JP2007532864A - 結晶に対するエッジ効果処理 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線撮像装置に用いるためのシンチレータは、発光面と、放射線受光面と、発光面と放射線受光面の間に延びてエッジ厚を有するエッジを含む周囲部とを有する。シンチレータは、放射線受光面上に入射する放射線に応答して発光面からシンチレーション光を発する。シンチレータは、エッジに隣接するシンチレータの周縁領域内に形成された1つ又はそれよりも多くの光導体を有する。光導体は、シンチレータを含む放射線撮像装置の位置精度を改善することができる。
【選択図】図1
Description
本出願は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、2003年11月20日出願の米国特許仮出願出願番号第60/523,765号の優先権を主張するものである。
本発明は、光学要素、例えばシンチレータにおけるエッジ効果の低減又は除去に関連する器具及び方法の改善に関する。
シンチレータを用いる放射線検出器は、ガンマカメラ、X線検出器、及び他の放射線撮像又は感知装置を含む。シンチレータは、一般的にガンマ線のような放射線が入射する放射線受光面を有する。シンチレータは、光が入射放射線に応答して出現する光出力面、及び外側エッジもまた有する。例えば、円盤状シンチレータは、円筒形エッジ表面を有するであろう。ガラスのような光学窓は、通常シンチレータの光出力面に結合される。光電管のような光センサのアレイは、シンチレータの光出力面から発光され、窓を通って検出器に伝達されたシンチレーション光を受け取る。プラスチック「ライトパイプ」が、窓及び光センサの間に置かれることがある。
シンチレーション撮像における問題は、特にシンチレータのエッジ近くに起こるシンチレーションイベントに対して、シンチレータのエッジからの反射が撮像データの測定位置精度を低下することになることである。エッジの近くで起こるシンチレーションイベントからの光は、そのエッジから反射され、このようなイベントの位置を正確に判断する機能の重大な低下を引き起こすことになる。実際には、不感帯は、シンチレータ又は窓のエッジに隣接する周縁領域の周りに存在する場合があり、そこからは、有意な位置データを集めることができない。この不感帯又は「エッジ効果」は、シンチレータの有効使用可能部分を低減する。更に、検出器の周縁におけるこの使用不能領域の存在は、多くの医学的用途、例えば、胸部及び脳シンチグラフィにおいて検出器が最適に位置決めされることを妨げる。検出器のこの無用な部分によって引き起こされる検出器の嵩の増大はまた、心臓シンチグラフィ及びSPECTの多くの形態のような用途では、患者に十分近く検出器を位置決めするのを困難にする場合がある。
この問題は、この分野で良く認識されている。例えば、この問題を解決するための従来の試みは、シンチレータをいくつかの三角形セグメントに分割することを示唆するSchreiner他に付与された米国特許出願公報第2003/0034455号に説明されている。しかし、このような分割は、装置のコストを増大し、製作するのが困難であり、シンチレータが大気から水分を吸収する場合には問題を起こす場合がある。例えば、ヨウ化ナトリウムを大気中の水分から保護する必要があることは公知である。
従って、エッジ反射の望ましくない効果を低減又は除去する改善されたシンチレータ及び放射線検出器の必要性が存在する。
本発明の実施例による放射線検出器は、発光面と、放射線受光面と、発光面及び放射線受光面の間に延び、かつエッジを含む周囲部とを有するシンチレータを含む。シンチレータは、放射線受光面上に入射する放射線に応答して発光面からシンチレーション光を発する。シンチレーション光の一部分をそれが発光面から出現する前に方向を変える1つ又はそれよりも多くの光導体が、エッジに隣接する周縁領域内に形成される。放射線検出器は、更に、シンチレータからシンチレーション光を受け取るいくつかの光センサを含むことができる。
シンチレータの発光面は、光導体のない中央領域のような非周縁領域を有することができる。用途により、非周縁領域は、周縁領域よりも大きく、時にはそれよりも実質的に大きくなる場合がある。
周縁領域は、エッジのある一定の距離内の領域である。この距離は、エッジのエッジ厚の10倍未満、例えば8倍以内のようなエッジ厚の何らかの倍数とすることができる。この距離はまた、ほぼ光センサの直径とすることもできる。
