は触媒性を示す(Shokat and Schultz.1990.Annu.Rev.Immunol.8:335)。
1つの実施形態では、結合分子の重鎖可変部分および軽鎖可変部分は、例えば、単鎖抗体またはミニボディと同一のポリペプチド中に存在する(例えば、米国特許第5,837,821号またはWO94/09817A1を参照のこと)。別の実施形態では、ポリペプチドの重鎖部分および軽鎖部分は、例えば、抗体分子と異なるポリペプチド鎖中に存在する。
本発明の標的結合ポリペプチドは、多量体分子である。1つの実施形態では、標的結合ポリペプチドは二量体である。1つの実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一の単量体サブユニットを含むホモ二量体である。別の実施形態では、本発明の二量体は、2つの同一でない単量体サブユニットを含むヘテロ二量体である。二量体は、少なくとも2つのポリペプチド鎖を含む。1つの実施形態では、結合分子は2つのポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、結合分子は3つのポリペプチド鎖を含む。別の実施形態では、結合分子は4つのポリペプチド鎖を含む。
好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、抗体(例えば、目的の標的に結合することが当該分野で公知の抗体)の少なくとも1つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも2つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも3つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも4つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも5つのCDRを含む。別の実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも6つのCDRを含む。好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、抗体(例えば、目的の標的に結合することが当該分野で公知の抗体)の少なくとも1つのVHドメインを含む。好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも1つのVLドメインを含む。別の好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、抗体の少なくとも1つのVHドメインおよび1つのVLドメインを含む。
1つの実施形態では、抗原結合部位は、例えば、VL鎖の非存在下で安定なラクダ科動物由来のVHドメインからなる(Hamers−Casterman et al.1993.Nature 363:446;Desmyter et al.1996.Nat.Struct.Biol.3:803;Desmyter,A.,1996.Nat.Struct.Biol.3:803;Decanniere,K.,et al.1999.Structure 7:361;Davies et al.1996.Protein Eng.9:531;Kortt et al.1995.J.Protein Chem.14:167)。
(A.融合タンパク質)
本発明はまた、1つまたは複数の免疫グロブリンドメインを含む結合分子に関する。本発明の融合タンパク質は、結合ドメイン(少なくとも1つの結合部位を含む)および二量体化ドメイン(少なくとも1つの重鎖部分を含む)を含む。本発明の融合タンパク質は二重特異性(第1の標的に対する1つの結合部位および第2の標的に対する第2の結合部位を含む)であり得るか、多特異性(同一標的に対する2つの結合部位を含む)であり得る。
文献で報告されている例示的な融合タンパク質には、T細胞受容体(Gascoigne et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:2936−2940(1987));CD4(Capon et al.,Nature 337:525−531(1989);Traunecker et al.,Nature 339:68−70(1989);Zettmeissl et al.,DNA Cell Biol.USA 9:347−353(1990);and Byrn et al.,Nature 344:667−670(1990));L−セレクチン(ホーミング受容体)(Watson et al.,J.Cell.Biol.110:2221−2229(1990);and Watson et al.,Nature 349:164−167(1991));CD44(Aruffo et al.,Cell 61:1303−1313(1990));CD28およびB7(Linsley et al.,J.Exp.Med.173:721−730(1991));CTLA−4(Lisley et al.,J.Exp.Med.174:561−569(1991));CD22(Stamenkovic et al.,Cell 66:1133−1144(1991));TNF受容体(Ashkenazi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10535−10539(1991);Lesslauer et al.,Eur.J.Immunol.27:2883−2886(1991);and Peppel et al.,J.Exp.Med.174:1483−1489(1991));およびIgE受容体(Ridgway and Gorman,J.Cell.Biol.Vol.115,Abstract No.1448(1991))の融合が含まれる。
1つの実施形態では、融合タンパク質は、リガンドまたは受容体の結合ドメイン(例えば、受容体の細胞外ドメイン(ECD))を少なくとも1つの重鎖ドメインおよび合成連結ペプチドと組み合わせる。1つの実施形態では、本発明の融合タンパク質を調製した場合、リガンドまたは受容体の結合ドメインをコードする核酸はC末端で免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸と融合する。N末端融合物も可能である。1つの実施形態では、融合タンパク質には、CH2およびCH3ドメインが含まれる。定常ドメインのFc部分のC末端または重鎖のCH1または軽鎖の対応領域のN末端に直接融合することができる。
1つの実施形態では、リガンドまたは受容体ドメインの配列を、免疫グロブリン分子のFcドメインのN末端に融合する。全重鎖定常領域をリガンドまたは受容体ドメインの配列に融合することも可能である。1つの実施形態では、化学的にIgGのFcと定義するパパイン切断部位(すなわち、重鎖定常領域の最初の残基を114とした場合の残基216)または他の免疫グロブリンの類似の部位の直ぐ上流のヒンジ領域から始まる配列を融合で使用する。融合される正確な部位は重要ではなく、特定の部位が周知であり、分子の生物活性、分泌、または結合特性を至適化するために選択することができる。融合タンパク質の作製方法は当該分野で公知である。
二重特異性融合タンパク質のために、融合タンパク質を多量体、特にヘテロ二量体またはヘテロ四量体としてアセンブリする。一般に、これらのアセンブリされた免疫グロブリンは公知の単位構造を有する。基本的な四鎖構造単位は、IgG、IgD、およびIgEが存在する形態である。四鎖単位は、より高い分子量の免疫グロブリンで反復され、IgMは、一般に、4つの基本単位がジスルフィド結合によってつなぎ合わされた五量体として存在する。IgAグロブリン(時折IgGグロブリン)は、血清中で多量体形態でも存在し得る。多量体の場合、4つの各単位は同一であっても異なっていても良い。
本発明の融合タンパク質中に含めることができるさらなる例示的リガンドおよびその受容体には、以下が含まれる。
サイトカインおよびサイトカイン受容体。サイトカインは、リンパ球の増殖、分化、および機能的活性化に多面的効果を有する。種々のサイトカインまたはその受容体結合部分を、本発明の融合タンパク質で使用することができる。例示的サイトカインには、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、およびIL−18)、コロニー刺激因子(CSF)(例えば、顆粒球CSF(G−CSF)、顆粒球−マクロファージCSF(GM−CSF)、および単球−マクロファージCSF(M−CSF))、腫瘍壊死因子(TNF)αおよびβ、ならびにインターフェロンα、β、またはγなどのインターフェロン(米国特許第4,925,793号および同第4,929,554号)が含まれる。
サイトカイン受容体は、典型的には、リガンド特異的α鎖および共通のβ鎖からなる。例示的サイトカイン受容体には、GM−CSF、IL−3(米国特許第5,639,605号)、IL−4(米国特許第5,599,905号)、IL−5(米国特許第5,453,491号)、IFNγ(EP0240975)、および受容体のTNFファミリー(例えば、TNFα(例えば、TNFR−1(EP 417,563)、TNFR−2(EP 417,014)リンホトキシンβ受容体)の受容体が含まれる。
接着タンパク質。接着分子は、細胞を互いに相互作用させる膜結合タンパク質である。その受容体結合部分の種々の接着タンパク質(白血球ホーミング受容体および細胞接着分子が含まれる)を、本発明の融合タンパク質に組み込むことができる。白血球ホーミング受容体は、炎症時に白血球細胞表面で発現し、細胞外マトリクス成分への結合を媒介するβ−1インテグリン(例えば、VLA−1、2、3、4、5、および6)および血管内皮上の細胞接着分子(CAM)に結合するβ2−インテグリン(例えば、LFA−1、LPAM−1、CR3、およびCR4)が含まれる。例示的CAMには、ICAM−1、ICAM−2、VCAM−1、およびMAdCAM−1が含まれる。他のCAMには、セレクチンファミリー(E−セレクチン、L−セレクチン、およびP−セレクチンが含まれる)のセレクチンが含まれる。
ケモカイン。ケモカイン(感染部位への白血球の移動を刺激する走化性タンパク質)を、本発明の融合タンパク質に組み込むこともできる。例示的ケモカインには、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−αおよびMIP−1−β)、好中球走化性因子、およびRANTES(通常はT細胞を発現および分泌する活性化に対して調節される)が含まれる。
成長因子および成長因子受容体。成長因子またはその受容体(またはその受容体結合部分もしくはリガンド結合部分)を、本発明の融合タンパク質に組み込むことができる。例示的成長因子には、血管内皮成長因子(VEGF)およびそのアイソタイプ(米国特許第5,194,596号;線維芽細胞成長因子(FGF)(aFGFおよびbFGFが含まれる);心房性ナトリウム利尿因子(ANF);肝臓成長因子(HGF;米国特許第5,227,158号および同第6,099,841号)、神経栄養因子(骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、または−6(NT−3、NT−4、NT−5、またはNT−6)など)または神経成長因子(NGF−β血小板由来成長因子(PDGF)(米国特許第4,889,919号、同第4,845,075号、同第5,910,574号、および同第5,877,016号)など);形質転換成長因子(TGF)(TGF−αおよびTGF−β(WO90/14359)、骨誘導因子(osteoinductive factor)(形態形成タンパク質(BMP)などが含まれる);インスリン様成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II;米国特許第6,403,764号および同第6,506,874号);エリスロポイエチン(EPO);幹細胞因子(SCF)、トロンボポイエチン(c−Mplリガンド)、およびWntポリペプチド(米国特許第6,159,462)が含まれる。本発明のターゲティング受容体ドメインとして使用することができる例示的な成長因子受容体には、EGF受容体;VEGF受容体(例えば、Flt1またはFlk1/KDR)、PDGF受容体(WO90/14425);HGF受容体(米国特許第5,648,273号および同第5,686,292号)、およびNGF、BDNF、およびNT−3に結合する神経栄養受容体(p75NTRまたはp75とも呼ばれる低親和性受容体(LNGFR))、受容体チロシンキナーゼのtrkファミリーのメンバーである高親和性受容体(例えば、trkA、trkB(欧州特許第455,460号)、trkC(欧州特許第522,530号))が含まれる。
ホルモン。本発明の融合タンパク質におけるターゲティング因子として使用するための例示的成長ホルモンには、レニン、ヒト成長ホルモン(HGH;米国特許第5,834,598号)、N−メチオニルヒト成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン(PTH);甲状腺刺激ホルモン(TSH);チロキシン;プロインスリンおよびインスリン(米国特許第5,157,021号および同第6,576,608号);卵胞刺激ホルモン(FSH)、カルシトニン、黄体形成ホルモン(LH)、レプチン、グルカゴン;ボンベシン;ソマトロピン;ミューラー阻害物質;レラキシンおよびプロレラキシン;ゴナドトロピン関連ペプチド;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;OBタンパク質;またはミューラー阻害物質が含まれる。
凝固因子。本発明の融合タンパク質におけるターゲティング因子として使用するための例示的血液凝固因子には、凝固因子(例えば、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第X因子、第IX因子、第XI因子、第XII因子、および第XIII因子、フォンウィルブランド因子);組織因子(米国特許第5,346,991号、同第5,349,991号、同第5,726,147号、および同第6,596,84号);トロンビンおよびプロトロンビン;フィブリンおよびフィブリノゲン;プラスミンおよびプラスミノゲン;プラスミノゲンアクチベーター(ウロキナーゼまたはヒト尿または組織特異的プラスミノゲンアクチベーター(t−PA)など)が含まれる。
他の例示的融合タンパク質は、例えば、WO0069913A1およびWO0040615A2に教示されている。本発明の融合タンパク質中に含めることができる別の例示的分子は、IGSF9である。
当該分野で周知の方法(例えば、米国特許第5,116,964号および同第5,225,538号を参照のこと)を使用して、融合タンパク質を調製することができる。通常、リガンドまたは受容体ドメインのC末端と可変領域の代わりの重鎖の定常領域(または重鎖の一部)のN末端とを融合する。リガンド結合受容体の任意の膜貫通領域または脂質もしくはリン脂質のアンカー認識配列を、融合前に不活化するか欠失することが好ましい。リガンドまたは受容体ドメインをコードするDNAを、制限酵素によって所望のORFセグメントをコードするDNAの5’末端および3’末端またはその近位で切断する。次いで、得られたDNAフラグメントを、重鎖定常領域をコードするDNAに容易に挿入する。可溶性融合タンパク質の分泌または結合特性を最適にするために、正確な融合部位を経験的に選択することができる。次いで、融合タンパク質をコードするDNAを、発現用の宿主細胞にトランスフェクトする。
(B.抗体またはその一部)
1つの実施形態では、本発明の結合分子(例えば、抗原結合分子)は抗体分子である。認識されたプロトコールを使用して、例えば、関連抗原(例えば、精製腫瘍関連抗原またはこのような抗原を含む細胞もしくは細胞抽出物)およびアジュバントの複数回の皮下注射または腹腔内注射によって哺乳動物中に抗体を惹起することが好ましい。この免疫化により、典型的には、活性化脾臓細胞またはリンパ球由来の抗原反応性抗体の産生を含む免疫応答が誘発される。ポリクローナル調製物を得るために得られた抗体を動物の血清から回収することができる一方で、モノクローナル抗体(MAb)の均一な調製物を得るために脾臓、リンパ節、または末梢血から個々のリンパ球を単離することがしばしば望ましい。好ましくは、脾臓からリンパ球を得る。
この周知のプロセス(Kohler et al.,Nature,256:495(1975))では、抗原を注射した哺乳動物由来の比較的短命または死ぬべき運命のリンパ球を、不死腫瘍細胞株(例えば、骨髄腫細胞株)と融合することによって、不死でありかつB細胞の遺伝的にコードされた抗体を産生することができるハイブリッド細胞または「ハイブリドーマ」が産生される。得られたハイブリッドを、選択、希釈、および単一の抗体の形成に特異的な遺伝子を含む各個別の株との再成長によって単一遺伝子株に分離する。これらは所望の抗原に対して均一な抗体を産生し、その純粋な遺伝的起源に関連して、「モノクローナル」と呼ばれる。
したがって、このようにして調製したハイブリドーマ細胞を、好ましくは融合していない親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1つまたは複数の物質を含む適切な培養培地に播種して成長させる。当業者は、ハイブリドーマの形成、選択、および成長のための試薬、細胞株、および培地は多数の供給元から市販されており、標準化されたプロトコールが十分に確立されていることを認識する。一般に、ハイブリドーマ細胞が成長する培養培地を、所望の抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降またはin vitroアッセイ(放射免疫アッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)など)によって決定する。所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、限界希釈手順によってクローンをサブクローン化し、標準的方法で成長させることができる(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp 59−103(Academic Press,1986))。サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体を、従来の精製手順(例えば、プロテインA、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティクロマトグラフィなど)によって培養培地、腹水、または血清から分離することができることがさらに認識される。
別の実施形態では、所望のモノクローナル抗体をコードするDNAを、従来の手順(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブの使用)を使用して容易に単離し、配列決定することができる。単離およびサブクローン化したハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。一旦単離されると、DNAを発現ベクターに配置し、その後他に免疫グロブリンを産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの原核または真核宿主細胞にトランスフェクトすることができる。より詳細には、単離DNA(本明細書中に記載のように修飾することができる)を使用して、1995年1月25日提出のNewman et al.の米国特許第5,658,570号(本明細書中で参考として援用される)に記載のように抗体製造のために定常領域配列および可変領域配列をクローン化することができる。本質的に、これは、選択された細胞からのRNAの抽出、cDNAへの変換、およびIg特異的プライマーを使用したPCRによる増幅が必要である。この目的に適切なプライマーも米国特許第5,658,570号に記載されている。以下により詳細に考察するように、所望の抗体を発現する形質転換細胞を、免疫グロブリンを臨床的および商業的に供給するために比較的大量に成長させることができる。
当業者は、例えば、pdファージまたはFdファージミドテクノロジーを使用して、抗体または抗体フラグメントをコードするDNAも抗体ファージライブラリーに由来し得ることも認識する。例示的方法は、例えば、欧州特許第368 684 B1号;米国特許第5,969,108号、Hoogenboom,H.R.and Chames.2000.Immunol.Today 21:371;Nagy et al.2002.Nat.Med.8:801;Huie et al.2001.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:2682;Lui et al.2002.J:Mol.Biol.315:1063(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に記載されている。いくつかの刊行物(例えば、Marks et al.Bio/Technology 10:779−783(1992))は、鎖シャフリングならびに巨大ファージライブラリーの構築のためのストラテジーとしての組み合わせ感染およびin vivo組換えによる高親和性ヒト抗体の産生を記載している。別の実施形態では、ディスプレプラットフォームとしてリボゾームディスプレイを使用して、バクテリオファージを置換することができる(例えば、Hanes et al.2000.Nat.Biotechnol.18:1287;Wilson et al.2001.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:3750;またはIrving et al.2001 J.Immunol.Methods 248:31を参照のこと)。さらに別の実施形態では、抗体について細胞表面ライブラリーをスクリーニングすることができる(Boder et al.2000.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:10701;Daugherty et al.2000 J.Immunol.Methods 243:211)。このような手順は、モノクローナル抗体の単離およびその後のクローニングのための従来のハイブリドーマ技術の代替法を提供する。
本発明のさらに他の実施形態は、内因性免疫グロブリンを産生することができないトランスジェニック動物(例えば、マウス)中でのヒト抗体または実質的なヒト抗体の産生を含む(例えば、米国特許第6,075,181号、同第5,939,598号、同第5,591,669号、および同第5,589,369号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。例えば、キメラおよび生殖系列変異マウス中の抗体重鎖結合領域のホモ接合性欠失によって内因性抗体産生が完全に阻害されることが記載されている。このような生殖系列変異マウスへのヒト免疫グロブリン遺伝子アレイの導入により、抗原の抗原誘発時にヒト抗体が産生される。SCIDマウスを使用した別の好ましいヒト抗体の作製手段は、米国特許第5,811,524号(本明細書中で参考として援用される)に開示されている。これらのヒト抗体に関連する遺伝物質を本明細書中に記載のように単離および操作することもできることが認識される。
組換え抗体のさらに別の極めて有効な産生手段は、Newman,Biotechnology,10:1455−1460(1992)に開示されている。詳細には、この技術により、サル可変ドメインおよびヒト定常配列を含む霊長類化抗体が作製される。この参考文献は、その全体が本明細書中で参考として援用される。さらに、この技術は、同一出願人による米国特許第5,658,570号、同第5,693,780号、および同第5,756,096号(本明細書中で参考として援用される)にも記載されている。
別の実施形態では、顕微操作によってリンパ球を選択し、種々の遺伝子を単離することができる。例えば、免役化哺乳動物から末梢血単核細胞を単離し、in vitroで約7日間培養することができる。培養物を、スクリーニング基準を満たす特異的IgGについてスクリーニングすることができる。正のウェル由来の細胞を単離することができる。個々のIg産生B細胞をFACSまたは補体媒介性溶血プラークアッセイにおけるこれらの同定によって単離することができる。Ig産生B細胞を試験管中で顕微操作し、例えば、RT−PCRを使用してVhおよびVl遺伝子を増幅することができる。VHおよびVL遺伝子を抗体発現ベクターにクローン化し、発現用の細胞(例えば、真核細胞または原核細胞)にトランスフェクトすることができる。
さらに、本発明のポリペプチドの産生に有用な遺伝子配列を、多数の異なる供給源から得ることができる。例えば、上記で詳細に考察しているように、種々のヒト抗体遺伝子を公的に利用可能な寄託物の形態で利用可能である。抗体および抗体コード遺伝子の多数の配列は公開されており、適切な抗体遺伝子を、当該分野で認識されている技術を使用してこれらの配列から化学合成することができる。本発明のこの態様に適合するオリゴヌクレオチド合成技術が当業者に周知であり、任意のいくつかの市販されている自動化合成機を使用して行うことができる。さらに、本明細書中に記載のいくつかの重鎖および軽鎖型をコードするDNA配列を、DNA合成ベンダーによる市販のサービスを介して得ることができる。次いで、任意の上記方法を使用して得た遺伝物質を、本発明のポリペプチドが得られるように変化または修飾することができる。
あるいは、当業者に周知の技術を使用して抗体産生細胞株を選択し、培養することができる。このような技術は、種々の実験マニュアルおよび主な刊行物に記載されている。これに関して、下記の本発明での使用に適切な技術は、Current Protocols in Immunology,Coligan et al.,Eds.,Green Publishing Associates and Wiley−Interscience,John Wiley and Sons,New York(1991)(補遺を含む)(その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
本発明の範囲には抗原結合DNA配列の全ての対立遺伝子、変異型、および変異をさらに含むことがさらに認識される。
周知のように、グアニジニウムイソチオシアネート抽出および沈殿ならびにその後の遠心分離またはクロマトグラフィなどの標準的技術によって、元のハイブリドーマ細胞または他の形質転換細胞からRNAを単離することができる。望ましい場合、オリゴdTセルロースによるクロマトグラフィなどの標準的技術によって総RNAからmRNAを単離することができる。適切な技術は当該分野で周知である。
可変領域ドメインおよび定常領域ドメインを任意の供給源から得ることができ、本発明の修飾抗体に組み込むことができる。抗体をクローン化するために、ハイブリドーマ、脾臓細胞、またはリンパ球からmRNAを単離し、DNAに逆転写し、抗体遺伝子をPCRによって増幅することができる。公開された重鎖および軽鎖のDNAおよびアミノ酸配列に基づいたコンセンサス定常領域プライマーまたはより特異的なプライマーによってPCRを開始することができる。上記で考察されるように、PCRを使用して、抗体の軽鎖および重鎖をコードするDNAクローンを単離することもできる。この場合、コンセンサスプライマーまたはマウス定常領域プローブなどのより大きな相同プローブによってライブラリーをスクリーニングすることができる。抗体遺伝子の増幅に適切な多数のプライマー組が当該分野で公知である(例えば、精製抗体のN末端配列(Benhar and Pastan.1994.Protein Engineering 7:1509);cDNA末端の迅速な増幅(Ruberti,F.et al.1994.J.Immunol.Methods 173:33);抗体リーダー配列(Larrick et al.1989 Biochem.Biophys.Res.Commun.160:1250)に基づくか、Kabat(Kabat et al.1991.Sequences of Proteins of Immunological Interest.Bethesda,MD:JS Dep.Health Hum.Serv.5th ed.)またはV−baseデータベース(例えば、Orlandi et al.1989.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:3833;Sblattero et al.1998.Immunotechnology 3:271;またはKrebber et al.1997.J.Immunol.Methods 201:35)由来の公知の可変領域フレームワークアミノ酸配列に基づいた5’プライマー)。特定のエフェクター機能を有するか(または特定のエフェクター機能を欠く)、免疫原性を減少するための特定の修飾を有する定常領域ドメインを選択することができる。可変ドメインおよび定常ドメインを、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応および目的のドメインを増幅するために選択したプライマーを使用してクローン化することができる。PCR増幅法は、米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号;同第4,800,159号;同第4,965,188号;および、例えば、"PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications"Innis et al.eds.,Academic Press,San Diego,CA(1990);Ho et al.1989.Gene 77:51;Horton et al.1993.Methods Enzymol.217:270)に記載されている。
あるいは、最適な動物由来のV遺伝子配列のライブラリーからVドメインを得ることができる。所望の結合特性を有するエレメントを同定するために、ドメイン(例えば、VHドメインおよびVLドメイン)のランダムな組み合わせを発現するライブラリーを、所望の抗原を使用してスクリーニングすることができる。このようなスクリーニング方法は当該分野で周知である。例えば、抗体遺伝子レパートリーを、λバクテリオファージ発現ベクターにクローン化することができる(Huse,WD et al.1989.Science 2476:1275)。さらに、その表面上で抗体を発現する細胞(Boder and Wittrup.1997.Nat.Biotechnol.15:553;Daugtherty,P.et al.2000.J.Immunol.Methods.243:211;Francisco et al.1994.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10444;Georgiou et al.1997.Nature Biotechnology 15:29)またはウイルス(例えば、Hoogenboom,HR.1998 Immunotechnology 4:1 Winter et al.1994.Annu.Rev.Immunol.12:433;Griffiths,AD.1998.Curr.Opin.Biotechnol.9:102)をスクリーニングすることができる。リボゾームディスプレイを使用して、抗体ライブラリーをスクリーニングすることもできる(Hanes J.,et al.1998.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:14130;Hanes,J.and Pluckthun.1999.Curr.Top.Microbiol.Immunol.243:107;He,M.and Taussig.1997.Nucleic Acids Research 25:5132)。
好ましいスクリーニング用ライブラリーは、ヒトV遺伝子ライブラリーである。非ヒト供給源由来のVLドメインおよびVHドメインも使用することができる。1つの実施形態では、このような非ヒトVドメインを、認識された技術を使用して、その免疫原性を減少するように変更することができる。
ライブラリーは、ナイーブであっても免疫化被験体由来であっても半合成でってもよい(Hoogenboom,H.R.and Winter.1992.J.Mol.Biol.227:381;Griffiths,AD,et al.EMBO J.13:3245;de Kruif,J.et al.1995.J.Mol.Biol.248:97;Barbas,C.F.,et al.1992.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4457)。
さらに、多数の抗体VドメインおよびCドメインの配列が公知であり、当該分野で周知の方法を使用してこのようなドメインを合成することができる。
1つの実施形態では、より高い異性を有する核酸分子のライブラリーを作製するために、免疫グロブリンドメインを変異させることができる(Thompson,J.,et al.1996.J.Mol.Biol.256:77;Lamminmaki,U.et al.1999.J.Mol.Biol.291:589;Caldwell,R.C.and Joyce GF.1992.PCR Methods Appl.2:28;Caldwell RC and Joyce GF.1994.PCR Methods Appl.3:S136)。標準的なスクリーニング手順を使用して、高親和性変異型を選択することができる。別の実施形態では、抗体結合活性を増大するために、例えば当該分野で公知の技術を使用して結晶構造から得た情報を使用して、VH配列およびVL配列を変化させることができる。
(C.修飾抗体)
例示的構築物には、例えば、ミニボディ、二重特異性抗体、CH3分子と融合した二重特異性抗体、四価抗体、イントラ二重特異性抗体(intradiabody)(Jendreyko et al.2003.J.Biol.Chem.278:47813)、二重特異性抗体、融合タンパク質(例えば、抗体サイトカイン融合タンパク質、Fc受容体の少なくとも一部と融合したタンパク質)、二重特異性抗体が含まれる。他の免疫グロブリン(Ig)およびその一定の変異型は、例えば、米国特許第4,745,055号;欧州特許第 256,654号;Faulkner et al.,Nature 298:286(1982);欧州特許第120,694号;欧州特許第125,023号;Morrison,J.Immun.123:793(1979);Kohler et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:2197(1980);Raso et al.,Cancer Res.41:2073(1981);Morrison et al.,Ann.Rev.Immunol.2:239(1984);Morrison,Science 229:1202(1985);Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851(1984);欧州特許第255,694;欧州特許第266,663;およびWO88/03559に記載されている。再集合免疫グロブリン鎖も公知である。例えば、米国特許第4,444,878号;WO88/03565;ならびに欧州特許第68,763号およびその引用文献を参照のこと。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸が欠失または置換された免疫グロブリン重鎖を含む。例えば、CH2ドメインの選択領域中の1つまたは複数の1アミノ酸の変異でFc結合を実質的に減少させ、それによって腫瘍局在化を増加させるのに十分であり得る。同様に、調整されるべきエフェクター機能(例えば、補体結合)を調節する1つまたは複数の定常領域ドメインの一部を単純に欠失することが望ましい。定常領域のこのような部分的欠失は、抗体の選択された特徴(血清半減期)を改良することができる一方で、本発明の定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能はインタクトなままである。したがって、1つの実施形態では、本発明の結合分子は、全てまたは一部のCH2ドメインを欠く。さらに、上記で暗示しているように、開示の抗体の定常領域を、1つまたは複数のアミノ酸の変異または置換によって修飾して得られた構築物のプロフィールを増強することができる。これに関して、保存結合部位(例えば、Fc結合)によって得られた活性を破壊する一方で、修飾抗体の形状および免疫原性プロフィールを実質的に保持することが可能であり得る。さらに他の好ましい実施形態は、エフェクター機能などの所望の特徴を増強するか、よりさらなる細胞毒素または炭水化物を結合するための定常領域への1つまたは複数のアミノ酸の付加を含み得る。このような実施形態では、選択された定常領域ドメイン由来の特定の配列を挿入または複製することが望ましい。
別の実施形態では、天然に存在するヒンジ領域を変異することができる。本発明による定常領域のこのような修飾を、十分に当業者の範囲内である周知の生化学的または分子の操作技術を使用して容易に行うことができる。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、1つまたは複数のドメインの一部または全部が欠失した修飾定常領域(「ドメイン欠失抗体」)を含む。特に好ましい実施形態では、適合可能な修飾抗体は、全CH2ドメインが除去されたドメイン除去構築物または変異型を含む。種々の修飾抗体構築物を、以下により詳細に記載する。
(i.ミニボディ)
1つの実施形態では、本発明の修飾抗体はミニボディである。ミニボディは、それぞれがScFv分子を含む2つのポリペプチド鎖(1つまたは複数の抗原結合部位を含む単一ポリペプチド(例えば、可撓性リンカーによってVHドメイン(これは、連結ペプチドを介してCH3ドメインと融合している)に結合したVLドメイン))から構成された二量体分子である。例示的ミニボディ構築物を、図2に示す。図2では、CH3ドメインがそのN末端で連結ペプチドと融合し、連結ペプチドがそのN末端でVHドメインと融合し、VHドメインがそのN末端を介して可性リンカーと融合し、可性リンカーがそのN末端でVLドメインと融合している。
VH−リンカー−VL方向またはVL−リンカー−VH方向でScFv分子を構築することができる。
抗原結合部位を構成するVLドメインおよびVHドメインが結合した可性ヒンジは、約10〜約50個のアミノ酸残基を含むことが好ましい。この目的のための例示的連結ペプチドは、(Gly4Ser)3(配列番号35)(Huston et al..1988.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879)である。他の連結ペプチドが当該分野で公知である。
単鎖抗体の作製方法は当該分野で周知である(例えば、Ho et al.1989.Gene 77:51;Bird et al.1988 Science 242:423;Pantoliano et al.1991.Biochemistry 30:10117;Milenic et al.1991.Cancer Research 51:6363;Takkinen et al.1991.Protein Engineering 4:837)。
当該分野で公知の方法を使用したScFv成分および連結ペプチド−CH3成分の構築によってミニボディを作製することができる(例えば、米国特許第5,837,821号またはWO94/09817A1号を参照のこと)。これらの成分を制限フラグメントとして個別のプラスミドから単離し、ライゲーションし、適切なベクターに再クローン化することができる。制限消化およびDNA配列分析によって、適切なアセンブリを検証することができる。
1つの実施形態では、本発明のミニボディは、連結ペプチドを含む。1つの実施形態では、連結ペプチドは、gly/serリンカー(例えば、GGGSSGGGSGG(配列番号1))を含む。
別の実施形態では、四価ミニボディを構築することができる。例えば、アミノ酸配列(G4S)G3AS(配列番号36)を有する可性リンカーを使用して2つのScFv分子を結合すること以外はミニボディ類似の様式で四価ミニボディを構築することができる。例示的四価ミニボディを、図2に例示する。
(ii.ドメイン欠失抗体)
別の実施形態では、本発明の修飾抗体は、CH2ドメイン欠失抗体である。ドメイン欠失構築物は、IgGヒト定常ドメインをコードするベクター(例えば、IDEC Pharmaceuticals,San Diego)に由来し得る(例えば、WO02/060955A2号およびWO02/096948A2号を参照のこと)。本質的に、CH2ドメインを欠失してドメイン欠失IgG定常領域を発現する修飾ベクターが得られるようにベクターを操作した。次に、C2B8抗体、5E8抗体、B3F6抗体のマウス可変領域またはヒトCC49抗体の可変領域をコードする遺伝子を、修飾ベクターに挿入し、クローン化した。形質転換細胞中で発現する場合、これらのベクターにより、それぞれC2B8.ΔCH2、5E8.ΔCH2、B3F6.ΔCH2、またはhuCC49.ΔCH2が得られた。これらの構築物は、特に単量体サブユニットに魅力的な候補にする多数の特性を示す。
全定常領域ドメインの欠失に加えて、本発明の抗体を部分的に欠失するか数個のアミノ酸または1つのアミノ酸を置換するように操作することができることが認識される。例えば、C2ドメインの選択された領域中での1アミノ酸の変異で、Fc結合を実質的に減少させ、それによって腫瘍局在化を増加させるのに十分であり得る。同様に、エフェクター機能(例えば、補体C1Q結合)を調節する1つまたは複数の定常領域ドメインの一部を単純に欠失することが望ましい。定常領域のこのような部分的欠失は、抗体の選択された特徴(血清半減期)を改良することができる一方で、本発明の定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能はインタクトなままである。重複PCR変異誘発によって、C2ドメイン欠失異形(version)を作製することができる。γ1定常ドメインは、免疫グロブリン配列を含む翻訳読み枠中のプラスミドコードされたNheI部位から始まる。NheI部位および直ぐ下流の配列をコードする5’PCRプライマーを構築した。3’末端で免疫グロブリンヒンジ領域とアニーリングし、γ1CH3ドメインの最初の数個のアミノ酸をインフレームでコードする対の3’PCRプライマーを構築した。第2のPCRプライマー対は、5’プライマーとしての第1の対(上記)由来の3’PCRプライマーの逆方向相補物およびC3ドメイン内のBsrGI制限部位に及ぶ遺伝子座でアニーリングする3’プライマーからなる。各PCR増幅後、得られた産物を、それぞれNheIおよびBsrGIの5’および3’プライマーと共にテンプレートとして使用した。次いで、増幅産物をN5KG1に逆クローニングしてプラスミドN5KG1ΔC2を作製した。この構築は、インタクトなヒンジ領域のすぐ下流かつインフレームでインタクトなCH3ドメインを配置する。類似の手順を使用して、CH3ドメインが連結ペプチドの直ぐ下流に存在するドメイン欠失構築物を作製することができる。例えば、米国特許第5,648,267号および同第5,736,137号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に記載のように、C2B8抗体のドメイン欠失形をこの様式で作製した。
1つの実施形態では、四価ドメイン欠失抗体を、ドメイン欠失抗体をコードするDNA配列とScFv分子との組み合わせによって産生することができる。例えば、1つの実施形態では、ScFv分子をそのN末端で可性リンカー(例えば、(Gly4Ser)(配列番号35)などのgly/serリンカー)を介してドメイン欠失抗体のCH3ドメインと結合するようにこれらの配列を組み合わせる。
別の実施形態では、ScFv−Fab四価分子を構築するためのScFv分子とCH1ドメインと融合した連結ペプチドとの融合によって四価抗体を作製することができる(Coloma and Morrison.1997.Nature Biotechnology.15:159;WO95/09917)。
(iii.二重特異性抗体)
二重特異性抗体(diabody)は、scFv分子と類似しているが、通常、両Vドメインと連結した短い(10個未満、好ましくは1〜5個)アミノ酸残基リンカーを有しており、その結果、同一ポリペプチド鎖上のVLドメインとVHドメインとが相互作用することができない。その代わりに、1つのポリペプチド鎖のVLドメインおよびVHドメインは、第2のポリペプチド鎖上のVHドメインおよびVLドメインと(それぞれ)相互作用する(WO02/02781号)。1つの実施形態では、本発明の結合分子は、少なくとも1つの重鎖部分と融合した二重特異性抗体である。好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、CH3ドメインと融合した二重特異性抗体である。
1つの実施形態では、本発明の修飾抗体(結合分子)は、軽鎖のN末端に付加されたscFvを有する四価または二重特異性四価CH2ドメイン欠失抗体を含む。本発明の別の実施形態では、結合分子は、重鎖のN末端に付加されたscFvを有する四価または二重特異性四価CH2ドメイン欠失抗体を含む。1つの実施形態では、N末端へのscFvの結合により、カルボキシ末端にscFvが結合した分子と比較して分子の凝集が減少する。1つの実施形態では、N末端融合構築物を発現する細胞によって産生された結合分子の組成物中に約30%未満の凝集体が存在する。1つの実施形態では、N末端融合構築物を発現する細胞によって産生された結合分子の組成物中に約20%未満の凝集体が存在する。1つの実施形態では、N末端融合構築物を発現する細胞によって産生された結合分子の組成物中に約10%未満の凝集体が存在する。1つの実施形態では、N末端融合構築物を発現する細胞によって産生された結合分子の組成物中に約5%未満の凝集体が存在する。
修飾抗体の別の形態も本発明の範囲内である(例えば、WO02/02781 A;5,959,083;6,476,198 B;US 2002/0103345 A;WO00/06605;Byrn et al.1990.Nature.344:667−70;Chamow and Ashkenazi.1996.Trends Biotechnol.14:52)。
(D.触媒抗体)
1つの実施形態では、本発明の修飾抗体分子の少なくとも1つの結合特異性は触媒性である。当該分野で認識された技術を使用して、触媒結合特異性を得ることができる(例えば、米国特許第6,590,080号および同第5,658,753号を参照のこと)。触媒結合特異性は、遷移状態を安定化し、それによって活性化の自由エネルギーを減少させるための酵素で同定された機構と類似の多数の基本機構によって作用することができる。例えば、触媒活性部位内触媒作用に関連する一般的な酸性および塩基性残基を任意選択的に配置することができ;共有結合性酵素−基質中間体を形成することができ;触媒抗体をまた反応に適切な方向に配置して反応物質の有効濃度を少なくとも7オーダーの規模で増加させ(Fersht,A.R.,et al.,Am.Chem.Soc.90(1968):5833)、それによって化学反応のエントロピーを大幅に減少させることができる。最後に、触媒抗体は、基質結合時に得られるエネルギーを変換して、遷移状態に類似する構造へと反応を変化させることができる。
1つの実施形態では、免疫原として相補的荷電分子を使用することによって酸性または塩基性残基を結合部位に配置することができる。この技術は、正電荷のアンモニウムイオンを含むハプテンを使用して首尾よく抗体を誘発することが証明されている(Shokat,et al.,Chem.Int.Ed.Engl.27(1988):269−271)。
別のアプローチでは、所望の反応物のサイズ、形状、および遷移状態の電荷に類似する安定な化合物(すなわち、遷移状態アナログ)に対して抗体を誘発することができる。例えば、動物を免疫化するための遷移状態アナログの使用および触媒抗体の産生を記載した米国特許第4,792,446号および同第4,963,355号を参照のこと。これらの両特許は、本明細書中で参考として援用される。1つの実施形態では、このような分子を、例えば、KLHなどの免疫原性キャリア分子を含む免疫結合体(immunoconjugate)の一部として投与することができる。
例示的な触媒結合特異性は、例えば、エステラーゼ活性(その静電気的特性および形状の特性をホスホネートの構造によって模倣することができる荷電遷移状態を含む;Jacobs,et al.,J.Am.Chem.Soc.109(1987):2174−2176;Durfor,et al.,J.Am.Chem.Soc.110(1988):8713−8714;Tramontano,et al.,J.Am.Chem.Soc.110(1988):2282;Pollack,et al.,J.Am.Chem.Soc.111(1989):5961−5962);ペプチダーゼ活性またはアミダーゼ活性(Janda,et al.,Science 241(1988):1188−1191;Iverson,et al.,Science 243(1989):1184−1188;Paul,et al.,Science 244(1989):1158−1162);クライゼン転位(Jackson,et al.,J.Am.Chem.Soc.110(1988):4841−4842;Hilvert,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988):4953−4955;Hilvert,et al.,J.Am.Chem.Soc.110(1988):5593−5594);酸化還元反応(Shokat,et al.,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.27(1989):269−271);チミン二量体の光化学的切断(Cochran,et al.,J.Am.Chem.Soc.110(1988):7888−7890);立体特異的エステル交換反応転位(stereospecific transesterification rearrangements)(Napper,et al.,Science 237(1987):1041−1043);または二分子アミド合成(Benkovic,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988):5355−5358;Janda,et al.,Science 241(1988):118−1191)を有し得る。
別のアプローチでは、従来の結合特異性を、触媒性にするように変異させることができる。
触媒抗体活性のスクリーニング方法は、当該分野で周知である(例えば、Reymond,J.L.2002.Journal of Immunological Methods 269:125;Mouratou et al.2002.J.of Immunological Methods.269:147)。さらに別の実施形態では、例えば、米国特許第6,590,080号に記載のように、触媒性B細胞の選択を容易にするように構築され得る分子を使用して触媒性B細胞を選択することができる。
別の実施形態では、2工程プロセスの一部として触媒結合特異性を開発することができる。以下の結合特性を示した場合に限り、触媒抗体を選択することができる:2つの基が相互の反応位置に存在するような方法での基質と反応基の両方の結合。第2に、選択された抗体を、抗体の結合ポケットへの反応基の共有結合によって化学的に操作することができる。J Immunol Methods.2002.269:81−98。
1つの実施形態では、触媒性結合特異性はプロドラッグに特異的である。このような結合特異性を使用して、プロドラッグのin vivoで有効な薬物への変換を触媒することができる。好ましくは、触媒された反応は、in vivoで天然の酵素によって達成することができない反応である。抗体によるプロドラッグ活性化の例は、当該分野で公知である(例えば、Miyashita et al.1993.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5337を参照のこと)。
1つの実施形態では、本発明の修飾抗体分子は、標的細胞のための少なくとも1つの結合特異性およびプロドラッグのための少なくとも1つの結合特異性を含む。例えば、好ましい実施形態では、本発明の修飾抗体分子は、腫瘍細胞のための少なくとも1つの結合特異性および細胞毒性薬に変換することができるプロドラッグのための少なくとも1つの結合特異性を含む。1つの例では、本発明の修飾抗体は、カルバメートプロドラッグである4−[N,N−ビス(2−クロロエチル)]アミノフェニル−N−[(1S−(1,3−ジカルボキシ)プロピル]カルバメートのための結合特異性を含み、対応する細胞毒性イトジェンマスタードを作製する(Wentworth et al.1996.Proc Natl.Acad.Sci.USA.93:799)。
1つの実施形態では、標的細胞部位で蓄積させるために、修飾抗体をプロドラッグの投与前に投与する。例示的なプロドラッグは当該分野で知である。触媒作用(例えば、アルドラーゼ活性を有する抗体によって触媒された連続的レトロ−アルドール/レトロ−ミハエル反応)によって放出されるようにデザインした部分の組み込みによってプロドラッグを合成することもできる(Shabat et al.2001.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:7428)。このような薬物のマスキング部分を、例えば、薬物の水酸基またはチオール基の修飾によって作製することができる。
(E.多特異性結合分子)
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、多特異性である(すなわち、第1の分子または分子のエピトープに結合する少なくとも1つの結合部位および第2の分子または分子のエピトープに結合する少なくとも1つの第2の結合部位を有する)。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は二重特異性である。二重特異性分子は、例えば、同一標的分子または異なる標的分子上の2つの異なる標的部位に結合することができる。例えば、抗体の場合、二重特異性分子は、例えば、同一抗原または2つの異なる抗原上の2つの異なるエピトープに結合することができる。二重特異性分子を、例えば、診断および治療への適用で使用することができる。例えば、これらを使用して、免疫アッセイ用の酵素を固定することができる。これらを、例えば、腫瘍関連分子および検出可能マーカー(例えば、放射性核種に強固に結合するキレート剤)の両方への結合による癌の診断および治療で使用することもできる。例えば、特定の標的に対して細胞毒性を向けること(例えば、病原体または腫瘍細胞への結合およびT細胞受容体またはFcγ受容体などの細胞毒性誘発分子への結合による)によってヒト治療のために二重特異性分子を使用することもできる。二重特異性抗体を、例えば、線維素溶解薬またはワクチンアジュバントとして使用することもできる。
二重特異性結合分子の例には、腫瘍細胞抗原に指向する少なくとも2つのアームを有するもの;腫瘍細胞抗原に指向する少なくとも1つのアームおよび細胞毒性誘発分子に指向する少なくとも1つのアームを有する二重特異性結合分子(抗FcγRI/抗CD15、抗p185.sup.HER2/FcγRIII(CD16)、抗CD3/抗悪性B細胞(1D10)、抗CD3/抗p185.sup.HER2、抗CD3/抗p97、抗CD3/抗腎細胞癌、抗CD3/抗OVCAR−3、抗CD3/L−D(抗結腸癌)、抗CD3/抗メラノサイト刺激ホルモンアナログ、抗EGF受容体/抗CD3、抗CD3/抗CAMA、抗CD3/抗CD19、抗CD3/MoV18、抗神経細胞接着分子(NCAM)/抗CD3、抗葉酸結合タンパク質(FBP)/抗CD3、抗癌関連抗原(anti−pan carcinoma associated antigen)(AMOC−31)/抗CD3など);腫瘍抗原と特異的に結合する少なくとも1つおよび毒素に結合する少なくとも1つを含む二重特異性結合分子(抗サポリン/抗Id−1、抗CD22/抗サポリン、抗CD7/抗サポリン、抗CD38/抗サポリン、抗CEA/抗リシンA鎖、抗インターフェロンα(IFN−α)/抗ハイブリドーマイディオタイプ、抗CEA/抗ビンカアルカロイドなど);酵素活性化プロドラッグの変換のための二重特異性結合分子(抗CD30/抗アルカリホスファターゼ(リン酸マイトマイシンプロドラッグのマイトマイシンアルコールへの変換を触媒する)など);線維素溶解薬として使用することができる二重特異性結合分子(抗フィブリン/抗組織プラスミノゲンアクチベーター(tPA)、抗フィブリン/抗ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベーター(uPA)など);細胞表面受容体へ免疫複合体をターゲティングするための二重特異性結合分子(抗低密度リポタンパク質(LDL)/抗Fc受容体(例えば、FcγRI、FcγRII、またはFcγRIII)など);感染症治療で使用するための二重特異性結合分子(抗CD3/抗単純ヘルペスウイルス(HSV)、抗T細胞受容体:CD3複合体/抗インフルエンザ、抗FcγR/抗HIVなど);in vitroまたはin vivoでの腫瘍検出のための二重特異性結合分子(抗CEA/抗EOTUBE、抗CEA/抗DPTA、抗p85HER2/抗ハプテンなど);ワクチンアジュバントとしての二重特異性結合分子(Fanger et al.、supraを参照のこと);および診断ツールとしての二重特異性結合分子(抗ウサギIgG/抗フィリチン、抗西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)/抗ホルモン、抗ソマトスタチン/抗サブスタンスP、抗HRP/抗FITC、抗CEA/抗β−ガラクトシダーゼ(Nolan et al.、supraを参照のこと)など)が含まれる。三重特異性抗体の例には、抗CD3/抗CD4/抗CD37、抗CD3/抗CD5/抗CD37、および抗CD3/抗CD8/抗CD37が含まれる。
好ましい実施形態では、本発明の二重特異性分子はCRIPTO−Iに結合する。
二重特異性分子は各特異性について一価であり得るか、各特異性について多価であり得る。例えば、抗体分子または融合タンパク質は第1の標的分子と反応する1つの結合部位および第2の標的分子と反応する1つの結合部位を含み得るか、第1の標的分子と反応する2つの結合部位および第2の標的分子と反応する2つの結合部位を含み得る。二重特異性分子の産生方法は当該分野で周知である。例えば、組換えテクノロジーを使用して、二重特異性分子(例えば、二重特異性抗体、単鎖二重特異性抗体、タンデムscFvなど)を産生することができる。二重特異性分子の例示的産生技術は当該分野で公知である(例えば、Kontermann et al.Methods in Molecular Biology Vol.248:Antibody Engineering:Methods and Protocols.Pp 227−242 US2003/0207346Aおよびその参考文献)。1つの実施形態では、例えば、US2003/0207346A号、または米国特許第5,821,333号、またはUS2004/0058400号などに記載の方法を使用して、多量体二重特異性分子を調製する。
本明細書中で使用される、句「多重特異性融合タンパク質」は、少なくとも2つの結合特異性(すなわち、リガンドまたは受容体の2つまたはそれより多くの結合ドメインの組み合わせ)を有する(上記定義のとおりの)融合タンパク質を示す。本質的にWO89/02922号(1989年4月6日公開)、欧州特許第EP 314,317号(1989年5月3日公開)、1992年5月2日発行の米国特許第5,116,964号に開示のように、多重特異性融合タンパク質を、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体、またはヘテロ四量体としてアセンブリすることができる。好ましい多重特異性融合タンパク質は二重特異性である。二重特異性融合タンパク質の例には、CD4−IgG/TNF受容体−IgGおよびCD4−IgG/L−セレクチン−IgGが含まれる。最後に言及した分子は、リンパ球ホーミング受容体(LHR、L−セレクチン)のリンパ節結合機能とCD4のHIV結合機能とを組み合わせたものであり、HIV感染、関連病態の防止もしくは治療または診断薬としての潜在的用途がある。
当業者は、本発明の多重特異性結合分子の標的結合部位を容易に選択することができる。いかなる方法にも制限されないが、例示的結合部位には、腫瘍抗原の1つまたは複数のエピトープが含まれる。他の例示的標的分子には、例えば、硫酸ヘパリン、成長因子またはその受容体(例えば、上皮成長因子受容体、インスリン様成長因子受容体、肝細胞成長因子(HGF/SF)受容体、MORE)の1つまたは複数のエピトープが含まれる(例えば、Cao et al.Proc.Natl.Acad.Sci 2001.98:7443;Lu et al.2004.J.Biol.Chem.279:2856を参照のこと)。
別の実施形態では、本発明は、既知の標的に結合する少なくとも1つの結合部位および未知の標的を認識する少なくとも1つの結合部位が組み込まれた二重特異性分子(例えば、抗体)に関する(例えば、1つの実施形態では、二重特異性分子は、半合成抗体ファージディスプレイライブラリーから選択された結合部位が組み込まれている)。
本発明の1つの実施形態では、当業者は、当該分野で公知の技術を使用して既知の特異性を有する単鎖抗体から出発し、Fabライブラリーを構築することができるか、あるいは、当業者は、当該分野で公知の技術を使用して既知の特異性を有するFabフラグメントから出発し、一本鎖ライブラリーを構築することができる。非免化供給源に由来し、V遺伝子配列の合成組換え(好ましくは、DH配列およびJH配列でのVH配列の組換えならびにJL配列でのVL配列の組換え)によって調製されたライブラリーを使用して任意の抗原に対する抗体を単離することができることが当該分野で公知である。例えば、特許出願WO92/01047号は、抗体フラグメントをバクテリオファージの表面上にディスプレイすることができ、これらが抗原に結合することを教示する。この特徴を使用して、抗体フラグメント(例えば、Fab、Fv、ScFv、およびVH)を直接選択することができる。当該分野で公知の他の方法には、例えば、米国特許第5,698,426号、同第6,291,159号、同第5,658,727号、同第5,667,988号、および同第5,969,108号に教示の方法が含まれる。