改良型放射線検出器の別の例は、シンチレータ、シンチレータの発光面と光学連通したセンサのアレイ、及びシンチレータと光センサのアレイとの間の窓を含み、シンチレータ及び/又は窓は、その面に形成された1つ又はそれよりも多くの溝を有する。溝は、シンチレータ及び/又は窓の周縁領域内だけに形成される場合がある。
以下に説明する実施例では、「結晶」という用語は、多くの場合に便宜上シンチレーション材料を意味するのに用いられる。しかし、本明細書で説明するどの実施例も、等しく非結晶シンチレータに適用される。説明する方法及び器具はまた、光学分野の当業者には明らかであるように、他の光学要素における使用にも適応させることができる。
図示のように、結晶10の下面は、放射線受光面であり、結晶の上面は、発光面である。様々な図の説明を通じてこの慣例に従うことになる(便宜上のみ)。
センサは、図示のものと異なる位置にある場合がある。センサは、例えば、2つの結晶の間の間隙にわたることができる。センサは、直線又は2次元アレイ、又は他の構成で設けることができる。走査撮像法もまた使用することができる。
光は、シンチレーションイベント(光のパルスの生成)から結晶10内で全ての方向に伝播する傾向があることになる。しかし、矢印は、溝18a及び結晶エッジ20が導光効果をもたらすために協働して作動し、それによって光がエッジに隣接したままの経路をとり、かつ溝及び結晶エッジ間の発光面の一部分内の発光面から出現するように結晶エッジから及び溝の内面から反射されることを示している。従って、溝18a及び結晶エッジ20は、部分的光閉じ込め又は導波管効果を提供するものである。
図4Aは、表面(発光面など)50を有する矩形発光面と、エッジに隣接する結晶の周縁回りの56及び58のような複数の溝とを示す結晶の上面図を示している。エッジは、辺52及び54を含む矩形として示されている。溝は、等しい深さを有することができ、又は他の実施例では、溝の深さは、エッジに最も近い溝(溝58)が最も深く、エッジから最も遠い溝(溝56)が最も浅い。溝の深さは、以下でより詳細に説明するように、例えば距離に反比例するなど、エッジからの距離に相関させることができる。
図4Bは、表面59に形成された溝がコーナにクロスハッチパターンを形成する別の実施例の上面図を示している。他の詳細は、図4Aに関して上述したものと同じとすることができる。
図5に示すものと同様に見えることがある別の実施例では、放射線検出器は、結晶と、結晶の発光面によって支持された下部及び上部光透過要素又は窓層とを含む。溝は、結晶の発光面に形成することができる。
図7に示すものと同様に見えることがある別の実施例では、放射線検出器は、結晶、下窓、及び上窓を含む。この実施例では、溝は、結晶内及び光を結晶からセンサに伝達する1つ又は2つの窓層内に設けられる。
図9は、結晶140、窓142、センサ144、結晶の上面における146のような溝、及び窓の下面における148のような溝を含む放射線検出器を示している。この実施例では、結晶における溝及び窓における溝は、実質的に位置合せされていない。
図11は、結晶180、窓182、及びセンサ184を含み、窓が、センサの光感受性領域に向けて光を向けるように設計された上面形態186を有する放射線検出器を示している。188のような溝が窓の下面に設けられるように示すが、代替的に又は追加的に、結晶のいずれかの面又は窓の上面とすることもできるであろう。
一連の三角形の窪み190は、そうでなければ検出されないであろう光がセンサ内又はセンサ間の死角に失われるのを防止するために窓の上面に設けられる。代替的に、構造体182は、結晶に隣接する窓と、窓及び光センサ間に挟まれた「ライトパイプ」とである2つの要素で構成することができる。更に以下で考察するように、他の表面形態を用いることができる。
図13は、円形エッジ222と、このエッジに隣接する周縁領域内の溝224及び226とを有する円形結晶220の上面図である。
図14は、放射線源240、結晶242、窓244、光センサアレイ246、コンピュータ248、ディスプレイ装置250、データポート(例えば、データ入力装置)252、及び解析回路254を含む放射線検出器を示している。コンピュータ248上で作動するコンピュータプログラムは、光センサアレイによって提供された位置情報を抽出するのに用いることができる。当業技術で公知のようにエッジ補正、深さ補正、及び他の補正を提供するアルゴリズムを設けることができる。解析回路は、ノイズ低減回路などを含むことができ、コンピュータと統合して単一装置とすることができる。放射線源は、診察中の哺乳動物とすることができる。