別の実施形態では、既知の標的を認識するscFvを、半合成ヒトファージ抗体ディスプレイライブラリーから単離したscFvと二量体化することができる(例えば、Kruif and Logtenberg 1996.J.Biol.Chem.271:7630を参照のこと)。
1つの実施形態では、本発明の二重特異性分子を、抗体分子を発現するために使用される任意の発現系(例えば、哺乳動物細胞、ピキア(Picchia)などの酵母、大腸菌、バキュロウイルスなど)で発現する。1つの実施形態では、本発明の二重特異性分子を、NEOSPLAベクター系で発現する(例えば、米国特許第6,159,730号を参照のこと)。このベクターは、サイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー、マウスβグロビン主要プロモーター、SV40複製起点、ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼエクソン1およびエクソン2、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、およびリーダー配列を含む。
1つの実施形態では、本発明の二重特異性分子は、合成連結ペプチドを含む。
これらの二重特性分子は、既知の標的の1つまたは複数の結合部位を有し、1つまたは複数の結合部位でライブラリーを発現する。このような二重特異性分子を使用して、例えば、既知の標的に極めて近接しているか会合している分子を同定することができる。例えば、当業者は、当該分野で周知のスクリーニング法を使用して、特定の応答(例えば、アポトーシスまたは細胞活性化)を誘導する二重特異性分子を選択するためのアッセイで本発明の二重特異性分子を使用することができる。スクリーニングした応答を生じると同定された二重特異性分子を同定し、その特異性を決定することができる。このような方法を使用して、目的の特定の標的と密接に関連する分子(例えば、T細胞マーカーまたは他のシグナル伝達分子(CRIPTO−I、死ドメイン分子、またはアポトーシスに関与する分子など))を同定することが可能である。既知の標的と「最も近接する」と新規に同定された分子の近接性を、免疫沈降または当業者に公知の他の技術を使用して確認することができる。これらの方法を使用して、特定の細胞応答の調整のための標的として分子を同定することが可能である。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチド分子は、図8A(配列番号16)、図8B(配列番号17)、図8C(配列番号18)、図10A(配列番号22)、図10B(配列番号23)に示す核酸配列を含む核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を含む。
別の実施形態では、本発明の核酸分子は、図8A(配列番号16)、図8B(配列番号17)、図8C(配列番号18)、図10A(配列番号22)、図10B(配列番号23)に示すヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、図9A(配列番号19)、図9B(配列番号20)、配列番号21、図11A(配列番号24)、または図11B(配列番号25)に示すアミノ酸配列を含む。
別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、図12A(配列番号26)、図12B(配列番号27)、図14(配列番号30)、または図15(配列番号31)に示すヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされる。別の実施形態では、本発明の核酸分子は、図12A(配列番号26)、図12B(配列番号27)、図14(配列番号30)、または図15(配列番号31)に示すヌクレオチド配列を含む。1つの実施形態では、本発明のポリペプチドは、図13A(配列番号28)、図13B(配列番号29)、図16(配列番号32)、または図17(配列番号33)に示すアミノ酸配列を含む。
配列表および図中の本明細書中に開示の他の核酸配列およびアミノ酸配列も本発明に含まれる。
(B.ポリペプチドの発現)
上記の本発明のポリペプチドを得るための単離遺伝物質の操作後、典型的には、所望の量の修飾抗体を産生するために使用することができる宿主細胞に導入するために、遺伝子を発現ベクターに挿入し、特許請求の範囲に記載のポリペプチドを得ることができる。
用語「ベクター」または「発現ベクター」、細胞の所望の遺伝子の入および細胞中での発現のための媒体として本発明で使用されるベクターを意味するために、明細書および特許請求の範囲のために本明細書中で使用される。当業者に公知のように、このようなベクターを、プラスミド、ファージ、ウイルス、およびレトロウイルスからなる群から容易に選択することができる。一般に、本発明に適合するベクターは、選択マーカー、所望の遺伝子のクローニングを容易にするための適切な制限部位、ならびに真核細胞または原核細胞に侵入し、そして/または複製する能力を有する。
本発明の目的のために、多数の発現ベクター系を使用することができる。例えば、あるベクタークラスは、ウシ乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(RSV、MMTV、またはMOMLV)、またはSV40ウイルスなどの動物ウイルス由来のDNAエレメントを使用する。他のクラスは、内部リボーム結合部位を含む多シストロン系の使用を含む。例示的なベクターには、米国特許第6,159,730号、同第6,413,777号、またはUS2003 0157641A1号に教示のベクターが含まれる。さらに、DNAがその染色体に組み込まれた細胞を、トランスフェクトした宿主細胞選択を許容する1つまたは複数のマーカーの入によって選択することができる。マーカーは、独立栄養性宿主に原栄養性を提供するか、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)または銅などの重金属への耐性を付与することができる。選択可能マーカー遺伝子を、発現すべきDNA配列に直接結合するか、または同時形質転換によって同一細胞に入することができる。
1つの実施形態では、誘導性発現系を使用することができる。
最適なmRNA合成のためにさらなるエレメントも必要であり得る。これらのエレメントには、シグナル配列、スプライスシグナル、ならびに転写プロモーター、エンハンサー、および終結シグナルが含まれ得る。
1つの実施形態では、ポリペプチドを最適に分泌させるために、分泌シグナル(例えば、いくつかの十分に特徴づけられた細菌リーダーペプチド(例えば、pelB、phoA、またはompA)のうちの1つ)を、インフレームで本発明のポリペプチドのN末端に融合することができる(Lei et al.1988 Nature 331:543;Better et al.Science 1988.240:1041;Mullinax et al.,1990.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8095)。
1つの実施形態では、ペプチドリンカーをコードする核酸配列を含むベクターを使用することができる。別の実施形態では、例えば、重複プライマーを使用したPCR増幅によって最初に所望のコード配列(例えば、分泌シグナル、VL、リンカーペプチド、VHなど)を1つの配列にアセンブリし、その後、プラスミドまたは他のベクターへライゲーションすることが所望され得る
特に好ましい実施形態では、クローン化した可変領域遺伝子を、上記で議論したように修飾した重鎖および軽鎖の定常領域遺伝子(好ましくはヒト)と共に発現ベクターに挿入する。好ましくは、NEOSPLAと呼ばれるIDEC,Inc.の独占商品である発現ベクターを使用してこれを行う。米国特許第6,159,730号を参照のこと。このベクターは、サイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー、マウスβグロビン主要プロモーター、SV40複製起点、ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼエクソン1およびエクソン2、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、およびリーダー配列を含む。以下の実施例で認められるように、このベクターは、可変領域および定常領域の遺伝子組み込み、CHO細胞でトランスフェクション、その後、G418含有培地で選択し、メトトレキセート増幅すると抗体を非常に高レベルで発現することが見出されている。ベクター系は、米国特許第5,736,137号および同第5,658,570号(それぞれその全体が本明細書中で参考として援用される)にも教示されている。この系の発現レベルは高い(例えば、>30pg/細胞/日)。他の例示的ベクター系は、例えば、米国特許第6,413,777号に開示されている。
他の好ましい実施形態では、2001年11月16日提出の米国特許仮出願番号60/331,481号(その全体が本明細書中で援用される)に開示される多シストロン性構築物どの多シストロン性構築物を使用して、本発明のポリペプチドを発現することができる。これらの新規の発現系では、抗体の重鎖および軽鎖などの目的の複数の遺伝子産物を、1つの多シストロン性構築物から産生することができる。これらの系は、真核宿主細胞中での本発明のポリペプチドを比較的高レベルで得るために、内部リボーム侵入部位(IRES)を使用することが有利である。適合性IRES配列は、米国特許第6,193,980号(本明細書中でも援用される)に開示されている。当業者は、このような発現系を使用して本出願で開示の全範囲のポリペプチドを有効に産生することができることを認識する。
より一般的には、一旦ポリペプチド(例えば、修飾抗体)の単量体サブユニットをコードするベクターまたはDNA配列調製されれば、発現ベクターを適切な宿主細胞に入することができる。すなわち、宿主細胞を形質転換することができる。当業者に周知の種々の技術によって、宿主細胞にプラスミドを入することができる。これらには、トランスフェクション(電気泳動およびエレクトロポレーションが含まれる)、プロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、包膜DNAとの細胞融合、微量注入、およびインタクトなウイルスでの感染が含まれるが、これらに限定されない。Ridgway,A.A.G.”Mammalian Expression Vectors” Chapter 24.2,pp.470−472 Vectors,Rodriguez and Denhardt,Eds.(Butterworths,Boston,Mass.1988)を参照のこと。最も好ましくは、宿主へのプラスミドの入は、エレクトロポレーションによる。形質転換細胞を軽鎖および重鎖の産生に適切な条件下で増殖させ、重鎖および/または軽鎖タンパク質合成のためにアッセイする。例示的なアッセイ技術には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)、または蛍光標示式細胞分取分析(FACS)、および免疫組織化学などが含まれる。
本明細書中で使用される、用語「形質転換」を、遺伝子型を変化させてその結果としてレシピエント細胞が変化する、レシピエント宿主細胞へのDNAの任意の入をいうために広義で使用するものとする。
同一系統のもののうち、「宿主細胞」は、組換えDNA技術を使用して構築し、かつ少なくとも1つの異種遺伝子をコードするベクターで形質転換した細胞をいう。組換え宿主からの抗体の単離プロセスの説明では、用語「細胞」および「細胞培養物」を、他で明確に特定しない限り、抗体の供給源を示すために交換可能に使用する。言い換えると、「細胞」からのポリペプチドの回収は、沈降全細胞または培地および懸濁細胞の両方を含む細胞培養物のいずれかからの回収を意味し得る。
タンパク質発現に使用される宿主細胞株は、哺乳動物起源が最も好ましい;当業者は、所望の遺伝子産物が特定の細胞株中で発現されるのに最も適切な特定の宿主細胞株を優先的に決定する能力を有すると考える。例示的な宿主細胞株には、DG44およびDUXB11(チャイニーズハムスター卵巣株、DHFR−)、HELA(ヒト頸部癌)、CVI(サル腎臓株)、COS(SV40T抗原を有するCVI誘導体)、R1610(チャイニーズハムスター線維芽細胞)、BALBC/3T3(マウス線維芽細胞)、HAK(ハムスター腎臓株)、SP2/O(マウス骨髄腫)、P3.times.63−Ag3.653(マウス骨髄腫)、BFA−1c1BPT(ウシ内皮細胞)、RAJI(ヒトリンパ球)、および293(ヒト腎臓)が含まれるが、これらに限定されない。CHO細胞が特に好ましい。宿主細胞株は、典型的には、商業サービスAmerican Tissue Culture Collectionまたは既刊文献から利用可能である。
別の実施形態では、宿主細胞は、原核細胞(例えば、ジスルフィド結合形成を許容する株)である(Derman,AI,et al.1993.Science.262:1744;Bessette,PH.Et al.1999.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:13703)。
in vitro産生によってスケールアップして大量の所望のポリペプチドを得ることが可能である。組織培養条件下での哺乳動物細胞培養技術は当該分野で公知であり、例えば、エアリフトリアクターまたは連続撹拌リアクターでの均一浮遊培養、例えば、中空繊維、マイクロカプセル、アガロースマイクロビーズもしくはセラミックカートリッジでの固定もしくは捕捉細胞培養が含まれる。必要および/または所望ならば、ポリペプチド溶液を、例えば、修飾ヒンジ領域ポリペプチドの優先的生合成後または本明細書中に記載のHICクロマトグラフィ工程の前もしくは後の習慣的クロマトグラフィ法(例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ、DEAE−セルロースクロマトグラフィ、または(イムノ)アフィニティクロマトグラフィ)によって精製することができる。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子は、細菌もしくは酵母または植物細胞などの非哺乳動物細胞を発現することもできる。これに関して、細菌などの種々の単細胞非哺乳動物微生物(すなわち、培養または発酵で増殖することができるもの)を形質転換することもできることが認識される。形質転換に感受性を示す細菌には、大腸菌またはサルモネラ株などの腸内細菌科;バチルス科(枯草菌など);肺炎球菌;連鎖球菌;インフルエンザ菌が含まれる。細菌中で発現される場合、典型的には、ポリペプチドは封入体の一部となることがさらに認識される。ポリペプチドを単離し、精製し、アセンブリして機能的分子にしなければならない。抗体の四価形態が望ましく、サブユニットは次いで自己アセンブリして四価抗体になる(WO02/096948A2)。
原核生物に加えて、真核微生物も使用することができる。出芽酵母(すなわち、一般的なパン酵母)は、真核微生物のうちで最も一般的に使用されているが、多数の他の株を一般的に利用可能である。酵母類での発現のために、一般に、プラスミドYRp7(例えば、Stinchcomb et al.,Nature,282:39(1979);Kingsman et al.,Gene,7:141(1979);Tschemper et al.,Gene,10:157(1980))を使用する。このプラスミドは、トリプトファン中での増殖能力を欠く酵母の変異株のための選択マーカーを提供するTRP1遺伝子(例えば、ATCC番号44076またはPEP4−1(Jones,Genetics,85:12(1977)))を既に含む。次いで、酵母宿主ゲノムに特徴的なtrp1損傷の存在によって、トリプトファンの非存在下での増殖による形質転換の検出のための有効な環境が提供される。
(IV.鎖間ジスルフィド結合を欠くポリペプチドからの少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を含むポリペプチドの分離)
1つの態様では、本発明は、ある分子画分は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在しある分子画分少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合していない重鎖部分を含混合物からの、疎水性相互作用クロマトグラフィによる、2つの重鎖部分を有する分子の分離に関する。
化水素スペーサーアームを含むがアフィニティリガンドを欠くアフィニティゲル上にタンパク質を保持することができるという見の後、疎水性相互作用クロマトグラフィ最初に開発された。溶媒、pH、イオン強度の変化またはカオトロピック剤または有機修飾剤(modifier)(エチレングリコールまたはプロピレングリコールなど)の添加によってHIC支持体から溶離することができる。疎水性相互作用クロマトグラフィの一般的原理の説明を、例えば、米国特許第3,917,527号および同第4,000,098号で見出すことができる。高速液体クロマトグラフィ(HPLC)の文脈でHICを使用して、1工程プロトコールでインタクトな抗体分子から重鎖部分を欠く抗体フラグメント(例えば、F(ab’))を分離した(Morimoto,K.et al.,L Biochem.Biophvs.Meth.24:107(1992))。
本発明の分離方法を、ポリペプチドの非精製集団(例えば、培養上清もしくは調製物または原核生物封入体から単離したポリペプチドの調製物)に対して実施することができる。あるいは、本発明の分離方法を、1つまたは複数の最初の精製工程後(例えば、A型およびB型を含む調製物をアフィニティマトリクスから溶離した後)に得たポリペプチド混合物に対して使用することができる。
1つの実施形態では、HICクロマトグラフィに供した結合分子は、本発明の連結ペプチドを含む。
好ましい実施形態では、HICを、他のタンパク質精製手順によって部分精製した混合物に適用することができる。本明細書中で使用される、用語「部分精製された」には、目的のタンパク質が少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも45重量%存在するタンパク質調製物が含まれる。最初またはその後の精製工程を使用して、例えば、先のクロマトグラフィ工程(使用する場合、プロテインAなど)から免疫グロブリン凝集体、誤折りたたみ種、宿主細胞タンパク質、残存物質を除去することができる。1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドを含むポリペプチドに対してHICを行うことができる。したがって、全精製プロトコールの文脈でHICの適用も認識することができる。HICの前または後で使用することができる例示的精製工程には、アフィニティクロマトグラフィ(例えば、制御された細孔性ガラス(controlled pore glass)に共有結合したプロテインAからなるPROSEP−A(登録商標)(BioProcessing Ltd.,U.K.)、プロテインA SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow(Pharmacia)、またはTOYOPEARL 650M プロテインA(TosoHaas))が含まれる。プロテインAはヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に好ましく、プロテインGはマウスアイソタイプに好ましい。分子がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABXtm樹脂を使用することができる。さらにまたはあるいは、イオン交換クロマトグラフィを使用することができる。これに関して、クロマトグラフィ用の陰イオンまたは陽イオン性の支持体を形成するために、種々の陰イオンまたは陽イオン置換基をマトリクスに結合することができる。陰イオン交換置換基には、ジエチルアミノエチル(DEAE)基、第四級アミノエチル(QAE)、および第四級アミン(Q)基が含まれる。陽イオン交換置換基には、カルボキシメチル(CM)基、スルホエチル(SE)基、スルホプロピル(SP)基、リン酸基(P)、およびスルホン酸基(S)が含まれる。DE23、DE32、DE52、CM−23、CM−32、およびCM−52などのセルロースイオン交換樹脂は、Whatman Ltd.Maidstone,Kent,U.Kから市販されている。SEPHADEX(登録商標)ベースおよび架橋イオン交換体も公知である。例えば、DEAE−、QAE−、CM−、およびSP−SEPHADEX(登録商標)ならびにDEAE−、Q−、CM−、およびS−SEPHAROSE(登録商標)およびSEPHAROSE(登録商標)Fast Flowはすべて、Pharmacia ABから市販されている。さらに、TOYOPEARL DEAE−650SまたはMおよびTOYOPEARL CM−650SまたはMなどのDEAEおよびCM誘導体化エチレングリコール−メタクリレートコポリマーはToso Haas Co.,Philadelphia,Paから市販されている。イオン交換支持体からの溶離が通常は塩の添加を含み、かつ増加塩濃度下でHICが増強されるため、イオン交換クロマトグラフィ工程または他の塩媒介精製工程後のHIC工程の導入が好ましい。さらなる精製プロトコール(さらなるイオン交換クロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ、ウイルス不活化、濃縮および凍結乾燥、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカゲルクロマトグラフィ、ヘパリンSEQHAROSETMでのクロマトグラフィ、クロマトフォーカシング、または硫酸アンモニウム沈殿が含まれるが、これらに必ず制限されるわけではない)を加えることができる。
本発明の方法を使用した精製前に、分離すべきポリペプチドの混合物を含む組成物を、酸性もしくはほぼ中性のpHの緩衝液に入れることが好ましい。例えば、濃縮緩衝液の添加、緩衝液へのサンプルの再懸濁、緩衝液の交換(例えば、透析または限外濾過を使用する)によってこれを行うことができる。あるいは、サンプル緩衝液のpHを、所望の範囲内となるように簡単に調整することができる。
疎水性相互作用は高イオン強度で最も強くなるため、塩沈殿またはイオン交換手順後にこの分離形態が便利に実施される。高塩濃度はHICカラムへのタンパク質の吸着に有利に働くが、実際の濃度は、タンパク質の性質および選択した特定のHICリガンドに依存して広範に変化し得る。疎水性相互作用(塩析作用)を促進するかどうかまたは水の構造を破壊して(カオトロピック効果)、疎水性相互作用を弱めるかどうかに依存して、いわゆるsoluphobicシリーズ中に種々のイオンを配置することができる。陽イオン、塩析作用の増加に関してBa++<;Ca++<;Mg++<;Li<;Cs<;Na<;K<;Rb<;NH として順位づけされ、陰イオンをカオトロピック効果の増加に関してPO−−<;S0 −−<;CHCOOO<;Cl<;Br<;NO <;ClO <;I<;SCNに順位づけることができる。
一般に、Na、K、またはNHの硫酸塩は、HICにおけるリガンド−タンパク質相互作用を効果的に促進する。以下の関係によって与えられたように相互作用の強度に影響を与える塩を配合することができる:(NHSO>;NaSO>;NaCl>;NHC1>;NaBr>;NaSCN。一般に、約0.75と約2Mとの間の硫酸アンモニウムの塩濃度または約1Mと4Mとの間のNaClの塩濃度が有用である。
HICカラムの調製において多数のクロマトグラフィ支持体を使用することができ、アガロース、シリカ、および有機ポリマー、またはコポリマー樹脂が最も広範に使用されている。疎水性相互作用材料は、一般に、疎水性リガンド(例えば、アルキル基またはアリール基)をカップリングしたベースマトリクス(例えば、親水性炭水化物(架橋アガロースなど)または合成コポリマー材料)である。好ましいHIC材料は、フェニル基置換されたアガロース樹脂を含む。例示的HIC材料には、フェニルSEPHAROSETM、低または高置換FAST FLOW(Pharmacia LKB Biotechnology,AB,Sweden);フェニルSEPHAROSETM High Performanceカラム;フェニルまたはブチル−SEPHAROSE(登録商標)CL−4B、ブチル−SEPHAROSE(登録商標)FF、オクチル−SEPHAROSE(登録商標)FF、およびフェニル−SEPHAROSE(登録商標)FF(Pharmacia LKB Biotechnology AB,Sweden);FractogelTMEMDプロピルまたはFRACTOGELTMEMCフェニルカラム(E.Merck,Germany);MACROPREPTMメチルまたはMACRO−PREPTMt−ブチル支持体(Bio−Rad,California);WP HI−プロピル(C3) TM カラム(J.T.Baker,New Jersey)が含まれる。例示的HIC材料はまた、TOYOPEARLエーテル650、フェニル650、ブチル650(Fractogel)、エーテル−5PW−HR、またはフェニル−5PW−HRの製品名でTosoh Corporation,Tokyo,Japanから市販されており、アルキル基が2〜10個の炭素原子を含むアルキル−アガロースの製品名でMiles−Yeda,Rehovot,Israelから市販されており、Bakerbond WP−HI−プロピルの品名でJ.T.Baker,Phillipsburg,N.J.から市販されている。従来の化学を使用して、所望のHICカラムを調製することも可能である(Sa:例えば、Er−el.Z.gl all,Biochem.Biophys.Res.Comm.49:383(1972)またはUlbrich,V.rd gL Coll.Czech.Chem.Commum.9:1466(1964))。
当業者は、特定のゲルを選択することができる。一般に、タンパク質とHICリガンドとの相互作用強度は、アルキルリガンドの鎖強度とともに増加するが、約4〜約8個の炭素原子範囲のリガンドはほとんどの分離に適切である。フェニル基ペンチル基と疎水性がほぼ同一であるが、タンパク質上の芳香基とのπ−πオービタル相互作用の可能性によって選択性が異なり得る。選択性は、支持樹脂の化学的性質にも影響を受け得る。
相互作用の強度だけでなくカラムの能力にも影響を与えるという点で、リガンド密度は重要なパラメータである。市販のフェニルまたはオクチルフェニルゲルのリガンド密度は、40pmol/mLゲルベッドのオーダーである。ゲルの能力は、目的の特定のタンパク質、ならびにpH、温度、ならびに塩型および塩濃度の関数であるが、一般に、3〜20mg/mLゲルの範囲内であると予想することができる。
一般に、温度の低下によりHIC材料との相互作用が減少する。しかし、温度上昇によって得られる任意の利益を、このような上昇がタンパク質の安定性に与え得る悪影響と比較検討しなければならない。
1つの実施形態では、本発明のポリペプチドを定組成で溶離することができる。定組成溶離では、全化合物が開始時にカラムから移動し始める。しかし、それぞれ異なる速度で移動し、高速または低速の溶離速度が得られる。例えば、本発明の実施例に記載のように、A型をカラムを通過させて溶離することができる。
別の実施形態では、本発明の1つまたは複数のポリペプチドを、カラムに結合させ、例えば、段階的溶離または勾配溶離を使用して溶離することができる。段階的または勾配形態での溶離を、以下の種々の方法で行うことができる:(a)塩濃度の変化、(b)溶媒の極性の変化、または(c)界面活性剤の添加。塩濃度の減少によって吸着されたタンパク質が疎水性の低い順に溶離する。極性の変化、エチレングリコール、プロピレングリコール、または(イソ)プロパノールなどの溶媒の添加によって影響を受けることができ、それによって疎水性相互作用の強度を減少させることができる。界面活性剤はタンパク質の置換剤(displacer)として機能し、主に膜タンパク質の精製と組み合わせて使用されている。
分離の実施では、ポリペプチド混合物を、例えば、バッチ精製技術またはカラムを使用してHIC材料と接触させることができる。HIC精製前に、例えば、プレカラムへの混合物の通過によってあらゆるカオトロピック剤または非常に疎水性の高い物質を除去することが所望され得る
例えば、バッチ精製のために、所望の出発緩衝液中にHIC材料を調製するかまたは平衡化する。HIC材料のスラリーを得る。ポリペプチド溶液を、スラリーと接触させて分離すべき少なくとも1つのポリペプチドをHIC材料に吸着させる。HIC材料に結合しないポリペプチドを含む溶液を、例えば、スラリーを静置するかまたは上清の除去することによってスラリーから分離する。スラリーを、1つまたは複数の洗浄工程に供することができる。所望ならば、スラリーを伝導率のより低い溶液と接触させて、HIC物質に結合したポリペプチドを脱着させることができる。結合ポリペプチドを溶離するために、塩濃度を減少させることができる。
1つの実施形態では、HIC材料をカラムにパッケージングすることができる。分離すべきポリペプチドを含む混合物をカラムにアプライして、少なくとも1つの分離すべきポリペプチドをカラムに吸着させることができる。カラムに吸着しないポリペプチドは通過し、回収することができる。結合したポリペプチドを溶離するために、例えば、段階的様式で、または塩勾配を使用して塩濃度を減少させることができる。
B型はA型よりも疎水性が高いため、移動相として約0.7M(例えば、0.73M)の硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0〜pH8.0)を使用した固定相に不可逆的に吸着する。A型は、これらの条件下で固定相によりい範囲で結合するため定組成で溶離する(すなわち、通過画分と共にカラムから遊離する)。A型の定組成溶離後、移動相からの硫酸アンモニウムの除去によりB型が着する。
例示的精製スキームでは、HIC材料を、約160mS/cm〜約110mS/cm、好ましくは約140mS/cm〜約115mS/cm、さらにより好ましくは約130mS/cm〜約117mS/cm、または約120mS/cm〜約117mS/cmの伝導率が得られる塩濃度を含む緩衝液中で平衡化する。例えば、例示的出発溶液は、約1M〜0.7Mの塩濃度(例えば、1M〜0.7Mの硫酸アンモニウム)を含む。好ましい実施形態では、分離すべきポリペプチドの混合物を含む溶液も、同一またはほぼ同一の伝導率にする(例えば、濃縮した塩ストック溶液を使用)。これらの条件下で、A型、約120mS/cmの伝導率でカラムから溶離する。B型を溶離するために、カラムの硫酸アンモニウム含有量を段階的または直線勾配で減少させることができる。B型は、約115mS/cm〜約100mS/cmの伝導率で溶離する。
1つの実施形態では、本発明の精製方法により、重鎖部分がCH2ドメインを欠き、かつ約50%を超える分子は、2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する、少なくとも2つの標的結合部位および2つの重鎖部分を有するポリペプチド分子を含む組成物が得られる。別の実施形態では、約60%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、約70%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、約80%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。別の実施形態では、約90%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する。
1つの実施形態では、本発明の精製方法によって、約99%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在する、少なくとも2つの標的結合部位および2つの重鎖部分を有する組換えポリペプチド分子を含む組成物が得られる。
1つの実施形態では、本発明の精製方法によって、約95%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合している形態で存在し、ポリペプチドの重鎖部分がIgG4アイソタイプの抗体に由来する、少なくとも2つの標的結合部位および2つの重鎖部分を有するポリペプチド分子を含む組成物が得られる。
1つの実施形態では、本発明の精製方法によって、重鎖部分がCH2ドメインを欠き、約80%を超える分子は2つの重鎖部分が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合していない形態で存在する、2つの軽鎖部分および2つの重鎖部分を有するポリペプチド分子を含む組成物が得られる。
別の態様では、本発明はまた、組成物中のA型およびB型の相対量を測定する工程を含む、精製および/または優先的生合成の結果をモニタリングする方法を提供する。例えば、本明細書中に記載のように非還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動または質量分析を使用してA型およびB型を測定することができる。
(V.ポリペプチドの標識または結合体化
本発明のポリペプチド分子を、非結合体化形態で使用することができるか、例えば、抗原の検出を容易にするためか患者の画像化もしくは治療のために種々の分子のうちの少なくとも1つに結合体化(conjugate)することができる。本発明のポリペプチドを、精製を行う場合、精製前または精製後のいずれかで標識または結合体化することができる。特に、本発明のポリペプチドを、細胞毒素(放射性同位体、細胞毒性薬、または毒素など)、治療薬、細胞増殖抑制薬、生物毒素、プロドラッグ、ペプチド、タンパク質、酵素、ウイルス、脂質、生物反応修飾物質、薬物、免疫学的に活性なリガンド(例えば、得られた分子が新生物細胞とT細胞などのエフェクター細胞との両方に結合するリンホカインまたは抗体)、またはPEGに結合体化することができる。別の実施形態では、本発明のポリペプチドを、腫瘍の血管新生を減少させる分子に結合体化することができる。他の実施形態では、開示の組成物は、薬物またはプロドラッグに結合した本発明のポリペプチドを含み得る。本発明のさらに他の実施形態は、リシン、ゲロニン、緑膿菌外毒素、またはジフテリア毒素などの特定の生物毒素またはその細胞毒性フラグメントに結合体化した本発明のポリペプチドの使用を含む。使用する結合体化または非結合体化ポリペプチドの選択は、癌の型および進行度、補助療法(例えば、化学療法または外部照射)の使用、および患者の健康状態に依存する。当業者は、本明細書中の教示を考慮して、このような選択を容易に行うことができると認識する。
以前の研究では、同位体で標識した抗腫瘍抗体が充実性腫瘍中の細胞ならびに動物モデル(いくつかの場合、ヒト)におけるリンパ腫/白血病を破するために首尾よく使用されていることが認識される。例示的放射性同位体には、90Y、125I、131I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu、186Re、および188Reが含まれる。放射性核種は、核DNA中の複数の鎖を破壊して細胞死に至らしめる電離放射線発生することによって作用する。治療合体の産生のために使用される同位体は、典型的には、路長の短い高エネルギーのαまたはβ粒子を生成する。このような放射性核種は、極めて近接した細胞(例えば、合体が結合するか侵入した新生物細胞)を死滅させる。これらは、非局在化細胞にほとんどまたは全く効果がない。放射性核種は、本質的に非免疫原性である。
本発明と組み合わせた放射性標識合体の使用に関して、(ヨード化などによって)本発明のポリペプチドを直接標識するか、キレート剤の使用によって間接的に標識することができる。本明細書中で使用される、句「間接的標識」および「間接的標識アプローチ」は共に、キレート剤が分子に共有結合し、少なくとも1つの放射性核種がキレート剤に会合していることを意味する。ポリペプチドおよび放射性同位体の両方に結合するため、このようなキレート剤を、典型的には、二官能性キレート剤という。特に好ましいキレート剤は、1−イソチオシクマトベンジル(isotiocycmatobenzyl)−3−メチルジオセレン(methyldiothelene)トリアミン五酢酸(「MX−DTPA」)誘導体およびシクロヘキシルジエチレントリアミン五酢酸(「CHX−DTPA」)誘導体を含む。他のキレート剤は、P−DOTA誘導体およびEDTA誘導体を含む。間接的標識に特に好ましい放射性核種には、111Inおよび90Yが含まれる。
本明細書中で使用される、句「直接標識」および「直接標識アプローチ」は共に、(典型的にはアミノ酸残基を介して)放射性核種がポリペプチドに直接的に共有結合することを意味する。より詳細には、これらの結合テクノロジーには、ランダム標識および部位特異的標識が含まれる。後者の場合、標識は、合体のFc部分上のみに存在するN結合糖残基などのポリペプチド上の特定の部位に指向する。さらに、種々の直接標識技術およびプロトコールは、本発明に適合する。例えば、テクネチウム−99m標識ポリペプチドを、リガンド交換プロセス、スズイオン溶液での過テクネート(TcO )の還元、Sephadexカラム上への還元テクネチウムのキレート化およびこのカラムへのポリペプチドのアプライ、またはバッチ標識技術(例えば、過テクネート、SnClなどの還元剤、フタル酸ナトリウム−カリウム溶液などの緩衝液、および分子のインキュベーション)によって調製することができる。任意の事象では、ポリペプチドの直接標識のための好ましい放射性核種は当該分野で周知であり、直接標識に特に好ましい放射性標識は、チロシン残基を介して共有結合した131Iである。本発明のポリペプチドを、例えば、放射性ヨウ化ナトリウムもしくはヨウ化カリウムおよび化学的酸化剤(次亜塩素酸ナトリウムまたはクロラミンTなど)もしくは酵素酸化剤(ラクトペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびグルコースなど)を使用して誘導することができる。しかし、本発明の目的のために、間接的標識アプローチが特に好ましい。キレート剤およびキレート剤合体に関する特許は当該分野で公知である。例えば、Gansowに付与された米国特許第4,831,175号は、多置換ジエチレントリアミン五酢酸キレートおよびこれを含むタンパク質合体、およびその調製方法に関する。Gansowに付与された米国特許第5,099,069号、同第5,246,692号、同第5,286,850号、同第5,434,287号、および同第5,124,471号も多置換DTPAキレートに関する。これらの特許は、その全体が本明細書中で参考として援用される。適合可能な金属キレート剤の他の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、1,4,8,11−テトラアザテトラデカン、1,4,8,11−テトラアザテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸、または1−オキサ−4,7,12,15−テトラアザヘプタデカン−4,7,12,15−四酢酸などである。シクロヘキシル−DTPAまたはCHX−DTPAが特に好ましい。当業者は、さらに他の適合するキレート剤(依然として発見されていないものも含まれる)を容易に識別することができ、これらは明らかに本発明の範囲内である。
三価金属と高親和性を示し、腫瘍−非腫瘍比の増加および骨取り込みの減少を示し、標的部位(すなわち、B細胞リンパ腫の腫瘍部位)での放射性核種のin vivo保持をより高くするために、適合可能なキレート剤(同時係属出願番号08/475,813号、08/475,815号、および08/478,967号においてキレート化を容易にするために使用した特定の二官能性キレート剤が含まれる)を選択することが好ましい。しかし、他の二官能性キレート剤(これらの全ての特徴を含んでいても含んでいなくてもよい)は当該分野で公知であり、腫瘍治療でも有利であり得る。本明細書中の教示にしたがって、診断および治療目的のためにポリペプチドを異なる放射性標識に結合体化することができることも認識される。この目的を達成するために、上記同時係属出願(その全体が本明細書中で参考として援用される)は、治療分子の投与前の腫瘍の診断用「画像化」のための放射性標識治療合体を開示する。「In2B8」合体は、1−イソチオシアナトベンジル−3−メチル−DTPAと1−メチル−3−イソチオシアナトベンジル−DTPAとの1:1混合物を含む二官能性キレート剤(すなわち、MX−DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸))を介して111Inに結合したヒトCD20抗原に特異的なマウスモノクローナル抗体(2B8)を含む。111Inは、約1mCiと約10mCiとの間で検出可能な毒性もなく安全に投与することができるため、診断用放射性核種として特に好ましく、画像化データにより、一般に、その後の90Y標識抗体分布を予想する。ほとんどの画像化研究は、安全かつより低い用量と比較して画像化効率が高く、抗体投与から3〜6日後に至適に画像化される用量であるため、5mCiの111In標識抗体を使用する。例えば、Murray,J.Nuc.Med.26:3328(1985)およびCarraguillo et al.,J.Nuc.Med.26:67(1985)を参照のこと。
上記のように、種々の放射性核種を本発明に適用可能であり、当業者はどの放射性核種が種々の環境下で最も適切であるかを容易に決定することができる。例えば、131Iは、ターゲティング免疫療法で使用される周知の放射性核種である。しかし、いくつかの要因(8日間の物理的半減期;血液および腫瘍部位の両方におけるヨウ化抗体の脱ハロゲン化;および腫瘍における局在化用量の蓄積が最適以下であり得る放射特性(例えば、大量のγ成分)が含まれる)によって131Iの臨床有用性は制限され得る。より優れたキレート剤の出現で、金属キレート基がタンパク質に結合する機会により、111Inおよび90Yなどの他の放射性核種を利用する機会が増加した。90Yにより、放射性免疫療法への適用において以下の利用上のいくつかの利点が得られる:90Yの64時間の半減期は131Iと異なり腫瘍による蓄積可能とするに充分な長さであり、90Yはその崩壊においてγ線照射を伴わず、組織の直径が100〜1,000細胞の範囲の、高エネルギーの純粋なβ線放射体である。さらに、透過性放射線量が最小であるため、外来患者への90Y標識分子の投与が可能である。さらに、細胞の死滅に標識ポリペプチドの内在化は必要なく、電離放射線の局所放射は、標的抗原を欠く隣接腫瘍細胞も死滅させるはずである。
当業者は、これらの非放射性合体を結合体化されるべき選択された薬剤に依存して種々の技術を使用してアセンブリすることもできることを認識する。例えば、ポリペプチドとビオチンN−ヒドロキシスクシンイミドエステルなどのビオチンの活性化エステルとの反応によってビオチンとの合体を調製する。同様に、カップリング剤(例えば、上記列挙のもの)の存在下またはイソチオシアネート、好ましくはフルオレセイン−イソチオシアネートとの反応によって蛍光マーカーとの合体を調製することができる。本発明のポリペプチドと細胞増殖抑制物質/細胞毒性物質および金属キレートとの合体を、類似の様式で調製する。
本発明での使用に好ましい薬剤は、細胞毒性薬、特に、癌治療で使用される細胞毒性薬である。本明細書中で使用される、「細胞毒素または細胞毒性薬」は、細胞の成長および増殖に有害であり、細胞または悪性腫瘍を減少、阻害、または破壊するように作用することができる任意の薬剤を意味する。例示的細胞毒素には、放射性核種、生物毒素、酵素活性毒素、細胞増殖抑制性または細胞毒性治療薬、プロドラッグ、免疫学的に活性なリガンド、およびサイトカインなどの生物反応修飾物質が含まれるが、これらに限定されない。免疫反応細胞または悪性腫瘍細胞の増殖を遅延させるかまたは減速させるように作用する任意の細胞毒素は、本発明の範囲内である。
例示的細胞毒素には、一般に、細胞増殖抑制薬、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗増殖薬、チューブリン結合剤、ホルモン、およびホルモンアンタゴニストなどが含まれる。本発明と適合可能な例示的細胞増殖抑制薬には、メクロレタミン、トリエチレンホスホラミド、シクロホスファミド、イフォスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、またはトリアジクオン(triaziquone)などのアルキル化物質が含まれカルムスチン、ロムスチン、またはセムスチンなどのニトロソ尿素化合物も含まれる。他の好ましい細胞毒性薬のクラスには、例えば、薬物のメイタンシノイドファミリーが含まれる。他の好ましい細胞毒性薬クラスには、例えば、薬物のアントラサイクリンファミリー、ビンカ薬、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞毒性ヌクレオシド、薬物のプテリジンファミリー、ジイネン(diynene)、およびポドフィロトキシンが含まれる。これらのクラスの特に有用なメンバーには、例えば、アドリアマイシン、カルミノマイシン、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ドキソルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン、ミトラマイシン、ストレプトニグリン、ジクロロメトトレキセート、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、フトラフール、6−メルカプトプリン、シタラビン、シトシンアラビノサイド、ポドフィロトキシン、あるいはエトポシドまたはリン酸エトポシドなどのポドフィロトキシン誘導体、メルファラン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ロイロシジン、ビンデシン、およびロイロシンなどが含まれる。本明細書中の技術に適合可能なさらに他の細胞毒素には、タキソール、タキサン、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、テノポシド、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにそれらのアナログまたはホモログが含まれる。ホルモンおよびホルモンアンタゴニスト(コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンまたはメドロプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール)、抗エストロゲン(例えば、タモシフェン)、アンドロゲン(例えば、テストステロン)、およびアロマターゼインヒビター(例えば、アミノグルテチミド)など)も本明細書中の教示に適合可能である。前に記載のように、当業者は、所望の化合物の反応を本発明の結合体の調製により都合よくるために、所望の化合物を化学修飾することができる。
特に好ましい細胞毒素の1つの例は、抗腫瘍抗生物質のエネジインファミリーのメンバーまたは誘導体(カリケアミシン、エスペラミシン、またはダイネミシンが含まれる)を含む。これらの毒素は非常に強力であり、核DNAの切断によって作用し、細胞を死滅させる。in vivoで切断して多数の不活性であるが免疫原性を示すポリペプチドフラグメントが得られるタンパク質毒素と異なり、カリケアミシン、エスペラミシン、および他のエネジインなどの毒素は本質的に非免疫原性の小分子である。これらの非ペプチド毒素を、モノクローナル抗体および他の分子を標識するために以前より使用されている技術によって二量体または四量体に化学結合する。これらの連結技術には、構築物のFc部分上のみに存在するN結合糖残基を介した部位特異的結合が含まれる。このような部位特異的結合方法は、構築物の結合特性に対して結合が及ぼす可能性のある影響を減少させるという利点がある。
前に暗示するように、適合可能な細胞毒素は、プロドラッグを含み得る。本明細書中で得使用される、用語「プロドラッグ」は、親薬物と比較して腫瘍細胞に対する細胞毒性が低く、より活性な親形態に酵素的に活性化するかまたは変換することができる薬学的に活性な物質の前駆体形態または誘導体形態をいう。本発明に適合可能なプロドラッグには、より活性な細胞傷害遊離薬物に変換することができる、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、スルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、任意選択的に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、または任意選択的に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシンプロドラッグおよび他の5−フルオロウリジンプロドラッグが含まれるが、これらに限定されない。本発明で使用するためのプロドラッグ形態に誘導体化することができる細胞毒性薬のさらなる例は、上記の化学療法薬を含む。
他の細胞毒素のうち、ポリペプチドを、リシンサブユニットA、アブリン、ジフテリア毒素、ボツリヌス菌、シアンギノシン(cyanginosins)、サキシトキシン、シガトキシン、破傷風、テトロドトキシン、トリコテン、ベルコロゲン(verrucologen)、または有毒酵素などの生物毒素に会合することもできることが認識される。好ましくは、結合分子−毒素構築物を直接発現させる遺伝子操作技術を使用して、このような構築物を作製する。本発明のポリペプチドに会合することができる他の生物反応修飾物質は、リンホカインおよびインターロイキンなどのサイトカインを含む。本開示を考慮して、当業者が従来技術を使用してこのような構築物を容易に形成することができることを提示する。
開示のポリペプチドと組み合わせて使用することができる適合可能な別のクラスの細胞毒素は、腫瘍または免疫反応細胞に有効に指向することができる放射線増感剤である。このような薬物は、電離放射線に対する感受性を増強し、それによって放射線治療の有効性を増大させる。腫瘍細胞によって内在化された結合体は、放射線増感が最大になる核のより近くに放射線増感剤を送達させる。本発明の非結合放射線増感剤結合ポリペプチドは、血液から迅速にクリアランスされ、標的腫瘍中の残存する放射線増感剤が局在し、正常組織への取り込みを最小にする。血液からの迅速なクリアランス後、補助的放射線療法を以下の3つの方法のうちの1つで投与する:1)腫瘍に特異的に指向する外部ビーム照射、2)腫瘍への放射能の直接埋め込み、または3)同一のターゲティング分子を使用した全身放射線免疫療法。このアプローチの潜在的に魅力的なバリエーションは、放射線増感免疫結合体への治療放射性同位体の結合およびそれによる単一の薬物の患者への都合の良い投与の提供である。
1つの実施形態では、ポリペプチドの安定性または有効性を増強する部分を結合体化することができる。例えば、1つの実施形態では、in vivoでの半減期を増加させるためにPEGを本発明のポリペプチドに結合体化することができる。Leong,S.R.,et al.2001.Cytokine 16:106;2002;Adv.in Drug Deliv.Rev.54:531;またはWeir et al.2002.Biochem.Soc.Transactions 30:512。
(VI.ポリペプチドの投与)
本発明のポリペプチドの調製方法および被験体への投与方法は周知であるか、または当業者によって容易に決定される。本発明のポリペプチドの投与経路は、経口、非経口、吸入、または局所であり得る。本明細書中で使用される、用語「非経口」には、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸、または膣への投与が含まれる。非経口投与の静脈内、動脈内、皮下、および筋肉内形態が一般に好ましい。これらの全投与形態は、本発明の範囲内であることが明らかに意図される一方で、投与形態は、注射、特に、静脈内もしくは動脈内注射または滴注のための溶液である。通常、注射に適切な薬学的組成物は、緩衝液(例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、またはクエン酸緩衝液)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)、任意選択的に、安定剤(例えば、ヒトアルブミン)などを含み得る。しかし、本明細書中の教示に適合可能な他の方法では、ポリペプチドを直接有害な細胞集団部位に送達させ、それによって治療薬への罹患組織の曝露を増加させることができる。
非経口投与用の調製物には、滅菌または非水性の溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性キャリアには、水、アルコール/水性の溶液、乳濁液、または懸濁液(生理食塩水および緩衝化溶剤が含まれる)が含まれる。本発明では、薬学的に許容可能なキャリアには、0.01〜0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液または0.8%生理食塩水が含まれるが、これらに限定されない。他の一般的非経口賦形剤には、リン酸ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース、および塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液、または不揮発性油が含まれる。静脈内賦形剤には、流動物および栄養補給物、および電解質補給物(リンゲルデキストロースに基づくものなど)などが含まれる。例えば、抗菌薬(antimicrobial)、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどの防腐剤および他の添加物も存在し得る。より詳細には、注射用途に適切な薬学的組成物には、滅菌されていて性の溶液(水溶性の場合)または分散液および滅菌されていて注射可能な溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。このような場合、組成物は滅菌されていなければならず、シリンジでの使用が容易な範囲の流動物であるべきである。それは製造および保存条件下で安定であるべきであり、好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存される。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびその適切な混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。例えば、レシチンなどのコーティングの使用、必要な粒子サイズの維持(分散液の場合)、および界面活性剤の使用によって適切な流動性を維持することができる。種々の抗菌薬(antibacterial)および抗真菌薬(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、およびチメロサールなど)によって、微生物作用を防止することができる。多くの場合、組成物中に等張化剤(例えば、糖、ポリアルコール(マンニトール、ソルビトールなど)、または塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。組成物中に吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を含めることによって、注射用組成物の長期吸収を達成することができる。
任意の場合、本明細書中に列挙した成分の1つまたは組み合わせを必要に応じて含む適切な溶媒中に必要量の活性化合物(例えば、ポリペプチド単独または他の活性との組み合わせ)を組み込み、濾過滅菌することによって、滅菌注射溶液を調することができる。一般に、基剤となる分散媒および上記列挙の必要な他の成分を含む滅菌賦形剤への活性化合物の組み込みによって分散液を調製する。滅菌注射溶液の調のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、既に濾過滅菌したその溶液由来の有効成分および任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥である。当該分野で公知の方法にしたがって、注射用調製物を処理し、アンプル、バッグ、ボトル、シリンジ、またはバイアルなどの容器に充填し、無菌条件下で密封する。さらに、調製物をパッケージングし、同時係属米国特許出願番号09/259,337号および米国特許出願番号09/259,338号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に記載されるキットなどのキットの形態で販売することができる。このような製品は、付随の組成物が自己免疫障害または新生物障害を罹患しているかまたは罹患しやすい被験体の治療に有用であることを示すラベルまたは添付文書を有することが好ましい。
上記病態の治療のための本発明の組成物の有効用量は、多数の異なる要因(投与手段、標的部位、患者の身体の状態、患者がヒトであるかまたは動物であるか、他の投与される物、および治療が予防であるかまたは治療であるのかが含まれる)に依存して変化する。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含む非ヒト哺乳動物も治療することができる。安全性および有効性を至適化するために当業者に公知の日常的方法を使用して、治療用量を漸増(titrate)することができる。抗体を使用した受動免疫法のために、投薬量は、例えば、約0.0001〜100mg/kg宿主体重、より通常には約0.01〜5mg/kg宿主体重(例えば、0.02mg/kg宿主体重、0.25mg/kg宿主体重、0.5mg/kg宿主体重、0.75mg/kg宿主体重、1mg/kg宿主体重、2mg/kg宿主体重など)の範囲であり得る。例えば、投薬量は、1mg/kg体重または10mg/kg体重または1〜10mg/kg体重の範囲内、好ましくは少なくとも1mg/kg体重であり得る。上記範囲の中間値も本発明の範囲内に含まれることが意図される。被験体にこのような用量を毎日、隔日、毎週、または経験的分析によって決定した任意の他のスケジュールにしたがって投与することができる。例示的治療は、(例えば、少なくとも6ヶ月長期間にわたる複数回投薬量での投与必要とする。さらなる例示的治療投与計画は、2週間毎に1回または1ヶ月毎に1回または3ヶ月〜6ヶ月毎に1回の投与必要とする。例示的投薬計画には、1〜10mg/kgまたは15mg/kgを毎日、30mg/kgを隔日、または60mg/kgを毎週が含まれる。いくつかの方法では、異なる結合特異性を有する2つまたはそれより多くのモノクローナル抗体を同時に投与し、その場合、投与される各抗体の投薬量は表示される範囲内に入る
本発明のポリペプチドを複数の時間に投与することができる。単回投与の間の間隔は、週、月、または年であり得る。患者の血中ポリペプチドレベルまたは抗原レベルの測定によって示されるように、間隔は不規則でもあり得る。いくつかの方法では、1〜1000μg/mL、いくつかの方法では25〜300μg/mLの血漿ポリペプチド濃度を達成するように投薬量を調整する。あるいは、結合分子を徐放性処方物として投与することができ、この場合、必要な投与頻度は低くなる。投薬量および投与頻度は、患者中の分子の半減期に依存して変化する。一般に、ヒト化抗体は、最も長い半減期を示し、キメラ抗体および非ヒト抗体がこれに続く。1つの実施形態では、本発明の結合分子を、非結合体化形態で投与することができる。別の実施形態では、本発明のポリペプチドを結合体化形態で複数回投与することができる。さらに別の実施形態では、本発明の結合分子を非結合体化形態で投与し、その後結合体化形態で投与するか、その逆で投与することができる。
投薬量および投与頻度は、治療が予防または治療のいずれであるかに依存して変化し得る。予防適用では、本発明のポリペプチドまたはそのカクテルを含む組成物を患者の抵抗力を強化するために依然として病状を示していない患者に投与する。このような量を、「予防的有効用量」と定義する。この用途では、正確な量は、患者の健康状態および全身免疫(general immunity)依存するが、一般に、0.1〜25mg/用量、詳細には、0.5〜2.5mg/用量の範囲である。比較的低い投薬量を比較的遠く離れた間隔で長期間投与する。いくつかの患者は、その余命にわたり治療を受け続ける。
治療適用では、疾患の進行が減速または終結するまで、好ましくは患者が疾患の症状の部分的または完全な緩和を示すまで、しばしば比較的短い間隔での比較的高い投薬量(例えば、約1〜400mg/kg抗体/用量、5〜25mgの投薬量が放射性免疫結合体でより一般的に使用され、より高い用量が細胞毒素−薬物結合体化分子で使用される)を必要とする。その後、患者に予防的投与計画を実施することができる。
1つの実施形態では、被験体を、(例えば、ベクター中の)本発明のポリペプチドをコードする核酸分子で治療することができる。ポリペプチドをコードする核酸の投与量は、約10ng〜1g、100ng〜100mg、1μg〜10mg、または30〜300μgDNA/患者の範囲である。感染性ウイルスベクターの用量は、用量あたり10〜100個またはそれより多くのビリオンで変化する。
予防および/または治療上の処置のために非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、腹腔内、鼻腔内、または筋肉内手段で治療薬を投与することができる。免疫原性薬剤の最も典型的な投与経路は皮下であるが、他の経路も同等に有効であり得る。次に最も一般的な経路は、筋肉内注射である。この注射型は、腕または脚の筋肉で最も一般的に実施される。いくつかの方法では、薬剤を沈着物が蓄積する特定の組織に直接注射する(例えば、頭蓋内注射)。分子の投与には筋肉内注射または静脈内注入が好ましい。いくつかの方法では、特定の治療分子を、頭蓋内に直接注射する。いくつかの方法では、分子を徐放性組成物またはデバイス(MedipadTMデバイスなど)として投与する。
本発明の薬剤を、任意選択的に、治療を必要とする障害または病態の治療(例えば、予防的または治療的)に有効な他の薬剤と組み合わせて投与することができる。