他の実施例では、2つの窓は、結晶に位置合わせして設けられ、溝は、端部近くの窓に設けることができる。
「光導体」という用語は、光の内部方向変換をもたらすように結晶内に設けることができるあらゆる構造体を意味するのに用いることができる。光導体は、溝(結晶の表面における切り口など)とすることができ、「溝」という用語は、他の所では便宜上光導体を表すのに用いられる。溝という用語は、切り口及びスロットなどの構造を含む。
光導体は、溝、実質的に異なる屈折率の媒体間の界面、反射フィルム、気泡、欠陥、結晶粒界のような結晶の欠陥、破壊フィルム、又は光が発光面から出現する前に結晶内の光の方向変換をもたらす他の構造体又は構成要素を含むことができる。光導体はまた、埋め込みファイバ、プラスチック又は金属フィルム、又は他の材料を含むこともできる。
光導体は、隣接するエッジ領域に対して実質的に平行であり、及び/又はそれが形成された表面又は近くの表面に対して実質的に垂直とすることができる。複数の離間した光導体は、周縁領域内に形成することができる。各光導体の深さ又は他の範囲は、エッジからの光導体の距離(距離は、光導体とエッジの最も近い領域との間で測定される)と逆相関があるとすることができる。光導体は、結晶又は窓のどの表面にも全体的に延びることはできないであろうが、その代わりに、結晶又は窓の容積内に配置することができる。
光導体は、光導体と別の光導体又はエッジのいずれかとの間にシンチレーション光の部分的光閉じ込めをもたらすことができる。部分的光閉じ込めは、シンチレータを用いて放射線検出器の位置精度を改善することができる。
エッジに隣接する光導体の数は、1〜10(包括的)の範囲、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のような1〜20(包括的)の範囲内の数とすることができる。例示的なシンチレータは、5〜7個の溝で作られたものであり、それらは、位置精度を改善させ、結晶エッジ近くのエッジ効果不感帯を劇的に低下させることが見出されている。
溝間隔は、規則的(等間隔)又は不等間隔とすることができる。溝の深さの漸変性は、エッジからの距離に関して線形又は非線形とすることができ、又は全ての溝を同じ深さとすることができる。
エッジ近くの光導体深さは、漸変的であるのが好ましい。周縁領域における等しい深さの溝又は光導体は、一部の用途に対して有利である場合がある、これらは、最も内側の溝内にエッジ効果の区域を作る傾向にあり、すなわち、最も内側の溝がエッジのように作用する。しかし、結晶を通って部分的にのみ延びる溝は、完全なエッジよりもそれほどエッジ効果を生じないので幾分有用である。
上述の事項に加えて、光溝の分解能増強効果は、分解を改善し、かつ周縁領域全体にわたってエッジ反射を「不鮮明にする」分解能低減効果を軽減する。
溝が、エッジからの距離と逆相関する溝深さのような可変の溝深さを有する場合には、一部の実施例では、最も浅い溝は、約1mmとすることができ、最も深い溝は、エッジ厚の半分にほぼ等しい。一部の実施例では、溝は、湾曲している場合がある。
米国特許第6,563,121号において、Schreiner他は、同じ寸法の規則的アレイで形成されたセルを備えたシンチレーションプレートを説明している。しかし、エッジから離れると、位置データは、センサアレイからの1つ又はそれよりも多くのセンサ読取値から正確に判断することができる。実際に、シンチレータ表面の中央領域内に溝の備えることは、例えば、局所結晶容積の減少により性能を低下させる場合があり、シンチレータの価格及び複雑性を増大させる。
従って、例えば、改良されたシンチレータや溝のような光導体は、好ましくは周縁領域内だけに設けられる。
周縁領域はまた、エッジに隣接する領域、かつエッジからスラブの厚さの6倍〜8倍を超えない領域と定めることができる。代替的に、領域は、厚さの3〜4倍のようなより小さい場合がある。周縁領域はまた、エッジに隣接する領域、かつエッジからほぼその厚さを超えない領域と定めることができる。一実施例では、結晶は、1/4’’〜3/8’’の厚さを有し、光電管は、2’’〜3’’の直径を有し、周縁領域は、1’’〜1.5’’である。
一実施例では、放射線検出器は、スラブ長、スラブ幅、及びスラブ厚(エッジ厚に等しい)を有する直方体スラブの形態のシンチレータを含むことができ、スラブ長及びスラブ幅は、両方とも実質的にスラブ厚よりも大きい。周縁領域は、一部の実施例では、エッジからエッジ厚の約3〜8倍又はそれにほぼ等しい距離以内のスラブの外側領域とすることができる。
光導体(溝など)は、様々な機械的、化学的、光学的、超音波、又は他の手段によって形成することができる。例えば、のこぎりは、溝を結晶の1つ又はそれよりも多くの表面を切削するのに用いることができる。溝はまた、流体の高圧ジェットで形成することができる。普通の結晶材料であるヨウ化ナトリウムは、水に溶けることは公知である。この場合に、オイル、超臨界二酸化炭素、又は他の流体のような非水性流体を用いることができるであろう。水もまた用いることができ、表面は、ジェット切削後に直ちに乾燥させる。二酸化炭素又は窒素のような高圧ガスジェットも表面に溝を設けるのに用いることができる。
気泡はまた、結晶が形成される溶融媒体内に注入することができる。結晶はまた、屈折導光をもたらすように実質的に異なる屈折率を有する他の材料を含むことができる。溝のような光導体はまた、成形(例えば結晶成長中に、例えばプラスチック又は溶融材料を)、型打ち、掘削、他の機械的工程、化学エッチング、イオン衝撃、電子線、原子線、及び石版印刷法などによって形成することができる。
結晶は、発光面、対向放射線受光面、及び矩形エッジ(第1及び第2の対向端部、並びに第1及び第2の対向辺を含む)を有する直方体形状を有することができる。どの対の対向端部も代替的に辺として指定することができ、又は逆も成り立つ。
結晶は、発光面及び対向放射線受光面の間の距離として定められた結晶厚さを有する。2つの面は平行とすることができ、一様な厚さをもたらす。
発光面は、第1及び第2の端部の間、並びに第1及び第2の辺の間に延びる。同様に、発光面に対向する放射線受光面は、発光面に対して実質的に平行であり、また、第1及び第2の端部の間に延びることができる。
溝は、発光面又は放射線受光面いずれに対してもほぼ垂直に形成することができる。溝は、これらが隣接するエッジの部分に対して平行であり、例えば、第1又は第2の端部に対して平行とすることができる。
溝は、等間隔で離間するか又は不規則な間隔で設けることができる。溝が切削される面と溝の遠位端との間の距離と定められる結晶内の溝の深さは、最も近い端部からの溝の距離と相関することができる。例えば、相関関係は、線形、指数的、2次的、又は他の数学的形式とすることができる。
特にPET作業用の一部の結晶は、幅よりも大きい厚さを有するような実質的により厚いものとすることができる。本発明は、同じくこれらのより厚い結晶と共に用いることもできる。
シンチレーション材料は、ハロゲン化物(ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウムなど)、酸化物(ビスマスゲルマネート(BGO)、タングステン酸カドミウム、オルトケイ酸ガドリニウム(GSO)、セリウムドープオルトケイ酸イットリウム(YSO)、及びセリウムドープオルトケイ酸ルテチウム(LSO)など)、他の無機材料(例えば、無機結晶)、有機結晶、他の有機材料、及び他の材料を含むことができる。シンチレーション材料は、活性剤及び母材を含むことができ、活性剤は、分散されるか又は別の方法で処理される。活性剤は、希土類金属のような遷移金属とすることができる。シンチレーション材料は、結晶又は非結晶とすることができる。非結晶シンチレーション材料は、例えば、入射放射線に応答して光をもたらすポリマー、ガラス、及び他の材料を含むことができる。
窓は、一般的に、シンチレーション光に実質的に透明な材料を含む。例えば、窓は、結晶の光出力面に結合するか、当接するか、又は隣接することができる。窓は、例えば、引っ掻き、水分、及び亀裂などから保護することにより、結晶を劣化から保護することができる。
窓は、シンチレーション光に実質的に透明なあらゆる材料から形成することができる。その例には、ガラス、ポリマー(例えばPMMAのようなアクリルポリマーなど)、透明酸化物、又は他の材料が含まれる。