本発明の90Y標識ポリペプチドの有効な単回治療投薬量(すなわち、治療有効量)は、約5mCiと約75mCiとの間、より好ましくは約10mCiと約40mCiとの間の範囲である。131I標識抗体の有効単回治療非骨髄切除投薬量は、約5mCiと約70mCiとの間、より好ましくは約5mCiと約40mCiとの間の範囲である。131I標識抗体の有効単回治療切除投薬量(すなわち、自家骨髄移植が必要であり得る)は、約30mCiと約600mCiとの間、より好ましくは約50mCiと約500mCi未満との間の範囲である。キメラ抗体(マウス抗体と比較して循環半減期がより長いため)と組み合わせて、ヨウ素131標識キメラ抗体の有効単回治療非骨髄切除投薬量は、約5mCiと約40mCiとの間、より好ましくは約30mCi未満の範囲である。例えば、111In標識の画像化基準は、典型的には5mCi未満である。
非常に多数の臨床験が131Iおよび90Yでられている一方で、他の放射性標識が当該分野で公知であり、類似の目的で使用されている。さらに他の放射性同位体を画像化に使用する。例えば、本発明の範囲に適合するさらなる放射性同位体には、 23I、125I、32P、57Co、64Cu、67Cu、77Br、81Rb、81Kr、87Sr、113In、127Cs、129Cs、132I、197Hg、203Pb、206Bi、177Lu、186Re、212Pb、212Bi、47Sc、105Rh、109Pd、153Sm、188Re、199Au、225Ac、211At、および213Biが含まれるが、これらに限定されない。これに関して、α、γ、およびβ放射体は全て本発明に適合する。さらに、本開示を考慮して、当業者は過度の実験を行うことなくどの放射性核種が選択された治療方針(course)に適合するかを容易に決定することができることを提示する。この目的を達成するために、臨床診断で既に使用されているさらなる放射性核種には、125I、123I、99Tc、43K、52Fe、67Ga、68Ga、および111Inが含まれる。抗体はまた、ターゲティング免疫治療での潜在的使用のために、種々の放射性核種で標識されている(Peirersz et al.Immunol.Cell Biol.65:111−125(1987))。これらの放射性核種には、188Reおよび186Reならびにより小さな範囲では199Auおよび67Cuが含まれる。米国特許第5,460,785号は、このような放射性同位体に関するさらなるデータを提供し、本明細書中で参考として援用される。
本発明のポリペプチドが結合体化形態または非結合体化態で使用されているかまたは使用されていないかにかかわらず、本発明の主な利点は、骨髄抑制患者、特に放射線療法または化学療法などの補助的治療を受けているかまたは受けた患者におけるこれらのポリペプチドを使用する能力であることが認識される。すなわち、ポリペプチドの有利な送達プロフィール(すなわち、比較的短い血清存在時間、高結合親和性、および局在化の増強)により、赤色骨髄の貯蔵が減少して骨髄毒性に感受性である患者の治療に特に有用とな。これに関して、ポリペプチドの固有の送達プロフィールにより、これらは骨髄抑制癌患者に対する放射性標識結合体の投与非常に有効にる。したがって、結合体化形態または非結合体化形態の本発明のポリペプチドは、外部ビーム照射または化学療法などの補助的療法を以前に受けた患者において有用である。他の好ましい実施形態では、ポリペプチド(この場合も結合体化形態または非結合体化形態)を、化学療法薬を使用した併用療法投与計画で使用することができる。当業者は、このような治療計画は、開示の分子および1つまたは複数の化学療法薬の連続的、同時、並行(concurrent)、または同延(coextensive)投与を含み得ることを認識する。本発明のこの態様の特に好ましい実施形態は、放射性標識ポリペプチドの投与を含む。
ポリペプチドを直前に記載のように投与することができる一方で、他の実施形態では、結合体化ポリペプチドおよび非結合体化ポリペプチドを第一治療薬(first line therapeutic agent)として他の点では健常な患者に投与することができることを強調しなければならない。このような実施形態では、正常もしくは平均的な赤色骨髄貯蔵を有する患者および/または外部ビーム照射もしくは化学療法などの補助的療法を現在または過去に受けていない患者にポリペプチドを投与することができる。
しかし、上記で考察するように、本発明の選択された実施形態は、骨髄抑制患者へのポリペプチドの投与または放射線療法または化学療法などの1つまたは複数の補助的療法との組み合わせもしくは併用(すなわち、併用療法投与計画)でのポリペプチドの投与を含む。本明細書中で使用される、「補助的療法と併用または組み合わせたポリペプチドの投与」は、治療および開示された分子の連続的、同時、同延、並行、付随的、または同時期(contemporaneous)投与または適用を意味する。当業者は、併用療法の投与計画の種々の成分の投与または適用を治療の全有効性が増強するように時間設定することができることを認識する。例えば、標準的な周知の治療方針で化学療法薬を投与し、その後数週間以内に本発明の放射免疫合体を投与することができる。逆に、細胞毒素会合ポリペプチドを静脈内投与し、その後腫瘍局在化外部ビーム照射を行うことができる。さらに他の実施形態では、1回の外来診療で1つまたは複数の選択した化学療法薬と同時にポリペプチドを投与することができる。当業者(例えば、経験豊かな癌専門医)は、選択された補助的療法および本明細書の教示に基づいて過度に実験することなく有効な併用療法の投与計画を容易に識別することができる。
これに関して、ポリペプチド(細胞毒素を含むか含まない)と化学療法薬との組み合わせを患者に治療による利点が得られる任意の順序および任意の時間枠で投与することができることが認識される。すなわち、化学療法薬およびポリペプチドを任意の順序または同時に投与することができる。選択された実施形態では、本発明のポリペプチドを、以前に化学療法を受けた患者に投与する。さらに他の実施形態では、ポリペプチドおよび化学療法薬での療を、実質的に同時または並行して投与する。例えば、患者に結合分子を投与しながら一連の化学療法を受けさせることができる。好ましい実施形態では、任意の化学療法薬または治療の1年以内に結合分子を投与する。他の好ましい実施形態では、任意の化学療法薬または治療の10ヶ月、8ヶ月、6ヶ月、4ヶ月、または2ヶ月以内にポリペプチドを投与する。さらに他の好ましい実施形態では、任意の化学療法薬または治療の4週間、3週間、2週間、または1週間以内にポリペプチドを投与する。さらに他の好ましい実施形態では、選択された化学療法薬または治療の5日間、4日間、3日間、2日間、または1日以内にポリペプチドを投与する。2つの薬剤または治療を約数時間または数分以内に患者に投与することができる(すなわち、実質的に同時に)ことがさらに認識される。
さらに、本発明によれば、骨髄抑制患者は、血球数が減少した任意の患者を意味するものとする。当業者は、骨髄抑制の臨床的指標として従来から使用されているいくつかの血球数パラメータが存在し、患者で起こった骨髄抑制の範囲を容易に測定することができることを認識する。認められている骨髄抑制測定の例は、絶対好中球数(ANC)または血小板数である。このような免疫抑制または部分的骨髄切除は、種々の生化学的障害または疾患の結果であり得るかまたはむしろ以前の化学療法または放射線療法の結果であり得る。これに関して、当業者は、伝統的化学療法を受けた患者は典型的には赤色骨髄貯蔵が減少することを認識する。上記で考察するように、死亡率または罹患率が増加することになる、貧血または免疫抑制などの受け入れられない副作用によって最適レベルの細胞毒素(すなわち、放射性核種)を使用してこのような被験体を治療することはしばしばできない
より詳細には、本発明の結合体化ポリペプチドまたは非結合体化ポリペプチドを使用して、約2000/mm未満のANCまたは約150,000/mm未満の血小板数の患者を有効に治療することができる。より好ましくは、本発明のポリペプチドを使用して、約1500/mm未満、約1000/mm未満、さらにより好ましくは約500/mm未満のANCの患者を治療することができる。同様に、本発明のポリペプチドを使用して、約75,000/mm未満、約50,000/mm未満、またはさらに約10,000/mm未満の血小板数の患者を治療することができる。より一般的な意味では、当業者は、政府が実施しているガイドラインおよび手順を使用して、患者が骨髄抑制されているかどうかを容易に決定することができる。
上記のように、多数の骨髄抑制患者は、化学療法、インプラント放射線療法、または外部ビーム放射線療法を含む一連の治療を受けている。後者の場合、外部放射線源は、悪性腫瘍の局所照射用である。放射線移植法のために、放射性試薬を外科的に悪性腫瘍内に配置し、それによって疾患部位を選択的に照射する。任意の事象では、開示したポリペプチドを使用して、原因と無関係に骨髄抑制を示す患者の障害を治療することができる。
これに関して、本発明のポリペプチドを、(例えば、併用療法の投与計画を得るために)in vivoで新生物細胞の増殖を消失、減少、阻害、または調節する任意の化学療法薬と併用するかまたは組み合わせて使用することができることがさらに認識される。考察されるように、このような薬剤により、しばしば赤色骨髄貯蔵が減少する。この減少の全部または一部を、本発明の化合物の骨髄毒性の減少によって相殺することができ、これにより、このような患者の新形成有利に積極的に治療することが許容される。他の好ましい実施形態では、本明細書中に開示の放射性標識免疫結合体を、新生物細胞の放射性核種に対する感受性を増加させる放射線増感剤と共に有効に使用することができる。例えば、腫瘍部位には依然として治療有効レベルで放射性標識結合物質が保持されているが、血流からその大部分をクリアランスした後に放射線増感化合物を投与することができる。
本発明のこれらの態様に関して、本発明に適合可能な例示的化学療法薬には、アルキル化剤、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、プロカルバジン、メトトレキセート、およびプレドニゾンが含まれる。4つの薬物組み合わせであるMOPP(メクレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ビンクリスチン(オンコビン)、プロカルバジン、およびプレドニゾン)は種々のリンパ腫型の治療で非常に有効であり、本発明の好ましい実施形態を構成する。MOPP耐性患者では、ABVD(例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン)、ChlVPP(クロラムブシル、ビンブラスチン、プロカルバジン、およびプレドニゾン)、CABS(ロムスチン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、およびストレプトゾトシン)、MOPP+ABVD、MOPP+ABV(ドキソルビシン、ブレオマイシン、およびビンブラスチン)、またはBCVPP(カルムスチン、シクロホスファミド、ビンブラスチン、プロカルバジン、およびプレドニゾン)の組み合わせを使用することができる。標準的な投与およびスケジューリングについては、Arnold S.Freedman and Lee M.Nadler,Malignant Lymphomas,in HARRISON’S PRINCIPLES OF INTERNAL MEDICINE 1774−1788(Kurt J.Isselbacher et al.,eds.,13th ed.1994)およびV.T.DeVita et al.,(1997)およびその参考文献。これらの療法を、変化させないか、または特定の患者の必要に応じて変化させて、本明細書中に記載の1つまたは複数の本発明のポリペプチドと組み合わせて使用することができる。
本発明の文脈で有用なさらなる投与計画には、シクロホスファミドまたはクロラムブシルなどの1つのアルキル化剤またはCVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、およびプレドニゾン)、CHOP(CVPおよびドキソルビシン)、C−MOPP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、およびプロカルバジン)、CAP−BOP(CHOP+プロカルバジンおよびブレオマイシン)、m−BACOD(CHOP+メトトレキセート、ブレオマイシン、およびロイコボリン)、ProMACE−MOPP(プレドニゾン、メトトレキセート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、およびロイコボリン+標準的MOPP)、ProMACE−CytaBOM(プレドニゾン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、エトポシド、シタラビン、ブレオマイシン、ビンクリスチン、メトトレキセート、およびロイコボリン)、およびMACOP−B(メトトレキセート、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、固定用量のプレドニゾン、ブレオマイシン、およびロイコボリン)などの組み合わせの使用が含まれる。当業者は、これらの各投与計画のための標準的な投薬量およびスケジューリングを容易に決定することができる。CHOPを、ブレオマイシン、メトトレキセート、プロカルバジン、ナイトロジェンマスタード、シトシンアラビノシド、およびエトポシドとも組み合わせた。他の適合可能な化学療法薬には、2−クロロデオキシアデノシン(2−CDA)、2’−デオキシコホルマイシン、およびフルダラビンが含まれるが、これらに限定されない。
寛解を達成できないか、または再発する中等度および高悪性度のNHLを罹患した患者のために、救助療法を使用する。救助療法は、シトシンアラビノシド、シスプラチン、エトポシド、およびイフォスファミドなどの薬物を単独または組み合わせて使用する。再発または進行性形態の一定の新生物障害では、以下のプロトコールをしばしば使用する:IMVP−16(イフォスファミド、メトトレキセート、およびエトポシド)、MIME(メチル−gag、イフォスファミド、メトトレキセート、およびエトポシド)、DHAP(デキサメタゾン、高用量シタラビン、およびシスプラチン)、ESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾン、HDシタラビン、シスプラチン)、CEPP(B)(シクロホスファミド、エトポシド、プロカルバジン、プレドニゾン、およびブレオマイシン)、およびCAMP(ロムスチン、ミトキサントロン、シタラビン、およびプレドニゾン)(それぞれ周知の投与速度およびスケジュールを使用する)。
本発明のポリペプチドと組み合わせて使用すべき化学療法薬の量を被験体によって変化させることができるか、当該分野で公知のように投与することができる。例えば、Bruce A Chabner et al.,Antineoplastic Agents,in GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS 1233−1287((Joel G.Hardman et al.,eds.,9th ed.1996)を参照のこと。前に考察するように、本発明のポリペプチド、その免疫反応性フラグメント、またはその組換え体を、哺乳動物障害のin vivo治療のための薬学的有効量で投与することができる。これに関して、開示の結合分子を、投与を容易にして活性成分の安定性を促進するように処方することが認識される。好ましくは、本発明に関する薬学的組成物は、生理食塩水、非毒性緩衝液、および防腐剤などの薬学的に許容可能な非毒性滅菌キャリアを含む。本発明の目的のために、治療薬と結合体化しているか結合体化していない薬学的有効量のポリペプチド、免疫反応性フラグメント、またはその組換え体は、抗原への有効結合を達成して利益を得る(例えば、疾患もしくは障害の症状の改善または物質もしくは細胞の検出)のに十分な量を意味するものとする。腫瘍細胞の場合、ポリペプチドは、好ましくは、新生物細胞または免疫反応性細胞上の選択された免疫反応性抗原と相互作用してこれらの細胞の死を増大させることができる。勿論、薬学的有効量のポリペプチドを得るために、本発明の薬学的組成物を単回または複数回投与することができる。
本開示の範囲と一致して、本発明のポリペプチドを、上記治療方法にしたがって治療または予防効果を得るのに十分な量でヒトまたは他の動物に投与することができる。本発明の結合分子を、公知の技術にしたがって本発明の結合分子と従来の薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤とを組み合わせることによって調製された従来の投薬形態でこのようなヒトまたは他の動物に投与することができる。当業者は、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤の形態および特徴は、組み合わされる有効成分の量、投与経路、および他の周知の変数によって決定されることを認識する。当業者は、本発明のポリペプチドの1つまたは複数の種を含むカクテルが特に有効であると証明することができることをさらに認識する。
(VII.使用方法)
本発明のポリペプチドを、診断または治療目的で使用することができる。本発明の好ましい実施形態は、このような治療を必要とする哺乳動物被験体の障害(例えば、新生物障害)の診断および/または治療のための化合物、組成物、キット、および方法を提供する。被験体はヒトであるのが好ましい。
本発明のポリペプチドは、多数の異なる適用で有用である。例えば、1つの実施形態では、本発明の結合分子は、本発明の結合分子によって認識されるエピトープを保有する細胞の減少または消失に有用なはずである。別の実施形態では、本発明の結合分子は、循環中の可溶性抗原の濃度の減少または消失に有効である。
1つの実施形態では、腫瘍サイズ、腫瘍成長の阻害、および/または腫瘍保有動物の生存期間の延長。したがって、本発明はまた、有効な非毒性量のポリペプチドのヒトまたは動物への投与による、ヒトまたは他の動物における腫瘍の治療方法に関する。当業者は、日常的な実験によって、ポリペプチドの悪性腫瘍の治療目的に有効な非毒性の量を決定することができる。例えば、ポリペプチドの治療活性量は、疾患の病期(例えば、病期IVに対して病期I)、年齢、性別、合併症(例えば、免疫抑制病態または疾患)、および被験体の体重、分子が被験体中で所望の応答を誘発する能力などの要因によって変化し得る。至適な治療応答が得られるように投薬計画を調整することができる。例えば、いくつかの分割用量を毎日投与するか、緊急な治療状況で示された用量を比例的に減少させることができる。しかし、一般に、有効投薬量は、約0.05〜100mg/kg体重/日、より好ましくは約0.5〜10mg/kg体重/日の範囲と予想される。
明確にする目的で、「哺乳動物」は、ヒト、家畜、および動物園、競技用、またはペット動物(イヌ、ウマ、ネコ、ウシなど)を含む哺乳動物として分類される任意の動物をいう。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
「治療」は、治療上の処置および予防的または防止手段の両方をいう。治療を必要とする者には、既に疾患または障害を有する者および疾患または障害を防止すべき者が含まれる。したがって、哺乳動物を、疾患または障害を有するか、疾患にかかりやすいか感受性を示し得ると診断することができる。
上記で考察するように、本発明のポリペプチドは、1つまたは複数の腫瘍抗原または免疫障害に関連する抗原に免疫反応性を示し得る。例えば、新生物障害では、開示のポリペプチドの抗原結合部位(すなわち、可変領域またはその免疫反応性フラグメントもしくは組換え体)は、悪性腫瘍部位で選択された腫瘍関連抗原に結合する。同様に、免疫障害(自己免疫障害が含まれる)では、開示のポリペプチドは、原因細胞(offending cell)上の選択されたマーカーに結合する。報告された新形成障害および免疫障害に関連する抗原数および関連抗体数を考慮して、当業者は、現在開示されているポリペプチドは多数の全抗体の任意の1つに由来し得ることを認識する。より一般には、本発明で有用なポリペプチド、選択された病態に関連する分子またはマーカーと反応する任意の抗体(以前に文献で報告された抗体が含まれる)から得ることができるかこれに由来し得る。さらに、開示のポリペプチドの作製に使用した親抗体もしくは前駆抗体またはそのフラグメントは、マウス抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、非ヒト霊長類抗体、または霊長類化抗体であり得る。他の好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、本明細書中に記載の変化した定常ドメインを有する単鎖抗体構築物(米国特許第5,892,019号(本明細書中で参考として援用される)に開示されるものなど)を含み得る。したがって、本明細書中の教示にしたがって修飾したこれらの任意の抗体型は、本発明に適合する。
本明細書中で使用される、「腫瘍関連抗原」は、一般に腫瘍細胞に関連する(すなわち、正常細胞と比較して同一またはより高い程度に生じる)任意の抗原を意味する。より一般には、腫瘍関連抗原は、免疫反応性抗体を非悪性細胞上でのその発現と無関係に新生物細胞に局在化する任意の抗原を含む。このような抗原は比較的腫瘍特異的であり、悪性細胞の表面にその発現が制限され得る。あるいは、このような抗原を、悪性細胞および非悪性細胞の両方の上に見出すことができる。例えば、CD20は、非ホジキンリンパ腫の治療のための免疫治療抗体の非常に有効な標的であることが証明されている悪性および非悪性の両方のB細胞の表面上で見出されるpanB抗原である。これに関して、CD2、CD3、CD5、CD6、およびCD7などのpanT細胞抗原はまた、本発明の意味の範囲内で腫瘍関連抗原を含む。さらに他の例示的腫瘍関連抗原には、MAGE−1、MAGE−3、MUC−1、HPV 16、HPV E6およびE7、TAG−72、CEA、L6−抗原、CD19、CD22、CD37、CD52、HLA−DR、EGF受容体、およびHER2受容体が含まれるが、これらに限定されない。多くの場合、これらの各抗原の免疫反応性抗体は、文献で報告されている。当業者は、これらの各抗体は、本発明にしたがって本発明のポリペプチドの前駆体として作用することができることを認識する。
本発明のポリペプチドは、好ましくは、上記の腫瘍または免疫関連抗原に会合および結合する。したがって、以下にいくらか詳細に考察するように、本発明のポリペプチドは、腫瘍関連抗原と反応する多数の抗体の任意の1つから誘導されるか、これらから作製されるか、調製することができる。好ましい実施形態では、ポリペプチドは、血清半減期の減少などの所望の生化学的特徴を得るために1つまたは複数の定常領域ドメインの少なくとも一部が欠失または変化する一般的な遺伝子操作技術を使用して誘導される修飾されているかドメインが欠失した抗体である。より詳細には、当業者は、本発明の抗体の可変領域および/または定常領域に対応する遺伝子配列を容易に単離し、本発明にしたがい、単量体サブユニットとして使用するための本発明のポリペプチドを得るために適切なヌクレオチドを欠失または変化させることができる。本発明の適合性ポリペプチドを、十分に確立されたプロトコールを使用して臨床または商業的規模で発現および産生することができることがさらに認識される。
腫瘍関連抗原と反応する以前に報告された抗体を、本発明のポリペプチドを得るために本明細書中に記載のように変化させることができる。抗原結合領域を得るか開示のポリペプチドを作製または誘導するために使用することができる例示的抗体には、2B8およびC2B8(Zevalin(登録商標)およびRituxan(登録商標)、IDEC Pharmaceuticals Corp.,San Diego)、Lym 1およびLym 2(Techniclone)、LL2(Immunomedics Corp.,New Jersey)、HER2(Herceptin(登録商標),Genentech Inc.,South San Francisco)、B1(Bexxar(登録商標),Coulter Pharm.,San Francisco)、Campath(登録商標)(Millennium Pharmaceuticals,Cambridge)、MB1、BH3、B4、B72.3(Cytogen Corp.)、CC49(National Cancer Institute)、および5E10(University of Iowa)が含まれるが、これらに限定されない。本発明の結合部位に組み込むことができる他の抗体結合部位には、Orthoclone OKT3(CD3)、ReoPro(GpIIb/gIIa)、Zenapax(C25)、Remicade(TNF−a)、Simulect(CD25)、Synagis(RSV)、Mylotarg(CD33)、およびCampath(CD52)が含まれる。好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、直ぐ上で列挙した抗体と同一の腫瘍関連抗原に結合する。特に好ましい実施形態では、ポリペプチドは、2B8,C2B8,CC49およびC5E10と同一の抗原に由来するかこれに結合し、さらにより好ましくは、CH2ドメインの全部または一部を欠く。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、CD23に結合する(米国特許第6,011,138号)。好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、5E8抗体と同一のエピトープに結合する。別の実施形態では、本発明の結合分子は、抗CD23抗体(例えば、5E8抗体)由来の少なくとも1つのCDRを含む。
1つの実施形態では、本発明の結合分子は、CRIPTO−I抗原に結合する(WO02/088170A2またはWO03/083041A2)。好ましい実施形態では、本発明の結合分子は、B3F6抗体と同一のエピトープに結合する。別の実施形態では、本発明の結合分子は、抗CRIPTO−I抗体(例えば、B3F6抗体)由来の少なくとも1つのCDRを含む。
第1の好ましい実施形態では、ポリペプチドは、Rituxan(登録商標)と同一の腫瘍関連抗原に結合する。Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、IDEC−C2B8、およびC2B8としても公知)は、最初にFDAで承認されたヒトB細胞リンパ腫治療用のモノクローナル抗体であった(米国特許第5,843,439号、同第5,776,456号、および同第5,736,137号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。Y2B8(90Y標識2B8;Zevalin(登録商標);イブリツモマブ チウキセタン(tiuxetan))は、C2B8のマウス親(murine parent)である。Rituxan(登録商標)は、成長阻害性を示し、in vitroで化学療法薬によってアポトーシスについて一定のリンパ腫細胞株を感作することが報告されているキメラ抗CD20モノクローナル抗体である。この抗体は、ヒト補体と有効に結合し、強力なFcR結合を有し、in vitroで補体依存性(CDC)および抗体依存性(ADCC)の両方の機構を介してヒトリンパ球を有効に死滅することができる(Reff et al.,Blood 83:435−445(1994))。当業者は、本開示にしたがって修飾されたC2B8または2B8の二量体変異型(ホモ二量体またはヘテロ二量体)を、CD20+悪性腫瘍を罹患した患者有効に治療するために結合体形態または非結合体形態で使用することができることを認識する。より一般には、本明細書中に開示のポリペプチドを、多数の障害の任意の1つを有効に治療するために、「裸」または細胞毒性薬との非結合体状態または結合体状態のいずれかで使用することができることを繰り返し示さなくてはならない。本発明の他の好ましい実施形態では、本発明のポリペプチドは、CC49と同一の腫瘍関連抗原に由来するか、これに結合する。前に暗示のように、CC49は、ヒト起源の一定の腫瘍細胞(詳細には、LS174T腫瘍細胞株)の表面に会合するヒト腫瘍関連抗原TAG−72に結合する。LS174T(American Type Culture Collection(本明細書中でATCC)番号CL 188)は、LS180(ATCC番号CL 187)結腸腺癌株の変形である。TAG−72に対する結合特異性を有する多数のマウスモノクローナル抗体が開発されていることがさらに認識される。B72.3と呼ばれるこれらのモノクローナル抗体の1つは、ハイブリドーマB72.3(ATCC番号HB−8108)によって産生されるマウスIgG1である。B72.3は、免疫原としてヒト乳癌抽出物を使用して開発した第1世代のモノクローナル抗体である(Colcher et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),78:3199−3203(1981);ならびに米国特許第4,522,918号および同第4,612,282号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。TAG−72に指向する他のモノクローナル抗体を、「CC」(結腸癌に由来)と命名する。Schlom et al.(米国特許第5,512,443号(本明細書中で参考として援用される))に記載のように、CCモノクローナル抗体は、B72.3を使用して精製したTAG−72を使用して調製した第2世代のマウスモノクローナル抗体のファミリーである。TAG−72に対するその比較的良好な結合親和性のために、以下のCC抗体をATCCに寄託した(アクセスは制限されている):CC49(ATCC番号HB9459);CC83(ATCC番号HB9453);CC46(ATCC番号HB9458);CC92(ATTCC番号HB9454);CC30(ATCC番号HB9457);CC11(ATCC番号9455);およびCC15(ATCC番号HB9460)。米国特許第5,512,443号は、例えば、当該分野で公知の組換えDNA技術によるマウス定常領域のヒト定常領域(Fc)ドメインへの置換によって開示の抗体をそのキメラ形態に変化させることができることをさらに教示している。マウスおよびキメラ抗TAG−72抗体の開示に加えて、Schlom et al.は、PCT/US99/25552号に開示のヒト化CC49抗体の変異型および米国特許第5,892,019号(それぞれ本明細書中で参考として援用される)に開示の単鎖抗体も産生した。当業者は、上記の各抗体、構築物または組換え体、およびその変異型を修飾し、これを使用して本発明のポリペプチドを提供することができることを認識する。
上記に考察の抗TAG−72抗体に加えて、種々のグループもドメイン欠失CC49およびB72.3抗体の構築および部分的特徴づけを報告されている(例えば、Calvo et al.Cancer Biotherapy,8(1):95−109(1993),Slavin−Chiorini et al.Int.JCancer 53:97−103(1993)およびSlavin−Chiorini et al.Cancer.Res.55:5957−5967(1995))。