窓は、以下に限定されるものではないが、0.1〜0.375インチの範囲内の厚さを有することができる。窓が、例えば、光をセンサに向けるために周縁領域内に表面形態を有する場合には、溝は、このような特徴を通して形成することができる。溝は、上面の平均面に対して垂直とすることができ、隣接するエッジに対して平行とすることができ、又は他の方法で設けることができる。
類似の幾何学形状は、上述の結晶実施例に対して使用することができ、逆も成り立つ。結晶における溝は、窓における溝と組み合わせることができる。
窓は、結晶エッジに覆いかぶさることができ、これは、結晶によるエッジ効果を低下させることができ、窓の溝の追加は、窓エッジからの反射によるエッジ効果を更に低下させることができる。
窓に溝を備えることは、有利な態様においては、撮像装置の位置精度を増大させることができる。この改善は、結晶に形成された溝ほど大きくないであろう。しかし、撮像装置の結晶を置換することができない場合でさえも、装置の位置精度は、非溝付き窓を溝付き窓と置換することによって改善することができる。
ヨウ化ナトリウムのような湿度感受性シンチレータ結晶を用いる場合には、大気中の水分の影響から結晶を保護するためにハウジングが必要になるであろう。ハウジングはまた、堅牢性を増大し、複数の結晶を一緒に保持し、又は他の目的に対して設けることができる。ハウジングは、好ましくは、実質的に入射放射線を減衰させないものであるが、シンチレーション光に透明である必要はない。例示的なハウジング材料は、アルミニウム、他の金属、及びプラスチックなどを含む。
結晶の放射線受光面からの光の逃散、及び従ってセンサアレイによって検出されないことを防止するために、反射器を設けることができる。例えば、反射器は、アルミニウムハウジングの内側反射面によって設けることができる。別々の金属フィルム又は光バンドギャップ層のような反射フィルムも設けることができる。例えば、反射金属フィルムは、結晶の放射線受光面上に蒸着することができる。干渉反射器及び拡散反射器も用いることができる。拡散反射器は、ポリマーフィルム(テフロン(登録商標)、多孔性テフロン、及びポリエチレンなどのような)、実質的に白色結晶層のような無機材料、及び無機材料ドープポリマーなどを含む。
反射器はまた、結晶及び/又は窓のエッジに設けることができる。結晶のエッジは、通常はシンチレーション光を反射することになる。しかし、付加的な反射器を設けることもできる。
また、吸収体を設けて、あらゆる表面、例えば、センサの開口回りから不要な迷反射を低減することができる。
用いることができるセンサは、光電管(PMT)、アバランチ光ダイオードのような半導体センサ、又は他の光感受性装置を含む。センサは、線形又は2次元アレイで設けることができる。シンチレーションイベントの位置情報は、センサ信号から判断することができる。
溝が結晶内に切削された後に、結晶の局所容積減少による感受性低下の場合があり、減衰補正を必要とする。線形性補正も、画像のあらゆるゆがみ又は空間歪みを補正するために設けることができる。
液体、ゲル、グリース、又はポリマーなどの光結合材料は、屈折率不連続面からの散乱を低減するために構成要素間に設けることができる。例えば、光結合材料は、光損失を低減させるために、センサ及び窓(又は窓を用いない場合は結晶)の間に設けることができる。
用途は、ガンマ線カメラ、及び核医療装置のような他の放射線検出器及び撮像装置を含む。用途はまた、陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、組合せPET/SPECT、X線撮像、UV撮像、宇宙線検出、及び他の撮像及び検出用途を含む。
放射線検出効率の改善は、発光面全体にわたる一様な溝の提供と比較して、特に感受性が問題である場合に(組合せPET/SPECT装置など)全ての用途に対して有利である。
本明細書に説明した方法及び器具はまた、レンズ、蛍光材料、発光材料、及び導光材料(ライトパイプのような)などのような他の材料のエッジ効果を低下させるような他の用途にも適応させることができる。他の例は、以下でより詳細に説明する。
本明細書で説明した方法は、一般的に光学要素からエッジ効果を除去するために用いることができる。例えば、レンズは、レンズの一方又は両方の表面の周縁回りに1つ又はそれよりも多くの溝を備えることができる。溝(この用語は、一般的にあらゆる光導体を意味するのに用いられる)はまた、角膜インプラント、メガネのレンズ、及び他のレンズ及び/又はレンズアレイの周縁エッジ回りにも設けることができる。例えば、メガネ用途では、1つ又はそれよりも多くの溝は、フレーム要素で部分的に又は完全に覆うことができると考えられる。