本発明のさらに他の好ましい実施形態は、C5E10と同一の腫瘍関連抗原に由来するかこれに結合する修飾抗体を含む。同時係属出願09/104,717号に記載するように、C5E10は、前立腺細胞株(例えば、DU145、PC3、またはND1)に特異的と思われる約115kDaの糖タンパク質決定基を認識する抗体である。したがって、本発明と併せて、C5E10抗体によって認識される同一の腫瘍関連抗原に特異的に結合するポリペプチド(例えば、CH2ドメイン欠失抗体)を産生し、新生物障害の治療のために結合体形態または非結合体形態で使用することができる。特に好ましい実施形態では、修飾抗体は、ATCC番号PTA−865のハイブリドーマ細胞株から分泌されたC5E10抗体の抗原結合部位の全部または一部に由来するかこれを含む。次いで、得られた修飾抗体を、以下に記載のように放射性核種に結合体化し、本明細書中の方法にしたがって前立腺癌を罹患した患者に投与することができる。
一般に、開示の発明を使用して、結合分子によって癌細胞がターゲティングされる抗原マーカーを含む任意の新生物を予防的または治療的に治療することができる。治療することができる例示的癌には、前立腺癌、結腸癌などの胃癌、皮膚癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、および膵臓癌が含まれるが、これらに限定されない。より詳細には、本発明の結合分子を使用して、カポジ肉腫、CNS新形成(毛細血管芽細胞腫、髄膜腫、および脳転移)、黒色腫、胃腸肉腫および腎肉腫、横紋筋肉腫、膠芽細胞腫(好ましくは多形グリア芽細胞腫)、平滑筋肉腫、網膜芽細胞腫、卵巣の乳頭状嚢腺腫、ウィルムス腫瘍、または小細胞肺癌を治療することができる。適切なポリペプチドが本開示を考慮して過度に実験することなく上記各新形成に関連する腫瘍関連抗原について誘導され得ることが認識される。開示の発明の治療の影響を受けやすい例示的血液悪性腫瘍には、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫ならびに白血病(ALL−L3(バーキット型白血病)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、および単球性白血病が含まれる)が含まれる。本発明の化合物および方法は、種々のB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、細胞リンパ腫(FCC)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLCL)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リン芽球性NHL、高悪性度非切断小細胞(small non−cleaved)NHL、巨大疾患(bulky disease)NHL、およびワルデンストローム型マクログロブリン血症が含まれる)の治療で特に有効であることが認識される。これらのリンパ腫はしばしば分類システムの変更によって異なる病名を有し、異なる病名に分類されたリンパ腫を有する患者も本発明の併用療法の投与計画から利益を得ることもできることが当業者に明らかである。上記新生物障害に加えて、開示の発明を有利に使用して、適合する腫瘍関連抗原を保有するさらなる悪性腫瘍を治療することができることが認識される。
新生物障害に加えて、本発明のポリペプチドは、自己免疫障害または異常な免疫応答の治療で特に有効である。これに関して、本発明のポリペプチドを使用して、外部抗原および自己抗原の両方に対する望ましくない免疫応答を制御、抑制、調整、または消失することができることが認識される。例えば、1つの実施形態では、抗原は自己抗原である。別の実施形態では、抗原はアレルゲンである。さらに他の実施形態では、抗原は、同種抗原または異種抗原である。同種抗原および異種抗原に対する免疫応答を減少するための開示のポリペプチドの使用は、例えば、移植においてドナーの移植片(例えば、組織または臓器移植片または骨髄移植)の移植レシピエントによる拒絶を阻害するために特に有用である。さらに、骨髄移植片中のドナーT細胞の抑制または消失は、移植片対宿主疾患の阻害に有用である。
さらに他の実施形態では、本発明のポリペプチドを使用して、免疫障害(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症;アレルギー性鼻炎;自己免疫性溶血性貧血;黒色表皮症;アレルギー性接触皮膚炎;アジソン病;アトピー性皮膚炎;円形脱毛症;全身性脱毛症;アミロイドーシス;アナフィラキシー性紫斑病;過敏症反応;再生不良性貧血;遺伝性血管性水腫;特発性血管性水腫;強直性脊椎炎;頭部動脈炎;巨細胞性動脈炎;高安動脈炎;側頭動脈炎;喘息;毛細血管拡張性運動失調症;自己免疫性卵巣炎;自己免疫性精巣炎;自己免疫性多内分泌腺不全;ベーチェット病;バーガー病;バージャー病;気管支炎;水胞性天然痘;慢性粘膜皮膚カンジダ症;カプラン症候群;心筋梗塞後症候群;心膜切開後症候群;心臓炎;セリアック病;シャーガス病;チェジアック−東症候群;チャーグストラウス病;コーガン症候群;寒冷凝集素症;CREST症候群;クローン病;クリオグロブリン血症;特発性間質性肺炎;疱疹状皮膚炎;皮膚筋炎;真性糖尿病;ダイヤモンド−ブラックファン症候群;ディジョージ症候群;円板状紅斑性狼瘡;好酸球性筋膜炎;上強膜炎;持久性隆起性紅斑;輪郭状紅斑;多形性紅斑;結節性紅斑;家族性地中海熱;フェルティー症候群;肺線維症;アナフィラキシー様糸球体腎炎;自己免疫性糸球体腎炎;連鎖球菌感染後糸球体腎炎;移植後糸球体腎炎;膜性糸球体症;グッドパスチュア症候群;免疫性媒介性顆粒球減少症;環状肉芽腫;アレルギー性肉芽腫症;肉芽腫性筋肉炎;グレーブス病;橋本甲状腺炎;新生児溶血性疾患;特発性ヘモクロマトーシス;ヘノッホ・シェーンライン紫斑病;慢性能動性および慢性進行性肝炎;組織球症X;好酸球増加症候群;特発性栓球減少性紫斑病;ジョブ症候群;若年性皮膚筋炎;若年性関節リウマチ(若年性慢性関節炎);川崎病;角膜炎;乾性角結膜炎;ランドリー−ギラン−バー−ストロール症候群;結節性癩;レフレル症候群;狼瘡;ライエルの症候群;ライム病;リンパ腫様肉芽腫症;全身性肥満細胞症;混合性結合組織病;多発性単神経炎;マックル−ウェルズ症候群;皮膚粘膜リンパ節症候群;皮膚粘膜リンパ節症候群;多中心性網内系組織球症;多発性硬化症;重症筋無力症;菌状息肉症;全身性壊死性血管炎;ネフローゼ症候群;オーバーラップ症候群;皮下脂肪組織炎;発作性寒冷血色素尿症;発作性夜間血色素尿症;類天疱瘡;天疱瘡;紅斑性天疱瘡;落葉状天疱瘡;尋常性天疱瘡;鳩飼病;過敏性肺臓炎;結節性動脈周囲炎;リューマチ性多発性筋痛;多発性筋炎;特発性多発神経炎;ポルトガル家族性多発性神経炎;子癇前症/子癇;原発性胆汁性肝硬変;全身性進行性硬化症(強皮症);乾癬;乾癬性関節炎;肺胞タンパク症;肺線維症,レーノー現象/症候群;ライデル甲状腺炎;ライター症候群、再発性多発性軟骨炎;リューマチ熱;関節リウマチ;類肉腫症;強膜炎;硬化性胆管炎;血清病;セザリー症候群;シェーグレン症候群;スティーブンス−ジョンソン症候群;スティル病;亜急性硬化性全脳炎;交感性眼炎;全身性エリトマトーデス;移植片拒絶;潰瘍性大腸炎;分類不能結合組織病;慢性蕁麻疹;寒冷蕁麻疹;ブドウ膜炎;白斑;ウェーバー−クリスチャン病;ウェゲナー肉芽腫症、およびウィスコット−オールドリッチ症候群が含まれるが、これらに限定されない)を治療することができる。
別の実施形態では、本発明の結合分子をプレターゲティング適用のために使用することができる。例えば、化学療法薬物送達のためのプレターゲティング適用と同一の利点が明らかである。
例えば、プレターゲティングでは、腫瘍を、一方腫瘍関連抗原に親和性を示し、他方放射性標識ハプテンに親和性を示す結合構築物でプレターゲティングする。放射性標識ハプテンを、好ましくは、結合分子がクリアランスされた後に投与する(例えば、Boerman et al.2003.J.Nuclear Med.44:400を参照のこと)。別の例では、抗体は、非毒性であるが結合分子に結合した場合のみで有毒な薬物またはプロドラッグと反応するように誘導体化されている。本実施例中の生体分布データを考慮すると、本発明の結合分子は、プレターゲティング適用での使用に十分に適応している。1つの実施形態では、本発明の結合分子の使用によってプレターゲティング法からキレート剤を消失させることができる。
本発明を、以下の実施例によってさらに例示するが、これらは本発明を制限すると解釈されるべきではない。本出願にわたって引用された全ての参考文献、特許、および公開された特許出願は、本明細書中で参考として援用される。
(実施例1:AおよびBアイソフォームの同定)
抗体分子溶液は、2つの異なるアイソフォームを含む。一方の形態であるA型は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合した重鎖分子を含む。他方の形態であるB型は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合していない重鎖分子を含む。Rituxan(登録商標)などのインタクトなγ1MAbを使用した場合、B型は出現しないか非常に低い頻度で出現する。しかし、類似のヒンジを有するドメイン欠失(dd)構造を使用すると、B型の頻度ははるかに高くなる。変性非還元SDSpageを使用して、これらの形態を区別することができる。ドメイン欠失抗体調製物では、A型は120kDaの二量体として出現し、B型は60kDaの単量体として出現する(図1)。
(実施例2:CH2ドメイン欠失MAbフラグメント中のヒンジ領域不均一性の同定)
ヒンジドメインを、上部、中央、および下部ヒンジ領域の3つの異なる領域に細分することができる(Roux et al.J.Immunol.1998 161:4083)。IgG1およびIgG3ヒンジについてのこれらの領域を含むポリペプチド配列を、表1に示す。IgG3ヒンジ中央領域は、2つの保存システイン残基に加えて、3回反復した15アミノ酸モチーフを含む。これらの領域由来のアミノ酸配列を使用して、合成IgG1/IgG3連結ペプチドをデザインした。これらは、226位〜238位に対応するIgG1上部ヒンジ残基、239位〜241位に対応するIgG1中央ヒンジ、および243位にプロリンを付加するか243位、244位、および245位(Kabatナンバリングシステム)にそれぞれプロリン、アラニン、プロリンを付加し、その後に可動性Gly/Serスペーサーを付加した241EE位〜242位に対応する1つのIgG3中央ヒンジ反復モチーフからなる(表2)。さらに、243位にプロリンを付加するか243位、244位、および245位(Kabatナンバリングシステム)にそれぞれプロリン、アラニン、プロリンを付加した239位または242位のシステインがセリンアミノ酸残基に置換された新規の連結ペプチドをデザインした。Pro243Ala244Pro245およびPro 243連結ペプチドも作製した。IgG1ヒンジの最初の残基(226位、Kabatナンバリングシステム)から始まり、ヒンジ/GlySer連結ペプチドの最後の残基で終わる親CH2ドメイン欠失ヒト化CC49連結ペプチドのアミノ酸配列を表2に示す。Kabatナンバリングシステムで示したシステイン残基の位置を使用したCC49とのアラインメントによる種々の連結ペプチドデザインも示す。
Figure 2007535297
Figure 2007535297
(実施例3:連結ポリペプチドの構築およびアイソフォームの優先的合成)
重複伸長スプライシング(SOE)法を使用して、表2に示すヒンジ領域連結ペプチドをコードする核酸配列を、CH2ドメイン欠失huCC49遺伝子配列に移入した(Horton,R.M.1993 Methods in Molecular Biology,Vol 15:PCR Protocols:Current Methods and applications.Ed.B.A.White)。ヒンジ領域の正確な修飾を、DNA配列分析によって確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用して、CHO DG44細胞を形質転換した。
表2に示す8個のデザインした合成連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失huCC49抗体を構築し、CHO DG44細胞中で抗体を産生した。単離細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。各細胞株由来の全抗体タンパク質の0〜30ngの範囲の抗体を含む上清を、CH2ドメイン欠失huCC49のA型およびB型アイソフォームを検出するための非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗ヒトκHRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって分析した。これらの条件下で、A型は単一の120kDaのホモ二量体として移動し、B型は60kDaの2対として移動する。κ鎖単量体および二量体も認められる。配列番号8、9、14、および15に示した連結ペプチドは全てA型の産生比率が増大することが見出された。
Figure 2007535297
これらのデータは、新規の操作した合成ヒンジ領域の連結ペプチドを使用してAアイソフォームまたはBアイソフォームを優先的に形成することができることを示す。これらの研究は、CH2ドメイン欠失抗体のA型アイソフォームの合成における242位(Kabatナンバリングシステム)でのシステイン残基の重要性も示す。239位または242位のいずれかのシステインのセリンへの置換(例えば、配列番号10、11、12、または13に示す連結ペプチドを使用)により、CH2ドメイン欠失抗体生合成がB型アイソフォームにシフトされる。したがって、1つの実施形態では、本発明の連結ペプチドは、239位または242位の少なくとも1つにシステインを含む。A型の産生比率が増加する連結ペプチドの使用により、プロセス、収率、および/または安定性が有利に改善される。これらの合成ヒンジ領域の連結ペプチドは、4つ全てのヒトアイソタイプのCH3ドメインの間での非常に高い相同性に基づいて、任意の抗体アイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)のCH2ドメイン欠失抗体A型アイソフォームの優先的合成に有用である。同一および保存されたアミノ酸残基を含むことにより、IgG1のCH3ドメインはIgG2のCH3と98.13%相同であり、IgG3のCH3と97.20%相同であり、IgG4のCH3と96.26%相同である。
(実施例4:両アイソフォームを含むモノクローナル抗体混合物からのA型およびB型の精製)
10mLのddCC49上清を、1M Tris(pH9.0)で最終pH7.5まで漸増(titrate)した。この物質を、一連のSol−Vac0.8μおよび0.4μメンブレンで濾過した。100mLのXK50プロテインGカラムを、流速80mL/分にて1×PBSで予備平衡化した。漸増し、濾過した上清を、80mL/分でカラムにロードした。結合したタンパク質を、2カラム体積の平衡緩衝液で洗浄し、その後pH3.0で100mMグリシンにて溶離した。ddCC49ピークを含む画分を回収し、その直後に1M Tris(pH9.0)で最終pH7.0に漸増した。
Toso Biosep Phenyl 5PW−HRカラムを、20mMリン酸(pH7.2;1M硫酸アンモニウムで予備平衡化した。プロテインG溶離物を、3.5M硫酸アンモニウム(pH7.2)ストックを使用して1M硫酸アンモニウムに漸増し、ゲルベッド1mLあたり2mgの濃度でロードする。伝導率を116.4mS/cmに調整するために、結合したタンパク質を20mMリン酸(pH4たは7.2硫酸アンモニウムで洗浄した。この条件で溶離した物質の非還元SDS−PAGEによる見かけ上の分子量は約120kDa(A型)である。残りの結合抗体を、硫酸アンモニウム含量の減少が直線勾配のリン酸緩衝液でさらに溶離した。この方法により、A型およびB型が2つの個別のピークで分離される。後者の溶離抗体は、見かけ上重鎖間のジスルフィド結合を欠き、その分子量は約60kDaである(B型)。
上記の両精製物質を、硫酸アンモニウム濃度を1Mにし、これを洗浄したPhenyl 5PW−HRカラムに再ロードすることによって再度捕捉することができる。結合したタンパク質を、20mMリン酸(pH7.2)で溶離し、1×PBSで透析する。
(実施例5:A型およびB型の安定性の比較)
A型およびB型の生物活性(例えば、直接結合または競合研究を使用した予備実験での測定)により、A型およびB型が類似の生物活性を有することが明らかとなった。
A型およびB型の安定性も比較した。精製ddCC49分子を、YM30メンブレン(Millipore)を取りつけたAmicon濃縮機によって約5mg/mLに濃縮した。濃縮物質を、各アイソフォームについて4つに等分し、各画分を10K透析カセット(Pierce、カタログ番号66410)に入れ、以下の緩衝液で16時間透析した:1)10mMリン酸ナトリウム(pH3);2)10mM酢酸ナトリウム(pH5);3)10mMリン酸ナトリウム(pH7);および4)10mMホウ酸ナトリウム(pH9)。透析後、各溶液のタンパク質濃度を3mg/mLに調整した。純粋なAアイソフォーム溶液およびBアイソフォーム溶液に加えて、各pH由来のA溶液およびB溶液の一混合して、50%の各アイソフォームを含む混合物を作製した。全12種の処方物を作製した(4つのpHレベル×3つの抗体溶液)。溶液を濾過し、灰色のブチルストッパーを備えた3mLのType−1ガラス血清バイアル(West Pharmaceuticals)に充填した。
安定性試験用のタンパク質溶液を保存するために、3つの温度(2〜8℃、20〜25℃、および38〜42℃)を選択した。保存前に、物理分析および化学分析のために各処方物から500μLのサンプルを採取し、これらの時間起点データをコントロールとして参照した。一旦保存されると、サンプルを以下のスケジュールで採取した:2週間、1ヶ月、2ヶ月、および3ヶ月、ならびに試験直前。
2つのアイソフォームの物理的および化学的安定性を評価するために、以下の方法を使用した:OD320での濁度測定、非還元SDS−PAGE、およびサイズ排除クロマトグラフィ。
種々の時点にて2〜8℃、20〜25℃、および38〜42℃で保存したサンプルに対して非還元SDS−PAGEを行った。2〜8℃で保存した場合、A型およびB型は共に、pH5で比較的安定である。しかし、元の主要バンド(A型は120kDaおよびB型は60kDa)よりも小さいバンド数の増加によって示されるように、pH7および9で処方した場合、A型およびB型は共に分解された。特にpH7および9の低温および中間の温度で保存したサンプルは、55kDa未満のバンドの強度および数がA型よりもB型で高いことに留意した。これは、これらの条件下で、AアイソフォームがBアイソフォームよりも安定であることを示していた。しかし、これは、pH5および20〜25℃で保存したAアイソフォームには当てはまらないようである。このサンプルは、Bアイソフォームよりも多数のフラグメントを有するようであった。これは、微生物混入による悪影響であるようである(以下により詳細に考察している)。高保存温度では、両型はpH9で有意に分解され、サンプル間でゲルパターンにほとんど相違がなかった。この条件下では、ゲルの上部に凝集体の形成を示す微量のスミアバンド(smear band)が出現した。凝集体をSDSに溶解することができるため、以下の節に記載の方法を使用して凝集体を調査した。
表4Aから4Cは、3つの異なる温度で保存したddCC49の濁度データを列挙する。濁度によって可溶性および不溶性凝集体の両方を測定し、濁度はこれらの粒子による散乱光の量に基づく。存在する場合、凝集体は光を散乱し、A320が増加する。表4A〜Cに示すように、2〜8℃で保存したddCC49分子の濁度は、AアイソフォームおよびBアイソフォームの両方のpHの上昇と共に増加し、前者は後者よりも濁度が低い。この傾向は、より高い温度(20〜25℃および38〜40℃)で1ヶ月未満保存したサンプルについても当てはまった。保存期間が3ヶ月に達すると、高pHおよび高温のサンプルの濁度は有意に増加し、A型とB型の相違が減少した。これらの結果はSDS−PAGEの結果に匹敵し、(凝集体形成されないという点で)両アイソフォームがpH3および5で比較的安定であり、AアイソフォームがBアイソフォームよりも凝集体に対する感受性が低いことを示す。
Figure 2007535297
サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)はインタクトな分子および分解生成物(フラグメントおよび可溶性凝集体の両方)の比率の解明のための強力な方法であり、再現性が高い。表4A〜4Cでは、異なる温度でのAアイソフォーム、Bアイソフォーム、および混合物のインタクトな単量体の比率を列挙する。2〜8℃で保存したサンプルについては、A型はB型と比較して単量体の比率が高く、A型とB型との混合物はその間であることが明らかである。この保存温度では、両型は、pH3、5、および7で約3ヶ月間比較的安定であった(pH5が最も安定な条件である)。しかし、pH9では、B型では単量体の比率が有意に減少するが、A型ではわずかしか減少しなかった。
高温では、全てのサンプルは、保存期間が増加するにつれて単量体の比率が有意に減少した;AアイソフォームはBアイソフォームよりも優れていた。しかし、例外として、室温で保存したpH5のAアイソフォームのサンプルは、類似の保存条件下でのBアイソフォームまたは混合物よりもより一層分解された。この特定のAアイソフォームバイアル、SDS−PAGE由来のデータ、およびサンプルのSECの厳密な検査により、微生物混入がこの予想外の結果の原因であることが示唆された。第1に、SECおよびSDS−PAGEの結果は共に、このサンプルの分解がおそらく微生物消化に起因する断片化の増加によって主に説明され、そうでなければいくらかの凝集の増加が予想されることを示した。第2に、AアイソフォームおよびBアイソフォームをそれぞれ50%含む混合サンプルがBアイソフォームよりも良好な安定性プロフィールを示したという事実は、より安定なAアイソフォームがより高い単量体の比率に寄与したに違いないことを示す。最後に、2〜8℃および38〜42℃で保存したpH5のAアイソフォームは共に類似の条件下のBアイソフォームよりも単量体の比率が高かった。したがって、中間の保存温度は類似の結果が得られるはずである。サンプル量が制限されているため、微生物混入アッセイを行うことができなかった。
高pH(9)および40℃で保存したIDEC−159の両アイソフォームについて、単量体の比率が約30%に減少したことも留意した。これらのいくつかの条件下で、2つのアイソフォーム間の安定性の相違は消滅した。このSECの結果は、SDS−PAGEを使用して見出された結果を反映する。両結果は、2つのアイソフォーム間で化学的および物理的特徴が幾らか異なるが、両アイソフォームの分解機構および分解副産物が全く同じではないにしても類似していることを示す。
まとめると、SECの結果は、AアイソフォームおよびBアイソフォームの両方の至適pHが約5であり、類似の保存条件でのインタクトな単量体の比率がより高い点から見てAアイソフォームがBアイソフォームよりも安定であることを示す。
Figure 2007535297
(実施例7:A型およびB型の分取精製)
IDEC−159(ddCC49)は、腫瘍表面上に発現する、TAG−72抗原に指向するCH2ドメイン欠失モノクローナル抗体である。IDEC−159は、A型およびB型と呼ばれる抗体の2つのアイソフォームを含む。IDEC−159のための現在の細胞培養プロセスにより、A型:B型が約50:50の比で産生される。Aアイソフォームは、重鎖のFc部分のCH2領域が欠失した抗体である。CH2領域の欠失に加えて、B型はFc領域を横切るジスルフィド結合も欠き、疎水性相互作用および塩橋のみでつなぎ合わされている。
IDEC−159の2つのアイソフォームを分離するために、IDEC−159精製プロセスの第3および最後のクロマトグラフィ工程を構築した。Phenyl TSKgel 5PW−HR吸着剤を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)によって分離する。B型はA型よりも疎水性が高いため、B型は、移動相として約0.73M硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0〜pH7.0)を使用した固定相に不可逆的に吸着する。A型はこれらの条件下でより弱く固定相に結合するため定組成で(isocratically)溶離する(すなわち、カラムから貫流画分に遊離する)。A型の定組成溶離後、移動相からの硫酸アンモニウムの除去によってB型が脱離する。以下の方法を使用して、IDEC−159の2つのアイソフォームを分離した。
・150cm以下/時間で3CV以上の0.5N NaOHを使用してカラムを浄化した。
・150cm以下/時間で5CV以上の0.73M硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0)を使用してカラムを平衡化した。
・5mg/mL樹脂で0.43倍体積の2.5M硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0)液体ストック溶液を含むように調整した室温のTMAE Flowthroughをカラムにロードした。
・pH4.0で100cm以下/時間にて抗体をカラムにロードした。
・280nmでの排出O.D.が10mAUに到達した時に抗体を回収し始めた。
・100cm以下/時間で15CVの0.73M硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0)を使用してカラムを洗浄した。
・15CV洗浄の間中抗体を回収し続け、その後排出液を廃液に戻した。
・100cm以下/時間で5CV以上の20mMリン酸ナトリウム(pH4.0)を使用してカラムから剥離した。6.150cm以下/時間で3CV以上の0.5N NaOHを使用してカラムを洗浄した。
150cm以下/時間で3CV以上の0.73M硫酸アンモニウム/20mMリン酸ナトリウム(pH4.0)を使用してカラムを平衡化した。
・150cm以下/時間で3CV以上の20%エタノール中にカラムを保存した。
分取スケール(5Lカラム体積、全IDEC−159の負荷量は20g)での2つの形態の分離を、図13に示す(AおよびB)。第1の2つのピークはA型の定組成溶離物を含み、第2のピークは溶離されたB型を示す一方で、第3のピークは夾雑物を含み、洗浄時に固定相から除去した。
この方法による分取スケールでのA型およびB型の分離能力もSDS−PAGEによって証明した。
(実施例8:CH2ドメイン欠失四価抗体の調製)
huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のデザインは、huCC49 CH2ドメイン欠失抗体CH3ドメインのカルボキシル末端へのhuCC49単鎖Fv(scFv)の付加に基づいた。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の略図を図4に示す。このデザインの等価な表現は、C−scFv四価CH2ドメイン欠失抗体である。Fv領域の一本鎖ポリペプチド結合分子(単鎖Fv分子)の調は、米国特許第4,946,778号に記載されている。C49 scFv免疫グロブリン様抗体は、米国特許第5,892,019号に記載されている。huCC49scFvは、短い合成リンカーによって繋がれたVL領域およびVH領域の配列から構成され(VL→(GlySer)リンカー→VH方向)、PCR増幅によって合成した。5’VL PCRプライマーは、Bam HI制限エンドヌクレアーゼ部位およびその後に(GlySer)リンカーペプチドをコードする配列を含んでいた。3’VL PCRプライマーは、2つのVL領域およびVH領域を連結するために使用される(GlySer)リンカーペプチドを部分的にコードする配列を含んでいた。5’VH PCRプライマーも、VL領域およびVH領域を連結するために使用される(GlySer)リンカーペプチドを部分的にコードする配列を含んでいた。最後に、3’VH PCRプライマーは、終止コドンおよびその後にBam HI部位を含んでいた。2つのV領域を、2つのPCRプライマー組を使用してhuCC49 CH2ドメイン欠失抗体を含むプラスミドDNA基質から増幅し、(GlySer)リンカーをコードする共通の重複配列を介した第2のPCR反応においてscFvをアセンブリした。huCC49 scFv遺伝子フラグメントをゲルで単離し、Bam HI制限エンドヌクレアーゼで消化し、huCC49 CH2ドメイン欠失抗体多シストロン性発現ベクターに事前に移入した単一のBam HI部位にクローニングした(US2003 0157641A1を参照のこと)。簡単に述べれば、CH3ドメインをコードする遺伝子の3’末端に存在する終止コドンの除去および直後にBam HI制限エンドヌクレアーゼ部位(Gly−Serをコードする)を含むアミノ酸配列Ser−Gly−Gly−Glyをコードするヌクレオチドとの置換によってベクターを修飾した。Bam HI消化huCC49 scFvフラグメントを、ベクターのBam HI部位にクローニングして、16アミノ酸のSer(GlySer)リンカーを介したhuCC49 CH2ドメイン欠失抗体CH3ドメインのカルボキシル末端へのhuCC49 scFvの融合産物が得られた。DNA配列分析によって正確な配列を確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。操作抗体を、huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体と命名した。図8Aは、重鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図8Cは、軽鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図9Aは、重鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のアミノ酸配列を示す
単離細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体AアイソフォームおよびBアイソフォームを検出するために、上清を非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗ヒトκHRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって分析した。これらの条件下で、約50:50の比のAアイソフォームとBアイソフォームにおいて、A型は単一の約170kDaのホモ二量体として移動し、B型は約85kDaの2対として移動することが認められた。図18に示すように、5つの個別に単離されたクローンは全てA型およびB型のCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体アイソフォームを産生することが見出された。抗体産生および実施例4に記載のHICクロマトグラフィを使用した精製のために1つのクローンを選択した。精製されたhuCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のA型およびB型を非還元および還元SDS−PAGEによって分析し、結果を図19に示す。A型huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体を、B型から95%を超える純度で有効に分離した。予想されように、両方の精製形態は、還元SDS−PAGE条件下で同様に挙動した。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のA型を、サイズ排除クロマトグラフィによって試験したところ主に単一ピーク(96%)として溶離され、これは、抗体産物の有意な凝集または分解が認められないことを示す(図20)。