溝はまた、導波管又は集積光学システムの他の構成要素の周縁領域に沿ってのような他の光学構成要素及びシステムの周縁領域にも設けることができる。例えば、それらは、導波管内のエッジ効果の低減を助けることができる。
放射線検出器がシンチレータ、窓、及びセンサのアレイを含む場合、各センサは、窓を通してシンチレータの発光面と光学連通し、光センサは、光センサ直径を有し、シンチレータ又は窓は、その一方又は両方の面に形成された1つ又はそれよりも多くの溝を備えることができ、1つ又はそれよりも多くの溝は、そのエッジからセンサ直径よりも小さい距離以内に形成されている。
12 第2の結晶
18a〜18d 溝
20 第1の結晶エッジ
22 第2の結晶エッジ
Claims (32)
- 放射線検出器であって、
発光面と、放射線受光面と、該発光面と該放射線受光面の間に延びてエッジ厚を有するエッジを含む周囲部とを有するシンチレータ、
を含み、
前記シンチレータは、前記放射線受光面上に入射する放射線に応答して前記発光面からシンチレーション光を放出し、
前記シンチレータはまた、前記エッジに隣接する周縁領域を有し、
前記シンチレータはまた、前記周縁領域内だけに形成された光導体を含み、
前記光導体は、シンチレーション光の一部分の方向をシンチレーション光の該部分が前記発光面から出現する前に変えるように作動可能であり、
それによって放射線検出器の位置精度が改善される、
ことを特徴とする放射線検出器。 - シンチレーション光を受け取り、各々がセンサ直径を有する複数の光センサを更に含み、
前記周縁領域は、前記エッジからセンサ直径にほぼ等しい距離内の領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。 - 前記シンチレータは、光導体が形成されない非周縁領域を有し、
前記非周縁領域は、前記周縁領域よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。 - 前記周縁領域は、前記エッジから前記エッジ厚の8倍にほぼ等しい距離内にあることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記周縁領域は、前記エッジからの前記エッジ厚の5倍にほぼ等しい距離内にあることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
- 前記周縁領域は、前記エッジからの前記エッジ厚の3倍にほぼ等しい距離内にあることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出器。
- 前記光導体は、前記発光面又は前記放射線受光面に形成された溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記光導体は、反射フィルムを含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記光導体は、異なる屈折率の2つの領域間の界面を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記光導体は、前記シンチレータ内のシンチレーション光の内部反射を形成することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記光導体は、前記エッジに対して実質的に平行であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 前記周縁領域内だけに形成された複数の離間した光導体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- 各光導体の深さは、前記エッジからの該光導体の距離と逆相関性があることを特徴とする請求項10に記載の放射線検出器。
- 前記シンチレータは、スラブ長、スラブ幅、及び前記エッジ厚に等しいスラブ厚を有する矩形スラブであり、該スラブ長及びスラブ幅は、両方とも実質的に該スラブ厚よりも大きく、前記周縁領域は、前記エッジから該エッジ厚の8倍以内の領域であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
- シンチレータであって、