(実施例9:huCC49 CH2ドメイン欠失四価抗体の生体分布プロフィール)
Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによって、huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のA型を、競合結合アッセイにおいてそのウシ顎下腺ムチン(TAG−72抗原の供給源)への結合能力について試験した。競合結合曲線を図21に示す。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のA型およびコントロール親CH2ドメイン欠失huCC49(huCC49またはIDEC 159という)抗体を評価した。四価抗体の相対結合活性は、コントロール親CC49抗体よりも5倍アビディティが高いことが見出され(GraphPad Prism 4.0 for Windows(登録商標),GraphPad,Software,San Diego California USA.www.graphpad.com)、これは予想され抗体結合部位数の増加と一致した。
LS−174Tヒト腫瘍異種移植片を保有する胸腺欠損マウス中の90Y放射標識huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の生体分布を、コントロール親huCC49抗体を使用して以前に得た結果と比較した。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体を、清浄剤であるChx−DTPAと結合体化し、結合活性を評価した。結合体化したhuCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体は、結合体化されたコントロール親huC49よりも5〜6倍アビディティが高く、有意な結合活性を失うことなく四価抗体を誘導体化することができることを示す。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体を90Yで標識し、単回用量の放射性標識抗体を、予め確立させた約250mmの腫瘍を有するマウスへの尾静脈への静脈内注射によって投与した。サンプルを回収し、βカウンティングのために処理した。3〜72時間の1gの腫瘍または正常な組織あたりの90Y放射性標識抗体の注射用量率(%ID)を決定し、表6に示す。
Figure 2007535297
huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体は、おそらく抗体の分子量の増加によってコントロールhuCC49抗体よりも腎臓での蓄積が少なかった。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の腫瘍蓄積は、コントロール親huCC49を用いて達成された蓄積に類似していた(表6)。しかし、記載するように、これら2つの生体分布研究を同時に行っておらず、実験にばらつきがあった。%ID/gmで測定したコントロール親huCC49およびhuCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の腫瘍保持を示す図を、図35に示す。図35は、放射能のピーク蓄積に対して標準化した同一の腫瘍保持データも示す。図35における2つの標準化保持曲線のAUC分析を、GraphPad Prism 4.0 for Windows(登録商標),GraphPad,Software,San Diego California USA.www.graphpad.com.を使用して計算した。コントロール親huCC49の総ピーク面積は2037単位であり、huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の総ピーク面積は2562単位であり、四価タンパク質の面積の25.8%増加を示す。この形式のデータ表示により、親二価分子と比較して腫瘍区画中の四価抗体の保持が改善されることが示唆される。
四量体huCC49構築物は、プレターゲティング(例えば、放射性免疫治療(RIT)プレターゲティング)に一定の利点をもたらす。この利点を、表6由来の3つの所見によって定義する。第1に、四量体huCC49 CH2ドメイン欠失構築物は、現在のCH2ドメイン欠失huCC49構築物に匹敵する血液クリアランス速度を有する。この迅速なクリアランスは、腫瘍結合抗体に局在する放射性標識リガンドの投与前の血液からの抗体の除去促進するための「清浄剤」の必要性を回避することができる。清浄剤の消失により、臨床状況におけるこの治療方法の複雑さが有意に減少する。第2に、四量体構築物の腫瘍保持は、現在の二量体構築物に匹敵する。したがって、送達される放射線量は、2つの構築物で類似している(表6)。第3に、CH2ドメイン欠失huCC49と比較して腎臓および肝臓の取り込みが低いことにより、臓器限界毒に達する前に放射性標識リガンドの投与量をより多くすることができる。
(実施例10:新規の連結ペプチドを含むhuCC49 CH2ドメイン欠失四価抗体の調製およびAアイソフォームの優先的合成)
図4の下半分中に示したデザインに類似するが、表2に示すG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]合成連結ペプチドを含むhuCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体を構築した。簡単に述べれば、部分的G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドをコードする遺伝子配列を、Sal I制限エンドヌクレアーゼ部位をコードする5’連結ペプチドPCRプライマーおよびXho I部位をコードする3’連結ペプチドPCRプライマーを使用したPCR増幅によって合成した。G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドをコードする遺伝子配列を含むプラスミドDNAを基質として使用した。PCR産物は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245の全ておよび[Gly/Ser]連結ペプチドの一部をコードする。G1/G3/Pro243Ala244Pro245ヒンジフラグメントをゲルで単離し、Sal IおよびXho I制限エンドヌクレアーゼで消化し、Sal IおよびXho Iベクター部位にクローニングし、全長G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを再構築した。正確な配列を、DNA配列分析によって確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。図8Bは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む重鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図8Cは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む軽鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図9Bは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む重鎖huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のアミノ酸配列を示す。
単離細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体のAアイソフォームおよびBアイソフォームを検出するために、非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗IgG−HRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって上清を分析した。これらの条件下で、約50:50の比のAアイソフォームとBアイソフォームにおいて、A型は単一の170kDaのホモ二量体として移動し、B型は約85kDaの2対として移動すると予想される。図22に示すように、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む代表的なCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体は、全A型四価抗体アイソフォームを産生することが認められた。
huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体配列に移入したG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser](配列番号9)連結ペプチドを含む細胞株を、抗体産生のために使用した。抗体を産生し、上記実施例4に記載の方法を使用して精製した。G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser](配列番号9)連結ペプチドを含むhuCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体を、プロテインGカラムのみを使用して精製し、さらにHIC精製を行うことなく本質的に純度96%の単一ピークとして溶離した。還元および非還元精製タンパク質サンプルを、SDS−PAGE電気泳動によって分析した。非還元条件下で、A型は、単一の170kDaのホモ二量体として移動し、B型は85kDaの2対として移動すると予想される。配列番号9に示す連結ペプチドは、A型の産生比率が実質的に増加することが見出された。例示的結果を、図23に示す。この結果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ(配列番号9)により、本質的に全A型huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体が産生され、B型はほとんどまたは全く検出されないことを示し、Aアイソフォームの産生のためのこのヒンジの有用性を一般に多価抗体などの複雑な抗体に適用可能であることが証明される。本発明をさらに二重特異性四価抗体形式にも適用可能であることが明らかである。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245抗体をサイズ排除クロマトグラフィによって試験し、本質的に84%の単量体を含む単一ピークとして溶離されることが見出された。残存する凝集体を含む画分を分取サイズ排除クロマトグラフィによって除去して、本質的に95%の単量体を含む調製物を得た(図24)。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245抗体を、Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによって、競合結合アッセイにおいてそのウシ顎下腺ムチン(TAG−72抗原の供給源)への結合能力について試験した。競合結合曲線を図25に示す。huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体のA型およびコントロール親CH2ドメイン欠失huCC49(huCC49またはIDEC 159という)抗体を評価した。四価抗体の相対結合活性は、コントロール親huCC49抗体よりも8倍アビディティが高いことが見出され(GraphPad Prism 4.0 for Windows(登録商標),GraphPad,Software,San Diego California USA.www.graphpad.com)、これは予想され抗体結合部位数の増加と一致した。
これらの結果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチド(配列番号9)によって本質的に全A型huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体が産生され、B型は検出不可能であることを示す。精製抗体は、抗原に対するアビディティの増加を示した。
(実施例11:CH2ドメイン欠失四価抗体の調製)
図2に示すように、huCC49ミニボディおよびhuCC49 2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)を構築した。簡単に述べれば、huCC49 2 sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)デザインは、huCC49ミニボディ中の第1のscFvドメインのカルボキシル末端とヒンジ連結ペプチドのアミノ末端との間へのhuCC49単鎖Fv(scFv)の挿入に基づいた。Fv領域の単鎖ポリペプチド結合分子(単鎖Fv分子)の調製は、米国特許第4,946,778号に記載されている。CC49 scFv免疫グロブリン様抗体は米国特許第5,892,019に記載されている。ミニボディ構築物の調製は、米国特許第5,837,821号に記載されている。huCC49 scFvは、短い合成リンカーによって繋がれたVL領域配列およびVH領域配列(VL→(Gly Ser) リンカー→VH方向)から構成され、PCR増幅によって合成し、huCC49ミニボディの構築に使用した。第2に、PCR増幅によるhuCC49ミニボディのアミノ末端scFvドメインのカルボキシ末端への修飾(GlySer)リンカーの付加、リンカーの最後の2つのアミノ酸残基をコードするヌクレオチドのNhe I制限エンドヌクレアーゼ部位の置換によってミニボディベクターを修飾した。これにより、後に数個のヌクレオチドで分離されたSal I制限エンドヌクレアーゼ部位が存在する(GlySer)−Gly−Ala−Serリンカーが得られる。Nhe I制限エンドヌクレアーゼ部位をコードする5’VL PCRプライマーおよびSal I部位をコードする3’VH PCRプライマーを使用したPCRを使用して、第2のhuCC49 scFvを、huCC49 scFv遺伝子を含むプラスミドDNA基質から増幅させた。huCC49 scFvフラグメントをゲルで単離し、Nhe IおよびSal I制限エンドヌクレアーゼで消化し、第1のscFvとヒンジ連結ペプチドとの間のNhe I部位およびSal I部位にクローニングした。これにより、リーダーペプチド−2つの一連のhuCC49 scFv−ヒンジ連結ペプチド−CH3ドメインからなる融合産物が得られる。正確な配列を、DNA配列分析によって確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。図10Aは、huCC49四価(N−scFv四価)ミニボディ遺伝子のDNA配列を示す。図11Aは、huCC49四価(N−scFv四価)ミニボディのアミノ酸配列を示す。
単離細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。AアイソフォームおよびBアイソフォームにおける重鎖定常配列を検出するために、上清を非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗IgG−HRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって分析した。これらの条件下で、huCC49ミニボディA型は単一の82kDaのホモ二量体および半分子(half molecule)として移動し、B型は約41kDaの2対として移動することが予想される。約50:50の比のAアイソフォームとBアイソフォームにおいて、huCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディA型は単一の約138kDaのホモ二量体として移動し、B型は約69kDaの2対として移動することが予想される。比較によって、huCC49 CH2ドメイン欠失抗体(約50:50の比のAアイソフォームとBアイソフォームにおいて、単一の120kDaのホモ二量体として移動し、B型は約60kDaの2対として移動すると予想される)をコントロールとして使用した。図26に示すように、代表的な単離ミニボディおよび2sc(Fv)2四価ミニボディクローンは、AアイソフォームおよびBアイソフォームの両方を分泌することが見出され、これは非還元および還元SDS−PAGE条件下での推定分子量と一致した。
(実施例12:新規の連結ペプチドを含むhuCC49 CH2ドメイン欠失四価抗体の調製およびAアイソフォームの優先的合成)
図2の下半分中に示したデザインに類似するが、表2に示すG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むhuCC49 2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)を構築した。簡単に述べれば、部分的G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドをコードする遺伝子配列を、Sal I制限エンドヌクレアーゼ部位をコードする5’連結ペプチドPCRプライマーおよびXho I部位をコードする3’連結ペプチドPCRプライマーを使用したPCR増幅によって合成した。G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドをコードする遺伝子配列を含むプラスミドDNAを基質として使用した。PCR産物は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245の全ておよび[Gly/Ser]連結ペプチドの一部をコードする。G1/G3/Pro243Ala244Pro245ヒンジフラグメントをゲルで単離し、Sal IおよびXho I制限エンドヌクレアーゼで消化し、Sal IおよびXho Iベクター部位にクローニングし、全長G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを再構築した。正確な配列を、DNA配列分析によって確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。図10Bは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むhuCC49 2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)遺伝子のDNA配列を示す。図11Bは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むhuCC49 2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)遺伝子のアミノ酸配列を示す。
単離細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。huCC49 2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)のAアイソフォームおよびBアイソフォームを検出するために、非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗IgG−HRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって上清を分析した。これらの条件下で、約50:50の比のAアイソフォームとBアイソフォームにおいて、huCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディA型は単一の138kDaのホモ二量体として移動し、B型は約69kDaの2対として移動すると予想される。図27に示すように、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む代表的なhuCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディは、本質的に全A型四価ミニボディアイソフォームを産生することが認められた。
huCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディ配列に移入したG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser](配列番号9)連結ペプチドを含む細胞株を、抗体産生のために使用した。huCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディがCH1ドメインを欠くため、プロテインGクロマトグラフィを使用してタンパク質を精製することができない。その後、陰イオン交換クロマトグラフィ法、疎水性相互作用クロマトグラフィ法、およびサイズ排除クロマトグラフィ法の組み合わせを使用して抗体を精製した。G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser](配列番号9)連結ペプチドを含むhuCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディを、本質的に純度97.6%の単一ピークとして精製した。還元および非還元精製タンパク質サンプルを、SDS−PAGE電気泳動によって分析した。非還元条件下で、A型は、単一の138kDaのホモ二量体として移動し、B型は約69kDaの2対として移動すると予想される。配列番号9に示す連結ペプチドは、A型の産生比率が実質的に増加することが見出された。例示的結果を、図28に示す。この結果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ(配列番号9)により、本質的に全A型huCC49 2sc(Fv)2四価ミニボディ(N−scFv四価ミニボディ)が産生され、B型はほとんどまたは全く検出されないことを示し、Aアイソフォームの産生のためのこのヒンジの有用性を一般に多価抗体などの複雑な抗体に適用可能であることが証明される。本発明をさらに二重特異性四価抗体形式にも適用可能であることが明らかである。精製huCC49 2sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245ミニボディをサイズ排除クロマトグラフィによって試験し、本質的に97.6%の単量体を含む単一ピークとして溶離されることが見出された(図29)。
精製huCC49 2sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245ミニボディを、Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによって、競合結合アッセイにおいてそのウシ顎下腺ムチン(TAG−72抗原の供給源)への結合能力について試験した。競合結合曲線を図30に示す。huCC49 2sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245ミニボディ、huCC49ミニボディ、huCC49 CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/Pro243Ala244Pro245抗体、およびコントロール親CH2ドメイン欠失huCC49(huCC49またはIDEC 159という)抗体を評価した。両方の四価抗体の相対結合活性は、コントロール親huCC49抗体またはミニボディよりもアビディティが高いことが見出され(GraphPad Prism 4.0 for Windows(登録商標),GraphPad,Software,San Diego California USA.www.graphpad.com)、これは予想され抗体結合部位数の増加と一致した。
(実施例13:新規の連結ペプチドを含むPRIMATIZED(登録商標)p5E8 CH2ドメイン欠失四価抗体の調製およびAアイソフォームの優先的合成)
PRIMATIZED(登録商標)p5E8G1は、ヒトγ1定常領域およびκ定常領域にそれぞれ融合したマカクザル重鎖および軽鎖の可変領域を含むキメラマカクザル/ヒト(PRIMATIZED(登録商標))モノクローナル抗体である。PRIMATIZED(登録商標)p5E8G1は、ヒトCD23(IgEの親和性受容体(FcεRII))に結合する(Mavromatis and Cheson.2003.J.Clin.Oncol.21:1874;米国特許出願20030059424号)。表2示したG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]合成連結ペプチド(配列番号9)を含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体を、実施例10と類似のストラテジーを使用して構築した。sc(Fv)2四価抗体の構築で使用されるPRIMATIZED(登録商標)p5E8 scFvは、短い合成リンカーによってVL→(GlySer)リンカー→VH方向に繋がれたp5E8 VL領域およびVH領域の配列から構成され、実施例12により詳細に記載している。正確な配列を、DNA配列分析によって確認した。抗体タンパク質の安定な産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。図12Aは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む重鎖CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図12Bは、軽鎖CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体のDNA配列を示す。図13Aは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む重鎖CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体のアミノ酸配列を示す。図13Bは、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含む軽鎖CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体のアミノ酸配列を示す。
安定にトランスフェクトされた細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体のAアイソフォームおよびBアイソフォームを検出するために、非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗ヒトIgG−HRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって上清を分析した。これらの条件下で、A型は単一の約170kDaのホモ二量体として移動し、B型は約85kDaの2対として移動すると予想される。配列番号9に示す連結ペプチドは、A型四価抗体の産生比率が実質的に増加することを見出した。例示的結果を図31に示す。これらの結果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチド(配列番号9)によって本質的に全A型CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2四価抗体が産生されてB型は検出不可能であることを示し、A型アイソフォームCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の産生のためのこのヒンジの有用性を種々の特異性を示す抗体に一般に適用可能であることが証明された。
(実施例14:新規の連結ペプチドを含むPRIMATIZED(登録商標)p5E8ミニボディの調製およびAアイソフォームの優先的合成)
ミニボディは、免疫グロブリンヒンジ領域およびCH3ドメインに融合したscFvからなる一本鎖ポリペプチドである。ミニボディ単鎖ポリペプチド分子の調製は、米国特許第5,837,821号に記載されている。通常、インタクトなIgG分子では、ヒンジ領域中の230位のシステイン残基が214位のカルボキシ末端軽鎖定常ドメインのシステイン残基と共有結合性ジスルフィド結合を形成し、重鎖および軽鎖のポリペプチドが結合する(Kabatナンバリングシステム)。ミニボディのデザインでは、軽鎖定常領域は存在せず、ジスルフィド結合の形成に関与する2つのシステインのうちの1つが消失している。しかし、230位のヒンジ領域中の残りの単一のシステインが、おそらくヒンジ領域構造に寄与するホモタイプの鎖間ジスルフィド結合に関与すると提案されているため、そのままにした。
CH2ドメインを欠くミニボディは細胞から分泌され、図32に示すように、AアイソフォームおよびBアイソフォームを含む混合物として培養上清中に蓄積し、おそらくアセンブリされていない半分子である。これらの形態の比率は非常に変化し、純粋な産物の再現可能に調製することは困難である。免疫グロブリンCH1/CLドメインが存在しないため、プロテインG免疫アフィニティマトリクスを使用した全ミニボディの単離が不可能にされる。多数のクロマトグラフィストラテジーを使用してホモ二量体(MW約80〜90kD)からアセンブリされていない半分子(MW約40〜45kD)を分離することができる一方で、CH1/CLドメインも存在しないため残りのインタクトなAアイソフォームおよびBアイソフォームをHICクロマトグラフィ(本明細書中に記載)などの技術を使用して互いに有効に分離することができない。2つのアイソフォームの分子量がほぼ同一であり、この特徴に基づいた分離が妨げられるため、サイズ排除クロマトグラフィによってこれらのアイソフォームを分離することもできない。したがって、ミニボディ調製物の組成物は、実際は、AアイソフォームとBアイソフォームとの混合物からなる複合物であり得る。表2に示したG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチド(配列番号9)を含むように操作されたCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8ミニボディの産生を試験した。
PRIMATIZED(登録商標)p5E8 scFvをPCR増幅によって構築した。scFvを両方向(VL→(GlySer)リンカー→VH(VL/VH)およびVH→(GlySer)リンカー→VL(VH/VL))で構築した。構築で使用したオリゴヌクレオチドを以下の表に示す。
Figure 2007535297