発光面と、放射線受光面と、該発光面と該放射線受光面の間に延びてエッジ厚を有するエッジを含む周囲部とを有するシンチレーション材料の本体、
を含み、
前記本体は、前記放射線受光面上に入射する放射線に応答して前記発光面からシンチレーション光を放出し、
前記本体はまた、スラブの形態を有し、前記放射線受光面及び前記発光面は、ほぼ平行で同じ広がりを有し、
前記スラブは、実質的に前記エッジ厚よりも大きいスラブ幅と該エッジ厚に等しいスラブ厚とを有し、
前記本体はまた、前記エッジに隣接する周縁領域を有し、
前記本体はまた、前記周縁領域内だけに形成された1つ又はそれよりも多くの光導体を含み、
前記光導体は、前記シンチレーション光の一部分の方向を該シンチレーション光の該部分が前記発光面から出現する前に変えるように作用する、
ことを特徴とするシンチレータ。 - 前記シンチレーション材料は、シンチレータの大部分を包含する、前記エッジに隣接しない非周縁領域を有することを特徴とする請求項15に記載のシンチレータ。
- 前記周縁領域に形成された複数の溝を有し、該溝は、光導体として作用し、各溝の深さは、前記エッジからの該溝の距離に逆相関することを特徴とする請求項16に記載のシンチレータ。
- 前記1つ又はそれよりも多くの光導体は、前記周縁領域内の複数の溝によって設けられ、各溝は、前記面の1つからシンチレータ内に延びていることを特徴とする請求項16に記載のシンチレータ。
- 前記溝は、各々が前記面の1つに対してほぼ垂直であることを特徴とする請求項18に記載のシンチレータ。
- 前記溝は、前記エッジに及び互いにほぼ平行であることを特徴とする請求項18に記載のシンチレータ。
- 各溝は、前記エッジからの該溝の距離に逆相関する溝深さを有することを特徴とする請求項18に記載のシンチレータ。
- 前記周縁領域は、前記エッジから前記エッジ厚の8倍以内にあることを特徴とする請求項15に記載のシンチレータ。
- 前記エッジ厚は、0.25から0.375インチの範囲にあることを特徴とする請求項15に記載のシンチレータ。
- 最も深い溝は、前記エッジ厚の半分に等しいか又はそれ未満であることを特徴とする請求項18に記載のシンチレータ。
- 撮像装置と共に用いるためのシンチレータであって、
第1の表面と、対向する第2の表面と、該第1及び第2の表面の間に延びる少なくとも1つのエッジとを有する本体と、
前記第1の表面から前記本体の中に形成された複数の平行な溝と、
を含み、
前記溝は、各々が溝深さを有し、かつ前記エッジに隣接して配置され、該エッジに最も近い溝は、最大の深さを有し、それに続く溝は、より浅い深さを有する、
ことを特徴とするシンチレータ。 - 前記溝深さは、前記エッジからの前記溝の距離と共に線形的に減少することを特徴とする請求項25に記載のシンチレータ。
- 前記溝深さは、前記エッジからの前記溝の距離と共に非線形的に減少することを特徴とする請求項25に記載のシンチレータ。
- 放射線検出器であって、
放射線受光面及び発光面を有し、入射放射線に応答してシンチレーション光を生成するシンチレータと、
各光センサが光センサ直径を有し、各センサが前記シンチレータの前記発光面と光学連通しているセンサのアレイと、
第1の面及び第2の面を有する、前記シンチレータと前記光センサのアレイとの間の窓と、
を含み、
前記シンチレータ又は前記窓は、その1つの面に形成された1つ又はそれよりも多くの溝を有し、該1つ又はそれよりも多くの溝は、そのエッジから光センサ直径よりも短い距離内だけに形成されている、
ことを特徴とする放射線検出器。 - エッジを含む周囲部によって囲まれた面を有する光学材料を処理して内部エッジ反射の影響を修正する方法であって、
エッジに隣接する周縁領域内の面に複数の溝を形成する段階、
を含み、
前記面はまた、溝が形成されない非周縁領域を含み、該非周縁領域は、前記周縁領域よりも面積が大きい、
ことを特徴とする方法。 - 前記溝は、前記光学材料を切削することによって形成されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記光学材料は、シンチレータであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記光学材料は、撮像装置に光学要素を形成するのに用いられることを特徴とする請求項29に記載の方法。
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