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VL/VH scFvを2工程で構築した。5’VL PCR正方向プライマーN−23VL−1F(配列番号37)は、発現ベクター中でscFvを免疫グロブリンシグナルペプチドに結合させるためのBspLU11 I制限エンドヌクレアーゼ部位を含んでいた。3’VL PCR逆方向プライマー23−VL−1R(配列番号38)は、VL領域とVH領域との結合に使用される(GlySer)リンカーペプチドを部分的にコードする配列を含んでいた。5’正方向VH PCRプライマー23−VH−2F(配列番号30)もVL領域とVH領域との結合に使用される(GlySer)リンカーペプチドを部分的にコードする配列を含み、3’VH PCR逆方向プライマーN−23−VH−2R(配列番号40)はscFvをヒンジ領域に結合させるためのSal I制限エンドヌクレアーゼ部位を含んでいた。2つのV領域を、2つのPCRプライマー組を使用してPRIMATIZED(登録商標)p5E8G1抗体を含むプラスミドDNA基質から増幅し、(GlySer)リンカーをコードする共通の重複配列を介した第2のPCR反応においてscFvをアセンブリした。PRIMATIZED(登録商標)p5E8 scFv遺伝子フラグメントをゲルで単離し、BspLU11 IおよびSal I制限エンドヌクレアーゼで消化し、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むBspLU11 IおよびSal I二重消化CH2ドメイン欠失抗体多シストロン性発現ベクターにクローニングした。PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VL scFvを類似の様式で表7および8に示すPCRプライマー対N−23VH−1F(配列番号41)および23−VH−1R(配列番号36)ならびに23−VL−2F(配列番号43)およびN−23−VL−2R(配列番号44)を使用して構築した。完了した両構築物の正確な配列を、DNA配列分析によって正確な配列を確認した。抗体タンパク質の一過性産生のために、プラスミドDNAを使用してCHO DG44細胞を形質転換した。図14は、VL→VH方向(VL/VH)でG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VL/VHミニボディのDNA配列を示す。図15は、VH→VL方向(VH/VL)でG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VLミニボディのDNA配列を示す。図16は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VL/VHミニボディのアミノ酸配列を示す。図17は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VLミニボディのアミノ酸配列を示す。
トランスフェクトされた細胞株から上清を回収し、免疫アッセイによって培養上清中の抗体濃度を決定した。培養上清中に存在するミニボディ分子を、ELISAによってプラスチック製のマイクロタイタープレート上に固定した可溶性CD23抗原への結合について分析した。図33に示す効果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むPRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VLおよびVL/VHミニボディが共に用量応答様式で等しくCD23抗原に結合することができることを証明する。
G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8ミニボディのAアイソフォームおよびBアイソフォームを検出するために、非還元SDS−PAGE電気泳動およびその後の抗ヒトIgG−HRP結合体化抗体を使用したウェスタンブロットによって上清を分析した。これらの条件下で、A型は単一の約80〜90kDaのホモ二量体として移動し、B型は約40〜45kDaの2対として移動すると予想される。配列番号9に示す連結ペプチドは、両ミニボディについてA型の産生比率が実質的に増加することを見出した。例示的結果は図34に示されている。これらの結果は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチド(配列番号9)によって本質的に全A型CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8ミニボディが産生されてB型は検出不可能であることを示す。
等価物。当業者は、日常的な実験しか使用せずに本明細書中に記載の本発明の特定の実施形態に対する多数の等価物を認識するか確認することができる。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
Figure 2007535297
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図1は、ドメイン欠失抗体中で120kDaの二量体として出現するA型および60kDaの単量体として出現するB型を示す。 図2は、それぞれヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む例示的な二鎖二量体ミニボディおよび例示的な二鎖二量体四価ミニボディの略図を示す。他の形状も可能であり、例えば、二重特異性となるように連結ペプチド(HCP)を含む二鎖二量体四価ミニボディを構築することもできる。別の実施形態では、scFv中のVHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図3は、ヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体二重特異性抗体の略図を示す。二重特異性となるようにヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体二重特異性抗体を構築することもできる。VHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図4は、それぞれCH3のカルボキシル末端に付加されたscFvおよびヒンジ連結ペプチドを含む四鎖二量体四価scFv抗体(C−scFv四価抗体)および四鎖四価scFv CH2ドメイン欠失抗体(C−scFv四価CH2ドメイン欠失抗体)の略図を示す。scFv中のVHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図5は、ヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体CH2ドメイン欠失四価(N−scFv CH2ドメイン欠失四価)抗体の略図を示す。二重特異性となるように結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体CH2ドメイン欠失四価抗体を構築することもできる。軽鎖に付加したscFv中のVHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図6は、ヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体CH2ドメイン欠失四価(N−scFv CH2ドメイン欠失四価)抗体の略図を示す。二重特異性となるように結ペプチド(HCP)を含む四鎖二量体CH2ドメイン欠失四価抗体を構築することもできる。重鎖に付加したscFv中のVHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図7は、ヒンジ連結ペプチド(HCP)を含む二鎖二量体四価ミニボディ(C−scFv四価ミニボディ)の略図を示す。二重特異性となるように連結ペプチド(HCP)を含む二鎖二量体四価ミニボディを構築することもできる。両方のscFv中のVHドメインおよびVLドメインの方向を変更することができる。 図8A(配列番号16)は、重鎖CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)huCC49遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図8B(配列番号17)は、合成G1/G3:/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)huCC49遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図8C(配列番号18)は、軽鎖CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)huCC49の一本鎖DNA配列を示す。 図9A(配列番号19)は、重鎖CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)huCC49のアミノ酸配列を示す。 図9B(配列番号20)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)huCC49のアミノ酸配列を示す。 図10A(配列番号22)は、CH2ドメイン欠失huCC49四価(N−scFv四価)ミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図10B(配列番号23)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む四価CH2ドメイン欠失(N−scFv四価)huCC49四価ミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図11A(配列番号24)は、四価CH2ドメイン欠失(N−scFv四価)huCC49ミニボディのアミノ酸配列を示す。図11B(配列番号25)は、合成G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む四価CH2ドメイン欠失(N−scFv四価)huCC49ミニボディのアミノ酸配列を示す。 図12A(配列番号26)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図12B(配列番号27)は、軽鎖四価CH2ドメイン欠失(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図13A(配列番号28)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む重鎖四価CH2ドメイン欠失(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2抗体のアミノ酸配列を示す。 図13B(配列番号29)は、軽鎖四価CH2ドメイン欠失(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2抗体のアミノ酸配列を示す。 図14(配列番号30)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VL/VHミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図15(配列番号31)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VLミニボディ遺伝子の一本鎖DNA配列を示す。 図16(配列番号32)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VL/VHミニボディのアミノ酸配列を示す。 図17(配列番号33)は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むCH2ドメイン欠失PRIMATIZED(登録商標)p5E8 VH/VLミニボディのアミノ酸配列を示す。 図18は、huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体を産生する5つの独立したクローン由来の上清のウェスタンブロットを示す。各上清を還元条件下および非還元条件下で電気泳動した。 図19は、精製されたA型およびB型のhuCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体のクーマシーブルー染色ゲルを示す。各抗体を、還元条件下および非還元条件下で電気泳動した。 図20は、精製されたA型huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体がHPLCサイズ排除クロマトグラフィによって主に単一ピークとして溶離することを示す。 図21は、Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによるA型huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体とウシ顎下ムチン(TAG−72抗原の供給源)との競合結合アッセイの結果を示す。 図22は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むhuCC49のCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体を産生する代表的なクローン由来の上清のウェスタンブロットを示す。 図23は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む精製されたA型huCC49のCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/PAP(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体のクーマシーブルー染色ゲルを示す。 図24は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む精製されたA型huCC49のCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/PAP(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体がHPLCサイズ排除クロマトグラフィによって主に単一ピークとして溶離することを示す。 図25は、Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによるG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むA型huCC49CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価G1/G3/PAP(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)抗体とウシ顎下ムチン(TAG−72抗原の供給源)との競合結合アッセイの結果を示す。 図26は、huCC49ミニボディ、huCC49の2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価huCC49ミニボディ)、およびhuCC49のCH2ドメイン欠失抗体を産生する代表的なクローン由来の上清のウェスタンブロットを示す。還元条件下および非還元条件下で電気泳動した上清についてウェスタンブロットを行った。 図27は、huCC49の2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価huCC49ミニボディ)およびG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むhuCC49の2sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価huCC49ミニボディ)を産生する代表的なクローン由来の上清のウェスタンブロットを示す。 図28は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む精製されたA型huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)のクーマシーブルー染色ゲルを示す。 図29は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む精製されたA型huCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)がHPLCサイズ排除クロマトグラフィによって主に単一ピークとして溶離することを示す。 図30は、Delphia蛍光光度計(Wallac Inc,Gaithersburg,MD)を使用した時間分解蛍光免疫アッセイによるG1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むhuCC49ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体(N−scFv四価ミニボディ)、huCC49ミニボディ、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含むhuCC49のCH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体(C−scFv四価抗体)、およびコントロール親CH2ドメイン欠失huCC49(HuCC49またはIDEC159と呼ばれる)とウシ顎下ムチン(TAG−72抗原の供給源)との競合結合アッセイの結果を示す。 図31は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]ヒンジ連結ペプチドを含む四価CH2ドメイン欠失(C−scFv四価CH2ドメイン欠失)PRIMATIZED(登録商標)p5E8 sc(Fv)2抗体を産生する細胞株由来の上清のウェスタンブロットを示す。 図32は、CH2ドメイン欠失huCC49 VL/VHミニボディを産生する5つの独立した細胞株由来の上清のウェスタンブロットを示す。ミニボディサンプルを、非還元変性条件下で分析し、AアイソフォームおよびBアイソフォームの存在が明らかとなった。 図33は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むPRIMATIZED(登録商標)p5E8のVH/VLおよびVL/VHミニボディのCD23抗原への結合についてのELISA結合アッセイの結果を示す。p5E8G1は、インタクトな全長PRIMATIZED(登録商標)IgG1である。 図34は、G1/G3/Pro243Ala244Pro245+[Gly/Ser]連結ペプチドを含むPRIMATIZED(登録商標)p5E8のVH/VLおよびVL/VHミニボディを産生する細胞株由来の上清のウェスタンブロットを示す。 図35Aは、%ID/gmによって測定したコントロール親huCC49およびhuCC49CH2ドメイン欠失sc(Fv)2四価抗体の腫瘍保持を示す。図35Bは、ピーク抗体蓄積に対して標準化した同一の保持データを示す。

Claims (62)

  1. 少なくとも4つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を含むポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖部分およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含み、該合成連結ペプチドは、239位〜241位(Kabatナンバリングシステム)に対応するIgG1ヒンジ領域の少なくとも中央ヒンジ部分と、IgG3ヒンジ領域の少なくとも一部とを含み、
    ポリペプチド二量体の0%超が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含む、組成物。
  2. 前記重鎖部分が、IgG1アイソタイプの抗体に由来する、請求項1に記載の組成物。
  3. 少なくとも4つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を含むポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2つのポリペプチド鎖は、IgG1抗体アイソタイプに由来する少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖部分、およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含み、該ポリペプチド二量体の90%超が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含む、組成物。
  4. 前記合成連結ペプチドは、IgG1ヒンジドメインの少なくとも一部およびIgG3ヒンジドメインの少なくとも一部を含む、請求項2に記載の組成物。
  5. 前記1つのポリペプチド鎖の少なくとも1つが、前記連結ペプチドを介してVLドメイン、VHドメイン、またはCH1ドメインに直接結合したCH3ドメインを含む、請求項1または3に記載の組成物。
  6. 前記ポリペプチド鎖がCH2ドメインの全てまたは一部を欠く、請求項1または3に記載の組成物。
  7. 前記ポリペプチド二量体が2つまたはそれ以上の鎖間ジスルフィド結合を介して結合しているポリペプチド鎖を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  8. 前記合成連結ペプチドが、226位〜238位(Kabatナンバリングシステム)に対応するIgG1上部ヒンジ残基を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  9. 前記キメラヒンジが、241EE位〜242位(Kabatナンバリングシステム)に対応する1つのIgG3中央ヒンジ反復モチーフを含む、請求項1、3または4に記載の組成物。
  10. 前記二量体が二重特異性である、請求項1または3に記載の組成物。
  11. 前記二量体が可溶性リガンドに特異的な少なくとも1つの結合部位を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  12. 前記分子が細胞表面分子に特異的な少なくとも1つの結合部位を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  13. 前記分子が腫瘍細胞抗原に特異的な2つの結合部位およびプロドラッグに特異的な2つの結合部位を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  14. 前記プロドラッグに特異的な結合部位が触媒性である、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記合成連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステム243位にプロリン残基を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  16. 前記合成連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステム244位にアラニン残基をさらに含み、そしてKabatナンバリングシステム245位にプロリン残基をさらに含む、請求項1または3に記載の組成物。
  17. 前記連結ペプチドが、配列番号8、9、14および5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1または3に記載の組成物。
  18. 医薬としての使用のための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 原結合分子を使用した治療の恩恵を受ける被験体の治療のための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物の使用
  20. 前記被験体が癌を罹患している、請求項1に記載の使用
  21. 前記被験体がリンパ腫を罹患している、請求項1に記載の使用
  22. 前記被験体が自己免疫疾患または自己免疫障害を罹患している、請求項1に記載の使用
  23. 前記被験体が炎症性疾患または炎症性障害を罹患している、請求項1に記載の使用
  24. 請求項1または3に記載のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、該ポリペプチド鎖は、免疫グロブリン重鎖部分およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含む、核酸分子
  25. 前記ポリペプチド二量体が4つのポリペプチド鎖を含み、該ポリペプチド鎖のうちの2つが少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖部分およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含む、請求項1または3に記載の組成物。
  26. 図8Bに示すヌクレオチド配列(配列番号17)を含む核酸分子。
  27. 図8Cに示すヌクレオチド配列(配列番号18)を含む核酸分子。
  28. 図10Bに示すヌクレオチド配列(配列番号23)を含む核酸分子。
  29. 図12Aに示すヌクレオチド配列(配列番号26)を含む核酸分子。
  30. 図12Bに示すヌクレオチド配列(配列番号27)を含む核酸分子。
  31. 図14に示すヌクレオチド配列(配列番号30)を含む核酸分子。
  32. 図15に示すヌクレオチド配列(配列番号31)を含む核酸分子。
  33. ベクター中に存在する、請求項2〜3のいずれか1項に記載の核酸分子。
  34. 請求項3に記載のベクターを含む宿主細胞。
  35. 図9Bのアミノ酸配列(配列番号20)を含む結合分子。
  36. 図9Cのアミノ酸配列(配列番号21)を含む結合分子。
  37. 図11Bのアミノ酸配列(配列番号25)を含む結合分子。
  38. 図13Aのアミノ酸配列(配列番号28)を含む結合分子。
  39. 図13Bのアミノ酸配列(配列番号29)を含む結合分子。
  40. 図16のアミノ酸配列(配列番号32)を含む結合分子。
  41. 図17のアミノ酸配列(配列番号33)を含む結合分子。
  42. 前記結合部位が、抗原結合部位、受容体のリガンド結合部分、およびリガンドの受容体結合部分からなる群から個別に選択される、請求項1または3に記載の組成物。
  43. 前記ポリペプチド鎖が、2B8、Lym 1、Lym 2、LL2、Her2、B1、MB1、BH3、B4、B72.3、CC49、5E8、B3F6、および5E10からなる群から選択される抗体に由来する少なくとも1つの結合部位を有する、請求項4に記載の組成物。
  44. 前記ポリペプチド二量体が四価のミニボディ分子である、請求項1または3に記載の組成物。
  45. 前記ポリペプチド二量体が四価のドメイン欠失抗体分子である、請求項1または3に記載の組成物。
  46. 前記ポリペプチド二量体が二重特異性抗体である、請求項1または3に記載の組成物。
  47. 2つのポリペプチド鎖を含むミニボディ分子を含む組成物であって、該ポリペプチド鎖が免疫グロブリン重鎖部分およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含み、該合成連結ペプチドは、239位〜241位(Kabatナンバリングシステム)に対応するIgG1ヒンジ領域の少なくとも中央ヒンジ部分と、IgG3ヒンジ領域の少なくとも一部とを含み、該ポリペプチド鎖がCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、該ミニボディ分子の0%超が、該ポリペプチド鎖が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する形態で存在する、組成物。
  48. 前記重鎖部分が、IgG1アイソタイプの抗体に由来する、請求項47に記載の組成物。
  49. 2つのポリペプチド鎖を含むミニボディ分子を含む組成物であって、該ポリペプチド鎖がIgG1抗体アイソタイプに由来する少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖部分、およびキメラヒンジを含む合成連結ペプチドを含み、該合成連結ペプチドは、239位〜241位(Kabatナンバリングシステム)に対応するIgG1ヒンジ領域の少なくとも中央ヒンジ部分と、IgG3ヒンジ領域の少なくとも一部とを含み、該ミニボディ分子の90%超が、該ポリペプチド鎖が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合する形態で存在する、組成物。
  50. 前記合成連結ペプチドは、IgG1ヒンジドメインの少なくとも一部およびIgG3ヒンジドメインの少なくとも一部を含む、請求項49に記載の組成物。
  51. 前記ポリペプチド鎖の少なくとも1つが、前記連結ペプチドを介してVLドメイン、VHドメイン、またはCH1ドメインに直接遺伝的に融合したCH3ドメインを含む、請求項47または49に記載の組成物。
  52. 前記ポリペプチド鎖が全CH2ドメインを欠く、請求項47または49に記載の組成物。
  53. 前記分子2つまたはそれ以上の鎖間ジスルフィド結合を介して結合しているポリペプチド鎖を含む、請求項47または49に記載の組成物。
  54. 前記合成ペプチドが、226位〜238位(Kabatナンバリングシステム)に対応するIgG1上部ヒンジ残基を含む、請求項47または49に記載の組成物。
  55. 前記キメラヒンジが、241EE位〜242位(Kabatナンバリングシステム)に対応する1つのIgG3中央ヒンジ反復モチーフを含む、請求項47、49または50に記載の組成物。
  56. 前記結合部位が、抗原結合部位、受容体のリガンド結合部分、およびリガンドの受容体結合部分からなる群から個別に選択される、請求項47または49に記載の組成物。
  57. 前記分子が二重特異性である、請求項47または49に記載の組成物。
  58. 前記連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステム243位にプロリン残基を含む、請求項47または49に記載の組成物。
  59. 医薬としての使用のための、請求項47〜58のいずれか1項に記載の組成物。
  60. 原結合分子を使用した治療の恩恵を受ける被験体の治療のための医薬の製造における、請求項47〜58のいずれか1項に記載の組成物の使用
  61. 請求項47または49に記載のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
  62. 少なくとも4つの結合部位および少なくとも2つのポリペプチド鎖を有するポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2つのポリペプチド鎖が少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖部分を含み、かつCH2ドメインの全てまたは一部を欠き、該ポリペプチド二量体の0%超が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合するポリペプチド鎖を含む、組成物。
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